JP2021144855A - 試料ホルダーおよび分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子材料等において試料の異常箇所等を容易且つ迅速に断面方向から分析することを可能にする、試料ホルダーおよび分析方法を提供する。【解決手段】試料ホルダー30は、円筒形の部分31と、円筒形の部分31の上部に円筒形と連続する側面を有する半円筒形の部分32とを有し、円筒形の上底面から立設している半円筒形の平面部分33には、試料台を固定する孔34が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、試料を電子顕微鏡にて分析する際に用いる試料ホルダー、および、前記ホルダーを用いて試料を分析する方法に関するものである。
電子材料等において発生した、例えば薄膜形成不良等の異常箇所等を分析する際には、電子顕微鏡を用いた試料の表面観察や断面観察が一般的に行われる。そして、断面観察を行うにあたって、ミクロトームや、収束イオンビーム加工装置等が試料の加工装置として用いられる。
ここで断面観察を行うにあたって、試料の断面加工にはミクロトームを用いての加工が、通常よく用いられる手法である。しかし、例えば薄膜形成不良等の異常箇所等の分析では、母材がエポキシ樹脂等の絶縁物で構成されている場合が多い為、加工後の試料が導電性を有しない場合が多い。そしてこのような場合、何らかの金属蒸着を施す必要がある。
一方、例えば金属等の薄膜に発生した粒、ピンホール、異物の噛み込み等の異常箇所を分析する場合、極めて微小な1点を含む試料の断面の観察を行う必要が生じる場合がある。このような場合、ミクロトームを用いて切出した試料を、さらに収束イオンビーム加工装置によって削り出して断面試料を作製する。その際、まず試料を削って電子顕微鏡で確認し、次に、当該試料を再度収束イオンビーム加工装置によって削り出し、再度電子顕微鏡で確認する、・・・という作業を繰返すことがある。
このような場合、電子顕微鏡から試料を取り外し、再度の断面加工、試料台への試料の貼り付け、金属蒸着といった一連の作業を繰り返すこととなり、多くの時間がかかっていた。また、このような作業の繰り返しにおいて、カーボンペースト等によって試料を試料台に固定する操作も繰り返される為、せっかくの切削面がカーボンペースト等で汚染される可能性が高くなるという課題もあった。
そこで、本発明者らは、断面加工と電子顕微鏡観察とを効率的に実施出来る試料の加工および分析方法について特許文献1を開示した。
具体的には、円板の一部を切欠いて形成される切断縁部を有する略半円状の試料載置部を備えた試料台へ、複数の試料を前記切断縁部に沿って並列させて載置固定する。そして、当該試料台を集束イオンビーム加工装置に装着して、前記複数の試料を断面加工する。当該断面加工後に試料台を走査型電子顕微鏡に装填し、試料の断面加工された部分を観察し分析する方法を開示した。
また例えば、特許文献2には、走査型電子顕微鏡用の試料ホルダーの試料断面を固定し、基準面をそろえる為のホルダー本体と、試料をホルダー本体に固定する金具と、当該金具と本体とをねじ止めするねじを有した、走査型電子顕微鏡用断面試料ホルダーが提案されている。
特開2018−049692号公報 特開平01−258349号公報
上記のように、例えば、極めて微小な1点を含む試料の断面観察を行う必要がある場合、収束イオンビーム加工装置によって試料を削り出し、次に電子顕微鏡で確認するという作業を繰返すことになる。
さらに、近年、試料の異常箇所におる解析の精密化への要求が高まってきており、例えば、全体的な濃淡の分布と、ある程度の幅とを持って不純物が固溶しているような異常箇所の観察および分析を3次元的に実施することもある。このような場合も、当該異常箇所断面への走査型電子顕微鏡による観察および分析後、試料を取外して当該断面の再加工を行う。そして、再度の走査型電子顕微鏡による観察および分析を行う。さらに、試料を取外して断面の再再加工を行う。・・・というサイクルを繰返して、当該異常箇所の観察および分析を3次元的に実施することになる。
当該状況の下、本発明者らの検討によると、特許文献1に係る試料の断面分析方法や試料台を用いた場合、断面加工の試料の被分析対象面は試料台平面とほぼ垂直な位置関係となっている。この為、走査型電子顕微鏡に試料を装填して、試料断面の観察や分析を実施する際には、試料台を傾斜させて観察や分析をする必要があり、作業性や、試料における機械的安定性の観点から検討の余地があった。
また、特許文献2に記載の走査型電子顕微鏡用の試料ホルダーでは、試料の断面加工後に、試料を断面加工装置から取外して試料ホルダーに付替える手間が発生する。その為、試料の汚染、変形等の問題が発生する。さらに、試料を抑え板で固定する際に、試料を水平に抑えることが難しい等の問題もあった。
本発明は上述した背景の下で為されたものであり、その解決しようとする課題は、電子材料等において試料の異常箇所等を容易且つ迅速に断面方向から分析することを可能にする、試料ホルダーおよび分析方法を提供することである。
上述の課題を解決する為の第1の発明は、
円筒形の部分と、前記円筒形の部分の上底面上に前記円筒形と連続する側面を有する半円筒形の部分とを有し、
前記円筒形の上底面から立設している前記半円筒形の平面部分には、試料台を固定する孔が設けられていることを特徴とする試料ホルダーである。
第2の発明は、
前記平面部分には、前記試料台を固定する孔が、前記円筒形の上底面に平行して2箇所以上設けられ、前記試料台が2台固定可能であることを特徴とする第1の発明に記載の試料ホルダーである。
第3の発明は、
前記試料台が、ピンスタブであることを特徴とする第1または第2の発明に記載の試料ホルダーである。
第4の発明は、
前記試料台が、円盤状の試料台の一部を欠いた形状を有するピンスタブであることを特徴とする第3の発明に記載の試料ホルダーである。
第5の発明は、
被観察箇所を有する試料を試料台へ固定し、前記試料へ収束イオンビーム加工装置で断面加工を施して被観察箇所の断面を露出させ、前記被観察箇所の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて分析する分析方法であって、
前記被観察箇所を有する試料が固定された試料台を、収束イオンビーム加工装置に装填する第1の工程と、
収束イオンビーム流により、前記被観察箇所の断面を露出させる第2の工程と、
前記被観察箇所の断面が露出した試料が設置された試料台を収束イオンビーム加工装置から取外し、第1または第2の発明に記載の試料ホルダーに固定し、前記試料台が固定された試料ホルダーを走査型電子顕微鏡に装填し、前記被観察箇所の断面を分析する第3の工程とを、有することを特徴とする分析方法である。
第6の発明は、
前記第3の工程の後、前記走査型電子顕微鏡から前記試料ホルダーを取外し、前記試料ホルダーから前記試料台を取外し、前記試料台を前記収束イオンビーム加工装置に装填する第4の工程を有し、
前記第2の工程から第4の工程を、所望回繰り返すことを特徴とする第5の発明に記載の分析方法である。
第7の発明は、
前記試料台として、ピンスタブを用いることを特徴とする第5または第6の発明に記載の分析方法である。
第8の発明は、
前記試料台として、円盤状の試料台の一部を欠いた形状を有するピンスタブを用いることを特徴とする第7の発明に記載の分析方法である。
電子材料等である試料の異常箇所等を、容易且つ迅速に断面方向から分析することが可能となった。
(A)は試料台の上面図であり、(B)は正面図である。 試料ホルダーを斜視した写真である。 試料ホルダーの上面図である。 試料ホルダーの側面図である。 試料の断面分析方法の概略を示すフロー図である。 試料台に複数の試料を載置した模式図である。 試料ホルダーと試料台との使用状況を斜視した写真である。 ショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡による実施例1に係る観察像である。 ショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡による比較例1に係る観察像である。
本発明に係る電子基板等における異常箇所の断面加工方法は、ウルトラミクロトーム等を用い異常箇所の近傍まで、試料の断面の粗加工を行う。次に、断面が粗加工された試料を試料台へカーボンペーストで固定し、導電性を確保するため、カーボン蒸着を施す。その後、試料を載せた試料台を集束イオンビーム加工装置内に装填し、異常箇所の断面加工を行う。その後、試料台を試料ホルダーに固定し、当該試料ホルダーを走査型電子顕微鏡に装填して異常箇所の断面の観察および分析を実施する。そして、走査型電子顕微鏡から試料ホルダーを取出し、試料台を取外して、再度、集束イオンビーム加工装置内に装填し、異常箇所の断面加工を行う。そして、試料台を試料ホルダーに再固定し、当該試料ホルダーを走査型電子顕微鏡に再装填して異常箇所の断面の観察および分析を実施する。そして、走査型電子顕微鏡から試料ホルダーを取出し、試料台を取外して、再再度集束イオンビーム加工装置内に装填して、異常箇所の断面の再再加工を行う、・・・というサイクルを繰返す。この結果、異常箇所が極めて微小な1点の場合であっても、当該異常箇所を含む断面を得ることができ、その観察および分析を行うことができるというものである。
以下、本発明を実施する為の形態について、1.試料台、2.試料ホルダー、3.試料の断面分析方法、の順に説明する。
1.試料台
本発明に用いる試料台は、デュアルビームFIB装置等の集束イオンビーム加工装置(FIB加工装置)により、試料の断面を加工したり、走査型電子顕微鏡(SEM)や付属のエネルギー分散型X線分光器(EDS)により試料の断面観察や元素分析をしたりするための、集束イオンビーム加工装置と、走査型電子顕微鏡とに兼用して使用可能な試料台である。この試料台は集束イオンビーム加工装置や走査型電子顕微鏡の試料ホルダーに設置された試料台装着部に直接着脱自在に取り付けられる。
図1(A)は、試料台の上面図であり、図1(B)は正面図である。試料台11は、試料が載置され固定される略半円状の試料載置部14と、その底面から突出する軸15から構成されている。略半円状の試料台11は、点13を中心点とする円板の一部を切欠いて切断縁部12が形成される。軸15は後述する試料ホルダーに、試料台11を取り付けるために用いられる。
試料台11としては、円筒形の軸15を中心に回転させることがあるため試料載置部14が円板状の、所謂「ピンスタブ」と呼ばれる試料台が一般的に用いられる。
一方、集束イオンビーム加工装置では試料の断面加工される箇所は試料載置部14から外側に突出するように載置、固定され、断面加工される箇所は試料載置部14の外側に存在する。すなわち、走査型電子顕微鏡により観察すべき試料面は、円板の側面に沿って外側を向いている。ところで、1つの試料台に1個の試料を載置、固定するとは限らず、作業効率上、複数の試料を載置、固定する場合がある。そのような場合、円板状の外周部に複数の試料を載置、固定すると、走査型電子顕微鏡による観察の度に試料ホルダーを取出し、軸15を中心に試料台を回転させ、試料の向きを調整するという作業が発生する。また、その度に、走査型電子顕微鏡の視野やフォーカスの調整にも手間が掛かる。
そこで、本発明で用いる試料台11は、図1に示すような略半円形状であることが好ましい。この略半円形状の試料載置部14から外側に突出するように試料を載置して固定すれば、都度、試料の向きを調整する作業を伴わずに、複数の試料を集束イオンビーム加工装置で断面加工することが可能である。また、この略半円形状の試料載置部14から外側に突出するように試料を載置して断面加工した試料台11を、後述する試料ホルダーに装着することにより、複数の試料をほぼ同じ高さに位置合わせすることができる。この結果、1回の高さ位置調整及び試料毎の観察中のフォーカス調整で、複数の試料の走査型電子顕微鏡による観察やEDSによる元素分析が可能となる。
さらに、試料台11は後述する試料ホルダーに装着することにより、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡で試料台を兼用出来る。この結果、試料台からの試料の付け替えに伴う汚染を防止できるとともに、分析作業の迅速化・効率化が可能となる。
上記試料載置部14の円板の一部を切欠いて形成される切断縁部12は、例えば曲率の大きな円弧や波状としても良い。そのようにすることで、複数の試料を載置、固定することができ、効率よく観察や分析を行うことが出来る。尤も、切断縁部12は直線状が好ましい。そのようにすることで、試料が飛び出している長さを揃えやすいため、走査型電子顕微鏡での試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易となり有利である。このように切断縁部12から突出するように試料を載置することで、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡の試料台11として兼用でき、複数の試料を載置することが可能となる。ここで略半円状とは、半円の形状や、円の中心より円周側を一部切欠いて形成される形状をいう。
また、試料載置部14は円板の一部を直線状に切欠いた略半円状としたが、特にこの形状に限定されることはなく、例えば多角形の形状でもよい。しかしながら、試料台11は軸を中心に回転させることもあるので、略半円状とするのが最も面積が大きくなり、その一部を切欠く形状とするのが試料を数多く載置させることができるので有利である。
試料台11の材質としては走査型電子顕微鏡による観察やEDSによる元素分析に影響を及ぼすものでなければ特に限定されるものではない。具体的には、導電性を有し磁性を有しない材料、例えばアルミニウムや真鍮等で形成されたものを用いることができる。
2.試料ホルダー
本発明に係る試料ホルダーは、上述した試料台に載置固定された試料の断面が、走査型電子顕微鏡のレンズに対向するように、試料台を電子顕微鏡内へ装填する為の試料ホルダーである。
本発明に係る試料ホルダーの一例について、外観を斜視した写真である図2、平面図である図3、および、側面図である図4を用いて説明する。
図2に示すように、本発明に係る試料ホルダー30は円筒形および半円筒形を有する試料ホルダーであって、円筒形の部分31と、前記円筒形の部分の上底面上に前記円筒形と連続する側面を有する半円筒形の部分32とを有し、前記円筒形の上底面から立設している前記半円筒形の平面部分33には、試料台を固定する孔34が設けられている。
一方、試料ホルダー30の円筒形の部分31は、そのまま電子顕微用内へ装填出来るサイズとする。
図2に示すように、孔34は、試料ホルダー30の底面に平行して、例えば3箇所に削孔されている。この結果、上述した試料台の底面から突出する軸を、孔34に差し込むことで、試料台11を試料ホルダー30に固定することが出来る。当該構成により、試料台11に載置固定された試料の断面が、走査型電子顕微鏡のレンズに対向するように、試料台11を試料ホルダー30に固定することが出来る。
この結果、試料の断面が走査型電子顕微鏡のレンズに対向するので、走査型電子顕微鏡に装備された試料台の傾斜を調整する操作は必要ないか、或いは、僅かな調整で良くなる。従って、当該調整時間が大幅に削減できる上、観察・分析の操作性、安定性が向上する。また、照射される電子線に対して観察試料面が垂直になるので、精度の高い観察を行うことができ、精度の高い画像を得ることができる。この効果は、「試料加工−観察・分析−試料再加工−再観察・分析−・・・」のサイクルを繰り返す毎に顕著なものとなる。さらに、当該サイクルを繰り返す毎の各観察・分析を同一条件で実施出来ることによる、データの連続性の観点からも効果を得ることが出来る。
さらに、図3、図4に示す一実施形態のように、例えば、当該3箇所の孔34のそれぞれにつながるように、試料ホルダー30の底面から垂直に3つのネジ孔35を設け、当該ネジ孔35へビスを設置し、前記軸を当該ビスによって固定する構成とすれば、試料台を試料ホルダー30へ、容易に脱着自在に固定することが出来る。そして孔34を3箇所設けることにより、中央の孔を用いることで1個の、両端の孔を使うことで2個の試料台11を固定することが出来る。
尚、試料ホルダー30の材質は、上述した試料台と同様に導電性を有し、磁性を帯びず、さらに機械的強度を有するものであれば良く、例えば真鍮製であることが好ましいが、アルミ合金製でも使用可能である。
さらに、試料ホルダー30は、円筒形の部分31と、前記円筒形の部分の上部に前記円筒形と連続する側面を有する半円筒形の部分32とを有した形状を有している為、作製に当たり、円筒形状の金属素材を切削加工することで容易に作製出来、変形し難く、寸法精度等を担保するのが容易である。
3.試料の断面分析方法
本発明に係る試料の断面分析方法は、デュアルビームFIB装置等の集束イオンビーム加工装置による試料の断面加工と、走査型電子顕微鏡や付属のエネルギー分散型X線分光器による試料の断面観察や元素分析とに兼用して使用可能な試料台を用い、当該試料台を本発明に係る試料ホルダーへ固定することにより、試料台に載置固定された試料の断面が、走査型電子顕微鏡のレンズに対向するように、試料台を電子顕微鏡内へ装填し、観察・分析を行う、試料の断面分析方法である。
図5は、本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法の概略を示すフロー図である。図5に示したように、円板の一部を切欠いて形成される切断縁部を有する略半円状の試料載置部を備えた試料台に、複数の薄膜試料を上記切断縁部に沿って並列させて載置固定し(S1)、試料台を集束イオンビーム加工装置に装着して薄膜試料を断面加工する(S2)。そして、断面加工後に当該試料台を本発明に係る試料ホルダーへ固定し、当該試料ホルダーを走査型電子顕微鏡に装着し(S3)、観察及び/又は分析を行う(S4)。この後、所望により、走査型電子顕微鏡から試料ホルダーを取出し、当該試料ホルダーから試料台を外して、集束イオンビーム加工装置に装着して薄膜試料を断面加工する(S2)。そして、当該(S2)−(S3)−(S4)−(S2)−・・・のサイクルを所望回繰り返す。
このようにすれば、集積イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡で試料台を兼用できるので、試料の付け替えに伴う汚染はなくなる。さらに走査型電子顕微鏡において、試料台に載置固定された試料の断面が、走査型電子顕微鏡のレンズに対向するので、走査型電子顕微鏡に装備された試料台の傾斜を調整する操作は必要ないか、或いは、僅かな調整で良くなる。この結果、試料の断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析できる。
ここで本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法について詳しく説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る試料台に複数の試料を載置した図である。図6に示すように、切断縁部に沿って薄膜試料21を複数載置させる。そうすることで、断面加工の際、一度に複数の断面加工を行うことができ、複数の試料ごとに装置から毎回取り出す作業の手間を省くことができる。
また、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡とで試料台を兼用でき、試料の付け替えに伴う汚染はなく、複数試料を試料台に同時に載置することが可能である。試料台に載置固定された試料の断面が、走査型電子顕微鏡のレンズに対向するので、走査型電子顕微鏡や付属のエネルギー分散型X線分光器での観察や分析時に、装置に入れる前の試料ごとの高さ位置調整や観察中のフォーカス調整が容易になる。また、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析できる。よって、装置に入れる前の複数の試料ごとの高さ位置調整や試料台の傾斜調整、観察時のフォーカス調整をする手間を省くことができる。
薄膜材料の断面を観察、分析する時には、例えば異常個所の微小な領域の観察、分析である場合が多いため、断面加工には集束イオンビーム加工装置を用いることが好ましい。しかし、集束イオンビームを用いた加工は大面積を加工しようとすると長時間かかるため、予め粗加工を施しておくのが好ましい。粗加工としては、公知の方法を用いればよいが、例えばウルトラミクロトームを用いることができる。
集束イオンビームによる加工は、微細なビーム径のガリウムイオンビームを試料に照射することにより、試料の原子がはじき飛ばされることで試料を加工するものである。ビーム径は数nmまで絞ることができるので、非常に高精度の加工ができ、薄膜材料の断面加工に好適である。さらに、集束イオンビーム装置とともに電子顕微鏡も搭載したデュアルビームFIB装置を用いれば、観察しながら断面加工が可能となるので、断面加工の位置精度が向上し、微小な異常個所の観察、分析には好適である。
予めウルトラミクロトーム等で粗加工を施した試料は、上記説明した試料台11の試料載置部14の切断縁部12から、断面加工して観察、分析しようとする箇所が試料台から外側に突出するように載置して固定する。このようにすれば、複数の試料をほぼ同じ高さに位置合わせすることができるので、1回の高さ位置調整や、試料毎の観察中のフォーカス調整で複数の試料を走査型電子顕微鏡観察やEDSによる元素分析が可能となる。
集束イオンビーム加工装置を用いた断面加工は公知の方法で行えばよく、薄膜材料の試料の場合は、試料の厚さ方向に貫通するまで断面加工を施してもよいが、断面観察、分析を行う箇所のみ深く掘削し、その箇所から離れるに従い掘削量を浅くしてスロープを付けた凹部を形成してもよい。スロープを付けた凹部を形成するのは、走査型電子顕微鏡で観察および付属のEDSで元素分析を行う時に、断面加工した箇所に電子線を照射する経路を確保するためである。
薄膜材料の試料は、導電性を有していない場合も多く、走査型電子顕微鏡にて観察等をするためには導電性を付与させる必要がある。通例はカーボン等を試料に蒸着させるが、集束イオンビーム加工をする前に導電性を付与するための蒸着を行うとよい。
走査型電子顕微鏡による試料の断面の観察は公知の方法で行えばよい。またEDSが付属されていれば、試料の断面の元素分析をすることができる。
そして、極めて微小な1点の箇所を含む断面観察を行う必要がある場合、収束イオンビーム加工装置によって削り出しては電子顕微鏡で確認するという作業を繰返すことになるが、そのようなときには、顕著な作業時間の短縮が可能である。また、試料の断面における観察、分析を3次元的に実施する際にも、顕著な作業時間の短縮が可能である。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
剃刀を使用して電子基板異常部のトリミングによる粗加工を行って試料を得た。その後、ウルトラミクロトーム(ファインテック社製 ULTRACUT E)用いて、試料における異常部の断面加工を行った。ウルトラミクロトームでの断面加工位置は異常箇所の近傍までとした。
次に、試料ホルダーと試料台との使用状況を斜視した写真である図7の(A)に示すようにウルトラミクロトームで加工した薄膜試料21を、試料台11の切断縁部12へカーボンペーストで固定した。そして、当該試料を固定した試料台へ、カーボン蒸着装置(日本電子社製 JEE−400)を用いて、カーボン蒸着を行った。
カーボン蒸着を行った試料台を、デュアルビームFIB加工装置(日本エフイーアイ社製 Quanta200 3D)に装填し、試料における異常部の断面加工をGaのFIBで行った。デュアルビームFIB加工装置から取り出した試料台の軸を、試料ホルダーの孔に挿入し、当該試料ホルダーの孔に設けられたビスを締めて、図7の(B)に示すように試料台の軸を試料ホルダーに固定した。図7の(B)において、符号11は試料台、符号12は切断縁部、符号21は薄膜試料、符号30は試料ホルダーである。
次に、図7の(C)に示すように、試料台を固定した試料ホルダー30を、走査型電子顕微鏡の試料保持枠41へセットし、ショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JSM−7900F)に装填し、試料台11に載置固定された薄膜試料21の断面を走査型電子顕微鏡のレンズに対向させた。そして、試料における異常箇所の観察・分析を実施した。その際、走査型電子顕微鏡に装備された試料台の傾斜を調整する操作は、殆ど不必要であった。ここで、走査型電子顕微鏡による観察の結果、試料の断面が異常箇所に到達していない、すなわち切削不足と判断された場合、試料ホルダー30から試料台11を取外し、デュアルビームFIB加工装置で再加工を行った。この作業を複数回繰り返すことで、異常箇所を含んだ切削面を得ることができ、良好な断面観察を行うこと、良好な画像データを得ることができた。
実施例1に係るショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡による観察像を図8に示す。
図8より、試料台11上の試料21の断面部分が良好に撮影されていることが理解出来る。この結果、異常部の大きさを初めとする各種の状況が把握出来た。
(比較例1)
実施例1と同様に、カーボン蒸着を行った試料台を、デュアルビームFIB装置(日本エフイーアイ社製 Quanta200 3D)に装填し、試料における異常部の断面加工をGaのFIBで行った。
デュアルビームFIB装置から取り出した試料台を、市販の試料ホルダーを用いてショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JSM−7900F)に装填した。
試料台に載置固定された試料の断面は、走査型電子顕微鏡のレンズとほぼ垂直な位置関係となった。そこで、走査型電子顕微鏡に装備された試料台の傾斜を調整する操作を行って、ステージを45°傾斜させ、異常個所の観察、分析を実施した。
しかし、試料台の傾斜を調整する操作に時間を必要とした。
比較例1に係るショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡の観察像を図9に示す。
図9より、試料台上の試料の断面部分が傾斜状態で撮影されていることが理解出来る。この結果、異常部の正確な大きさの把握が出来なかった。また、EDS分析を行う際にX線が傾斜部分を透過後に検出器へ入っていく為、感度が落ちてしまった。
(比較例2)
実施例1と同様に、カーボン蒸着を行った試料台を、デュアルビームFIB装置(日本エフイーアイ社製 Quanta200 3D)に装填し、試料における異常部の断面加工をGaのFIBで行った。
デュアルビームFIB装置から取り出した試料台から試料を取外した。そして当該試料を直角の試料台に固定した後、ショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JSM−7900F)に装填した。
しかし、試料を直角の試料台へ再度の固定する為、多くの時間が必要だった。
(比較例3)
実施例1と同様に、カーボン蒸着を行った試料台を、デュアルビームFIB装置(日本エフイーアイ社製 Quanta200 3D)に装填し、試料における異常部の断面加工をGaのFIBで行った。
デュアルビームFIB装置から取り出した試料台を、当該傾斜45°のコンバーター(ホルダー)に装着した後、ショットキー電界放出形走査型電子顕微鏡(日本電子社製 JSM−7900F)に装填した。しかし、コンバーターは形状が複雑で、試料台が安定しない場合がある上、試料の断面部分が傾斜状態であるので、正確な大きさの把握が出来ず、また、EDS分析を行う際にX線が傾斜部分を透過後、検出器に入っていくため感度が落ちてしまった。
そこで、走査電子型顕微鏡に装備された試料台の傾斜を調整する操作を行って、ステージを、さらに45°傾斜させたが、試料台の傾斜を調整する操作に相当な時間を必要とした。
11.試料台
12.切断縁部
13.中心点
14.試料載置部
15.軸
21.薄膜試料
30.試料ホルダー
31.円筒形の部分
32.半円筒形の部分
33.半円筒形の平面部分
34.孔
35.ネジ孔
41.走査型電子顕微鏡の試料保持枠

Claims (8)

  1. 円筒形の部分と、前記円筒形の部分の上底面上に前記円筒形と連続する側面を有する半円筒形の部分とを有し、
    前記円筒形の上底面から立設している前記半円筒形の平面部分には、試料台を固定する孔が設けられていることを特徴とする試料ホルダー。
  2. 前記平面部分には、前記試料台を固定する孔が、前記円筒形の上底面に平行して2箇所以上設けられ、前記試料台が2台固定可能であることを特徴とする請求項1に記載の試料ホルダー。
  3. 前記試料台が、ピンスタブであることを特徴とする請求項1または2に記載の試料ホルダー。
  4. 前記試料台が、円盤状の試料台の一部を欠いた形状を有するピンスタブであることを特徴とする請求項3に記載の試料ホルダー。
  5. 被観察箇所を有する試料を試料台へ固定し、前記試料へ収束イオンビーム加工装置で断面加工を施して被観察箇所の断面を露出させ、前記被観察箇所の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて分析する分析方法であって、
    前記被観察箇所を有する試料が固定された試料台を、収束イオンビーム加工装置に装填する第1の工程と、
    収束イオンビーム流により、前記被観察箇所の断面を露出させる第2の工程と、
    前記被観察箇所の断面が露出した試料が設置された試料台を収束イオンビーム加工装置から取外し、請求項1または2に記載の試料ホルダーに固定し、前記試料台が固定された試料ホルダーを走査型電子顕微鏡に装填し、前記被観察箇所の断面を分析する第3の工程とを、有することを特徴とする分析方法。
  6. 前記第3の工程の後、前記走査型電子顕微鏡から前記試料ホルダーを取外し、前記試料ホルダーから前記試料台を取外し、前記試料台を前記収束イオンビーム加工装置に装填する第4の工程を有し、
    前記第2の工程から第4の工程を、所望回繰り返すことを特徴とする請求項5に記載の分析方法。
  7. 前記試料台として、ピンスタブを用いることを特徴とする請求項5または6に記載の分析方法。
  8. 前記試料台として、円盤状の試料台の一部を欠いた形状を有するピンスタブを用いることを特徴とする請求項7に記載の分析方法。
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