JP2021139468A - バルブおよび吸着式ヒートポンプ - Google Patents

バルブおよび吸着式ヒートポンプ Download PDF

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大騎 鈴木
Daiki Suzuki
大騎 鈴木
靖樹 廣田
Yasuki Hirota
靖樹 廣田
崇史 山内
Takashi Yamauchi
崇史 山内
智行 秋田
Tomoyuki Akita
智行 秋田
隆太 神谷
Ryuta Kamiya
隆太 神谷
弘之 岡
Hiroyuki Oka
弘之 岡
毅 鬼頭
Takeshi Kito
毅 鬼頭
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Abstract

【課題】バルブにおける弁体を通じた流体間の熱交換を抑制する。【解決手段】バルブ10aは、流体が流れる流路を形成する流路形成部1と、断熱性を有し、流路形成部に設けられて流路を開閉する弁体2aと、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、バルブおよび吸着式ヒートポンプに関する。
熱媒が通る流路を開閉するバルブが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたバタフライバルブでは、流路を形成する円筒状のバルブボデーが、低熱伝導率の樹脂被覆を有している。低熱伝導率の樹脂被覆によって、流路内に低温流体が流れても、外気と流路とは熱的に絶縁されている。そのため、バルブボデー外表面に、低温流体の伝熱による結露の発生が抑制される。
特許文献2には、複数の流路と、複数の流路の接続を切り替える弁体と、を備える切替弁が開示されている。弁体の外面は、接続した複数の流路とは異なる流路の一部を形成している。そのため、弁体の内面と外面とでは、異なる流体が流れる流路を形成している。弁体は、内面と外面との間に、空気で形成された断熱空間を有する。断熱空間は、弁体の内面側を流れる流体と、弁体の外面側を流れる流体との間における熱移動を抑制する。
特開平8−14437号公報 実開平5−25271号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたバタフライバルブは、流路と、流路を形成するバルブボデー外表面との熱移動を抑制できるが、バタフライバルブが閉じた状態で、弁体により区画された両流体間の熱移動は抑制されない。特許文献2に記載された切替弁は、異なる流路を流れる流体間の熱移動を抑制できるが、同一流路を流れる流体間の熱移動については考慮されていない。また、特許文献2の弁体に形成された断熱空間が有する大きさおよび大きさに基づく断熱性について何ら開示されていない。そのため、バルブによって区切られる流路を流れる流体の熱交換を抑制したいという課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルブにおける弁体を通じた流体間の熱交換を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、バルブが提供される。このバルブは、流体が流れる流路を形成する流路形成部と、断熱性を有し、前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する弁体と、を備える。
この構成によれば、流路を開閉する弁体が断熱性を有する。そのため、弁体が閉じて温度の異なる流体が弁体を介して隔てられたときに、弁体を通じて隔てられた流体間の熱交換を抑制できる。また、同じ温度の流体が弁体を介して隔てられた状態で、一方の流体の温度が上昇した場合に、一方の流体から他方の流体への弁体を通じた熱交換を抑制できる。
(2)上記形態のバルブにおいて、前記弁体の熱抵抗が0.02K/W以上であってもよい。
この構成によれば、弁体を介して隔てられた流体間の熱交換をより抑制できる。
(3)上記形態のバルブにおいて、前記弁体は、本体部と、前記本体部の表面を覆う被覆部と、を有し、前記被覆部は、少なくとも、前記被覆部のうち、前記弁体が前記流路を閉じた際に前記弁体により区画された一方の流路に面した部分が断熱性を有する材料により形成されていてもよい。
この構成によれば、本体部を被覆している被覆部の一部が断熱材により形成されている。そのため、弁体全体を断熱材で形成せずに、弁体を介して隔てられた流体間の熱交換を抑制できる。これにより、本体部の材料を自由に選択できる。また、弁体により区画された流路を流れる流体の性能に応じて、本体部の一方の面のみが断熱材で被覆されればよく、設計の自由度が向上する。
(4)上記形態のバルブにおいて、前記被覆部の全てが断熱性を有する材料により形成されていてもよい。
この構成によれば、本体部の全面が断熱材で被覆されるため、断熱性がより向上する。
(5)上記形態のバルブにおいて、前記弁体は、本体部と、前記本体部の表面を覆う被覆部と、を有し、前記本体部は、断熱性を有する材料により形成されていてもよい。
この構成によれば、本体部が断熱材により形成される。そのため、断熱材は、全面で流路を流れる流体に接触せずに、一部の面で流体に接触する。これにより、本体部および被覆部として使用できる材料の選択の余地が広がる。
(6)本発明の他の一形態によれば、上記記載のバルブを備える吸着式ヒートポンプが提供される。この吸着式ヒートポンプは、熱媒を吸着する吸着材を有する吸着器と、前記吸着材に供給される蒸気であって温度が相対的に高い高温蒸気を生成する高温蒸発器と、前記吸着材に供給される蒸気であって温度が相対的に低い低温蒸気を生成すると共に、冷熱を得る低温蒸発器と、を備え、前記バルブは、前記吸着器と前記高温蒸発器とを接続して、蒸気が流れる流路に配置され、前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気の熱伝達率と、前記低温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記低温蒸気の熱伝達率とが、それぞれ3000W/(m2・K)以上であってもよい。
この構成によれば、吸着式ヒートポンプが備える吸着器と蒸発器とを接続する流路内にバルブが配置される。吸着式ヒートポンプでは、蒸気加熱時と蒸気冷却時とで、同じ流路内を温度差の大きい異なる流体が通る。バルブは、弁体が閉じた状態で、温度差のある高温蒸気と低温蒸気とを隔てている。弁体は、断熱性を有しているため、隔てた流路間の熱交換を抑制する。特に、高温蒸気および低温蒸気の熱伝達率がそれぞれ3000W/(m2・K)と高いため、断熱性を有する弁体によって、弁体を介した流体の放熱を大きく抑制できる。これにより、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、バルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ、吸着式ポンプ、吸着式ヒートポンプ、およびこれらの装置を備えるシステムまたは制御方法、および、これらシステムや制御方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
第1実施形態のゲートバルブの概略断面図である。 第2実施形態のゲートバルブの説明図である。 第3実施形態のゲートバルブの説明図である。 第4実施形態のゲートバルブの説明図である。 ゲートバルブを備える第5実施形態の吸着式ヒートポンプの説明図である。 弁体の放熱量についての説明図である。 弁体の放熱量についての説明図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のゲートバルブ10の概略断面図である。図1には、流路5が弁体2によって閉じられた状態のゲートバルブ10が示されている。図1に示されるように、ゲートバルブ(バルブ)10は、流体が流れる流路5を形成するボデー(流路形成部)1と、ボデー1に対して中心軸OL上で移動可能な弁棒3と、弁棒3の一端に固定されたハンドル4と、弁棒3の他端に固定された弁体2と、を備えている。
弁棒3の外周には、雄ネジ部3sが形成されている。ボデー1は、雄ネジ部3sと螺合する雌ネジ部1sを備えている。そのため、ハンドル4が中心軸OL回りに回転すると、弁棒3は、回転方向および回転量に応じて、雌ネジ部1sに対して中心軸OL上を移動する。これにより、弁棒3の他端に固定された弁体2は、弁棒3の移動に応じて中心軸OL上を移動する。この結果、弁体2は、ボデー1に対して移動可能に設けられて、流路5を開閉する。第1実施形態の弁体2は、ベークライトによって形成されている。ベークライトの熱伝導率は、約0.6W/(m・K)であり、いわゆる断熱材である。すなわち、弁体2は、断熱性を有する。
以上説明したように、本実施形態のゲートバルブ10は、断熱性を有し、流路を開閉する弁体2を備えている。そのため、本実施形態のゲートバルブ10では、弁体2が閉じて温度の異なる流体が弁体2を介して隔てられたときに、弁体2を通じて隔てられた流体間の熱交換を抑制できる。
<第2実施形態>
図2は、第2実施形態のゲートバルブ10aの説明図である。第2実施形態のゲートバルブ10aでは、第1実施形態のゲートバルブ10と比較して、弁体2aのみが異なる。そのため、第2実施形態では、弁体2aについて説明し、第1実施形態のゲートバルブ10と同じ構成についての説明を省略する。
図2には、第2実施形態の弁体2a近傍を拡大した概略断面図が示されている。図2に示されるように、弁体2aは、弁体2aの中心側に位置する本体部21と、本体部21の外周面を覆う被覆部22と、を備えている。本体部21は、アルミニウムにより形成されている。一方で、被覆部22は、第1実施形態の弁体2と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。換言すると、被覆部22の全てが断熱性を有する材料により形成されている。
以上説明したように、第2実施形態の被覆部22は、本体部21の外周面を覆い、断熱性を有するベークライトにより形成されている。すなわち、流路5内を流れる流体に接する被覆部22のみが断熱材で形成されている。そのため、第2実施形態のゲートバルブ10aでは、弁体2aの断熱性を確保した上で、本体部21の材料を自由に選択できる。
<第3実施形態>
図3は、第3実施形態のゲートバルブ10bの説明図である。第3実施形態のゲートバルブ10bでは、第1実施形態のゲートバルブ10と比較して、弁体2bのみが異なる。そのため、第3実施形態では、弁体2bについて説明し、第1実施形態のゲートバルブ10と同じ構成についての説明を省略する。
図3には、第3実施形態の弁体2b近傍を拡大した概略断面図が示されている。図3に示されるように、弁体2bは、弁体2bの中心部を含む本体部21bと、本体部21bの一部の外周面を覆う被覆部22bと、を備えている。本体部21bは、第2実施形態の本体部21と同じように、アルミニウムにより形成されている。一方で、被覆部22bは、第2実施形態の被覆部22と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。図3に示されるように、被覆部22bは、弁体2bが流路5を閉じた際に、弁体2bにより区画された一方の流路51に面した本体部21bの外周面に形成されている。換言すると、弁体2bが流路5を閉じた際に、弁体2bにより区画された他方の流路52に面した側には、被覆部22bは形成されていない。
以上説明したように、第3実施形態のゲートバルブ10bでは、第2実施形態の被覆部22に相当する部分の内、図3に示されるように、流路51側に位置する被覆部22bが断熱材で形成されている。そのため、第3実施形態のゲートバルブ10bでは、弁体2bにより区画された流路5を流れる流体の性能に応じて、本体部21bの一方の面のみが断熱材で被覆されればよく、設計の自由度が向上する。
<第4実施形態>
図4は、第4実施形態のゲートバルブ10cの説明図である。第4実施形態のゲートバルブ10cでは、第1実施形態のゲートバルブ10と比較して、弁体2cのみが異なる。そのため、第4実施形態では、弁体2cについて説明し、第1実施形態のゲートバルブ10と同じ構成についての説明を省略する。
図4には、第4実施形態の弁体2c近傍を拡大した概略断面図が示されている。図4に示されるように、弁体2cは、第2実施形態の弁体2aと同じように、本体部21cと、本体部21cの外周面を覆う被覆部22cと、を備えている。本体部21cは、第1実施形態の弁体2と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。一方で、被覆部22cは、多孔質金属であるマイクロポーラス金属で形成されている。
以上説明したように、第4実施形態の本体部21cは、断熱材で形成されている。そのため、第4実施形態のゲートバルブ10cでは、そのため、本体部21cを形成する断熱材は、全面で流路51を流れる流体に接触せずに、一部の面で流体に接触する。これにより、流体の性質に応じて、本体部21cおよび被覆部22cとして使用できる材料の選択の余地が広がる。
<第5実施形態>
図5は、ゲートバルブ10を備える第5実施形態の吸着式ヒートポンプ100の説明図である。図5には、吸着式ヒートポンプ100が備える構成の一部が簡略化して示されている。第5実施形態の吸着式ヒートポンプ100は、吸着器30が有する吸着材31(例えばシリカゲル)を用いて冷媒(熱媒)としての水を「蒸発−吸着−脱着−凝縮」の順で循環させることにより、低温の温水(65℃〜100℃)を利用して冷水を作る装置である。
図5に示されるように、吸着式ヒートポンプ100は、冷媒を吸着する吸着材31を有する吸着器30と、吸着材31を加熱するための高温蒸気を生成する高温蒸発器(蒸発器)40と、吸着器30が生成した冷水がバルブV1を介して供給される低温蒸発器60と、第1実施形態のゲートバルブ10と、を備えている。図5には、ゲートバルブ10が流路5を閉じ、かつ、バルブV1が開いて、吸着器30に低温蒸発器60から低温蒸気が供給される状態が示されている。低温蒸発器60は、低温蒸気を吸着材31に供給し、吸着器30が生成した冷水によって冷熱を得ている。高温蒸発器40が生成する高温蒸気は、低温蒸発器60が生成する低温蒸気よりも温度が高い。換言すると、吸着材31に供給される高温蒸気の温度は相対的に高く、吸着材31に供給される低温蒸気の温度は相対的に低い。
図5に示されるように、ゲートバルブ10は、吸着器30と高温蒸発器40とを接続して、高温蒸気が流れる流路に配置されている。図5に示される状態では、弁体2により区画された流路52側は、高温蒸発器40が生成した高温蒸気に接している。一方で、流路51側は、低温蒸発器60から供給された低温蒸気に接している。そのため、流路5は、弁体2を挟んで温度差が生じた蒸気に接している。弁体2の流路51側には、低温蒸気が凝縮されることにより発生する水滴bwが付着する場合がある。弁体2を介して、流路51側の低温蒸気(水を含む)と、流路52側の高温蒸気とが区切られているため、弁体2の熱伝達率に応じた熱交換が行われる。
図6および図7は、弁体2の放熱量についての説明図である。図6および図7には、高温蒸発器40による吸着器30の蒸気過熱時の熱伝達率(「高温蒸気側熱伝達率」とも言う)と、低温蒸発器60による吸着器30の蒸気冷却時の熱伝達率(「吸着器側熱伝達率」とも言う)とが、それぞれ3000W/(m2・K)と仮定した場合の弁体2の放熱量についての関係が示されている。図6には、弁体2の熱伝導率が材質などに応じて変化した場合の放熱量の変化が示されている。なお、図6には、断熱材ではないステンレスおよびアルミニウムの熱伝導率が破線で示されている。上記の蒸気過熱時および蒸気冷却時の仮定で、高温蒸発器40の能力を200kWとして設定し、放熱量を5%未満(10kW)に抑えたい場合には、図6に示されるように、弁体2の熱伝導率を4.8W/(m・K)に抑える必要がある(図6の一点鎖線)。
図7には、弁体2の放熱量に対する熱抵抗の変化が示されている。図7に示されるように、弁体2の放熱量を10kW未満に抑える場合には、弁体2の熱抵抗が0.005K/W以上であればよい。
図5に示される第5実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、弁体2の材質がベークライト、弁体2の厚みである弁体厚さTbが10(mm)、弁体2が高温蒸気および低温蒸気に接している弁体面積Aが0.63(m2)である。弁体2のベークライト熱伝導率λbは0.6(W/(m・K))であり、高温蒸発器40から供給される高温蒸気の温度Thは85(℃)であり、低温蒸発器60から供給される低温蒸気の温度Tcは30(℃)である。これらの値を下記式(1)〜(3)に代入することにより、熱通過率Kb、熱流束qb、および弁体2からの放熱量Qbが算出される。
Figure 2021139468
Figure 2021139468
Figure 2021139468
上記式(1)〜(3)を解くことにより、ベークライトで形成された弁体2からの放熱量Qbは、1.9kWである。この値は、高温蒸発器40の出力である200kWの1%未満である。また、図7に示される熱抵抗の変化から、放熱量が1.9kWに対応する熱抵抗は、0.03K/Wよりも大きい。
一方で、比較例として、弁体が断熱材ではないステンレスで形成されている場合、ステンレスの熱伝導率λsは222(W/(m・K))である。ステンレスの熱伝導率λsを、上記式(1)におけるベークライト熱伝導率λbに置換して、上記式(1)〜(3)を解くと、比較例の弁体からの放熱量Qsは、21.29kWであり、第5実施形態の弁体2からの放熱量Qbの10倍以上である。換言すると、比較例の弁体の代わりに第5実施形態の弁体2に交換することにより、ゲートバルブ10の放熱量を90%以上低減できる。
以上説明したように、第5実施形態の吸着式ヒートポンプ100は、吸着材31を有する吸着器30と、高温蒸気を生成する高温蒸発器40と、吸着材31に低温蒸気を供給する低温蒸発器60と、を備えている。ゲートバルブ10は、吸着器30と高温蒸発器40とを接続する流路に配置されている。そのため、第5実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、高温蒸発器40による蒸気加熱時と、低温蒸発器60による蒸気冷却時とで、同じ流路内を温度差の大きい異なる流体が通る。ゲートバルブ10は、弁体2が閉じた状態で、温度差のある高温蒸気と低温蒸気とを隔てている。弁体2は、断熱性を有しているため、隔てた流路間の熱交換を抑制する。特に、高温蒸気および低温蒸気の熱伝達率が3000W/(m2・K)と高いため、断熱性を有する弁体2によって、弁体2を介した流体の放熱を大きく抑制できる。これにより、吸着式ヒートポンプ100のシステム効率が向上する。
また、第5実施形態の弁体2の熱抵抗は、0.03K/Wよりも大きい、すなわち、0.02K/W以上である。弁体2の熱抵抗が大きいため、第5実施形態のゲートバルブ10では、弁体2を介して隔てられた流体間の熱交換をより抑制できる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記第1実施形態ないし第5実施形態では、断熱性を有する弁体を備えるバルブの一例として、ゲートバルブ10,10a,10b,10cについて説明したが、バルブについては、流路を開閉する弁体2が断熱性を有する範囲で種々変形可能である。例えば、バルブは、ゲートバルブ以外のバルブであってもよく、グローブバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、逆止弁、およびダイヤフラムバルブなど周知のバルブを適用できる。なお、本明細書における断熱性を有する弁体とは、弁体の一部が断熱性を有していればよく、例えば、第3実施形態の弁体2bにおける被覆部22bの一部が、断熱材ではないステンレスやアルミなどで形成されていてもよい。
上記第1実施形態ないし第5実施形態では、断熱性を有する断熱材として、ベークライトを一例に挙げたが、周知の材料を適用できる。また、断熱性を有さない材料として、アルミニウム、ステンレス、およびマイクロポーラス金属を一例に挙げたが、周知の材料を適用できる。
また、第2実施形態のゲートバルブ10aの弁体2aでは、流路51側に断熱材で形成された被覆部22が形成されていたが、流路51側の代わりに流路52側に被覆部22が形成されていてもよい。
第5実施形態では、弁体厚さTbや弁体面積Aなどについて、一例として具体的な数値を用いて説明したが、弁体厚さTbや弁体面積Aなどの数値については、弁体2が断熱性を有する範囲で、これらに限られず種々変形可能である。吸着式ヒートポンプがバルブを備える場合に、バルブの弁体の熱抵抗が0.02K/W以上であると好ましい。また、高温蒸気側熱伝達率hhと、吸着器側熱伝達率hcとが3000W/(m2・K)以上と高い吸着式ヒートポンプにおいて、吸着器30と高温蒸発器40との間に、断熱性を有する弁体を備えるバルブが配置されることが好ましい。他の実施形態の吸着式ヒートポンプ100は、吸着器30,高温蒸発器40,ゲートバルブ10,および低温蒸発器60以外の構成を備えていてもよく、例えば、凝縮器、および、ゲートバルブ10の開閉およびバルブV1の開閉を制御する制御装置などを備えていてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1…ボデー(流路形成部)
1s…雌ネジ部
2,2a,2b,2c…弁体
3…弁棒
3s…雄ネジ部
4…ハンドル
5,51,52…流路
10,10a,10b,10c…ゲートバルブ
21,21b,21c…本体部
22,22b,22c…被覆部
30…吸着器
31…吸着材
40…高温蒸発器
60…低温蒸発器
100…吸着式ヒートポンプ
A…弁体面積
b…熱通過率
b,Qs…放熱量
c…低温蒸気の温度
h…高温蒸気の温度
V1…バルブ
c…吸着器側熱伝達率
h…高温蒸気側熱伝達率
b…熱流束
λb…ベークライト熱伝導率
λs…熱伝導率

Claims (6)

  1. バルブであって、
    流体が流れる流路を形成する流路形成部と、
    断熱性を有し、前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する弁体と、
    を備える、バルブ。
  2. 請求項1に記載のバルブであって、
    前記弁体の熱抵抗が0.02K/W以上である、バルブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルブであって、
    前記弁体は、本体部と、前記本体部の表面を覆う被覆部と、を有し、
    前記被覆部は、少なくとも、前記被覆部のうち、前記弁体が前記流路を閉じた際に前記弁体により区画された一方の流路に面した部分が断熱性を有する材料により形成されている、バルブ。
  4. 請求項3に記載のバルブであって、
    前記被覆部の全てが断熱性を有する材料により形成されている、バルブ。
  5. 請求項1または請求項2に記載のバルブであって、
    前記弁体は、本体部と、前記本体部の表面を覆う被覆部と、を有し、
    前記本体部は、断熱性を有する材料により形成されている、バルブ。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のバルブを備える吸着式ヒートポンプであって、
    熱媒を吸着する吸着材を有する吸着器と、
    前記吸着材に供給される蒸気であって温度が相対的に高い高温蒸気を生成する高温蒸発器と、
    前記吸着材に供給される蒸気であって温度が相対的に低い低温蒸気を生成すると共に、冷熱を得る低温蒸発器と、
    を備え、
    前記バルブは、前記吸着器と前記高温蒸発器とを接続して、蒸気が流れる流路に配置され、
    前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気の熱伝達率と、前記低温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記低温蒸気の熱伝達率とが、それぞれ3000W/(m2・K)以上である、吸着式ヒートポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH071364U (ja) * 1993-06-10 1995-01-10 株式会社クボタ 開閉弁
JP2016011821A (ja) * 2014-06-30 2016-01-21 株式会社豊田中央研究所 吸着式ヒートポンプシステム及び冷熱生成方法

Patent Citations (2)

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