JP2021143213A - マスチック接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両のパネルの振動を容易に低減させることを可能にしたマスチック接着剤を提供する。【解決手段】車両に用いられるマスチック接着剤は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、12−アミノドデカン酸とを含有する。12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である。【選択図】なし

Description

本発明は、車両に用いられるマスチック接着剤に関する。
従来、例えば、車両の構成部材である外側パネルと、外側パネルの内側に配置される内側パネルとを接着する車両用のマスチック接着剤が知られている(特許文献1)。このマスチック接着剤は、車両のパネル間の緩衝材としても機能する。
特開2012−067191号公報
上記のようなマスチック接着剤により接着される車両のパネルの振動を低減させるには、マスチック接着剤の制振性能を高めることが望ましく、こうした観点で改善の余地がある。
そこで、本発明の目的は、車両のパネルの振動を容易に低減させることを可能にしたマスチック接着剤を提供することにある。
上記課題を解決するマスチック接着剤は、車両に用いられるマスチック接着剤であって、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、12−アミノドデカン酸と、を含有し、前記12−アミノドデカン酸の含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である。
上記マスチック接着剤において、前記12−アミノドデカン酸の含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以上、18質量部以下の範囲内であることが好ましい。
上記マスチック接着剤において、牛脂表面処理炭酸カルシウムをさらに含有することが好ましい。
上記マスチック接着剤において、前記牛脂表面処理炭酸カルシウムの含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、80質量部以上、200質量部以下の範囲内であることが好ましい。
上記マスチック接着剤において、極性基を有する液状ゴムをさらに含有することが好ましい。
上記マスチック接着剤において、前記液状ゴムの含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、車両のパネルの振動を容易に低減させることが可能となる。
以下、マスチック接着剤の実施形態について説明する。
車両に用いられるマスチック接着剤は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、12−アミノドデカン酸とを含有する。マスチック接着剤には、必要に応じて、充填材、液状ゴム、発泡剤、固形ゴム、可塑剤、ゲル化剤等を含有させることができる。
<アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂>
アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、ポリヒドロキシ化合物とエピハロヒドリンとを反応させた化合物である。ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール等が挙げられる。アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、ポリヒドロキシ化合物によってグリシジル基の間が延長されているため、このエポキシ樹脂を、マスチック接着剤に含有させることで、加熱硬化後のマスチック接着剤の柔軟性を高めることができる。アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAの両末端にポリプロピレングリコールとエピハロヒドリンとを反応させてなるエポキシ樹脂を含むことが好ましい。アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の分子量は、例えば、500〜2000の範囲内であることが好ましい。
<12−アミノドデカン酸>
12−アミノドデカン酸は、上記エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤である。マスチック接着剤中における12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である。この場合、マスチック接着剤の制振性能を高めることが可能となる。
マスチック接着剤中における12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以上であることがより好ましく、さらに好ましくは、5質量部以上である。マスチック接着剤中における12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、18質量部以下であることがより好ましく、さらに好ましくは、16質量部以下である。
<充填材>
充填材としては、例えば、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、牛脂表面処理炭酸カルシウム等が挙げられる。充填材は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤には、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の形状保持性能を高めるという観点から、牛脂表面処理炭酸カルシウムを含有させることが好ましい。牛脂表面処理炭酸カルシウムは、複数種の脂肪酸により表面処理された炭酸カルシウムである。牛脂に含まれる脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸が挙げられる。マスチック接着剤中における牛脂表面処理炭酸カルシウムの分散安定性は、複数種の脂肪酸により高められることで、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の形状保持性能が高まると推測される。なお、脂肪酸表面処理炭酸カルシウムは、単一種の脂肪酸により表面処理された炭酸カルシウムである。
マスチック接着剤中における牛脂表面処理炭酸カルシウムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、90質量部以上であり、さらに好ましくは、100質量部以上である。牛脂表面処理炭酸カルシウムを増量すると、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の形状保持性能をより高めることができる。
マスチック接着剤中における牛脂表面処理炭酸カルシウムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、180質量部以下であり、さらに好ましくは、150質量部以下である。牛脂表面処理炭酸カルシウムを減量すると、マスチック接着剤の自重による垂れの発生を抑えることができる。
<液状ゴム>
マスチック接着剤には、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の加熱時における伸びを向上させるという観点から、極性基を有する液状ゴムを含有させることが好ましい。極性基を有する液状ゴムとしては、例えば、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン等の液状ゴムに、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシ基等の極性基を導入した化合物から選択することが可能である。極性基を有する液状ゴムは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。極性基を有する液状ゴムは、液状NBR(NBR:アクリロニトリル・ブタジエンゴム)を含むことが好ましい。
マスチック接着剤中における上記液状ゴムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、5質量部以上であり、さらに好ましくは、6質量部以上である。上記液状ゴムを増量すると、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の加熱時の伸びを向上させることができる。
マスチック接着剤中における上記液状ゴムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、30質量部以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは、20質量部以下であり、さらに好ましくは、15質量部以下である。上記液状ゴムを減量すると、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂との混ざり度合いが維持されることで、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の加熱時の伸びを向上させることができる。
<発泡剤>
発泡剤としては、例えば、熱分解型有機系発泡剤、及び物理系発泡剤が挙げられる。熱分解型有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。物理系発泡剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン等の低沸点炭化水素を熱可塑性樹脂からなるシェル内に内包した熱膨張性マイクロカプセルが挙げられる。発泡剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤中における発泡剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましい。発泡剤を増量すると、鋼板の腐食の発生を抑えることができる。
マスチック接着剤中における発泡剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以下であることが好ましい。発泡剤を減量すると、マスチック接着剤を硬化させた硬化物のせん断強度を高めることができる。
<固形ゴム>
マスチック接着剤には、耐シャワー性を高めるという観点から、固形ゴムを含有させることが好ましい。固形ゴムとしては、例えば、スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレンゴム、天然イソプレンゴム、エポキシ化天然ゴム、ブチルゴム、ポリウレタンゴム等が挙げられる。固形ゴムは、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤中における固形ゴムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、4質量部以上であり、さらに好ましくは、6質量部以上である。固形ゴムを増量すると、耐シャワー性をより高めることができる。
マスチック接着剤中における固形ゴムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、9質量部以下である。固形ゴムを減量すると、施工時の糸切れ性を高めることができる。
<ゲル化剤>
マスチック接着剤には、制振性能を高めるという観点から、ゲル化剤を含有させることが好ましい。ゲル化剤としては、例えば、アクリル系ポリマーから構成されるコア層及びシェル層を有するコアシェル型粒子が挙げられる。コア層としては、例えば、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート系重合体又はメタクリレート系重合体からなるゴム状ポリマーが挙げられる。シェル層としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のアルキルメタクリレート等が挙げられる。ゲル化剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤中におけるゲル化剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、25質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、27質量部以上であり、さらに好ましくは、32質量部以上である。ゲル化剤を増量すると、制振性能をより高めることができる。
マスチック接着剤中におけるゲル化剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、45質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、42質量部以下であり、さらに好ましくは、40質量部以下である。ゲル化剤を減量すると、マスチック接着剤の粘度の増大を抑えることができるため、施工を容易に行うことができる。
<可塑剤>
マスチック接着剤には、施工を容易に行うという観点から、可塑剤を含有させることが好ましい。可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル等が挙げられる。フタル酸エステルとしては、例えば、(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート等が挙げられる。脂肪族二塩基酸エステルとしては、例えば、ジオクチルアジペート、ジデシルアジペート等が挙げられる。可塑剤は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
マスチック接着剤中における可塑剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、60質量部以上であることが好ましく、より好ましくは、64質量部以上であり、さらに好ましくは、69質量部以上である。可塑剤を増量すると、施工をさらに容易に行うことができる。
マスチック接着剤中における可塑剤の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、90質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、85質量部以下であり、さらに好ましくは、80質量部以下である。可塑剤を減量すると、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の垂れを抑えることができる。
<マスチック接着剤の製造方法及び施工方法>
マスチック接着剤は、上述した原材料をニーダールーダー、プラネタリーミキサー、トリミックス等の混合機を用いて混合することで製造することができる。
マスチック接着剤を用いて車両の接着構造を形成するには、まず車両の構成部材である第1のパネルにマスチック接着剤を塗布する。マスチック接着剤を塗布する塗布装置としては、例えば、スプレー、塗布ガン等を用いることができる。次に、第1のパネルに重ね合わせるように第2のパネルを配置し、第1のパネルと第2のパネルとを組み付ける。第1のパネルとしては、例えば、ドアパネル、トランクリッド、ルーフパネル、フロントフードパネル等が挙げられる。第2のパネルとしては、例えば、第1のパネルを補強する補強用パネルが挙げられる。
次に、第1のパネルと第2のパネルとの間にマスチック接着剤を配置した構造を有する車両について、洗浄処理工程、電着塗装工程、焼き付け工程を順に行う。ここで、焼き付け工程は、加熱炉を用いて電着塗装の塗膜を焼き付ける工程である。この焼き付け工程を利用して、マスチック接着剤を加熱硬化させることができる。焼き付け工程における加熱温度は、例えば、160℃以上、210℃以下の範囲内であり、加熱時間は、例えば、10分以上、40分以下の範囲内である。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)車両に用いられるマスチック接着剤は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、12−アミノドデカン酸とを含有する。12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である。
この構成によれば、硬化後のマスチック接着剤の制振性能を高めることが可能となる。これにより、車両のパネルの振動を容易に低減させることが可能となる。
(2)12−アミノドデカン酸の含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以上、18質量部以下の範囲内であることが好ましい。この場合、制振性能をさらに高めることが可能となる。これにより、車両のパネルの振動をさらに低減させることが可能となる。
(3)マスチック接着剤は、牛脂表面処理炭酸カルシウムをさらに含有することが好ましい。この場合、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の形状保持性能を高めることができる。これにより、マスチック接着剤を用いた車両の接着構造の施工を好適に行うことができる。
(4)牛脂表面処理炭酸カルシウムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、80質量部以上、200質量部以下の範囲内であることが好ましい。この場合、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の形状保持性能をより高めることができる。これにより、マスチック接着剤を用いた車両の接着構造の施工をさらに好適に行うことができる。
(5)マスチック接着剤は、極性基を有する液状ゴムをさらに含有することが好ましい。この場合、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の加熱時における伸びを向上させることができる。これにより、車両のパネルへの追従性が高まることで、所望の接着性能を得られ易くなる。
(6)極性基を有する液状ゴムの含有量は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内であることが好ましい。この場合、マスチック接着剤を塗布してなる塗布層の加熱時の伸びをさらに向上させることができる。これにより、車両のパネルへの追従性がさらに高まることで、所望の接着性能がさらに得られ易くなる。
(変更例)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・マスチック接着剤には、上記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂以外のエポキシ系樹脂を含有させることもできる。このエポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。マスチック接着剤中のエポキシ系樹脂の合計量を100質量%としたとき、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、80質量%以上であり、さらに好ましくは、90質量%以上である。
・マスチック接着剤には、12−アミノドデカン酸以外の硬化剤を含有させることもできる。この硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。マスチック接着剤中の硬化剤の合計量を100質量%としたとき、12−アミノドデカン酸の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、より好ましくは、80質量%以上であり、さらに好ましくは、90質量%以上である。
次に、実施例及び比較例について説明する。
(実施例1〜19及び比較例1〜4)
表1〜3に示す原材料を、混合機を用いて混合することで、各実施例及び各比較例のマスチック接着剤のサンプルを調製した。表1〜4中の原材料の配合量を示す数値の単位は、質量部である。
表1〜4中、エポキシ系樹脂の“A1”は、アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、商品名:EP−4000)である。表4中、エポキシ樹脂の“A2”は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(NAN YA Plastics Corporation製、商品名:NPEL−128)であり、エポキシ樹脂の“A3”は、ウレタン変性エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製、商品名:EPU−1395)である。
表1〜4中、硬化剤の“B1”は、12−アミノドデカン酸(蝶理GLEX株式会社製、商品名:K−37Y)である。表4中、硬化剤の“B2”は、ジシアンジアミド(蝶理GLEX株式会社製、商品名:オミキュアDDA5)であり、硬化剤の“B3”は、アジピン酸ジヒドラジド(株式会社日本ファインケム製、商品名:ADH)である。
表1〜4中、充填材の“C1”は、牛脂表面処理炭酸カルシウム(丸尾カルシウム株式会社製、商品名:N−2)である。表3中、充填材の“C2”は、脂肪酸表面処理炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製、商品名:白艶華CCR−B)であり、“C3”は、重質炭酸カルシウム(清水工業株式会社、商品名:LW−350)である。
表1〜4中、液状ゴムは、液状NBR(JSR株式会社製、商品名:N280)である。表1〜4中、発泡剤は、4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(永和化成工業株式会社製、商品名:ネオセルボンN−1000S)であり、固形ゴムは、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(日本ゼオン株式会社製、商品名:Nipol DN401LL)であり、ゲル化剤は、アクリル系コアシェル粒子(三菱レイヨン株式会社製、商品名:ダイヤナールLP−3202)であり、可塑剤は、ジイソノニルフタレート(株式会社ジェイ・プラス製、商品名:DINP)である。
(制振性能試験)
動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて各例の試験片の動的粘弾性を測定した。試験片は次のように作製した。まず、離型処理が施された鋼板上、又は、離型紙を重ねて配置した鋼板上に、各例のサンプルを高さが8mm以上なるように塗布した。次に、厚さ7mmのスペーサーとともに、離型処理が施された鋼板、又は、離型紙を重ねて配置した鋼板を用いてサンプルを挟み込み、170℃、30分間の条件の焼き付け処理を行った。得られた厚さ7mmのシート状の硬化物を直径8mmの打ち抜き型を用いて打ち抜くことで、直径8mm、高さ寸法7mmの試験片を得た。
動的粘弾性測定装置(DMA)としては、直径10mm以上の圧縮台座を備えたものを準備した。動的粘弾性測定装置(DMA)を用いた試験片の測定条件は、以下のとおりである。
変形モード:圧縮
温度範囲:−20℃〜80℃
昇温温度:2℃/min
周波数:50Hz
各例の試験片について、以下の判定基準で判定した。
23℃のtanδが0.6以上の場合、制振性能に非常に優れる(評価:4)。
23℃のtanδが0.4以上、0.6未満の場合、制振性能が優れる(評価:3)。
23℃のtanδが0.3以上、0.4未満の場合、制振性能が良好である(評価:2)。
23℃のtanδが0.3未満の場合、制振性能にやや劣る(評価:1)。
各例の試験片の判定結果を表1〜4に示す。
(形状保持性能試験)
防錆油が塗布された鋼板に各例のサンプルを塗布することで、試験片を作製した。まず、防錆油が塗布された鋼板に、直径30mm、高さ寸法8mmの貫通部を有する治具を配置し、貫通部内に各例のサンプルを塗布することで、貫通部内の寸法を外形寸法とした塗布層を形成した。次に、直径1mm以下の針を用いて治具と塗布層とを切り離し、治具を取り除くことで、試験片を得た。鋼板の面が垂直となるように試験片を立てた状態とした。この状態の試験片を、40℃の雰囲気で30分間、さらに180℃の雰囲気で10分間放置した後、塗布層の垂れ量を測定した。
各例の試験片について、以下の判定基準で判定した。
垂れ量が1mm未満の場合、形状保持性能に優れる(評価:3)。
垂れ量が1mm以上、5mm未満の場合、形状保持性能が良好である(評価:2)。
垂れ量が5mm以上の場合、形状保持性能に劣る(評価:1)。
各例の試験片の判定結果を表1〜4に示す。
(加熱時の伸び易さの試験)
二枚の鋼板の間に直径15mm、高さ寸法4mmの寸法の塗布層となるように各例のサンプルを塗布し、二枚の鋼板の間に3mmのスペーサーを挟み込むことで試験片を得た。各例の試験片を170℃の雰囲気で5分間放置した後、3mmのスペーサーを6mmのスペーサー、7mmのスペーサー、8mmのスペーサーの順に変更し、塗布層の状態を目視で確認した。
各例の試験片について、以下の判定基準で判定した。
8mmのスペーサーで塗布層に切れが発生しない場合、加熱時の伸び易さが非常に優れる(評価:4)。
7mmのスペーサーで塗布層の切れが発生せず、8mmのスペーサーで塗布層に切れが発生した場合、加熱時の伸び易さに優れる(評価:3)。
6mmのスペーサーで塗布層の切れが発生せず、7mmのスペーサーで塗布層に切れが発生した場合、加熱時の伸び易さが良好である(評価:2)。
6mmのスペーサーで塗布層の切れが発生した場合、加熱時の伸び易さに劣る(評価:1)。
Figure 2021143213
Figure 2021143213
Figure 2021143213
Figure 2021143213
表1〜3に示すように、各実施例では、制振性能の評価が2以上であった。これに対して、各実施例と異なるエポキシ系樹脂を用いた比較例1,2では、制振性能の評価結果が1であり、制振性能について各実施例よりも劣ることが分かる。また、各実施例と異なる硬化剤を用いた比較例3,4では、制振性能の評価結果が1であり、制振性能について各実施例よりも劣ることが分かる。
実施例18,19は、実施例4において充填材の種類を変更した例である。実施例18,19では、形状保持性能の評価結果は1であり、形状保持性能については実施例4よりも劣ることが分かる。

Claims (6)

  1. 車両に用いられるマスチック接着剤であって、
    アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と、
    12−アミノドデカン酸と、を含有し、
    前記12−アミノドデカン酸の含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である、マスチック接着剤。
  2. 前記12−アミノドデカン酸の含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、3質量部以上、18質量部以下の範囲内である、請求項1に記載のマスチック接着剤。
  3. 牛脂表面処理炭酸カルシウムをさらに含有する、請求項1又は請求項2に記載のマスチック接着剤。
  4. 前記牛脂表面処理炭酸カルシウムの含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、80質量部以上、200質量部以下の範囲内である、請求項3に記載のマスチック接着剤。
  5. 極性基を有する液状ゴムをさらに含有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のマスチック接着剤。
  6. 前記液状ゴムの含有量は、前記アルキレンオキシド変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下の範囲内である、請求項5に記載のマスチック接着剤。
JP2020040437A 2020-03-10 2020-03-10 マスチック接着剤 Active JP6736118B1 (ja)

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