JP2021141018A - 光電センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】閾値の設定が不要であり、簡易な構成でボトル型透明体を検出できる光電センサを提供する。【解決手段】光電センサは、検出領域を順次通過していく複数のボトル型透明体の検出に用いられる光電センサであって、検出領域に向けて光を出射する投光部と、検出領域を挟んで投光部と対向して配置され、光の受光量に対応する時系列の信号値を取得する受光部と、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することを到来条件を満たすまで継続する処理と、時系列の信号値がリセット条件を満たすか否かを判定することをリセット条件を満たすまで継続する処理とを交互に繰り返す判定部を備え、到来条件は、ボトル型透明体が検出領域に到来したことを識別するための条件であり、リセット条件は、ボトル型透明体が検出領域から脱出したことを識別するための条件である。【選択図】図1

Description

本発明は、ボトル型透明体を検出する光電センサに関する。
従来、対象物の有無を検出するセンサとして、対象物に光を照射し、対象物を透過する光を検出したり、対象物による光の遮蔽を検出したり、対象物により反射した光を検出したりする光電センサが用いられている。ここで、対象物は、透明体の場合がある。
透明体を検出する光電センサについて、例えば下記特許文献1には、直線偏光を透明体に投光して、透明体を透過した光の2つ以上の偏光成分をそれぞれ個別に受光し、各偏光成分の受光量の変化に基づいて透明体の有無を検出する光電センサが記載されている。
また、下記特許文献2には、物体検出領域へ投光し、物体検出領域からの当該光の受光量を取得するタイミング又は期間の指示を受け付けて、指示に対応したタイミング又は期間に取得した受光量に基づいて、受光量を表示するための基準となる表示基準量を決定する光電センサが記載されている。光電センサは、さらに、取得した受光量に基づいて、物体の有無を判断するための閾値を表示基準量よりも小さな値として算出し、受光量が表示基準量以上である場合はゼロに、受光量が表示基準量よりも小さい場合は、受光量が小さくなるにつれ値が大きくなる表示用受光量に変換し、変換された表示用受光量を表示する。
特開2010−107475号公報 特開2009−152813号公報
光電センサによって透明体を検出するために、例えば特許文献1に記載の技術のように、不透明体を検出する場合には必要とされなかったハードウェアを追加することがある。そのような光電センサは、実質的に透明体検出のための専用機となり、不透明体を検出する光電センサとは別に導入する必要があった。
また、受光量と閾値の比較によって透明体を検出する場合、例えば特許文献2に記載の技術のように表示を工夫したとしても、閾値の設定は依然として困難な場合がある。
そこで、本発明は、閾値の設定が不要であり、簡易な構成でボトル型透明体を検出できる光電センサを提供する。
本開示の一態様に係る光電センサは、検出領域を順次通過していく複数のボトル型透明体の検出に用いられる光電センサであって、検出領域に向けて光を出射する投光部と、検出領域を挟んで投光部と対向して配置され、光の受光量に対応する時系列の信号値を取得する受光部と、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することを到来条件を満たすまで継続する処理と、時系列の信号値がリセット条件を満たすか否かを判定することをリセット条件を満たすまで継続する処理とを交互に繰り返す判定部を備え、到来条件は、ボトル型透明体が検出領域に到来したことを識別するための条件であり、リセット条件は、ボトル型透明体が検出領域から脱出したことを識別するための条件である。
この態様によれば、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することと、リセット条件を満たすか否かを判定することを交互に繰り返すことで、閾値の設定を不要として、簡易な構成でボトル型透明体を検出できる。
上記態様において、到来条件は、検出領域にボトル型透明体がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値より小さい遮光基準値を下回ることを識別するための条件であり、リセット条件は、時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいことを識別するための条件であってよい。
上記態様において、非遮光基準値は、検出領域にボトル型透明体がない状態において取得された時系列の信号値の平均値であってよい。
上記態様において、リセット条件において、時系列の信号値の大きさが非遮光基準値と実質的に等しいとは、時系列の信号値と非遮光基準値との差の絶対値が所定の許容値よりも小さいことであってよい。
上記態様において、到来条件は、時系列の信号値が、検出領域にボトル型透明体がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値よりも大きい集光基準値を上回ることを識別するための条件であり、リセット条件は、到来条件を満たすと判定されてから所定の不感期間が経過したことを識別するための条件であってよい。
上記態様において、不感期間は、ボトル型透明体が検出領域を通過中であると想定される期間の中で、集光基準値よりも大きなすべての時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値より長く、到来条件を満たしてから、リセット条件を満たした後、再び到来条件を満たすまでの第2期間の代表値より短くてよい。
上記態様において、第1期間の代表値は第1期間の最長値であり、第2期間の代表値は第2期間の最短値であってよい。
本発明によれば、閾値の設定が不要であり、簡易な構成でボトル型透明体を検出できる光電センサが提供される。
本発明の第1実施形態に係る光電センサを含む検出システムの概要を示す図である。 本実施形態に係る光電センサの構成を示す図である。 本実施形態に係る光電センサの処理部の構成の一例を示す図である。 本実施形態に係る光電センサにボトル型透明体が接近する様子を示す図である。 本実施形態に係る光電センサから出射された光の一部がボトル型透明体によって反射されて受光される様子を示す図である。 本実施形態に係る光電センサから出射された光の一部がボトル型透明体によって反射されて受光されない様子を示す図である。 本実施形態に係る光電センサから出射された光がボトル型透明体によって集光される様子を示す図である。 本実施形態に係る光電センサにより測定される受光量の例を示す図である。 本実施形態に係る光電センサにより実行されるボトル型透明体を検出する処理のフローチャートである。 本実施形態に係る光電センサにより実行される自動調整処理のフローチャートである。 本実施形態に係る光電センサにより実行されるボトル型透明体を検出する処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る光電センサにより測定される受光量の例を示す図である。 本実施形態に係る光電センサにより実行される自動調整処理のフローチャートである。 本実施形態に係る光電センサにより実行されるボトル型透明体を検出する処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」と表記する。)を、図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
[第1実施形態]
[構成例]
図1及び2を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る光電センサ10の構成の一例について説明する。図1は、第1実施形態に係る光電センサ10を含む検出システム1の概要を示す図である。検出システム1は、光電センサ10と、コントローラ20と、コンピュータ30と、ロボット40と、搬送装置50とを備える。
光電センサ10は、検出領域10aにボトル型透明体100が到来したか否かに応じて値が変化する物理量に対応する信号値に基づいて、検出領域10aにボトル型透明体100が到来したことを検出する装置である。光電センサ10は、透過型の光電センサであってよい。図1では、光電センサ10は、透過型で検出するように配置された投光用光ファイバ101及び受光用光ファイバ102を備えている。ボトル型透明体100が光電センサ10の検出領域10aに到来すると、光電センサ10によって検出される光量が変動する。
ボトル型透明体100は、光電センサ10による検出の対象となる物であり、略円柱形や略角柱形の透明体である。ボトル型透明体100は、例えば生産される製品の完成品であったり、部品等の未完成品であったりしてよい。
コントローラ20は、ロボット40及び搬送装置50を制御する。コントローラ20は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)で構成されてよい。コントローラ20は、光電センサ10からの出力によりボトル型透明体100が到来したことを検知し、ロボット40を制御する。
コンピュータ30は、光電センサ10、コントローラ20及びロボット40の設定を行う。また、コンピュータ30は、コントローラ20から、コントローラ20による制御の実行結果を取得する。
ロボット40は、コントローラ20による制御に従って、ボトル型透明体100を操作したり加工したりする。ロボット40は、例えばボトル型透明体100をピックアップして別の場所に移動させたり、ボトル型透明体100を切削したり、組み立てたりしてよい。
搬送装置50は、コントローラ20による制御に従って、ボトル型透明体100を搬送する装置である。搬送装置50は、例えばベルトコンベアであってよく、コントローラ20により設定された速度でボトル型透明体100を搬送してよい。
図2は、本実施形態に係る光電センサ10の構成を示す図である。光電センサ10は、投光部11、受光部12、処理部13、操作部14及び出力部15を備える。
<投光部>
投光部11は、ボトル型透明体100が到来する検出領域10aに向けて光を出射する。投光部11は、投光素子11a及び駆動回路11bを含んでよい。投光素子11aは、LED(Light Emitting Diode)やレーザダイオードで構成されてよく、駆動回路11bは、投光素子11aを発光させるための電流を制御する。駆動回路11bは、投光素子11aを間欠的に、例えば0.1ms周期でパルス発光させてよい。投光素子11aから出射した光は、図示しないレンズ又は図1の投光用光ファイバ101を介して、検出領域10aに照射されてよい。
<受光部>
受光部12は、検出領域10aを挟んで投光部11と対向して配置され、光の受光量に対応する時系列の信号値を取得する。受光部12は、受光素子12a、増幅器12b、サンプル/ホールド回路12c及びA/D変換器12dを含んでよい。受光素子12aは、フォトダイオードによって構成されてよく、受光量を電気的な出力信号に変換する。受光部12は、検出領域10aにおいて反射又は透過した光を、図示しないレンズ又は図1の受光用光ファイバ102を介して受光素子12aに入射させてよい。増幅器12bは、受光素子12aの出力信号を増幅する。サンプル/ホールド回路12cは、投光部11によるパルス発光のタイミングに同期して、増幅器12bにより増幅された受光素子12aの出力信号を保持する。これにより外乱光の影響が低減される。A/D変換器12dは、サンプル/ホールド回路12cにより保持されたアナログの信号値をデジタル値である受光量の値に変換する。受光部12は、検出領域10aからの光を受光し、受光量を逐次信号値に変換する測定部の一例である。
<処理部>
処理部13は、動作制御部13a、メモリ13b及び判定部13cを含む。処理部13は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ及びメモリに格納されたプログラム等から構成されるコンピュータとして構成されてよい。
動作制御部13aは、後述する判定処理の他、光電センサ10全体の動作を統括制御してよい。
メモリ13bは、受光部12で取得した、光の受光量に対応する時系列の信号値を記憶する。メモリ13bは、任意の記憶媒体で構成されてよいが、例えばFIFO(First In First Out)メモリで構成されてよい。
判定部13cは、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することを到来条件を満たすまで継続する処理と、時系列の信号値がリセット条件を満たすか否かを判定することをリセット条件を満たすまで継続する処理とを交互に繰り返す。ここで、到来条件は、ボトル型透明体100が検出領域10aに到来したことを識別するための条件である。また、リセット条件は、ボトル型透明体100が検出領域10aから脱出したことを識別するための条件である。
<操作部>
操作部14は、光電センサ10の操作を行うためのものであり、操作スイッチ、表示器等を含んでよい。
<出力部>
出力部15は、判定部13cによる判定結果を含む様々なデータの出力を行う。出力部15は、最も簡単には判定部13cによる判定結果の2値出力を行ってよい。出力部15は、判定部13cにより到来条件を満たすと判定された場合に、検出領域10aにボトル型透明体100が到来したことを示す信号を出力してよい。また、出力部15は、判定部13cによりリセット条件を満たすと判定された場合に、ボトル型透明体100が検出領域10aから脱出したことを示す信号を出力してよい。出力部15は、大量のデータの出力を行える通信機能を備えていてもよい。
図3は、第1実施形態に係る光電センサ10の動作を説明する図である。処理部13は、第1周期で、メモリ13bに記憶されている信号値を更新して、A/D変換器12dから出力された受光量のデジタル値を記憶する。
メモリ13bの更新を行う第1周期は、投光部11のパルス発光及びA/D変換器12dによる変換の周期(第2周期とする)と同じであってもよいし、第2周期の整数倍のように異なっていてもよい。例えば、第2周期は、光電センサ10に固有の値(例えば0.1ms)に固定されていてもよい。第1周期は、図1に示すコンピュータ30からコントローラ20経由で設定可能であってもよい。第1周期は、同時に処理したい信号値波形の範囲がメモリ13bに収まるように決められる必要がある。第1周期は、第2周期よりも長い場合が多く、例えば1msであってよい。
判定部13cは、メモリ13bに格納されている信号値が到来条件を満たすか否かの判定又はリセット条件を満たすか否かの判定を第1周期で行い、判定結果を第1周期で動作制御部13aに対して出力する。
到来条件は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値より小さい遮光基準値を下回ることを識別するための条件であってよい。「非遮光基準値より小さい遮光基準値」として、具体的には、例えば、非遮光基準値の50%以下である遮光基準値、非遮光基準値の20%以下である遮光基準値又は非遮光基準値の10%以下である遮光基準値が適宜採用されてよい。
また、非遮光基準値は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された時系列の信号値の平均値であってよい。もっとも、非遮光基準値は、検出領域10aにボトル型透明体がない状態において取得された時系列の信号値の任意の統計値であってもよい。
リセット条件は、時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいことを識別するための条件であってよい。ここで、「時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しい」とは、時系列の信号値の大きさが、所定期間にわたって、光学的、電気的な外乱や内部ノイズの影響による信号値のゆらぎによって生じる程度の差を除いて非遮光基準値に等しいことを意味する。
リセット条件において、時系列の信号値の大きさが非遮光基準値と実質的に等しいとは、時系列の信号値と非遮光基準値との差の絶対値が所定の許容値よりも小さいことであってよい。ここで、所定の許容値は、例えば、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された時系列の信号値の標準偏差を所定数倍した値であってよい。
図4aは、本実施形態に係る光電センサ10にボトル型透明体100が接近する様子を示す図である。同図に示すように、検出領域10aにボトル型透明体100がない場合、投光部11から出射された光の一部が、受光部12によって受光される。
図4bは、本実施形態に係る光電センサ10から出射された光の一部がボトル型透明体100によって反射されて受光される様子を示す図である。同図に示すように、ボトル型透明体100が投光部11と受光部12に挟まれる領域に接近すると、投光部11から出射された光の一部がボトル型透明体100によって反射され、検出領域10aにボトル型透明体100がない場合よりも受光量が一時的に増大する。
図4cは、本実施形態に係る光電センサ10から出射された光の一部がボトル型透明体100によって反射されて受光されない様子を示す図である。同図に示すように、ボトル型透明体100が投光部11と受光部12に挟まれる領域にさらに接近すると、投光部11から出射された光の大部分がボトル型透明体100によって反射され、受光部12にほとんど光が入射しなくなる。この時、受光量は、検出領域10aにボトル型透明体100がない場合よりも大幅に低下する。
図4dは、本実施形態に係る光電センサ10から出射された光がボトル型透明体100によって集光される様子を示す図である。同図に示すように、ボトル型透明体100が投光部11と受光部12に挟まれる領域に侵入すると、投光部11から出射された光がボトル型透明体100によって集光され、受光部12に光が入射するようになる。この時、受光量は、検出領域10aにボトル型透明体100がない場合よりも増大する。
図5は、本実施形態に係る光電センサ10により測定される受光量(時系列の信号値)の例を示す図である。同図では、検出領域10aにボトル型透明体100がない場合の受光量を示す第1領域Aと、受光量が遮光基準値Zを下回るタイミングを示す第2領域Bと、受光量が乱高下して再び遮光基準値Zを下回るタイミングを示す第3領域Cと、検出領域10aからボトル型透明体100が脱出した後の受光量を示す第4領域Dと、を含む。
検出領域10aにボトル型透明体100がない場合、第1領域Aのように、受光量が所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しい。ここで、非遮光基準値は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された時系列の信号値の平均値である。
検出領域10aにボトル型透明体100が接近し、投光部11から出射された光が反射されると、受光量が急激に低下して遮光基準値Zを下回る。光電センサ10は、受光量が遮光基準値Zを下回った領域Bのタイミングで、到来条件を満たしたと判定する。
その後、投光部11から出射された光がボトル型透明体100によって集光されることで、受光量が一時的に非遮光基準値を上回る。しかしながら、受光量は乱高下し、第3領域Cのタイミングで再び遮光基準値Zを下回る。このため、仮に到来条件のみによってボトル型透明体100の到来を検出しようとすると、1つのボトル型透明体100に対して複数回の検出が行われてしまうおそれがある。
本実施形態に係る光電センサ10は、第2領域Bのタイミングで到来条件を満たすと判定した後、リセット条件を満たすか否かをリセット条件を満たすまで継続する処理を行う。ここで、リセット条件は、時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいことであり、第4領域Dのタイミングでリセット条件が満たされる。
このように、本実施形態に係る光電センサ10によれば、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することと、リセット条件を満たすか否かを判定することを交互に繰り返すことで、閾値の設定を不要として、簡易な構成でボトル型透明体100を検出できる。また、時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することと、リセット条件を満たすか否かを判定することを交互に繰り返すことで、ボトル型透明体100の誤検出を防止することができる。
図6は、本実施形態に係る光電センサ10により実行されるボトル型透明体100を検出する処理のフローチャートである。はじめに、光電センサ10は、自動調整動作を行う(S10)。自動調整動作の詳細は、次図を用いて詳細に説明する。なお、自動調整動作は、光電センサ10の電源がオンとなった初回に一度行われればよく、処理を中断して再開する場合、自動調整動作は省略されてよい。
次に、光電センサ10は、到来条件検出待ちの処理を行う(S11)。光電センサ10は、例えば、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値より小さい遮光基準値を下回ることを識別するための条件が満たされるのを待つ。
到来条件が検出された場合、光電センサ10は、検出したことを出力する(S12)。検出したことの出力は、どのような態様で行われてもよいが、例えば、表示灯を点灯することとしたり、検出信号を外部に出力したりしてよい。
その後、光電センサ10は、リセット条件検出待ちの処理を行う(S13)。光電センサ10は、例えば、時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいことを識別するための条件が満たされるのを待つ。
リセット条件が検出され、電源オフされない場合(S14:NO)、光電センサ10は、再び処理S11〜S13を実行する。一方、電源オフされる場合(S14:YES)、ボトル型透明体100を検出する処理が終了する。
図7は、本実施形態に係る光電センサ10により実行される自動調整処理のフローチャートである。同図では、図6の自動調整動作(S10)の詳細を示している。自動調整動作(S10)は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態で行われる。
はじめに、光電センサ10は、投光量及び受光アンプゲインの調整を行う(S101)。そして、光電センサ10は、複数の信号値を取得し(S102)、複数の信号値の平均値を算出する(S103)。また、光電センサ10は、複数の信号値の標準偏差を算出する(S104)。
最後に、光電センサ10は、平均値及び標準偏差に基づいて、非遮光基準値及び許容値を設定する(S105)。例えば、光電センサ10は、非遮光基準値を平均値とし、リセット条件において時系列の信号値の大きさが非遮光基準値と実質的に等しいか否かを判定するための許容値を、標準偏差の定数倍としてよい。
図8は、本実施形態に係る光電センサ10により実行されるボトル型透明体100を検出する処理の詳細を示すフローチャートである。同図では、図6に示す処理のうち、処理S11〜S13の詳細を示している。到来条件検出待ちの処理(S11)は、信号値を取得し、メモリ13bに格納する処理(S111)と、信号値が遮光基準値を下回ったか否かを判定する処理(S112)を含む。光電センサ10は、最新の信号値が遮光基準値を下回ったと判定した場合(S112:YES)、検出したことを出力する(S12)。一方、信号値が遮光基準値を下回らない場合(S112:NO)、新たな信号値を取得し、メモリ13bに格納する(S111)。
リセット条件検出待ちの処理(S13)は、信号値を取得し、メモリ13bに格納する処理(S131)と、信号値が所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいか否かを判定する処理(S132)を含む。信号値が所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいか否かは、所定期間にわたって信号値と非遮光基準値との差の絶対値が許容値よりも小さいか否かによって判定されてよい。光電センサ10は、信号値が所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいと判定した場合(S132:YES)、リセット条件が満たされたと判定し、再び到来条件の検出待ちを行う(図6参照)。一方、信号値が所定期間にわたって非遮光基準値と実質的に等しいと判定されない場合(S132:NO)、新たな信号値を取得し、メモリ13bに格納する(S131)。
[第2実施形態]
図9は、本発明の第2実施形態に係る光電センサ10により測定される受光量の例を示す図である。本実施形態に係る光電センサ10の物理的構成は、第1実施形態の係る光電センサ10の物理的構成と同じであってよいが、本実施形態に係る光電センサ10の判定部13cにより用いられる到来条件及びリセット条件は、第1実施形態に係る光電センサ10の判定部13cにより用いられる到来条件及びリセット条件と異なる。
本実施形態に係る光電センサ10の判定部13cにより用いられる到来条件は、時系列の信号値が、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値よりも大きい集光基準値を上回ることを識別するための条件である。また、本実施形態に係る光電センサ10の判定部13cにより用いられるリセット条件は、到来条件を満たすと判定されてから所定の不感期間が経過したことを識別するための条件である。
ここで、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値の平均値であってよい。また、集光基準値は、検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値の平均値に、その標準偏差の定数倍を加えた値であってよい。図9では、集光基準値として、μ+3σを例示している。ここで、μは検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値の平均値であり、σは検出領域10aにボトル型透明体100がない状態において取得された信号値の標準偏差である。
不感期間は、ボトル型透明体100が検出領域10aを通過中であると想定される期間の中で、集光基準値よりも大きなすべての時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値より長く、到来条件を満たしてから、リセット条件を満たした後、再び到来条件を満たすまでの第2期間の代表値より短くてよい。図9では、集光基準値よりも大きなすべての時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値としてT1を示している。また、到来条件を満たしてから、リセット条件を満たした後、再び到来条件を満たすまでの第2期間の代表値としてT2を示している。そして、不感期間Tを示している。不感期間Tは、T1より長く、T2より短い期間である。
なお、ボトル型透明体100が検出領域10aを通過中であると想定される期間とは、具体的には、例えば、時系列の信号値が実質的に非遮光基準値に等しい状態が継続する期間と、その次の同期間との間に挟まれた期間であってよい。
また、第1期間の代表値は第1期間の最長値であり、第2期間の代表値は第2期間の最短値であってよい。光電センサ10は、複数のボトル型透明体100を検出した場合における第1期間及び第2期間を記憶し、複数回測定した第1期間の最長値を第1期間の代表値として、複数回測定した第2期間の最短値を第2期間の代表値としてよい。
本実施形態に係る光電センサ10は、信号値が集光基準値(μ+3σ)を上回った第5領域Eのタイミングで到来条件を満たすと判定する。その後、光電センサ10は、到来条件を満たすと判定されてから所定の不感期間Tが経過した場合にリセット条件を満たすと判定し、再び到来条件を満たすか否かの判定を行う。
図10は、本実施形態に係る光電センサ10により実行される自動調整処理のフローチャートである。自動調整処理は、光電センサ10によってボトル型透明体100を検出する処理を行う前に実行され、電源がオンされた際に一度実行されればよい。自動調整処理は、試験的に複数のボトル型透明体100を検出することで行われる。
はじめに、光電センサ10は、投光量及び受光アンプゲインの調整を行う(S101)。そして、光電センサ10は、複数の信号値を取得し(S102)、複数の信号値の平均値を算出する(S103)。また、光電センサ10は、複数の信号値の標準偏差を算出する(S104)。その後、光電センサ10は、平均値に標準偏差の所定数倍を足した値を集光基準値に設定する(S105)。
また、光電センサ10は、集光基準値よりも大きなすべての時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値を算出する(S106)。さらに、光電センサ10は、到来条件を満たしてから、リセット条件を満たした後、再び到来条件を満たすまでの第2期間の代表値を算出する(S107)。最後に、光電センサ10は、第1期間の代表値より長く、第2期間の代表値より短くなるように、不感期間を設定する(S108)。
図11は、本実施形態に係る光電センサ10により実行されるボトル型透明体100を検出する処理の詳細を示すフローチャートである。光電センサ10は、はじめに、到来条件検出待ちの処理(S11)を行う。到来条件検出待ちの処理(S11)は、信号値を取得し、メモリ13bに格納する処理(S115)と、信号値が集光基準値を上回ったか否かを判定する処理(S116)を含む。光電センサ10は、最新の信号値が集光基準値を上回ったと判定した場合(S116:YES)、検出したことを出力する(S12)。一方、信号値が集光基準値を上回らない場合(S116:NO)、新たな信号値を取得し、メモリ13bに格納する(S115)。
その後、光電センサ10は、リセット条件検出待ちの処理(S13)を行う。リセット条件検出待ちの処理(S13)は、所定の不感期間が経過したか否かを判定する処理(S133)を含む。所定の不感期間が経過した場合(S133:YES)、光電センサ10は、リセット条件が満たされたと判定し、再び到来条件の検出待ちを行う。一方、所定の不感期間が経過していない場合(S133:NO)、光電センサ10は、不感期間の経過を待つ。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
[付記1]
検出領域(10a)を順次通過していく複数のボトル型透明体(100)の検出に用いられる光電センサ(10)であって、
前記検出領域(10a)に向けて光を出射する投光部(11)と、
前記検出領域(10a)を挟んで前記投光部(11)と対向して配置され、前記光の受光量に対応する時系列の信号値を取得する受光部(12)と、
前記時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することを前記到来条件を満たすまで継続する処理と、前記時系列の信号値がリセット条件を満たすか否かを判定することを前記リセット条件を満たすまで継続する処理とを交互に繰り返す判定部(13c)を備え、
前記到来条件は、前記ボトル型透明体(100)が前記検出領域(10a)に到来したことを識別するための条件であり、
前記リセット条件は、前記ボトル型透明体(100)が前記検出領域(10a)から脱出したことを識別するための条件である、
光電センサ(10)。
[付記2]
前記到来条件は、前記検出領域(10a)に前記ボトル型透明体(100)がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値より小さい遮光基準値を下回ることを識別するための条件であり、
前記リセット条件は、前記時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって前記非遮光基準値と実質的に等しいことを識別するための条件である、
付記1に記載の光電センサ(10)。
[付記3]
前記非遮光基準値は、前記検出領域(10a)に前記ボトル型透明体(100)がない状態において取得された前記時系列の信号値の平均値である、
付記2に記載の光電センサ(10)。
[付記4]
前記リセット条件において、前記時系列の信号値の大きさが前記非遮光基準値と実質的に等しいとは、前記時系列の信号値と前記非遮光基準値との差の絶対値が所定の許容値よりも小さいことである、
付記2又は3に記載の光電センサ(10)。
[付記5]
前記到来条件は、前記時系列の信号値が、前記検出領域(10a)に前記ボトル型透明体(100)がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値よりも大きい集光基準値を上回ることを識別するための条件であり、
前記リセット条件は、前記到来条件を満たすと判定されてから所定の不感期間が経過したことを識別するための条件である、
付記1に記載の光電センサ(10)。
[付記6]
前記不感期間は、前記ボトル型透明体(100)が前記検出領域(10a)を通過中であると想定される期間の中で、前記集光基準値よりも大きなすべての前記時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値より長く、前記到来条件を満たしてから、前記リセット条件を満たした後、再び前記到来条件を満たすまでの第2期間の代表値より短い、
付記5に記載の光電センサ(10)。
[付記7]
前記第1期間の代表値は前記第1期間の最長値であり、前記第2期間の代表値は前記第2期間の最短値である、
付記6に記載の光電センサ(10)。
1…検出システム、10…光電センサ、10a…検出領域、11…投光部、11a…投光素子、11b…駆動回路、12…受光部、12a…受光素子、12b…増幅器、12c…サンプル/ホールド回路、12d…A/D変換器、13…処理部、13a…動作制御部、13b…FIFOメモリ、13c…判定部、14…操作部、15…出力部、20…コントローラ、30…コンピュータ、40…ロボット、50…搬送装置、100…ボトル型透明体、101…投光用光ファイバ、102…受光用光ファイバ

Claims (7)

  1. 検出領域を順次通過していく複数のボトル型透明体の検出に用いられる光電センサであって、
    前記検出領域に向けて光を出射する投光部と、
    前記検出領域を挟んで前記投光部と対向して配置され、前記光の受光量に対応する時系列の信号値を取得する受光部と、
    前記時系列の信号値が到来条件を満たすか否かを判定することを前記到来条件を満たすまで継続する処理と、前記時系列の信号値がリセット条件を満たすか否かを判定することを前記リセット条件を満たすまで継続する処理とを交互に繰り返す判定部を備え、
    前記到来条件は、前記ボトル型透明体が前記検出領域に到来したことを識別するための条件であり、
    前記リセット条件は、前記ボトル型透明体が前記検出領域から脱出したことを識別するための条件である、
    光電センサ。
  2. 前記到来条件は、前記検出領域に前記ボトル型透明体がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値より小さい遮光基準値を下回ることを識別するための条件であり、
    前記リセット条件は、前記時系列の信号値の大きさが所定期間にわたって前記非遮光基準値と実質的に等しいことを識別するための条件である、
    請求項1に記載の光電センサ。
  3. 前記非遮光基準値は、前記検出領域に前記ボトル型透明体がない状態において取得された前記時系列の信号値の平均値である、
    請求項2に記載の光電センサ。
  4. 前記リセット条件において、前記時系列の信号値の大きさが前記非遮光基準値と実質的に等しいとは、前記時系列の信号値と前記非遮光基準値との差の絶対値が所定の許容値よりも小さいことである、
    請求項2又は3に記載の光電センサ。
  5. 前記到来条件は、前記時系列の信号値が、前記検出領域に前記ボトル型透明体がない状態において取得された信号値を代表する非遮光基準値よりも大きい集光基準値を上回ることを識別するための条件であり、
    前記リセット条件は、前記到来条件を満たすと判定されてから所定の不感期間が経過したことを識別するための条件である、
    請求項1に記載の光電センサ。
  6. 前記不感期間は、前記ボトル型透明体が前記検出領域を通過中であると想定される期間の中で、前記集光基準値よりも大きなすべての前記時系列の信号値が出現する1つの連続期間である第1期間の代表値より長く、前記到来条件を満たしてから、前記リセット条件を満たした後、再び前記到来条件を満たすまでの第2期間の代表値より短い、
    請求項5に記載の光電センサ。
  7. 前記第1期間の代表値は前記第1期間の最長値であり、前記第2期間の代表値は前記第2期間の最短値である、
    請求項6に記載の光電センサ。
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