JP7499582B2 - 吸着式ヒートポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、吸着式ヒートポンプに関する。
冷熱を供給可能な吸着式ヒートポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された吸着式ヒートポンプでは、加熱器によって加熱された水蒸気が吸着器内の吸着材を加熱する。加熱器は、吸着器の鉛直下方に配置され、流通配管によって吸着器に接続している。流通配管の途中に配置されたバルブによって流通配管内の流路が開閉され、吸着器に供給される水蒸気が制御される。
特許第6155732号明細書
特許文献1に記載された吸着式ヒートポンプでは、バルブが流通配管を閉じ、かつ、加熱器とは異なる第1蒸発器から供給される水蒸気が吸着器内で凝縮されている状態で、流路内のバルブの上方(吸着器側)に凝縮された水滴が生じる。この水滴は、閉じた状態のバルブを介して、加熱器側の高温蒸気によって加熱されて蒸発する場合がある。すなわち、バルブの伝熱によって、加熱器から熱が流出するおそれがある。加熱器から熱が流出すると、吸着式ヒートポンプのシステム効率が低下する。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、吸着式ヒートポンプのシステム効率を向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。吸着式ヒートポンプであって、高温蒸気を生成する高温蒸発器と、前記高温蒸気よりも温度が低い低温蒸気を生成する低温蒸発器と、前記高温蒸気および前記低温蒸気が供給される吸着器と、前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気が流れ、鉛直方向に延びる流路を形成する流路形成部と、前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する流路開閉部と、を備え、前記吸着器は、前記流路に接続して鉛直方向に延びる吸着器内流路を形成する伝熱管壁と、前記伝熱管壁を介して前記吸着器内流路の外側に配置された吸着材であって、供給された前記低温蒸気を吸着する吸着材とを有し、前記高温蒸発器は、前記吸着器の鉛直方向の下側に配置され、前記流路開閉部は、前記流路を閉じた状態で、前記流路開閉部によって区画された前記流路間を断熱する断熱機構を有し、前記断熱機構は、前記流路上に互いに離間した状態で直列に配置された第1バルブおよび第2バルブを有し、前記吸着式ヒートポンプは、さらに、前記第1バルブおよび前記第2バルブを同じステップで開閉する制御部を備える、吸着式ヒートポンプ。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、吸着式ヒートポンプが提供される。この吸着式ヒートポンプは、高温蒸気を生成する高温蒸発器と、前記高温蒸気よりも温度が低い低温蒸気を生成する低温蒸発器と、前記高温蒸気および前記低温蒸気が供給される吸着器と、前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気が流れる流路を形成する流路形成部と、前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する流路開閉部と、を備え、前記吸着器は、供給された前記低温蒸気を吸着する吸着材を有し、前記高温蒸発器は、前記吸着器の鉛直方向の下側に配置され、前記流路開閉部は、前記流路を閉じた状態で、前記流路開閉部によって区画された前記流路間を断熱する断熱機構を有する。
この構成によれば、低温蒸発器から供給される低温蒸気は、吸着材に吸着される。吸着材に吸着される際の吸熱反応により、低温蒸発器に冷熱が供給される。吸着材が冷媒を吸着した状態で、高温蒸発器によって高温蒸気が吸着器に供給されると、高温蒸気による熱によって吸着材は冷媒を脱離する。冷媒を脱離した吸着材は、再び、低温蒸気を吸着することにより、低温蒸発器に冷熱を継続的に供給できる。低温蒸気が吸着材に供給される場合に、高温蒸気で満たされた流路と吸着器とは、流路開閉部が閉じられることにより区画される。この場合に、高温蒸発器が吸着器の鉛直方向の下側に配置されるため、吸着器側の流路開閉部には、気化していない冷媒が付着するおそれがある。本構成の流路開閉部が有する断熱機構は、区画された流路間を断熱するため、流路開閉部に付着した冷媒が、流路開閉部を介した高温蒸気側の熱によって蒸発せずに済む。すなわち、断熱機構によって、流路開閉部が閉じた状態で、高温蒸発器側から温度の低い吸着器側へと熱が流出しないため、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
(2)上記形態の吸着式ヒートポンプにおいて、前記断熱機構は、前記流路上に互いに離間した状態で直列に配置された第1バルブおよび第2バルブを有していてもよい。
この構成によれば、離間した第1バルブおよび第2バルブを閉じることにより、第1バルブを伝わる熱と、第2バルブを伝わる熱とは、第1バルブと第2バルブとの間における流路内の冷媒の対流のみによってしか伝わらない。そのため、第1バルブおよび第2バルブが閉じた状態で、高温蒸発器側から吸着器側への熱移動が抑制されるため、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
(3)上記形態の吸着式ヒートポンプにおいて、前記第1バルブは、前記第2バルブよりも鉛直方向の上側に配置されたリードバルブであってもよい。
この構成によれば、高温蒸発器から吸着器へと高温蒸気が供給される際に、第1バルブが圧力差によって自動的に開く。一方で、低温蒸発器から吸着材へと低温蒸気が供給される際には、第1バルブが開かない。これにより、動力を使用せずに第1バルブが開閉するため、吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
(4)上記形態の吸着式ヒートポンプにおいて、前記断熱機構は、断熱性を有する弁体を備える第3バルブを有していてもよい。
この構成によれば、1つの第3バルブのみによって、第3バルブが閉じた場合に、高温蒸発器側と吸着器側とを断熱できる。すなわち、簡単な構成によって、断熱機構を実現できる。
(5)上記形態の吸着式ヒートポンプにおいて、前記流路開閉部の熱抵抗は、0.005K/W以上であってもよい。
この構成によれば、高温蒸発器と吸着器とを間を開閉する流路開閉部の熱抵抗が大きい、すなわち断熱性が高いため、流路開閉部により区画された流路間の熱交換が抑制される。
(6)上記形態の吸着式ヒートポンプにおいて、前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気の熱伝達率と、前記低温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記低温蒸気の熱伝達率とが、それぞれ3000W/(m2・K)以上であってもよい。
この構成によれば、高温蒸気の熱伝達率と低温蒸気の熱伝達率とが高いため、断熱性を有する断熱機構を用いることにより、流路開閉部により区画された流路間の熱交換がより抑制される。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、吸着式ヒートポンプ、吸着式ポンプ、吸着式ヒートポンプが備えるバルブ、吸着式ヒートポンプの制御方法、およびこれらの装置を備えるシステムまたは制御方法、および、これらシステムや制御方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施形態としての吸着式ヒートポンプの概略ブロック図である。 第1吸着器を拡大した概略断面図である。 吸着式ヒートポンプの作動状態についての説明図である。 吸着式ヒートポンプの作動状態についての説明図である。 吸着式ヒートポンプの制御方法のフローチャートである。 第2実施形態の吸着式ヒートポンプの概略ブロック図である。 バルブの概略断面図である。 バルブの概略断面図である。 第2実施形態の吸着式ヒートポンプの制御方法のフローチャートである。 バルブの弁体の放熱量についての説明図である。 バルブの弁体の放熱量についての説明図である。 第2実施形態の第1変形例のバルブの説明図である。 第2実施形態の第2変形例のバルブの説明図である。 第2実施形態の第3変形例のバルブの説明図である。
<第1実施形態>
・吸着式ヒートポンプ100の構成
図1は、本発明の第1実施形態としての吸着式ヒートポンプ100の概略ブロック図である。図1に示される吸着式ヒートポンプ100は、2つの吸着器20,50が有する吸着材25,55を用いて冷媒(熱媒)としての水を「蒸発-吸着-脱着-凝縮」の順で循環させることにより、低温の温水(65℃~100℃)を利用して冷水を作る装置である。
図1に示されるように、吸着式ヒートポンプ100は、高温蒸気(例えば85℃)を生成する高温蒸発器30と、高温蒸気よりも温度が低い低温蒸気(例えば30℃)を生成する低温蒸発器10と、高温蒸気および低温蒸気が供給される第1吸着器(吸着器)20および第2吸着器(吸着器)50と、低温蒸発器10と熱交換可能に接続された冷熱機60と、高温蒸発器30から第1吸着器20へと供給される高温蒸気が流れる流路FP31~FP33を形成する配管(流路形成部)31~33と、流路FP31,FP33を開閉するバルブV33と、流路FP32,FP33を開閉するバルブV32と、高温蒸発器30から第2吸着器50へと供給される高温蒸気が流れる流路FP34~FP36を形成する配管(流路形成部)31,34,36と、流路FP31,FP35を開閉するバルブV35と、流路FP34,FP35を開閉するバルブV34と、冷媒である水蒸気を水へと凝縮する凝縮器40と、を備えている。
第1吸着器20は、低温蒸発器10から供給された低温蒸気を吸着する吸着材25を有している。同じように、第2吸着器50は、低温蒸気を吸着する吸着材55を有している。本実施形態の吸着材25,55は、シリカゲルで構成され、冷媒として水および水蒸気を吸着する。
吸着式ヒートポンプ100は、さらに、第1吸着器20と低温蒸発器10とを接続する配管11,12と、配管11,12内の流路を開閉するV12と、第2吸着器50と低温蒸発器10とを接続する配管11,13と、配管11,13内の流路を開閉するV13と、凝縮器40と高温蒸発器30とを接続する配管41,42と、凝縮器40により凝縮された水を高温蒸発器へと供給するために配管41,42間に配置されたポンプP1と、第1吸着器20と凝縮器40とを接続する配管21,22および配管23,24と、配管21,22内の流路を開閉するV21と、配管23,24内の流路を開閉するV23と、第2吸着器50と凝縮器40とを接続する配管51,52および配管53,54と、配管51,52内の流路を開閉するV51と、配管53,54内の流路を開閉するV53と、第1吸着器20が有するシャワーヘッド26と凝縮器40とを接続する配管43~45と、配管44,45内の流路を開閉するバルブV45と、第2吸着器50が有するシャワーヘッド56と凝縮器40とを接続する配管43、44,46と、配管44,46内の流路を開閉するバルブV46と、凝縮器40により凝縮された水をシャワーヘッド26,56へと供給するために配管43,44間に配置されたポンプP2と、各バルブの開閉制御およびポンプP1,P2の作動制御を行う制御部70と、を備えている。
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、全バルブおよびポンプP1,P2を制御する。なお、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100が備える全バルブは、ゲートバルブである。
第1吸着器20と第2吸着器50とは、同じ構造を有しており、各吸着器20,50に接続している配管等も、それぞれ同じ構造を有している。そのため、第1実施形態では、第1吸着器20に関連する構造について説明し、第2吸着器50に関連する構造についての説明を省略する。
低温蒸発器10は、低温蒸気を生成すると共に、各吸着器20,50から冷熱を得る。低温蒸発器10は、例えば、冷熱機60の室外機として適用可能であり、一方で、この場合には冷熱機60は室内機として機能する。高温蒸発器30は、ポンプP1によって凝縮器40から供給される水を加熱して水蒸気を生成する。生成された水蒸気は、流路FP31~FP35を介して各吸着器20,50へと供給される。図1に示されるように、高温蒸発器30は、吸着式ヒートポンプ100が配置された場合に、重力方向に沿って各吸着器20,50の鉛直方向下側に配置される。バルブV32,V33は、流路FP31~33上において、互いに離間した状態で直列に配置されている。なお、バルブV32,V34は、第1バルブに相当し、バルブV33,V35は、第2バルブに相当する。
なお、図1において、単線によって示された配管41,42内および配管43~46内の流路には、主として液体の水が流れている。一方で、複線によって示された流路FP31~35と、配管21~24内および配管51~54内の流路とには、主として気体としての水蒸気が流れている。複線によって示されている流路FP31~35と、配管21~24内および配管51~54内の流路とは、減圧されて真空状態(または真空に近い圧力状態)に保たれている。
図2は、第1吸着器20を拡大した概略断面図である。第1吸着器20は、中心軸OL1を中心とする略円筒状の形状を有している。図2に示されるように、第1吸着器20は、中心軸OL1上に位置する流路FP28を形成する伝熱管壁27と、伝熱管壁27の外周面に配置された吸着材25と、流路FP内に配置されたシャワーヘッド26とを備えている。
伝熱管壁27は、熱伝導率の高い材料で形成されており、本実施形態ではアルミニウムによって形成されている。流路FP28は、流路FP32と流路と配管23内の流路とを接続している。図2に示されるように、流路FP28内を通る水蒸気と、配管12内および配管21内の流路を通る水蒸気とは、伝熱管壁27により分けられている。吸着材25は、配管12内および配管21内の流路を通る水蒸気の吸着と、吸着した水蒸気の脱離とを行う。シャワーヘッド26は、ポンプP2によって凝縮器40から供給される水を流路FP28内に分散する。
・吸着式ヒートポンプ100の動作説明
本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、2つの吸着器20,50の内、一方の吸着器に低温蒸気が供給され、他方の吸着器に高温蒸気が供給される。低温蒸気の供給と、高温蒸気の供給とが交互に行われることにより、低温蒸気の供給時に吸着材が水蒸気を吸着し、高温蒸気の供給時に吸着材が吸着した水蒸気を脱離する。低温蒸発器10内の水が低温蒸気に変化する際の気化熱によって、低温蒸発器10に冷熱が供給される。
図3および図4は、吸着式ヒートポンプ100の作動状態についての説明図である。図3に示される状態では、第1吸着器20の吸着材25が低温蒸気を吸着する吸着工程が行われ、かつ、第2吸着器50の吸着材55が高温蒸気の熱交換によって水蒸気を脱離する脱離工程が行われている。図4に示される状態では、第1吸着器20において脱離工程が行われ、かつ、第2吸着器50において吸着工程が行われている。
制御部70は、第1吸着器20で吸着工程を行うと共に第2吸着器50で脱離工程を行う場合に、全バルブが閉じた状態から、ポンプP1を起動させ、凝縮器40から高温蒸発器30へと水を供給する。その後、制御部70は、図3に示されるように、バルブV12,V23,V45およびバルブV34,V35,V51を開く。なお、図3では、閉じられたバルブにハッチングが施されている。
バルブV12が開くことにより、低温蒸発器10で蒸発した低温蒸気が第1吸着器20の吸着材25に吸着される。また、シャワーヘッド26は、ポンプP2によって供給された水を第1吸着器20内の流路FP28に散水する。散水された水が気化するため、気化熱によって第1吸着器20は冷却され、水蒸気を吸着することによって昇温する吸着材25が冷却される。気化後の水蒸気は、開いているバルブV23を通って凝縮器40で水へと凝縮される。
吸着工程が行われている第1吸着器20の流路FP28内では、飽和蒸気圧に達して気化しなかった水および凝縮された水が、重力によって落下してバルブV32に付着する場合がある。しかし、本実施形態では、互いに離間した状態で直列に配置されたバルブV32,V33と、バルブV32とバルブV33との間の流路FP33内に形成された蒸気層とによって、流路FP31内の高温蒸気と流路FP32内の低温の水蒸気とにおける熱交換が行われない。すなわち、流路FP内の高温蒸気と、流路FP32内の低温蒸気とは断熱されている。なお、バルブV32,V33および流路FP33は、断熱機構に相当する。
脱離工程が行われている第2吸着器50には、バルブV34,V35が開いているため、高温蒸発器30から高温蒸気が供給される。供給された高温蒸気の熱が伝熱管壁57を介して吸着材55を加熱するため、吸着材55に吸着されていた水蒸気が脱離する。脱離した水蒸気は、開いているバルブV51を通って凝縮器40で水へと凝縮される。制御部70は、予め設定された時間が経過する毎に、各吸着器20,50で行われる工程を切り替える。
・吸着式ヒートポンプ100の制御フロー
図5は、吸着式ヒートポンプ100の制御方法のフローチャートである。図5に示されるように、制御部70は、初めに、吸着式ヒートポンプ100が備える全バルブを閉じる(ステップS1)。制御部70は、ポンプP1を起動し(ステップS2)、凝縮器40から高温蒸発器30へと水を供給する。
制御部70は、バルブV12,V23,V45およびバルブV34,V35,V51を開いて、第1吸着器20で吸着工程を開始し、第2吸着器50で脱離工程を開始する(ステップS3)。第1吸着器20の吸着材25は、低温蒸発器10から供給される低温蒸気を吸着する。一方で、第2吸着器50の吸着材55は、高温蒸発器30から供給される高温蒸気の熱によって吸着していた水蒸気を脱離する。なお、吸着式ヒートポンプ100が稼働し始めた状態で、第2吸着器50の吸着材55は、必ずしも水蒸気を吸着していなくてもよい。制御部70は、所定の時間が経過すると、開いていたバルブV12,V23,V46およびバルブV34,V35,V51を閉じる(ステップS4)。
制御部70は、バルブV21,V32,V33およびバルブV13,V46,V53,を開いて、第1吸着器20で脱離工程を開始し、第2吸着器50で吸着工程を開始する(ステップS5)。第1吸着器20の吸着後の吸着材25は、高温蒸発器30から供給される高温蒸気の熱によって吸着していた水蒸気を脱離する。一方で、脱離後の第2吸着器50の吸着材55は、低温蒸発器10から供給される低温蒸気を吸着する。制御部70は、所定の時間が経過すると、開いていたバルブV21,V32,V33およびバルブV13,V46,V53を閉じる(ステップS6)。
制御部70は、キーボード等の入力装置を介して吸着式ヒートポンプ100のシステム停止要求があったか否かを判定する(ステップS7)。制御部70は、停止要求がないと判定した場合には(ステップS7:NO)、ステップS3以降の処理を繰り返す。制御部70は、停止要求があったと判定した場合には(ステップS7:YES)、吸着式ヒートポンプ100の稼働を停止し、制御フローは終了する。
・吸着式ヒートポンプ100が奏する効果
以上説明したように、本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、高温蒸発器30は、吸着器20,50の鉛直方向の下側に配置される。例えば吸着器20で脱離工程が行われる場合に(図4)、バルブV32,V33バルブV32,V33が閉じた状態で、流路FP32と流路FP31とは、流路FP33を介して断熱される。そのため、本実施形態の吸着式ヒートポンプ100では、吸着器20,50で脱離工程が行われている場合に、高温蒸気で満たされた流路FP31側の熱が、低温の水蒸気で満たされている流路FP32側へ流出することを抑制できる。これにより、吸着式ヒートポンプ100のシステム効率が向上する。
また、本実施形態の吸着式ヒートポンプ100は、流路FP31~FP33上で互いに離間した状態で直列に配置されたバルブV32,V33と、流路FP31,FP34,FP35上で互いに離間した状態で直列に配置されたバルブV34,V35を備える。そのため、例えば、離間した2つのバルブV32,V33を閉じることにより、バルブV32を伝わる熱と、バルブV33を伝わる熱とは、バルブV32,V33を離間させて接続している流路FP33内の水蒸気の対流のみによってしか伝わらない。そのため、バルブV32,V33が閉じた状態で、流路FP32と流路FP31と間で熱移動が抑制されるため、吸着式ヒートポンプ100のシステム効率が向上する。
<第1実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
この変形例のヒートポンプでは、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100と比較して、図1に示されるバルブV32は、流路FP33から流路FP32側へと開くリードバルブであり、同様に、バルブV34は、流路FP35側から流路FP34側へと開くリードバルブである点のみが異なる。
変形例のヒートポンプでは、直列に配置されたバルブV32,V33およびバルブV34,V35の内、鉛直方向上側に配置されたバルブV32およびバルブV34がリードバルブである。そのため、各吸着器20,50の脱離工程時に、高温蒸発器30からの高温蒸気による圧力差によってリードバルブであるバルブV32,V34が開く。一方で、各吸着器20,50の吸着工程時には、バルブV32,34が開かない。これにより、制御部70の制御信号およびバルブ開閉の動力がなくても、バルブV32,V34の開閉が工程に応じて切り替わる。これにより、変形例の吸着式ヒートポンプのシステム効率が向上する。
<第1実施形態のその他の変形例>
上記第1実施形態では、吸着式ヒートポンプ100の一例について説明したが、吸着式ヒートポンプ100の構成および形状等については、種々変形可能である。吸着式ヒートポンプ100では、高温蒸発器30が吸着器の鉛直方向の下側に配置され、流路FP31,FP32間を開閉するバルブV32,33が断熱する断熱機構を有していればよい。そのため、吸着式ヒートポンプ100は、例えば、凝縮器40を備えていなくてもよいし、第1吸着器20を備えて第2吸着器50を備えていなくてもよい。吸着式ヒートポンプ100は、上記構成に加えて他の構成を備えていてもよく、吸着器20,50と異なる吸着器をさらに備えていてもよい。また、吸着式ヒートポンプ100の各構成(例えば、吸着器20,50および凝縮器40)間を接続する配管等の形状や接続所については、種々変形可能である。
本明細書における吸着器20,50の鉛直方向の下側に配置された高温蒸発器30とは、吸着器20,50に対して、いわゆる真下に配置された高温蒸発器30に限られない。例えば、鉛直方向に直交する平面上において、各吸着器20,50の一方からずれた位置に配置されていてもよい。上記第1実施形態では、断熱機構として、互いに離間した状態で直列に配置されたバルブV32,V33およびV34,V35を一例として説明したが、例えば、3つ以上のバルブが離間して直列に配置されていてもよい。
第1吸着器20と第2吸着器50とは異なる構成を有していてもよい。吸着器20,50は、低温蒸気を吸着し、かつ、高温蒸気によって加熱される吸着材25,55を有していればよく、例えば、伝熱管壁27,57を有していなくてもよい。また、吸着材25,55および伝熱管壁27,57の形状や材質については、周知技術の範囲で変形可能である。例えば、吸着材25,55は、シリカゲル以外の活性炭、メソポーラスシリカ、ゼオライト、粘土鉱物等によって形成されていてもよい。吸着式ヒートポンプ100内を循環する熱媒は、水以外であってもよく、例えば、アンモニア等の蒸発潜熱の大きい熱媒が用いられてもよい。
図1に示される流路FP31~35、および配管21~24内および配管51~54内の流路は、必ずしも真空に保たれている必要はない。これらの流路は、液体の水を蒸発できる状態に保たれていることが好ましく、低圧であると好ましい。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aの概略ブロック図である。第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100と比較して、バルブV32,V34が異なること、および、バルブV33,V35を備えないことが異なり、その他の構成および形状等については同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100と異なる構成について説明し、同じ構成等についての説明を省略する。
図7および図8は、バルブV32aの概略断面図である。図7には、バルブV32aが開いた状態が示され、図8には、バルブV32aが閉じた状態が示されている。図7および図8に示されるように、バルブV32aは、冷媒が流れる流路325を形成するボデー321と、ボデー321に対して中心軸OL2上で移動可能な弁棒323と、弁棒323の一端に固定されたハンドル324と、弁棒323の他端に固定された弁体322と、を備えている。
弁棒323の外周には、雄ネジ部323sが形成されている。ボデー321は、雄ネジ部323sと螺合する雌ネジ部321sを備えている。そのため、ハンドル324が中心軸OL2回りに回転すると、弁棒323は、回転方向および回転量に応じて、雌ネジ部321sに対して中心軸OL2上を移動する。これにより、弁棒323の他端に固定された弁体322は、弁棒323の移動に応じて中心軸OL2上を移動する。この結果、弁体322は、ボデー321に対して移動可能に設けられて、流路325を開閉する。
本実施形態の弁体322は、ベークライトによって形成されている。ベークライトの熱伝導率は、約0.6W/(m・K)であり、いわゆる断熱材である。なお、バルブV34aは、バルブV32aと同じ構成を有する。バルブV32a,V34aは、断熱性を有する弁体322を有する第3バルブに相当する。
図9は、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aの制御方法のフローチャートである。図9に示される第2実施形態の制御フローの各処理の内、ステップS11,S12,S14,S16,S17は、第1実施形態の制御フロー(図5)におけるステップS1,S2,S4,S6,S7と同じである。そのため、第2実施形態では、図9のステップS13,S15について説明する。
ステップS2の処理が終了すると、制御部70aは、バルブV12,V23,V45およびバルブV34a,V51を開いて、第1吸着器20で吸着工程を開始し、第2吸着器50で脱離工程を開始する(ステップS13)。制御部70aは、所定の時間が経過すると、開いていたバルブV12,V23,V45およびバルブV34a,V51を閉じる(ステップS14)。
制御部70aは、バルブV21,V32aおよびバルブV13,V46,V53,を開いて、第1吸着器20で脱離工程を開始し、第2吸着器50で吸着工程を開始する(ステップS15)。制御部70aは、所定の時間が経過すると、開いていたバルブV21,V32a,V46およびバルブV13,V53を閉じる(ステップS16)。
以上説明したように、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、1つのバルブV32aのみによって、バルブV32aが閉じた場合に、高温蒸発器30側と吸着器20側とを断熱できる。すなわち、流路を開閉するより簡単な構成によって、流路間の熱移動を抑制する断熱機構を実現できる。
図10および図11は、バルブV32aの弁体322の放熱量についての説明図である。図10および図11には、脱離工程時の高温蒸発器30から第1吸着器20に供給される高温蒸気の熱伝達率(「高温蒸気側熱伝達率」とも言う)と、吸着工程時における低温蒸発器10から第1吸着器20へと供給される低温蒸気の熱伝達率(「吸着器側熱伝達率」とも言う)とが、それぞれ3000W/(m2・K)と仮定した場合の弁体322の放熱量についての関係が示されている。図10には、弁体322の熱伝達率が材質などに応じて変化した場合の放熱量の変化が示されている。なお、図10には、断熱材ではないステンレスおよびアルミニウムの熱伝導率が破線で示されている。上記の高温蒸気および低温蒸気の熱伝達率の仮定で、高温蒸発器30の能力を200kWとして設定し、放熱量を5%未満(10kW)に抑えたい場合には、図10に示されるように、弁体322の熱伝導率を4.8W/(m・K)に抑える必要がある(図10の一点鎖線)。
図11には、弁体322の放熱量に対する熱抵抗の変化が示されている。図11に示されるように、弁体322の放熱量を10kW未満に抑える場合には、弁体322の熱抵抗が0.005K/W以上であればよい。
第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、バルブV32aの弁体322の材質がベークライト、弁体322の厚みである弁体厚さTbが10(mm)、弁体322が高温蒸気および低温蒸気に接している弁体面積Aが0.5(m2)である。弁体322のベークライト熱伝導率λbは0.6(W/(m・K))であり、高温蒸発器30から供給される高温蒸気の温度Thは85(℃)であり、低温蒸発器10から供給される低温蒸気の温度Tcは30(℃)である。これらの値を下記式(1)~(3)に代入することにより、熱通過率Kb、熱流束qb、および弁体322からの放熱量Qbが算出される。
Figure 0007499582000001
Figure 0007499582000002
Figure 0007499582000003
上記式(1)~(3)を解くことにより、ベークライトで形成された弁体322からの放熱量Qbは、1.9kWである。この値は、高温蒸発器30の出力である200kWの1%未満である。また、図10に示される熱抵抗の変化から、放熱量が1.9kWに対応する熱抵抗は、0.005K/Wよりも大きい。
一方で、比較例として、弁体が断熱材ではないステンレスで形成されている場合、ステンレスの熱伝導率λsは222(W/(m・K))である。ステンレスの熱伝導率λsを、上記式(1)におけるベークライト熱伝導率λbに置換して、上記式(1)~(3)を解くと、比較例の弁体からの放熱量Qsは、21.29kWであり、第2実施形態のバルブV32aにおける弁体322からの放熱量Qbの10倍以上である。換言すると、比較例の弁体の代わりに第2実施形態の弁体322に交換することにより、バルブV32aの放熱量を90%以上低減できる。
以上説明したように、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、流路FP32と流路FP31aとの接続を開閉するバルブV32a(図6)の熱抵抗は、0.005K/Wよりも大きい。そのため、第2実施形態のバルブV32aは、弁体322を介して隔てられた流路FP32,FP31a間の熱交換を抑制できる。
また、第2実施形態の吸着式ヒートポンプ100aでは、脱離工程時の高温蒸気の熱伝達率と、吸着工程時の低温蒸気の熱伝達率とが3000W/(m2・K)と高い。そのため、断熱性を有するバルブV32aを用いることにより、バルブV32aを介した高温蒸気から低温蒸気への熱媒の放熱をより抑制できる。
<第2実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
<第2実施形態の第1変形例>
図12は、第2実施形態の第1変形例のバルブV32bの説明図である。第2実施形態の第1変形例のバルブV32bでは、第2実施形態のバルブV32aと比較して、弁体322bのみが異なる。そのため、第1変形例では、弁体322bについて説明し、第2実施形態のバルブV32aと同じ構成についての説明を省略する。
図12には、第2実施形態の第1変形例の弁体322b近傍を拡大した概略断面図が示されている。図12に示されるように、弁体322bは、弁体322bの中心側に位置する本体部329と、本体部329の外周面を覆う被覆部328と、を備えている。本体部329は、アルミニウムにより形成されている。一方で、被覆部328は、第2実施形態の弁体322と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。換言すると、被覆部328の全てが断熱性を有する材料により形成されている。第1変形例のように、バルブV32bの弁体322bは、一部が断熱材で構成されていてもよい。
<第2実施形態の第2変形例>
図13は、第2実施形態の第2変形例のバルブV32cの説明図である。第2実施形態の第2変形例のバルブV32cでは、第2実施形態のバルブV32aと比較して、弁体322cのみが異なる。そのため、第2変形例では、弁体322cについて説明し、第2実施形態のバルブV32aと同じ構成についての説明を省略する。
図13には、第3実施形態の第2変形例の弁体322c近傍を拡大した概略断面図が示されている。図13に示されるように、弁体322cは、弁体322cの中心部を含む本体部329cと、本体部329cの一部の外周面を覆う被覆部328cと、を備えている。本体部329cは、第2実施形態の第1変形例の本体部329と同じように、アルミニウムにより形成されている。被覆部328cは、第2実施形態の被覆部328と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。図13に示されるように、被覆部328cは、弁体322cが流路325を閉じた際に、弁体322cにより区画された一方の流路326に面した本体部329cの外周面に形成されている。換言すると、弁体322cが流路325を閉じた際に、弁体322cにより区画された他方の流路327に面した側には、被覆部328cは形成されていない。第2変形例のように、バルブV32cの弁体322cは、流路325を閉じた状態で、一方の流路326に面した部分が断熱材で構成され、他方の流路327に面した部分が断熱材以外の部材で形成されていてもよい。
<第2実施形態の第3変形例>
図14は、第2実施形態の第3変形例のバルブV32dの説明図である。第2実施形態の第3変形例のバルブV32dでは、第2実施形態の第1変形例のバルブV32b(図12)と比較して、弁体322dのみが異なる。そのため、第3変形例では、弁体322dについて説明し、第2実施形態の第1変形例のバルブV32bと同じ構成についての説明を省略する。
図14には、第2実施形態の第3変形例の弁体322d近傍を拡大した概略断面図が示されている。図14に示されるように、弁体322dは、図12に示される第1変形例の弁体322bと同じように、本体部329dと、本体部329dの外周面を覆う被覆部328dと、を備えている。本体部329dは、第2実施形態の弁体322と同じように、断熱材であるベークライトで形成されている。一方で、被覆部328dは、多孔質金属であるマイクロポーラス金属で形成されている。第3変形例のように、バルブV32dの弁体322dは、外周の代わりとして中心部が断熱材で構成されていてもよい。
<第2実施形態のその他の変形例>
上記第2実施形態では、断熱性を有する弁体を備えるバルブの一例として、バルブV32a,V32b,V32c,V32dについて説明したが、バルブについては、流路を開閉する弁体が断熱性を有する範囲で種々変形可能である。例えば、バルブは、ゲートバルブ以外のバルブであってもよく、グローブバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、逆止弁、およびダイヤフラムバルブなど周知のバルブを適用できる。なお、本明細書における断熱性を有する弁体とは、弁体の一部が断熱性を有していればよい。
上記第2実施形態では、断熱性を有する断熱材として、ベークライトを一例に挙げたが、周知の材料を適用できる。また、断熱性を有さない材料として、アルミニウム、ステンレス、およびマイクロポーラス金属を一例に挙げたが、周知の材料を適用できる。第2実施形態の第2変形例のバルブV32cの弁体322cでは、流路326側に断熱材で形成された被覆部328cが形成されていたが、流路326側の代わりに流路327側に被覆部328cが形成されていてもよい。
第2実施形態では、弁体厚さTbや弁体面積Aなどについて、一例として具体的な数値を用いて説明したが、弁体厚さTbや弁体面積Aなどの数値については、弁体322aが断熱性を有する範囲で、これらに限られず種々変形可能である。吸着式ヒートポンプがバルブを備える場合に、バルブの弁体の熱抵抗が0.005K/W以上であると好ましい。また、高温蒸気側熱伝達率hhと、吸着器側熱伝達率hcとが3000W/(m2・K)以上と高い吸着式ヒートポンプにおいて、第1吸着器20と高温蒸発器30との間に、断熱性を有する弁体を備えるバルブが配置されることが好ましい。第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100のように、弁体が断熱材を有する代わりに、例えば、バルブV32,V33と流路FP33とによる断熱機構によって、断熱機構の熱抵抗が0.005K/W以上に設定されてもよい。また、第1実施形態の吸着式ヒートポンプ100において、高温蒸気側熱伝達率hhと、吸着器側熱伝達率hcとが3000W/(m2・K)以上に制御されてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
10…低温蒸発器
11…配管
20…第1吸着器(吸着器)
21~24,41~46,51~54…配管
25,55…吸着材
26,56…シャワーヘッド
27,57…伝熱管壁
30…高温蒸発器
31~35…配管(流路形成部)
40…凝縮器
50…第2吸着器(吸着器)
60…冷熱機
70,70a…制御部
100,100a…吸着式ヒートポンプ
321…バルブのボデー
321s…雌ネジ部
322,322b,322c,322d…弁体
323…バルブの弁棒
323s…雄ネジ部
324…バルブのハンドル
325~327…バルブの流路
328,328c,328d…弁体の被覆部
329,329c,329d…弁体の本体部
FP28…吸着器の流路
FP33,FP35…流路(断熱機構)
FP31,FP32,FP34,FP31a…流路
P1,P2…ポンプ
V32,V34…バルブ(第1バルブ)
V33,V35…バルブ(第2バルブ)
V32a,V32b,V32c,V32d,V34a…バルブ(第3バルブ)
V12,V13,V21,V23,V45,V46,V51,V53…バルブ

Claims (4)

  1. 吸着式ヒートポンプであって、
    高温蒸気を生成する高温蒸発器と、
    前記高温蒸気よりも温度が低い低温蒸気を生成する低温蒸発器と、
    前記高温蒸気および前記低温蒸気が供給される吸着器と、
    前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気が流れ、鉛直方向に延びる流路を形成する流路形成部と、
    前記流路形成部に設けられて前記流路を開閉する流路開閉部と、
    を備え、
    前記吸着器は、前記流路に接続して鉛直方向に延びる吸着器内流路を形成する伝熱管壁と、前記伝熱管壁を介して前記吸着器内流路の外側に配置された吸着材であって、供給された前記低温蒸気を吸着する吸着材とを有し、
    前記高温蒸発器は、前記吸着器の鉛直方向の下側に配置され、
    前記流路開閉部は、前記流路を閉じた状態で、前記流路開閉部によって区画された前記流路間を断熱する断熱機構を有し、
    前記断熱機構は、前記流路上に互いに離間した状態で直列に配置された第1バルブおよび第2バルブを有し、
    前記吸着式ヒートポンプは、さらに、前記第1バルブおよび前記第2バルブを同じステップで開閉する制御部を備える、吸着式ヒートポンプ。
  2. 請求項1に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    前記第1バルブは、前記第2バルブよりも鉛直方向の上側に配置されたリードバルブである、吸着式ヒートポンプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    前記流路開閉部の熱抵抗は、0.005K/W以上である、吸着式ヒートポンプ。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の吸着式ヒートポンプであって、
    前記高温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記高温蒸気の熱伝達率と、前記低温蒸発器から前記吸着器へと供給される前記低温蒸気の熱伝達率とが、それぞれ3000W/(m2・K)以上である、吸着式ヒートポンプ。
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