JP2021142850A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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啓介 川嶋
Keisuke Kawashima
啓介 川嶋
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【課題】本発明は、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、優れた耐摩耗性を有する、空気入りタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、トレッド周方向に延びる2本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝間又は前記周方向主溝とトレッド端とにより区画される陸部を備え、前記陸部は、トレッド幅方向に延びる幅方向サイプを備え、前記幅方向サイプは、深さ方向断面において、該幅方向サイプの開口部から該幅方向サイプの底部に向かって延びる直線部と、該直線部に接続され、該直線部との接続部から該幅方向サイプの底部まで屈曲しながら延びる屈曲部と、からなり、前記幅方向サイプの前記直線部は、前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部へ向かって、該幅方向サイプの深さ方向の長さが増大し、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
ポリエステル繊維等の有機繊維は、高い初期弾性率や、優れた熱時寸法安定性を有しているため、フィラメント、コード、ケーブル、コード織物、帆布等の形態で、タイヤ等のゴム物品の補強材として極めて有用である。従来、これらの有機繊維をタイヤのコードとして用いるに際して、コードとゴムとの接着性を改良させるための、種々の接着剤組成物が提案されている。接着剤組成物として、例えば、レゾルシン、ホルマリン、及びゴムラテックス等を含むRFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)接着剤を用い、該RFL接着剤を熱硬化させることにより接着力を確保する技術が知られている(例えば、特許文献1〜3等を参照)。また、接着剤組成物については、レゾルシンとホルマリンとを初期縮合させたレゾルシンホルマリン樹脂を用いる技術(特許文献4、5参照)や、エポキシ樹脂でポリエステル繊維等からなるタイヤコードを前処理することにより、接着力の向上を図る技術が知られている。
特開昭58−2370号公報 特開昭60−92371号公報 特開昭60−96674号公報 特開昭63−249784号公報 特公昭63−61433号公報
しかしながら、上述した接着剤組成物に一般的用いられているレゾルシンは、近年、作業環境を考慮して、使用量の削減が求められている。従って、環境問題への対応として、タイヤ1本あたりのレゾルシン含有率を減らすことが求められる。また、そのような場合にもコードとゴムとの接着力を確保することが望まれる。
一方で、近年は環境問題への配慮から、タイヤライフを向上させることも望まれている。しかし、例えば耐摩耗性を向上させるような3次元サイプの技術を用いてトレッドボリュームを少なくすると、相対的にタイヤ1本あたりのレゾルシン含有率が増加してしまい、環境負荷低減に対応できなくなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、優れた耐摩耗性を有する、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド踏面に、トレッド周方向に延びる2本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝間又は前記周方向主溝とトレッド端とにより区画される陸部を備え、
前記陸部は、トレッド幅方向に延びる幅方向サイプを備え、
前記幅方向サイプは、深さ方向断面において、該幅方向サイプの開口部から該幅方向サイプの底部に向かって延びる直線部と、該直線部に接続され、該直線部との接続部から該幅方向サイプの底部まで屈曲しながら延びる屈曲部と、からなり、
前記幅方向サイプの前記直線部は、前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部へ向かって、該幅方向サイプの深さ方向の長さが増大し、
ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
ここで、「トレッド周方向に延びる」とは、トレッド周方向に対して5°以下の角度で傾斜して延びることをいい、直線状に延びる場合の他、ジグザグ状、湾曲状に延びる場合等も含むものとする。
また、「トレッド端」とは、タイヤを、リムに組み付け、規定内圧を充填し、最大負荷荷重を加えた状態で転動させた際に、路面と接触することとなる、タイヤ外周面の部分のうち、タイヤ幅方向最外側端をいう。
また、「サイプ」とは、タイヤをリムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態において、トレッド踏面への開口幅が0.5mm以下のものをいう。なお、トレッド踏面への開口幅を0.3mm以下とすることが好ましい。
また、「屈曲」とは、ジグザグ状や湾曲状等の形状を含むものとする。
ここで、「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。さらに、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
本明細書において、「内側陸部のトレッド幅方向の幅Wc」は、当該幅が一定でない場合には、トレッド幅方向の最大幅をいうものとする。
また、「内側陸部のトレッドゲージDc」は、タイヤ径方向最外側のタイヤ補強部材(ベルト層やベルト補強層等)よりタイヤ径方向外側の厚さであって、タイヤ径方向の最大ゲージをいうものとする。
本明細書において、「ショルダー側陸部のトレッド幅方向の幅Ws」は、当該幅が一定でない場合には、トレッド幅方向の最大幅をいうものとする。
また、「ショルダー側陸部のトレッドゲージDs」は、タイヤ径方向最外側のタイヤ補強部材(ベルト層やベルト補強層等)よりタイヤ径方向外側の厚さであって、タイヤ径方向の最大ゲージをいうものとする。
(2)前記タイヤは、カーカス、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルト、及び該ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたベルト補強層を有し、
前記有機繊維コードは、前記カーカスのカーカスコード及び前記ベルト補強層のコードの少なくともいずれかに用いられている、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有することを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記深さ方向断面において、
前記幅方向サイプの前記屈曲部は、
前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部においては、2個以上の頂点を有し、
前記幅方向サイプのトレッド幅方向端部においては、前記トレッド幅方向中央部における前記頂点の個数よりも頂点の個数が少ない、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記幅方向サイプの前記屈曲部は、
前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部においては、前記直線部の延長線と、前記屈曲部の頂点又は前記幅方向サイプの底部側の端部との距離である振幅が、前記幅方向サイプの開口部側よりも前記幅方向サイプの底部側で大きくなるように変化し、
前記幅方向サイプのトレッド幅方向端部においては、前記振幅が一定である、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記幅方向サイプは、トレッド周方向に複数配置され、
トレッド周方向に隣接する前記幅方向サイプのトレッド周方向のサイプ間隔lの、前記幅方向サイプのサイプ深さdに対する比l/dが、
2≦l/d≦4 を満たす、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(8)前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
前記内側陸部のトレッド幅方向の幅Wcの、前記内側陸部のトレッドゲージDcに対する比Wc/Dcが、
Wc/Dc≧3 を満たす、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(9)前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
前記ショルダー陸部のトレッド幅方向の幅Wsの、前記ショルダー陸部のトレッドゲージDsに対する比Ws/Dsが、
Ws/Ds≧5 を満たす、上記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(10)前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
前記内側陸部のトレッドゲージDc及び前記ショルダー陸部のトレッドゲージDsが、8.5mm以下である、上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、優れた耐摩耗性を有する、空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッド踏面1を示すトレッド展開図である。 本発明の一実施形態のタイヤの幅方向サイプ4a、4bの、トレッド幅方向中央部及びトレッド幅方向両端部での、サイプ深さ方向の断面形状をそれぞれ示す図である。 比較例のタイヤの幅方向サイプの、トレッド幅方向中央部及びトレッド幅方向両端部での、サイプ深さ方向の断面形状をそれぞれ示す図である。 本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
(トレッド踏面)
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)のトレッド踏面1を示すトレッド展開図である。
図1に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、トレッド周方向に延びる2本以上(図示例では3本)の周方向主溝2と、周方向主溝2間又は周方向主溝2とトレッド端TEとにより区画される、リブ状の(後述の幅方向サイプ4以外の溝によっては区画されない)陸部3を備えている。図示例では、1つの周方向主溝2aは、タイヤ赤道面CL上を延びており、また、周方向主溝2aのトレッド幅方向両側に1本ずつの周方向主溝2b、2cが設けられている。
ここで、周方向主溝2の溝幅は、特には限定されないが、5〜20mmとすることができる。また、本発明では、周方向主溝2の溝深さ(最大深さ)は、6.5mm以下とすることが好ましく、6.0mm以下とすることがさらに好ましい。陸部3の剛性を確保して耐摩耗性をさらに向上させることができるからである。なお、排水性に鑑みると、周方向主溝2の溝深さ(最大深さ)は、5.5mm以上とすることが好ましい。
ここで、図1に示すように、本実施形態のタイヤは、周方向主溝2間で区画される陸部3a、3bと、周方向主溝2とトレッド端TEとにより区画される陸部3c、3dとの、合計4つの陸部を有している。
図1に示すように、各陸部3は、トレッド幅方向に延びる幅方向サイプ4を備えている。陸部3aは、トレッド幅方向に該陸部3aを横切って延びる幅方向サイプ4aを備えており、幅方向サイプ4aは、トレッド周方向に所定のピッチ間隔で複数配置されている。幅方向サイプ4aは、トレッド幅方向一方側の半部に位置する周方向主溝2bからトレッド幅方向内側に湾曲して延びる第一の部分と、第一の部分に接続され、トレッド幅方向に対して傾斜して直線状に延び、タイヤ赤道面CL上を延びる周方向主溝2aに接続する第二の部分と、を有している。第二の部分は、特には限定されないが、トレッド幅方向に対して、15〜50°の角度で傾斜するものとすることができる。
陸部3bは、トレッド幅方向に該陸部3bを横切って延びる幅方向サイプ4bを備えており、幅方向サイプ4bは、トレッド周方向に所定のピッチ間隔(図1に示す例では、陸部3aの幅方向サイプ4aとほぼ同じピッチ間隔)で複数配置されている。この例では、幅方向サイプ4bは、トレッド幅方向に対して傾斜して直線状に延びている。幅方向サイプ4bは、特には限定されないが、トレッド幅方向に対して、15〜50°の角度で傾斜するものとすることができる。
陸部3cは、トレッド端TEからトレッド幅方向内側に、トレッド幅方向に対して傾斜して延び、陸部3c内で終端する幅方向溝5と、幅方向溝5の終端からトレッド幅方向内側に、トレッド幅方向に対して傾斜して延び、周方向主溝2bに連通する、幅方向サイプ4cを備えている。幅方向溝5及び幅方向サイプ4cは、トレッド周方向に所定のピッチ間隔(図1に示す例では、陸部3aの幅方向サイプ4aのピッチ間隔及び陸部3bの幅方向サイプ4bのピッチ間隔のおよそ2倍)で複数配置されている。幅方向溝5及び幅方向サイプ4cは、特には限定されないが、トレッド幅方向に対して、0〜20°の角度で傾斜するものとすることができる。また、幅方向溝5の溝幅は、特に限定されないが、例えば、1〜4mmとすることができ、幅方向溝5の溝深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、3〜5mmとすることができる。
この例では、幅方向溝5を周方向主溝2aに連通させずに陸部3c内で終端させることにより、また、トレッド周方向のピッチ間隔を、幅方向サイプ4a、4bのみを配置した陸部3a、3bより上記のように大きめにすることにより、陸部3cの剛性を確保し、また、幅方向溝5を有しない陸部3a、陸部3bとの剛性差を低減して、耐摩耗性及び耐偏摩耗性を確保している。
陸部3dは、トレッド端TEからトレッド幅方向内側に、トレッド幅方向に対して傾斜して延び、陸部3c内で終端する幅方向溝6を有している。また、陸部3dは、トレッド端TEからトレッド幅方向内側に、トレッド幅方向に対して傾斜して延び、周方向主溝2aに連通する、幅方向サイプ4dを備えている。幅方向溝5と幅方向サイプ4cとは、トレッド周方向に交互に、所定のピッチ間隔(図1に示す例では、陸部3aの幅方向サイプ4aのピッチ間隔及び陸部3bの幅方向サイプ4bのピッチ間隔とほぼ同じ)で複数配置されている。これにより、陸部3dの剛性のバランスを確保することができる。幅方向溝6及び幅方向サイプ4dは、トレッド幅方向に対して、0〜20°の角度で傾斜するものとすることができる。また、幅方向溝6の溝幅は、特に限定されないが、例えば、1〜4mmとすることができ、幅方向溝6の溝深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、3〜5mmとすることができる。
この例では、幅方向溝6を、周方向主溝2cに連通させずに陸部3d内で終端させることにより、また、幅方向溝6と幅方向サイプ4dとをトレッド周方向に交互に配置することにより、陸部3dの剛性を確保し、また、幅方向溝6を有しない陸部3a、陸部3bとの剛性差を低減して、耐摩耗性及び耐偏摩耗性を確保している。
ここで、幅方向サイプ4a、4bについて、さらに詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態のタイヤの幅方向サイプ4a、4bの、トレッド幅方向中央部及びトレッド幅方向両端部での、サイプ深さ方向の断面形状をそれぞれ示す図である。
図2に示すように、幅方向サイプ4a、4bは、深さ方向断面において、該幅方向サイプ4a、4bの開口部から該幅方向サイプ4a、4bの底部に向かって延びる直線部41c、41eと、該直線部41c、41eに接続され、該直線部41c、41eとの接続部から該幅方向サイプの底部まで屈曲しながら延びる屈曲部42c、42eと、からなる。また、図2に示すように、幅方向サイプ4a、4bの直線部41c、41eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部(両端部)へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが増大する。本実施形態では、幅方向サイプ4a、4bの直線部41c、41eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部(この例では、幅方向サイプの延在長さの中央位置)において、一定の第一の長さを有し、該中央位置を変曲点として、直線部の長さが漸増し、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向端部(この例では、幅方向サイプの端)において、第一の長さより大きい、一定の第二の長さを有し、該端を変曲の終点としている。なお、本実施形態では、変曲点は、幅方向サイプの延在長さの中央位置であるが、該変曲点は、幅方向サイプの延在長さの中央60%の領域のいずれかとすることができる。また、本実施形態では、変曲の終点は、幅方向サイプの端であるが、該変曲の終点は、幅方向サイプの延在長さの両端20%ずつの領域とすることができ、この場合、該変曲の終点より幅方向外側においては、直線部は一定の長さとすることができる。
なお、「幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部(両端部)へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが増大する」とは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部(両端部)へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが減少する箇所を有しないことを意味する。例えば、本発明では、幅方向サイプ4a、4bの直線部41c、41eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部(両端部)へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが漸増するものとすることもできる。
図2に示すように、本実施形態において、深さ方向断面において、幅方向サイプ4a、4bの屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、2個以上(図示例では4個)の頂点を有し、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向端部(両端部)においては、トレッド幅方向中央部における頂点の個数よりも頂点の個数が少ない(図示例では3個)。
図2に示すように、幅方向サイプ4a、4bの屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、直線部41c、41eの延長線(点線で示している)と、屈曲部42c、42eの頂点又は幅方向サイプ4a、4bの底部側の端部との距離である振幅が、幅方向サイプ4a、4bの開口部側よりも幅方向サイプ4a、4bの底部側で大きくなるように変化している。図示例では、振幅が、幅方向サイプ4a、4bの開口部側から幅方向サイプ4a、4bの底部側に向かって漸増している。また、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向端部においては、振幅が一定である。
(タイヤ内部構造)
図4は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
図4に示すように、この空気入りタイヤ10は、一対のビード部20にそれぞれ埋設された一対のビードコア20a間にトロイダル状に跨るカーカス30と、該カーカス30のクラウン部のタイヤ径方向外側に配置された1層以上のベルト層(図示例では2層のベルト層40a、40b)からなるベルト40と、ベルト40のタイヤ径方向外側に配置された1層以上(図示例では1層)のベルト補強層50と、を備えている。
ビードコア20aは、任意の既知のものを用いることができる。この例では、ビードコア20aは、周囲をゴムにより被覆された複数のビードワイヤを備える。また、例えば、図示例では模式的に断面視円形の場合を示しているが、断面視で多角形状の形状とすることもできる。ビードコア20aのタイヤ径方向外側には、適宜ビードフィラを配置することもできる。ビードフィラは、例えば、タイヤ径方向外側に向けて厚みが減少する断面略三角形状の形状とするこができる。
本例では、カーカス30は、1枚以上のカーカスプライからなり、ビードコア20a間に配置されたカーカス本体部と、ビードコア20aの周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されてなるカーカス折返し部と、を有している。カーカス折返し部のタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側への延在長さは、適宜設定することができる。また、カーカス30は、カーカス折返し部を有しない構造とすることもでき、あるいはカーカス折返し部をビードコア20aに巻き付けた構造とすることもできる。本例では、カーカス30はラジアル構造である。
ここで、本実施形態では、カーカス30のカーカス層を構成するカーカスコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードである。ポリフェノール類及びアルデヒド類についての説明は後述し、他のタイヤ内部構造について先に説明する。
ベルト40は、例えば、1層以上のベルト層によって構成することができる。図示例では、ベルト層40aのタイヤ径方向外側にベルト層40bが積層されている。本実施形態では、ベルト40のベルト層を構成するベルトコードは、モノフィラメントのスチールコードである。本例では、ベルト層40aのベルトコードとベルト層40bのベルトコードとが層間で互いに交差している。図示例では、ベルト層40aのタイヤ幅方向の幅が、ベルト層40bのタイヤ幅方向の幅より大きい。ベルト層の層数やベルトコードの傾斜角度、各ベルト層のタイヤ幅方向の幅等は、特に限定されず、適宜設定することができる。
ベルト補強層50は、例えば1層以上の、タイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層とすることができる。図示例では、ベルト補強層50のタイヤ幅方向の幅は、ベルト層40a、40bのタイヤ幅方向の幅より大きいが、いずれかと等しくすることもでき、ベルト層40bより大きくベルト層40aより小さくすることもでき、また、ベルト層40a、40bより小さくすることもできる。ベルト補強層50を2層以上設ける場合には、いわゆるキャップ・アンド・レイヤー構造とすることもでき、タイヤ径方向外側のベルト補強層をタイヤ幅方向各半部のショルダー部にのみ設けることができる。
ここで、本実施形態では、ベルト補強層50を構成するコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードである。ポリフェノール類及びアルデヒド類についての説明は後述し、他のタイヤ内部構造について先に説明する。
また、タイヤ10は、インナーライナー(図示せず)を有している。インナーライナーは、タイヤ10の内面を覆うように配置されている。インナーライナーは、タイヤの赤道面CLにおいてタイヤ径方向に積層された1層以上のインナーライナー層によって構成することができる。インナーライナーは、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナーは、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマで構成することもできる。
次に、カーカスコードとゴムとの接着剤に用い、且つ、ベルト補強層のコードとゴムとの接着剤にも用いている接着剤組成物のポリフェノール類及びアルデヒド類について説明する。
(ポリフェノール類)
接着剤組成物は、樹脂成分としてポリフェノール類を含む。接着剤組成物中にポリフェノール類を含むことで、樹脂組成物の接着性を高めることができる。ここで、ポリフェノール類については、水溶性のポリフェノール類であり、レゾルシン(レゾルシノール)以外のポリフェノールであれば限定はされず、芳香族環の数や、水酸基の数についても、適宜選択することができる。また、ポリフェノール類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2個以上の水酸基を有することが好ましく、3つ以上の水酸基を有することがより好ましい。3つ以上の水酸基を含むことにより水分を含む接着剤組成物液によりポリフェノールあるいはポリフェノールの縮合物は水溶することで接着剤組成物内に均一して分布できるので、より優れた接着性を実現できる。さらに、ポリフェノール類が、複数個(2個以上)の芳香環を含むポリフェノールの場合、それらの芳香環では、各々、2個又は3個の水酸基がオルト、メタ又はパラ位に存在する。
上述した3つ以上の水酸基を有するポリフェノール類としては、例えば以下に示すポリフェノール類が挙げられる。
フロログルシノール:
Figure 2021142850
モリン(2’,4’,3,5,7−ペンタヒドロキシフラボン):
Figure 2021142850
フロログルシド(2,4,6,3,’5’−ビフェニルペントール):
Figure 2021142850
(アルデヒド類)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類に加えて、樹脂成分としてアルデヒド類を含む。接着剤組成物中にアルデヒド類を含有することで、上述したポリフェノール類と共に高い接着性を実現できる。ここで、アルデヒド類については、特に限定はされず、要求される性能に応じて、適宜選択することができる。なお、アルデヒド類が発生源であるルデヒド類の誘導体も、アルデヒド類の範囲に含まれる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロラール、ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド等のモノアルデヒドや、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド類、芳香族環を有するアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。これらのアルデヒド類は、一種類を用いても、複数種を混合して用いてもよい。これらの中でも、アルデヒド類は、芳香族環を有するアルデヒド類を含有することが好ましい。より優れた接着性を得ることができるためである。なお、アルデヒド類については、ホルムアルデヒドを含まないことが好ましい。なお、本発明において「ホルムアルデヒドを含まない」とは、アルデヒド類の総質量に基づくホルムアルデヒドの質量含有量が0.5質量%未満であることを意味する。
また、芳香環を有するアルデヒド類は、1分子内に、少なくとも1つの芳香環を含み、少なくとも 1つのアルデヒド基を有する芳香族アルデヒドである。芳香環を有するアルデヒド類は、環境への負荷が少なく、また、優れた機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等を備えた、比較的安価な樹脂を形成することができる。また、芳香族環を有するアルデヒド類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2つ以上のアルデヒド基を有することが好ましい。アルデヒド類が、複数のアルデヒド基により架橋し、縮合することによって、熱硬化性樹脂の架橋度を高くすることができるため、接着性をより高めることができる。さらに、アルデヒド類が、2つ以上のアルデヒド基を有する場合、1つの芳香族環において、2つ以上のアルデヒド基が存在することがより好ましい。なお、各アルデヒド基は、1つの芳香族環において、オルト、メタ又はパラの位置に存在することができる。このようなアルデヒド類としては、例えば、1,2−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,3−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド、2−ヒドロキシベンゼン−1,3,5−トリカルボアルデヒド、これらの化合物の混合物等が挙げられる。
これらの中でも、より優れた接着性を実現できる観点から、芳香族環を有するアルデヒド類として、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒドを少なくとも用いることが好ましい。
Figure 2021142850
また、芳香族環を有するアルデヒド類については、ベンゼン環を有するものだけでなく、複素芳香族化合物も含まれる。複素芳香族化合物であるアルデヒド類としては、例えば、以下に示すようなフラン環を有するアルデヒド類が挙げられる。
Figure 2021142850
(式中、Xは、Oを含み;Rは、−Hまたは−CHOを示す。)
上記のフラン環を有するアルデヒド類として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2021142850
(記式中、Rは、−Hまたは−CHO;R1、R2及びR3は、それぞれ、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール又はシクロアルキル基を示す。)
なお、接着剤組成物では、ポリフェノール類及びアルデヒド類が縮合された状態であり、ポリフェノール類と芳香環を有するアルデヒド類との質量比(芳香環を有するアルデヒド類の含有量/ポリフェノール類の含有量)は、0.1以上、3以下であることが好ましく、0.25以上、2.5以下であることがより好ましい。ポリフェノール類と芳香環を有するアルデヒド類との間では、縮合反応が起こるが、その生成物である樹脂の硬度、接着性がより適したものになるからである。
また、接着剤組成物中の、ポリフェノール類及び芳香族環を有するアルデヒド類の合計含有量は、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。作業性等を悪化させることなく、より優れた接着性を確保できるためである。なお、ポリフェノール類及び芳香族環を有するアルデヒド類の質量比並びに合計含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(イソシアネート化合物)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類及びアルデヒド類に加えて、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。ポリフェノール類及びアルデヒド類との相乗効果によって、接着剤組成物の接着性を大きく高めることができる。ここで、イソシアネート化合物は、接着剤組成物の被着体である樹脂材料(例えば、ポリフェノール類及びアルデヒド類を縮合させたフェノール/アルデヒド樹脂) への接着を促進させる作用を有する化合物であって、極性官能基としてイソシアネート基を有する化合物である。イソシアネート化合物の種類については、特に限定はされないが、接着性をより向上できる観点から、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物であることが好ましい。接着剤組成物中に、イソシアネート化合物を含ませると、被着体繊維と接着剤組成物の界面近傍の位置にブロックド)イソシアネート基含有芳香族が分布し、接着促進効果が得られる作用が得られ、この作用効果により、有機コードとの接着をより高度化することができる。(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、(ブロックド)イソシアネート基を有する芳香族化合物である。また、「(ブロックド)イソシアネート基」とは、ブロックドイソシアネート基又はイソシアネート基を意味し、イソシアネート基の他、イソシアネート基に対するブロック化剤と反応して生じたブロックドイソシアネート基、イソシアネート基に対するブロック化剤と未反応のイソシアネート基、又はブロックドイソシアネート基のブロック化剤が解離して生じたイソシアネート基等を含む。
さらに、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含むのが好ましく、芳香族類がメチレン結合した分子構造を含むことがより好ましい。芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、又はフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物等にみられる分子構造が挙げられる。なお、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤を含む化合物、ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物、水性ウレタン化合物等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤とを含む化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネートと公知のイソシアネートブロック化剤を含むブロックドイソシアネート化合物等が好適に挙げられる。上記ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを、イソシアネート基をブロックする公知のブロック化剤でブロックした反応生成物が挙げられる。具体的には、エラストロンBN69(第一工業製薬(株)製)、エラストロンBN77(第一工業製薬(株)製)やメイカネートTP−10(明成化学工業(株)製)等の市販のブロックドポリイソシアネート化合物を用いることができる。水性ウレタン化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造、好ましくは芳香族類がメチレン結合した分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)と、複数の活性水素を有する化合物(β)と、イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)とを反応させて得られる。また、水性ウレタン化合物(F)は、その可撓性のある分子構造から、接着改良剤としての作用のみならず、可撓性のある架橋剤として接着剤の高温時流動化を抑止する作用も有する。なお、「水性」とは、水溶性または水分散性であることを示し、「水溶性」とは必ずしも完全な水溶性を意味するのではなく、部分的に水溶性のもの、あるいは接着剤組成物の水溶液中で相分離しないものを意味する。
ここで、水性ウレタン化合物(F)としては、例えば、下記一般式(I):
Figure 2021142850
(式中、Aは芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)の活性水素が脱離した残基を示し、Yはイソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)の活性水素が脱離した残基を示し、Zは化合物(δ)の活性水素が脱離した残基を示し、Xは複数の活性水素を有する化合物(β)の活性水素が脱離した残基であり、nは2〜4の整数であり、p+mは2〜4の整数(m≧0.25)である。)で表される水性ウレタン化合物が好ましい。
なお、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)としては、メチレンジフェニルポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。また、複数の活性水素を有する化合物(β)は、好ましくは2〜4個の活性水素を有し、平均分子量が5,000以下の化合物である。かかる化合物(β)としては、(i)2〜4個の水酸基を有する多価アルコール類、(ii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基を有する多価アミン類、(iii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基と水酸基を有するアミノアルコール類、(iv)2〜4個の水酸基を有するポリエステルポリオール類、(v)2〜4個の水酸基を有するポリブタジエンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vi)2〜4個の水酸基を有するポリクロロプレンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vii)2〜4個の水酸基を有するポリエーテルポリオール類であって、多価アミン、多価フェノール及びアミノアルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C3以上の多価アルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C2〜C4のアルキレンオキサイド共重合物、又はC3〜C4のアルキレンオキサイド重合物等が挙げられる。さらに、イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)は、熱処理によりイソシアネート基を遊離することが可能な化合物であり、公知のイソシアネートブロック化剤が挙げられる。さらにまた、化合物(δ)は、少なくとも1つの活性水素とアニオン性及び/又は非イオン性の親水性基を有する化合物である。少なくとも1つの活性水素とアニオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、タウリン、N−メチルタウリン、N−ブチルタウリン、スルファニル酸等のアミノスルホン酸類、グリシン、アラニン等のアミノカルボン酸類等が挙げられる。一方、少なくとも1つの活性水素と非イオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、親水性ポリエーテル鎖を有する化合物類が挙げられる。
また、接着剤組成物における、イソシアネート化合物の含有量は、特に限定はされないが、より確実に優れた接着性を確保する観点から、5〜65質量%の範囲であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。なお、イソシアネート化合物の含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(ゴムラテックス)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類、アルデヒド類及びイソシアネート化合物に加えて、実質的にはゴムラテックスをさらに含むことができる。ゴム部材との接着性をより高めることができるためである。ここで、ゴムラテックスについては、特に限定はされず、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)等の合成ゴムを用いることができる。これらのゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。また、ゴムラテックスについては、イソシアネート化合物を配合する前に、フェノール類及びアルデヒド類と混合させることが好ましい。さらに、接着剤組成物中のゴムラテックスの含有量は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜60質量%であることがより好ましい。
なお、有機繊維コード用接着剤組成物の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、前記ポリフェノール類、アルデヒド類、ゴムラテックス等の原材料を混合し、熟成する方法、又は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを混合して熟成した後に、ゴムラテックスをさらに加えて熟成する方法、等が挙げられる。また、イソシアネート化合物を含む場合には、ゴムラテックスを加え、熟成した後に、イソシアネート化合物を加えることができる。なお、多環芳香族炭化水素、アルデヒド類、ゴムラテックス及びイソシアネート化合物の構成や含有量等については、上述した接着剤組成物の中で説明した内容と同様である。
(ゴム−有機繊維コード複合体)
ここで、本発明のタイヤでは、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを有しており、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードは、コーティングゴム等のゴム部材と接着し、ゴム−有機繊維コード複合体を形成している。得られたゴム−有機繊維コード複合体は、上記の接着剤組成物を用いているため、環境への負荷が小さい。ここで、本発明のタイヤにおいて、ゴム−有機繊維コード複合体は、例えば、カーカスプライ30、ベルト補強層50として用いることが可能である。
これらの中でも、ゴム−有機繊維コード複合体は、カーカス及びベルト補強層の少なくともいずれかに用いられていることが好ましい。接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードの環境への負荷低減や、有機繊維とゴム部材との優れた接着性等を、より効果的に発揮できるためである。なお、ゴム−有機繊維コード複合体において、接着剤組成物は、有機繊維コードの少なくとも一部を覆っていればよいが、ゴムと有機繊維コードとの接着性をより向上できる点からは、接着剤組成物が有機繊維コードの全面にコーティングされていることが好ましい。また、有機繊維コードの材料については、特に限定はされず、用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等の脂肪族ポリアミド繊維コード、ポリケトン繊維コード、パラフェニレンテレフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維コードに代表される合成樹脂繊維材料に使用することができる。有機繊維コードは、例えば、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
また、有機繊維コードについては、低速及び高温時の操縦安定性と、高速耐久性とを高いレベルで両立する観点から、2種の有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせてなるハイブリッドコードであってもよい。さらに、高速耐久性をより向上させる観点からは、ハイブリッドコードは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)が0.20cN/dtex以上であることが好ましく、0.25〜0.40cN/dtexの範囲内であることがより好ましい。さらにまた、低速及び高温時の操縦安定性をより向上させる観点からは、前記ハイブリッドコードは、25℃における1%歪時の引張弾性率が60cN/dtex以下、特には35〜50cN/dtexであることが好ましく、25℃における3%歪時の引張弾性率が30cN/dtex以上、特には45〜70cN/dtexであることが好ましい。前記ハイブリッドコードに用いる2種の有機繊維としては、特に制限されるものではないが、剛性の高い有機繊維として、レーヨン、リヨセルなどを挙げることができ、熱収縮率の高い有機繊維として、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等、ナイロン、ポリケトン(PK)等を挙げることができる。より好適には、レーヨン又はリヨセルと、ナイロンとの組み合わせを用いることができる。
なお、これら有機繊維を用いたハイブリッドコードの熱収縮応力及び引張弾性率を調整する方法としては、ディップ処理時におけるテンションを制御する方法が挙げられ、例えば、高いテンションを掛けながらディップ処理を行うことで、コードの熱収縮応力の値を大きくすることができる。すなわち、各有機繊維において固有の物性値範囲はあるものの、ディップ処理条件を制御することにより、その範囲内で物性値を調整して、所望の物性を有するハイブリッドコードを得ることができる。
あるいは、有機繊維コードは、横糸を有しない単線コードであることも好ましい。横糸を有しないことにより、縦糸と横糸とのこすれあいによる耐疲労性の低下を抑制することができる。
以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
本実施形態の空気入りタイヤによれば、まず、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有している(本例では、カーカスコード及びベルト補強層のコードに用いている)。これにより、これらのコードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少なく、また、コードとゴムとの高い接着性を達成することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤによれば、タイヤの荷重負荷時に、幅方向サイプ4a、4bに区画されるブロック片のゴムの膨出量が大きくなる、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部において、直線部41cの幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さを相対的に小さくしているため、サイプ壁面間での接触量を増大させ、また、サイプ壁面間で噛み合う効果を高めることができ、陸部3a、3bの剛性を高めて、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。特に、本実施形態においては、屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、トレッド幅方向端部より、頂点の個数を多くしているため、上記のサイプ壁面間での接触量を増大させ、また、サイプ壁面間で噛み合う効果をより一層高めることができる。さらに、本実施形態においては、幅方向サイプ4a、4bの屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、上記振幅が、幅方向サイプ4a、4bの開口部側よりも幅方向サイプ4a、4bの底部側で大きくなるように変化しているため、上記のサイプ壁面間での接触量を増大させ、また、サイプ壁面間で噛み合う効果をさらに高めることができる。このように、本実施形態の空気入りタイヤによれば、タイヤの耐摩耗性を向上させることもできる。
本発明では、上記の実施形態のように、深さ方向断面において、幅方向サイプ4a、4bの屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、2個以上の頂点を有し、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向端部においては、トレッド幅方向中央部における頂点の個数よりも頂点の個数が少ないことが好ましい。上記のサイプ壁面間での接触量を増大させ、また、サイプ壁面間で噛み合う効果をより一層高めることができ、タイヤの耐摩耗性をより一層向上させることができるからである。上記の実施形態においては、頂点が4個であるトレッド幅方向中央部と、頂点が3個であるトレッド幅方向端部とを有しているが、トレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部に向かって頂点の個数が増加しない範囲で様々な変形が可能である。一例として、トレッド幅方向中央部をさらに2つの領域に分けて、頂点が例えば5個の領域と頂点が例えば4個の領域とを形成し(頂点が5個の領域が、よりトレッド中央側の領域)、また、トレッド幅方向端部をさらに2つの領域に分けて、頂点が例えば3個の領域と頂点が例えば2個の領域とを形成(頂点が3個の領域が、よりトレッド中央側の領域)してもよい。
本発明では、上記の実施形態のように、幅方向サイプ4a、4bの屈曲部42c、42eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部においては、直線部41c、41eの延長線と、屈曲部42c、42eの頂点又は幅方向サイプ4a、4bの底部側の端部との距離である振幅が、幅方向サイプ4a、4bの開口部側よりも幅方向サイプ4a、4bの底部側で大きくなるように変化することが好ましい。上記のサイプ壁面間での接触量を増大させ、また、サイプ壁面間で噛み合う効果をさらに一層高めることができ、タイヤの耐摩耗性をさらに向上させることができるからである。本実施形態では、トレッド幅方向中央部において、振幅が、幅方向サイプ4a、4bの開口部側から幅方向サイプ4a、4bの底部側に向かって漸増しているが、振幅が幅方向サイプ4a、4bの開口部側から幅方向サイプ4a、4bの底部側に向かって減少しなければよい。一例として、より開口部側において一定の第一の振幅を有する領域と、それより底部側において第一の振幅より大きい、一定の第二の振幅を有する領域とを形成することができる。
本発明では、幅方向サイプ4a、4bは、トレッド周方向に複数配置され、トレッド周方向に隣接する幅方向サイプ4a、4bのトレッド周方向のサイプ間隔lの、幅方向サイプ4a、4bのサイプ深さdに対する比l/dは、2≦l/d≦4、を満たすことが好ましい。
比l/dを2以上とすることにより、幅方向サイプにより区画されるブロック片の剛性を確保して、耐摩耗性を確保することができ、一方で、また、比l/dを4以下とすることにより、サイプの個数を確保して、ウェット性能を確保することができるからである。
本発明では、陸部3は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部3c、3dと、該2つのショルダー陸部3c、3dよりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部3a、3bとからなり、内側陸部3a、3bのトレッド幅方向の幅Wcの、内側陸部3a、3bのトレッドゲージDcに対する比Wc/Dcが、Wc/Dc≧3、を満たすことが好ましい。
比Wc/Dcを3以上とすることにより、内側陸部3a、3bの剛性を確保して、耐摩耗性をより一層確保することができるからである。
本発明では、陸部3は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部3c、3dと、該2つのショルダー陸部3c、3dよりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部3a、3bとからなり、ショルダー陸部3c、3dのトレッド幅方向の幅Wsの、ショルダー陸部3c、3dのトレッドゲージDsに対する比Ws/Dsが、Ws/Ds≧5、を満たすことが好ましい。
比Ws/Dsを5以上とすることにより、ショルダー陸部3c、3dの剛性を確保して、耐摩耗性をより一層確保することができるからである。
本発明では、陸部3は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部3c、3dと、該2つのショルダー陸部3c、3dよりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部3a、3bとからなり、内側陸部3a、3bのトレッドゲージDc及びショルダー陸部3c、3dのトレッドゲージDsが、6.5mm以下であることが好ましく、6.0mm以下であることがさらに好ましい。当該範囲とすることにより、内側陸部3a、3b及びショルダー陸部3c、3dの剛性を確保して、耐摩耗性をさらに向上させることができるからである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、幅方向サイプ4a、4bの直線部41c、41eは、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向両端部へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが増大するものとしているが、幅方向サイプ4a、4bのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向いずれか一方のみの端部へ向かって、該幅方向サイプ4a、4bの深さ方向の長さが増大するものとしてもよい。また、図2に示すような、サイプ形状は、周方向主溝2間に区画される全ての陸部(トレッド幅方向最外側陸部以外の陸部)に適用することが好ましい。
また、例えば、陸部3a、3bにおいて、幅方向サイプ4a、4bは、陸部3a、3bを横切って延びるものとしているが、陸部3a、3b内で終端するものとすることもできる。また、幅方向サイプ4a、4bは、トレッド幅方向に直線状、湾曲状、ジグザグ状等の様々な形状で延在するものとすることができる。
また、上記の実施形態では、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを、カーカスコード及びベルト補強層のコードとして用いたが、タイヤ部材のいずれかのコードとして用いればよく、例えばカーカスコード、ベルトコード、ベルト補強層のコード、その他の補強層のコードのいずれか1つ以上に用いることが好ましい。
本発明のタイヤは、スチーム加硫や電気加硫で成形することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
以下、本発明の予言的実施例について説明する。
発明例及び比較例にかかるタイヤについて耐摩耗性を評価する。各タイヤの諸元は、評価結果と共に、以下の表1に示している。各タイヤのカーカスコード及びベルト補強層のコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードとする。
<耐摩耗性>
発明例及び比較例にかかるタイヤの耐摩耗性を評価する。比較例のタイヤの評価結果を100として指数評価した。評価結果を表1に示している。なお、表1において、指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2021142850
表1に示すように、発明例のタイヤは、比較例のタイヤより、耐摩耗性が向上することが想定される。また、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことも想定される。
1:トレッド踏面、 2、2a、2b、2c:周方向主溝、
3、3a、3b、3c、3d:陸部、
4、4a、4b、4c、4d:幅方向サイプ、
41c、41e:直線部
42c、42e:屈曲部
5、6:幅方向溝、
10:タイヤ、
20:ビード部、 20a:ビードコア、
30:カーカス、
40:ベルト、
40a、40b:ベルト層、
50:ベルト補強層、
TE:トレッド端、 CL:タイヤ赤道面

Claims (10)

  1. トレッド踏面に、トレッド周方向に延びる2本以上の周方向主溝と、前記周方向主溝間又は前記周方向主溝とトレッド端とにより区画される陸部を備え、
    前記陸部は、トレッド幅方向に延びる幅方向サイプを備え、
    前記幅方向サイプは、深さ方向断面において、該幅方向サイプの開口部から該幅方向サイプの底部に向かって延びる直線部と、該直線部に接続され、該直線部との接続部から該幅方向サイプの底部まで屈曲しながら延びる屈曲部と、からなり、
    前記幅方向サイプの前記直線部は、前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部からトレッド幅方向端部へ向かって、該幅方向サイプの深さ方向の長さが増大し、
    ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤは、カーカス、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルト、及び該ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたベルト補強層を有し、
    前記有機繊維コードは、前記カーカスのカーカスコード及び前記ベルト補強層のコードの少なくともいずれかに用いられている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記深さ方向断面において、
    前記幅方向サイプの前記屈曲部は、
    前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部においては、2個以上の頂点を有し、
    前記幅方向サイプのトレッド幅方向端部においては、前記トレッド幅方向中央部における前記頂点の個数よりも頂点の個数が少ない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記幅方向サイプの前記屈曲部は、
    前記幅方向サイプのトレッド幅方向中央部においては、前記直線部の延長線と、前記屈曲部の頂点又は前記幅方向サイプの底部側の端部との距離である振幅が、前記幅方向サイプの開口部側よりも前記幅方向サイプの底部側で大きくなるように変化し、
    前記幅方向サイプのトレッド幅方向端部においては、前記振幅が一定である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記幅方向サイプは、トレッド周方向に複数配置され、
    トレッド周方向に隣接する前記幅方向サイプのトレッド周方向のサイプ間隔lの、前記幅方向サイプのサイプ深さdに対する比l/dが、
    2≦l/d≦4 を満たす、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
    前記内側陸部のトレッド幅方向の幅Wcの、前記内側陸部のトレッドゲージDcに対する比Wc/Dcが、
    Wc/Dc≧3 を満たす、請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
    前記ショルダー陸部のトレッド幅方向の幅Wsの、前記ショルダー陸部のトレッドゲージDsに対する比Ws/Dsが、
    Ws/Ds≧5 を満たす、請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記陸部は、トレッド幅方向最外側に位置する2つのショルダー陸部と、該2つのショルダー陸部よりもトレッド幅方向内側に位置する内側陸部とからなり、
    前記内側陸部のトレッドゲージDc及び前記ショルダー陸部のトレッドゲージDsが、8.5mm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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