JP2021139585A - 吸着式ヒートポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
この構成によれば、離間した第1バルブおよび第2バルブを閉じることにより、第1バルブを伝わる熱と、第2バルブを伝わる熱とは、第1バルブと第2バルブとの間における流路内の冷媒の対流のみによってしか伝わらない。そのため、第1バルブおよび第2バルブが閉じた状態で、高温蒸発器側から吸着器側への熱移動が抑制されるため、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
この構成によれば、高温蒸発器から吸着器へと高温蒸気が供給される際に、第1バルブが圧力差によって自動的に開く。一方で、低温蒸発器から吸着材へと低温蒸気が供給される際には、第1バルブが開かない。これにより、動力を使用せずに第1バルブが開閉するため、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
この構成によれば、1つの第3バルブのみによって、第3バルブが閉じた場合に、高温蒸発器側と吸着器側とを断熱できる。すなわち、簡単な構成によって、断熱機構を実現できる。
この構成によれば、高温蒸発器と吸着器とを間を開閉する流路開閉部の熱抵抗が大きい、すなわち断熱性が高いため、流路開閉部により区画された流路間の熱交換が抑制される。
この構成によれば、高温蒸気の熱伝達率と低温蒸気の熱伝達率とが高いため、断熱性を有する断熱機構を用いることにより、流路開閉部により区画された流路間の熱交換がより抑制される。
・吸着式ヒートポンプ100の構成
図1は、本発明の第1実施形態としての吸着式ヒートポンプ100の概略ブロック図である。図1に示される吸着式ヒートポンプ100は、2つの吸着器20,50が有する吸着材25,55を用いて冷媒(熱媒)としての水を「蒸発−吸着−脱着−凝縮」の順で循環させることにより、低温の温水(65℃〜100℃)を利用して冷水を作る装置である。
本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、2つの吸着器20,50の内、一方の吸着器に低温蒸気が供給され、他方の吸着器に高温蒸気が供給される。低温蒸気の供給と、高温蒸気の供給とが交互に行われることにより、低温蒸気の供給時に吸着材が水蒸気を吸着し、高温蒸気の供給時に吸着材が吸着した水蒸気を脱離する。低温蒸発器10内の水が低温蒸気に変化する際の気化熱によって、低温蒸発器10に冷熱が供給される。
図5は、吸着式ヒートポンプ100の制御方法のフローチャートである。図5に示されるように、制御部70は、初めに、吸着式ヒートポンプ100が備える全バルブを閉じる(ステップS1)。制御部70は、ポンプP1を起動し(ステップS2)、凝縮器40から高温蒸発器30へと水を供給する。
以上説明したように、本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、高温蒸発器30は、吸着器20,50の鉛直方向の下側に配置される。例えば吸着器20で脱離工程が行われる場合に(図4)、バルブV32,V33バルブV32,V33が閉じた状態で、流路FP32と流路FP31とは、流路FP33を介して断熱される。そのため、本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、吸着器20,50で脱離工程が行われている場合に、高温蒸気で満たされた流路FP31側の熱が、低温の水蒸気で満たされている流路FP32側へ流出することを抑制できる。これにより、吸着式ヒートポンプ100のシステム効率が向上する。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記第1実施形態では、吸着式ヒートポンプ100の一例について説明したが、吸着式ヒートポンプ100の構成および形状等については、種々変形可能である。吸着式ヒートポンプ100では、高温蒸発器30が吸着器の鉛直方向の下側に配置され、流路FP31,FP32間を開閉するバルブV32,33が断熱する断熱機構を有していればよい。そのため、吸着式ヒートポンプ100は、例えば、凝縮器40を備えていなくてもよいし、第1吸着器20を備えて第2吸着器50を備えていなくてもよい。吸着式ヒートポンプ100は、上記構成に加えて他の構成を備えていてもよく、吸着器20,50と異なる吸着器をさらに備えていてもよい。また、吸着式ヒートポンプ100の各構成(例えば、吸着器20,50および凝縮器40)間を接続する配管等の形状や接続所については、種々変形可能である。
図6は、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aの概略ブロック図である。第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100と比較して、バルブV32,V34が異なること、および、バルブV33,V35を備えないことが異なり、その他の構成および形状等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100と異なる構成について説明し、同じ構成等についての説明を省略する。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
図12は、第2実施形態の第1変形例のバルブV32bの説明図である。第2実施形態の第1変形例のバルブV32bでは、第2実施形態のバルブV32aと比較して、弁体322bのみが異なる。そのため、第1変形例では、弁体322bについて説明し、第2実施形態のバルブV32aと同じ構成についての説明を省略する。
図13は、第2実施形態の第2変形例のバルブV32cの説明図である。第2実施形態の第2変形例のバルブV32cでは、第2実施形態のバルブV32aと比較して、弁体322cのみが異なる。そのため、第2変形例では、弁体322cについて説明し、第2実施形態のバルブV32aと同じ構成についての説明を省略する。
図14は、第2実施形態の第3変形例のバルブV32dの説明図である。第2実施形態の第3変形例のバルブV32dでは、第2実施形態の第1変形例のバルブV32b(図12)と比較して、弁体322dのみが異なる。そのため、第3変形例では、弁体322dについて説明し、第2実施形態の第1変形例のバルブV32bと同じ構成についての説明を省略する。
上記第2実施形態では、断熱性を有する弁体を備えるバルブの一例として、バルブV32a,V32b,V32c,V32dについて説明したが、バルブについては、流路を開閉する弁体が断熱性を有する範囲で種々変形可能である。例えば、バルブは、ゲートバルブ以外のバルブであってもよく、グローブバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、逆止弁、およびダイヤフラムバルブなど周知のバルブを適用できる。なお、本明細書における断熱性を有する弁体とは、弁体の一部が断熱性を有していればよい。
11…配管
20…第1吸着器(吸着器)
21〜24,41〜46,51〜54…配管
25,55…吸着材
26,56…シャワーヘッド
27,57…伝熱管壁
30…高温蒸発器
31〜35…配管(流路形成部)
40…凝縮器
50…第2吸着器(吸着器)
60…冷熱機
70,70a…制御部
100,100a…吸着式ヒートポンプ
321…バルブのボデー
321s…雌ネジ部
322,322b,322c,322d…弁体
323…バルブの弁棒
323s…雄ネジ部
324…バルブのハンドル
325〜327…バルブの流路
328,328c,328d…弁体の被覆部
329,329c,329d…弁体の本体部
FP28…吸着器の流路
FP33,FP35…流路(断熱機構)
FP31,FP32,FP34,FP31a…流路
P1,P2…ポンプ
V32,V34…バルブ(第1バルブ)
V33,V35…バルブ(第2バルブ)
V32a,V32b,V32c,V32d,V34a…バルブ(第3バルブ)
V12,V13,V21,V23,V45,V46,V51,V53…バルブ
Claims (6)
- 吸着式ヒートポンプであって、
高温蒸気を生成する高温蒸発器と、
前記高温蒸気よりも温度が低い低温蒸気を生成する低温蒸発器と、
前記高温蒸気および前記低温蒸気が供給される吸着器と、
前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気が流れる流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する流路開閉部と、
を備え、
前記吸着器は、供給された前記低温蒸気を吸着する吸着材を有し、
前記高温蒸発器は、前記吸着器の鉛直方向の下側に配置され、
前記流路開閉部は、前記流路を閉じた状態で、前記流路開閉部によって区画された前記流路間を断熱する断熱機構を有する、吸着式ヒートポンプ。 - 請求項1に記載の吸着式ヒートポンプであって、
前記断熱機構は、前記流路上に互いに離間した状態で直列に配置された第1バルブおよび第2バルブを有する、吸着式ヒートポンプ。 - 請求項2に記載の吸着式ヒートポンプであって、
前記第1バルブは、前記第2バルブよりも鉛直方向の上側に配置されたリードバルブである、吸着式ヒートポンプ。 - 請求項1に記載の吸着式ヒートポンプであって、
前記断熱機構は、断熱性を有する弁体を備える第3バルブを有する、吸着式ヒートポンプ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の吸着式ヒートポンプであって、
前記流路開閉部の熱抵抗は、0.005K/W以上である、吸着式ヒートポンプ。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の吸着式ヒートポンプであって、
前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気の熱伝達率と、前記低温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記低温蒸気の熱伝達率とが、それぞれ3000W/(m2・K)以上である、吸着式ヒートポンプ。
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