JP2017223454A - リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法 Download PDF

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孝博 山木
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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の劣化状態を汎用的かつ精度よく判定可能なリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システムを提供する。
【解決手段】
リチウムイオン二次電池20の電圧値及び電流値を測定する電圧電流測定部10と、リチウムイオン二次電池20の電圧値及び電流値を用いて、リチウムイオン二次電池20の充電状態を表すSOCを算出するSOC算出部11と、リチウムイオン二次電池20の開回路電圧を表すOCVを算出するOCV算出部12と、SOC算出部11により算出されたSOCが、リチウムイオン二次電池20の劣化が進行するにつれてリチウムイオン二次電池20のOCVが変化するSOCの範囲内にあるときに、SOC算出部11により算出されたSOCと、OCV算出部12により算出されたOCVと、に基づいて、リチウムイオン二次電池20の劣化状態を判定する判定部14と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法に関する。
リチウムイオン二次電池のエネルギ密度は高いことから、リチウムイオン二次電池は、家庭用電源システムや産業用電源システム、さらには電力貯蔵システム用の二次電池等として好適である。これらのシステムにおいては、システムの健全性を把握するため、使用に伴って生じるリチウムイオン二次電池の状態の変化を把握しておくことが好ましい。
リチウムイオン二次電池の状態を示す指標として、充電状態(SOC:State of Charge)や開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)がある。これらのうち、充電状態は、リチウムイオン二次電池ごとに決定されるSOC−OCV特性を利用して、開回路電圧から求めることができる。ただ、SOC−OCV特性は、サイクル数の増加等の劣化の進行によって変化しうる。そこで、このような変化を考慮したうえで、リチウムイオン二次電池の状態を把握することが好ましい。
このような背景に関連して、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、開路電圧−充電状態特性における、二次電池の劣化によっても開路電圧と充電状態との関係は変化しないとみなす容量低下推定用開路電圧領域において、複数の開路電圧値間で充電状態が変化する過程における充電電流又は放電電流を積算して積算電流を測定し、その測定結果に基づいて前記基準時点からの電池容量の低下度合いを推定し、推定した電池容量の低下度合いと、予め求められている基準時点からの前記二次電池の電池容量の低下度合いと開路電圧−充電状態特性との対応関係とに基づいて開路電圧−充電状態特性を特定し、特定した開路電圧−充電状態特性を適用して、開路電圧の測定結果から充電状態を求めることが記載されている。
国際公開第2011/090020号
特許文献1に記載の技術では、SOC−OCV特性が劣化によっても変化しないとされる回路電圧領域を使用して、開回路電圧から充電状態が求められている(特に特許文献1の明細書段落0009参照)。しかし、このような回路電圧領域は狭い範囲であるため使用に制限が生じることがあり、特許文献1に記載の技術では、汎用性が高いとはいえるものではない。
また、特許文献1に記載の技術では、充電状態が求められているものの、リチウムイオン二次電池の劣化の程度(劣化状態)は判定されていない。従って、特許文献1に記載の技術では、充電状態を求めることができるものの、それ以外のリチウムイオン二次電池の状態を把握することができない。特に、前記のようなシステムの健全性を正確に把握するためには、劣化の進行に伴うリチウムイオン二次電池の劣化の程度(劣化状態)を正確に把握する技術が望まれる。
本発明はこのような課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、リチウムイオン二次電池の劣化状態を汎用的かつ精度よく判定可能なリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下のようにすることで前記課題を解決できることを見出して本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定するシステムであって、前記リチウムイオン二次電池には、正極活物質として、以下の式(1)で表されるもの
LiM Mn2−x ・・・式(1)
(式(1)において、Mは、Ni,Co,Cr,Cu及びFeからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、xは0<x≦1を満たす数である。)、又は、
以下の式(2)で表されるもの
LiMn1−yFePO ・・・式(2)
(式(2)において、yは0<x≦1を満たす数である。)
が含まれており、前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を測定する電圧電流測定装置と、前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を用いて、前記リチウムイオン二次電池の充電状態を表すSOCを算出するSOC算出装置と、前記リチウムイオン二次電池の開回路電圧を表すOCVを算出するOCV算出装置と、前記SOC算出装置により算出されたSOCが、前記リチウムイオン二次電池の劣化が進行するにつれて前記リチウムイオン二次電池のOCVが変化するSOCの範囲内にあるときに、前記SOC算出装置により算出されたSOCと、前記OCV算出装置により算出されたOCVと、に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定する判定装置と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システムに関する。その他の解決手段については発明を実施するための形態において後記する。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の劣化状態を汎用的かつ精度よく判定可能なリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム及びリチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法を提供することができる。
第一実施形態の劣化状態判定システムを示すブロック図である。 第一実施形態において、記憶部に記憶されている特性情報である。 第一実施形態における、リチウムイオン二次電池の放電曲線を示すグラフである。 第一実施形態における、リチウムイオン二次電池に対する充放電サイクル試験の結果を示すグラフである。 第一実施形態における、各サイクルにおけるSOCとOCVとの関係を示すグラフである。 第一実施形態における、各サイクルにおけるSOCに対する正極電位及び負極電位を示すグラフであり、(a)は1サイクル目のもの、(b)は50サイクル目のもの、(c)は100サイクル目のものである。 第一実施形態の劣化状態判定システムにおいて行われるフローである。 第一実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報についての別の例である。 第二実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。 第二実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報である。 第二実施形態の劣化状態判定システムにおいて行われるフローである。 第二実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報についての別の例である。 第三実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報である。 第三実施形態の劣化状態判定システムにおいて行われるフローである。 第四実施形態の劣化状態判定システムにおいて行われるフローである。 第五実施形態における、サイクル試験前後における電池容量の変化を示すグラフである。 第五実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。 第五実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報である。 第五実施形態の劣化状態判定システムにおいて行われるフローである。 第六実施形態における、サイクル試験に伴う電池抵抗の変化を示すグラフである。 第六実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。 第六実施形態における、記憶部に記憶されている特性情報である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.第一実施形態]
図1は、第一実施形態の劣化状態判定システム100を示すブロック図である。図1には、劣化状態判定システム100によって劣化状態が判定される二次電池20(リチウムイオン二次電池)と、二次電池20の充放電電圧及び充放電電流を制御する電圧電流制御装置21とが併せて示されている。二次電池20の充放電が繰り返されることで、二次電池20の劣化が進行する。そこで、この劣化状態判定システム100によって、二次電池20の劣化状態が判定される。ここでいう「劣化状態」とは、「劣化の程度」を表し、その指標としては例えば使用可能な残りのサイクル数(残サイクル数)等である。なお、以下の記載では、説明の簡略化のために「劣化状態判定システム100」のことを「判定システム100」と略記することがある。
判定システム100は、電圧電流測定部10(電圧電流測定)と、SOC算出部11(SOC算出装置)と、OCV算出部12(OCV算出装置)と、記憶部13(記憶装置)と、判定部14(判定装置)と、出力部15と、を備えて構成される。電圧電流測定部10は、二次電池20の電圧値(閉回路電圧)及び電流値を測定するものである。ここで測定された電圧値及び電流値は、後記する記憶部13に記憶される。電圧電流測定部10は、例えば電圧計及び電流計を備えて構成される。
SOC算出部11は、電圧電流測定部10によって測定された電圧値及び電流値を用いて、二次電池20のSOC(充電状態)を算出するものである。ここでいうSOCは、二次電池20の電池容量に対する充電電気量である。例えば、ある時点での電池容量は、定められた電流で所定の電池電圧まで充電後(SOC100%)、定められた電流で所定の電池電圧まで放電し(SOC0%)、その電気量で算出される。そのため、判定システム100では、SOCは、直近に算出し記憶部13に記憶された電池容量と、その後の充放電における積算電気量から算出される充電電気量とに基づいて、算出されている。
OCV算出部12は、電圧電流測定部10によって測定された電圧値及び電流値を用いて、二次電池20のOCV(開回路電圧)を算出するものである。従って、OCV算出部12は、前記のSOC算出部11により算出されたSOCに対応するOCVを算出するものである。よって、第一実施形態では、測定された電圧値及び電流値に基づいて、SOC及びOCVが算出されることになる。OCVは、二次電池20の充電又は放電後開回路とし、一定の経過時間後の電圧値で算出できる。開回路経過時間中の電圧変化を関数化することで算出(即ち予測)されてもよい。この算出にあたっては、直前の充電又は放電の電流値及び電気量がパラメータとして使用可能である。
記憶部13は、前記のように二次電池20の電圧値及び電流値を記憶するほか、二次電池20に関するSOCとOCVと劣化状態(残サイクル数等)とを関連づけた特性情報を記憶している。ここで、図2を参照しながら、特性情報について説明する。
図2は、第一実施形態において、記憶部13に記憶されている、残サイクル数とOCVとの関係を示す特性情報である。図2に示す特性情報は、異なるSOC(30%(×)、15%(△)、5%(□)及び0%(○、完全放電状態))のそれぞれについて、二次電池20のOCVと劣化状態の尺度の一つである残サイクル数との関係をグラフ化したものである。即ち、この特性情報は、SOCとOCVと劣化状態を関連づけたものである。従って、図2には、四つの特性情報が含まれていることになる。そして、後記する判定部14は、この特性情報を用いて、二次電池20の劣化状態を判定している。具体的な判定の方法は後記する。なお、図2に示す特性情報は、実験やシミュレーション等によって予め決定されたものである。
図1に戻って、判定部14は、SOC算出部11により算出されたSOCと、OCV算出部12により算出されたOCVと、記憶部13に予め記憶された前記の特性情報とに基づいて、二次電池20の劣化状態を判定するものである。具体的な判定方法(フロー)は、図7等を参照しながら後記する。
SOC算出部11、OCV算出部12、記憶部13及び判定部14は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等を備えて構成される。そして、SOC算出部11、OCV算出部12、記憶部13及び判定部14は、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
出力部15は、判定した劣化状態に関する情報を出力するものである。判定システム100では、判定された劣化状態の情報に基づき電圧電流制御装置21を介して、二次電池20の使用電圧範囲や使用電流範囲が制御されている。これにより、二次電池20の充放電が二次電池20の劣化状態に応じて行われるため、二次電池の20の長寿命化が図られる。
二次電池20は、判定システム100によりその劣化状態を判定される対象となるものである。二次電池20は、リチウムイオン二次電池であり、いずれも図示はしないが、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解液とを備えて構成される。特に、第一実施形態で使用される二次電池20は、正極活物質として、スピネル型マンガン酸リチウム(以下「5Vスピネル」ということがある)である以下の式(1)で表されるものを含んでいる。
LiM Mn2−x ・・・式(1)
(式(1)において、Mは、Ni,Co,Cr,Cu及びFeからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、xは0<x≦1を満たす数である。)
式(1)において、Mで置換されていないのもの、即ちLiMnは、マンガンの酸化還元による約4V(Li金属基準)の電位を発現する。5Vスピネルでは、これに加えてMの酸化還元による4.6V以上の高電位を発現する。そして、Mが、Ni,Co,Cr,Cu及びFeからなる群より選ばれる一種以上の元素であれば、このようなマンガンの電位(約4V)とは異なる電位が発現し、詳細は後記するが後記する図6のような現象が生じることになる。特に、Mに由来する発現電位の大きさはいずれもほぼ同じである。なお、この発現電位及びその電池容量は、Mの種類及びその置換量に依存する。これは、異相の生成等の製造上の懸念、あるいは電気伝導性の低下等の性能上の懸念により、Mの置換量に制限があるためである。
また、二次電池20には、負極活物質として、チタン酸リチウム(LiTi12)が含まれている。従って、二次電池20には、正極活物質として前記式(1)で表されるスピネル型マンガン酸リチウムと、負極活物質として前記のチタン酸リチウムが含まれていることになる。以下、第一実施形態で使用する二次電池20のことを「5V/T」ということがある。
さらに、非水電解液としては、任意の非水溶媒(例えばエチレンカーボネート等)に任意の電解質(例えばLiPF等)を溶解させたもの等が使用される。また、二次電池20に関するこれらの構成以外については特に制限されず、任意の構成とすることができる。
図3は、第一実施形態における、リチウムイオン二次電池20の放電曲線を示すグラフである。このグラフは、二次電池20において、満充電状態(SOC100%)から放電電流5時間率(0.2CA)で放電した際の放電曲線である。二次電池20に負極活物質として含まれるチタン酸リチウムの発現電位は約1.5Vであり、二次電池20のSOCによらず一定である。よって、図3に示すように、SOC20%前後で、ニッケルの電位(約4.7V)からマンガンの電位(約4V)への電圧変化が存在する。
図4は、第一実施形態における、リチウムイオン二次電池20に対する充放電サイクル試験の結果を示すグラフである。横軸はサイクル数(充放電サイクルの回数)、縦軸は電池容量である。このグラフは、50℃環境下で充放電サイクルをした結果であり、1CA充放電サイクルにおける1CA電池容量の推移を示すものである。図4に示すように、50サイクル目、100サイクル目、150サイクル目のいずれにおいても、電池容量の急激な低下はなかった。しかし、200サイクル以降では、電池容量の急激な低下が認められた。従って、二次電池20では、200サイクル程度までは高い電池容量を示しているが、200サイクル程度以降は急激な電池容量の低下があることになる。
このことを換言すれば、二次電池20を初めて使用する際には、電池容量の急激な低下が生じるまでに使用可能な残りの回数は200サイクルといえる。また、二次電池20を50サイクル使用した後には残り150サイクル、100サイクルの使用後には残り100サイクル、150サイクルの使用後には残り50サイクルとなる。このように、充放電サイクルを繰り返すことで、残サイクル数が減少することがわかる。
図5は、第一実施形態における、各サイクルにおける、SOCとOCVとの関係(SOC−OCV特性)を示すグラフである。このグラフは、実験により、1サイクル目、50サイクル目、及び100サイクル目のそれぞれにおけるSOCとOCVとの関係を決定したものである。図5には、100サイクル目のSOCとOCVとの関係(△)、50サイクル目のSOCとOCVとの関係(◇)及び1サイクル目のSOCとOCVとの関係(○)が示されている。図5に示すように、SOCが60%〜30%では、サイクル数によらず、OCVは同程度であった。従って、このSOCの範囲では、サイクル数が増加して二次電池20の劣化が進行しても、OCVに変化はなかったといえる。
しかし、SOCが30%以下になると、サイクル数に応じて、OCVが変化した。具体的には、サイクル数が増加するにつれて、OCVが大きくなった。即ち、1サイクル目の○プロットでは、30%〜20%程度で急激にOCVが低下するのに対して、100サイクル目の△プロットでは、30%〜20%程度となっても、OCVはさほど低下しなかった。従って、図5のグラフにおいて、0%以上30%以下のSOC範囲では、サイクル数が増加するにつれて、OCVの値が大きくなるようなグラフになっている。このことを換言すれば、このSOCの範囲では、サイクル数が増加して二次電池20の劣化が進行すると、OCVが大きくなる変化が生じた。この理由について、図6を参照しながら説明する。
図6は、第一実施形態における、各サイクルにおける、SOCに対する正極電位及び負極電位を示すグラフであり、(a)は1サイクル目のもの、(b)は50サイクル目のもの、(c)は100サイクル目のものである。従って、図6(a)に示すグラフは使用開始直後のものであり、劣化していない状態の二次電池20についてのグラフである。一方で、図6(c)に示すグラフは100サイクル目のものであり、二次電池20の劣化がある程度大きな状態のときのグラフである。
それぞれのグラフにおいて、横軸はSOCを表し、縦軸は電位を表す。そして、グラフが左側に向かうと充電、右側に向かうと放電となる。また、それぞれのグラフにおいて、実線で示すグラフは正極電位を表し、破線で示すグラフは負極電位を表している。従って、実線で示すグラフは、正極活物質である前記式(1)で表される5Vスピネルに由来するものであり、破線で示すグラフは、負極活物質である前記のチタン酸リチウムに由来するものである。なお、説明の簡略化のために、図6の説明に関する以下の記載は、MとしてNiを含む5Vスピネルを例示する。
二次電池20は、図6(a)に示すような、SOC100%と0%との間で使用される。このとき、二次電池20のOCVは、正極電位と負極電位との差となる。また、実線で示す正極電位には、高電位の(A)部と、より低電位の(B)部とが存在する。そして、二次電池20では、(A)部がニッケル(M)電位、(B)部がマンガン電位である。従って、図6(a)に示すグラフ(1サイクル目)には、SOCが低い領域(具体的には0%以上30%以下)で、(B)部であるマンガン電位による電圧の低下が現れる。
二次電池20のサイクル数が増加し、図6(a)に示す状態(1サイクル目)から図6(b)に示す状態(50サイクル目)に変化すると、負極電位に変化が現れる。具体的には、サイクル数が増加すると、負極に吸蔵されたリチウムイオンの一部が副反応によって消費される。その結果、自己放電が生じて、負極電位のグラフが全体的に左側に移動する。そのため、図6(b)に示す状態では、図6(a)に示す状態と比べて、正極電位に対する負極電位の関係が変化することになる。そして、この変化により、正極電位における前記の(B)部が現れるSOCも変化することになる。具体的には、図6(b)に示す状態では、SOCがほぼ0%に近いときに前記の(B)部が現れることになる。
そして、サイクル数がさらに増加すると、正極電位と負極電位との関係は、図6(b)に示す状態(50サイクル目)から図6(c)に示す状態(100サイクル目)に変化する。即ち、負極電位のグラフが、図6(b)に示す位置よりもさらに左側に移動することになる。その結果、図6(c)に示す状態では、正極電位の(B)部が現れることなく、二次電池20が使用されることになる。
以上の点を図5にあてはめて検討すると、図5において○プロットで示す1サイクル目では、正極電位における前記の(B)部がグラフに現れている。一方で、△プロットで示す100サイクル目では、図6を参照しながら説明した理由により、正極電位における前記の(B)部はグラフに現れていない。そこで、第一実施形態の判定システム100では、サイクル数増加に伴うこのようなOCVの変化に着目して、二次電池20の劣化状態が判定されている。ちなみに、ここでいう「サイクル数の増加」は、「劣化が進行する」ことを表す具体例である。そして、劣化が進行することで、前記のようにSOCとOCVの関係が変化するほか、例えば、電池容量や内部抵抗の電池性能の低下も生じうる(詳細は後記する)。
なお、測定条件等によっては、OCVの値がばらつく結果、図5に示す特性情報(グラフ)において、SOCが30%を超えているときでも、サイクル数が増加するにつれてOCVが局所的に変化する領域がある可能性がある。そのような場合には、例えば各プロットに基づいて近似曲線を描いて、サイクル数増加に伴う近似曲線の変化に応じて劣化状態の判定の可否を決定すればよい。
また、第一実施形態では、前記のようにSOCが0%以上30%以下の場合の二次電池20の劣化状態が判定されるものとしているが、その他のSOCの場合における劣化状態の判定方法は第二実施形態や第三実施形態等において後記する。
図7は、第一実施形態の劣化状態判定システム100において行われるフローである。図7に示すフローは、二次電池20の充放電中に、当該充放電とともに判定システム100によって実行される。また、電圧電流測定部10は二次電池20の電圧値及び電流値を常時測定し(電圧電流測定ステップ)、測定された電圧値及び電流値は記憶部13に記憶されるものとする。なお、図7の説明は、適宜図1を参照しながら行うものとする。
まず、判定部14は、SOC算出部11を用いて、記憶部13に記憶された電圧値及び電流値に基づいて、二次電池20のSOCを算出する(ステップS11、SOC算出ステップ)。SOCの具体的な算出方法は、例えば前記のSOC算出部11において説明した方法が挙げられる。そして、判定部14は、算出されたSOCが30%以下であるか否かを判断する(ステップS12)。ここで「30%以下」としたのは、前記の図2に示す特性情報において、SOCが30%以下の範囲であると、二次電池20のサイクル数が増加することで二次電池20のOCVが変化(具体的には上昇)するためである。
この判断の結果、算出されたSOCが30%を超えていた場合(ステップS12のNo方向)、判定部14は所定時間待機する(ステップS13)。この所定時間の間でSOCが変化するため、所定時間待機することで、その変化後のSOCについて、SOC算出部が再度算出する(ステップS11)。
一方で、算出されたSOCが0%以上30%以下である場合(ステップS12のYes方向)、判定部14は、OCV算出部12を用いて、二次電池20のOCVを算出する(ステップS14、OCV算出ステップ)。OCVの具体的な算出方法は、例えば前記のOCV算出部12において説明した方法が挙げられる。そして、判定部14は、算出されたSOC及びOCVと、記憶部13に予め記憶された特性情報(図2参照)とに基づいて、劣化状態を判定する(ステップS15、判定ステップ)。ここでは、劣化状態として、二次電池20の使用可能な残サイクル数が判定される。
ステップS15において、算出されたSOCが特性情報中に含まれていないことがある。その場合には、特性情報に含まれるSOC及びその残サイクル数に基づいて、算出されたSOCにおける残サイクル数を推測して判定してもよいし、算出されるSOCが特性情報に含まれているSOCになるまで待機してもよい。
以上の各ステップにより、判定システム100による二次電池20の劣化状態(残サイクル数)が判定される。
なお、判定システム100により判定された劣化状態は、電圧電流制御装置21に送信される。そして、電圧電流制御装置21は、二次電池20の劣化進行を抑制するために、二次電池20の使用電圧範囲を変更し、二次電池20の劣化進行が抑制される。ここでいう使用電圧範囲の変更とは、例えば使用する上限電圧を下げたり、下限電圧を上げたりすることである。また、この使用電圧範囲の変更に代えて、又は使用電圧範囲の変更とともに、二次電池20の使用上限電流を変更するようにしてもよい。
図8は、第一実施形態における、記憶部13に記憶されている特性情報についての別の例である。記録部13には、前記の図2に示す特性情報に代えて、図8に示す特性情報が記憶されていてもよい。即ち、判定部14(図1参照)は、前記の図2に示す特性情報に代えて、図8に示す特性情報を用いて二次電池20の劣化状態を判定するようにしてもよい。
図8に示す特性情報は、残サイクル数と、OCVをSOCで微分したもの(OCV微分値;dOCV/dSOC)との関係について、SOCごとに実測して得られたグラフである。OCV微分値は、二組のSOCとOCVとを用いて、両者の差分をとることで算出される。そのため、図8に示す特性情報が使用される際には、図7に示すフローにおいて算出されたSOC及びOCVは、記憶部13に記憶されることになる。そして、判定部14は、記憶部13に記憶されたSOC及びOCVを用いてOCV微分値を算出する。そして、判定部14は、算出されたOCV微分値と、算出されたSOCとに基づいて、劣化状態(残サイクル数)が判定されることになる。
以上のように、図2に示す特性情報を用いてOCVから劣化状態を判定することで、二次電池20の劣化状態を汎用的かつ精度良く判定することができる。また、SOCとOCVとを使用するだけで劣化状態が判定されるため、その判定を簡便に行うことができる。また、例えば図2等の特性情報において、予め決定するSOCのグラフの数を変えることで、劣化状態の精度を使用者の希望に応じて変えることができる。例えば、ある程度の精度が必要であれば、特性情報として決定されるべきSOCのグラフは少なくて済むし、特に高い精度が必要であれば、特性情報として決定されるべきSOCのグラフは多くすればよいことになる。
[2.第二実施形態]
第二実施形態においても、劣化状態の判定は、前記の図1を参照しながら説明した判定システム100によって行われる。よって、以下の説明では、前記の第一実施形態とは異なる点を中心に、第二実施形態における劣化状態の判定方法を説明する。
図9は、第二実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。この図9に示すグラフは、前記の図5に示すグラフのうちのSOCが40%〜80%の部分を拡大して示したものである。×のプロットは100サイクル目のOCVを示し、○のプロットは1サイクル目のOCVを示す。SOCが40%〜80%においても、前記の図5に示すグラフと同様に、サイクル数の増加に伴ってOCVが大きくなるような変化が生じる。この変化は、図6に示す(A)部の中点付近に存在するものである。そこで、第二実施形態では、SOCが40%〜80%におけるこのような変化に着目して、二次電池20の劣化状態が判定されている。
図9に示すOCVの変化は、前記式(1)で示される正極活物質においてMとしてNiを含むような場合や、Mが複数種のような場合に生じやすい。よって、正極活物質としてこれらの材料を含む二次電池20についての劣化状態を判定する場合には、第二実施形態が好適である。ただ、図9に示すOCVの変化量は40mV程度であり、図2に示したOCVの変化量と比べて小さい。従って、負極活物質として、発現電位がSOCによらず一定となるもの(例えばチタン酸リチウム)を使用することで、正極電位の変化を正確に判定でき、より精度の高い劣化状態の判定が可能となる。
図10は、第二実施形態における、記憶部13に記憶されている特性情報である。図10に示す特性情報は、異なるSOC(70%(△)、60%(□)及び50%(○))のそれぞれについて、残サイクル数とOCVとの関係をグラフ化したものである。図10には、三つの特性情報が含まれていることになる。前記のように、第二実施形態においては、SOCが40%〜80%の二次電池20についての劣化状態が判定される。よって、判定部14が使用する図10に示す特性情報には、SOCが40%〜80%のグラフが含まれている。
図11は、第二実施形態の劣化状態判定システム100において行われるフローである。前記の図7に示したフロー(第一実施形態)と同じステップについては同じステップ番号を付すものとして、フローの具体的な内容の説明は省略する。図7に示したフローと同様にして、SOCが算出される(ステップS11)。そして、判定部14は、算出されたSOCが40%以上80%以下であるか否かを判断する(ステップS22)。ここで「40%以上80%以下」としたのは、前記の図10に示す特性情報において、SOCが40%以上80%以下の範囲であると、二次電池20のサイクル数が増加することで二次電池20のOCVが変化(具体的には上昇)するためである。
この判断の結果、算出されたSOCが40%以上80%以下ではない場合には(No方向)、前記のステップS13と同様に待機後、再度SOCが算出される(ステップS11)。一方で、算出されたSOCが40%以上80%以下である場合には(YES方向)、前記の図7に示すフローと同様に、OCVが算出され(ステップS14)、劣化状態が判定される(ステップS15)。ただし、ステップS15において使用される特性情報は、前記に図2に示す特性情報ではなく、記憶部13に予め記憶された、図10に示す特性情報である。
図12は、第二実施形態における、記憶部13に記憶されている特性情報についての別の例である。記録部13には、前記の図10に示す特性情報に代えて、図12に示す特性情報が記憶されていてもよい。即ち、判定部14(図1参照)は、前記の図10に示す特性情報に代えて、図12に示す特性情報を用いて二次電池20の劣化状態を判定するようにしてもよい。
図12に示す特性情報は、残サイクル数と、OCV微分値のピークSOCの情報である。ここでいうOCV微分値は、前記の図8を参照しながら説明した場合と同様にして算出することができる。また、OCV微分値のピークSOCは、劣化による電位変化の発現SOC変化を反映するものである。即ち、OCV微分値のピークSOCは、OCV変化のグラフにおける極大であり、これにより、OCV変化するSOCを算出できる。そして、この図12に示す特性情報を使用することで、劣化状態(残サイクル数)が判定されることになる。
以上のように、図10に示す特性情報を用いてOCVから劣化状態を判定することで、SOCが30%を超えて40%〜80%であるような場合にも、二次電池20の劣化状態を汎用的かつ精度良く判定することができる。
[3.第三実施形態]
第三実施形態においても、劣化状態の判定は、前記の図1を参照しながら説明した判定システム100によって行われる。よって、以下の説明では、前記の第一実施形態とは異なる点を中心に、第三実施形態における劣化状態の判定方法を説明する。
図13は、記憶部13に記憶されている特性情報である。図13に示すグラフは、横軸に示すサイクル数目の二次電池20のSOC100%(充電終了後)におけるOCVを示している。例えば、200サイクル目の二次電池20の満充電時(SOC100%)のOCVは、図13に示すように約3.61Vである。図13には五つの特性情報が含まれていることになる。図13に示すように、サイクル数が増加すると、SOC100%のときの二次電池20のOCVは小さくなる。特に、その低下は、100サイクルを超えた後(残サイクル数が100回を切ったとき)に顕著となる。ただし、180サイクルを超えた後は、OCVの低下量は小さくなる。
これらのような変化が生じる理由も、前記の図6を参照しながら説明した理由と同様である。即ち、図6(b)に示す状態から、さらに自己放電が進み、正極電位と負極電位との電位関係が変化すると、図6(c)に示すように、負極電位の低下によるものではなく、正極電位の上昇によってSOC100%のOCVに達する。従って、充電電圧は変化しないものの、SOC100%付近における正極電位と負極電位との充電電位はともに高くなる。ここで、正極の充電電位が高くなると、自己放電によって開回路中で正極電位のみが低下し、その結果、図13に示すようにOCVが低下すると考えられる。
そこで、第三実施形態では、図13に示す特性情報を用いて、SOC100%近傍、具体的にはSOC95%〜100%の二次電池20についての劣化状態の判定が行われる。なお、図13には、SOCが100%の結果のみが示されているが、100%に近いSOC(95%以上100%未満のSOC)では、図13と同様の挙動を示すと考えられる。
図14は、第三実施形態の劣化状態判定システム100において行われるフローである。前記の図7に示したフロー(第一実施形態)と同じステップについては同じステップ番号を付すものとして、フローの具体的な内容の説明は省略する。図7に示したフローと同様にして、SOCが算出される(ステップS11)。そして、判定部14は、算出されたSOCが95%以上100%以下であるか否かを判断する(ステップS32)。ここで「95%以上」としたのは、前記の図13に示す特性情報において、SOCが95%以上の範囲であると、二次電池20のサイクル数が増加することで二次電池20のOCVが変化(具体的には低下)するためである。
この判断の結果、算出されたSOC95%以上ではない場合には(No方向)、前記のステップS13と同様に待機後、再度SOCが算出される(ステップS11)。一方で、算出されたSOCが95%以上100%以下である場合には(YES方向)、前記の図7に示すフローと同様に、OCVが算出され(ステップS14)、劣化状態が判定される(ステップS15)。ただし、ステップS15において使用される特性情報は、前記の図2に示す特性情報ではなく、記憶部13に予め記憶された、図13に示す特性情報である。
[4.第四実施形態]
第四実施形態においても、劣化状態の判定は、前記の図1を参照しながら説明した判定システム100によって行われる。よって、以下の説明では、前記の第一実施形態とは異なる点を中心に、第四実施形態における劣化状態の判定方法を説明する。
前記の第一実施形態〜第三実施形態では、劣化状態を判定可能なSOCの範囲が予め定められていた。具体的には、SOCが0%以上30%以下のときには第一実施形態が、SOCが40%以上80%以下のときには第二実施形態が、SOCが95%以上100%以下のときには第三実施形態が適用されていた。そして、それぞれの実施形態において、定められた範囲に含まれないSOCのときには、所定時間待機が行われ、SOCが定められた範囲に含まれるまで劣化状態の判定が行われないようになっていた。しかし、第四実施形態では、算出されたSOCに応じ、判定部14が参照すべき特性情報(図2、図10及び図13の別)を選択して、幅広いSOCの二次電池20についての劣化状態が判定可能になっている。
図15は、第四実施形態の劣化状態判定システム100において行われるフローである。第四実施形態では、記憶部13に、図2に示した特性情報と、図10に示した特性情報と、図13に示した特性情報との、三種類の特性情報が予め記録されている。そして、ここでいう「特性情報」のことを、第四実施形態では便宜的に「特性情報データベース」という。従って、図2に示す「特性情報データベース」には四つの「特性情報」が含まれ、図10に示す「特性情報データベース」には三つの「特性情報」が含まれ、図13に示す「特性情報データベース」には五つの「特性情報」が含まれていることになる。
まず、判定部14は、SOC算出部11を用いて、二次電池20のSOCを算出する(ステップS11)。そして、判定部14は、算出されたSOCが0%以上30%以下であるか否かを判断する(ステップS12)。この判断の結果、算出されたSOCが0%以上30%以下であれば(YES方向)、前記の図7に示すフローと同様にしてOCVが算出され(ステップS14)、劣化状態が判定される(ステップS15)。
ただし、ステップS15における劣化状態の判定は、以下のようにして行われる。まず、判定部14は、SOCが0%以上30%以下であることから前記図2の特性情報データベースを選択する。そして、判定部14は、選択された特性情報データベースの中から、算出されたSOCに対応する特性情報を選択して、選択された特性情報と算出されたSOC及びOCVとに基づいて劣化状態が判定される。
一方で、図15に示すステップS12において、算出されたSOCが0%以上30%以下ではない場合、即ち、30%を超える場合(No方向)、判定部14は、算出されたSOCが40%以上80%以下であるか否かを判断する(ステップS22)。この判断の結果、算出されたSOCが40%以上80%以下である場合(Yes方向)、OCVが算出され(ステップS14)、前記のステップS12において0%以上30%以下であった場合と同様にして劣化状態が判断される(ステップS15)。ただし、ここで使用される特性情報データベースは、記憶部13に記憶された三種類の特性情報データベースのうち、判定部14により選択された図10に示した特性情報データベースである。
さらに、図15に示すステップS22において、算出されたSOCが40%以上80%以下ではない場合、即ち、SOCが30%を超えてかつ40%未満の場合、又は、SOCが80%を超えている場合(No方向)、判定部14は、算出されたSOCが95%以上100%以下であるか否かを判断する(ステップS32)。この判断の結果、算出されたSOCが95%以上100%以下である場合(Yes方向)、OCVが算出され(ステップS14)、前記のステップS12において0%以上30%以下であった場合と同様にして劣化状態が判断される(ステップS15)。ただし、ここで使用される特性情報データベースは、記憶部13に記憶された三種類の特性情報データベースのうち、判定部14により選択された図13に示した特性情報データベースである。
そして、図15に示すステップS32において、算出されたSOCが95%以上100%以下ではない場合、即ち、即ち、SOCが30%を超えてかつ40%未満の場合、SOCが80%を超えてかつ95%未満の場合(No方向)、前記のステップS13と同様に所定時間待機した後、再度SOCが算出される(ステップS11)。
以上のように、特性情報データベースを複数用意しておくことで、幅広いSOCにおいても、汎用的かつ精度よく二次電池20の劣化状態を判定することができる。
[5.第五実施形態]
第五実施形態においても、劣化状態の判定は、前記の図1を参照しながら説明した判定システム100によって行われる。よって、以下の説明では、前記の第一実施形態とは異なる点を中心に、第五実施形態における劣化状態の判定方法を説明する。
前記の第一実施形態〜第四実施形態では、二次電池20における負極活物質としてチタン酸リチウムが使用されていた。しかし、第五実施形態では、負極活物質としてチタン酸リチウムに代えて黒鉛が使用されている。この黒鉛も、チタン酸リチウムと同様に、前記の図6を参照しながら説明した発現電位がSOCによらずある程度一定となる。以下、第五実施形態で使用する二次電池20のことを「5VG」ということがある。
図16は、第五実施形態における、サイクル試験前後における電池容量の変化を示すグラフである。サイクル試験後のグラフ(右)は、サイクル試験前(即ち1サイクル目)のグラフ(左、定格容量)を基準とした相対比で示したものである。即ち、第五実施形態では、劣化により、二次電池20の容量が初期容量(定格容量)からどの程度減少したかをみている。図16に示すグラフは、前記の5VG(二次電池20)を50℃環境下で20回1CA充放電を行ったサイクル試験の前後の電池容量の変化を示すものある。電池容量は、25℃環境下で、SOC100%とした後5時間率(0.2CA)の放電電流で放電することで算出した。図16に示すように、サイクル試験により、電池容量が9%減少していた。
図17は、第五実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。図17において、×はサイクル試験後のグラフ、○はサイクル試験前のグラフである。このサイクル試験は、前記の図16を参照しながら説明したサイクル試験と同じ条件で行った。図17に示すように、SOCが10%以上では、サイクル試験の前後に関わらず、同じようなOCVが示された。しかし、SOCが10%を下回ると、○のグラフに示されるように、サイクル試験前のOCVの落ち込みが大きかった。一方で、×のグラフに示されるように、サイクル試験後のOCVの落ち込みは緩やかであった。このような相違が生じた理由は、前記の図6を参照しながら説明した理由と同じであり、5Vスピネルにおけるニッケル電位からマンガン電位への電圧変化が現れるSOCが変化したためと考えられる。
そこで、第五実施形態の判定システム100は、SOCが0%以上10%以下の場合の二次電池20の劣化状態を判定しようとするものである。
図18は、第五実施形態における、記憶部13に記憶されている特性情報である。前記の図2等に示す特性情報は、いずれも、OCVと、劣化状態の指標として「残サイクル数」との関係を示すものであった。しかし、このような関係に代えて、図18に示すような、OCVと、劣化状態の指標としての電池容量との関係を特性情報として使用してもよい。即ち、以下で図19を参照しながら説明するフローにおいて、ステップS14では、SOC及びOCVに基づいて、使用可能な電池容量が算出される。前記の図16を参照しながら説明したように、サイクル数が増加すると、電池容量が徐々に減少する。従って、第五実施形態では、このような減少を考慮して、使用可能な電池容量が判定される。
図18に示すグラフは、前記のように特性情報であるが、具体的には、残りの電池容量とOCVとの関係について、SOCごとに決定したグラフである。図18において、×のプロットはSOCが9%の二次電池20、△のプロットはSOCが6.5%の二次電池20、□のプロットはSOCが3.5%の二次電池20、○のプロットはSOCが2%の二次電池20についてのグラフである。図18に示すように、SOCが大きな場合(例えば9%)には、電池容量が90%でも100%でも、OCVはさほど変わらない。しかし、SOCが小さな場合(例えば2%)には、電池容量が90%の場合と100%の場合とで、OCVは大きく異なっている。
図19は、第五実施形態の劣化状態判定システム100において行われるフローである。前記の図7に示したフロー(第一実施形態)と同じステップについては同じステップ番号を付すものとして、フローの具体的な内容の説明は省略する。図7に示したフローと同様にして、SOCが算出される(ステップS11)。そして、判定部14は、算出されたSOCが0%以上10%以下であるか否かを判断する(ステップS42)。ここで「10%以下」としたのは、前記の図18に示す特性情報において、SOCが10%以下の範囲であると、二次電池20のサイクル数が増加することで二次電池20のOCVが変化(具体的には上昇)するためである。
この判断の結果、算出されたSOCが0%以上10%以下ではない場合には(No方向)、前記のステップS13と同様に待機後、再度SOCが算出される(ステップS11)。一方で、算出されたSOCが0%以上10%以下である場合には(YES方向)、前記の図7に示すフローと同様に、OCVが算出され(ステップS14)、劣化状態が判定される(ステップS15)。ただし、ステップS15において使用される特性情報は、前記に図2に示す特性情報ではなく、図18に示すグラフ(特性情報)である。
以上のような方法によれば、劣化状態の指標として電池容量を採用して、劣化状態の判定をすることができる。
[6.第六実施形態]
第六実施形態においても、劣化状態の判定は、前記の図1を参照しながら説明した判定システム100によって行われる。よって、以下の説明では、前記の第一実施形態とは異なる点を中心に、第六実施形態における劣化状態の判定方法を説明する。
前記の第一実施形態〜第五実施形態では、二次電池20における正極活物質として、前記式(1)で表されるスピネル型マンガン酸リチウムが使用されていた。しかし、第六実施形態では、正極活物質として当該スピネル型マンガン酸リチウムに代えて、組成式LiMn0.8Fe0.2POで示されるオリビンマンガンが使用されている。以下、第六実施形態で使用する二次電池20のことを「PT」ということがある。
図20は、第六実施形態における、サイクル試験に伴う電池抵抗の変化を示すグラフである。このグラフは、前記のPT(二次電池20)を50℃環境下で100回1CA充放電を行ったサイクル試験後の電池抵抗の変化を示すものある。電池抵抗は、SOC50%から5CA放電をし、10秒後の電圧Vと放電前のOCVとの差(ΔV)を放電電流値で除して算出した。図20には、サイクル試験前(即ち1サイクル目)の電池抵抗(左)、50サイクル目の電池抵抗(中央)、100サイクル目の電池抵抗(右)の三つのグラフが示されている。これらのうち、50サイクル目のグラフ(中央)と100サイクル目のグラフ(右)とは、いずれも、サイクル試験前のグラフ(左)を基準とした相対比で示したものである。図20に示すように、サイクル数が増加すると電池抵抗も徐々に上昇し、二次電池20が徐々に劣化していることがわかる。
図21は、第六実施形態における、SOCとOCVとの関係を示すグラフである。図21において、○のプロットは1サイクル目、×のプロットは50サイクル目、□のプロットは100サイクル目のときの、SOCに対するOCVのグラフである。図21に示すように、SOC30%では、いずれのプロットでも、OCVは同じであった。しかし、SOCが30%を下回ると、プロットのばらつきが出始めている。特に、SOCが20%以下では、プロットのばらつきは大きなものであった。
それぞれのプロットについて、サイクル数が増加すると、30%を下回ったときに生じるOCVの低下は緩やかなものであった。即ち、1サイクル目(○)では、SOCが30%を下回ると、特に20%以下のときにOCVの落ち込みが大きかった。一方で、100サイクル目(□)では、SOCが30%を下回ったときでも、OCVの落ち込みは緩やかであった。この理由は、使用した正極活物質は異なるものの、前記の図6を参照しながら説明した内容と同様の理由と考えられる。特に、正極電位では、オリビンマンガンのマンガン電位から鉄電位への電位変化が生じているものと考えられる。即ち、図6における(A)部はマンガン電位によるものであり、(B)部は鉄電位によるものとなる。
そのため、第六実施形態では、SOCが0%以上30%以下でSOCに応じた変化が生じる。そこで、第六実施形態では、以下で説明する図22に示す特性情報を用いて、SOC30%以下の二次電池20についての劣化状態の判定が行われる。
図22は、第六実施形態における、記憶部13に記憶されている特性情報である。図22に示す特性情報は、異なるSOC(25%(×)、15%(△)、10%(□)及び2%(○))のそれぞれについて、二次電池20のOCVと、劣化度の尺度の一つである電池抵抗との関係をグラフ化したものである。そして、第六実施形態においては、図21を参照しながら説明したように、SOCが0%以上30%以下の二次電池20についての劣化状態が判定されるようになっている。
具体的な判定の方法(フロー)は、前記の第一実施形態におけるフロー(図7参照)と同じであるため、その説明を省略する。ただし、図7のステップS15では、前記の図2に示す特性情報に代えて、図22に示す特性情報が使用される。
以上のような方法によれば、劣化状態の指標として電池抵抗を採用して、劣化状態の判定をすることができる。
[7.変形例]
以上、本発明を実施するための形態を六つの実施形態を挙げて具体的に説明したが、本発明は前記の例に何ら限定されるものではない。例えば、二つ以上の実施形態を適宜組み合わせて実施することができる。
また、例えば、第六実施形態において、正極活物質としてLiMn0.8Fe0.2POが使用されているが、この正極活物質に加えて、「オリビンマンガン」と称される以下の式(2)で表される正極活物質が使用されてもよい。なお、以下の式(2)において、y=0.2となるものが、前記の第六実施形態で使用した正極活物質である。
LiMn1−yFePO ・・・式(2)
(式(2)において、yは0<x≦1を満たす数である。)
オリビンマンガンは、マンガンによる約4V(Li金属基準)の電位と、鉄による約3.5Vの電位とを発現する。各々の電位の容量比は、おおよそマンガンと鉄との組成比率により決まる。従って、高い電池電圧の観点からはマンガンの比率が高いことが好ましい。ただし、マンガン比率を増やすことによる異相の生成等の製造上の観点や、電気伝導性の低下の回避といった性能上の観点からは、前記式(2)におけるyの値として、0.2以上0.3以下程度が好ましい。yをこのような範囲に設定することで、約3.5Vの電位が発現しやすくなる。
従って、この式(2)で表される正極活物質においても、前記の図6を参照しながら説明したような、正極電位での(A)部及び(B)が生じる。よって、前記の式(1)で表される正極活物質を用いた場合と同様に、前記のLiMn0.8Fe0.2POを包含する式(2)で表される正極活物質を用いた場合でも、前記の各実施形態と同様の効果が奏される。
また、前記の各実施形態では、判定部104によって劣化状態が判定された後、判定された劣化情報に基づいて、電圧電流制御装置21を用いて二次電池20の充放電電圧及び電流が制御されている。しかし、このような制御に代えて、又はこのような制御とともに、以下のような制御が行われてもよい。
例えば、判定された劣化状態は、記憶部13に送信されて、判定時点における劣化状態として記憶されるようにしてもよい。また、例えば、出力部15が図示しない表示装置を備えるようにして、判定された劣化状態が当該表示装置に表示されるようにしてもよい。これにより、使用者が劣化状態を視覚で判定することができる。さらに例えば、判定された劣化状態は出力部15に送信された後、図示しないインターフェイス等を介して上位のシステムや、判定システム100と連携する他の制御システム等に出力されるようにしてもよい。これにより、システムの健全性を判定あるいは適切な使用条件の変更のために用いることができる。
さらに、前記の各実施形態における制御フローにおいて、SOCが予め定められた範囲(例えば図7に示すフローであれば0%以上30%以下)ではない場合、劣化状態の判定は行われずに所定時間待機されて、その後にSOCが再度算出されている(図7のステップS13参照)。従って、前記の各実施形態では、所定時間経過することをトリガとして、再度SOCが算出されている。しかし、再度SOCを算出するトリガとしては、このような所定時間経過することに代えて、又は、このようなトリガに加えて、以下のようなトリガとることもできる。
例えば、SOCが予め定められた範囲にはなく、待機を開始した後、電圧電流測定部10により測定される二次電池20の電圧を監視して、当該電圧の変化が予め定めた範囲から逸脱したような場合に、再度SOCが算出されるようにしてもよい。また、例えば、電圧電流測定部10により測定される二次電池20の電圧及び電流を監視して、電圧と電流とから算出される電気量が予め定めた範囲から逸脱したような場合に、再度SOCが算出されるようにしてもよい。
また、前記の各実施形態では、サイクル数の増加に伴ってOCVが変化するSOCの範囲(例えば図5参照)に着目をして、二次電池20の劣化状態が判定されていた。しかし、二次電池20では、サイクル数が増加することで劣化が進行するほか、例えば高温環境に晒されることでも劣化が進行する可能性がある。そのため、OCVが変化するSOCを定めるにあたって、前記のようなサイクル数増加に伴ってOCVが変化するSOCの範囲を用いるほか、これとともに又はこれに代えて、高温環境に晒された(保存を含む概念である)ときにOCVが変化するSOCの範囲を用いてもよい。このような範囲は、前記の図5に示すグラフを作成するのと同様に、例えば高温環境で1時間放置した後、50時間放置した後、100時間放置した後のように時間を振ってSOCとOCVとの関係を示すグラフを描くことで、定めることができる。
また、前記の各実施形態では、特性情報としてグラフを使用したが、例えば数値を含んで構成される表を使用してもよい。そして、表を使用する場合には、例えば前記の図2、図10及び図18のそれぞれの特性情報(特性情報データベース)を数値化して、一つの表にまとめるようにしてもよい。
さらに、前記の各実施形態において、サイクル数増加にOCVの変化(上昇又は低下)は、実験やシミュレーション等によって把握することができる。よって、このようにして把握された変化に応じて、どのSOCの範囲で劣化状態を判定するのかを決めればよい。例えば、前記式(1)又は式(2)のいずれかで表される正極活物質を使用し、負極活物質としてチタン酸リチウムや黒鉛等を使用してサイクル試験を行うことで、SOCとOCVとのグラフ、即ち特性情報が決定される。そして、このグラフにおいて、サイクル数増加に伴ってOCVが上昇又は低下するSOCの範囲を決定し、この範囲において、前記の劣化状態判定システムによる劣化状態の判定が行われるようにすればよい。
10 電圧電流測定部(電圧電流測定装置)
11 SOC算出部(SOC算出装置)
12 OCV算出部(OCV算出装置)
13 記憶部(記憶装置)
14 判定部(判定装置)
15 出力部
20 二次電池
21 電圧電流制御装置
100 判定システム、劣化状態判定システム

Claims (11)

  1. リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定するシステムであって、
    前記リチウムイオン二次電池には、正極活物質として、
    以下の式(1)で表されるもの
    LiM Mn2−x ・・・式(1)
    (式(1)において、Mは、Ni,Co,Cr,Cu及びFeからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、xは0<x≦1を満たす数である。)
    、又は、
    以下の式(2)で表されるもの
    LiMn1−yFePO ・・・式(2)
    (式(2)において、yは0<x≦1を満たす数である。)
    が含まれており、
    前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を測定する電圧電流測定装置と、
    前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を用いて、前記リチウムイオン二次電池の充電状態を表すSOCを算出するSOC算出装置と、
    前記リチウムイオン二次電池の開回路電圧を表すOCVを算出するOCV算出装置と、
    前記SOC算出装置により算出されたSOCが、前記リチウムイオン二次電池の劣化が進行するにつれて前記リチウムイオン二次電池のOCVが変化するSOCの範囲内にあるときに、前記SOC算出装置により算出されたSOCと、前記OCV算出装置により算出されたOCVと、に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定する判定装置と、を備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  2. SOCとOCVと劣化状態とを関連付けた特性情報が予め記憶された記憶装置を備え、
    前記判定装置は、前記SOC算出装置により算出されたSOCに基づいて使用すべき前記特性情報を選択し、当該選択された特性情報と算出されたOCVとに基づいて前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  3. 前記記憶装置には、SOCの範囲毎に、複数の前記特性情報を含む特性情報データベースが複数記憶されており、
    前記判定装置は、
    前記SOC算出装置により算出されたSOCに基づいて使用すべき前記特性情報データベースを選択し、
    選択された前記特性情報データベースに含まれる前記特性情報のなかから、前記SOC算出装置により算出されたSOCに基づいて使用すべき前記特性情報を選択し、当該選択された特性情報を用いて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  4. 前記劣化状態は、前記リチウムイオン二次電池の残サイクル数、電池容量、又は、電池抵抗のうちの少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  5. 前記判定装置は、前記SOC算出装置により算出されたSOCが、前記リチウムイオン二次電池の劣化が進行するにつれて前記リチウムイオン二次電池のOCVが大きくなるようなSOCの範囲内にあるとき、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  6. 前記正極活物質として前記式(1)に示すものが含まれているとともに、前記リチウムイオン二次電池に含まれる負極活物質としてチタン酸リチウムが含まれている場合に、
    前記SOCの範囲は、0%以上30%以下、及び、40%以上80%以下のうちの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  7. 前記判定装置は、前記SOC算出装置により算出されたSOCが、前記リチウムイオン二次電池の劣化が進行するにつれて前記リチウムイオン二次電池のOCVが小さくなるようなSOCの範囲内にあるとき、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  8. 前記正極活物質として前記式(1)に示すものが含まれているとともに、前記リチウムイオン二次電池に含まれる負極活物質としてチタン酸リチウムが含まれている場合に、
    前記SOCの範囲は、95%以上100%以下であることを特徴とする、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  9. 前記リチウムイオン二次電池には、負極活物質として、黒鉛及びチタン酸リチウムのうちの少なくとも一方が使用されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  10. 前記リチウムイオン二次電池には、負極活物質として、チタン酸リチウムが使用されていることを特徴とする、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池の劣化状態判定システム。
  11. リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定する方法であって、
    前記リチウムイオン二次電池には、正極活物質として、
    以下の式(1)で表されるもの
    LiM Mn2−x ・・・式(1)
    (式(1)において、Mは、Ni,Co,Cr,Cu及びFeからなる群より選ばれる一種以上の元素であり、xは0<x≦1を満たす数である。)
    、又は、
    以下の式(2)で表されるもの
    LiMn1−yFePO ・・・式(2)
    (式(2)において、yは0<x≦1を満たす数である。)
    が含まれており、
    電圧電流測定装置によって、前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を測定する電圧電流測定ステップと、
    SOC算出装置によって、前記リチウムイオン二次電池の電圧値及び電流値を用いて、前記リチウムイオン二次電池の充電状態を表すSOCを算出するSOC算出ステップと、
    OCV算出装置によって、前記リチウムイオン二次電池の開回路電圧を表すOCVを算出するOCV算出ステップと、
    判定装置によって、前記SOC算出装置により算出されたSOCが、前記リチウムイオン二次電池の劣化が進行するにつれて前記リチウムイオン二次電池のOCVが変化するSOCの範囲内にあるときに、前記SOC算出装置により算出されたSOCと、前記OCV算出装置により算出されたOCVと、に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定する判定ステップと、を有することを特徴とする、リチウムイオン二次電池の劣化状態判定方法。
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