JP2021139788A - 電池特性決定装置及び二次電池システム - Google Patents
電池特性決定装置及び二次電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021139788A JP2021139788A JP2020038653A JP2020038653A JP2021139788A JP 2021139788 A JP2021139788 A JP 2021139788A JP 2020038653 A JP2020038653 A JP 2020038653A JP 2020038653 A JP2020038653 A JP 2020038653A JP 2021139788 A JP2021139788 A JP 2021139788A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- secondary battery
- positive electrode
- electrode
- negative electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/36—Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
- G01R31/367—Software therefor, e.g. for battery testing using modelling or look-up tables
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/36—Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
- G01R31/378—Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC] specially adapted for the type of battery or accumulator
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R31/00—Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
- G01R31/36—Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
- G01R31/392—Determining battery ageing or deterioration, e.g. state of health
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
- H01M10/42—Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
- H01M10/48—Accumulators combined with arrangements for measuring, testing or indicating the condition of cells, e.g. the level or density of the electrolyte
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M50/00—Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
- H01M50/50—Current conducting connections for cells or batteries
- H01M50/543—Terminals
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
- Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
Abstract
【課題】容量回復を行ったときでも精度よく電池特性を決定可能な電池特性決定装置を提供する。【解決手段】正極と、負極と、前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極にリチウムイオンを補充する第三極とを備えるリチウムイオン二次電池の、劣化に伴って変化する電池特性を決定する電池特性決定装置であって、前記リチウムイオン二次電池の前記電池特性を決定する決定パラメータを、前記電極への前記リチウムイオンの補充による容量回復の際に更新するパラメータ更新部52を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、電池特性決定装置及び二次電池システムに関する。
リチウムイオン二次電池(以下「二次電池」と適宜略記する)は、充放電の繰り返し、長時間の放置等によって劣化し、電池容量が低下する。そこで、劣化に伴って生じた電池容量を回復させる技術が知られている。特許文献1には、正極と、負極と、電解質と、前記正極と前記負極との少なくともいずれかにリチウムイオンを補充する第三極を備えるリチウムイオン電池であって、前記第三極は、Li+を放出する材料を含み、前記Li+を放出する材料の電位はLi/Li+基準で1.8V以上であることを特徴とするリチウムイオン電池が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、容量回復によって電池容量が必ずしも初期の電池容量に戻るものではない。このため、容量回復後、例えば内部抵抗等の電池特性に関する初期状態の決定パラメータを用いて電池特性を決定すると、決定された電池特性の精度が低いことがある。
本発明が解決しようとする課題は、容量回復後においても精度よく電池特性を決定可能な電池特性決定装置及び二次電池システムの提供である。
本発明が解決しようとする課題は、容量回復後においても精度よく電池特性を決定可能な電池特性決定装置及び二次電池システムの提供である。
本発明の電池特性決定装置は、正極と、負極と、前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極にリチウムイオンを補充する第三極とを備えるリチウムイオン二次電池の、劣化に伴って変化する電池特性を決定する電池特性決定装置であって、前記リチウムイオン二次電池の前記電池特性を決定する決定パラメータを、前記電極への前記リチウムイオンの補充による容量回復の際に更新するパラメータ更新部を備える。その他の解決手段は発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、容量回復後においても精度よく電池特性を決定可能な電池特性決定装置及び二次電池システムを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。ただし、本発明は以下の内容及び図示の内容になんら限定されず、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意に変形して実施できる。本発明は、異なる実施形態同士を組み合わせて実施できる。以下の記載において、異なる実施形態において同じ部材については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、二次電池100を示す模式的な断面図である。また、図2は、二次電池100を示し、図1とは異なる方向への模式的な断面図である。本明細書において、二次電池100は、二次電池のセル、電池モジュール又は電池パックのいずれでもよい。例えば、二次電池100は、複数個のセルを含むものであってもよい。また、二次電池100は、複数個のセルを含む電池モジュールを複数個含む構成であってもよい。
二次電池100は、正極11と、負極12と、正極11又は負極12の少なくとも一方の電極1にリチウムイオンを補充する容量回復極15(第三極。電極1)とを備えるものである。他にも、二次電池100は、正極11に接続された正極端子2と、負極12に接続された負極端子3と、容量回復極15に接続された容量回復極端子4(第三極端子)と、セパレータ5と、外装材6と、を備える。
正極11、負極12及び容量回復極15は、それぞれ、適切な金属の集電箔に適切な電極活物質、導電剤、結着剤等の混合体を塗布して作製されたものである。従って、正極11、負極12及び容量回復極15には、それぞれ、集電箔に電極活物質等が保持される。容量回復極15の活物質は、反応種を内部に含むものが望ましい。二次電池100の反応種は、リチウムイオンである。この場合、例えば、正極活物質としても用いられるLiCoO2、LiNixMnyCozO2等を容量回復極15の活物質として用いることができる。詳細は後記するが、正極11と容量回復極15との間への通電により、正極11にリチウムイオンを補充できる。
正極11、負極12及び容量回復極15の集電箔には、金属のタブが接続されている。タブ部分だけがラミネートフィルム等の外装材6の外部に露出するように、電極1、セパレータ5及び非水電解液(図示しない)が外装材6により封止される。これにより、タブが図1の正極端子2、負極端子3及び容量回復極端子4となる。また、正極11と負極12とはセパレータ5を挟んで交互に配置される。容量回復極15は、電極としては最も外側に配置される。容量回復極15の外側にも、セパレータ5が配置される。
二次電池100は、例えば、正極11と負極12とをセパレータ5を介して対向させ、捲回又は積層をすることにより作製できる。この場合、容量回復極15は、捲回体の捲回軸(中心軸)付近又は最外周部に配置してもよい。また、容量回復極15は、積層体の一部として配置してもよい。
図3は、二次電池100に接続された充放電装置350を示す回路図である。二次電池システム500は電池特性決定装置355を備え、詳細には、二次電池100と電池特性決定装置355を含む充放電装置350とを備える。充放電装置350は、電流計351と、電圧計352と、抵抗353と、電源354と、電池特性決定装置355と、充放電切替スイッチ356と、容量回復スイッチ357と、温度計360とを備える。二次電池100を構成する正極端子2は、図2に示す例では並列になるように、充放電装置350に接続される。同様に、二次電池100を構成する負極端子3及び容量回復極端子4は、それぞれ、図2に示す例では並列になるように、充放電装置350に接続される。
容量回復スイッチ357は、二次電池100の負極端子3及び容量回復極端子4のいずれかを正極端子2と接続するように設置される。なお、本発明は、本図の構成に限定されるものではなく、二次電池100の正極端子2及び容量回復極端子4のいずれかを負極端子3と接続するように容量回復スイッチ357を設置してもよい。
二次電池100の劣化により電池容量が低下した場合に行われる容量回復について説明する。容量回復は、正極11である電極1へのリチウムイオンの補充によって行われる。具体的には、まず、電池特性決定装置355の容量回復部57(後記する)は、容量回復スイッチ357に信号を出力することで、容量回復極端子4と正極端子2とを接続する。また、容量回復部57は、充放電切替スイッチ356に信号を出力することで、容量回復極端子4と正極端子2との間のリチウムイオン(反応種)の移動方向に応じて、充放電切替スイッチ356を操作する。
容量回復極15(図2)の活物質が正極11(図2)の活物質と同じである場合、容量回復極15から正極11にリチウムイオンを移動させるとき、容量回復部57は、充放電切替スイッチ356を抵抗353側に繋ぐ。これにより、正極端子2から容量回復極端子4に電流が流れ、リチウムイオンが正極11に補充される。逆に、正極11から容量回復極15にリチウムイオンを移動させるとき、容量回復部57は、充放電切替スイッチ356を電源354側に繋ぐ。これにより、正極11から容量回復極15に電流が流れ、容量回復極15にリチウムイオンが補充される。
充放電切替スイッチ356のどちらの側に繋ぐのかは、例えば、後記する図12及び図13に記載の電極電位Vnegのグラフの位置に応じて決定できる。容量回復極15から正極11にリチウムイオンを移動させると、後記の図13に示すように、負極カーブである電極電位Vnegのグラフが相対的に右方向に移動する。電極電位Vnegの右端は、正極カーブである電極電位Vposの右端にある程度近く、かつ、電極電位Vposの右端よりも左側に存在することが好ましい。そこで、電極電位Vnegの右端がこの位置に存在するように、容量回復極15から正極11にリチウムイオンを移動させることが好ましい。
一方で、電極電位Vnegの右端が電極電位Vposの右端よりも右側に存在する場合、二次電池100の劣化が進行し易い。そこで、この場合には、正極11から容量回復極15にリチウムイオンを移動させることで、電極電位Vnegの右端が上記の位置に存在するようにすることが好ましい。
リチウムイオンの補充量(容量回復量)は、二次電池100の劣化状態に基づき決定された充放電量によって決定できる。劣化状態は、例えば、詳細は後記するが、初期状態の電池容量に対する現時点での電池容量を算出することで決定できる。また、充放電量は、例えば、初期状態の電池容量と、現時点での電池容量との差分を算出し、その差分の所定割合(例えば50%、70%等)とすることができる。容量回復部57による容量回復中、容量回復部57は、電流計35の出力に基づき正極11と容量回復極15との間での充放電量を算出する。そして、容量回復部57は、算出された充放電量が目標とする充放電量に到達したら、容量回復スイッチ357及び充放電切替スイッチ356を操作する。これにより、正極11と容量回復極15との間の電流が遮断される。
なお、上記の例では、正極11と容量回復極15との間でのリチウムイオンの移動について例示したが、例えば、負極12と容量回復極15との間でリチウムイオンを移動させてもよい。従って、リチウムイオンがやり取りされる電極1は、正極11又は負極12のいずれでもよい。
電流計351は、正極端子2と負極端子3との間又は正極端子2と容量回復極端子4との間に流れる電流を測定し、結果を電池特性決定装置355に出力する。また、電圧計352は、正極端子2と負極端子3との間の電圧を測定し、結果を電池特性決定装置355に出力する。なお、正極端子2と容量回復極端子4との間、又は、負極端子3と容量回復極端子4との間の少なくとも一方の電圧を測定する電圧計を追加で設置してもよい。さらに、温度計360は、二次電池100の内部温度を測定し、結果を電池特性決定装置355に出力する。
図4は、電池特性決定装置355のブロック図である。電池特性決定装置355は、二次電池100において、劣化に伴って変化する電池特性を決定するものである。電池特性決定装置355は、劣化状態把握部50と、容量回復量算出部51と、パラメータ更新部52と、電極データベース53と、電池特性決定部54、電池データベース(DB)55と、許容値算出部56と、容量回復部57とを備える。電極データベース53は、正極に関する正極特性を記憶した正極データベース(DB)53a、及び負極に関する負極特性を記憶した負極データベース(DB)53bを含む。
劣化状態把握部50は、二次電池100の温度、電流及び電圧と、パラメータ更新部52により更新された決定パラメータに基づく電池特性とに基づいて二次電池100の劣化状態を把握するものである。決定パラメータは、詳細は後記するが、例えば、二次電池100の電池特性を算出する所定の関係式に含まれるものである。劣化状態把握部50を備えることで、二次電池100の温度、電流及び電圧に基づき、二次電池100の劣化状態を把握できる。
決定パラメータを用いて算出可能な電池特性は、例えば二次電池100の内部抵抗である。これにより、容量回復が行われても、二次電池100の内部抵抗を精度よく算出できる。
劣化状態の把握は、例えば以下のようにして行われる。劣化状態把握部50は、現在の二次電池100の温度、電流及び電圧に基づき、現在の二次電池100の劣化状態を判断する。具体的には、劣化状態把握部50は、微小かつ一定の電流で、満充電状態から全放電状態まで放電又は全放電状態から満充電状態まで充電する。そして、この際に得られた放電容量又は充電容量と、電池データベース55(後記する)に含まれる電池特性に基づき算出された放電容量又は充電容量とを比較し、容量減少量を劣化状態と考えることができる。このとき、放電容量又は充電容量は、取得した温度における電池特性を用いて算出できる。
なお、詳細は後記するが、電池データベース55は、パラメータ更新部52により更新された決定パラメータに基づく電池特性を含む。電池特性に基づく放電容量又は充電容量は、例えば放電時であれば、後記する図11に示すOCVcellの下限値に対する充放電量Qcellである。
また、劣化状態は、運転中の電流波形及び電圧波形を統計的に処理したり、制御回路が有する電池特性パラメータに基づき回帰計算処理(再現計算処理)をしたりすることで開回路電圧を予測し、充放電量と開回路電圧との関係から劣化状態を把握してもよい。
劣化状態の把握において、充放電は、「満充電状態から全放電状態まで放電」及び「満充電状態から全放電状態まで充電」に限定されない。充放電の範囲は、広いほうが好ましく、この例のように100%の範囲で充放電することが好ましい。ただし、その後の工程が円滑に行えるならば、満充電状態から全放電状態までの例えば50%以上の範囲で充放電してもよく、可能であれば、50%未満の範囲でもよい。
容量回復量算出部51は、二次電池100の温度、電流及び電圧と、パラメータ更新部52により更新された決定パラメータに基づく電池特性とに基づいて前記二次電池の容量回復量を算出するものである。容量回復量算出部51を備えることで、二次電池100の温度、電流及び電圧に基づいて、容量回復部57による容量回復量を算出できる。
容量回復量の算出は、例えば以下のようにして行われる。容量回復量算出部51は、例えば、容量回復操作の前後で上記の劣化状態の把握を行い、劣化状態の変化から容量回復量を判定する。また、容量回復量は、容量回復操作である容量回復極15から正極11又は負極12へのリチウムイオンの移動量を電流計の値から計算し、所定の係数を掛けて容量回復量を予測してもよい。
パラメータ更新部52は、二次電池100の電池特性を決定する決定パラメータを、電極1へのリチウムイオンの補充による容量回復の際に更新するものである。ここでいう決定パラメータは、例えば、正極11に関する正極特性及び負極12に関する負極特性に基づいて上記の電池特性を決定するものである。正極特性は正極データベース53aに記憶される。負極特性は負極データベース53bに記憶される。正極データベース53a及び負極データベース53bについて、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、正極データベース53aの模式図(表)である。図6は、負極データベース53bの模式図(表)である。図5及び図6では、一例として、正極特性は、正極11(図2)の内部抵抗を含み、負極特性は、負極12(図2)の内部抵抗を含む。正極データベース53a及び負極データベース53bは、図5及び図6の例ではいずれもデータテーブルの形式であるが、例えばデータを表す関数でもよい。
正極データベース53aは、劣化に伴って変化する二次電池100の電池特性(例えば内部抵抗)のうち正極に関する正極特性を含む。正極特性は、二次電池100の充電状態Xpos、正極11の電極電位Vpos、及び、上記のように二次電池100の電池特性のうち正極の内部抵抗を示す抵抗値R0pos、R1pos、R2posを含む。負極データベース53bは、劣化に伴って変化する二次電池100の電池特性のうち負極に関する負極特性を含む。二次電池100の充電状態Xneg、正極11の電極電位Vneg、及び、上記のように二次電池100の電池特性のうち負極の内部抵抗を示す抵抗値R0neg、R1neg、R2negを含む。
正極特性及び負極特性は、それぞれ、二次電池100の充電状態Xpos、Xneg、正極11又は負極12の電極電位Vpos、Vneg、及び二次電池100の電池特性の一例である内部抵抗を示す抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negを相互に関連付けている。このようにすることで、例えば、充電状態及び電極電位が決定されれば、電池特性を決定できる。なお、充電状態は、例えばSOCを示す数値である。
抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negについて説明する。電池特性が内部抵抗である場合、内部抵抗は例えば二次電池100の充電又は放電直後の抵抗値を含む。具体的には例えば、二次電池100の内部抵抗は、二次電池100の充放電開始から0.1秒後の抵抗値R0、充放電開始から中程度の時間経過後(例えば10秒後)の抵抗値R1、充放電開始から長時間経過後(例えば60秒後)の抵抗値R2を含む。
二次電池100の内部抵抗は、正極11における内部抵抗と、負極12における内部抵抗とに基づき決定できる。そこで、正極特性は、正極11の内部抵抗に関する抵抗値R0pos、R1pos、R2posを含む。負極特性は、負極12の内部抵抗に関する抵抗値R0neg、R1neg、R2negを含む。
なお、正極11の抵抗値R0pos、R1pos、R2posは、正極11及び負極としての基準電極(例えばリチウム)を備えるリチウム二次電池を作製し、温度を固定してSOCを変化させて内部抵抗を上記時間ごとに測定することで、決定できる。また、負極12の抵抗値R0neg、R1neg、R2negは、負極12及び正極としての基準電極(例えばリチウム)を備えるリチウム二次電池を作製し、温度を固定してSOCを変化させて内部抵抗を上記時間ごとに測定することで、決定できる。
充電状態Xpos、Xneg、電極電位Vpos、Vneg、及び二次電池100の電池特性の一例である抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negは、それぞれ、図示の例では温度Tである指標値毎に関連付けられている。このようにすることで、温度T等の指標値に基づいて、電池特性を決定できる。
なお、例えば充電状態と電池特性との関係は、電流値によっても変化し得る。このため、充電状態Xpos、Xneg、電極電位Vpos、Vneg、及び二次電池100の電池特性の一例である抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negを関連付ける指標値は、上記のように温度Tであるほか、電流値であってもよく、温度T及び電流値の双方でもよい。指標値が温度T及び電流値の双方である場合、例えば、温度Tを固定し、変更した電流値毎に例えば充電状態及び電池特性を決定すればよい。
正極特性及び負極特性は、いずれも、二次電池100が劣化していない初期状態における正極特性及び負極特性としての数値を含む。具体的には、正極特性は、二次電池100が劣化していない初期状態における充電状態Xposと電極電位Vposとの関係、及び、二次電池100が劣化していない初期状態における充電状態Xposと抵抗値R0pos、R1pos、R2posとの関係を含む。同様に、負極特性は、初期状態における充電状態Xnegと電極電位Vnegとの関係、及び初期状態における充電状態Xnegと抵抗値R0neg、R1neg、R2negとの関係を含む。
正極特性は、温度TがT1において、充電状態XposがXpos,1〜Xpos,n(nは2以上の整数。以下同じ)、電極電位VposがVpos,1〜Vpos,nのそれぞれにおいて、抵抗値R0pos,1〜R0pos,n、R1pos,1〜R1pos,n、R2pos,1〜R2pos,nを含む。これらは、温度TがT1〜Tm(mは2以上の整数)まで温度T毎に含まれる。これらの点は、図6に示す負極特性においても同様である。
図7は、正極特性のうち、充電状態Xposと電極電位Vposとの関係を示すグラフである。図7に示すグラフは25℃において実測したものである。充電開始により充電状態Xposが大きくなると、正極11の電極電位Vposは急激に増加した後、更に指数関数的に増加する。図7に示すグラフを例えばテーブル化することで、上記の図5に示した充電状態Xpos及び電極電位Vposを含む正極特性が得られる。
図8は、負極特性のうち、充電状態Xnegと電極電位Vnegとの関係を示すグラフである。図8に示すグラフは25℃において実測したものである。充電開始により充電状態Xnegが大きくなると、負極12の電極電位Vnegは急激に減少した後、更に緩やかに減少する。図8に示すグラフを例えばテーブル化することで、上記の図6に示した充電状態Xneg及び電極電位Vnegを含む負極特性が得られる。
図9は、正極特性のうち、充電状態Xposと抵抗値R2posとの関係を示すグラフである。図9に示すグラフは25℃において実測したものである。充電開始により充電状態Xposが大きくなると、抵抗値R2posは急激に減少した後、略一定状態になる。図9に示すグラフを例えばテーブル化することで、上記の図5に示した充電状態Xpos及び抵抗値R2posを含む正極特性が得られる。
図10は、負極特性のうち、充電状態Xnegと抵抗値R2negとの関係を示すグラフである。図10に示すグラフは25℃において実測したものである。充電開始により充電状態Xnegが大きくなると、抵抗値R2negは急激に減少した後、ある程度の変動を有しつつある程度低い状態で維持される。図10に示すグラフを例えばテーブル化することで、上記の図6に示した充電状態Xneg及び抵抗値R2negを含む負極特性が得られる。
なお、図示はしないが、抵抗値R0pos、R0neg、R1pos及びR1negについても同じようにして実測することで、図5及び図6に示す正極特性及び負極特性が得られる。
図4に戻って、パラメータ更新部52による決定パラメータの更新は、上記のように、容量回復の際に行われる。ここでいう容量回復の際とは、通常は容量回復の後であるが、例えば容量回復中でもよく、決定された容量回復の条件に基づく容量回復前でもよい。
パラメータ更新部52は、上記のように、正極特性及び負極特性に基づいて電池特性を決定する決定パラメータを更新する。具体的には、パラメータ更新部52は、二次電池100の電池特性を算出する所定の関係式に含まれる決定パラメータを更新する。このようにすることで、決定パラメータを修正できる。
ここでいう所定の関係式は、正極特性及び負極特性と決定パラメータApos、Bpos、Aneg、Bneg、Dpos、Dnegとの関数である。具体的には例えば、所定の関係式は以下の式(1)〜(5)を含む。
Qcell=Xpos×Apos+Bpos=Xneg×Aneg+Bneg ・・・(1)
OCVcell=Vpos−Vneg ・・・(2)
R0cell=R3+R0pos×Dpos+R0neg×Dneg ・・・(3)
R1cell=R3+R1pos×Dpos+R1neg×Dneg ・・・(4)
R2cell=R3+R2pos×Dpos+R2neg×Dneg ・・・(5)
Qcell=Xpos×Apos+Bpos=Xneg×Aneg+Bneg ・・・(1)
OCVcell=Vpos−Vneg ・・・(2)
R0cell=R3+R0pos×Dpos+R0neg×Dneg ・・・(3)
R1cell=R3+R1pos×Dpos+R1neg×Dneg ・・・(4)
R2cell=R3+R2pos×Dpos+R2neg×Dneg ・・・(5)
式(1)〜(5)において、Qcellは二次電池100の充電量又は放電量(充放電量)である。決定パラメータApos、Bpos、Aneg、Bneg、Dpos、Dnegは各成分の変化率であり、二次電池100が劣化していない初期状態における初期値はパラメータ更新部52に予め記憶される。
決定パラメータの初期値は、例えば劣化していない二次電池100を用いた予備実験により決定できる。例えば、充電状態Xpos、Xnegと充放電量Qcellとのグラフを描き、そのグラフの傾き及び切片を求めることで、Apos、Aneg、Bpos、Bnegを決定できる。また、Dpos、Dneg、R3は、抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negの実測値と式(3)〜(5)とに基づき、決定できる。
なお、R3は、正極11及び負極12以外(集電箔を除く)の二次電池100の構成部材に起因する抵抗であり、充電状態の影響を受けない抵抗である。具体的にはR3は例えば、正極端子2の抵抗、負極端子3の抵抗、容量回復極端子4の抵抗、非水電解液の抵抗、正極11及び負極12の集電箔の抵抗等を含む。
正極特性、負極特性及び式(1)〜(5)に基づくことで、二次電池100の充放電量Qcell、開回路電圧OCVcell、及び内部抵抗に関する抵抗値R0cell、R1cell、R2cellを決定できる。
二次電池100の容量回復が行われると、決定パラメータが変化する。そこで、容量回復前の決定パラメータを使用して容量回復後に二次電池100の電池特性を算出しても、算出精度が低い可能性がある。そこで、パラメータ更新部52は、二次電池100の劣化状態又は容量回復による容量回復量の少なくとも一方に基づき、決定パラメータを更新する。このようにすることで、劣化状態又は容量回復量の少なくとも一方の指標を用いて、電池特性の算出精度を向上できる。
式(1)〜(5)で使用される充電状態Xpos、Xneg、電極電位Vpos、Vneg、及び抵抗値R0pos、R1pos、R2pos、R0neg、R1neg、R2negは、正極データベース53a及び負極データベース53bから読み出される。一方で、決定パラメータApos、Aneg、Bpos、Bneg、R3、Dpos、Dnegについては、初期値がパラメータ更新部52に記憶されている。そして、決定パラメータは、容量回復の際にパラメータ更新部52によって更新される。
決定パラメータの更新は、例えば、以下のようにして行われる。一例としてBnegを初期値から更新する場合、パラメータ更新部52は、二次電池100の劣化状態及び初期状態から計算した容量減少量Qdegと、容量回復量Qrecと、現在のBnegであるBneg0から、新しいBnegの値Bneg1を次の式(6)で計算する。
Bneg1=Bneg0+Qdeg−Qrec ・・・(6)
Bneg1=Bneg0+Qdeg−Qrec ・・・(6)
容量減少量Qdegは、劣化状態における二次電池100の電池容量と、初期状態における二次電池100の電池容量との差分である。また、容量回復量Qrecは、容量回復後であれば実際の容量回復量であり、容量回復前であれば、回復予定の容量回復量とすることができる。
パラメータ更新部52は、式(1)におけるBnegを、式(6)で算出したBneg1で更新する。Bpos、Aneg、Aposについても同様に更新可能である。他の決定パラメータについては、更新してもよいが、初期値を用いてもよい。
決定パラメータが初期値の決定パラメータではない場合、即ち、決定パラメータが容量回復に伴って既に少なくとも一度更新されてる場合、パラメータ更新部52は、容量回復量Qrecと、Bnegの現在値Bneg0から、新しいBnegであるBneg2を次の式(7)で計算する。
Bneg2=Bneg0−Qrec ・・・(7)
Bneg2=Bneg0−Qrec ・・・(7)
パラメータ更新部52は、Bneg0を式(7)で算出したBneg2で更新する。Bpos、Aneg、Aposについても同様に更新可能である。他の決定パラメータについては、更新してもよいが、初期値を用いてもよい。
上記式(6)及び(7)を用いた更新の際、その他の決定パラメータ(例えばDpos、Dneg、R3)の更新は、例えば以下のようにして行われる。例えば、式(6)又は式(7)を用いてBnegを更新した後、パラメータ更新部52は、更新したAneg、Apos、Bneg、Bposと、式(1)〜(5)とを用いて、仮の電池データベース55を計算する。そして、パラメータ更新部52は、当該仮の電池データベース55において所定のOCVに対応する二次電池100の内部抵抗の抵抗値R0cellを抽出する。さらに、パラメータ更新部52は、抽出した二次電池100の内部抵抗と実測した二次電池100の内部抵抗の比をDpos、Dneg、R3にそれぞれ乗じることで、Dpos、Dneg、R3を更新できる。
決定パラメータは、総当たりによる計算に基づいても更新できる。具体的には、パラメータ更新部52は、電流計351、電圧計352及び温度計360からの入力値に基づき、充放電量Qcell、開回路電圧OCVcell(V)、及び内部抵抗の抵抗値R0(Ω)、R1(Ω)、R2(Ω)を観測値として算出する。そして、パラメータ更新部52は、上記式(1)〜(5)、正極特性及び負極特性によって計算される充放電量Qcell、開回路電圧OCVcell(V)、及び内部抵抗の抵抗値R0(Ω)、R1(Ω)、R2(Ω)が上記観測値に一致するように、決定パラメータを総当たりによる計算で発見する。発見後、パラメータ更新部52は、現在の決定パラメータを、発見した決定パラメータに更新する。
このようにすることで、パラメータ更新部52は、決定パラメータを容量回復の際に更新できる。これにより、二次電池100の正極11及び負極12の充放電量Qpos、QnegとVpos、Vnegとの関係、二次電池100の正極11及び負極12の充放電量Qpos、Qnegと内部抵抗の抵抗値R0pos、R0negとの関係、二次電池100の正極11及び負極12の充放電量Qpos、Qnegと内部抵抗の抵抗値R1pos、R1negとの関係、二次電池100の正極11及び負極12の充放電量Qpos、Qnegと内部抵抗の抵抗値R2pos、R2negとの関係と、所定の関係式(例えば式(1)〜(5))とに基づいて、二次電池100の充放電量QcellとOCVcellとの関係、二次電池100の充放電量Qcellと内部抵抗の抵抗値R0cell、R1cell、R2cellとの関係、正極11と負極12と二次電池100との充放電量Qpos、Qneg、Qcellの対応関係を決定できる。
電池特性決定部54は、正極特性及び負極特性と、二次電池100の劣化状態又は容量回復による容量回復量の少なくとも一方とに基づき、二次電池100の電池特性を決定するものである。電池特性決定部54を備えることで、容量回復によって電池特性が変化した場合であっても、電池特性の決定精度を向上できる。
電池特性決定部54は、正極特性及び負極特性と、図示の例では劣化状態及び容量回復量を反映した式(1)〜(5)に基づき、電池特性を決定する。電池特性は、例えば、二次電池100の充放電量QcellとOCVcellとの関係、二次電池100の充放電量Qcellと内部抵抗の抵抗値R0cell、R1cell、R2cellとの関係、正極11と負極12と二次電池100との充放電量Qpos、Qneg、Qcellの対応関係である。決定された電池特性は、電池データベース55に記録される。
図11は、電池データベース55の模式図である。図11の例ではデータテーブルの形式であるが、例えばデータを表す関数でもよい。電池データベース55は、二次電池100の電池特性を含む。電池特性は、二次電池100の内部抵抗を含む。内部抵抗は、抵抗値R0cell、R1cell、R2cellを含む。電池特性は、更に、温度T、充放電量Qcell、OCVcellを含む。電池特性は、温度TがT1において、QcellがQ1〜Qn、OCVcellがV1〜VnにおけるR0cell、R1cell、R2cellを含む。そして、温度TがTmまで、QcellがQ1〜Qn、OCVcellがV1〜VnにおけるR0cell、R1cell、R2cellを含む。
電池データベース55に記録された電池特性によれば、例えば二次電池100の温度T及び充電状態(図示の例では充放電量Qcell)を把握することで、二次電池100の開回路電圧OCVcell、内部抵抗の抵抗値R0cell、R1cell、R2cellを決定できる。
図12は、電池特性のうち、容量回復前における充電状態と電圧との関係を示すグラフである。横軸は、満充電状態からの放電量(Ah)により示される充電状態、縦軸は電池電圧である。Vcellは、二次電池100の電池電圧であり、式(2)を用いて計算したものである。Vpos及びVnegは、いずれも、式(2)における正極特性及び負極特性、即ち式(1)を用いて変換した後の正極特性及び負極特性である。決定パラメータは、容量回復直前の劣化状態に合わせて更新されている。
図13は、電池特性のうち、容量回復後における充電状態と電圧との関係を示すグラフである。容量回復後であっても、決定パラメータを更新しなければ図12のグラフが得られるが、決定パラメータの更新により、図13のグラフが得られる。図13に示す例では、決定パラメータは、説明の簡略化のためにBnegを容量回復量Qrecだけ変化させたが、その他の決定パラメータについては変化していない。なお、Qrec+Bneg1=Bneg0(図12)である。
容量回復により、電極電位Vnegのグラフが全体的に右に移動し、決定パラメータBneg0はQrecだけ減少し、Bneg1に変化した。これにより、電極電位Vposと電極電位Vnegとの対応関係が変化した。従って、決定パラメータの更新により、充電状態に対する電池電圧Vcell(OCVcell)が変化した。このように、容量回復に伴う電池電圧と充電状態の対応関係が図13に示すように表現される。内部抵抗の抵抗値R0cell、R1cell、R2cellについても同様である。
図4に戻って、許容値算出部56は、パラメータ更新部52により更新された決定パラメータに基づく電池特性を用いて、二次電池100の許容電流又は許容電力の少なくとも一方の許容値を決定するものである。許容値算出部56によれば、更新した決定パラメータを用いて許容値を算出できる。
許容電流について、許容値算出部56は、電池特性に含まれる抵抗値R0cell、R1cell、R2cellを現在の電池の温度に基づいて参照し、二次電池100の許容電流を算出する。抵抗値R0cell、R1cell、R2cellは、上記のようにして更新された決定パラメータを用いて決定されたものである。許容電流の算出は、二次電池100の過電圧抑制のために行われる。
許容電流は、充電許容電流及び放電許容電流を含む。これらのうち、充電許容電流Icmaxは、例えば以下の式(8)を用いて算出できる。
Icmax=(Vmax−OCVcell)/R ・・・(8)
ここで、Vmaxは充電時の上限電圧、OCVcellは二次電池100の開回路電圧、Rは二次電池100の内部抵抗である。Rは、例えば想定する通電時間に対して、R0cell、R1cell及びR2cellを適宜組み合わせることで算出できる。具体的には例えば、横軸を通電時間(R0cellであれば0.1秒、R1cellであれば10秒、R2cellであれば60秒)、縦軸を抵抗値とするグラフにおいて、想定する通電時間に対する抵抗値をグラフから読み取ることで、Rを算出できる。グラフは、必要に応じ、外挿又は内挿してもよい。
Icmax=(Vmax−OCVcell)/R ・・・(8)
ここで、Vmaxは充電時の上限電圧、OCVcellは二次電池100の開回路電圧、Rは二次電池100の内部抵抗である。Rは、例えば想定する通電時間に対して、R0cell、R1cell及びR2cellを適宜組み合わせることで算出できる。具体的には例えば、横軸を通電時間(R0cellであれば0.1秒、R1cellであれば10秒、R2cellであれば60秒)、縦軸を抵抗値とするグラフにおいて、想定する通電時間に対する抵抗値をグラフから読み取ることで、Rを算出できる。グラフは、必要に応じ、外挿又は内挿してもよい。
放電許容電流Idmaxは、例えば以下の式(9)を用いて算出できる。
Idmax=(OCVcell−Vmin)/R ・・・(9)
ここで、Vminは放電時の下限電圧、OCVcellは二次電池100の開回路電圧、Rは二次電池100の内部抵抗である。
Idmax=(OCVcell−Vmin)/R ・・・(9)
ここで、Vminは放電時の下限電圧、OCVcellは二次電池100の開回路電圧、Rは二次電池100の内部抵抗である。
また、許容電力について、二次電池100の許容電力は、充電時の入力許容電力及び放電時の出力許容電力を含む。これらのうち、入力許容電力Winは、例えば以下の式(10)を用いて算出できる。
Win=Icmax×Vmax ・・・(10)
ここで、Icmaxは充電許容電流、Vmaxは充電時の上限電圧である。
Win=Icmax×Vmax ・・・(10)
ここで、Icmaxは充電許容電流、Vmaxは充電時の上限電圧である。
入力許容電力Woutは、例えば以下の式(11)を用いて算出できる。
Wout=Idmax×Vmin ・・・(11)
ここで、Idmaxは放電許容電流、Vminは放電時の下限電圧である。
Wout=Idmax×Vmin ・・・(11)
ここで、Idmaxは放電許容電流、Vminは放電時の下限電圧である。
算出された許容値は、例えば表示部(表示部)に表示されたり、二次電池100の充放電装置350の充放電制御部(図示しない)に出力される。そして、図示しない充放電制御部は、入力された許容値で、二次電池100を充放電する。
なお、電池特性決定装置355は、いずれも図示はしないが、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等を備えて構成される。そして、電池特性決定装置355は、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
以上の電池特性決定装置355によれば、容量回復を行ったときでも精度よく電池特性を決定できる。即ち、容量回復によって二次電池100の電池特性が変わる結果、初期状態の決定パラメータを使用して電池特性を決定すると、決定された電池特性が不正確になる可能性がある。そこで、正極特性および負極特性に基づき、容量回復に際して決定パラメータを更新することで、更新された決定パラメータを用いて電池特性を決定できる。これにより、容量回復後においても精度よく電池特性を決定できる。
11 正極
12 負極
15 容量回復極(第三極)
100 二次電池(リチウムイオン二次電池)
2 正極端子
3 負極端子
35 電流計
350 充放電装置
351 電流計
352 電圧計
353 抵抗
354 電源
355 電池特性決定装置
356 充放電切替スイッチ
357 容量回復スイッチ
360 温度計
4 容量回復極端子
5 セパレータ
50 劣化状態把握部
51 容量回復量算出部
52 パラメータ更新部
53 電極データベース
53a 正極データベース
53b 負極データベース
54 電池特性決定部
55 電池データベース
56 許容値算出部
57 容量回復部
6 外装部
12 負極
15 容量回復極(第三極)
100 二次電池(リチウムイオン二次電池)
2 正極端子
3 負極端子
35 電流計
350 充放電装置
351 電流計
352 電圧計
353 抵抗
354 電源
355 電池特性決定装置
356 充放電切替スイッチ
357 容量回復スイッチ
360 温度計
4 容量回復極端子
5 セパレータ
50 劣化状態把握部
51 容量回復量算出部
52 パラメータ更新部
53 電極データベース
53a 正極データベース
53b 負極データベース
54 電池特性決定部
55 電池データベース
56 許容値算出部
57 容量回復部
6 外装部
Claims (13)
- 正極と、負極と、前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極にリチウムイオンを補充する第三極とを備えるリチウムイオン二次電池の、劣化に伴って変化する電池特性を決定する電池特性決定装置であって、
前記リチウムイオン二次電池の前記電池特性を決定する決定パラメータを、前記電極への前記リチウムイオンの補充による容量回復の際に更新するパラメータ更新部を備える
ことを特徴とする電池特性決定装置。 - 前記決定パラメータは、前記正極に関する正極特性及び前記負極に関する負極特性に基づいて前記電池特性を決定するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の電池特性決定装置。 - 前記パラメータ更新部は、前記リチウムイオン二次電池の電池特性を算出する所定の関係式に含まれる前記決定パラメータを更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の電池特性決定装置。 - 前記所定の関係式は、前記正極特性及び前記負極特性と、前記決定パラメータとの関数である
ことを特徴とする、請求項3に記載の電池特性決定装置。 - 前記正極特性及び前記負極特性は、それぞれ、前記リチウムイオン二次電池の充電状態、前記正極又は前記負極の電極電位、及び前記リチウムイオン二次電池の電池特性を相互に関連付けている
ことを特徴とする請求項4に記載の電池特性決定装置。 - 前記充電状態、前記電極電位、及び前記電池特性は、それぞれ、温度又は電流の少なくとも一方の指標値毎に関連付けられている
ことを特徴とする請求項5に記載の電池特性決定装置。 - 前記パラメータ更新部は、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態又は前記容量回復による容量回復量の少なくとも一方に基づき、前記決定パラメータを更新する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 前記正極特性及び前記負極特性と、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態又は前記容量回復による容量回復量の少なくとも一方とに基づき、前記電池特性を決定する電池特性決定部を備える
ことを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 前記正極特性は、前記正極の内部抵抗を含み、
前記負極特性は、前記負極の内部抵抗を含み、
前記電池特性は、前記リチウムイオン二次電池の内部抵抗を含む
ことを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 前記リチウムイオン二次電池の温度、電流及び電圧と、前記パラメータ更新部により更新された前記決定パラメータに基づく前記電池特性とに基づいて前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を把握する劣化状態把握部を備える
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 前記リチウムイオン二次電池の温度、電流及び電圧と、前記パラメータ更新部により更新された前記決定パラメータに基づく前記電池特性とに基づいて前記リチウムイオン二次電池の容量回復量を算出する容量回復量算出部を備える
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 前記パラメータ更新部により更新された前記決定パラメータに基づく前記電池特性を用いて、前記リチウムイオン二次電池の許容電流又は許容電力の少なくとも一方の許容値を決定する許容値決定部を備える
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電池特性決定装置。 - 正極と、負極と、前記正極又は前記負極の少なくとも一方の電極にリチウムイオンを補充する第三極とを備えるリチウムイオン二次電池の、劣化に伴って変化する電池特性を決定するとともに、前記リチウムイオン二次電池の前記電池特性を決定する決定パラメータを、前記電極への前記リチウムイオンの補充による容量回復の際に更新するパラメータ更新部を備える電池特性決定装置を備える
ことを特徴とする二次電池システム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020038653A JP2021139788A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 電池特性決定装置及び二次電池システム |
PCT/JP2020/030711 WO2021176748A1 (ja) | 2020-03-06 | 2020-08-12 | 電池特性決定装置及び二次電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020038653A JP2021139788A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 電池特性決定装置及び二次電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021139788A true JP2021139788A (ja) | 2021-09-16 |
Family
ID=77614207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020038653A Pending JP2021139788A (ja) | 2020-03-06 | 2020-03-06 | 電池特性決定装置及び二次電池システム |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021139788A (ja) |
WO (1) | WO2021176748A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022196114A1 (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-22 | 株式会社日立製作所 | 二次電池システムおよびプログラム |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023128542A (ja) * | 2022-03-03 | 2023-09-14 | 株式会社日立製作所 | 電池容量回復システム |
JP2023140942A (ja) * | 2022-03-23 | 2023-10-05 | 株式会社日立製作所 | 電池状態検出装置および電池状態検出方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112012006430T8 (de) * | 2012-06-01 | 2015-04-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Verschlechterungsdiagnosevorrichtung für eine Zelle, Verschlechterungsdiagnoseverfahren und Verfahren zur Herstellung einer Zelle |
WO2016030967A1 (ja) * | 2014-08-26 | 2016-03-03 | 株式会社日立製作所 | エネルギーストレージ運転計画システムおよび運用条件決定方法 |
JP2016091613A (ja) * | 2014-10-30 | 2016-05-23 | 株式会社日立製作所 | 電池システム及び容量回復方法 |
JP2016119249A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | 株式会社日立製作所 | リチウムイオン二次電池システム |
JP6270059B2 (ja) * | 2015-08-04 | 2018-01-31 | トヨタ自動車株式会社 | リチウムイオン二次電池の性能劣化回復方法 |
JP6914637B2 (ja) * | 2016-10-31 | 2021-08-04 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | リチウムイオン二次電池 |
JP6680244B2 (ja) * | 2017-03-03 | 2020-04-15 | トヨタ自動車株式会社 | リチウムイオン二次電池およびその製造方法 |
JP6997039B2 (ja) * | 2018-06-11 | 2022-01-17 | 本田技研工業株式会社 | リチウムイオン二次電池の容量回復装置および容量回復方法 |
JP7101072B2 (ja) * | 2018-07-30 | 2022-07-14 | イビデン株式会社 | 非水系二次電池 |
-
2020
- 2020-03-06 JP JP2020038653A patent/JP2021139788A/ja active Pending
- 2020-08-12 WO PCT/JP2020/030711 patent/WO2021176748A1/ja active Application Filing
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022196114A1 (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-22 | 株式会社日立製作所 | 二次電池システムおよびプログラム |
JP7503516B2 (ja) | 2021-03-16 | 2024-06-20 | 株式会社日立製作所 | 二次電池システムおよびプログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2021176748A1 (ja) | 2021-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10371757B2 (en) | Post-deterioration performance estimating apparatus and post-deterioration performance estimating method for energy storage device, and energy storage system | |
EP3437152B1 (en) | Battery management system with multiple observers | |
US10534039B2 (en) | Apparatus and method for estimating degree of aging of secondary battery | |
WO2021176748A1 (ja) | 電池特性決定装置及び二次電池システム | |
EP3051305B1 (en) | Status determining method for secondary battery, status determining apparatus for secondary battery, secondary battery system, and charge/discharge control apparatus having status determining apparatus | |
JP5130917B2 (ja) | リチウム二次電池の劣化検出方法と劣化抑制方法、劣化検出器と劣化抑制器、それを用いた電池パック、充電器 | |
WO2017046870A1 (ja) | 蓄電池制御装置、制御方法、プログラム、蓄電システム、電力システム | |
KR101650415B1 (ko) | 하이브리드 이차 전지의 전압 추정 장치 및 그 방법 | |
WO2017169088A1 (ja) | リチウムイオン二次電池の寿命推定装置 | |
JP2016515195A (ja) | リチウムバッテリシステムの総容量および個々の電極の容量を推定するための方法およびシステム | |
JP2013089423A (ja) | 電池制御装置 | |
JP2017223454A (ja) | リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法 | |
WO2018211824A1 (ja) | 電池制御装置および車両システム | |
KR20220034543A (ko) | 배터리의 충전상태를 추정하는 방법 | |
Lee et al. | Beyond estimating battery state of health: Identifiability of individual electrode capacity and utilization | |
CN110471001B (zh) | 锂离子电池的诊断方法和锂离子电池的诊断装置 | |
CN111799517A (zh) | 二次电池的充电方法 | |
US11251472B2 (en) | System and method for operating batteries based on electrode crystal structure change | |
JP2013053943A (ja) | 推定装置および推定方法 | |
Li et al. | Study of the influencing factors on the discharging performance of lithium-ion batteries and its index of state-of-energy | |
CN108963354B (zh) | 锂离子电池的状态推定装置和状态推定方法 | |
JP2017150950A (ja) | 蓄電素子状態推定装置及び蓄電素子状態推定方法 | |
JP2020149774A (ja) | 二次電池システム、二次電池、および組電池システム | |
JP2015201939A (ja) | 均等化放電装置 | |
JP6773195B2 (ja) | 蓄電システム及びコンピュータプログラム |