JP2021142848A - 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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啓介 川嶋
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Abstract

【課題】環境への負荷を低減できる空気入りタイヤ、及び、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤを得ることができる、空気入りタイヤの製造方法を、提供する。【解決手段】本発明の空気入りタイヤ10は、トレッド部に1層又は複数層のベルト補強層7を備えた、空気入りタイヤであって、ベルト補強層は、有機繊維コード72に、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物73がコーティングされてなる、接着剤被覆有機繊維コード71と、接着剤被覆有機繊維コードを被覆する、被覆ゴム74と、を有しており、被覆ゴムは、接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆しており、被覆ゴムのうち接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分の厚さが、被覆ゴムのうち接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分の厚さよりも大きい、又は、接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向外側を被覆していない。【選択図】図2

Description

この発明は、空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法に関するものである。
従来の空気入りタイヤとして、トレッド部にベルト補強層を備えたものがある(例えば、特許文献1)。
特開2010−179689号公報
しかし、従来の空気入りタイヤにおいては、環境への負荷に関し、改善の余地があった。
この発明は、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤ、及び、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤを得ることができる、空気入りタイヤの製造方法を、提供することを、目的とするものである。
本発明の空気入りタイヤは、
トレッド部に1層又は複数層のベルト補強層を備えた、空気入りタイヤであって、
前記ベルト補強層は、
有機繊維コードに、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされてなる、接着剤被覆有機繊維コードと、
前記接着剤被覆有機繊維コードを被覆する、被覆ゴムと、
を有しており、
前記被覆ゴムは、
前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆しており、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分の厚さが、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分の厚さよりも大きい、又は、
前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向外側を被覆していない。
本発明の空気入りタイヤによれば、環境への負荷を低減できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、
前記接着剤組成物が、さらにゴムラテックスを含むと、好適である。
これにより、接着剤被覆有機繊維コードと被覆ゴムとの接着性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、
前記接着剤組成物が、さらにイソシアネート化合物を含むと、好適である。
これにより、接着剤被覆有機繊維コードと被覆ゴムとの接着性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、
前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有すると、好適である。
これにより、接着剤被覆有機繊維コードと被覆ゴムとの接着性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、
前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有すると、好適である。
これにより、接着剤被覆有機繊維コードと被覆ゴムとの接着性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、
前記イソシアネート化合物が、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物であると、好適である。
これにより、接着剤被覆有機繊維コードと被覆ゴムとの接着性を向上できる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、
トレッド部に1層又は複数層のベルト補強層を備えた空気入りタイヤを製造するために使用される、空気入りタイヤの製造方法であって、
前記ベルト補強層を製造する、ベルト補強層製造ステップを含み、
前記ベルト補強層製造ステップは、
有機繊維コードを、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物でコーティングして、接着剤被覆有機繊維コードを得る、ディップステップと、
前記接着剤被覆有機繊維コードを、被覆ゴムで被覆する、ゴム被覆ステップと、
を含み、
前記ゴム被覆ステップでは、
前記被覆ゴムが、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆し、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分の厚さが、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分の厚さよりも大きい、又は、
前記被覆ゴムが、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側を被覆するとともに、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向外側を被覆しない。
本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤを得ることができる
この発明によれば、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤ、及び、環境への負荷を低減できる空気入りタイヤを得ることができる、空気入りタイヤの製造方法を、提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤを示す、タイヤ幅方向断面図である。 図1の空気入りタイヤのA部を拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 図2に対応する図面であり、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部を拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の一実施形態に係る、空気入りタイヤの製造方法のゴム被覆ステップを説明するための、説明図である。 本発明の他の実施形態に係る、空気入りタイヤの製造方法のゴム被覆ステップを説明するための、説明図である。
本発明の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう。)は、任意の種類の空気入りタイヤに適用できるが、特に、乗用車用空気入りタイヤに適用されると好適である。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、任意の種類の空気入りタイヤを製造するために使用できるが、特に、乗用車用空気入りタイヤを製造するために使用されると好適である。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法の実施形態を例示説明する。各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
〔空気入りタイヤ〕
まず、図1〜図3を参照しつつ、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ10について説明する。
図1に示すように、本発明の任意の実施形態の空気入りタイヤ10は、一対のビード部1と、それぞれビード部1からタイヤ径方向外側に連続する一対のサイドウォール部2と、一対のサイドウォール部2どうしの間にあるトレッド部3と、を有している。
図1に示す空気入りタイヤ10は、任意の種類の空気入りタイヤに適用できるが、特に、乗用車用空気入りタイヤに適用されると好適である。
タイヤ10は、一対のビード部1に配置された、ビードコア4と、一対のビード部1からサイドウォール部2を経てトレッド部3に至る、カーカス5と、カーカス5のクラウン域のタイヤ半径方向外側に配置された、1層又は複数層のベルト層6及び1層又は複数層のベルト補強層7と、トレッドゴム3Rと、を備える。トレッドゴム3Rのタイヤ径方向外側の表面は、トレッド踏面を構成している。1層又は複数層のベルト層6と、1層又は複数層のベルト補強層7と、トレッドゴム3Rとは、トレッド部3に配置されている。
カーカス5は、一対のビードコア4どうしの間にトロイダル状に延在しており、タイヤの骨格を形成している。
カーカス5は、ビードコア4間に配置されたカーカス本体部と、ビードコア4の周りにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側へ折り返されているカーカス折返し部と、を有していると、好適である。ただし、カーカス5は、カーカス折返し部を有していなくてもよい。
カーカス5は、1枚又は複数枚のカーカスプライを含む。各カーカスプライは、それぞれ、カーカスコードと、カーカスコードを被覆する被覆ゴムと、を有している。
カーカスコードは、1本のフィラメントからなるモノフィラメント(単線)から構成されてもよいし、あるいは、複数本のフィラメントどうしを撚り合わせてなるマルチフィラメント(撚り線)から構成されてもよい。
カーカスコードは、スチールで構成されてもよいし、又は、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、もしくは、アラミド等の有機繊維で構成されてもよい。
カーカス5は、カーカスコードがタイヤ径方向に沿って放射状に配置されたラジアル構造でもよいし、あるいは、カーカスコードがタイヤ径方向に交錯するように配置されたバイアス構造でもよい。
図2は、図1に示す本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ10のA部を拡大して示している。図3は、図2に対応する図面であり、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ10の一部を拡大して示している。
上述のように、タイヤ10は、トレッド部3に、1層又は複数層のベルト層6を備えていると、好適である。ここで、ベルト層6の層数は、タイヤ径方向に沿って積層された層の数としてカウントするものとする。
図2及び図3に示すように、ベルト層6は、ベルトコード61と、ベルトコード61を被覆する被覆ゴム62と、を有している。ベルト層6において、被覆ゴム62は、ベルトコード61の周囲を全周にわたって被覆しており、ひいては、ベルトコード61のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆している。
ベルトコード61は、1本のフィラメントからなるモノフィラメント(単線)から構成されてもよいし、あるいは、複数本のフィラメントどうしを撚り合わせてなるマルチフィラメント(撚り線)から構成されてもよい。
ベルトコード61は、スチールから構成される。
本明細書で説明する各例において、タイヤ10は、図1〜図3の各例のように、ベルト層6を少なくとも2層有していると、好適である。具体的には、タイヤ10は、図1〜図3の各例のように、ベルトコード61がタイヤ周方向に対して鋭角で傾斜する向きに延在する、ベルト層6A(6)と、内側ベルト層6Aのタイヤ径方向外側に配置され、内側ベルト層6Aのベルトコード61と交差する向きにベルトコード61が延在する、ベルト層6B(6)と、を有していると、好適である。ただし、ベルト層6の層数やタイヤ幅方向位置は、任意でよい。
タイヤ10のタイヤ幅方向断面を観たとき、ベルト層6においては、複数本のベルトコード61が、タイヤ幅方向に沿って配列されている(図2及び図3)。タイヤ10のタイヤ幅方向断面においてベルト層6内に観られる複数本のベルトコード61は、ベルト層6の全体を3次元的に観たときに、1本のベルトコード61からなるものでもよいし、あるいは、複数本のベルトコード61からなるものでもよい。
上述のように、本発明の各実施形態におけるタイヤ10は、トレッド部3に、1層又は複数層のベルト補強層7を備えている。ここで、ベルト補強層7の層数は、タイヤ径方向に沿って積層された層の数としてカウントするものとする。
1層又は複数層のベルト補強層7は、1層又は複数層のベルト層6よりもタイヤ径方向外側、かつ、トレッドゴム3Rよりもタイヤ径方向内側に、配置されていると、好適である。
図1の例では、タイヤ10は、ベルト補強層7を2層(ベルト補強層7A及びベルト補強層7B)備えている。ただし、ベルト補強層7の層数やタイヤ幅方向位置は、任意でよい。
以下では、ベルト補強層7の内部構成について、詳しく説明する。以下に説明するベルト補強層7の内部構成は、タイヤ10が複数層のベルト補強層7を有する場合、特に断りが無い限り、各ベルト補強層7が満たしていると好適である。
ベルト補強層7は、図2及び図3に示すように、接着剤被覆有機繊維コード71と、接着剤被覆有機繊維コード71を被覆する、被覆ゴム74と、を有している。図2及び図3の各例において、ベルト補強層7は、接着剤被覆有機繊維コード71と被覆ゴム74とからなる。
接着剤被覆有機繊維コード71は、有機繊維コード72に、接着剤組成物73がコーティングされてなるものである。すなわち、接着剤被覆有機繊維コード71は、有機繊維コード72と接着剤組成物73とからなる。
有機繊維コード72は、有機繊維から構成される。
接着剤組成物73は、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む。接着剤組成物73の詳細については、後に説明する。接着剤組成物73は、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含むので、環境への負荷を考慮してレゾルシンを用いなくても、良好な接着性を実現できるものである。
ベルト補強層7において、接着剤被覆有機繊維コード71は、実質的にタイヤ周方向に延びていると、好適である。ただし、接着剤被覆有機繊維コード71の延在方向は、任意でよい。
タイヤ10のタイヤ幅方向断面を観たとき、ベルト補強層7においては、複数本の接着剤被覆有機繊維コード71が、タイヤ幅方向に沿って配列されている(図2及び図3)。タイヤ10のタイヤ幅方向断面においてベルト補強層7内に観られる複数本の接着剤被覆有機繊維コード71は、ベルト補強層7の全体を3次元的に観たときに、1本の接着剤被覆有機繊維コード71からなるものでもよいし、あるいは、複数本の接着剤被覆有機繊維コード71からなるものでもよい。
本明細書で説明する各例において、タイヤ10が有する1層又は複数層のベルト補強層7のうち、少なくとも最もタイヤ径方向内側のベルト補強層7(好適には全てのベルト補強層7)は、図2の実施形態のように、被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆していてもよく、その場合、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2よりも大きいようにされる。なお、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1、及び、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2は、それぞれ、タイヤ幅方向に沿って均一であってもよいし、あるいは、タイヤ幅方向に沿って不均一であってもよい。いずれにせよ、タイヤ幅方向の各位置において、厚さL1が厚さL2よりも大きいようにされる。
あるいは、本明細書で説明する各例において、タイヤ10が有する1層又は複数層のベルト補強層7のうち、少なくとも最もタイヤ径方向内側のベルト補強層7(好適には全てのベルト補強層7)は、図3の実施形態のように、被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆していないようにされてもよい。この場合、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2(図3では図示せず)は、ゼロになる。なお、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1は、タイヤ幅方向に沿って均一であってもよいし、あるいは、タイヤ幅方向に沿って不均一であってもよい。
ここで、本発明の各実施形態に係るタイヤ10による作用効果を説明する。
まず、本発明の各実施形態に係るタイヤ10によれば、上述のように、ベルト補強層7が接着剤被覆有機繊維コード71を有しており(図2及び図3)、接着剤被覆有機繊維コード71の接着剤組成物73が、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含んでいる。上述のように、接着剤組成物73は、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含むので、良好な接着性を実現することができ、また、レゾルシンを用いないことにより、環境への負荷を低減できるものである。よって、本発明の各実施形態に係るタイヤ10によれば、環境への負荷を低減できる。
さらに、本発明の各実施形態に係るタイヤ10においては、上述のように、タイヤ10が有する1層又は複数層のベルト補強層7のうち、少なくとも最もタイヤ径方向内側のベルト補強層7(好適には全てのベルト補強層7)は、(a)被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆しており、かつ、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2よりも大きい(図2)か、又は、(b)被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆しておらず、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2は、ゼロになる(図3)。この構成(a)、(b)によれば、実質的には、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2(構成(b)においてはゼロ)よりも大きくなるので、ベルト補強層7の接着剤被覆有機繊維コード71と、それよりタイヤ径方向内側にあるベルト層6のベルトコード61との間の、ゴムの厚さを十分に確保できる。これにより、ベルト補強層7の接着剤被覆有機繊維コード71と、それよりタイヤ径方向内側にあるベルト層6のベルトコード61との間で、亀裂が生じるのを抑制でき、ひいては、タイヤ10の耐久性を向上できる。また、上記の構成(a)、(b)によれば、実質的には、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2(構成(b)においてはゼロ)が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1よりも小さくなるので、その分、タイヤ10の軽量化が可能となる。このように、本発明の各実施形態に係るタイヤ10によれば、耐久性を向上しつつ、軽量化が可能となる。
なお、上記の構成(a)によれば、上記の構成(b)に比べて、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742が存在する分、ベルト補強層7とその上のタイヤ構成部材(トレッドゴム3R又は他のベルト補強層7)との接着性を向上できる。よって、タイヤ10の耐久性を向上できる。
なお、タイヤ10が有する1層又は複数層のベルト補強層7のうち、少なくとも最もタイヤ径方向内側のベルト補強層7(好適には全てのベルト補強層7)が、上記構成(a)を有する場合、耐久性と軽量化との両立の観点から、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2の2〜10倍であると好適であり、3〜6倍であるとより好適である。
また、タイヤ10が有する1層又は複数層のベルト補強層7のうち、少なくとも最もタイヤ径方向内側のベルト補強層7(好適には全てのベルト補強層7)が、上記構成(a)又は構成(b)を有する場合、耐久性の観点から、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、0.1mm以上であると好適であり、0.2mm以上であるとより好適である。
なお、本明細書においては、特に断りのない限り、各要素の寸法や位置関係等は、タイヤ10を適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。
本明細書において、「適用リム」とは、空気入りタイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指すが、これらの産業規格に記載のないサイズの場合は、空気入りタイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。「適用リム」には、現行サイズに加えて将来的に前述の産業規格に記載されるサイズも含まれる。「将来的に記載されるサイズ」の例として、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズが挙げられ得る。
本明細書において、「規定内圧」とは、前述したJATMA YEAR BOOK等の産業規格に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、前述した産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
本明細書で説明する各例では、ベルト補強層7の接着剤被覆有機繊維コード71において、接着剤組成物73は、有機繊維コード72の少なくとも一部を覆っていればよいが、被覆ゴム74と接着剤被覆有機繊維コード71との接着性をより向上できる点からは、接着剤組成物73が有機繊維コード72の全面にコーティングされていることが好ましい。
また、有機繊維コード72の材料については、特に限定はされず、用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等の脂肪族ポリアミド繊維コード、ポリケトン繊維コード、パラフェニレンテレフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維コードに代表される合成樹脂繊維材料を使用することができる。
有機繊維コード72の形態としては、特に限定されず、モノフィラメント、又は、複数の単繊維フィラメントを撚り合わせてなる有機繊維コードを用いることができる。この場合の単繊維フィラメントの平均径は、ゴム物品に十分に高い補強性をもたらす観点から、2μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、また、50μm以下であることが好ましい。また、簾状であってもよい。
また、有機繊維コード72については、低速及び高温時の操縦安定性と、高速耐久性とを高いレベルで両立する観点から、2種の有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせてなるハイブリッドコードであってもよい。
さらに、高速耐久性をより向上させる観点からは、前記ハイブリッドコードは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)が0.20cN/dtex以上であることが好ましく、0.25〜0.40cN/dtexの範囲内であることがより好ましい。
さらにまた、低速及び高温時の操縦安定性をより向上させる観点からは、前記ハイブリッドコードは、25℃における1%歪時の引張弾性率が60cN/dtex以下、特には35〜50cN/dtexであることが好ましく、25℃における3%歪時の引張弾性率が30cN/dtex以上、特には45〜70cN/dtexであることが好ましい。
前記ハイブリッドコードに用いる2種の有機繊維としては、特に制限されるものではないが、剛性の高い有機繊維として、レーヨン、リヨセルなどを挙げることができ、熱収縮率の高い有機繊維として、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等、ナイロン、ポリケトン(PK)等を挙げることができる。より好適には、レーヨン又はリヨセルと、ナイロンとの組み合わせを用いることができる。
なお、これら有機繊維を用いたハイブリッドコードの熱収縮応力及び引張弾性率を調整する方法としては、後述のディップステップにおけるテンションを制御する方法が挙げられ、例えば、高いテンションを掛けながらディップステップを行うことで、コードの熱収縮応力の値を大きくすることができる。すなわち、各有機繊維において固有の物性値範囲はあるものの、ディップステップの条件を制御することにより、その範囲内で物性値を調整して、所望の物性を有するハイブリッドコードを得ることができる。
本明細書で説明する各例において、ベルト補強層7は、全ての接着剤被覆有機繊維コード71が、略タイヤ周方向に延在する縦糸を構成し、ベルト補強層7が、タイヤ幅方向に延在する横糸を構成する接着剤被覆有機繊維コード71を有しないと、好適である。これにより、仮に、ベルト補強層7における一部の接着剤被覆有機繊維コード71が略タイヤ周方向に延在する縦糸であり、ベルト補強層7における残りの部分の接着剤被覆有機繊維コード71がタイヤ幅方向に延在する横糸である場合に比べて、縦糸及び横糸どうしの擦れ合いによる耐疲労性の低下を抑制できる。
ただし、ベルト補強層7は、一部の接着剤被覆有機繊維コード71が略タイヤ周方向に延在する縦糸を構成し、残りの部分の接着剤被覆有機繊維コード71がタイヤ幅方向に延在する横糸を構成してもよい。この場合、横糸により、縦糸の位置ずれを抑制できる。
本明細書で説明する各例においては、ベルト補強層7の有機繊維コード72と同様に、カーカス5のカーカスコードが、接着剤組成物73で被覆されていてもよい。これにより、環境への負荷をさらに低減できる。この場合、カーカスコードは、有機繊維で構成されていると、好適である。
〔空気入りタイヤの製造方法〕
以下、本発明の実施形態に係る、空気入りタイヤの製造方法について、図4〜図5を参照しつつ説明する。以下に説明する空気入りタイヤの製造方法は、上述した本明細書の各実施形態に係る空気入りタイヤ10を製造するのに使用されると、好適なものである。
本実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法は、ベルト補強層製造ステップと、成型ステップと、加硫ステップと、を含む。
ベルト補強層製造ステップでは、ベルト補強層7を製造する。ベルト補強層製造ステップの詳細は後述する。
ベルト補強層製造ステップに並行して、ベルト補強層7以外のタイヤ構成部材(ビードコア4、カーカス5、1層又は複数層のベルト層6、トレッドゴム3R等)も、製造すると、好適である。
成型ステップでは、ベルト補強層製造ステップで製造された1層又は複数層のベルト補強層7と、残りのタイヤ構成部材(ビードコア4、カーカス5、1層又は複数層のベルト層6、トレッドゴム3R等)とを、成型ドラム上で組み付けて、生タイヤを製造する。
加硫ステップでは、成型ステップで製造された生タイヤを、加硫金型を用いて加熱及び加圧することにより、加硫する。加硫ステップでは、加硫金型をスチームで加熱することにより生タイヤを加熱する、スチーム加硫を行ってもよいし、あるいは、加硫金型に内蔵された電気ヒータによって生タイヤを加熱する、電気加硫を行ってもよい。CO2の排出量の低減やエネルギー効率向上の観点からは、電気加硫のほうがスチーム加硫よりも好適である。
加硫ステップの後、最終的に、空気入りタイヤ10が得られる。
ここで、ベルト補強層製造ステップについてさらに詳しく説明する。ベルト補強層製造ステップは、ディップステップと、ゴム被覆ステップと、を含む。
ディップステップでは、有機繊維コード72を接着剤組成物73でコーティングすることにより、接着剤被覆有機繊維コード71を得る。接着剤組成物73は、上述のとおり、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む。そのため、環境への負荷を低減できる。ディップステップは、例えば、有機繊維コード72を、槽の中に入った接着剤組成物73にディッピングすることにより行うと、好適である。ディップステップの後、接着剤被覆有機繊維コード71は、乾燥されると、好適である。
ゴム被覆ステップでは、ディップステップで得られた接着剤被覆有機繊維コード71(より好適には、ディップステップの後に乾燥された接着剤被覆有機繊維コード71)を、被覆ゴム74で被覆する。
ゴム被覆ステップにおいては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆し、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さが、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さよりも大きいようにしてもよい。これにより、加硫ステップの後に得られるタイヤ10において、上述の構成(a)(被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆しており、かつ、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さL1が、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2よりも大きい(図2))が得られる。
あるいは、ゴム被覆ステップにおいては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆するとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆しないようにしてもよい。これにより、加硫ステップの後に得られるタイヤ10において、上述の構成(b)(被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆しておらず、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さL2は、ゼロになる(図3))が得られる。
このようにして、耐久性を向上しつつ、軽量化が可能な、空気入りタイヤ10を得ることができる。
ゴム被覆ステップは、カレンダー方式で行ってもよいし、あるいは、インシュレーション方式で行ってもよい。
図4は、ゴム被覆ステップをカレンダー方式で行う様子を示している。図4に示すように、ゴム被覆ステップをカレンダー方式で行う場合、複数のカレンダーロールR1、R2どうしの間に未加硫の被覆ゴム74と接着剤被覆有機繊維コード71とを通すことにより、被覆ゴム74を接着剤被覆有機繊維コード71に対し圧着させる。このとき、複数の接着剤被覆有機繊維コード71が互いに平行に延在した状態又はすだれ状に織られた状態で、帯状の未加硫の被覆ゴム74が、当該複数の接着剤被覆有機繊維コード71に対し圧着されると、好適である。
ここで、カレンダー方式においては、図4に示すように、接着剤被覆有機繊維コード71における一方側(例えば下側)から帯状の未加硫の内側被覆ゴム74iを圧着させるとともに、接着剤被覆有機繊維コード71における前記一方側とは反対側(例えば上側)から帯状の未加硫の外側被覆ゴム74оを圧着させてもよい。未加硫の内側被覆ゴム74iの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741となる。未加硫の外側被覆ゴム74оの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742となる。未加硫の内側被覆ゴム74iの一部及び未加硫の外側被覆ゴム74оの一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71どうしの間の隙間に位置する部分となり得る。内側被覆ゴム74iの厚さは、外側被覆ゴム74оの厚さよりも大きくする。このようにして、カレンダー方式においては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆し、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さが、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さよりも大きいようにしてもよい。
あるいは、カレンダー方式においては、図示は省略するが、接着剤被覆有機繊維コード71における一方側(例えば下側)から帯状の未加硫の内側被覆ゴム74iを圧着させるとともに、接着剤被覆有機繊維コード71における前記一方側とは反対側(例えば上側)からは帯状の未加硫の外側被覆ゴム74оを圧着させないようにしてもよい。未加硫の内側被覆ゴム74iの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741となる。未加硫の内側被覆ゴム74iの一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71どうしの間の隙間に位置する部分となり得る。このようにして、カレンダー方式においては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆するとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆しないようにしてもよい。
図5は、ゴム被覆ステップをインシュレーション方式で行う様子を示している。図5に示すように、ゴム被覆ステップをインシュレーション方式で行う場合、接着剤被覆有機繊維コード71をインサーターIの穴Iaに通した後、当該接着剤被覆有機繊維コード71を未加硫の被覆ゴム74で被覆してなるベルト補強層7を、口金Mの穴Maに通す。このとき、複数の接着剤被覆有機繊維コード71が互いに平行に延在した状態で、当該複数の接着剤被覆有機繊維コード71をインサーターIの穴Iaに通した後、当該複数の接着剤被覆有機繊維コード71を未加硫の被覆ゴム74で被覆してなるベルト補強層7を、口金Mの穴Maに通してもよい。インサーターIは、インサーターホルダーHによって支持されている。
そして、インシュレーション方式においては、図5に示すように、接着剤被覆有機繊維コード71における一方側(例えば下側)を未加硫の内側被覆ゴム74iで覆うとともに、接着剤被覆有機繊維コード71における前記一方側とは反対側(例えば上側)を未加硫の外側被覆ゴム74оで覆ってもよい。未加硫の内側被覆ゴム74iの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741となる。未加硫の外側被覆ゴム74оの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742となる。未加硫の内側被覆ゴム74iの一部及び未加硫の外側被覆ゴム74оの一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71どうしの間の隙間に位置する部分となり得る。ここで、インサーターIの穴Iaの中心軸線を、口金Mの穴Maの中心軸線よりも、上側(タイヤ径方向外側)に配置することにより、内側被覆ゴム74iの厚さを、外側被覆ゴム74оの厚さよりも大きくする。このようにして、インシュレーション方式においては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆し、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741の厚さが、被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向外側の部分742の厚さよりも大きいようにしてもよい。
あるいは、インシュレーション方式においては、図示は省略するが、接着剤被覆有機繊維コード71における一方側(例えば下側)を未加硫の内側被覆ゴム74iで覆うとともに、接着剤被覆有機繊維コード71における前記一方側とは反対側(例えば上側)は未加硫の外側被覆ゴム74оで覆わないようにしてもよい。未加硫の内側被覆ゴム74iの少なくとも一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71よりもタイヤ径方向内側の部分741となる。未加硫の内側被覆ゴム74iの一部は、加硫ステップの後、加硫済みの被覆ゴム74のうち接着剤被覆有機繊維コード71どうしの間の隙間に位置する部分となり得る。この場合も、インサーターIの穴Iaの中心軸線は、口金Mの穴Maの中心軸線よりも、上側(タイヤ径方向外側)に配置する。このようにして、インシュレーション方式においては、未加硫の被覆ゴム74が、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向内側を被覆するとともに、接着剤被覆有機繊維コード71のタイヤ径方向外側を被覆しないようにしてもよい。
〔接着剤組成物〕
以下、上述の接着剤組成物73について、さらに詳しく説明する。上述のように、接着剤組成物73は、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含有することで、環境への負荷を考慮してレゾルシンを用いない場合であっても、良好な接着性を実現できる。
(ポリフェノール類)
接着剤組成物73は、樹脂成分としてポリフェノール類を含む。接着剤組成物73中にポリフェノール類を含むことで、接着剤組成物73の接着性を高めることができる。
ここで、前記ポリフェノール類については、水溶性のポリフェノール類であり、レゾルシン(レゾルシノール)以外のポリフェノールであれば限定はされず、芳香族環の数や、水酸基の数についても、適宜選択することができる。
また、前記ポリフェノール類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2個以上の水酸基を有することが好ましく、3つ以上の水酸基を有することがより好ましい。3つ以上の水酸基を含むことにより水分を含む接着剤組成物液により前記ポリフェノールあるいは前記ポリフェノールの縮合物は水溶することで接着剤組成物73内に均一して分布できるので、より優れた接着性を実現できる。また、この場合、環境への負荷をさらに低減できる。
さらに、前記ポリフェノール類が、複数個(2個以上)の芳香環を含むポリフェノールの場合、それらの芳香環では、各々、2個又は3個の水酸基がオルト、メタ又はパラ位に存在する。
上述した3つ以上の水酸基を有するポリフェノール類としては、例えば以下に示すポリフェノール類が挙げられる。
フロログルシノール:
Figure 2021142848
モリン(2’,4’,3,5,7−ペンタヒドロキシフラボン):
Figure 2021142848
フロログルシド(2,4,6,3,’5’−ビフェニルペントール):
Figure 2021142848
(アルデヒド類)
接着剤組成物73は、上述したポリフェノール類に加えて、樹脂成分としてアルデヒド類を含む。接着剤組成物73中にアルデヒド類を含有することで、上述したポリフェノール類と共に高い接着性を実現できる。
ここで、前記アルデヒド類については、特に限定はされず、要求される性能に応じて、適宜選択することができる。なお、本明細書では、前記アルデヒド類が発生源であるルデヒド類の誘導体も、アルデヒド類の範囲に含まれる。
前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロラール、ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド等のモノアルデヒドや、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド類、芳香族環を有するアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。これらのアルデヒド類は、一種類を用いても、複数種を混合して用いてもよい。
これらの中でも、前記アルデヒド類は、芳香族環を有するアルデヒド類を含有することが好ましい。より優れた接着性を得ることができるためである。
なお、前記アルデヒド類については、ホルムアルデヒドを含まないことが好ましい。なお、本明細書において「ホルムアルデヒドを含まない」とは、アルデヒド類の総質量に基づくホルムアルデヒドの質量含有量が0.5質量%未満であることを意味する。
また、前記芳香環を有するアルデヒド類は、1分子内に、少なくとも1つの芳香環を含み、少なくとも 1つのアルデヒド基を有する芳香族アルデヒドである。前記芳香環を有するアルデヒド類は、環境への負荷が少なく、また、優れた機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等を備えた、比較的安価な樹脂を形成することができる。
また、前記芳香族環を有するアルデヒド類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2つ以上のアルデヒド基を有することが好ましい。前記アルデヒド類が、複数のアルデヒド基により架橋し、縮合することによって、熱硬化性樹脂の架橋度を高くすることができるため、接着性をより高めることができる。
さらに、前記アルデヒド類が、2つ以上のアルデヒド基を有する場合、1つの芳香族環において、2つ以上のアルデヒド基が存在することがより好ましい。なお、各アルデヒド基は、1つの芳香族環において、オルト、メタ又はパラの位置に存在することができる。また、この場合、環境への負荷をさらに低減できる。
このようなアルデヒド類としては、例えば、1,2−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,3−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド、2−ヒドロキシベンゼン−1,3,5−トリカルボアルデヒド、これらの化合物の混合物等が挙げられる。
これらの中でも、より優れた接着性を実現できる観点から、前記芳香族環を有するアルデヒド類として、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒドを少なくとも用いることが好ましい。
Figure 2021142848
また、前記芳香族環を有するアルデヒド類については、ベンゼン環を有するものだけでなく、複素芳香族化合物も含まれる。
前記複素芳香族化合物であるアルデヒド類としては、例えば、以下に示すようなフラン環を有するアルデヒド類が挙げられる。
Figure 2021142848
(式中、Xは、Oを含み;Rは、−Hまたは−CHOを示す。)
上記のフラン環を有するアルデヒド類として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2021142848
(記式中、Rは、−Hまたは−CHO;R1、R2及びR3は、それぞれ、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール又はシクロアルキル基を示す。)
なお、接着剤組成物73では、前記ポリフェノール類及び前記アルデヒド類が縮合された状態であり、前記ポリフェノール類と前記芳香環を有するアルデヒド類との質量比(芳香環を有するアルデヒド類の含有量/ポリフェノール類の含有量)は、0.1以上、3以下であることが好ましく、0.25以上、2.5以下であることがより好ましい。前記ポリフェノール類と前記芳香環を有するアルデヒド類との間では、縮合反応が起こるが、その生成物である樹脂の硬度、接着性がより適したものになるからである。
また、接着剤組成物73中の、前記ポリフェノール類及び前記芳香族環を有するアルデヒド類の合計含有量は、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。作業性等を悪化させることなく、より優れた接着性を確保できるためである。
なお、前記ポリフェノール類及び前記芳香族環を有するアルデヒド類の質量比並びに合計含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(イソシアネート化合物)
接着剤組成物73は、上述したポリフェノール類及びアルデヒド類に加えて、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。ポリフェノール類及びアルデヒド類との相乗効果によって、接着剤組成物73の接着性を大きく高めることができる。
ここで、前記イソシアネート化合物は、接着剤組成物73の被着体である樹脂材料(例えば、ポリフェノール類及びアルデヒド類を縮合させたフェノール/アルデヒド樹脂) への接着を促進させる作用を有する化合物であって、極性官能基としてイソシアネート基を有する化合物である。
前記イソシアネート化合物の種類については、特に限定はされないが、接着性をより向上できる観点から、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物であることが好ましい。本明細書の接着剤組成物73中に、前記イソシアネート化合物を含ませると、被着体繊維と接着剤組成物73の界面近傍の位置にブロックド)イソシアネート基含有芳香族が分布し、接着促進効果が得られる作用が得られ、この作用効果により、有機コードとの接着をより高度化することができる。
前記(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、(ブロックド)イソシアネート基を有する芳香族化合物である。また、「(ブロックド)イソシアネート基」とは、ブロックドイソシアネート基又はイソシアネート基を意味し、イソシアネート基の他、イソシアネート基に対するブロック化剤と反応して生じたブロックドイソシアネート基、イソシアネート基に対するブロック化剤と未反応のイソシアネート基、又はブロックドイソシアネート基のブロック化剤が解離して生じたイソシアネート基等を含む。
さらに、前記(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含むのが好ましく、芳香族類がメチレン結合した分子構造を含むことがより好ましい。芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、又はフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物等にみられる分子構造が挙げられる。
なお、前記(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤を含む化合物、ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物、水性ウレタン化合物等が挙げられる。
前記芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤とを含む化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネートと公知のイソシアネートブロック化剤を含むブロックドイソシアネート化合物等が好適に挙げられる。上記ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを、イソシアネート基をブロックする公知のブロック化剤でブロックした反応生成物が挙げられる。具体的には、エラストロンBN69(第一工業製薬(株)製)、エラストロンBN77(第一工業製薬(株)製)やメイカネートTP−10(明成化学工業(株)製)等の市販のブロックドポリイソシアネート化合物を用いることができる。
前記水性ウレタン化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造、好ましくは芳香族類がメチレン結合した分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)と、複数の活性水素を有する化合物(β)と、イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)とを反応させて得られる。また、水性ウレタン化合物(F)は、その可撓性のある分子構造から、接着改良剤としての作用のみならず、可撓性のある架橋剤として接着剤の高温時流動化を抑止する作用も有する。
なお、「水性」とは、水溶性または水分散性であることを示し、「水溶性」とは必ずしも完全な水溶性を意味するのではなく、部分的に水溶性のもの、あるいは接着剤組成物73の水溶液中で相分離しないものを意味する。
ここで、前記水性ウレタン化合物(F)としては、例えば、下記一般式(I):
Figure 2021142848
(式中、Aは芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)の活性水素が脱離した残基を示し、Yはイソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)の活性水素が脱離した残基を示し、Zは化合物(δ)の活性水素が脱離した残基を示し、Xは複数の活性水素を有する化合物(β)の活性水素が脱離した残基であり、nは2〜4の整数であり、p+mは2〜4の整数(m≧0.25)である。)で表される水性ウレタン化合物が好ましい。
なお、前記芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)としては、メチレンジフェニルポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。
また、前記複数の活性水素を有する化合物(β)は、好ましくは2〜4個の活性水素を有し、平均分子量が5,000以下の化合物である。かかる化合物(β)としては、(i)2〜4個の水酸基を有する多価アルコール類、(ii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基を有する多価アミン類、(iii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基と水酸基を有するアミノアルコール類、(iv)2〜4個の水酸基を有するポリエステルポリオール類、(v)2〜4個の水酸基を有するポリブタジエンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vi)2〜4個の水酸基を有するポリクロロプレンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vii)2〜4個の水酸基を有するポリエーテルポリオール類であって、多価アミン、多価フェノール及びアミノアルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C3以上の多価アルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C2〜C4のアルキレンオキサイド共重合物、又はC3〜C4のアルキレンオキサイド重合物等が挙げられる。
さらに、前記イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)は、熱処理によりイソシアネート基を遊離することが可能な化合物であり、公知のイソシアネートブロック化剤が挙げられる。
さらにまた、前記化合物(δ)は、少なくとも1つの活性水素とアニオン性及び/又は非イオン性の親水性基を有する化合物である。少なくとも1つの活性水素とアニオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、タウリン、N−メチルタウリン、N−ブチルタウリン、スルファニル酸等のアミノスルホン酸類、グリシン、アラニン等のアミノカルボン酸類等が挙げられる。一方、少なくとも1つの活性水素と非イオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、親水性ポリエーテル鎖を有する化合物類が挙げられる。
また、接着剤組成物73における、前記イソシアネート化合物の含有量は、特に限定はされないが、より確実に優れた接着性を確保する観点から、5〜65質量%の範囲であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。
なお、前記イソシアネート化合物の含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(ゴムラテックス)
接着剤組成物73は、上述したポリフェノール類、アルデヒド類及びイソシアネート化合物に加えて、実質的にはゴムラテックスをさらに含むことができる。被覆ゴム74との接着性をより高めることができるためである。
ここで、前記ゴムラテックスについては、特に限定はされず、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)等の合成ゴムを用いることができる。これらのゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
また、前記ゴムラテックスについては、前記イソシアネート化合物を配合する前に、前記フェノール類及び前記アルデヒド類と混合させることが好ましい。
さらに、接着剤組成物73中の前記ゴムラテックスの含有量は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜60質量%であることがより好ましい。
なお、接着剤組成物73の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、前記ポリフェノール類、前記アルデヒド類、前記ゴムラテックス等の原材料を混合し、熟成する方法、又は、前記ポリフェノール類と前記アルデヒド類とを混合して熟成した後に、前記ゴムラテックスをさらに加えて熟成する方法、等が挙げられる。また、前記イソシアネート化合物を含む場合には、前記ゴムラテックスを加え、熟成した後に、イソシアネート化合物を加えることができる。
なお、前記多環芳香族炭化水素、前記アルデヒド類、前記ゴムラテックス及び前記イソシアネート化合物の構成や含有量等については、上述した接着剤組成物73の中で説明した内容と同様である。
本発明の空気入りタイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに適用できるが、特に、乗用車用空気入りタイヤに適用されると好適である。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、任意の種類の空気入りタイヤを製造するために使用できるが、特に、乗用車用空気入りタイヤを製造するために使用されると好適である。
10:空気入りタイヤ(タイヤ)、
1:ビード部、 2:サイドウォール部、 3:トレッド部、 3R:トレッドゴム、
4:ビードコア、 5:カーカス、
6、6A、6B:ベルト層、 61:ベルトコード、 62:被覆ゴム、
7、7A、7B:ベルト補強層、 71:接着剤被覆有機繊維コード、 72:有機繊維コード、 73:接着剤組成物、 74:被覆ゴム、 741:被覆ゴムのうち接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分、 742:被覆ゴムのうち接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分、 74i:内側被覆ゴム、 74о:外側被覆ゴム、
R1、R2:カレンダーロール、
M:口金、 Ma:口金の穴、 I:インサーター、 Ia:インサーターの穴、 H:インサーターホルダー

Claims (7)

  1. トレッド部に1層又は複数層のベルト補強層を備えた、空気入りタイヤであって、
    前記ベルト補強層は、
    有機繊維コードに、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされてなる、接着剤被覆有機繊維コードと、
    前記接着剤被覆有機繊維コードを被覆する、被覆ゴムと、
    を有しており、
    前記被覆ゴムは、
    前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆しており、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分の厚さが、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分の厚さよりも大きい、又は、
    前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側を被覆しているとともに、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向外側を被覆していない、空気入りタイヤ。
  2. 前記接着剤組成物が、さらにゴムラテックスを含む、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記接着剤組成物が、さらにイソシアネート化合物を含む、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記イソシアネート化合物が、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物である、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  7. トレッド部に1層又は複数層のベルト補強層を備えた空気入りタイヤを製造するために使用される、空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記ベルト補強層を製造する、ベルト補強層製造ステップを含み、
    前記ベルト補強層製造ステップは、
    有機繊維コードを、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物でコーティングして、接着剤被覆有機繊維コードを得る、ディップステップと、
    前記接着剤被覆有機繊維コードを、被覆ゴムで被覆する、ゴム被覆ステップと、
    を含み、
    前記ゴム被覆ステップでは、
    前記被覆ゴムが、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側及びタイヤ径方向外側を被覆し、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向内側の部分の厚さが、前記被覆ゴムのうち前記接着剤被覆有機繊維コードよりもタイヤ径方向外側の部分の厚さよりも大きい、又は、
    前記被覆ゴムが、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向内側を被覆するとともに、前記接着剤被覆有機繊維コードのタイヤ径方向外側を被覆しない、空気入りタイヤの製造方法。
JP2020042221A 2020-03-11 2020-03-11 空気入りタイヤ、及び、空気入りタイヤの製造方法 Pending JP2021142848A (ja)

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