JP2021142849A - 空気入りタイヤ及びタイヤ・リム組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、高い耐荷重能力と省スペース化とを達成することができる、空気入りタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の空気入りタイヤは、路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着され、前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、0.78≦RW/SW≦0.88、の関係を満たし、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有する。本発明のタイヤ・リム組立体は、上記の空気入りタイヤをリムホイールに組み付けてなる。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤ及びタイヤ・リム組立体に関するものである。
ポリエステル繊維等の有機繊維は、高い初期弾性率や、優れた熱時寸法安定性を有しているため、フィラメント、コード、ケーブル、コード織物、帆布等の形態で、タイヤ等のゴム物品の補強材として極めて有用である。従来、これらの有機繊維をタイヤのコードとして用いるに際して、コードとゴムとの接着性を改良させるための、種々の接着剤組成物が提案されている。接着剤組成物として、例えば、レゾルシン、ホルマリン、及びゴムラテックス等を含むRFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)接着剤を用い、該RFL接着剤を熱硬化させることにより接着力を確保する技術が知られている(例えば、特許文献1〜3等を参照)。また、接着剤組成物については、レゾルシンとホルマリンとを初期縮合させたレゾルシンホルマリン樹脂を用いる技術(特許文献4、5参照)や、エポキシ樹脂でポリエステル繊維等からなるタイヤコードを前処理することにより、接着力の向上を図る技術が知られている。
しかしながら、上述した接着剤組成物に一般的用いられているレゾルシンは、近年、作業環境を考慮して、使用量の削減が求められている。そこで、レゾルシンを用いずともコードとゴムとの接着力を確保することが望まれる。
ところで、近年は、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新たな小型シャトルバスが提案されている。このような小型シャトルバスは、全長5メートル、全幅2メートル程度であり、車両総重量も3トンを超える場合も想定されている。
従来の小型シャトルバスはガソリン車であり、排ガス等の課題があり、屋外空間での稼働にとどまっていた。一方、将来の小型シャトルバスは電気自動車が想定され、排ガス等の環境懸念物質が排出されないため、屋外空間だけでなく、ショッピングモールの中などの室内空間でも活用されることが想定される。このように室内空間での活用が想定されているモビリティに装着されるタイヤも環境懸念物質はできる限り取り除かれる必要がある。
さらに、このような小型シャトルバスに装着される空気入りタイヤには、高い耐荷重能力と、省スペース化とが求められている。
さらに、このような小型シャトルバスに装着される空気入りタイヤには、高い耐荷重能力と、省スペース化とが求められている。
そこで、本発明は、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、高い耐荷重能力と省スペース化とを達成することができる、空気入りタイヤ及びタイヤ・リム組立体を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、
前記空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たし、
ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
(1)路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、
前記空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たし、
ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。
(2)前記タイヤは、カーカス及び前記ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたベルト補強層を有し、
前記有機繊維コードは、前記カーカスのカーカスコード及び前記ベルト補強層のコードの少なくともいずれかに用いられている、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
前記有機繊維コードは、前記カーカスのカーカスコード及び前記ベルト補強層のコードの少なくともいずれかに用いられている、上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記有機繊維コードは、2種の有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせてなるハイブリッドコードである、上記(1)又は(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有することを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記ベルト層は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されたシースベルトを含む、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の空気入りタイヤを前記リムホイールに組み付けた、タイヤ・リム組立体。
本発明によれば、有機繊維コードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少ないことに加えて、高い耐荷重能力と省スペース化とを達成することができる、空気入りタイヤ及びタイヤ・リム組立体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
(1)空気入りタイヤが装着される車両の概略構成
図1は、タイヤが装着される車両の全体概略側面図である。図1に示すように、本実施形態では、車両1は、4輪自動車である。なお、車両1は、4輪に限定されず、6輪構成或いは8輪構成などであってもよい。
図1は、タイヤが装着される車両の全体概略側面図である。図1に示すように、本実施形態では、車両1は、4輪自動車である。なお、車両1は、4輪に限定されず、6輪構成或いは8輪構成などであってもよい。
車両1は、車輪構成に応じて、所定数の空気入りタイヤ10が装着される。具体的には、車両1には、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10が所定位置に装着される。
車両1は、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新たな小型シャトルバスに属する。本実施形態では、新たな小型シャトルバスとは、全長が4m〜7m、全幅2m程度であり、車両総重量が3tоn前後である車両を想定する。但し、サイズ及び車両総重量は、必ずしも当該範囲に限定されず、多少であれば、当該範囲から外れても構わない。
また、小型シャトルバスは、必ずしも人の輸送に限らず、物の輸送、移動店舗、移動オフィスなどとして用いられてもよい。
さらに、小型シャトルバスは、都市内での人や物などの輸送に主眼が置かれているため、比較的低い走行速度レンジ(最高速度70km/h以下、平均速度50km/h程度)を想定する。このため、ハイドロプレーニング対策は重視されなくても構わない。
本実施形態では、車両1は、自動運転機能(レベル4以上を想定)を備えた電気自動車であることが好ましいが、自動運転機能は必須ではなく、また、電気自動車でなくても構わない。
車両1が電気自動車である場合、インホイールモーター(不図示)をパワーユニットとして用いられることが好ましい。インホイールモーターは、ユニット全体がリムホイール100の内側空間に設けられてもよいし、ユニットの一部がリムホイール100の内側空間に設けられてもよい。
また、インホイールモーターを用いる場合、車両1は、各車輪が独立して操舵が可能な独立操舵機能を備えることが好ましい。これにより、その場での転回、及び横方向への移動が可能となるとともに、動力伝達機構が不要となるため、車両1のスペース効率を向上し得る。
このように、車両1では、高いスペース効率が要求される。このため、空気入りタイヤ10は、極力小径であることが好ましい。
一方、車両サイズ及び用途に応じた相応の車両総重量となる車両1に装着されるため、高い耐荷重能力(最大負荷能力)が要求される。
空気入りタイヤ10は、このような要件を満たすべく、タイヤ外径OD(図1において不図示、図2参照)を小さくしつつ、車両1の車両総重量に対応した耐荷重能力を有する。
(2)空気入りタイヤの構成
図2は、空気入りタイヤ10及びリムホイール100の断面図である。具体的には、図2は、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。なお、図2では、断面のハッチング表示は、省略されている(図3以降も同様)。
図2は、空気入りタイヤ10及びリムホイール100の断面図である。具体的には、図2は、リムホイール100に組み付けられた空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。なお、図2では、断面のハッチング表示は、省略されている(図3以降も同様)。
空気入りタイヤ10は、比較的小径である一方、幅広である。具体的には、リムホイール100の径であるリム径RDは、12インチ以上、17.5インチ以下であることが好ましい。但し、リム径RDは、他の数値範囲(下記の(式2)及び(式3))を満たすのであれば、10インチ以上、22インチ以下であってもよい。
図2に示すように、リム径RDは、リムホイール100のリム本体部分の外径であり、リムフランジ110の部分は含まない。
また、空気入りタイヤ10のタイヤ幅SWは、125mm以上、255mm以下であることが好ましい。図2に示すように、タイヤ幅SWは、空気入りタイヤ10の断面幅を意味し、空気入りタイヤ10がリムガード(不図示)を備える場合、リムガード部分は含まれない。
さらに、空気入りタイヤ10の偏平率は、35%以上、75%以下であることが好ましい。なお、偏平率は、下記の(式1)を用いて算出される。
偏平率(%)=タイヤ断面高さH/タイヤ幅SW(断面幅)×100 …(式1)
空気入りタイヤ10の外径であるタイヤ外径ODは、350mm以上、600mm以下である。なお、タイヤ外径ODは、500mm以下であることが好ましい。
空気入りタイヤ10の外径であるタイヤ外径ODは、350mm以上、600mm以下である。なお、タイヤ外径ODは、500mm以下であることが好ましい。
タイヤ外径ODがこのようなサイズであって、空気入りタイヤ10に組み付けられるリムホイール100のリム幅をリム幅RWとした場合、空気入りタイヤ10は、(式2)及び(式3)の関係を満たす。
0.78≦RW/SW≦0.88 …(式2)
0.56≦RD/OD≦0.66 …(式3)
このような関係を満たす空気入りタイヤ10は、小径でありながら、車両1の車両総重量を支持するために必要なエアボリュームを確保し得る。具体的には、エアボリュームは、荷重支持性能を考慮すると20,000cm3以上であることが好ましい。また、省スペース化を考慮すると80,000cm3以下であることが好ましい。
なお、RWに代えて、ビードヒール間のタイヤ幅方向距離Dについて、
0.78≦D/SW≦0.88
としても良い。
0.56≦RD/OD≦0.66 …(式3)
このような関係を満たす空気入りタイヤ10は、小径でありながら、車両1の車両総重量を支持するために必要なエアボリュームを確保し得る。具体的には、エアボリュームは、荷重支持性能を考慮すると20,000cm3以上であることが好ましい。また、省スペース化を考慮すると80,000cm3以下であることが好ましい。
なお、RWに代えて、ビードヒール間のタイヤ幅方向距離Dについて、
0.78≦D/SW≦0.88
としても良い。
なお、上述の関係を満たすのであれば、リム幅RWは、特に限定されないが、エアボリュームを確保する観点からは、なるべく広いことが好ましい。
また、同じくエアボリュームを確保する観点からは、タイヤ外径ODに対するリム径RDの比率が小さい、つまり、偏平率が高いことが好ましい。但し、上述したように、応答性の観点からは偏平率が低いことが好ましく、また、インホイールモーターなどの収容スペースを考慮すると、リム径RDは大きいことが好ましいため、偏平率及びリム径RDは、エアボリュームと、応答性及びインホイールモーターなどの収容スペースとにおいてトレードオフの関係となる。
空気入りタイヤ10としての好適なサイズの一例としては、215/45R12が挙げられる。また適合リム幅は、7.0J程度である。
さらに、特に限定されないが、空気入りタイヤ10の設定内圧(正規内圧)は、400〜1,100kPa、好ましくは500〜900kPaを想定する。なお、正規内圧とは、例えば、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYearBookにおける最大負荷能力に対応する空気圧であり、欧州ではETRTO、米国ではTRA、その他各国のタイヤ規格が対応する。
また、空気入りタイヤ10が負担する荷重は、500〜1,500kgfであることが好ましく、例えば900kgf程度である。
図3は、空気入りタイヤ10の単体断面図である。具体的には、図3は、空気入りタイヤ10のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
図3に示すように、空気入りタイヤ10は、トレッド20、タイヤサイド部30、カーカス40、ベルト層50、ビード部60、及びベルト補強層70を備える。
トレッド20は、路面と接する部分である。トレッド20には、空気入りタイヤ10の使用環境や装着される車両の種別に応じたパターン(不図示)が形成される。
本実施形態では、トレッド20には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝21及び周方向主溝22を含む複数の周方向溝が形成される。
タイヤサイド部30は、トレッド20に連なり、トレッド20のタイヤ径方向内側に位置する。タイヤサイド部30は、トレッド20のタイヤ幅方向外側端からビード部60の上端までの領域である。タイヤサイド部30は、サイドウォールなどと呼ばれることもある。
カーカス40は、空気入りタイヤ10の骨格を形成する。カーカス40は、タイヤ径方向に沿って放射状に配置されたカーカスコード(不図示)がゴム材料によって被覆されたラジアル構造である。但し、ラジアル構造に限定されず、カーカスコードがタイヤ径方向に交錯するように配置されたバイアス構造でも構わない。ここで、本実施形態では、カーカス40のカーカス層を構成するカーカスコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードである。ポリフェノール類及びアルデヒド類についての説明は後述し、他のタイヤ内部構造について先に説明する。
ベルト層50は、トレッド20のタイヤ径方向内側に設けられる。ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52によって構成される。
コアベルト51は、トレッド20の一方のショルダー部26からトレッド20の他方のショルダー部27に亘って設けられる。ショルダー部26は、周方向主溝21よりもタイヤ幅方向外側の領域であり、ショルダー部27は、周方向主溝22よりもタイヤ幅方向外側の領域である。つまり、ショルダー部26及びショルダー部27は、最もタイヤ幅方向外側に形成されている周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域である。
コアベルト51は、タイヤ幅方向に対して低角度で傾斜したベルトコード51a(図3において不図示、図4A参照)をゴム被覆したベルトである。シースベルト52は、コード(不図示)を含むテープ状のベルトであり、コアベルト51の全周に亘って巻き付けられる。ベルト層50は、交錯ベルト層と同様の機能を提供する。なお、ベルト層50の構成については、さらに後述する。
ビード部60は、タイヤサイド部30に連なり、タイヤサイド部30のタイヤ径方向内側に位置する。ビード部60は、リムホイール100に係止され、円環状のビードコア61を有する。カーカス40は、ビードコア61を介してタイヤ幅方向外側に折り返されている。
ビード部60において折り返されたカーカス40の折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられるように設けられている。折り返し端部41は、ビードコア61のタイヤ径方向外側端に接している。具体的には、カーカス40の折り返し端部41では、カーカスコードがビードコア61のタイヤ径方向外側端に巻き付けられている。
なお、ビード部60には、ビードコアのタイヤ径方向外側にビードフィラーが設けられてもよいし、ビード部60で折り返されているカーカス40などがリムホイール100と擦れて摩耗することを防止するチェーファーが設けられてもよい。
(3)ベルト層50の構成
図4A及び図4Bは、ベルト層50の構成を示す。具体的には、図4Aは、製造途中におけるベルト層50の単体斜視図であり、図4Bは、製造後におけるベルト層50の単体斜視図である。
図4A及び図4Bは、ベルト層50の構成を示す。具体的には、図4Aは、製造途中におけるベルト層50の単体斜視図であり、図4Bは、製造後におけるベルト層50の単体斜視図である。
上述したように、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52によって構成される。図4Aに示すように、コアベルト51は、タイヤ幅方向に沿って配置されたベルトコード51aを有する。コアベルト51は、複数のベルトコード51aをゴム被覆することによって形成された円環状のベルトである。
なお、ベルトコード51aは、図4Aに示すように、タイヤ幅方向に対して多少傾斜していることが好ましい。具体的には、ベルトコード51aは、シースベルト52の傾斜方向と同一方向(図4Aでは左上がり)に傾斜していることが好ましい。
シースベルト52は、幅が1cm程度のテープ状のベルトであり、タイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。具体的には、シースベルト52は、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。
シースベルト52が、隣接するシースベルト52と重複しないようにタイヤ周方向において複数周回に亘って巻き回されることによって、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆う。
また、テープ状であるシースベルト52の長手方向の端部(不図示)は、ショルダー部26, 27、及びセンター領域(タイヤ赤道線直下)には位置しないようにコアベルト51に巻き回される。
シースベルト52は、図4Bに示すように、円環状のコアベルト51の全周に亘って巻き付けられる。
また、本実施形態では、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52のみによって構成される。上述したように、ベルト層50は、交錯ベルト層と同様の機能を提供する。本実施形態では、コアベルト51及びシースベルト52からなるベルト層50のタイヤ径方向外側に図示例で1層のベルト補強層70が配置されている。ベルト補強層70は、例えば1層以上の、タイヤ周方向に延びるコードのゴム引き層とすることができる。図示例では、ベルト補強層70のタイヤ幅方向の幅は、ベルト層50のタイヤ幅方向の幅より大きいが、等しくすることもでき、小さくすることもできる。ベルト補強層70を2層以上設ける場合には、いわゆるキャップ・アンド・レイヤー構造とすることもでき、タイヤ径方向外側のベルト補強層をタイヤ幅方向各半部のショルダー部にのみ設けることができる。
ここで、本実施形態では、ベルト補強層70を構成するコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードである。ポリフェノール類及びアルデヒド類についての説明は後述し、他のタイヤ内部構造について先に説明する。
ここで、本実施形態では、ベルト補強層70を構成するコードは、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードである。ポリフェノール類及びアルデヒド類についての説明は後述し、他のタイヤ内部構造について先に説明する。
コアベルト51におけるベルトコード51aの打ち込み本数は、15本/50mm以上、30本/50mm以下であることが好ましい。また、シースベルト52におけるコードの打ち込み本数は、10本/50mm以上、25本/50mm以下であることが好ましい。また、ベルトコード51aの打ち込み本数は、シースベルト52におけるコードの打ち込み本数よりも多い(つまり、密)なことが好ましい。
ベルトコード51aがタイヤ幅方向と成す角度は、20度以上、60度以下であることが好ましい。シースベルト52のコードがタイヤ幅方向と成す角度は、50度以上、80度以下であることが好ましい。また、シースベルト52のコードがタイヤ幅方向と成す角度は、ベルトコード51aがタイヤ幅方向と成す角度よりも大きいことが好ましい。
シースベルト52のタイヤ周方向における折り返し回数は、性能確保及び生産性を考慮すると、3回以上、6回以下であることが好ましい。
次に、カーカスコードとゴムとの接着剤に用い、且つ、ベルト補強層のコードとゴムとの接着剤にも用いている接着剤組成物のポリフェノール類及びアルデヒド類について説明する。
(ポリフェノール類)
接着剤組成物は、樹脂成分としてポリフェノール類を含む。接着剤組成物中にポリフェノール類を含むことで、樹脂組成物の接着性を高めることができる。ここで、ポリフェノール類については、水溶性のポリフェノール類であり、レゾルシン(レゾルシノール)以外のポリフェノールであれば限定はされず、芳香族環の数や、水酸基の数についても、適宜選択することができる。また、ポリフェノール類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2個以上の水酸基を有することが好ましく、3つ以上の水酸基を有することがより好ましい。3つ以上の水酸基を含むことにより水分を含む接着剤組成物液によりポリフェノールあるいはポリフェノールの縮合物は水溶することで接着剤組成物内に均一して分布できるので、より優れた接着性を実現できる。さらに、ポリフェノール類が、複数個(2個以上)の芳香環を含むポリフェノールの場合、それらの芳香環では、各々、2個又は3個の水酸基がオルト、メタ又はパラ位に存在する。
接着剤組成物は、樹脂成分としてポリフェノール類を含む。接着剤組成物中にポリフェノール類を含むことで、樹脂組成物の接着性を高めることができる。ここで、ポリフェノール類については、水溶性のポリフェノール類であり、レゾルシン(レゾルシノール)以外のポリフェノールであれば限定はされず、芳香族環の数や、水酸基の数についても、適宜選択することができる。また、ポリフェノール類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2個以上の水酸基を有することが好ましく、3つ以上の水酸基を有することがより好ましい。3つ以上の水酸基を含むことにより水分を含む接着剤組成物液によりポリフェノールあるいはポリフェノールの縮合物は水溶することで接着剤組成物内に均一して分布できるので、より優れた接着性を実現できる。さらに、ポリフェノール類が、複数個(2個以上)の芳香環を含むポリフェノールの場合、それらの芳香環では、各々、2個又は3個の水酸基がオルト、メタ又はパラ位に存在する。
上述した3つ以上の水酸基を有するポリフェノール類としては、例えば以下に示すポリフェノール類が挙げられる。
フロログルシノール:
モリン(2’,4’,3,5,7−ペンタヒドロキシフラボン):
フロログルシド(2,4,6,3,’5’−ビフェニルペントール):
フロログルシノール:
(アルデヒド類)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類に加えて、樹脂成分としてアルデヒド類を含む。接着剤組成物中にアルデヒド類を含有することで、上述したポリフェノール類と共に高い接着性を実現できる。ここで、アルデヒド類については、特に限定はされず、要求される性能に応じて、適宜選択することができる。なお、アルデヒド類が発生源であるルデヒド類の誘導体も、アルデヒド類の範囲に含まれる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロラール、ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド等のモノアルデヒドや、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド類、芳香族環を有するアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。これらのアルデヒド類は、一種類を用いても、複数種を混合して用いてもよい。これらの中でも、アルデヒド類は、芳香族環を有するアルデヒド類を含有することが好ましい。より優れた接着性を得ることができるためである。なお、アルデヒド類については、ホルムアルデヒドを含まないことが好ましい。なお、本発明において「ホルムアルデヒドを含まない」とは、アルデヒド類の総質量に基づくホルムアルデヒドの質量含有量が0.5質量%未満であることを意味する。
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類に加えて、樹脂成分としてアルデヒド類を含む。接着剤組成物中にアルデヒド類を含有することで、上述したポリフェノール類と共に高い接着性を実現できる。ここで、アルデヒド類については、特に限定はされず、要求される性能に応じて、適宜選択することができる。なお、アルデヒド類が発生源であるルデヒド類の誘導体も、アルデヒド類の範囲に含まれる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロラール、ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド等のモノアルデヒドや、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド等の脂肪族ジアルデヒド類、芳香族環を有するアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。これらのアルデヒド類は、一種類を用いても、複数種を混合して用いてもよい。これらの中でも、アルデヒド類は、芳香族環を有するアルデヒド類を含有することが好ましい。より優れた接着性を得ることができるためである。なお、アルデヒド類については、ホルムアルデヒドを含まないことが好ましい。なお、本発明において「ホルムアルデヒドを含まない」とは、アルデヒド類の総質量に基づくホルムアルデヒドの質量含有量が0.5質量%未満であることを意味する。
また、芳香環を有するアルデヒド類は、1分子内に、少なくとも1つの芳香環を含み、少なくとも 1つのアルデヒド基を有する芳香族アルデヒドである。芳香環を有するアルデヒド類は、環境への負荷が少なく、また、優れた機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等を備えた、比較的安価な樹脂を形成することができる。また、芳香族環を有するアルデヒド類は、より優れた接着性を実現する観点からは、2つ以上のアルデヒド基を有することが好ましい。アルデヒド類が、複数のアルデヒド基により架橋し、縮合することによって、熱硬化性樹脂の架橋度を高くすることができるため、接着性をより高めることができる。さらに、アルデヒド類が、2つ以上のアルデヒド基を有する場合、1つの芳香族環において、2つ以上のアルデヒド基が存在することがより好ましい。なお、各アルデヒド基は、1つの芳香族環において、オルト、メタ又はパラの位置に存在することができる。このようなアルデヒド類としては、例えば、1,2−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,3−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド、2−ヒドロキシベンゼン−1,3,5−トリカルボアルデヒド、これらの化合物の混合物等が挙げられる。
また、芳香族環を有するアルデヒド類については、ベンゼン環を有するものだけでなく、複素芳香族化合物も含まれる。複素芳香族化合物であるアルデヒド類としては、例えば、以下に示すようなフラン環を有するアルデヒド類が挙げられる。
(式中、Xは、Oを含み;Rは、−Hまたは−CHOを示す。)
上記のフラン環を有するアルデヒド類として、例えば、以下の化合物が挙げられる。
(記式中、Rは、−Hまたは−CHO;R1、R2及びR3は、それぞれ、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール又はシクロアルキル基を示す。)
なお、接着剤組成物では、ポリフェノール類及びアルデヒド類が縮合された状態であり、ポリフェノール類と芳香環を有するアルデヒド類との質量比(芳香環を有するアルデヒド類の含有量/ポリフェノール類の含有量)は、0.1以上、3以下であることが好ましく、0.25以上、2.5以下であることがより好ましい。ポリフェノール類と芳香環を有するアルデヒド類との間では、縮合反応が起こるが、その生成物である樹脂の硬度、接着性がより適したものになるからである。
また、接着剤組成物中の、ポリフェノール類及び芳香族環を有するアルデヒド類の合計含有量は、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましい。作業性等を悪化させることなく、より優れた接着性を確保できるためである。なお、ポリフェノール類及び芳香族環を有するアルデヒド類の質量比並びに合計含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(イソシアネート化合物)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類及びアルデヒド類に加えて、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。ポリフェノール類及びアルデヒド類との相乗効果によって、接着剤組成物の接着性を大きく高めることができる。ここで、イソシアネート化合物は、接着剤組成物の被着体である樹脂材料(例えば、ポリフェノール類及びアルデヒド類を縮合させたフェノール/アルデヒド樹脂) への接着を促進させる作用を有する化合物であって、極性官能基としてイソシアネート基を有する化合物である。イソシアネート化合物の種類については、特に限定はされないが、接着性をより向上できる観点から、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物であることが好ましい。接着剤組成物中に、イソシアネート化合物を含ませると、被着体繊維と接着剤組成物の界面近傍の位置にブロックド)イソシアネート基含有芳香族が分布し、接着促進効果が得られる作用が得られ、この作用効果により、有機コードとの接着をより高度化することができる。(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、(ブロックド)イソシアネート基を有する芳香族化合物である。また、「(ブロックド)イソシアネート基」とは、ブロックドイソシアネート基又はイソシアネート基を意味し、イソシアネート基の他、イソシアネート基に対するブロック化剤と反応して生じたブロックドイソシアネート基、イソシアネート基に対するブロック化剤と未反応のイソシアネート基、又はブロックドイソシアネート基のブロック化剤が解離して生じたイソシアネート基等を含む。
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類及びアルデヒド類に加えて、イソシアネート化合物をさらに含むことが好ましい。ポリフェノール類及びアルデヒド類との相乗効果によって、接着剤組成物の接着性を大きく高めることができる。ここで、イソシアネート化合物は、接着剤組成物の被着体である樹脂材料(例えば、ポリフェノール類及びアルデヒド類を縮合させたフェノール/アルデヒド樹脂) への接着を促進させる作用を有する化合物であって、極性官能基としてイソシアネート基を有する化合物である。イソシアネート化合物の種類については、特に限定はされないが、接着性をより向上できる観点から、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物であることが好ましい。接着剤組成物中に、イソシアネート化合物を含ませると、被着体繊維と接着剤組成物の界面近傍の位置にブロックド)イソシアネート基含有芳香族が分布し、接着促進効果が得られる作用が得られ、この作用効果により、有機コードとの接着をより高度化することができる。(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、(ブロックド)イソシアネート基を有する芳香族化合物である。また、「(ブロックド)イソシアネート基」とは、ブロックドイソシアネート基又はイソシアネート基を意味し、イソシアネート基の他、イソシアネート基に対するブロック化剤と反応して生じたブロックドイソシアネート基、イソシアネート基に対するブロック化剤と未反応のイソシアネート基、又はブロックドイソシアネート基のブロック化剤が解離して生じたイソシアネート基等を含む。
さらに、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含むのが好ましく、芳香族類がメチレン結合した分子構造を含むことがより好ましい。芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、又はフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物等にみられる分子構造が挙げられる。なお、(ブロックド)イソシアネート基含有芳香族化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤を含む化合物、ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物、水性ウレタン化合物等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネートと熱解離性ブロック化剤とを含む化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネートと公知のイソシアネートブロック化剤を含むブロックドイソシアネート化合物等が好適に挙げられる。上記ジフェニルメタンジイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートを熱解離性ブロック化剤でブロック化した成分を含む水分散性化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート又はポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを、イソシアネート基をブロックする公知のブロック化剤でブロックした反応生成物が挙げられる。具体的には、エラストロンBN69(第一工業製薬(株)製)、エラストロンBN77(第一工業製薬(株)製)やメイカネートTP−10(明成化学工業(株)製)等の市販のブロックドポリイソシアネート化合物を用いることができる。水性ウレタン化合物は、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造、好ましくは芳香族類がメチレン結合した分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)と、複数の活性水素を有する化合物(β)と、イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)とを反応させて得られる。また、水性ウレタン化合物(F)は、その可撓性のある分子構造から、接着改良剤としての作用のみならず、可撓性のある架橋剤として接着剤の高温時流動化を抑止する作用も有する。なお、「水性」とは、水溶性または水分散性であることを示し、「水溶性」とは必ずしも完全な水溶性を意味するのではなく、部分的に水溶性のもの、あるいは接着剤組成物の水溶液中で相分離しないものを意味する。
ここで、水性ウレタン化合物(F)としては、例えば、下記一般式(I):
(式中、Aは芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)の活性水素が脱離した残基を示し、Yはイソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)の活性水素が脱離した残基を示し、Zは化合物(δ)の活性水素が脱離した残基を示し、Xは複数の活性水素を有する化合物(β)の活性水素が脱離した残基であり、nは2〜4の整数であり、p+mは2〜4の整数(m≧0.25)である。)で表される水性ウレタン化合物が好ましい。
なお、芳香族類がアルキレン鎖で結合された分子構造を含有する有機ポリイソシアネート化合物(α)としては、メチレンジフェニルポリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。また、複数の活性水素を有する化合物(β)は、好ましくは2〜4個の活性水素を有し、平均分子量が5,000以下の化合物である。かかる化合物(β)としては、(i)2〜4個の水酸基を有する多価アルコール類、(ii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基を有する多価アミン類、(iii)2〜4個の第一級及び/又は第二級アミノ基と水酸基を有するアミノアルコール類、(iv)2〜4個の水酸基を有するポリエステルポリオール類、(v)2〜4個の水酸基を有するポリブタジエンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vi)2〜4個の水酸基を有するポリクロロプレンポリオール類及びそれらと他のビニルモノマーとの共重合体、(vii)2〜4個の水酸基を有するポリエーテルポリオール類であって、多価アミン、多価フェノール及びアミノアルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C3以上の多価アルコール類のC2〜C4のアルキレンオキサイド重付加物、C2〜C4のアルキレンオキサイド共重合物、又はC3〜C4のアルキレンオキサイド重合物等が挙げられる。さらに、イソシアネート基に対する熱解離性ブロック化剤(γ)は、熱処理によりイソシアネート基を遊離することが可能な化合物であり、公知のイソシアネートブロック化剤が挙げられる。さらにまた、化合物(δ)は、少なくとも1つの活性水素とアニオン性及び/又は非イオン性の親水性基を有する化合物である。少なくとも1つの活性水素とアニオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、タウリン、N−メチルタウリン、N−ブチルタウリン、スルファニル酸等のアミノスルホン酸類、グリシン、アラニン等のアミノカルボン酸類等が挙げられる。一方、少なくとも1つの活性水素と非イオン性の親水基を有する化合物としては、例えば、親水性ポリエーテル鎖を有する化合物類が挙げられる。
また、接着剤組成物における、イソシアネート化合物の含有量は、特に限定はされないが、より確実に優れた接着性を確保する観点から、5〜65質量%の範囲であることが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましい。なお、イソシアネート化合物の含有量は、乾燥物の質量(固形分比)である。
(ゴムラテックス)
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類、アルデヒド類及びイソシアネート化合物に加えて、実質的にはゴムラテックスをさらに含むことができる。ゴム部材との接着性をより高めることができるためである。ここで、ゴムラテックスについては、特に限定はされず、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)等の合成ゴムを用いることができる。これらのゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。また、ゴムラテックスについては、イソシアネート化合物を配合する前に、フェノール類及びアルデヒド類と混合させることが好ましい。さらに、接着剤組成物中のゴムラテックスの含有量は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜60質量%であることがより好ましい。
接着剤組成物は、上述したポリフェノール類、アルデヒド類及びイソシアネート化合物に加えて、実質的にはゴムラテックスをさらに含むことができる。ゴム部材との接着性をより高めることができるためである。ここで、ゴムラテックスについては、特に限定はされず、天然ゴム(NR)の他、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)等の合成ゴムを用いることができる。これらのゴム成分は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。また、ゴムラテックスについては、イソシアネート化合物を配合する前に、フェノール類及びアルデヒド類と混合させることが好ましい。さらに、接着剤組成物中のゴムラテックスの含有量は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜60質量%であることがより好ましい。
なお、有機繊維コード用接着剤組成物の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、前記ポリフェノール類、アルデヒド類、ゴムラテックス等の原材料を混合し、熟成する方法、又は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを混合して熟成した後に、ゴムラテックスをさらに加えて熟成する方法、等が挙げられる。また、イソシアネート化合物を含む場合には、ゴムラテックスを加え、熟成した後に、イソシアネート化合物を加えることができる。なお、多環芳香族炭化水素、アルデヒド類、ゴムラテックス及びイソシアネート化合物の構成や含有量等については、上述した接着剤組成物の中で説明した内容と同様である。
(ゴム−有機繊維コード複合体)
ここで、本発明のタイヤでは、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを有しており、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードは、コーティングゴム等のゴム部材と接着し、ゴム−有機繊維コード複合体を形成している。得られたゴム−有機繊維コード複合体は、上記の接着剤組成物を用いているため、環境への負荷が小さい。ここで、本発明のタイヤにおいて、ゴム−有機繊維コード複合体は、例えば、カーカスプライ30、ベルト補強層50として用いることが可能である。
これらの中でも、ゴム−有機繊維コード複合体は、カーカス及びベルト補強層の少なくともいずれかに用いられていることが好ましい。接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードの環境への負荷低減や、有機繊維とゴム部材との優れた接着性等を、より効果的に発揮できるためである。なお、ゴム−有機繊維コード複合体において、接着剤組成物は、有機繊維コードの少なくとも一部を覆っていればよいが、ゴムと有機繊維コードとの接着性をより向上できる点からは、接着剤組成物が有機繊維コードの全面にコーティングされていることが好ましい。また、有機繊維コードの材料については、特に限定はされず、用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等の脂肪族ポリアミド繊維コード、ポリケトン繊維コード、パラフェニレンテレフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維コードに代表される合成樹脂繊維材料に使用することができる。有機繊維コードは、例えば、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
ここで、本発明のタイヤでは、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを有しており、接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードは、コーティングゴム等のゴム部材と接着し、ゴム−有機繊維コード複合体を形成している。得られたゴム−有機繊維コード複合体は、上記の接着剤組成物を用いているため、環境への負荷が小さい。ここで、本発明のタイヤにおいて、ゴム−有機繊維コード複合体は、例えば、カーカスプライ30、ベルト補強層50として用いることが可能である。
これらの中でも、ゴム−有機繊維コード複合体は、カーカス及びベルト補強層の少なくともいずれかに用いられていることが好ましい。接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードの環境への負荷低減や、有機繊維とゴム部材との優れた接着性等を、より効果的に発揮できるためである。なお、ゴム−有機繊維コード複合体において、接着剤組成物は、有機繊維コードの少なくとも一部を覆っていればよいが、ゴムと有機繊維コードとの接着性をより向上できる点からは、接着剤組成物が有機繊維コードの全面にコーティングされていることが好ましい。また、有機繊維コードの材料については、特に限定はされず、用途によって適宜選択することができる。例えば、ポリエステル、6−ナイロン、6,6−ナイロン、4,6−ナイロン等の脂肪族ポリアミド繊維コード、ポリケトン繊維コード、パラフェニレンテレフタルアミドに代表される芳香族ポリアミド繊維コードに代表される合成樹脂繊維材料に使用することができる。有機繊維コードは、例えば、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
また、有機繊維コードについては、低速及び高温時の操縦安定性と、高速耐久性とを高いレベルで両立する観点から、2種の有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせてなるハイブリッドコードであることが好ましい。さらに、高速耐久性をより向上させる観点からは、ハイブリッドコードは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)が0.20cN/dtex以上であることが好ましく、0.25〜0.40cN/dtexの範囲内であることがより好ましい。さらにまた、低速及び高温時の操縦安定性をより向上させる観点からは、前記ハイブリッドコードは、25℃における1%歪時の引張弾性率が60cN/dtex以下、特には35〜50cN/dtexであることが好ましく、25℃における3%歪時の引張弾性率が30cN/dtex以上、特には45〜70cN/dtexであることが好ましい。前記ハイブリッドコードに用いる2種の有機繊維としては、特に制限されるものではないが、剛性の高い有機繊維として、レーヨン、リヨセルなどを挙げることができ、熱収縮率の高い有機繊維として、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等、ナイロン、ポリケトン(PK)等を挙げることができる。より好適には、レーヨン又はリヨセルと、ナイロンとの組み合わせを用いることができる。
なお、これら有機繊維を用いたハイブリッドコードの熱収縮応力及び引張弾性率を調整する方法としては、ディップ処理時におけるテンションを制御する方法が挙げられ、例えば、高いテンションを掛けながらディップ処理を行うことで、コードの熱収縮応力の値を大きくすることができる。すなわち、各有機繊維において固有の物性値範囲はあるものの、ディップ処理条件を制御することにより、その範囲内で物性値を調整して、所望の物性を有するハイブリッドコードを得ることができる。
あるいは、有機繊維コードは、横糸を有しない単線コードであることも好ましい。横糸を有しないことにより、縦糸と横糸とのこすれあいによる耐疲労性の低下を抑制することができる。
なお、これら有機繊維を用いたハイブリッドコードの熱収縮応力及び引張弾性率を調整する方法としては、ディップ処理時におけるテンションを制御する方法が挙げられ、例えば、高いテンションを掛けながらディップ処理を行うことで、コードの熱収縮応力の値を大きくすることができる。すなわち、各有機繊維において固有の物性値範囲はあるものの、ディップ処理条件を制御することにより、その範囲内で物性値を調整して、所望の物性を有するハイブリッドコードを得ることができる。
あるいは、有機繊維コードは、横糸を有しない単線コードであることも好ましい。横糸を有しないことにより、縦糸と横糸とのこすれあいによる耐疲労性の低下を抑制することができる。
以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
(4)作用・効果
次に、上述した空気入りタイヤ10の作用・効果について説明する。図5は、タイヤ形状(タイヤ外径OD及びタイヤ幅SW)と、リムホイール形状(リム径RD及びリム幅RW)との組合せに基づく典型的なタイヤサイズのポジショニングを示す図である。
次に、上述した空気入りタイヤ10の作用・効果について説明する。図5は、タイヤ形状(タイヤ外径OD及びタイヤ幅SW)と、リムホイール形状(リム径RD及びリム幅RW)との組合せに基づく典型的なタイヤサイズのポジショニングを示す図である。
具体的には、図5に示すグラフの横軸は、リム幅RWとタイヤ幅SWとの比率(RW/SW)を示し、縦軸は、リム径RDとタイヤ外径ODとの比率(RD/OD)を示す。図5では、RW/SW及びRD/ODの値に従って、典型的なタイヤサイズのポジションがプロットされている。
図5に示すように、トラック・バス用タイヤの領域は、RW/SW及びRD/OD共に低い。乗用車または小型トラック用タイヤの領域は、RW/SW及びRD/OD共に、トラック・バス用タイヤよりも高い。
上述した空気入りタイヤ10としての好適なサイズの一例である215/45R12は、領域A1に含まれる。領域A1は、上述したように、0.78≦RW/SW≦0.88であり、0.56≦RD/OD≦0.66の範囲である。このような領域A1は、上述した車両1のように、都市内での人や物などの輸送に主眼を置いた新小型シャトルバス用タイヤの領域と位置付けられる。
新小型シャトルバス用タイヤの領域のRD/ODは、乗用車または小型トラック用タイヤの領域のRD/ODと大きく変わらず、一部は重複している。一方、新小型シャトルバス用タイヤの領域のRW/SWは、乗用車または小型トラック用タイヤの領域のRW/SWよりも高い。
上述したように、空気入りタイヤ10のタイヤ外径ODは、350mm以上、600mm以下である。このため、車両1のサイズと比較して十分に小径であり、車両1の省スペース化に貢献し得る。
また、領域A1に含まれるサイズの空気入りタイヤ10によれば、
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たすため、タイヤ幅SWに対するリム幅RWが広く、つまり、幅広のタイヤを構成でき、高い耐荷重能力を発揮するために必要なエアボリュームを確保し易い。なお、リム幅RWが広くなり過ぎると、タイヤ幅SWも広がりスペース効率が低下するとともに、ビード部60がリムホイール100から外れやすくなる。
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たすため、タイヤ幅SWに対するリム幅RWが広く、つまり、幅広のタイヤを構成でき、高い耐荷重能力を発揮するために必要なエアボリュームを確保し易い。なお、リム幅RWが広くなり過ぎると、タイヤ幅SWも広がりスペース効率が低下するとともに、ビード部60がリムホイール100から外れやすくなる。
さらに、領域A1に含まれるサイズの空気入りタイヤ10によれば、
0.56≦RD/OD≦0.66
の関係を満たすため、タイヤ外径ODに対するリム径RDが大きく、インホイールモーターなどの収容スペースを確保し易い。なお、リム径RDが小さくなり過ぎると、ディスクブレーキまたはドラムブレーキの径サイズが小さくなる。このため、有効なブレーキの接触面積が小さくなり、必要な制動性能の確保が難しくなる。
0.56≦RD/OD≦0.66
の関係を満たすため、タイヤ外径ODに対するリム径RDが大きく、インホイールモーターなどの収容スペースを確保し易い。なお、リム径RDが小さくなり過ぎると、ディスクブレーキまたはドラムブレーキの径サイズが小さくなる。このため、有効なブレーキの接触面積が小さくなり、必要な制動性能の確保が難しくなる。
すなわち、空気入りタイヤ10によれば、新たな小型シャトルバスなどに装着される場合において、さらに高い耐荷重能力を有しつつ、高いスペース効率を達成し得る。
空気入りタイヤ10のリム径RDは、12インチ以上、17.5インチ以下であることが好ましい。これにより、小径を維持しつつ、必要十分なエアボリューム及びインホイールモーターなどの収容スペースを確保し得る。また、制動性能及び駆動性能も確保できる。
また、空気入りタイヤ10のタイヤ幅SWは、125mm以上、255mm以下であることが好ましい。さらに、空気入りタイヤ10の偏平率は、35%以上、75%以下であることが好ましい。これにより、必要十分なエアボリューム及びインホイールモーターなどの収容スペースを確保し得る。
さらに、本実施形態では、上述したように、ベルト層50は、トレッド20の一方のショルダー部26からトレッド20の他方のショルダー部27に亘って設けられるコアベルト51と、タイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回されたシースベルト52とを含む。
このようなベルト層50は、一般的な交錯ベルト層と比較して、特にトレッド20のショルダー部26及びショルダー部27の剛性が高く、空気入りタイヤ10のような小径タイヤで懸念される当該ショルダー部の径成長を効果的に抑制し得る。
具体的には、空気入りタイヤ10のタイヤ外径ODが小さいため、カーカス40の張力が一定であると仮定すると、相対的にベルト層50の張力が、タイヤ外径ODが大きいタイヤよりも低くなる。このため、特に、ベルト層の剛性が低いショルダー部では、タイヤの径成長が顕著である。
また、空気入りタイヤ10の偏平率が低いため、カーカス40がタイヤ幅方向により強く引っ張られ、相対的にタイヤ径方向への引っ張りが低くなる。このため、やはり、ショルダー部ではタイヤの径成長が顕著である。
さらに、空気入りタイヤ10は、上述したように、大きな荷重を支持しなくてはならず、また、車両総重量に対応した高い内圧に設定されるため、ベルト層の耐久性の悪化が懸念される。
空気入りタイヤ10では、コアベルト51及びシースベルト52によって構成されるベルト層50によって、このようなトレッド20のショルダー部26及びショルダー部27における径成長が抑制される。
すなわち、空気入りタイヤ10によれば、高い耐荷重能力と省スペース化とを達成しつつ、ベルト(ベルト層50)の耐久性も向上し得る。
また、本実施形態では、螺旋状に巻き回されるシースベルト52の長手方向の端部は、ショルダー部26, 27(つまり、最もタイヤ径方向外側に形成されている周方向主溝よりもタイヤ幅方向外側の領域)、及びセンター領域(つまり、タイヤ赤道線直下)には位置しないため、シースベルト52の長手方向の端部に起因する歪の発生を抑制し得る。
さらに、本実施形態では、ベルトコード51aは、シースベルト52の傾斜方向と同一方向に傾斜している。これにより、コアベルト51及びシースベルト52は、同様な変形時の特性を有するため、ベルト層50の耐久性が向上する。
本実施形態では、シースベルト52は、テープ状のベルトであり、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回される。また、シースベルト52は、タイヤ周方向において複数周回に亘って巻き回されることによって、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆う。
このため、タイヤ全周に亘って、特にタイヤ幅方向端部の剛性が高いベルト層50を提供し得る。これにより、ベルト層50の耐久性をさらに向上し得る。
本実施形態では、ベルト層50は、コアベルト51及びシースベルト52のみによって構成される。上述したように、コアベルト51及びシースベルト52によって構成されるベルト層50は、トレッド20のショルダー部26及びショルダー部27における径成長を十分に抑制することができるため、さらに補強ベルトなどを追加する必要がない。これにより、空気入りタイヤ10の重量増を抑制しつつ、ベルト層50の耐久性を向上し得る。
また、本実施形態の空気入りタイヤによれば、まず、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有している(本例では、カーカスコード及びベルト補強層のコードに用いている)。これにより、これらのコードにコーティングされる接着剤組成物にレゾルシンが含まれず、環境への負荷が少なく、また、コードとゴムとの高い接着性を達成することができる。
(5)その他の実施形態
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、空気入りタイヤ10が、0.56≦RD/OD≦0.66の関係を満たすとしたが、当該関係は、必ずしも満たしていなくても構わない。また、上述した実施形態では、カーカス40の折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられるように設けられていたが、折り返し端部41は、ビードコア61に沿って巻き付けられていなくても構わない。さらに、上述した実施形態では、シースベルト52は、シースベルト52の幅以上の所定距離を隔ててタイヤ周方向に沿って螺旋状にコアベルト51に巻き回されるとともに、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面を覆っていたが、シースベルト52は、必ずしもこのように構成されなくても構わない。例えば、シースベルト52は、所定距離を隔てることなく、タイヤ周方向に沿って単純に螺旋状に巻き回されてもよいし、コアベルト51のタイヤ径方向外側面、及びコアベルト51のタイヤ径方向内側面は、完全に覆われていなくても構わない。また、コアベルト51は必ずしも設けられていなくても構わない。つまり、シースベルト52は、コアベルト51を覆わずに、単純にタイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されてもよい。
また、上記の実施形態では、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを、カーカスコード及びベルト補強層のコードとして用いたが、タイヤ部材のいずれかのコードとして用いればよく、例えばカーカスコード、ベルトコード、ベルト補強層のコード、その他の補強層のコードのいずれか1つ以上に用いることが好ましい。
本発明のタイヤは、スチーム加硫や電気加硫で成形することができる。
また、上記の実施形態では、ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた有機繊維コードを、カーカスコード及びベルト補強層のコードとして用いたが、タイヤ部材のいずれかのコードとして用いればよく、例えばカーカスコード、ベルトコード、ベルト補強層のコード、その他の補強層のコードのいずれか1つ以上に用いることが好ましい。
本発明のタイヤは、スチーム加硫や電気加硫で成形することができる。
1:車両、
10:空気入りタイヤ、
20:トレッド、
21,22:周方向主溝、
26,27:ショルダー部、
30:タイヤサイド部、
40:カーカス、
41:折り返し端部
10:空気入りタイヤ、
20:トレッド、
21,22:周方向主溝、
26,27:ショルダー部、
30:タイヤサイド部、
40:カーカス、
41:折り返し端部
Claims (7)
- 路面に接するトレッドと、前記トレッドのタイヤ径方向内側に設けられるベルト層とを備え、車両に装着される空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤの外径は、350mm以上、600mm以下であり、
前記空気入りタイヤに組み付けられるリムホイールのリム幅をRW、前記空気入りタイヤのタイヤ断面幅をSWとした場合、
0.78≦RW/SW≦0.88
の関係を満たし、
ポリフェノール類及びアルデヒド類を含む接着剤組成物がコーティングされた、有機繊維コードを有することを特徴とする、空気入りタイヤ。 - 前記タイヤは、カーカス及び前記ベルトのタイヤ径方向外側に配置されたベルト補強層を有し、
前記有機繊維コードは、前記カーカスのカーカスコード及び前記ベルト補強層のコードの少なくともいずれかに用いられている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記有機繊維コードは、2種の有機繊維からなるフィラメントを撚り合わせてなるハイブリッドコードである、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記アルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト層は、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻き回されたシースベルトを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤを前記リムホイールに組み付けた、タイヤ・リム組立体
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