JP2021138897A - メタロシロキサンプレポリマー - Google Patents
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Abstract
【課題】長いポットライフを有し、優れた硬度を有する硬化物を得ることのできる、メタロシロキサンプレポリマーを提供する。【解決手段】シリケートオリゴマー(A)と、下記一般式(1)M−(OR1)n(1)(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマー。【選択図】なし
Description
本発明は、メタロシロキサンプレポリマーに関する。
フラットパネルディスプレイ、自動車内装部品、建築材料等の表面には、傷つきを防止するためにハードコート層が形成されることが多い。このようなハードコート層に配合される高硬度の無機バインダーとしてシリケートプレポリマーが知られている。シリケートプレポリマーはシリケートオリゴマーの加水分解と縮合により形成されるが、従来使用されてきたシリケートプレポリマーは加水分解と縮合を経た後のポットライフが数時間〜1日と短く安定性と操作性に劣り、硬化物の耐擦傷性も不十分という課題を有していた。
特許文献1は、耐擦傷性と硬度に優れる硬化物を形成する目的で、金属アルコキシド縮合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、及び光重合開始剤を含む光硬化性樹脂組成物を開示している。しかし、シリケートオリゴマーと金属アルコキシドの縮合物は記載されておらず、メタロシロキサンプレポリマーのポットライフに関する記載もない。
特許文献2は、金属含有ルイス酸と環状シロキサンとの反応により(ポリ)メタロシロキサンを製造する方法を開示している。しかし、金属含有ルイス酸としてアルコキシ基と非架橋性基を有する金属アルコキシドを用いているため、縮合反応後の(ポリ)メタロシロキサンの架橋度は十分ではなく、この方法では硬化物の耐擦傷性を向上できない。また、特許文献2には(ポリ)メタロシロキサンの分子量は記載されておらず、ポットライフに関する記載もない。
本発明は、長いポットライフを有し、優れた硬度を有する硬化物を得ることのできる、メタロシロキサンプレポリマーを提供することを目的とする。
本発明者らは、シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)を特定の重量比で反応させてなるメタロシロキサンプレポリマーが、長いポットライフを有し、高硬度の硬化物を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、シリケートオリゴマー(A)と、下記一般式(1)
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーに関する。
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーに関する。
金属アルコキシド(B)がアルコキシジルコニウム、又はアルコキシチタンであることが好ましい。
また、本発明は、前記メタロシロキサンプレポリマー、及び溶媒を含む硬化性樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記硬化性樹脂組成物を硬化してなる塗膜に関する。
前記塗膜は、鉛筆硬度が7H以上であることが好ましい。
また、本発明は、基材、及び前記塗膜を有する積層体に関する。
また、本発明は、シリケートオリゴマー(A)と、下記一般式(1)
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させる工程を含む、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーの製造方法に関する。
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させる工程を含む、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーの製造方法に関する。
本発明のメタロシロキサンプレポリマーは長いポットライフを有し、このメタロシロキサンプレポリマーの硬化物は高い硬度を有する。
<<メタロシロキサンプレポリマー>>
本発明のシリケートプレポリマーは、シリケートオリゴマー(A)と、下記一般式(1)
M−(OR1) n (1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、
(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーである。
本発明のシリケートプレポリマーは、シリケートオリゴマー(A)と、下記一般式(1)
M−(OR1) n (1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、
(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーである。
<シリケートオリゴマー(A)>
シリケートオリゴマーは、アルコキシシラン単量体の縮合物である。例えば、下記式(2)により表されるアルコキシシラン同士の縮合物であって、シロキサン結合(Si−O−Si)を1分子内に1個以上有するオリゴマーが挙げられる。
SiR1 4 (2)
(式中、R1は、水素、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有しても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜20のアリール基である。但し、4つのR1のうち少なくとも2個は炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水酸基である)
シリケートオリゴマーは、アルコキシシラン単量体の縮合物である。例えば、下記式(2)により表されるアルコキシシラン同士の縮合物であって、シロキサン結合(Si−O−Si)を1分子内に1個以上有するオリゴマーが挙げられる。
SiR1 4 (2)
(式中、R1は、水素、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有しても良い炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜20のアリール基である。但し、4つのR1のうち少なくとも2個は炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水酸基である)
式(2)において、R1のアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。
式(2)において、R1のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
式(2)において、R1のアリール基としてはフェニル基、トリル基、ベンジル基が挙げられる。
式(2)により表される単量体の具体例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
シリケートオリゴマーの構造は特に限定されず、直鎖状であっても良く、分岐状でも良い。また、シリケートオリゴマーは、式(2)により表される1種の単量体の縮合物であっても良いし、2種以上の単量体の縮合物であっても良い。
シリケートオリゴマーの具体例として、メチルシリケートオリゴマー、エチルシリケートオリゴマーなどが挙げられる。
シリケートオリゴマーの重量平均分子量は特に限定されないが、200〜10000が好ましく、400〜5000がより好ましい。
<金属アルコキシド又はその縮合物(B)>
金属アルコキシド又はその縮合物(B)は、下記一般式(1):
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド、又はその縮合物である。シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)を反応させることにより、メタロシロキサンプレポリマーの架橋密度を向上させ、その硬化物の硬度を向上できる。また、シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)との反応には触媒は必須ではないため、メタロシロキサンプレポリマー中に触媒由来の成分が残留することを回避でき、メタロシロキサンプレポリマーの保存安定性を向上できる。
金属アルコキシド又はその縮合物(B)は、下記一般式(1):
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド、又はその縮合物である。シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)を反応させることにより、メタロシロキサンプレポリマーの架橋密度を向上させ、その硬化物の硬度を向上できる。また、シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)との反応には触媒は必須ではないため、メタロシロキサンプレポリマー中に触媒由来の成分が残留することを回避でき、メタロシロキサンプレポリマーの保存安定性を向上できる。
一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、反応性の点でジルコニウム、チタン、アルミニウムが好ましい。nはMで表される金属原子の配位数を表し、Mがジルコニウム、チタン、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルのときにはn=4であり、Mがアルミニウムのときにはn=3である。
一般式(1)中、R1のアルキル基の炭素数は1〜12であるが、1〜6が好ましい。アルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
一般式(1)においてOR1で示される4つの基は互いに異なっていてもよく同じでもよい。
金属アルコキシド(B)の具体例としては、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド等のアルコキシジルコニウム、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラ−2−エチルヘキソシド、テトラターシャリーブチルチタネート等のアルコキシチタン、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムセカンダリーブトキシド等のアルコキシアルミニウムが挙げられる。これらの中でもアルコキシジルコニウム、アルコキシチタンが好ましく、ジルコニウムテトラノルマルブトキシドがより好ましい。
一般式(1)で表される金属アルコキシドに代えて、該金属アルコキシドの縮合物を用いることもできる。縮合物は、一般式(1)で表される金属アルコキシド同士の縮合物であれば特に限定されないが、同一種の金属アルコキシドの縮合物が好ましい。縮合物の重合度は2〜12が好ましい。金属アルコキシドの縮合物(B)の具体例としては、テトラノルマルブトキシチタンテトラマー(4量体)、テトラノルマルブトキシチタンヘプタマー(7量体)、テトラノルマルブトキシチタンデカマー(10量体)が挙げられる。
シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)は、(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させるが、重量比(A):(B)は95:5〜50:50がより好ましい。重量比(A):(B)=95:5よりも(A)成分の重量比が大きいとメタロシロキサンプレポリマーの架橋密度が不十分となり、硬化物の硬度も不十分となる傾向がある。重量比(A):(B)=30:70よりも(A)成分の重量比が小さいとメタロシロキサンプレポリマーの架橋が過剰に進行してゲル化が生じやすくなる傾向がある。
シリケートオリゴマー(A)と金属アルコキシド又はその縮合物(B)との反応は、両成分が有するアルコキシ基の加水分解による水酸基の形成、及び、形成された水酸基同士の縮合反応により行われる。これらの反応は、(A)成分と(B)成分を共存させて一段階で行うことができる。両成分中に水酸基が存在する場合には、その水酸基が直接、縮合反応に用いられる。反応時の温度条件は特に限定されないが、好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜60℃である。時間条件は特に限定されないが、好ましくは3〜24時間、より好ましくは5〜15時間である。
(A)成分と(B)成分の反応には、触媒は必須ではない。これは、金属アルコキシド自体が塩基性触媒として作用し得るからである。(A)成分と(B)成分の反応時のpHは、pH2〜5が好ましく、pH3〜4がより好ましい。前述のように触媒は必須ではないが、pHの微調整の目的で塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、ギ酸などの酸の水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリの水溶液を添加してもよい。この時、反応液中の水分量は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対し、5〜500質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
(A)成分と(B)成分との反応によりメタロシロキサンプレポリマーが得られるが、プレポリマーは分子量がMW1,000〜10,000であれば、未反応のアルコキシ基や、アルコキシ基が加水分解した水酸基が一部残存していてもよい。
(A)成分と(B)成分との反応は、反応生成物であるメタロシロキサンプレポリマーが本発明の効果を損なわない限り、溶媒、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等の任意成分の存在下で行ってもよい。
モノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メトキシジメチル(フェニル)シラン、トリフェニルメトキシシラン、メトキシ(ジメチル)オクタデシルシラン、メトキシ(ジメチル)−n−オクチルシランが挙げられる。ジアルコキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランが挙げられる。トリアルコキシシランとしては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシランが挙げられる。テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられる。モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等を使用する場合、その配合量は、(A)成分100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましい。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、メタロシロキサンプレポリマーを効率的に形成でき、得られたメタロシロキサンプレポリマーのポットライフを向上させられることから、エーテル類、ケトン類、またはアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましい。溶媒の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対し、10〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。
(A)成分と(B)成分との反応の終了後は、必要に応じて反応溶液のpHの調整や、溶媒の留去を行ってもよい。
メタロシロキサンプレポリマーの重量平均分子量は1,000〜10,000であるが、1000〜5000がより好ましい。1,000未満ではプレポリマーの硬化性が不十分となる傾向があり、10,000を超えるとプレポリマーのゲル化が生じやすく安定性が低下する傾向がある。
<<硬化性樹脂組成物>>
硬化性樹脂組成物は、上記メタロシロキサンプレポリマー、及び溶媒を含む。
硬化性樹脂組成物は、上記メタロシロキサンプレポリマー、及び溶媒を含む。
溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、メタロシロキサンプレポリマーを効率的に形成でき、得られたメタロシロキサンプレポリマーのポットライフを向上させられることから、エーテル類、ケトン類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、またはそれらと水の混合物が好ましい。
硬化性樹脂組成物中、メタロシロキサンポリマーの含有量は0.5〜80重量%が好ましく、1〜50重量%が好ましい。
硬化性樹脂組成物は、メタロシロキサンプレポリマーと溶媒に加えて、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリレート、メラミン等の硬化性樹脂、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、無機微粒子、導電性高分子、炭素材料、重合開始剤、レベリング剤、界面活性剤、光増感剤、消泡剤、中和剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、増粘剤等が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、ベンゼン環を多数有した多官能型であるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型又はトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、ビフェニル型、トリフェノールメタン型、ナフタレン型、オルソノボラック型、ジシクロペンタジエン型、アミノフェノール型、脂環式等のエポキシ樹脂、シリコーンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル、ジメチルジ−t−ブチルビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物;3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等の脂環式エポキシ化合物;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジメチロールシクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,3−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,2−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、ジメチロールジシクロペンタジエンジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルエステル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート等のアクリレート;メラミン等が挙げられる。
硬化性樹脂の配合量としては、メタロシロキサンプレポリマー100重量部に対して、硬化性樹脂1〜500重量部が好ましく、5〜250重量部がより好ましく、さらに好ましくは10〜200重量部である。
無機微粒子としては特に限定されないが、例えば、金属酸化物微粒子、窒化物、2種以上の金属元素から構成される複合酸化物、金属酸化物に異種の元素がドープされた化合物等が挙げられる。金属酸化物微粒子として、具体的には、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3、FeO、Fe3O4)、酸化銅(CuO、Cu2O)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化モリブデン(MoO3)、酸化インジウム(In2O3、In2O)、酸化スズ(SnO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化タングステン(WO3、W2O5)、酸化鉛(PbO、PbO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化セリウム(CeO2、Ce2O3)、酸化アンチモン(Sb2O5、Sb2O5)、酸化ゲルマニウム(GeO2、GeO)等が挙げられる。
導電性高分子としては特に限定されず、従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、これらの誘導体、及び、これらとドーパントとの複合体等が挙げられる。これらの導電性高分子は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子としては、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子が好ましい。その理由は、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすいからである。
導電性高分子としては、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体がより好ましい。導電性や化学的安定性に極めて優れているからである。また、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体を含有する場合、低温短時間で帯電防止層を形成することができ、生産性にも優れる。
炭素材料としては、特に限定されず、例えば、カーボンナノ材料、グラフェン、フラーレン等が挙げられる。これらの炭素材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等を使用できる。これらの重合開始剤は単独で使用してもよく、併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の配合量としては、メタロシロキサンプレポリマーと硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜25重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物などの、放射線により酸を発生する光酸発生剤を用いることができる。オニウム塩としては、例えばトリフレートあるいはヘキサフレートとのヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物あるいはハロアルキル基含有複素環式化合物、例えば、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、トリブロモネオペンチルアルコール、ヘキサブロモヘキサンなどの臭素化合物、ヘキサヨードヘキサンなどのヨウ素化合物などが挙げられる。また、ジアゾメタン化合物としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニウム)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニウム)ジアゾメタンなどが挙げられる。スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン等が挙げられ、スルホン酸化合物としては、アルキル(C1−12)スルホン酸エステル、ハロアルキル(C1−12)スルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホナート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光カチオン重合開始剤の配合量としては、メタロシロキサンプレポリマーと硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、0.05〜10重量部がより好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい
レベリング剤としては特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体などのポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。
レベリング剤の配合量としては、硬化性樹脂組成物の固形分中、0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜1重量%がより好ましく、0.05〜0.5重量%がさらに好ましい。
<<塗膜>>
本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布した後、硬化させることにより塗膜が得られる。基材への塗布は、一般的な方法により行うことができる。硬化条件は特に限定されないが、メタロシロキサンプレポリマーの末端の水酸基の脱水縮合を生じさせるために、70〜130℃で1〜30分間の条件が挙げられる。硬化させるために露光が必要な場合、その条件は特に限定されないが、5 〜2000mJ/cm2の光照射量が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を基材に塗布した後、硬化させることにより塗膜が得られる。基材への塗布は、一般的な方法により行うことができる。硬化条件は特に限定されないが、メタロシロキサンプレポリマーの末端の水酸基の脱水縮合を生じさせるために、70〜130℃で1〜30分間の条件が挙げられる。硬化させるために露光が必要な場合、その条件は特に限定されないが、5 〜2000mJ/cm2の光照射量が挙げられる。
本発明の塗膜は、上記メタロシロキサンプレポリマーの硬化物であるため、優れた硬度と耐擦傷性を有する。硬度は、鉛筆硬度が7H以上であることが好ましく、8H以上であることがより好ましい。
本発明は、また、基材、及び前記塗膜を有する積層体に関する。基材の材質としては、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。基材の厚みは50〜200μmが好ましい。積層体は、基材と塗膜の他に、粘着層、導電層、反射防止層等を有していてもよい。
本発明の基材は、耐擦傷性と硬度に優れた塗膜を有するため、フラットパネルディスプレイ、自動車内装部品、建築材料、インテリア部品等の表面を構成する部材として好適に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(1)以下に、実施例及び比較例で使用した各種試薬を示す。
(1−1)シリケートオリゴマー(A)又はシリケート
メチルシリケート(SiO2含有量52%)(三菱ケミカル製、MS−51)
テトラエトキシシラン(東京化成工業製、TEOS)
(1−2)金属アルコキシド又はその縮合物(B)
ジルコニウムテトラノルマルブトキシド(マツモトファインケミカル製、ZA−65)
テトラノルマルブトキシチタンテトラマー(日本曹達製、B−4)
(1−3)溶媒
特級エタノール(富士フィルム和光純薬製)
(1−4)触媒
酢酸(富士フィルム和光純薬製)
(1−1)シリケートオリゴマー(A)又はシリケート
メチルシリケート(SiO2含有量52%)(三菱ケミカル製、MS−51)
テトラエトキシシラン(東京化成工業製、TEOS)
(1−2)金属アルコキシド又はその縮合物(B)
ジルコニウムテトラノルマルブトキシド(マツモトファインケミカル製、ZA−65)
テトラノルマルブトキシチタンテトラマー(日本曹達製、B−4)
(1−3)溶媒
特級エタノール(富士フィルム和光純薬製)
(1−4)触媒
酢酸(富士フィルム和光純薬製)
(2)評価方法
(2−1)鉛筆硬度
JIS−K−5400試験法に準じて測定した。鉛筆硬度試験機を用いて荷重750gをかけた際に塗膜に傷が付かない最高硬度を鉛筆硬度とした。
(2−2)耐擦傷性
塗膜を、日本スチールウール(株)製スチールウール#0000を用いて、1kg荷重で20往復擦った後の、塗膜上の傷の有無を下記の基準により評価した。
〇:傷なし
×:多数の傷あり
(2−3)保存安定性
メタロシロキサンプレポリマーを製造後、室温で1週間静置し、保存安定性を下記の基準により評価した。
〇:変化なし
×:ゲル化が観察された
(2−1)鉛筆硬度
JIS−K−5400試験法に準じて測定した。鉛筆硬度試験機を用いて荷重750gをかけた際に塗膜に傷が付かない最高硬度を鉛筆硬度とした。
(2−2)耐擦傷性
塗膜を、日本スチールウール(株)製スチールウール#0000を用いて、1kg荷重で20往復擦った後の、塗膜上の傷の有無を下記の基準により評価した。
〇:傷なし
×:多数の傷あり
(2−3)保存安定性
メタロシロキサンプレポリマーを製造後、室温で1週間静置し、保存安定性を下記の基準により評価した。
〇:変化なし
×:ゲル化が観察された
(実施例1〜4、比較例1〜4)
室温条件下、300mLセパラブルフラスコの溶媒(エタノール100質量部)中に、表1に記載の重量比でシリケートオリゴマー(A)、シリケート、金属アルコキシド又はその縮合物(B)を仕込み、室温で30分攪拌した。次に所定量の水、及び酢酸を滴下し、45℃に昇温してから15時間熟成させてメタロシロキサンプレポリマーを得た。このメタロシロキサンプレポリマーの分子量と保存安定性の評価結果を表1に示す。
室温条件下、300mLセパラブルフラスコの溶媒(エタノール100質量部)中に、表1に記載の重量比でシリケートオリゴマー(A)、シリケート、金属アルコキシド又はその縮合物(B)を仕込み、室温で30分攪拌した。次に所定量の水、及び酢酸を滴下し、45℃に昇温してから15時間熟成させてメタロシロキサンプレポリマーを得た。このメタロシロキサンプレポリマーの分子量と保存安定性の評価結果を表1に示す。
前述のメタロシロキサンプレポリマーをガラスの基板上にバーコーターにより塗布した。120℃で20分間硬化させ、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。形成された塗膜の鉛筆硬度、耐擦傷性の評価結果を表1に示す。
比較例1はシリケートオリゴマー(A)に対し金属アルコキシド(B)の配合量が過剰であるためプレポリマーの合成途中にゲル化が生じ、塗膜を形成できなかった。比較例2はシリケートオリゴマー(A)の配合量が過剰であるため保存安定性と耐擦傷性が悪化した。比較例3はシリケートオリゴマー(A)に代えてテトラエトキシシランモノマーを用いたため硬化物の硬度および耐擦傷性が劣っていた。比較例4ではシリケートオリゴマー(A)の加水分解と縮合を酸触媒を用いて行ったため架橋密度が高く、プレポリマーの保存安定性が低く、硬化物は耐擦傷性が劣っていた。実施例1〜4ではメタロシロキサンプレポリマーの保存安定性が高く、硬化物は硬度および耐擦傷性が良好であった。
Claims (7)
- シリケートオリゴマー(A)と、
下記一般式(1)
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、
(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させてなる、
MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマー。 - 金属アルコキシド(B)がアルコキシジルコニウム、又はアルコキシチタンである、請求項1に記載のメタロシロキサンプレポリマー。
- 請求項1又は2に記載のメタロシロキサンプレポリマー、及び溶媒を含む硬化性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる塗膜。
- 鉛筆硬度が7H以上である請求項4に記載の塗膜。
- 基材、及び請求項4又は5に記載の塗膜を有する積層体。
- シリケートオリゴマー(A)と、
下記一般式(1)
M−(OR1)n(1)
(一般式(1)中、Mはジルコニウム、チタン、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、ハフニウム、ニオブ、又はタンタルである金属原子を表し、R1は炭素数1〜12のアルキル基を表し、nはMで表される金属原子の配位数を表す。)で表される金属アルコキシド又はその縮合物(B)とを、
(A):(B)=95:5〜30:70の重量比で反応させる工程を含む、
MW1,000〜10,000のメタロシロキサンプレポリマーの製造方法。
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JP2020040100A JP2021138897A (ja) | 2020-03-09 | 2020-03-09 | メタロシロキサンプレポリマー |
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