JP6729235B2 - 試料の断面分析方法、及び試料台 - Google Patents

試料の断面分析方法、及び試料台 Download PDF

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本発明は、断面加工と電子顕微鏡観察を効率的にできる試料の断面分析方法、並びに試料台に関する。
薄膜材料は電子機器等の機能性材料として広く用いられており、蒸着、スパッタリング、電気めっき等の方法により基材に薄膜層を形成させることで製造される。これらの材料は、表面の平滑性や表面物性の均一性が求められることが多いが、この表面に関する異常であってもその原因は内部にあることもある。このような薄膜層内部の異常個所を検出するために、薄膜材料の試料を断面加工してから断面を観察したり分析したりすることが広く一般的に行われている。
試料を断面加工する方法としては、試料を樹脂包埋してから研磨して試料断面を形成させる方法、ミクロトームを用いる方法、特開2009−244240号公報(特許文献1)に開示されているクロスセクションポリッシャー装置を用いる方法、特開2007−123207号公報(特許文献2)に開示されている集束イオンビーム装置を用いる方法等が知られている。
これらの方法は後者になるほど加工位置精度に優れた方法となるが、その反面、大面積の観察や分析可能な精度(平滑性)で加工するには加工時間の面から適しておらず、断面観察や分析が必要な面積(領域)と加工位置精度を勘案して、加工方法は選択される。
また複数の加工方法を組み合わせ用いられることもある。薄膜材料の場合は、観察、分析すべき個所が微小であることが多いため、集束イオンビーム装置を用いて最終の断面加工がなされることが多い。
これら薄膜材料の試料を断面加工してから断面の観察、分析を行う際に、断面加工と観察、分析それぞれに別の試料台を用いる場合には、迅速性に欠けるだけでなく、試料をそれぞれの試料台に付け替える時に試料を汚染する可能性がある。この問題点に対し、特開平11−149896号公報(特許文献3)では、集束イオンビーム加工装置と走査電子顕微鏡の試料台を共通化する技術が開示されている。
特開2009−244240号公報 特開2007−123207号公報 特開平11−149896号公報
しかしながら、断面加工、観察や分析する試料は複数である場合が多く、複数の試料を断面加工し、観察や分析する場合、1つ1つに試料の位置調整やフォーカス調整が必要であり、作業の効率化の要請があった。また、特許文献3に開示された試料台では、複数の試料を1つの試料台で観察や分析することは困難であった。
本発明は、このような状況を解決するためになされたものであり、複数の試料を載置でき、集束イオンビーム断面加工と電子顕微鏡観察を効率的にできる試料の断面分析方法及び試料台を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、集束イオンビーム加工装置を用いて薄膜試料の断面加工を行い、加工して得られた前記薄膜試料の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する試料の断面分析方法であって、円板の一部を切欠いて形成される切断縁部を有する略半円状の試料載置部を備えた試料台に、複数の前記薄膜試料を前記切断縁部に沿って並列させて載置固定し、前記試料台を前記集束イオンビーム加工装置に装着して前記薄膜試料を断面加工し、前記断面加工後に前記試料台を前記走査型電子顕微鏡に装着し、前記薄膜試料の前記断面加工した部分を観察及び/又は分析することを特徴とする。
このようにすれば、集束イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用でき、試料の付け替えに伴う汚染はなく、複数試料を試料台に同時に載置することが可能であるため、試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易になり、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析できる。
このとき、本発明の一態様では、前記薄膜試料は、前記切断縁部から突出するように載置固定するとしても良い。
このようにすれば、複数の試料をほぼ同じ高さに位置合わせすることができるので、1回の高さ位置調整及び観察中のフォーカス調整で、複数の試料を走査電子顕微鏡観察やEDSによる元素分析が可能となる。
このとき、本発明の一態様では、前記試料載置部は、上記円板の一部を直線状に切欠いた形状としてもよい。
このようにすれば、試料の飛び出している長さを揃えやすくなるため、走査型電子顕微鏡で傾斜アタッチメントを介しての試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整がより容易となる。
このとき、本発明の一態様では、前記集束イオンビーム加工装置は、集束イオンビームと電子顕微鏡を搭載したデュアルビーム装置であってもよい。
このようにすれば、観察しながら断面加工が可能となる。
本発明の他の態様は、断面加工と電子顕微鏡観察を兼用して行うための試料台であって、略半円状の試料載置部と、前記試料載置部の底面から突出する軸を備えていることを特徴とする。
このようにすれば、集束イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用でき、試料の付け替えに伴う汚染はなく、複数試料を試料台に同時に載置することが可能であるため、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析できる。
このとき、本発明の他の態様では、前記円板の一部を直線状に切欠いた略半円状の試料載置部を備えることとしてもよい。
このようにすれば、試料の飛び出している長さを揃えやすくなるため、走査型電子顕微鏡で傾斜アタッチメントを介して高さの位置合わせが容易となり有利となる。
本発明によれば、集束イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用できるので、試料の付け替えに伴う汚染はなく、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、観察や分析後に追加工が必要な場合でも容易に作業することが可能である。さらに、複数試料を試料台に同時に載置することが可能であるため、試料数が多い場合に観察や分析の効率化に効果的である。さらに試料台の構成は単純であるため、その製作も容易である。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る試料台の上面図であり、図1(B)は正面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法の概略を示すフロー図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る試料台に複数の試料を載置した図である。 図4(A)は、従来の試料台に1つの試料を載置した図であり、図4(B)は、従来の試料台に複数の試料を載置した図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
[試料台]
本発明の一実施形態に係る試料台は、集束イオンビーム加工装置(FIB加工装置)により薄膜材料の試料断面を加工したり、走査型電子顕微鏡(SEM)や付属のエネルギー分散型X線分光器(EDS)により試料の断面観察や元素分析したりするための、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡に兼用して使用可能な試料台である。この試料台は集束イオンビーム加工装置や走査型電子顕微鏡の試料ホルダーに設置された試料台装着部に直接またはコンバータを介して着脱自在に取り付けられる。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係る試料台の上面図であり、図1(B)は正面図である。試料台11は、薄膜材料の試料が載置され固定される略半円状の試料載置部14と、その底面から突出する軸15から構成されている。略半円状の試料台11は、円板の一部を切欠いて切断縁部12が形成される。軸15は集束イオンビーム加工装置等の試料ホルダーに設置された試料台装着部に取り付けるために用いられる。
走査型電子顕微鏡用の試料台11は、軸15を中心に回転させることがあるため試料載置部14が円板状ものもが一般的に用いられる。しかしながら後述するように、集束イオンビーム加工装置では試料の断面加工される箇所は試料載置部14の切断縁部12から外側に突出するように載置、固定され、断面加工される箇所は試料載置部14の外側に存在する。
また、集束イオンビーム加工装置で断面加工された箇所の分析は、試料台に対し垂直であるので、走査型電子顕微鏡での元素分析を行うためには、傾斜のついたコンバータを介して試料台装着部に取り付け、傾斜がついたまま分析することが多い。これら両方の条件を円板状の試料載置部を有する一般的な試料台で満足させるためには、薄膜材料の試料は試料台に1試料しか載置、固定することができず、複数の試料がある場合には、装置の出し入れを複数行うため分析に時間がかかることになる。さらに試料台に複数載置、固定したとしても、走査型電子顕微鏡での元素分析のとき、傾斜がついたまま分析することが多いので、観察時や分析時のフォーカス調整に非常に手間がかかり、効率的でない。
そこで本発明の一実施形態に係る試料台11は、略半円形状である。この略半円形状の試料載置部14から外側に突出するように薄膜試料を載置、固定すれば、複数の試料を集束イオンビーム加工装置で断面加工は可能である。また、この略半円形状の試料載置部14から外側に突出するように試料を載置して断面加工した試料台11を、切断縁部12を上に向けるようにして傾斜アタッチメントに装着すれば、複数の試料をほぼ同じ高さに位置合わせすることができるので、1回の高さ位置調整及び観察中のフォーカス調整で複数の試料を走査型電子顕微鏡による観察やEDSによる元素分析が可能となる。
従って、本発明の一実施形態に係る試料台11は、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡で試料台を兼用できるため、試料台からの試料の付け替えに伴う汚染を防止できるとともに、複数の試料を断面加工、観察、分析することができるため、分析作業の迅速化・効率化が可能となる。
上記試料載置部14の円板の一部を切欠いて形成される切断縁部12は、例えば曲率の大きな円弧や波状としても良い。そのようにすることで、複数の試料を載置、固定することができ、効率よく観察や分析を行うことができる。さらには直線状が好ましい。そのようにすることで、試料が飛び出している長さを揃えやすいため、走査型電子顕微鏡で傾斜アタッチメントを介しての試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易となり有利である。このように切断縁部12から突出するように試料を載置することで、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡の試料台11として兼用でき、複数の試料を載置することが可能となる。ここで略半円状とは、半円の形状や、円の中心より頂点側を一部切欠いて形成される形状をいう。
また、試料載置部14は円板の一部を直線状に切欠いた略半円状としたが、特にこの形状に限定されることはなく、例えば多角形の形状でもよい。しかしながら、試料台11は軸を中心に回転させることもあるので、略半円状とするのが最も面積が大きくなり、その一部を切欠く形状とするのが試料を数多く載置させることができるので有利である。
試料台11の材質としては走査型電子顕微鏡による観察やEDSによる元素分析に影響を及ぼすものでなければ特に限定されるものではない。具体的には、導通性を有し磁性を有しない材料、例えばアルミニウムや真鍮等で形成されたものを用いることができる。
[試料の断面分析方法]
本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法は、集束イオンビーム加工装置(FIB加工装置)の断面加工と走査型電子顕微鏡(SEM)や付属のエネルギー分散型X線分光器(EDS)により試料の断面観察や元素分析に兼用して使用可能な試料台を用い分析を行う、試料の断面分析方法である。
図2は、本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法の概略を示すフロー図である。図2に示したように、円板の一部を切欠いて形成される切断縁部を有する略半円状の試料載置部を備えた試料台に、複数の薄膜試料を上記切断縁部に沿って並列させて載置固定し(S1)、試料台を集束イオンビーム加工装置に装着して薄膜試料を断面加工する(S2)。そして、断面加工後に上記試料が載置された上記試料台の高さ位置調整を行い、走査型電子顕微鏡に装着し(S3)、観察及び/又は分析を行う(S4)。
このようにすれば、集積イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用できるので、試料の付け替えに伴う汚染はなく、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析できる。
ここで本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法について詳しく説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る試料台に複数の試料を載置した図である。図3に示すように、切断縁部に沿って薄膜試料21を複数載置させる。そうすることで、断面加工の際、一度に複数の断面加工を行うことができ、複数の試料ごとに装置から毎回取り出す作業の手間を省くことができる。
また、集束イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用でき、試料の付け替えに伴う汚染はなく、複数試料を試料台に同時に載置することが可能であるため、走査型電子顕微鏡や付属のエネルギー分散型X線分光器での観察や分析時に、装置に入れる前の試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易になり、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を分析でき、装置に入れる前の複数の試料ごとの高さ位置調整や観察時のフォーカス調整をする手間を省くことができる。
さらに、上記薄膜試料は、上記の切断縁部から突出するように載置固定してもよい。このようにすれば、複数の試料をほぼ同じ高さに位置合わせすることができるので、1回の高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整で複数の試料を走査電子顕微鏡観察やEDSによる元素分析が可能となる。
上記試料載置部14の円板の一部を切欠いて形成される切断縁部12は、例えば曲率の大きな円弧や波状としても良い。そのようにすることで、複数の試料を載置、固定することができ、効率よく観察や分析を行うことができる。さらには直線状が好ましい。そのようにすることで、試料が飛び出している長さを揃えやすいため、走査型電子顕微鏡で傾斜アタッチメントを介しての試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易となり有利である。このように切断縁部12から突出するように試料を載置することで、集束イオンビーム加工装置と走査型電子顕微鏡の試料台11として兼用でき、複数の試料を載置することが可能となる。
また、試料載置部14は円板の一部を直線状に切欠いた略半円状としたが、特にこの形状に限定されることはなく、例えば多角形の形状でもよい。しかしながら、試料台11は軸を中心に回転させることもあるので、略半円状とするのが最も面積が大きくなり、その一部を切欠く形状とするのが試料を数多く載置させることができるので有利である。
薄膜材料の断面を観察、分析する時には、例えば異常個所の微小な領域の観察、分析である場合が多いため、断面加工は集束イオンビーム加工装置が用いることが好ましい。しかし上記説明した通り、集束イオンビームを用いた加工は大面積を加工しようとすると長時間かかるため、予め粗加工を施しておくのが好ましい。粗加工としては、公知の方法を用いればよいが、例えばミクロトームを用いることができる。
集束イオンビームによる加工は、微細なビーム径のガリウムイオンビームを試料に照射することにより、試料の原子がはじき飛ばされることで試料を加工するものである。ビーム径は数nmまで絞ることができるので、非常に高精度の加工ができ、薄膜材料の断面加工に好適である。さらに、集束イオンビーム装置とともに電子顕微鏡も搭載したデュアルビーム装置を用いれば、観察しながら断面加工が可能となるので、断面加工の位置精度が向上し、微小な異常個所の観察、分析には好適である。
予めミクロトーム等で粗加工を施した試料は、上記説明した試料台11の試料載置部14の切断縁部12から、断面加工して観察、分析しようとする箇所が試料台から外側に突出するように載置して、固定する。試料を試料台から外側に突出するように載置するのは、断面加工が容易となるだけでなく、試料台から突出して飛び出している試料の長さ揃え、走査型電子顕微鏡やエネルギー分散型X線分光器などでの観察や分析時に、1回の高さ位置調整及び観察中のフォーカス調整で複数の試料を効率良く観察や分析することができる。
集束イオンビーム加工装置を用いた断面加工は公知の方法で行えばよく、薄膜材料の試料なので試料の厚さ方向に貫通するまで断面加工を施してもよいが、断面観察、分析を行う箇所のみ深く掘削し、その箇所から離れるに従い掘削量を浅くしてスロープを付けた凹部を形成してもよい。スロープを付けた凹部を形成するのは、走査型電子顕微鏡で観察および付属のEDSで元素分析を行う時に、断面加工した箇所に電子線を照射する経路を確保するためである。
薄膜材料の試料は、導電性を有していない場合も多く、走査型電子顕微鏡にて観察等をするためには導電性を付与させる必要がある。通例はカーボン等を試料に蒸着させるが、集束イオンビーム加工をする前に導電性を付与するための蒸着を行うとよい。
このようにして断面加工された薄膜材料の試料は、試料台から付け替えることなく走査型電子顕微鏡の試料ホルダーに装着される。なお、前述したように断面加工された観察、分析される面は試料台とほぼ垂直な位置関係となるため、試料台を傾斜させて観察、分析をする必要がある。従って走査型電子顕微鏡の試料ホルダーに試料台を装着する時には、傾斜のついたコンバータを介して装着するのが好ましい。具体的には傾斜角45°のコンバータを用いることができる。そして試料の高さ位置調整を行い、走査型電子顕微鏡装置に装着する。
走査型電子顕微鏡による薄膜試料の断面の観察は公知の方法で行えばよい。またEDSが付属されていれば、試料の断面の元素分析をすることができる。また試料台に複数の試料を載置した場合でも、試料台から飛び出している長さをほぼ揃うようにしてあるため、走査型電子顕微鏡に試料台を装着する前の高さ位置調整でほぼ同じ高さに調整されるため、試料ホルダーから試料台を取り外して高さの位置調整をやり直す必要はなく続けて観察、分析することができ、作業の迅速化が可能となる。
また、観察、分析の結果、さらに追加工が必要な場合には、試料を試料台から付け替えることなく集束イオンビーム加工装置の試料ホルダーに装着して断面加工を施し、追加工後に試料を試料台から付け替えることなく走査型電子顕微鏡の試料ホルダーに装着して観察、分析することもでき、作業時間の短縮が可能である。
次に、本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法、及び試料台について実施例により詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、樹脂フィルムに銅を積層させた薄膜試料の断面観察を行った。剃刀を使用して観察しようとする箇所をトリミングした後、専用試料台に試料を固定してウルトラミクロトーム装置(ファインテック社製ULTRACUT E)に挿入し粗加工を行った。ウルトラミクロトーム装置での粗加工は、観察しようとした箇所の極近傍までとした。
ウルトラミクロトーム装置で加工した試料を試料台から取り外し、図1に示す円板の一部を切欠いて形成される切断縁部の外側に突出するように試料を複数載置し、カーボンペーストで固定した。試料台に固定された試料をカーボン蒸着装置(日本電子製JEE‐400)に挿入し、カーボン蒸着行い導電性を付与した。カーボン蒸着後の試料台をデュアルビーム装置(日本エフイーアイ社製Quanta200 3D)に挿入し、観察しようとする箇所の断面加工を集束イオンビームにより行った。
試料の断面加工後、電界放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製S−4700)で観察した。まずコンバータ(φ15mm45°Angle、EM JAPAN製)に断面加工した試料台を取り付け、さらに試料ホルダーに固定し装置内へ挿入した。挿入後、45°ステージを傾斜させ、断面加工した箇所の観察、分析を実施した。
(実施例2)
実施例2では、断面観察後、追加工して別断面の観察をするため、デュアルビーム装置と電界放出型走査電子顕微鏡で試料台を兼用しているので、試料を試料台から付け替えることなくそのままデュアルビーム装置に挿入して追加工をおこない、そのまま電界放出型走査電子顕微鏡に挿入して追加工した断面の観察、分析を実施した。
(比較例1)
比較例1では、剃刀を使用して観察しようとする箇所をトリミングした後、専用試料台に試料を固定してウルトラミクロトーム装置(ファインテック社製ULTRACUT E)に挿入し粗加工を行った。ウルトラミクロトーム装置での粗加工は、観察しようとした箇所の極近傍までとした。ウルトラミクロトーム装置で加工した試料を試料台から取り外し、上記取り外した試料を従来の集束イオンビーム専用の試料台に載置し、観察しようとする箇所の断面加工を集束イオンビームにより行った。
試料の断面加工後、集束イオンビーム加工装置から試料台を取り出し、図4(A)に示すように、試料を電界放出型走査電子顕微鏡の従来の試料台に載置し直した。そしてコンバータに断面加工した試料台を取り付け、さらに試料ホルダーに固定し装置内へ挿入した。挿入後、45°ステージを傾斜させ、断面加工した箇所の観察、分析を実施した。
(比較例2)
比較例2では、図4(B)に示すように、複数の薄膜試料52a、52b、52cの断面観察を行った。その他は比較例1と同様に、従来の試料台を用いて断面加工し、試料を載置し直して断面加工した箇所の観察、分析を実施した。
実施例1では、集積イオンビーム加工装置と電子顕微鏡装置で試料台を兼用できたので、試料の付け替えに伴う汚染はなく、また複数の試料を試料台に同時に載置することが可能であるので、試料ごとの高さ位置調整や、観察中のフォーカス調整が容易になり、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、効率的に試料の断面を観察できた。
実施例2では、断面観察後、試料台をそのまま集束イオンビーム装置に挿入でき加工し、追加して別断面の観察が迅速にできるので、効率的に試料の断面を観察できた。
一方、比較例1では、従来の試料台を使用したため、別々の装置の試料台に付け替えなければならないので、断面加工及び観察や分析に手間や時間を要した。
また、比較例2では、複数の試料の断面加工及び観察や分析を試みたが、観察や分析の際、試料台を傾けて観察や分析するので、試料ごとの再度の高さ位置調整が必要になり、分析範囲が極小なことから、高さ位置調整が非常に困難になり、非常に手間や時間を要した。
以上の実施例及び比較例の結果から、本発明の一実施形態に係る試料の断面分析方法、及び試料台により、集束イオンビーム加工装置と電子顕微鏡で試料台を兼用できるので、試料の付け替えに伴う汚染はなく、断面加工から観察や分析まで迅速に行うことができ、観察や分析後に追加工が必要な場合でも容易に作業することが可能になった。さらに、複数試料を試料台に同時に載置することが可能であるため、試料数が多い場合に観察や分析の効率化に効果的であった。
なお、上記のように本発明の各実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また試料の断面分析方法、及び試料台の構成、動作も本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
11 試料台 12切断縁部 13 試料台の中心 14 試料載置部 15 試料載置部の底面から突出する軸 21 薄膜試料
S1 試料台に載置固定する工程 S2 集束イオンビーム加工装着して薄膜試料を断面加工する工程 S3 走査型電子顕微鏡に装着する工程 S4観察及び/又は分析する工程
51 従来の試料台 52a 薄膜試料 52b 薄膜試料 52c 薄膜試料

Claims (6)

  1. 集束イオンビーム加工装置を用いて薄膜試料の断面加工を行い、加工して得られた前記薄膜試料の断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察する試料の断面分析方法であって、
    円板の一部を切欠いて形成される切断縁部を有する略半円状の試料載置部を備えた試料台に、複数の前記薄膜試料を前記切断縁部に沿って並列させて載置固定し、
    前記試料台を前記集束イオンビーム加工装置に装着して前記薄膜試料を断面加工し、
    前記断面加工後に前記試料台を前記走査型電子顕微鏡に装着し、
    前記薄膜試料の前記断面加工した部分を観察及び/又は分析することを特徴とする試料の断面分析方法。
  2. 前記薄膜試料は、前記切断縁部から突出するように載置固定することを特徴とする請求項1に記載の試料の断面分析方法。
  3. 前記試料載置部は、上記円板の一部を直線状に切欠いた形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の試料の断面分析方法。
  4. 前記集束イオンビーム加工装置は、集束イオンビームと電子顕微鏡を搭載したデュアルビーム装置であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の試料の断面分析方法。
  5. 断面加工と電子顕微鏡観察を兼用して行うための試料台であって、
    略半円状の試料載置部と、
    前記試料載置部の底面から突出する軸を備えていることを特徴とする試料台。
  6. 前記試料載置部は、円板の一部を直線状に切欠いた形状であることを特徴とする請求項5に記載の試料台。
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