JP2021143391A - 加圧酸化浸出方法、分析プログラムおよび分析装置 - Google Patents

加圧酸化浸出方法、分析プログラムおよび分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケルのロスを低減できる加圧酸化浸出方法を提供する。【解決手段】原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室14a〜14eを有するオートクレーブ1に連続供給し、原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る。反応室14a〜14eのそれぞれについて、浸出液の浸出ニッケル濃度を求める。反応室14a〜14eのそれぞれについて、基準値と浸出ニッケル濃度とを比較して、ニッケル硫化物の浸出状態を分析する。分析結果に基づき、反応室14a〜14eのそれぞれに対して、冷却水の供給量および/または高圧空気の供給量を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、加圧酸化浸出方法、分析プログラムおよび分析装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、ニッケル硫化物を加圧酸化浸出して硫酸ニッケル水溶液を得る方法、ニッケル硫化物の浸出状態を分析するためのプログラムおよび装置に関する。
特許文献1には、ニッケル硫化物を含む原料スラリーをオートクレーブに連続供給し、オートクレーブ内のスラリーに高圧空気を吹き込んで加圧酸化浸出することで、硫酸ニッケル水溶液を得ることが開示されている。
特開2016−011442号公報
オートクレーブから排出された浸出スラリーに含まれる固形分は、後工程において系外に排出される。そのため、固形分にニッケルが含まれていると、ニッケルのロスとなる。
本発明は上記事情に鑑み、ニッケルのロスを低減できる加圧酸化浸出方法を提供することを目的とする。または、本発明はニッケル硫化物の浸出状態を分析できる分析プログラムおよび分析装置を提供することを目的とする。
第1発明の加圧酸化浸出方法は、原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る加圧酸化浸出方法であって、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、前記分析工程における分析結果に基づき、前記反応室のそれぞれに対して、冷却水の供給量および/または高圧空気の供給量を調整する調整工程と、を備えることを特徴とする。
第2発明の加圧酸化浸出方法は、第1発明において、前記浸出ニッケル濃度算出工程は、前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備えることを特徴とする。
第3発明の加圧酸化浸出方法は、第1または第2発明において、前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の上限値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記浸出ニッケル濃度が前記上限値を超える場合に浸出過剰と判定し、前記調整工程において、前記浸出過剰と判定した前記反応室に対して、前記冷却水の供給量増加操作および/または前記高圧空気の供給量減少操作を行なうことを特徴とする。
第4発明の加圧酸化浸出方法は、第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の下限値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記浸出ニッケル濃度が前記下限値を下回る場合に浸出不足と判定し、前記調整工程において、前記浸出不足と判定した前記反応室に対して、前記冷却水の供給量減少操作および/または前記高圧空気の供給量増加操作を行なうことを特徴とする。
第5発明の加圧酸化浸出方法は、第1または第2発明において、前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の最適値と前記浸出ニッケル濃度との濃度差を求め、前記調整工程において、前記反応室のそれぞれに対して、前記濃度差を小さくするように、前記冷却水の供給量および/または前記高圧空気の供給量を調整することを特徴とする。
第6発明の分析プログラムは、原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得るにあたり、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析するようコンピュータを機能させるための分析プログラムであって、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、を行なうようコンピュータを機能させることを特徴とする。
第7発明の分析プログラムは、第6発明において、前記浸出ニッケル濃度算出工程は、前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備えることを特徴とする。
第8発明の分析プログラムは、第6または第7発明において、前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力することを特徴とする。
第9発明の分析プログラムは、第6または第7発明において、前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力することを特徴とする。
第10発明の分析装置は、原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得るにあたり、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析装置であって、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、を行なうことを特徴とする。
第11発明の分析装置は、第10発明において、前記浸出ニッケル濃度算出工程は、前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備えることを特徴とする。
第12発明の分析装置は、第10または第11発明において、前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力することを特徴とする。
第13発明の分析装置は、第10または第11発明において、前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力することを特徴とする。
第1発明によれば、各反応室におけるニッケル硫化物の浸出状態に基づいて冷却水の供給量または高圧空気の供給量を調整することで、ニッケル硫化物の浸出過剰または浸出不足を抑制できる。そのため、浸出過剰または浸出不足による固形分としてのニッケルの残留を抑制でき、ニッケルのロスを低減できる。
第2発明によれば、各反応室から排出される浸出液の浸出ニッケル濃度をオートクレーブから得られる限られた情報から求めることができる。
第3発明によれば、浸出過剰と判定した反応室に対してニッケル濃度を低くする操作を行なうので、その反応室における浸出過剰によるニッケルの析出を抑制でき、ニッケルのロスを低減できる。
第4発明によれば、浸出不足と判定した反応室に対してニッケル濃度を高くする操作を行なうので、その反応室における浸出不足を解消できる。そのため、ニッケルが浸出されずに固形分として残留することを抑制でき、ニッケルのロスを低減できる。また、浸出液のニッケル濃度を高くできる。
第5発明によれば、各反応室における浸出ニッケル濃度を最適値に近づける操作を行なうので、浸出過剰によるニッケルの析出を抑制できるとともに、浸出不足によるニッケルの固形分としての残留を抑制できる。
第6発明によれば、各反応室における浸出ニッケル濃度と基準値とを比較することで、各反応室におけるニッケル硫化物の浸出状態を判定できる。
第7発明によれば、各反応室から排出される浸出液の浸出ニッケル濃度をオートクレーブから得られる限られた情報から求めることができる。
第8発明によれば、基準値と各反応室の浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力するので、反応室それぞれについて浸出状態の良不良を判定できる。
第9発明によれば、基準値と各反応室の浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力するので、浸出ニッケル濃度の変化の傾向を捉えることができ、ニッケル濃度の調整操作を早期に行なうことができる。
第10発明によれば、各反応室における浸出ニッケル濃度と基準値とを比較することで、各反応室におけるニッケル硫化物の浸出状態を判定できる。
第11発明によれば、各反応室から排出される浸出液の浸出ニッケル濃度をオートクレーブから得られる限られた情報から求めることができる。
第12発明によれば、基準値と各反応室の浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力するので、反応室それぞれについて浸出状態の良不良を判定できる。
第13発明によれば、基準値と各反応室の浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力するので、浸出ニッケル濃度の変化の傾向を捉えることができ、ニッケル濃度の調整操作を早期に行なうことができる。
オートクレーブの縦断面図である。 各反応室の浸出ニッケル濃度と上限値および下限値とを示すグラフである。 各反応室の浸出ニッケル濃度と最適値とを示すグラフである。 操業管理システムの構成図である。 分析装置が行なう処理のフローチャートである。 浸出ニッケル濃度算出処理のフローチャートである。 浸出ニッケル濃度と基準値との濃度差の時間変化を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔加圧酸化浸出方法〕
本発明の一実施形態に係る加圧酸化浸出方法は、ニッケル硫化物を加圧酸化浸出して硫酸ニッケル水溶液を得る方法である。この加圧酸化浸出方法には、図1に示すようなオートクレーブ1が用いられる。
(オートクレーブ)
オートクレーブ1は液密性、気密性を有する横長の槽10を有している。槽10の一端には原料スラリーを供給する供給口11が設けられている。槽10の他端には浸出スラリーを排出する排出口12が設けられている。
槽10の内部には一または複数の隔壁13が立設している。この隔壁13により、槽10の内部は長手方向に並んだ複数の反応室14a〜14eに分割されている。反応室14a〜14eの数は特に限定されない。図1に示すオートクレーブ1は5つの反応室14a〜14eを有する。5つの反応室14a〜14eをそれぞれ第1室14a、第2室14b、第3室14c、第4室14d、第5室14eと称する。
供給口11は第1室14aに設けられている。原料スラリーは最初に第1室14aに供給される。第1室14a内の浸出スラリーは隔壁13をオーバーフローして第2室14bに供給される。このようなオーバーフローを繰り返して、浸出スラリーは第5室14eに到達する。このように、複数の反応室14a〜14eは浸出スラリーが順に流れるように直列に配置されている。排出口12は第5室14eに設けられている。第5室14eに到達した浸出スラリーは排出口12から排出される。
各反応室14a〜14eには空気吹込管15が挿入されている。空気吹込管15を通して各反応室14a〜14e内の浸出スラリーに高圧空気を吹き込む。各反応室14a〜14eへの高圧空気の供給量は個別に調整できる。高圧空気は酸化剤として作用する。原料であるニッケル硫化物と酸素とが接触し、ニッケル硫化物が酸化されることで、硫酸ニッケル水溶液が得られる。ニッケル硫化物と酸素との接触を促進し、酸化反応を効率的に行なうために、各反応室14a〜14eには撹拌機16が設けられている。
ニッケル硫化物の酸化反応は発熱反応である。したがって、そのままではオートクレーブ1内の浸出スラリーの温度が高くなりすぎる。オートクレーブ1内の浸出スラリーを適切な温度に調整するため、冷却水の添加が行なわれる。
各反応室14a〜14eには冷却水供給管17が挿入されている。冷却水供給管17を通して各反応室14a〜14e内の浸出スラリーに冷却水を添加する。各反応室14a〜14eへの冷却水の供給量は個別に調整できる。各反応室14a〜14eへの冷却水の供給量を調整することで、各反応室14a〜14e内の浸出スラリーを適切な温度に調整できる。
冷却水は主に蒸発時に蒸発潜熱を消費する効果により浸出スラリーを冷却する。冷却水の蒸発により水蒸気が発生する。槽10の気相部には圧力調整弁18が設けられている。圧力調整弁18から余剰の水蒸気を排出することで、オートクレーブ1内の圧力が所定の圧力に維持される。また、圧力調整弁18によりオートクレーブ1内の圧力を調整できる。
各反応室14a〜14eには温度計19が設けられている。温度計19により各反応室14a〜14e内の浸出スラリーの温度を測定できる。
(基本的手順)
つぎに、加圧酸化浸出方法の基本的な手順を説明する。
まず、ニッケル硫化物を含む原料をレパルプして原料スラリーを調製する。原料にはニッケル硫化物のほか、コバルト硫化物などの他の金属硫化物が含まれてもよい。この種の原料としてニッケル・コバルト混合硫化物(MS:Mixed Sulfide)が挙げられる。
原料スラリーをオートクレーブ1に連続供給する。オートクレーブ1内において、浸出スラリーが第1室14aから第5室14eまで流れる間に、ニッケル硫化物が加圧酸化浸出され、硫酸ニッケル水溶液が生成される。原料に含まれるその他の金属硫化物も浸出される。オートクレーブ1から浸出スラリーが連続的に排出される。浸出スラリーは硫酸ニッケル水溶液である浸出液と固形分である浸出残渣とからなるスラリーである。
原料のニッケル含有率、原料スラリーの固形分濃度、原料スラリーの供給量、オートクレーブ1内の圧力などは、操業効率を考慮して適切に調整される。例えば、ニッケル硫化物のニッケル含有率は55〜60重量%が一般的である。原料スラリーをオートクレーブ1に供給するのに用いられるダイヤフラムポンプの損耗、故障を防止するために、原料スラリーの固形分濃度は200〜300g/Lとすることが好ましい。オートクレーブ1内の圧力はゲージ圧で1〜2MPaGに調整することが一般的である。
(ニッケルロス)
上記の加圧酸化浸出方法において、浸出スラリーの固形分濃度が高くなる場合がある。浸出スラリーに含まれる固形分は後工程において系外に排出される。固形分にニッケルが含まれていると、ニッケルのロスとなる。ニッケルのロスを低減するため、浸出スラリーの固形分濃度、および固形分のニッケル濃度を低減することが求められる。
本願発明者は浸出スラリーの固形分濃度、および固形分のニッケル濃度が高くなる原因がニッケルの析出にあると考えた。硫酸ニッケルは100℃以上では温度の上昇に伴い溶解度が低下する。ニッケル硫化物の酸化反応により温度が上昇すると、硫酸ニッケルの溶解度が低下し、一度原料から浸出したニッケルが硫酸ニッケル一水和物(NiSO4・H2O)として析出する。この硫酸ニッケル一水和物が溶解せずに残留すると浸出スラリーに含まれる固形分の一部となる。
そこで、浸出液のニッケル濃度を硫酸ニッケル一水和物が残留しない程度に低くすれば、ニッケルが固形分として排出されることを抑制できると考えられる。
(ニッケル濃度の調整)
本実施形態の加圧酸化浸出方法は、ニッケル硫化物の浸出状態を分析し、その結果に基づいて浸出液のニッケル濃度を調整することにより、ニッケルの析出を抑制するものである。
本実施形態の加圧酸化浸出方法は、主に、(1)浸出ニッケル濃度算出工程、(2)分析工程、および(3)調整工程を有する。浸出ニッケル濃度算出工程では、オートクレーブ1の反応室14a〜14eのそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、反応室14a〜14eから排出される浸出液の浸出ニッケル濃度を求める。分析工程では、反応室14a〜14eのそれぞれについて、浸出ニッケル濃度と基準値とを比較して、ニッケル硫化物の浸出状態を分析する。調整工程では、分析工程における分析結果に基づき、反応室14a〜14eのそれぞれに対して、冷却水の供給量および/または高圧空気の供給量を調整する。これにより浸出液のニッケル濃度を調整して、ニッケルの析出を抑制する。以下、各工程を順に詳説する。
(1)浸出ニッケル濃度算出工程
浸出ニッケル濃度算出工程では、各反応室14a〜14eから排出される(隔壁13をオーバーフローする)浸出液の浸出ニッケル濃度を求める。浸出液のニッケル濃度を正確に求めるには、浸出液をサンプリングしてニッケル濃度を測定する必要がある。しかし、オートクレーブ1内の浸出液をサンプリングすることは困難である。そこで、オートクレーブ1に取り付けられた各種のセンサから得られる情報および各種の設定値に基づいて浸出液のニッケル濃度を推定する。この推定により得られたニッケル濃度を「浸出ニッケル濃度」と称する。
浸出ニッケル濃度を求めるには、オートクレーブ1からどのような情報が得られるかによって種々の方法が考えられる。その一例を以下に説明する。以下では、第1〜第5の5つの小工程を順に行なうことにより浸出ニッケル濃度を求める。
(1−1)第1小工程
まず、第1小工程では反応室14a〜14eのそれぞれについて浸出液の排出量Vi[L/分]を求める。浸出液の排出量Viは各反応室14a〜14eにおける水バランスに基づいて求められる。
反応室の入水VIの要素として、給液量V1および注水量V2が考えられる。給液量V1は反応室へのスラリー(第1室14aでは原料スラリー、第2室14b以降の反応室では前の反応室からオーバーフローした浸出スラリー)の供給量、そのスラリーの固形分濃度から求められる。反応室へのスラリーの供給量を給液量V1とみなしてもよい。注水量V2は反応室への冷却水の供給量である。これら給液量V1および注水量V2の総和が入水VIである。なお、入水VIとして他の要素を考慮に入れてもよい。
反応室の出水VOの要素として、浸出液の排出量Viのほか蒸気量V3が考えられる。これら、浸出液の排出量Viおよび蒸気量V3の総和が出水VOである。なお、出水VOとして他の要素を考慮に入れてもよい。浸出液の排出量Viは入水VIと出水VOとが等しいとして、給液量V1、注水量V2および蒸気量V3から求められる。
(1−2)第2小工程
つぎに、第2小工程では全ニッケル浸出率を求める。全ニッケル浸出率はオートクレーブ1全体でのニッケル浸出率を意味する。したがって、全ニッケル浸出率はオートクレーブ1に供給されたニッケル量のうちオートクレーブ1において浸出されたニッケル量の割合である。
式(1)に示すように、全ニッケル浸出率RTは、原料としてオートクレーブ1に供給されるニッケル量WI[g/分]と、浸出液としてオートクレーブ1から排出されるニッケル量WO[g/分]とから求められる。
Figure 2021143391
原料としてオートクレーブ1に供給されるニッケル量WIは、原料のニッケル含有率、原料スラリーの固形分濃度、およびオートクレーブ1への原料スラリーの供給量から求められる。浸出液としてオートクレーブ1から排出されるニッケル量WOは、オートクレーブ1から排出される浸出液のニッケル濃度、オートクレーブ1から排出される浸出スラリーの固形分濃度、および排出量から求められる。なお、原料スラリーのレパルプ水として、後工程で発生した洗浄液などの低濃度硫酸ニッケル水溶液を用いることがある。この場合、浸出液としてオートクレーブ1から排出されるニッケル量WOから低濃度硫酸ニッケル水溶液に含まれるニッケル量を差し引いて補正を行なう。
(1−3)第3小工程
つぎに、第3小工程では反応室14a〜14eのそれぞれについてニッケル硫化物の反応熱を求める。ニッケル硫化物の反応熱を直接測定することは困難である。そこで、各反応室14a〜14eにおける熱バランスに基づいて反応熱を求める。
ここでは、式(2)に示すように、各反応室14a〜14eの出熱と入熱の差を反応熱とみなす。なお、式(2)において、QRiはi番目反応室(図1に示すオートクレーブ1においてiは1〜5)の反応熱[J/分]、QIiはi番目反応室の入熱[J/分]、QOiはi番目反応室の出熱[J/分]を意味する。
Figure 2021143391
i番目反応室の入熱QIiの要素として、i番目反応室への給液持込熱Q1、注水持込熱Q2および空気持込熱Q3が考えられる。給液持込熱Q1はi番目反応室への液(第1室14aでは原料スラリー中の液、第2室14b以降の反応室では前の反応室からオーバーフローした浸出液)の供給量、温度、比熱から求められる。第1室14aへの液の供給量は原料スラリーの供給量、固形分濃度から求められる。原料スラリーの供給量を第1室14aへの液の供給量とみなしてもよい。第2室14b以降のi番目反応室への浸出液の供給量は、前(i−1番目)の反応室からの浸出液の排出量Vi-1であり、第1小工程で求められる。注水持込熱Q2はi番目反応室への冷却水の供給量、温度、比熱から求められる。空気持込熱Q3はi番目反応室への高圧空気の供給量、比エンタルピーから求められる。これら給液持込熱Q1、注水持込熱Q2および空気持込熱Q3の総和が入熱QIiである。なお、入熱QIiとして他の要素を考慮に入れてもよい。
i番目反応室の出熱QOiの要素として、i番目反応室からの排液持去熱Q4、排ガス持去熱Q5および放散熱Q6が考えられる。排液持去熱Q4はi番目反応室からオーバーフローした浸出液の排出量Vi、温度、比熱から求められる。浸出液の排出量Viは第1小工程で求められる。排ガス持去熱Q5はi番目反応室からの排気(窒素、酸素)の排出量、排気の比エンタルピー、蒸気量、蒸気の比エンタルピーから求められる。放散熱Q6はi番目反応室の内壁温度、外壁温度、オートクレーブ壁部の総括伝熱係数から求められる。これら排液持去熱Q4、排ガス持去熱Q5および放散熱Q6の総和が出熱QOiである。なお、出熱QOiとして他の要素を考慮に入れてもよい。
(1−4)第4小工程
つぎに、第4小工程では反応室14a〜14eのそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める。個別ニッケル浸出率は全ニッケル浸出率RTに対する反応室14a〜14eのそれぞれの寄与度を表すものであって、反応室14a〜14eのそれぞれにおけるニッケル浸出率を表すものではない。
ここでは、各反応室14a〜14eの反応熱と個別ニッケル浸出率とが比例関係にあると仮定して個別ニッケル浸出率を求める。すなわち、式(3)に示すように、全ニッケル浸出率RTと、反応室14a〜14eのそれぞれの反応熱QRiの比率とから、反応室14a〜14eのそれぞれについて個別ニッケル浸出率Riを求める。なお、式(3)において、Riはi番目反応室の個別ニッケル浸出率、Nは反応室14a〜14eの数(図1に示すオートクレーブ1ではN=5)、ΣQRjは各反応室14a〜14eの反応熱QRjの総和を意味する。
Figure 2021143391
(1−5)第5小工程
最後に、第5小工程において各反応室14a〜14eの浸出液の浸出ニッケル濃度を求める。具体的には、式(4)に示すように、個別ニッケル浸出率Rjと浸出液の排出量Viとから、各反応室14a〜14eから排出される浸出液の浸出ニッケル濃度Ci[g/L]を求める。なお、式(4)において、Ciはi番目反応室の浸出ニッケル濃度、ΣRjは1番目反応室からi番目反応室までの個別ニッケル浸出率Rjの和を意味する。
Figure 2021143391
以上の手順で計算をすれば、各反応室14a〜14eから排出される浸出液の浸出ニッケル濃度Ciをオートクレーブ1から得られる限られた情報から求めることができる。
なお、以上の計算では、ニッケル硫化物から一度浸出したニッケルは全て浸出液中に存在すると仮定している。すなわち、ニッケルが浸出した後、再び析出することを考慮に入れていない。したがって、浸出ニッケル濃度Ciは実際には硫酸ニッケル一水和物として析出するニッケルも含めた濃度であり、浸出されたニッケル量を濃度に換算した値である。
(2)分析工程
分析工程では、浸出ニッケル濃度Ciと基準値とを比較して、ニッケル硫化物の浸出状態を判定する。本実施形態において浸出状態は「良好」と「不良」とに分けられる。また、不良には「浸出過剰」と「浸出不足」とがある。浸出過剰とはニッケル硫化物の浸出が過剰に進んでいる状態である。浸出過剰になると浸出液のニッケル濃度が高くなりすぎ、より多くのニッケルが析出する。浸出不足とはニッケル硫化物の浸出が過度に抑制されている状態である。浸出不足になると浸出されずに固形分として残留するニッケルが増える。また、浸出液のニッケル濃度が低くなりすぎる。
基準値は浸出状態の判定基準となるようニッケル濃度の値として予め定められる。基準値として上限値および下限値が考えられる。上限値は浸出が良好な状態と浸出過剰との境界を定める値である。下限値は浸出が良好な状態と浸出不足との境界を定める値である。
浸出過剰および浸出不足はニッケルの溶解度に関係する。すなわち、浸出液のニッケル濃度が高くなるほど、より多くのニッケルが析出する。この状態が浸出過剰である。また、浸出液のニッケル濃度が低すぎると、ニッケルの析出との関係で、浸出に余力があるといえる。この状態が浸出不足である。
ニッケルの溶解度は液温に依存することが知られている。したがって、基準値は反応室14a〜14e内の浸出スラリーの温度に対して定められる。例えば、基準値は温度Tを変数とした関数として定められる。この関数は1次関数でもよいし、他の関数でもよい。また、基準値は温度Tとの関係を表形式で定めてもよい。基準値は操業データから定めてもよいし、実験により定めてもよいし、理論的な計算に基づいて求めてもよい。
以下、上限値を温度Tの関数としてCU(T)と表記する。また、下限値を温度Tの関数としてCL(T)と表記する。図2のグラフに上限値CU(T)および下限値CL(T)の一例を示す。図2のグラフの横軸は浸出スラリーの温度であり、縦軸は浸出ニッケル濃度である。
反応室14a〜14eのそれぞれについて浸出状態を判定する。そのため、まず、各反応室14a〜14e内の浸出スラリーの温度Tiを取得する。浸出スラリーの温度Tiは各反応室14a〜14eに設けられた温度計19により測定できる。つぎに、浸出スラリーの温度Tiに対応する上限値CU(Ti)および下限値CL(Ti)を求める。
そして、浸出ニッケル濃度Ciと上限値CU(Ti)とを比較して、浸出ニッケル濃度Ciが上限値CU(Ti)を超える場合に浸出過剰と判定する。また、浸出ニッケル濃度Ciと下限値CL(Ti)とを比較して、浸出ニッケル濃度Ciが下限値CL(Ti)を下回る場合に浸出不足と判定する。浸出ニッケル濃度Ciが上限値CU(Ti)と下限値CL(Ti)との間である場合は、浸出状態は良好であると判定する。
すなわち、式(5)に示す条件が成り立つときは浸出過剰と判定する。式(6)に示す条件が成り立つときは浸出不足と判定する。式(7)に示す条件が成り立つときは良好と判定する。なお、式(5)〜(7)においてTiはi番目反応室内の浸出スラリーの温度を意味する。
Figure 2021143391
Figure 2021143391
Figure 2021143391
図2のグラフには、各反応室14a〜14eの浸出スラリーの温度Tiと浸出ニッケル濃度Ciとの関係も示す。なお、これらの値は例示である。図2のグラフから、各反応室14a〜14eの浸出状態が分かる。第1室14aの浸出ニッケル濃度C1は上限値CU(T1)を超えている(第1室14aの測定点が上限値の線の上側にある)。したがって、第1室14aは浸出過剰となっている。第2〜第4室14b〜14dの浸出ニッケル濃度Ciは上限値CU(Ti)と下限値CL(T)の間である。したがって、第2〜第4室14b〜14dの浸出状態は良好である。第5室14eの浸出ニッケル濃度C5は下限値CL(T5)を下回っている(第5室14eの測定点が下限値の線の下側にある)。したがって、第5室14eは浸出不足となっている。
なお、基準値として上限値および下限値のいずれか一方を用いてもよい。すなわち、基準値として上限値を用いて浸出過剰であるか否かを判定してもよい。基準値として下限値を用いて浸出不足であるか否かを判定してもよい。
(3)調整工程
調整工程では、分析工程における分析結果に基づき、各反応室14a〜14eの浸出液のニッケル濃度を調整する操作を行なう。浸出液のニッケル濃度の調整は、冷却水の供給量を増減させることによってもできるし、高圧空気の供給量を増減させることによってもできる。
具体的には、浸出過剰と判定した反応室(図2に示す例では第1室14a)に対して、冷却水の供給量を増加させる操作を行なう。そうすると、その反応室内の浸出スラリーの温度が下がり、浸出液のニッケルの溶解度が高くなる。また、冷却水の添加により浸出液のニッケル濃度が下がる。その結果、浸出液の浸出ニッケル濃度Ciが上限値CU(Ti)を下回るようになれば、過剰なニッケルの析出を抑制できる。
冷却水の供給量増加操作とともに、あるいはそれに代えて、高圧空気の供給量を減少させる操作を行なってもよい。反応室への高圧空気の供給量を減少させると、その反応室内におけるニッケル硫化物の浸出反応が抑制される。そうすると、発生する反応熱が少なくなり、その反応室内の浸出スラリーの温度が下がり、浸出液のニッケルの溶解度が高くなる。また、ニッケル硫化物の浸出率が下がり、浸出液のニッケル濃度が下がる。その結果、浸出液の浸出ニッケル濃度Ciが上限値CU(Ti)を下回るようになれば、過剰なニッケルの析出を抑制できる。
このように、浸出過剰と判定した反応室に対してニッケル濃度を低くする操作を行なうので、その反応室における浸出過剰を解消できる。そのため、浸出過剰によるニッケルの析出を抑制できる。ニッケルの析出が抑制されることから、ニッケルの析出物(硫酸ニッケル一水和物)が溶解されずに、オートクレーブ1から排出される浸出スラリーに固形分として残留することが抑制され、ニッケルのロスを低減できる。
一方、浸出不足になると浸出されずに固形分として残留するニッケルが増える。これによりニッケルのロスが増加する。また、浸出不足になると浸出液のニッケル濃度が低くなる。そうすると、後工程、例えば、硫酸ニッケル水溶液を晶析して硫酸ニッケル結晶を得る晶析工程の生産効率が低下する。そのため、浸出液はニッケルが析出しない範囲でできるだけニッケル濃度が高い方が好ましい。
そこで、浸出不足と判定した反応室(図2に示す例では第5室14e)に対しては、冷却水の供給量を減少させる操作を行なう。そうすると、浸出液のニッケル濃度が高くなる。冷却水の供給量減少操作とともに、あるいはそれに代えて、高圧空気の供給量を増加させる操作を行なってもよい。そうすると、ニッケル硫化物の浸出反応が促進され、浸出液のニッケル濃度が高くなる。
このように、浸出不足と判定した反応室に対してニッケル濃度を高くする操作を行なうので、その反応室における浸出不足を解消できる。そのため、ニッケルが浸出されずに固形分として残留することを抑制でき、ニッケルのロスを低減できる。また、浸出液のニッケル濃度を高くできる。
浸出状態が良好と判定された反応室(図2に示す例では第2〜第4室14b〜14d)に対しては、冷却水および高圧空気の供給量を調整しなくてよい。
(その他の実施形態)
上記の実施形態では、基準値として上限値および下限値を設定している。これに代えて、基準値としてニッケル濃度の最適値を設定してもよい。最適値も反応室14a〜14e内の浸出スラリーの温度に対して定められる。例えば、最適値は温度Tを変数とした関数として定められる。この関数は1次関数でもよいし、他の関数でもよい。また、最適値は温度Tとの関係を表形式で定めてもよい。最適値は操業データから定めてもよいし、実験により定めてもよいし、理論的な計算に基づいて求めてもよい。
以下、最適値を温度Tの関数としてCO(T)と表記する。図3のグラフに最適値CO(T)の一例を示す。また、図3のグラフには、各反応室14a〜14eの浸出スラリーの温度Tiと浸出ニッケル濃度Ciとの関係も示す。なお、これらの値は例示である。
基準値として最適値CO(T)を採用した場合、分析工程では、式(8)に示すように、反応室14a〜14eのそれぞれについて、浸出ニッケル濃度Ciと最適値CO(Ti)との濃度差diを求める。なお、式(8)において、diはi番目反応室の濃度差を意味する。
Figure 2021143391
濃度差diが正の値の場合、浸出過剰寄りであるといえる。図3のグラフに示す例では、第1室14aおよび第2室14bは浸出過剰寄りである。逆に、濃度差diが負の値の場合、浸出不足寄りであるといえる。図3のグラフに示す例では、第5室14eは浸出不足寄りである。
調整工程では、反応室14a〜14eのそれぞれに対して、濃度差diを小さくするように(0に近づけるように)、冷却水の供給量を調整する。具体的には、濃度差diが正の値の反応室に対しては、冷却水の供給量を増加させる。逆に、濃度差diが負の値の反応室に対しては、冷却水の供給量を減少させる。
冷却水の供給量の調整とともに、あるいはそれに代えて、高圧空気の供給量を調整してもよい。具体的には、濃度差diが正の値の反応室に対しては、高圧空気の供給量を減少させる。逆に、濃度差diが負の値の反応室に対しては、高圧空気の供給量を増加させる。
このように、濃度差diを制御量、冷却水および/または高圧空気の供給量を操作量としたフィードバック制御を行なう。各反応室14a〜14eにおける浸出ニッケル濃度Ciを最適値CO(Ti)に近づける操作を行なうので、浸出過剰によるニッケルの析出が抑制され、ニッケルの析出物(硫酸ニッケル一水和物)の残留を抑制できる。それとともに、浸出不足によるニッケルの固形分としての残留を抑制できる。
〔分析プログラム、分析装置〕
つぎに、本発明の一実施形態に係る分析プログラムおよび分析装置を説明する。
(操業管理システム)
図4に示すように、オートクレーブ1が設置される工場には、オートクレーブ1などの各種の装置の運転を管理するための操業管理システムSSが設けられる。
操業管理システムSSはオートクレーブ1を制御する制御装置2を有する。制御装置2はDCS(Distributed Control System)、PLC(Programmable Logic Controller)などの装置で構成されている。制御装置2はオートクレーブ1に設けられた各種のセンサ、例えば温度計19から測定値を収集する。また、制御装置2はオートクレーブ1に設けられた各種の機器、例えばバルブを動作させる。例えば、制御装置2は冷却水の流量制御弁および高圧空気の流量制御弁の開度を調整する。これにより、反応室14a〜14eへの冷却水および高圧空気の供給量を調整できる。
操業管理システムSSは本発明の一実施形態に係る分析装置3を有する。分析装置3はCPU、メモリなどで構成されたサーバ装置である。サーバ装置に分析プログラムをインストールすることで分析装置3としての機能が実現する。分析装置3の機能は後に詳説する。なお、サーバ装置は分析装置3としての機能のほか、他の機能を有してもよい。
制御装置2と分析装置3とはネットワーク5を介して双方向に通信可能である。制御装置2で収集されたオートクレーブ1に関する各種の情報は分析装置3に送信される。したがって、分析装置3は、制御装置2を介して、オートクレーブ1に取り付けられた各種のセンサから得られる情報および各種の設定値を取得できる。また、分析装置3は制御装置2に対してオートクレーブ1の制御指示を送信できる。したがって、分析装置3は制御装置2を介してオートクレーブ1の運転を制御できる。
操業管理システムSSは端末4を有する。端末4としてCPU、メモリなどで構成されたコンピュータなどを用いることができる。分析装置3と端末4とはネットワーク5を介して双方向に通信可能である。作業員は端末4を介して分析装置3から分析結果を取得できる。また、作業員は端末4を介して分析装置3にオートクレーブ1の制御を指示できる。
なお、分析装置3としての機能の一部を端末4が行なうよう構成してもよい。また、図4には、制御装置2、分析装置3および端末4を一台ずつ示しているが、これらをそれぞれ複数台の装置で構成してもよい。
(分析装置)
分析装置3は、オートクレーブ1によりニッケル硫化物を加圧酸化浸出するにあたり、ニッケル硫化物の浸出状態を分析する機能を有する。具体的には、図5に示すように、分析装置3は浸出ニッケル濃度の算出(ステップS10)および浸出状態の分析(ステップS20)の各処理をこの順に行なう。また、分析装置3はニッケル濃度の調整(ステップS30)を行なってもよい。
浸出ニッケル濃度の算出(ステップS10)は、前述の浸出ニッケル濃度算出工程と同様の手順で行なわれる。例えば、分析装置3は図6に示す手順で浸出ニッケル濃度の算出を行なう。すなわち、分析装置3は、まず、反応室14a〜14eのそれぞれについて浸出液の排出量Viを求める(ステップS11)。つぎに、分析装置3は全ニッケル浸出率RTを求める(ステップS12)。つぎに、分析装置3は反応室14a〜14eのそれぞれについてニッケル硫化物の反応熱QRiを求める(ステップS13)。つぎに、分析装置3は反応室14a〜14eのそれぞれについて個別ニッケル浸出率Riを求める(ステップS14)。最後に、分析装置3は反応室14a〜14eのそれぞれについて浸出液の浸出ニッケル濃度Ciを求める(ステップS15)。
これらの処理の詳細は前述のとおりである。また、浸出ニッケル濃度Ciを求めるのに必要なオートクレーブ1に関する各種の情報は制御装置2により収集され、分析装置3に送信される。
図5に示すように、分析装置3は求めた浸出ニッケル濃度を用いてニッケル硫化物の浸出状態を分析する(ステップS20)。浸出状態の分析は前述の分析工程と同様の手順で行なわれる。
分析装置3は、端末4からの要求に応じて、あるいは自動的に、浸出状態の分析に用いられるグラフを出力する。このグラフは、例えば、図2または3に示すような、基準値と反応室14a〜14eのそれぞれの浸出ニッケル濃度とを示すグラフである。
分析装置3が出力したグラフは端末4に表示される。作業員は端末4でグラフを確認する。そのため、作業員はグラフに基づいて各反応室14a〜14eにおけるニッケル硫化物の浸出状態を判定できる。
分析装置3は図7に示すようなグラフを出力してもよい。このグラフの横軸は時間であり、縦軸は各反応室14a〜14eの浸出ニッケル濃度と基準値との差(濃度差)である。したがって、このグラフは濃度差の時間変化を示す。図7のグラフは一つの反応室の濃度差を示しているが、他の反応室の濃度差も同時に示してもよいし、反応室ごとに別のグラフにしてもよい。
基準値は上限値でもよいし、下限値でもよいし、最適値でもよい。図7のグラフが浸出ニッケル濃度と上限値との濃度差を示すものであるとすると、濃度差が正の値の場合は浸出過剰を意味する。濃度差が上昇傾向にあるとすると、浸出過剰に近づいていることになる。このように、濃度差の時間変化を示すグラフから、浸出ニッケル濃度の変化の傾向を捉えることができる。そのため、ニッケル濃度の調整操作を早期に行なうことができる。
以上のように、作業員は、各反応室14a〜14eにおける浸出ニッケル濃度と基準値とを比較することで、各反応室14a〜14eにおけるニッケル硫化物の浸出状態を判定できる。
分析装置3は浸出液のニッケル濃度を調整する処理を行なってもよい(ステップS30)。例えば、作業員は端末4に表示されたグラフに基づいて各反応室14a〜14eの浸出状態を判定する。その判定結果に基づいて、作業員は端末4から分析装置3に冷却水の供給量の増減を指示する。作業員は高圧空気の供給量の増減を指示してもよい。そうすると、分析装置3は制御装置2を介して、オートクレーブ1への冷却水または高圧空気の供給量を変化させる。
各反応室14a〜14eにおけるニッケル硫化物の浸出状態を、分析装置3が自動的に判定してもよい。この場合、作業員を介することなく、分析装置3が自動的にオートクレーブ1への冷却水または高圧空気の供給量を変化させてもよい。
1 オートクレーブ
10 槽
11 供給口
12 排出口
13 隔壁
14a〜14e 反応室
15 空気吹込管
16 撹拌機
17 冷却水供給管
18 圧力調整弁
19 温度計
3 分析装置

Claims (13)

  1. 原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得る加圧酸化浸出方法であって、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、
    前記分析工程における分析結果に基づき、前記反応室のそれぞれに対して、冷却水の供給量および/または高圧空気の供給量を調整する調整工程と、を備える
    ことを特徴とする加圧酸化浸出方法。
  2. 前記浸出ニッケル濃度算出工程は、
    前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、
    前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、
    前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の加圧酸化浸出方法。
  3. 前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の上限値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記浸出ニッケル濃度が前記上限値を超える場合に浸出過剰と判定し、
    前記調整工程において、前記浸出過剰と判定した前記反応室に対して、前記冷却水の供給量増加操作および/または前記高圧空気の供給量減少操作を行なう
    ことを特徴とする請求項1または2記載の加圧酸化浸出方法。
  4. 前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の下限値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記浸出ニッケル濃度が前記下限値を下回る場合に浸出不足と判定し、
    前記調整工程において、前記浸出不足と判定した前記反応室に対して、前記冷却水の供給量減少操作および/または前記高圧空気の供給量増加操作を行なう
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加圧酸化浸出方法。
  5. 前記分析工程において、前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の最適値と前記浸出ニッケル濃度との濃度差を求め、
    前記調整工程において、前記反応室のそれぞれに対して、前記濃度差を小さくするように、前記冷却水の供給量および/または前記高圧空気の供給量を調整する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の加圧酸化浸出方法。
  6. 原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得るにあたり、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析するようコンピュータを機能させるための分析プログラムであって、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、を行なうようコンピュータを機能させる
    ことを特徴とする分析プログラム。
  7. 前記浸出ニッケル濃度算出工程は、
    前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、
    前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、
    前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項6記載の分析プログラム。
  8. 前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力する
    ことを特徴とする請求項6または7記載の分析プログラム。
  9. 前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力する
    ことを特徴とする請求項6または7記載の分析プログラム。
  10. 原料としてニッケル硫化物を含む原料スラリーを、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに連続供給し、前記原料を加圧酸化浸出して、浸出液と浸出残渣とからなる浸出スラリーを得るにあたり、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析装置であって、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスおよび水バランスに基づき、前記反応室から排出される前記浸出液の浸出ニッケル濃度を求める浸出ニッケル濃度算出工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記反応室内の前記浸出スラリーの温度に対して予め定められたニッケル濃度の基準値と前記浸出ニッケル濃度とを比較して、前記ニッケル硫化物の浸出状態を分析する分析工程と、を行なう
    ことを特徴とする分析装置。
  11. 前記浸出ニッケル濃度算出工程は、
    前記反応室のそれぞれについて、水バランスに基づき前記反応室からの前記浸出液の排出量を求める工程と、
    前記原料として前記オートクレーブに供給されるニッケル量と、前記浸出液として前記オートクレーブから排出されるニッケル量とから、全ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、熱バランスに基づき前記ニッケル硫化物の反応熱を求める工程と、
    前記全ニッケル浸出率と、前記反応室のそれぞれの前記反応熱の比率とから、前記反応室のそれぞれについて個別ニッケル浸出率を求める工程と、
    前記反応室のそれぞれについて、前記個別ニッケル浸出率と前記浸出液の排出量とから、前記浸出ニッケル濃度を求める工程と、を備える
    ことを特徴とする請求項10記載の分析装置。
  12. 前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度とを示すグラフを出力する
    ことを特徴とする請求項10または11記載の分析装置。
  13. 前記分析工程において、前記基準値と前記反応室のそれぞれの前記浸出ニッケル濃度との濃度差の時間変化を示すグラフを出力する
    ことを特徴とする請求項10または11記載の分析装置。
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