JP2021139965A - ラベル連続体及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
これらのラベルは、通常、ラベラー(ラベル装着機)を用いて物品に装着される。そして、ラベラーにてラベルを装着する場合には、通常、複数のラベルが連続的に連なったラベル連続体が用いられる。
凸版印刷法は、コスト的に比較的安価であり、さらに、様々な材質或いは厚みのフィルムに対する印刷適性に優れている。凸版印刷法としては、フレキソ印刷法、凸版輪転印刷法などの印刷方式が挙げられ、特に、ラベル連続体を凸版印刷法にて形成する場合には、フレキソ印刷法が多用されている。
フレキソ印刷などの凸版印刷法にあっては、円筒状版の回転に従い、円筒状版の表面のフィルムへの接触(凸版の小突起がフィルムに接触)と円筒状版の表面のフィルムへの非接触(凸版を有さない凹部においてフィルムから離れる)とが交互に繰り返される。フィルムのラベルデザイン部及び透明部と円筒状版との関係では、インキ付着によって形成されるラベルデザイン部は凸版に対応し、インキを有さない透明部は凹部に対応する。
すなわち、上述のように、凸版印刷にあっては円筒状版の回転に従い、凸版の小突起の接触と凹部の非接触が交互に繰り返されるが、凸版の小突起のうち回転方向先頭側に位置する小突起は、凹部の直後(非接触の直後)にあるため、フィルムに強く接触する傾向にある。このため、回転方向先頭側に位置する小突起にてフィルムに転写されたインキ網点は、歪む、及び/又は、本来の位置よりもずれることが多い。特に、小突起を含む凸版が、ゴムなどの比較的変形し易い材質にて形成されている場合には、回転方向先頭側に位置する小突起がフィルムに当たったときに変形し易く、前記インキ網点の歪みや位置ずれを生じ易い。
さらに、ラベル連続体から1つのラベルを切り出す際には、ラベルデザイン部のエッジを読み取りセンサーで読み取った上で、所定の位置でラベル連続体を切断しているが、前記のようにエッジが曖昧なラベルデザイン部が形成されると、読み取りセンサーの読み取り誤差が生じ易くなる。
本発明の好ましいラベル連続体は、前記第1線状部と前記第2線状部が重なっている。
本明細書において、平面視形状は、フィルムの表面側又は裏面側から法線方向にフィルムを見たときの形状をいう。また、用語の頭に、「第1」、「第2」などを付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するためだけに付加されたものであり、その順序や優劣などの特別な意味を持たない。「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
また、各図における印刷部などの各構成の寸法、厚み、縮尺比などは、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
図1は、ラベル連続体Aを表面側から見た図であり、図2は、図1の一部分を拡大した平面図であり、図3は、ラベル連続体Aを長手方向に沿って切断した断面図である。
図1乃至図3において、本発明のラベル連続体Aは、平面視で長尺帯状である。
本明細書において、長尺帯状は、長手方向長さが短手方向よりも十分に長い平面視略長方形状をいう。前記短手方向は、長手方向と直交する方向である。長尺帯状の長手方向長さとしては、例えば、5m以上、好ましくは10m以上である。
ラベル連続体Aは、長尺帯状のフィルム1と、前記フィルム1の長手方向に繰り返された複数のラベルデザイン部2と、長手方向に隣接するラベルデザイン部2の間においてフィルム1の短手方向に延びる非デザイン部3yと、を有する。
前記インキ印刷部は、着色インキがベタ状に付着した線状部4と、前記着色インキが網点状に付着した複数のインキ網点の集合からなる網点部5と、を有する。
前記線状部4と網点部5は、ラベルデザイン部2と非デザイン部3yの一方側の境界部から他方側の境界部に向かって順に設けられている。
本明細書におけるインキ印刷部は、フィルム1に着色インキを凸版印刷してなるインキ固化部からなる。
ラベルデザイン部は、画像(デザイン)を表した部分である。非デザイン部は、画像が表されていない部分である。前記非デザイン部は、好ましくは透明であり、より好ましくは無色透明である。
長手方向に隣接するラベルデザイン部2の間に、短手方向に帯状に延びる非デザイン部3yが形成されている。必要に応じて、短手方向に隣接するラベルデザイン部2(デザイン列)の間にも、長手方向に帯状に延びる非デザイン部3tが形成されていてもよい。
以下、フィルム1の短手方向に延びる非デザイン部3yを「横非デザイン部3y」といい、フィルム1の長手方向に延びる非デザイン部3tを「縦非デザイン部3t」という。
透明なフィルム1を用いた場合には、前記横非デザイン部3y及び縦非デザイン部3tは、いずれも透明部となる。
フィルム1は、柔軟性並びに適宜な強度及び剛性を有するものであれば特に限定されない。フィルム1は、透明でもよく、或いは、不透明でもよい。フィルム1としては、合成樹脂フィルム、紙、合成紙、発泡樹脂シート及びこれらの積層体などが挙げられる。
好ましくは、透明なフィルムが用いられ、より好ましくは、無色透明なフィルムが用いられる。
ここで、「透明」は、対象物の裏面側に、その裏面から1cm離れた箇所に、白地の紙に黒色インキで任意の数字(大きさ12ポイント)を印刷したものを配置し、蛍光灯を照らした室内で前記対象物を透かしてその数字を表面側から識別できる状態をいう。「不透明」は、前記と同様な試験条件で、前記数字を表面側から識別できない状態をいう。透明の指標としては、例えば、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、測定対象(透明なフィルム)を、JIS K 7361(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
合成樹脂製フィルムなどの材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン、ポリエチレンを含む共重合ポリマーなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系などが挙げられる。
また、そのフィルムは、短手方向に主として熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、長手方向に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよく、或いは、短手方向及び長手方向に同等に熱収縮及び/又は自己伸縮するものでもよい。
図示例では、長手方向に主として熱収縮するフィルム1が用いられている。かかるフィルム1の主たる熱収縮方向(例えば長手方向)の熱収縮率は、特に限定されないが、比較的大きな径差を有する物品にも良好に熱収縮装着できる点から、好ましくは20%以上であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。前記フィルム1は、主たる熱収縮方向に対して直交する方向(例えば短手方向)に熱変化するものでもよく、その方向における熱収縮率は、例えば、−3〜15%であり、好ましくは1〜10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
熱収縮率(%)=[{(長手方向(又は短手方向)の元の長さ)−(長手方向(又は短手方向)の浸漬後の長さ)}/(長手方向(又は短手方向)の元の長さ)]×100。
ラベルデザイン部2は、1つのラベルのデザインを構成している。フィルム1には、纏まりある任意の画像(デザイン)を1つのデザインパターン(ラベルデザイン部2)とし、そのデザインパターン(ラベルデザイン部2)が長手方向に繰り返して印刷されている。その長手方向に並んだ複数のラベルデザイン部2を「デザイン列」とすると、デザイン列が、フィルム1の短手方向に1列だけ設けられていてもよいが、通常、短手方向に2列以上(複数列)設けられる。
デザイン列は、フィルム1の短手方向に2列以上有していればよく、好ましくは、3列以上、より好ましくは、4列以上配置される。デザイン列の列数の上限は、特に制限はなく、フィルム1の短手方向長さとラベルデザイン部2の短手方向長さとの関係で決定される。
図1の例では、便宜上、短手方向において10列のデザイン列が設けられたラベル連続体Aを表している。
フィルム1が透明であるため、ラベルデザイン部2は、フィルム1の表面及び裏面の少なくとも一方に設けられる。傷付き防止の観点では、ラベルデザイン部2は、図3に示すように、フィルム1の裏面に設けられていることが好ましい。
図1及び図2において、透明なフィルム1の表面側から見たときに視認できる、ラベルデザイン部2を実線で表している(他の平面図についても同様)。また、ラベルデザイン部2のデザインとして、便宜上、抽象的な図形(3つの長方形、文字A及び正方形)を表している。
横非デザイン部3yは、透明なフィルム1の部分からなる。つまり、透明なフィルム1に着色インキを印刷してラベルデザイン部2を形成するが、その着色インキを印刷しない部分が横非デザイン部3yとなっている。
横非デザイン部3yの幅(フィルム1の長手方向における横非デザイン部3yの長さ)は、特に限定されず、例えば、2mm〜10mmであり、好ましくは4mm〜8mmである。
縦非デザイン部3tは、透明なフィルム1の部分からなる。つまり、透明なフィルム1に着色インキを印刷してラベルデザイン部2を形成するが、その着色インキを印刷しない部分が縦非デザイン部3tとなっている。
縦非デザイン部3tの幅(フィルム1の短手方向における縦非デザイン部3tの長さ)は、特に限定されず、例えば、3mm〜15mmであり、好ましくは5mm〜10mmである。
凸版印刷にあっては、着色インキの網点(インキ網点)の大きさ及び密度と着色インキの色によって巨視的な色彩及び模様を表現できる。巨視的な色彩に関して、少なくともCMYKの4色の着色インキ(第1インキ乃至第4インキ)を用いることにより、全ての色彩を表現できる。前記Cは、シアンの略であり、Mは、マゼンタの略であり、Yは、イエローの略であり、Kは、キープレートの略である。
なお、本明細書において、巨視的とは、正常な視力を持つ標準的な成人の目視によって見ることをいい、微視的とは、拡大鏡(例えば、25倍に拡大)を通して見ることをいう。
網点の密度は、円筒状版の凸版の小突起の線数(1インチ当たりの数)によって略決まり、網点の大きさは、その小突起の頂面の大きさによって略決まる。ただし、凸版印刷時、前記凸版の小突起の頂面のインキがフィルムに転写された際には、インキは押し広げられるので、インキ網点の平面視形状は、小突起の頂面よりも大きくなることが多い。
前記網点部5は、前記線状部4を基準として横非デザイン部3yとは反対側であって前記線状部4に隣接する領域に少なくとも設けられる。
前記網点部5は、微視的には複数のインキ網点の集合からなり、巨視的には、個々のインキ網点を視認できず所望の色彩に見える部分である。前記線状部4は、微視的には線状(線状は帯状とも言える)にインキが付着したインキ線からなり、巨視的には所望の色彩の線状に見える部分である。
なお、複数のインキ網点の集合からなる網点部5は、そのインキ網点の大きさ及び密度により、巨視的及び微視的に隣接するインキ網点が繋がってベタ状にインキが付着している場合もある。このようなベタ状に見える網点部5であっても、個々のインキ網点から構成される点及び厚みが均等でない点で、平面視線状の線状部4とは区別できる。
また、図1乃至図3において、ラベルデザイン部2のデザインとして、3つの長方形(以下、第1乃至第3模様範囲a乃至cという)と、文字「A」で象られた形状(以下、第4模様範囲dという)と、1つの正方形(以下、第5模様範囲eという)と、これら第1乃至第5模様範囲a乃至eの周辺(以下、背景模様範囲fという)と、が表されている場合を例に採って説明する。
図2において、線状部4及び網点部5並びに背景模様範囲fを判り易く表すため、線状部4に斜線(紙面左上から右下への斜線)を付し、網点部5に無数の小ドットを付し、背景模様範囲fに細い斜線(紙面右上から左下への細斜線)を付している。
ラベルデザイン部2のうち、線状部4以外は、網点部5から構成されている。
前記第2インキ印刷部は、第2インキがベタ状に付着した線状部(以下、第2線状部という)と、前記第2インキが複数の網点状に付着した第2インキ網点の集合からなる網点部(以下、第2網点部という)と、を有し、第2線状部と第2網点部が、ラベルデザイン部2と非デザイン部3yの一方側の境界部から他方側の境界部に向かって順に設けられている。前記第2線状部は、長手方向の一方側におけるラベルデザイン部2と横非デザイン部3yの境界部に設けられる。前記第2網点部は、前記第2線状部に隣接する領域に少なくとも設けられる。
前記第3インキ印刷部は、第3インキがベタ状に付着した線状部(以下、第3線状部という)と、前記第3インキが複数の網点状に付着した第3インキ網点の集合からなる網点部(以下、第3網点部という)と、を有し、第3線状部と第3網点部が、ラベルデザイン部2と非デザイン部3yの一方側の境界部から他方側の境界部に向かって順に設けられている。前記第3線状部は、長手方向の一方側におけるラベルデザイン部2と横非デザイン部3yの境界部に設けられる。前記第3網点部は、前記第3線状部に隣接する領域に少なくとも設けられる。
前記第4インキ印刷部は、第4インキが複数の網点状に付着した第4インキ網点の集合からなる網点部(以下、第4網点部という)を有する。
ラベルデザイン部2は、少なくとも第1網点部51と第2網点部52の色彩が掛け合わされた領域を有する。
第1網点部51、第2網点部52及び第3網点部53は、背景模様範囲fに設けられている。換言すると、背景模様範囲fは、第1網点部51、第2網点部52及び第3網点部53から構成され、所望の色彩(第1乃至第3インキが掛け合わされた色彩)に表現されている。かかる背景模様範囲fは、前記第1網点部51、第2網点部52及び第3網点部53の各色彩が掛け合わされた領域である。
第1模様範囲aは、図4に示すように、例えば、複数の第1網点61からなる第1網点部51から構成され且つ所望の色彩(第1インキの色彩)に表現されている。
複数の線状部が隣接して設けられている場合であっても、個々の線状部そのものは明確であるため、ラベルデザイン部2のエッジがシャープな感じに見える。もっとも、上記のように各線状部が重なって設けられていることにより、線状部4の幅が小さくなるので、よりシャープな感じに見えるようになる上、読み取りセンサーの読み取り精度も向上するので好ましい。
上記ラベル連続体Aは、例えば、次のような方法で得ることができる。ただし、本発明のラベル連続体Aは、下記製法によって得られたものに限定されるわけではない。
ラベル連続体Aは、長尺帯状のフィルム1を長手方向に搬送する工程、搬送中のフィルム1に少なくとも1つのインキ(第1インキ)を印刷してラベルデザイン部2を形成する工程、によって得られる。
前記ラベルデザイン部2を形成する際の印刷方式は、シート状の印刷版を版胴に巻き付けた円筒状版を用いた凸版印刷方式であり、好ましくは、前記円筒状版を用いたフレキソ印刷方式である。
フィルム1を長手方向に送る途中に、印刷機7が配置されている。印刷機7は、例えば、フレキソ印刷方式の円筒状版を有する。上述のように、ラベルデザイン部2が第1乃至第4インキ印刷部からなる場合には、4つの円筒状版(第1円筒状版、第2円筒状版、第3円筒状版及び第4円筒状版)が配設される。
例えば、第1円筒状版81、第2円筒状版82、第3円筒状版83及び第4円筒状版84は、この順で、フィルム1の搬送方向上流側から下流側に配設されている。なお、第1乃至第4円筒状版81乃至84の配置は、この順に限定されず、適宜変更できる。
前記円筒状版(第1乃至第4円筒状版81乃至84)は、円柱状の版胴と、その版胴の周囲に巻き付けたシート状の印刷版(第1乃至第4印刷版)と、を有する。シート状の印刷版は、例えば、エラストマーやゴムなどの柔軟性を有するシートに、凸版が形成されたものである。前記版胴及びシート状の印刷版並びにアニロックスロール72及びドクターチャンバー73などの印刷機7は、従来公知のフレキソ印刷方式で用いられているものを用いることができる。
第1円筒状版81は、支持軸815を有する円柱状の版胴816と、その版胴816の周囲に巻き付けたシート状の第1印刷版817と、第1印刷版817の両端部の継ぎ目を埋める目地接着剤818と、を有する。
第1印刷版817は、その表面に、第1インキ印刷部を印刷する凸版が形成されている。
図9及び図10を参照して、凸版811に表面には、第1線状部41を形成する長状小突起812と、第1インキ網点を形成する点状小突起813,814と、が突設されている。長状小突起812は、第1円筒状版81の軸方向(この方向は、フィルム1の短手方向に相当する)に延びる細長い帯状の突起からなる。長状小突起812は、1つの凸版811の回転方向先頭側に配置されている。前記長状小突起812の内側には、複数の点状小突起813,814が配置されている。小突起の線数(密度)及び頂面の大きさは、デザイン及び掛け合わせ色などを考慮して適宜設定される。図示例では、背景模様範囲fの第1網点61を印刷する点状小突起813と、第1模様範囲aの第1網点61を印刷する点状小突起814を表している。背景模様範囲fの第1網点61を印刷する点状小突起813の線数は、第1模様範囲aの第1網点61を印刷する点状小突起814の線数よりも小さく、同点状小突起813の頂面の大きさは、同点状小突起814の頂面の大きさよりも小さい。
図7に示すように、長尺帯状のフィルム1を長手方向に搬送する。
フィルム1をセンタードラム71の周囲に沿わせて送ると、後述する印刷工程において、フィルム1に順に凸版印刷が施される。
印刷工程においては、フィルム1に少なくとも1つのインキ(第1インキ)を印刷してラベルデザイン部2を形成する。
例えば、第1乃至第4インキ印刷部からなるラベルデザイン部2を形成する場合には、図7を参照して、センタードラム71に送られたフィルム1に、第1乃至第4円筒状版81乃至84を通じて、第1乃至第4インキ印刷部が凸版印刷されていく。上記長状小突起812は、線状部4を印刷し、点状小突起813は、インキ網点を印刷する。
一般に、凸版印刷にあっては、凸版の小突起のうち回転方向先頭側に位置する小突起は、フィルムに強く接触し、変形し易い傾向にある。この点、本発明の円筒状版は、回転方向先頭側に長状小突起812が設けられており、長状小突起812は、点状小突起813に比して変形し難いので、長状小突起812によって歪みの少ない綺麗な線状部4を形成できる。
このようにして図1に示すようなラベル連続体Aが得られる。得られたラベル連続体Aは、通常、芯材75を有する巻き取り部に巻き取られる。
本発明のラベル連続体Aは、それから個々のラベルを取り出して使用される。
ラベル連続体Aから取り出したラベルを物品に装着するが、上記のように複数のデザイン列を有するラベル連続体Aにあっては、通常、これを1列のデザイン列を有する連続体に分割する。以下、1列のデザイン列を有する連続体を「単列連続体」という。
スリット加工は、長手方向に沿ってラベル連続体Aを切断して、短手方向に隣接する各デザイン列を分割する加工である。
図11に示すように、ラベル連続体Aを長手方向に搬送している途中に、スリット加工するための切断機76が配設されている。切断機76としては、図示のような鍔状の刃77を有するスリッター76のほか、カッター、レーザー切断機などが挙げられる。
ラベル連続体Aを1列毎に分割するように、短手方向に隣接するデザイン列間においてラベル連続体Aを長手方向に沿って切断する。縦非デザイン部3tが設けられているラベル連続体Aにあっては、通常、縦非デザイン部3tにおいてラベル連続体Aを長手方向に沿って切断する。例えば、10列のデザイン列を有する上記ラベル連続体Aからは、10枚の単列連続体Bが得られる。スリット加工によって生じるラベル連続体Aの両側部A1,A2(いわゆる耳)は、廃棄される。
なお、前記スリット加工は、上述のラベル連続体Aの製造ラインで行ってもよい。つまり、印刷機7でラベルデザイン部2を印刷してラベル連続体Aを作製し、その次に(ロール状に巻き取らずに)、スリット加工を行って単列連続体Bを作製してもよい。
このようにして図12に示すような、単列連続体Bが得られる。この単列連続体Bも、長尺帯状の透明なフィルム1の長手方向にラベルデザイン部2と横非デザイン部3yが交互に繰り返して配置されているものである。
単列連続体Bも、通常、ロール状に巻いた状態で保管・運搬に供される。
単列連続体Bからラベルを取り出す工程(ラベル連続体からラベルを製造する工程)及びそのラベルを物品に装着する工程(ラベル装着工程)は、一般的には、ラベラーを用いて実施される。
具体的には、ロール状に巻き取られた単列連続体Bをラベラーに装填し、それを長手方向に引き出し、1つのラベルデザイン部2毎に切り取っていく。
図13に示すように、単列連続体Bを長手方向に搬送している途中には、読み取りセンサー78が配置されており、ラベルデザイン部2のエッジ(ラベルデザイン部2と横非デザイン部3yの境界部に延在する線状部4)を読み取る。読み取りセンサー78としては、光電管センサー、カメラなどが挙げられる。
図13において、切断箇所を太矢印で示し、切断線を破線で示している。このようにして1つのラベルCが得られる。
本発明のラベル連続体Aは、長手方向の一方側におけるラベルデザイン部2と横非デザイン部3yの境界部に線状部4が設けられているので、単列連続体Bを切断する際に、読み取りセンサー78がラベルデザイン部2のエッジ(線状部4)の位置を正確に読み取ることができる。このため、単列連続体Bを所定位置で切断して、設計通りのラベルCを得ることができる。
例えば、単列連続体Bから取り出されるラベルCが巻付けラベルである場合、図14(a)に示すように、その一方の端部C1を容器などの物品9に貼り付け、ラベルを物品9の周囲に巻き付けた後、同図(b)に示すように、その他方の端部C2の裏面を一方の端部C1の表面に貼り付ける(又はその他方の端部C2の裏面を物品9に貼り付ける)ことにより、ラベル付き物品Dが得られる。
本発明のラベル連続体Aから得られるラベルCは、線状部4が設けられているので、ラベルデザイン部2のエッジがシャープな感じに見え、外観も良好である。
長手方向両側の境界部に線状部4,4’が設けられたラベル連続体を、スリット加工して得られた単列連続体Bを、図17に示す。この単列連続体Bについても、上述のように、横非デザイン部3yの中の何れかの位置で切断又はラベルデザイン部2のエッジ付近で切断することにより、1つのラベルCが得られる。
例えば、図17に示すように、長手方向両側の境界部に線状部4,4’が設けられた単列連続体B(ラベル連続体)を、ラベルデザイン部2のエッジ付近で切断する場合を図示している(切断箇所を太矢印で示し、切断線を破線で示している)。得られたラベルCは、2つの線状部4,4’及び横非デザイン部3yを含み且つ前記横非デザイン部3yを挟んで前記2つの線状部4,4’が向かい合っている。このラベルCを、図18(a)に示すように、その一方の端部C1を容器などの物品9に貼り付け、ラベルを物品9の周囲に巻き付けた後、同図(b)に示すように、その他方の端部C2の裏面を一方の端部C1の表面に貼り付ける。この際、前記一方の端部C1側の線状部4,4’(及び横非デザイン部3y)に前記他方の端部C2が被さるように、前記ラベルCを貼り付けてもよい。このようにして得られたラベル付き物品Dは、同図(b)に示すように、シャープな感じのデザインエッジである線状部4、4’が隠れるようになる。
また、筒状ラベルである場合には、図19に示すように、単列連続体Bを、その短手向を周方向とし且つ裏面側を内側にして筒状に形成する。その後、その筒状に形成した単列連続体Bを1つのデザイン毎に分割するべく切断することによって、図20に示すような、熱収縮性又は自己伸縮性の筒状ラベルEが得られる。例えば、熱収縮性を有するフィルム1を用いた場合には、前記単列連続体Bから筒状シュリンクラベルEが得られる。なお、上記実施形態では、長手方向に主として熱収縮するフィルム1又は長手方向に主として自己伸縮するフィルム1を例示しているが、筒状ラベルとする場合には、短手方向に主として熱収縮するフィルム1又は短手方向に主として自己伸縮するフィルム1が用いられる。
得られた筒状ラベルE(例えば、筒状シュリンクラベル)は、任意の適切な容器に装着して使用される。前記筒状ラベルEは、線状部4が設けられているので、容器に装着した後でもラベルデザイン部2のエッジがシャープな感じに見え、外観も良好である。
また、前記線状部4に対応する箇所が容器のリブや底部に位置するようにして、前記筒状ラベルEを物品に装着することにより、外観上、線状部4を目立ち難くすることもできる。
B 単列連続体
C ラベル
1 フィルム
2 ラベルデザイン部
3y 非デザイン部
4 線状部
41 第1線状部
42 第2線状部
5 網点部
51 第1網点部
52 第2網点部
Claims (5)
- 長尺帯状のフィルムと、
前記フィルムの長手方向に繰り返された複数のラベルデザイン部と、
長手方向に隣接する前記ラベルデザイン部の間に短手方向に延びる非デザイン部と、を有し、
前記各ラベルデザイン部が、着色インキを凸版印刷したインキ印刷部を含み、
前記インキ印刷部が、前記着色インキがベタ状に付着した線状部と、前記着色インキが網点状に付着した複数のインキ網点の集合からなる網点部と、を有し、
前記ラベルデザイン部と前記非デザイン部の一方側の境界部から他方側の境界部に向かって順に、前記線状部と前記網点部が設けられている、ラベル連続体。 - 請求項1に記載の着色インキ、線状部及びインキ網点部を、第1インキ、第1線状部及び第1網点部と称した場合、
前記各ラベルデザイン部が、前記第1インキとは異なる着色インキである第2インキを凸版印刷した第2インキ印刷部を含み、
前記第2インキ印刷部が、前記第2インキがベタ状に付着した第2線状部と、前記第2インキが網点状に付着した複数の第2インキ網点の集合からなる第2網点部と、を有し、 前記ラベルデザイン部と前記非デザイン部の一方側の境界部から他方側の境界部に向かって順に、前記第2線状部と前記第2網点部が設けられており、
少なくとも前記第1網点部と第2網点部の色彩が掛け合わされた領域を有する、請求項1に記載のラベル連続体。 - 前記第1線状部と前記第2線状部が重なっている、請求項2に記載のラベル連続体。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベル連続体を用いた、筒状シュリンクラベル。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベル連続体を用いた、巻付けラベル。
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