JP2021075656A - ケイ素含有反応物 - Google Patents

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Daiki Nakakoji
大起 中小路
慎吾 金谷
Shingo Kanetani
慎吾 金谷
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Abstract

【課題】長時間の使用後にも高い透明性を維持でき、耐擦傷性と基材密着性に優れた材料を形成可能なケイ素含有反応物を提供する。【解決手段】(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応してなるケイ素含有反応物であって、下記一般式(1)[化1](式中、R1はヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基であり、n≧1である)で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物。【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ素含有反応物に関する。
ディスプレイや照明装置等の光学機器には、塗膜や接着剤といった形態で様々な材料が用いられているが、これらには長期間の使用にも耐えうる高い光学特性が要求される。また、保護フィルム等に適用される場合には耐擦傷性が求められる。さらに、ガラスや各種フィルムからなる基材への良好な密着性も求められる。
特許文献1は、ハードコート用の樹脂材料として、アルコキシシランを加水分解縮合してなるケイ素含有ポリマーを開示している。このケイ素含有ポリマーは、特定のアルコキシシランを含むことにより、硬化後のハードコート層の外観や耐擦傷性に優れることが示されているが、基材フィルムへの密着性に乏しいことがある。
特開2011−001456号公報
本発明は、長時間の使用後にも高い光学特性を維持でき、耐擦傷性や基材への密着性に優れたケイ素含有反応物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ケイ素含有反応物の構造について検討したところ、(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させてなるケイ素含有反応物であって、下記一般式(1)
Figure 2021075656
(式中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基であり、n≧1である)で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物が、高い光学特性を維持し、耐擦傷性や基材への密着性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させてなるケイ素含有反応物であって、下記一般式(1)
Figure 2021075656
(式中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基であり、n≧1である)で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物に関する。
ケイ素含有反応物は、分岐構造を有することが好ましい。
(A)成分が水酸基を3以上有する有機化合物を含むことが好ましい。
(B)成分がトリアルコキシシランを含むことが好ましい。
また、本発明は、前記ケイ素含有反応物を含む樹脂組成物に関する。
また、本発明は、(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させる工程を含む、ケイ素含有反応物の製造方法に関する。
(A)成分と(B)成分との反応を塩基性触媒の存在下で行うことが好ましい。
塩基性触媒が水酸化バリウムであることが好ましい。
(A)成分と(B)成分との反応を水を添加せずに行うことが好ましい。
本発明のケイ素含有反応物の硬化物は、透明性、耐擦傷性、および基材密着性に優れる。
実施例2のケイ素含有反応物の、赤外分光解析結果を示す。
<<ケイ素含有反応物>>
本発明のケイ素含有反応物は、(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させてなるケイ素含有反応物であって、
下記一般式(1)
Figure 2021075656
(式中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基であり、n≧1である)で表される主鎖構造を有する。すなわち、この主鎖構造は、後述の一般式(2)で表される有機化合物から誘導された構造と、後述の一般式(3)で表されるアルコキシシランから誘導された構造を有する。前記の主鎖構造を有することにより、無機系と有機系の両方の性質を有することから、長期信頼性、機械的強度および柔軟性を併せ持つ。このケイ素含有反応物からなる光学部材は高い透明性を維持しつつ、耐擦傷性に優れ、ガラスやフィルム等の材料にかかわらずいかなる基材に対しても良好な密着性を示す。
アルキレン基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリメチレン、ヒドロキシメチルイソペンテン、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘキサンジメチレンが挙げられる。また、アルキレン基を構成する1つ以上の炭素原子が酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよく、置換基を有していてもよい。これらの中でもエチレン、ブチレン、ヒドロキシメチルイソペンテン、オキシエチレンが好ましい。
シクロアルキレン基としては、炭素数4〜20のシクロアルキレン基が好ましい。例えば、シクロブチレン、シクロペンチレン、2−メチルシクロペンチレン、シクロヘキシレン、1,3−ジメチルシクロヘキシレン、シクロヘプチレン、1−エチルシクロペンチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン、シクロウンデシレン、シクロドデシレン、シクロトリデレン、シクロテトラデシレン、シクロペンタデシレン、シクロヘキサデシレン、シクロヘプタデシレン、シクロオクタデシレン、シクロノナデシレン、シクロエイコシレン、ノルボルニレン、ジシクロペンチレン、イソプロピリデンジシクロヘキシレン、シクロヘキサンジメチレン、トリシクロデカンジメチレンや、これらの誘導体が挙げられる。また、シクロアルキレン基を構成する1つ以上の炭素原子が酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよく、置換基を有していてもよい。これらの中でも、シクロヘキサンジメチレン基が好ましい。
アリレン基としては、炭素数6〜14のアリレン基が好ましい。例えば、フェニレン、 フェニレンビス(メチレン)、ビフェニレン、ナフチレン、ビナフチレン、アントラセニレン、フェナントリレン等が挙げられる。また、アリレン基を構成する1つ以上の炭素原子が酸素原子、硫黄原子または窒素原子に置換されていてもよく、置換基を有していてもよい。これらの中でもフェニレン、 フェニレンビス(メチレン)が好ましい。
一般式(1)においてnは1以上であるが、2〜100が好ましく、2〜50がより好ましい。
一般式(1)におけるケイ素原子は、酸素原子との結合を1つ以上有する他、それぞれ独立して、水素、水酸基、脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基を有していてもよい。これらは、後述の一般式(3)におけるRのうち、アルコキシ基以外の構造、又はアルコキシ基が加水分解した構造である。また、一般式(1)におけるケイ素原子は、(B)アルコキシシラン同士により形成されるシロキサン結合を有していてもよい。
本発明のケイ素含有反応物は、一般式(1)で表される主鎖構造を有している限り、(A)成分または(B)成分の官能基の一部が未反応で残っていてもよい。
(A)成分が水酸基を3以上有する場合、または(B)成分がアルコキシ基を3以上有する場合には、ケイ素含有反応物は分岐構造を有する。分岐構造を有することにより、塗膜としたときの膜密度が向上し、強度や耐湿熱性、耐熱性に優れる。
ケイ素含有反応物の重量平均分子量は特に限定されないが、500〜50000が好ましく、1000〜10000がより好ましく、1300〜3700がさらに好ましい。上記範囲内であると、凝集物の生成が見られず、硬化後の光学特性に優れる傾向がある。
ケイ素含有反応物の液屈折率は特に限定されないが、1.4〜1.6が好ましい。上記範囲内であると、ガラスやフィルム等の一般的な透明基材と光学干渉が起こりにくい傾向がある。
<(A)水酸基を2以上有する有機化合物>
(A)水酸基を2以上有する有機化合物は、下記一般式(2)で示される。
−(OH) (2)
一般式(2)において、Rは一般式(1)と同じである。
水酸基の数(m)は2〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。2以上の水酸基を有する(A)成分を用いることにより、一般式(1)で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物を得ることができる。(A)成分は水酸基を3以上有する有機化合物を含んでもよい。
(A)水酸基を2以上有する有機化合物の具体例としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分岐状の脂肪族アルコール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスシクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ジヒドロシクロペンタン、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジメタノール、アダマンタンエタンジオール等の環状の脂肪族アルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、1−メチルアミノ−2,3−プロパンジオール等のアミノ基を有する脂肪族アルコール、ビスフェノールA、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンやその誘導体、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等の芳香族アルコール、ブタンジオールエポキシアクリレート、ヘキサンジオールエポキシアクリレート、トリメチロールプロパンエポキシアクリレート等のエポキシアクリレート、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等のイソシアヌル酸誘導体、イソソルビド等が挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオール、分岐状または環状の脂肪族アルコール、アミノ基を有する脂肪族アルコール、エポキシアクリレート、イソシアヌル酸誘導体が好ましく、分岐状または環状の脂肪族アルコール、アミノ基を有する脂肪族アルコール、エポキシアクリレートがより好ましい。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ケイ素含有反応物にラジカル重合性を付与するために、これらの構造中に重合性の不飽和基を有していてもよい。
上記(A)水酸基を2以上有する有機化合物に加えて、水酸基を1つ有する有機化合物を併用してもよい。水酸基を1つ有する有機化合物としては、前記一般式(2)において水酸基の数(m)が1である有機化合物が挙げられる。水酸基を1つ有する有機化合物を併用することにより、ケイ素含有反応物の分子量を調整できる。
<(B)アルコキシシラン>
(B)アルコキシシランとしては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
SiR (3)
一般式(3)中、4つのRは、それぞれ水素、水酸基、アルコキシ基、脂肪族炭化水素基、又は芳香族炭化水素基であり、4つのRのうち2以上のRがアルコキシ基である。アルコキシ基、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、それぞれ置換基を有してよい。
4つのRのうち、2つのRがアルコキシ基である場合はジアルコキシシラン、3つのRがアルコキシ基である場合はトリアルコキシシラン、4つのRがアルコキシ基である場合はテトラアルコキシシランであり、これらのいずれであってもよい。また、これらのアルコキシシランは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、トリアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランの少なくとも一方を含有することが好ましい。トリアルコキシシランまたはテトラアルコキシシランを含有することにより、分岐構造のケイ素含有反応物を得ることができる。
アルコキシシランとしては、上記(B)アルコキシシランに加えて、一般式(3)において1つのRがアルコキシ基であるモノアルコキシシランを併用してもよい。モノアルコキシシランを併用することにより、ケイ素含有反応物の分子量を調整できる。
(B)アルコキシシランにおけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基及びエトキシ基等のC1−4アルコキシ基が挙げられる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、及びt−ブチル基等のC1−20アルキル基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、及びキシリル基等のアリール基;並びにベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が有する置換基としては、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリロキシ基、ビニル基、エポキシ基等の架橋性官能基、1級アミノ基、チオール基、及びスチリル基等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メトキシトリメチルシラン等の脂肪族炭化水素基を有するアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等の芳香族炭化水素基を有するアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、ビス-[トリエトキシシリルプロピル]アミン等のアミノ基を有するアルコキシシラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリル基を有するアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニル基を有するアルコキシシラン;β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基を有するアルコキシシラン:3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するアルコキシシラン:テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン:トリス−(トリメトキシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス−(トリエトキシリルプロピル)イソシアヌレート、等のイソシアヌレート基を有するアルコキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
<<ケイ素含有反応物の製造方法>>
本発明のケイ素含有反応物の製造方法は、(A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応する工程を含むことを特徴とする。(A)成分と(B)成分の反応は、特に限定されないが、例えば(B)成分のアルコキシ基の加水分解による水酸基の形成、及び、形成された水酸基と(A)成分の水酸基との縮合反応により行われる。これらの反応は、(A)成分と(B)成分を共存させて一段階で行うことができる。反応時の温度条件は、特に限定されないが、好ましくは25〜200℃、より好ましくは30〜150℃、さらに好ましくは40〜120℃である。時間条件は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜24時間、より好ましくは0.1〜20時間、さらに好ましくは0.1〜15時間である。
(A)成分と(B)成分との反応により一般式(1)で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物が得られるが、ケイ素含有反応物中には、未反応のアルコキシ基、アルコキシ基が加水分解した水酸基、或いは(A)成分に由来する水酸基が一部残存していてもよい。
(A)成分と(B)成分の反応においては、両成分の反応性に応じて触媒を使用してもよい。触媒としては、例えば、塩基性触媒、酸性触媒が挙げられる。塩基性触媒としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、四級アンモニウム塩、金属アルコキシド、アミン化合物窒素含有芳香族性環式化合物、アンモニア等が挙げられる。一方、(A)成分または(B)成分がアミノ基を有し両者の反応が迅速に進行する場合には、(A)成分と(B)成分との反応には触媒を使用しなくてもよい。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムが挙げられる。
アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロキシド等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、リチウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムt−ブトキシド等が挙げられる。
アミン化合物としては、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等が挙げられる。
窒素含有芳香族性環式化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−アミノべンゾイミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、ホウ酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、及びp−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
以上に挙げた触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、一般式(1)構造を有するケイ素含有反応物を効率的に形成できることから塩基性触媒が好ましく、アルカリ土類金属の水酸化物、アミン化合物がより好ましく、水酸化バリウム、トリエチルアミンがさらに好ましい。
触媒の添加量は、(A)成分に対して0.01〜5.0mоl%であることが好ましく、0.05〜3.0mоl%がより好ましく、0.1〜1.0mоl%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、一般式(1)構造を有するケイ素含有反応物を効率的に形成できる傾向がある。
(A)成分と(B)成分との反応は、溶媒を使用せずに行ってもよいが、必要に応じて溶媒を使用してもよい。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、一般式(1)構造を有するケイ素含有反応物を効率的に形成できることから、エーテル類、ケトン類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、または芳香族炭化水素類が好ましい。
なお、水の存在下では(B)成分のアルコキシ基の加水分解が促進され、(A)成分を含まないシロキサン結合が形成されるため、(A)成分と(B)成分との反応は水を添加せずに行うことが好ましい。溶媒を用いる場合でも、溶媒としては水を含まないものが好ましい。
溶媒の配合量としては、(B)アルコキシシラン100質量部に対し、10質量部以上1000000質量部以下が好ましく、10質量部以上500000質量部以下がより好ましい。
(A)成分と(B)成分の反応において、(A)成分と(B)成分の官能基比は、(A)成分の水酸基に対する(B)成分のアルコキシ基の比率が1:5〜5:1が好ましく、1:3〜3:1がより好ましい。上記範囲内であると、一般式(1)の構造を有するケイ素含有反応物を効率的に形成できる傾向がある。
(A)成分と(B)成分との反応の終了後は、必要に応じて反応溶液をpH調整剤により中和し、溶媒を留去することにより、ケイ素含有反応物を得ることができる。
<<樹脂組成物>>
本発明の樹脂組成物は、前記ケイ素含有反応物を含むことを特徴とする。樹脂組成物固形分100重量部に対して、ケイ素含有反応物の含有量は10〜99.9重量部が好ましく、15〜95がより好ましく、20〜70重量部がさらに好ましい。上記範囲内であると、耐熱性や耐湿熱性、耐久性が向上する。
<任意成分>
樹脂組成物には、ケイ素含有反応物に加えて、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、例えば、エポキシ樹脂やアクリレート、メラミン等の硬化性樹脂、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、無機微粒子、導電性高分子、炭素材料、重合開始剤、レベリング剤、界面活性剤、光増感剤、消泡剤、中和剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、増粘剤、溶媒等が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、ベンゼン環を多数有した多官能型であるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型又はトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、ビフェニル型、トリフェノールメタン型、ナフタレン型、オルソノボラック型、ジシクロペンタジエン型、アミノフェノール型、脂環式等のエポキシ樹脂、シリコーンエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジグリシジルエーテル、テトラメチルビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルジグリシジルエーテル、ジメチルジ−t−ブチルビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物;3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド等の脂環式エポキシ化合物;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジメチロールシクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,3−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、1,2−シクロヘキサンジグリシジルエーテル、ジメチロールジシクロペンタジエンジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルエステル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート等のアクリレート、メラミン等が挙げられる。
硬化性樹脂の配合量としては、ケイ素含有反応物100重量部に対して、硬化性樹脂1〜500重量部が好ましく、5〜250重量部がより好ましく、さらに好ましくは10〜200重量部である。
無機微粒子としては特に限定されないが、例えば、金属酸化物微粒子、窒化物、2種以上の金属元素から構成される複合酸化物、金属酸化物に異種の元素がドープされた化合物等が挙げられる。金属酸化物微粒子として、具体的には、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化鉄(Fe、FeO、Fe)、酸化銅(CuO、CuO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ニオブ(Nb)、酸化モリブデン(MoO)、酸化インジウム(In、InO)、酸化スズ(SnO)、酸化タンタル(Ta)、酸化タングステン(WO、W)、酸化鉛(PbO、PbO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化セリウム(CeO、Ce)、酸化アンチモン(Sb、Sb)、酸化ゲルマニウム(GeO、GeO)等が挙げられる。
導電性高分子としては特に限定されず、従来公知の導電性高分子を用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、これらの誘導体、及び、これらとドーパントとの複合体等が挙げられる。これらの導電性高分子は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子としては、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性高分子が好ましい。その理由は、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすいからである。
導電性高分子としては、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体がより好ましい。導電性や化学的安定性に極めて優れているからである。また、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオンとの複合体を含有する場合、低温短時間で帯電防止層を形成することができ、生産性にも優れる。
炭素材料としては、特に限定されず、例えば、カーボンナノ材料、グラフェン、フラーレン等が挙げられる。これらの炭素材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等を使用できる。これらの重合開始剤は単独で使用してもよく、併用してもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル)−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の配合量としては、ケイ素含有反応物と硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜25重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物などの、放射線により酸を発生する光酸発生剤を用いることができる。オニウム塩としては、例えばトリフレートあるいはヘキサフレートとのヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられ、ハロゲン含有化合物としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物あるいはハロアルキル基含有複素環式化合物、例えば、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどの(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体や、トリブロモネオペンチルアルコール、ヘキサブロモヘキサンなどの臭素化合物、ヘキサヨードヘキサンなどのヨウ素化合物などが挙げられる。また、ジアゾメタン化合物としては、例えばビス(トリフルオロメチルスルホニウム)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニウム)ジアゾメタンなどが挙げられる。スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン等が挙げられ、スルホン酸化合物としては、アルキル(C1−12)スルホン酸エステル、ハロアルキル(C1−12)スルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホナート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光カチオン重合開始剤の配合量としては、ケイ素含有反応物と硬化性樹脂の合計量100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、0.05〜10重量部がより好ましく、0.1〜5重量部がさらに好ましい
レベリング剤としては特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素系化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体などのポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。
レベリング剤の配合量としては、樹脂組成物の固形分中に0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜1重量%がより好ましく、0.05〜0.5重量%がさらに好ましい。
<溶媒>
溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)等のエチレングリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチル−1−アセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、エチレングリコールエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ケトン類及びエステル類が好ましく、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びメチルアミルケトンがより好ましい。これらの溶媒は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
組成物の固形分率は、特に限定されないが、10〜100重量%が好ましく、20〜80重量%がより好ましく、30〜75重量%がさらに好ましい。
<<硬化物>>
本発明の樹脂組成物を基材に塗布した後、或いは成形した後、加熱処理及び露光処理を行うことにより硬化物が得られる。基材への塗布、成形は、一般的な方法により行うことができる。加熱処理の条件としては、特に限定されないが、70〜130℃で1〜10分間の条件が挙げられる。露光処理の条件としては、特に限定されないが、5 〜2000mJ/cmの光照射量が挙げられる。
硬化物の全光線透過率は特に限定されないが、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましい。上記範囲内であると、十分な光学特性を維持できる。
硬化物のヘイズ値は低いほど光学特性が良好となり好ましいが、例えば、1%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましく、0.5%以下がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は硬化後の透明性に優れ、屈折率の調節も容易であるため、光学用途向けの接着剤、保護層、帯電防止層、半導体用途向けの接着剤、保護層、封止剤の他、インプリント、微細加工用の樹脂材料、レンズ材料等の用途に好適に適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
(1)以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
(1−1)水酸基を有する化合物
ジフェニルシランジオール(東京化成工業株式会社製)
ポリエチレングリコール#200(東京化成工業株式会社製、PEG200)
シクロヘキサンジメタノール(東京化成工業株式会社製)
エチレングリコール(東京化成工業株式会社製)
トリメチロールプロパン(東京化成工業株式会社製)
ヘキサンジオールエポキシアクリレート(ナガセケムテックス株式会社製、DA−212)
イソソルビド(東京化成工業株式会社製)
ジエタノールアミン(東京化成工業株式会社製)
(1−2)アルコキシシラン
メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(東レ・ダウコーニング社製、SZ−6030)
β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)
ビニルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(東京化成工業株式会社製)
(1−3)樹脂組成物の構成成分
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASFジャパン株式会社製、Irgacure−907)
スルホニウム塩系カチオン重合開始剤(三新化学工業株式会社製、サンエイドSI−100L)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(新中村化学工業株式会社製)
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製、EX−212)
プロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製、PGMEA)
メトキシフェノール(東京化成工業株式会社製)
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパン株式会社製、BYK−307)
(2)評価方法
(2−1)ケイ素含有反応物の分子量
重量平均分子量をGPCにて測定した。
(2−2)ケイ素含有反応物の赤外分光による構造解析
反応初期と、反応終了後の赤外分光を、FT−IR Frontier(パーキンエルマー社製)を用いて測定することにより、原料の水酸基を有する化合物の消失と、一般式(1)で表される主鎖構造の形成を確認した。
(2−3)塗膜のヘイズ
スガ試験機株式会社製ヘーズメーターHZ−2を用いて測定した。
(2−4)耐湿熱性試験
作製した試験片をエスペック社製恒温恒湿機に入れ、85℃、85%RH、100時間の試験を行い、試験後のヘイズを測定した。
(2−5)耐擦傷性試験
塗膜を、日本スチールウール(株)製スチールウール#0000を用いて、300g/cmの荷重で10往復擦ることにより耐擦傷性試験を行い、試験後のヘイズを測定した。
(2−6)密着性試験
作製した試験片の塗膜の表面に、セロハンテープ(ニチバン社製、巾18mm)を塗膜に密着させ、テープを一気に剥がした。テープを剥がした部分のヘイズを測定し、初期値からのヘイズの差を求め、以下の3段階で評価した。
◎:初期値からの変動が0.1未満
○:初期値からの変動が0.1以上0.3未満
×:初期値からの変動が0.3以上
(実施例1〜13、比較例1)
室温条件下、300mLセパラブルフラスコに、表1に記載の重量比で、水酸基を有する化合物、およびアルコキシシランを仕込んだ。次に、メタノールに溶解した水酸化バリウムを滴下し、表1記載の温度まで昇温後、15時間熟成させた。熟成後の溶液にトルエン50gを加えて室温まで冷却したのち、リン酸二水素ナトリウム水溶液にて中和した。さらに、分液工程を2回行い、脱水・トルエンを留去して、ケイ素含有反応物を得た。
(実施例14〜15)
水酸化バリウムを添加しない他は、実施例1〜13と同様にして、ケイ素含有反応物を得た。
Figure 2021075656
2以上の水酸基を有する有機化合物と、アルコキシシランとの反応により、ケイ素含有反応物が得られた。実施例2のケイ素含有反応物の赤外分光解析結果を図1に示す。
(実施例16〜28、比較例2)
実施例2、3、5〜6、11〜14、比較例1のケイ素含有反応物と、表2に記載の各成分を配合して樹脂組成物を作製した。なお、表2の配合量は各成分の重量比を示す。この樹脂組成物を青板ガラス((関谷理化株式会社製)製の基板と、PETフィルム(東レ株式会社製、ルミラT60、188μm)上に、それぞれバーコーターにより塗布した。実施例16〜18、22、25〜27、比較例2については、80℃で2分間乾燥した後、高圧水銀/Dバルブにより500mJ/cmで露光して樹脂組成物を硬化させ、膜厚2μmの塗膜を形成した。それ以外の実施例については、150℃で1時間硬化させ、膜厚2μmの塗膜を形成した。塗膜形成直後、湿熱性試験後、耐擦傷性試験後、密着性試験後の、ヘイズを評価した結果を表2に示す。
Figure 2021075656
実施例16〜28の塗膜の透明性は比較例2と同等であり、湿熱試験後も透明性は維持されていた。一方、比較例2は湿熱試験後に透明度が低下した。実施例16〜28の塗膜は、基材の種類にかかわらず、耐擦傷性試験の後、および密着性試験の後に高い透明性を維持した。一方、比較例2の塗膜はフィルム基材に形成された場合、耐擦傷性試験の後に透明度が著しく低下した。また、密着性試験の後に透明度が著しく変化し、これは塗膜が剥がれたことを示唆する。

Claims (9)

  1. (A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させてなるケイ素含有反応物であって、
    下記一般式(1)
    Figure 2021075656
    (式中、Rはヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基であり、n≧1である)
    で表される主鎖構造を有するケイ素含有反応物。
  2. 分岐構造を有する請求項1に記載のケイ素含有反応物。
  3. (A)成分が水酸基を3以上有する有機化合物を含む請求項1または2のいずれかに記載のケイ素含有反応物。
  4. (B)成分がトリアルコキシシランを含む請求項1〜3のいずれかに記載のケイ素含有反応物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のケイ素含有反応物を含む樹脂組成物。
  6. (A)水酸基を2以上有する有機化合物と(B)アルコキシシランとを反応させる工程を含む
    ケイ素含有反応物の製造方法。
  7. (A)成分と(B)成分との反応を塩基性触媒の存在下で行う、請求項6に記載の製造方法。
  8. 塩基性触媒が水酸化バリウムである請求項7に記載の製造方法。
  9. (A)成分と(B)成分との反応を水を添加せずに行う、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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