JP2021136250A - 熱電素子及びその製造方法 - Google Patents

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良司 旭
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優美 佐伯
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政典 岩田
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Abstract

【課題】500℃程度の中・高温域で作動させた場合においても良好な電気的・機械的接合を長時間維持できる低コストな熱電素子を提供すること。【解決手段】熱電素子は、熱電材料からなる熱電部材と、金属材料(C)を含む電極と、前記熱電部材と前記電極との間に挿入された接合層とを備えている。前記接合層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を含む。このような熱電素子は、熱電材料からなる熱電部材と金属材料(C)を含む電極との界面に、Au−Ag層の前駆体層を形成し、前記熱電部材/前記前駆体層/前記電極からなる積層体を、不活性雰囲気下で加熱することにより得られる。【選択図】図3

Description

本発明は、熱電素子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、500℃程度の中・高温域で作動させた場合においても良好な電気的・機械的接合を長時間維持できる熱電素子、及びその製造方法に関する。
熱電素子は、熱電材料からなる棒状の熱電部材の両端に電極を接合したものからなる。熱電素子を作動させる際には一方の電極が高温に曝されるため、熱電素子の信頼性を向上させるためには、接合層の信頼性を向上させる必要がある。しかしながら、熱電部材と電極は異種材料であるため、一般に、信頼性の高い接合層を得るのは容易ではない。
例えば、ハーフホイスラー合金からなる熱電部材の場合、電極には、安価なCu電極を用いる場合が多い。しかし、ハーフホイスラー合金からなる熱電部材とCu電極とを直接、接合した熱電素子は、大気中、200℃〜700℃の中・高温域で使用した時に出力が低下しやすい。これは、Cu電極そのものが酸化することに加えて、ハーフホイスラー合金とCu電極との接合界面近傍が酸化されやすいためと考えられる。
一方、ハーフホイスラー合金からなる熱電部材と、高温大気中でも酸化しにくいAg電極(〜100μm)とをホットプレス(1053K、40MPa)により接合した場合、873Kで特性を6回測定しても出力低下は15%程度であり、比較的安定であることが示された(非特許文献1、2参照)。但し、この方法は、接合後に加工作業すると接合層の破損が生じるため、通常、熱電材料を予め矩形に加工してから、単品ごとにホットプレスする必要がある。このため、高コストであり、量産性も低い。また、この方法は、PN接合を多数接続した、いわゆるπ型モジュールの製造に適さない。
J.Electron.Mater. 45, 594, 2015 J.Electron.Mater. 47, 701, 2018
本発明が解決しようとする課題は、500℃程度の中・高温域で作動させた場合においても良好な電気的・機械的接合を長時間維持できる熱電素子を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このような熱電素子を低コストで製造することができ、しかも、量産性に優れた熱電素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電素子は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子は、
熱電材料からなる熱電部材と、
金属材料(C)を含む電極と、
前記熱電部材と前記電極との間に挿入された接合層と
を備えている。
(2)前記接合層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を含む。
本発明に係る熱電素子の製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子の製造方法は、
熱電材料からなる熱電部材と金属材料(C)を含む電極との界面に、Au−Ag層の前駆体層を形成する前駆体形成工程と、
前記熱電部材/前記前駆体層/前記電極からなる積層体を、不活性雰囲気下で加熱する熱処理工程と
を備えている。
(2)前記前駆体層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を形成可能な組成を持つ。
Agペーストを用いて非加圧下で熱電部材と電極とを接合する方法は、低コストであり、量産性も高い。しかし、Agペースト層の焼成時に緻密化が不十分となりやすく、接合層にポアや空隙が生成しやすい。接合層にポアや空隙が形成されると、熱電素子が高温に曝された時に接合層、接合層近傍の熱電部材、及び/又は、接合層近傍の電極が酸化され、高抵抗化する場合がある。また、ポアや空隙を介して亀裂が進展し、機械的強度が劣化する場合がある。
これに対し、熱電部材と電極との界面に、適量のAuを含むAu−Ag層の前駆体を挿入し、適切な条件下で焼成すると、緻密なAu−Ag層が得られる。これは、Agに適量のAuを添加することによってAgの拡散性が向上し、Au-Ag層の緻密化が促進されるためと考えられる。このようにして得られたAu−Ag層は、緻密であるため、酸化に強く、かつ、機械的特性にも優れている。そのため、これを接合層に含む熱電素子は、接合層の酸化による高抵抗化や、亀裂の進展による機械的強度の劣化が起きにくい。
図1(A)は、比較例1で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像である。図1(B)は、比較例1で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像である。 図2(A)は、実施例1で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像である。図2(B)は、実施例1で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像である。 図3(A)は、実施例2で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像である。図3(B)は、実施例2で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 熱電素子]
本発明に係る熱電素子は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子は、
熱電材料からなる熱電部材と、
金属材料(C)を含む電極と、
前記熱電部材と前記電極との間に挿入された接合層と
を備えている。
(2)前記接合層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を含む。
前記接合層は、
(A)前記Au−Ag層と前記熱電部材との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(A)を含むA層、及び/又は、
(B)前記Au−Ag層と前記電極との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(B)を含むB層
をさらに備えていても良い。
[1.1. 熱電部材]
熱電部材は、熱電材料からなる。熱電部材は、P型熱電材料からなるP型部材でも良く、あるいは、N型熱電材料からなるN型部材でも良い。さらに、熱電素子は、P型部材又はN型部材のみからなるものでも良く、あるいは、P型部材とN型部材とが電極を介して直列に接続されているものでも良い。
本発明において、熱電部材を構成する熱電材料の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な組成を選択することができる。本発明は、接合層の耐酸化性が良好であるので、使用温度が400℃以上である熱電材料に対して適用するのが好ましい。
熱電材料としては、例えば、
(a)TiNiSn、ZrNiSn、HfNiSn、TiCoSbなどのハーフホイスラー合金、
(b)PbTe、Mg2Si、CoSb3
などがある。
これらの中でも、熱電材料は、ハーフホイスラー合金が好ましい。これは、高温で安定、かつ、毒性元素を含まないため、実用性が高いためである。
熱電部材の形状は、一方の電極と他方の電極との間に温度差を形成可能な限りにおいて、特に限定されない。熱電部材は、通常、断面積が一様である棒状の部材からなる。
[1.2. 電極]
熱電部材の高温側及び低温側には、それぞれ、電極が接合される。
本発明において、電極は、金属材料(C)のみからなるものを用いても良く、あるいは、金属材料(C)からなる層の熱電部材と接合されていない面に電気的絶縁層が設けられているものを用いても良い。金属材料(C)の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適なものを選択することができる。金属材料(C)としては、例えば、Cu、Ni、Al、Ag、Au、Ag10Snなどがある。
これらの中でも、Cuは、安価であり、かつ、電気抵抗が低いので、金属材料(C)として好適である。
また、電気的絶縁層としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、エポキシ樹脂などがある。これらの中でもアルミナは、安価であり、かつ、機械的強度、耐熱性に優れているので、電気的絶縁層として好適である。
[1.3. 接合層]
接合層は、Au-Ag層を含む。接合層は、Au-Ag層のみからなるものでも良く、あるいは、他の層が含まれていても良い。他の層としては、例えば、
(a)上述したA層若しくはB層(A層若しくはB層に、隣接する層又は部材に含まれる元素が拡散することにより生成する反応層を含む)、
(b)Au及びAgの総モル数に対するAuのモル数の割合が15mol%未満である層(以下、これを「Agリッチ層」ともいう)、
(c)Au及びAgの総モル数に対するAuのモル数の割合が45mol%超である層(以下、これを「Auリッチ層」ともいう)
などがある。
[1.3.1. Au-Ag層]
[A. 組成]
「Au-Ag層」とは、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなる層をいう。Au−Ag層中に含まれるAu量は、SEM/EDXによりAu-Ag層の断面を面分析することにより同定することができる。
後述するように、Au-Ag層は、種々の方法により形成することができる。そのため、Au−Ag層は、全体が均一な組成になっている場合と、厚さ方向に沿って組成が変化している場合とがある。また、Au層とAg層の積層体からAu−Ag層を生成させる場合において、熱処理が不十分である時には、Au−Ag層に隣接して、Auリッチ層及び/又はAgリッチ層が形成される場合がある。
さらに、Au−Ag層に隣接してA層又はB層が形成される場合、熱処理時にA層又はB層が隣接する層又は部材と反応して、反応層が生成する場合がある。
Auは、Au-Ag層中におけるAgの拡散性を向上させる作用があると考えられる。そのため、Au-Ag層中におけるAu含有量が少なすぎると、Agの拡散性が低下し、Au-Ag層中に多量のポアが残留しやすくなる。従って、Au含有量は、15mol%以上である必要がある。Au含有量は、好ましくは、20mol%以上、さらに好ましくは、25mol%以上である。
一方、Au含有量が過剰になると、接合強度が低下し、あるいは、製造コストが高くなる。従って、Au含有量は、45mol%以下である必要がある。Au含有量は、好ましくは、40mol%以下、さらに好ましくは、35mol%以下である。
Au-Ag層は、実質的にAu及びAgのみからなるものが好ましいが、不可避的不純物が含まれていても良い。不可避的不純物としては、例えば、後述するA層及び/又はB層の構成元素、不可抗力により混入した非金属介在物などがある。
熱電素子の信頼性を向上させるためには、不可避的不純物は少ないほど良い。
[B. 厚さ]
Au-Ag層の厚さは、目的に応じて最適な厚さを選択するのが好ましい。一般に、Au-Ag層の厚さが薄くなりすぎると、接合強度が低下する。従って、Au-Ag層の厚さは、3μm以上が好ましい。厚さは、好ましくは、5μm以上、さらに好ましくは、7μm以上である。
一方、Au-Ag層の厚さが厚くなりすぎると、接合層の電気抵抗が増大する。従って、Au-Ag層の厚さは、50μm以下が好ましい。厚さは、好ましくは、40μm以下、さらに好ましくは、30μm以下である。
[1.3.2. A層]
[A. 組成]
「A層」とは、Au−Ag層と熱電部材との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(A)を含む層をいう。A層は、必要に応じて、Au-Ag層と熱電部材との間に挿入される。
A層の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な組成を選択するのが好ましい。A層は、金属元素(A)のみからなる場合と、金属元素(A)に加えて、隣接するAu−Ag層又は熱電部材から拡散してきた元素を含む場合とがある。
例えば、熱電部材がハーフホイスラー合金からなる場合、その組成によっては、ハーフホイスラー合金とAu−Ag層とが激しく反応することがある。このような場合、Au−Ag層と熱電部材との間に、意図しない元素の拡散を抑制する拡散バリアとしての機能を有するA層を挿入するのが好ましい。
金属元素(A)としては、例えば、Ni、Au、Ti、Mo、Ta、Pt、Pd、Co、Fe、Zn、Sn、Teなどがある。A層は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を含む合金、混合物、又は化合物であっても良い。金属元素(A)を含む合金としては、例えば、Ni−Au合金、Ni−Ti合金などがある。金属元素(A)を含む化合物としては、例えば、Ta−N、Ni−P、若しくは、Ni−B、又は、これらに準ずる化合物等がある。
これらの中でも、A層は、Ni又はNiを含む化合物が好ましい。Niは、ある種の熱電材料(例えば、ハーフホイスラー合金)とAu−Ag層とが激しく反応するのを抑制する拡散バリアとして機能する。そのため、熱電部材とAu−Ag層との間にNi又はNiを含む化合物からなるA層を挿入すると、信頼性の高い接合層を得ることができる場合がある。
[B. 厚さ]
A層の厚さは、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な厚さを選択するのが好ましい。例えば、A層が拡散バリアとしての機能を有する場合において、A層の厚さが薄くなりすぎると、元素の拡散を十分に抑制することができなくなる。従って、A層の厚さは、1μm以上が好ましい。
一方、A層の厚さが厚くなりすぎると、効果が飽和するだけでなく、電気抵抗の増大を招く。従って、A層の厚さは、50μm以下が好ましい。厚さは、好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは、10μm以下である。
[1.3.3. B層]
[A. 組成]
「B層」とは、Au−Ag層と電極との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(B)を含む層をいう。B層は、必要に応じて、Au-Ag層と電極との間に挿入される。
B層の組成は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な組成を選択するのが好ましい。B層は、金属元素(B)のみからなる場合と、金属元素(B)に加えて、隣接するAu−Ag層又は電極から拡散してきた元素を含む場合とがある。
例えば、Au-Ag層を介して熱電部材と電極とを接合する場合、Au−Ag層と電極との間の密着力が不十分となることがある。このような場合、Au−Ag層と電極との間に、接合強度を向上させる密着層としての機能を有するB層を挿入するのが好ましい。
金属元素(B)としては、例えば、Ni、Au、Ti、Mo、Ta、Pt、Pd、Co、Fe、Zn、Sn、Teなどがある。B層は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を含む合金、混合物、又は化合物であっても良い。金属元素(B)を含む合金としては、例えば、Ni−Au合金、Ni−Ti合金などがある。金属元素(B)を含む化合物としては、例えば、Ta−N、Ni−P、若しくは、Ni−B、又は、これらに準ずる化合物等がある。
これらの中でも、B層は、Ni又はNiを含む化合物が好ましい。Niは、ある種の電極材料(例えば、Cu)とAu−Ag層との間の接合強度を向上させる密着層として機能する。そのため、電極とAu−Ag層との間にNi又はNiを含む化合物からなるB層を挿入すると、信頼性の高い接合層を得ることができる場合がある。
[B. 厚さ]
B層の厚さは、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な厚さを選択するのが好ましい。例えば、B層が密着層としての機能を有する場合において、B層の厚さが薄くなりすぎると、接合強度が不十分となる。従って、B層の厚さは、1μm以上が好ましい。
一方、B層の厚さが厚くなりすぎると、効果が飽和するだけでなく、電気抵抗の増大を招く。従って、B層の厚さは、50μm以下が好ましい。厚さは、好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは、10μm以下である。
[1.3.4. 空隙率]
「空隙率」とは、接合層の断面の見かけの面積(S0)に対する、接合層の断面に含まれる0.1μm×0.1μm以上の空隙の面積(S)の割合(=S×100/S0)をいう。S及びS0は、接合層の断面を顕微鏡で観察し、断面の画像を解析することにより求められる。
接合層の空隙率が大きくなるほど、接合層、接合層近傍の熱電部材、及び/又は、接合層近傍の電極の酸化による高抵抗化や、亀裂の進展による機械的特性の劣化が起きやすくなる。信頼性の高い熱電素子を得るためには、接合層の空隙率は、10%以下が好ましい。
[2. 熱電素子の製造方法]
本発明に係る熱電素子の製造方法は、以下の構成を備えている。
(1)前記熱電素子の製造方法は、
熱電材料からなる熱電部材と金属材料(C)を含む電極との界面に、Au−Ag層の前駆体層を形成する前駆体形成工程と、
前記熱電部材/前記前駆体層/前記電極からなる積層体を、不活性雰囲気下で加熱する熱処理工程と
を備えている。
(2)前記前駆体層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を形成可能な組成を持つ。
前記熱電素子の製造方法は、前記前駆体形成工程の前に、
(A)前記熱電部材の表面にA層前駆体を形成するA層前駆体形成工程、及び/又は、
(B)前記電極の表面にB層前駆体を形成するB層前駆体形成工程、
をさらに備えていても良い。
[2.1. A層前駆体形成工程]
まず、必要に応じて、熱電部材の表面にA層前駆体を形成する(A層前駆体形成工程)。
ここで、「A層前駆体」とは、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(A)を含むA層を形成することが可能な組成を持つ層をいう。
A層前駆体は、初めからA層と同一組成を持つものでも良く、あるいは、熱処理によりA層を生成させることが可能なものでも良い。
例えば、A層がNiなどの単相の金属からなる場合、A層前駆体としては、
(A)単相の金属からなる薄膜、
(B)単相の金属微粒子を含むペーストを熱電部材の表面に塗布することにより得られるペースト層、
(C)薄膜とペースト層との組み合わせ、
などがある。
また、A層が2種以上の金属元素(A)を含む合金又は混合物からなる場合、A層前駆体としては、例えば、
(A)目的とする合金又は混合物と同一組成を有する薄膜、
(B)組成の異なる2種以上の薄膜の積層体、
(C)目的とする合金又は混合物と同一組成を有する微粒子を含むペーストを熱電部材の表面に塗布することにより得られるペースト層、
(D)組成の異なる2種以上の微粒子を含むペースト層、
(E)薄膜とペースト層との組み合わせ、
などがある。
A層前駆体の形成方法は、特に限定されるものではなく、A層の組成に応じて最適な方法を選択するのが好ましい。A層前駆体の形成方法としては、例えば、
(A)メッキ、蒸着、スパッタリング等の方法を用いて、単層又は多層の薄膜を熱電部材の表面に形成する方法、
(B)A層の原料となる1種又は2種以上の金属粉末を含むペーストを作製し、ペーストを熱電部材の表面に塗布する方法、
(C)A層前駆体からなる単層又は多層の金属箔を熱電部材の表面に載置する方法、
などがある。
[2.2. B層前駆体形成工程]
同様に、必要に応じて、電極の表面にB層前駆体を形成する(B層前駆体形成工程)。
ここで、「B層前駆体」とは、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(B)を含むB層を形成することが可能な組成を持つ層をいう。
B層前駆体及びその形成方法の詳細は、A層前駆体及びその形成方法と同様であるので、説明を省略する。
なお、A層前駆体形成工程とB層前駆体形成工程は、いずれか一方のみを行っても良く、あるいは、双方を行っても良い。双方を行う場合、その実行順序は特に限定されない。
[2.3. 前駆体形成工程]
必要に応じて、A層前駆体及び/又はB層前駆体を形成した後、熱電材料からなる熱電部材と金属材料(C)を含む電極との界面に、Au−Ag層の前駆体層を形成する(前駆体形成工程)。
ここで、「前駆体層」とは、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を形成可能な組成を持つ層をいう。
前駆体層は、初めからAu-Ag層と同一組成を持つものでも良く、あるいは、熱処理によりAu-Ag層を生成させることが可能なものでも良い。
前駆体層としては、例えば、
(A)Au薄膜/Agペースト層/Au薄膜の積層体、
(B)Au-Agペースト層、
(C)Au-Ag金属箔
などがある。
[2.3.1. Au薄膜/Agペースト層/Au薄膜の積層体]
前駆体層がAu薄膜/Agペースト層/Au薄膜の積層体である場合、前駆体形成工程は、
前記熱電部材の上に第1Au薄膜を形成する第1工程と、
前記電極の上に第2Au薄膜を形成する第2工程と、
前記第1Au薄膜及び/又は前記第2Au薄膜の表面にAgペーストを塗布し、Agペースト層を形成する第3工程と、
前記第1Au薄膜と前記第2Au薄膜との間に前記Agペースト層が来るように、前記熱電部材と前記電極とを重ね合わせ、これによって前記熱電部材と前記電極との間に前記第1Au薄膜/前記Agペースト層/前記第2Au薄膜の積層体からなる前記前駆体層を形成する第4工程と
を備えているものが好ましい。
ここで、「熱電部材の上に第1Au薄膜を形成する」とは、
(A)熱電部材の表面に直接、第1Au薄膜を形成すること、又は、
(B)熱電部材の表面にA層前駆体が形成されている時には、A層前駆体の表面に第1Au薄膜を形成すること
をいう。
同様に、「電極の上に第2Au薄膜を形成する」とは、
(A)電極の表面に直接、第2Au薄膜を形成すること、又は、
(B)電極の表面にB層前駆体が形成されている時には、B層前駆体の表面に第2Au薄膜を形成すること
をいう。
第1Au薄膜、Agペースト層、及び第2Au薄膜の厚さは、それぞれ、目的とする組成及び厚さを有するAu-Ag層が得られるように選択するのが好ましい。一般に、第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さが薄くなりすぎると、それに応じてAu−Ag層の厚さも薄くなり、接合強度が低下する。従って、第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さは、それぞれ、0.5μm以上が好ましい。
一方、第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さが厚くなりすぎると、Au−Ag層の厚さが過度に厚くなり、接合強度が低下したり、あるいは、電気抵抗が増大する。従って、第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さは、それぞれ、5μm以下が好ましい。第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さは、それぞれ、好ましくは、2μm以下である。
Agペースト層の厚さは、第1Au薄膜及び第2Au薄膜の厚さ、並びに、目的とするAu−Ag層の組成に応じて、最適な厚さを選択するのが好ましい。
第1Au薄膜、Agペースト層、及び第2Au薄膜の形成方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択する。形成方法の詳細については、A層前駆体の形成方法と同様であるので、説明を省略する。
[2.3.2. Au−Agペースト層]
前駆体層がAu−Agペースト層である場合、前駆体形成工程は、
前記熱電部材の上及び/又は前記電極の上に、Au及び/又はAgを含む1種又は2種以上のペーストを塗布し、Au−Agペースト層を形成する第5工程と、
前記熱電部材と前記電極との間に前記Au−Agペースト層が来るように、前記熱電部材と前記電極とを重ね合わせ、これによって前記熱電部材と前記電極との間に前記Au−Agペースト層からなる前記前駆体層を形成する第6工程と、
を備えているものが好ましい。
ここで、「熱電部材の上にAu−Agペースト層を形成する」とは、
(A)熱電部材の表面に直接、Au−Agペースト層を形成すること、又は、
(B)熱電部材の表面にA層前駆体が形成されている時には、A層前駆体の表面にAu−Agペースト層を形成すること
をいう。
同様に、「電極の上にAu−Agペースト層を形成する」とは、
(A)電極の表面に直接、Au−Agペースト層を形成すること、又は、
(B)電極の表面にB層前駆体が形成されている時には、B層前駆体の表面にAu−Agペースト層を形成すること
をいう。
Au−Agペースト層の組成、及び、Au−Agペースト層を形成するためのペーストの組成は、それぞれ、目的とする組成を有するAu−Ag層が得られるように選択するのが好ましい。さらに、Au−Agペースト層の塗布量は、目的とする厚さを有するAu−Ag層が得られるように、最適な厚さを選択するのが好ましい。
例えば、Au−Agペースト層は、Au−Ag層と同一組成となるように配合されたAu粒子及びAg粒子を含む1種類のペーストを熱電部材及び/又は電極の上に塗布することにより形成しても良い。
あるいは、Au−Agペースト層は、Au粒子含有量及び/又はAg粒子含有量の異なる2種以上のペーストを熱電部材及び/又は電極の上に重ね塗りすることにより形成しても良い。
[2.3.3. Au−Ag金属箔]
前駆体層がAu−Ag金属箔である場合、前駆体形成工程は、
前記熱電部材と前記電極との間にAu及び/又はAgを含む1種又は2種以上の金属箔を挿入することにより、前記熱電部材と前記電極との間に前記金属箔からなる前記前駆体層を形成する第7工程を備えているものが好ましい。
金属箔の組成は、目的とする組成を有するAu−Ag層が得られるように選択するのが好ましい。また、金属箔の厚さは、目的とする厚さを有するAu−Ag層が得られるように選択するのが好ましい。
例えば、金属箔は、Au−Ag層と同一組成を有する1種類の合金箔であっても良い。
あるいは、金属箔は、Au含有量及び/又はAg含有量の異なる2種以上の金属箔の積層体であっても良い。
[2.4. 熱処理工程]
次に、前記熱電部材/前記前駆体層/前記電極からなる積層体を、不活性雰囲気下で加熱する(熱処理工程)。これにより、本発明に係る熱電素子が得られる。
熱処理条件は、前駆体層の組成に応じて最適な条件を選択するのが好ましい。一般に、熱処理温度が低すぎると、空隙率の低いAu−Ag層を実用的な熱処理時間内に形成するのが困難となる。従って、熱処理温度は、500℃以上が好ましい。
一方、熱処理温度が高くなりすぎると、熱電材料が劣化し、又は、隣接する層・部材間において元素拡散が過剰に進行し、層・部材が劣化する場合がある。従って、熱処理温度は、600℃以下が好ましい。
一般に、熱処理時間が短くなりすぎると、接合層内において元素の拡散が不十分となり、接合界面や接合層内に空隙が残留しやすくなる。従って、熱処理時間は、0.5時間以上が好ましい。熱処理時間は、好ましくは、1時間以上、さらに好ましくは、3時間以上である。
一方、熱処理時間が長くなりすぎると、熱電材料が劣化し、又は、隣接する層・部材間において元素拡散が過剰に進行し、層・部材が劣化する場合がある。従って、熱処理時間は、10時間以下が好ましい。
熱処理時の雰囲気は、部材の酸化を抑制するために、N2中又はAr中といった不活性雰囲気が好ましい。
[3. 作用]
Agペーストを用いて非加圧下で熱電部材と電極とを接合する方法は、低コストであり、量産性も高い。しかし、Agペースト層の焼成時に緻密化が不十分となりやすく、接合層にポアや空隙が生成しやすい。接合層にポアや空隙が形成されると、熱電素子が高温に曝された時に接合層、接合層近傍の熱電部材、及び/又は、接合層近傍の電極が酸化され、高抵抗化する場合がある。また、ポアや空隙を介して亀裂が進展し、機械的強度が劣化する場合がある。
これに対し、熱電部材と電極との界面に、適量のAuを含むAu−Ag層の前駆体を挿入し、適切な条件下で焼成すると、緻密なAu−Ag層が得られる。これは、Agに適量のAuを添加することによってAgの拡散性が向上し、Au-Ag層の緻密化が促進されるためと考えられる。このようにして得られたAu−Ag層は、緻密であるため、酸化に強く、かつ、機械的特性にも優れている。そのため、これを接合層に含む熱電素子は、接合層の酸化による高抵抗化や、亀裂の進展による機械的強度の劣化が起きにくい。
特に、熱電部材及び電極の表面に、それぞれ、第1Au薄膜及び第2Au薄膜を予め形成しておき、第1Au薄膜と第2Au薄膜の間にAgペースト層を挿入し、得られた積層体を不活性雰囲気下において高温焼成すると、ポアや空隙の生成が抑制され、緻密なAu−Ag層を形成することができる。しかも、この方法は低コストであり、量産性も高い。
(実施例1〜2、比較例1)
[1. 試料の作製]
[1.1. 比較例1]
以下の手順に従い、熱電部材と絶縁基板上に設けられたCu電極との接合を行った。熱電部材には、所定の組成を有するハーフホイスラー合金からなる棒状部材を用いた。
まず、熱電部材の接合側端面及びCu電極上に、それぞれ、3μm以上の膜厚のNiメッキ膜を形成した。次いで、Niメッキ膜の上に、それぞれ、0.05〜0.1μmの膜厚のAuメッキ膜を形成した。さらに、Auメッキ処理を施したCu電極上に、Agペーストを塗布した。Agペーストの塗布量は、Auメッキ膜とAgペースト層から均一な組成を持つAgリッチ層が生成したと仮定した時に、Ag−0〜15mol%Au相当の平均組成を持つAgリッチ層が得られる量とした。
Cu電極上に塗布されたAgペースト層の上に熱電部材を載せた。これを、N2雰囲気中において、550℃で30分間焼成し、熱電素子を得た。
[1.2. 実施例1]
Auメッキ膜の厚さを0.5〜1μmとし、Agペーストの塗布量を、Ag−15〜45mol%Au相当の平均組成を持つAu−Ag層が得られる量とした以外は比較例1と同様にして、熱電素子を得た。
[1.3. 実施例2]
熱処理条件を550℃×10時間とした以外は実施例1と同様にして、熱電素子を得た。
[2. 試験方法]
得られた熱電素子を大気中、500℃で10時間で保持する耐久試験を行った。耐久試験前後の接合層の断面をSEM/EDXで評価した。
[3. 結果]
[3.1. 比較例1]
図1(A)に、比較例1で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像を示す。図1(B)に、比較例1で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像を示す。
比較例1の場合、熱処理により、NiとAgリッチ層との間で元素の拡散は生じなかった。そのため、接合層は、Ni層/Agリッチ層/Ni層の3層構造となっていた。また、図1(A)に示すように、比較例1は、耐久試験前のAgリッチ層には、多数のポアが認められた。特に、Agリッチ層の中央には、大きな空隙が生じていた。これは、Agペーストに含まれていたバインダーが焼成とともになくなる際に、その隙間を埋めるだけの十分なAgの拡散が生じなかったためと考えられる。比較例1の場合、接合層の空隙率は、約40%であった。
このような接合状態で大気中、500℃×10時間の耐久試験を行った場合、図1(B)に示すように、部分的ではあるが、Agリッチ層内では、空隙の連結による亀裂の進展や、空隙内での酸化物の生成が観測された。
[3.2. 実施例1]
図2(A)に、実施例1で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像を示す。図2(B)に、実施例1で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像を示す。
図2(A)に示すように、実施例1は、比較例1と比べてNiメッキ膜の近傍にあるAu−Ag層の緻密化が進行していることが分かった。EDXによる元素分析の結果、緻密化した部分は、15〜45mol%のAuを含むAu−Ag合金であることが分かった。一方、Au−Ag層の中央部には、依然としてポア又は空隙が認められた。元素分析の結果、中央部は、Auが5mol%以下であるAgリッチ層であることが分かった。すなわち、実施例1の場合、接合層は、Ni層/Au−Ag層/Agリッチ層/Au−Ag層/Ni層の5層構造になっていることが分かった。実施例1の場合、接合層の空隙率は、約15%であった。
このような接合状態で大気中、500℃×10時間の耐久試験を行った場合、図2(B)に示すように、Au−Ag合金部が接合層全体に広がり、緻密化した。一方、中央部には亀裂が観測された。この結果より、ペーストの焼成時間を長時間にする、又は、Agペーストの塗布膜厚を薄くすることで、Au及びAgの拡散が十分に生じた結果、中央部のAgリッチ層及び亀裂を低減させることができる可能性があることが分かった。
[3.3. 実施例2]
図3(A)に、実施例2で得られた熱電素子の耐久試験前の接合層の断面のSEM像を示す。図3(B)に、実施例2で得られた熱電素子の耐久試験後の接合層の断面のSEM像を示す。
図3(A)に示すように、実施例2は、比較例1に比べて、Au−Ag層内に空隙やポアが少なく、Au−Ag層全体が緻密化していることが分かった。EDXによる元素分析の結果、緻密化した部分は、15〜45mol%のAuを含むAu−Ag合金であることが分かった。すなわち、実施例2の場合、接合層は、Ni層/Au−Ag層/Ni層の3層構造になっていることが分かった。実施例2の場合、接合層の空隙率は、約5%であった。
このような接合状態で大気中、500℃×10時間の耐久試験を行った場合、図3(B)に示すように、Au−Ag合金部は緻密かつ均一であり、電気的及び機械的に良好な電極接合が得られていることが分かった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電素子は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に使用することができる。

Claims (17)

  1. 以下の構成を備えた熱電素子。
    (1)前記熱電素子は、
    熱電材料からなる熱電部材と、
    金属材料(C)を含む電極と、
    前記熱電部材と前記電極との間に挿入された接合層と
    を備えている。
    (2)前記接合層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を含む。
  2. 前記Au−Ag層の厚さは、3μm以上50μm以下である請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記接合層の空隙率は、10%以下である請求項1又は2に記載の熱電素子。
  4. 前記接合層は、前記Au−Ag層と前記熱電部材との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(A)を含むA層をさらに備えている請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱電素子。
  5. 前記A層は、Ni又はNiを含む化合物からなる請求項4に記載の熱電素子。
  6. 前記A層の厚さは、1μm以上50μm以下である請求項4又は5に記載の熱電素子。
  7. 前記接合層は、前記Au−Ag層と前記電極との間に挿入された、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(B)を含むB層をさらに備えている請求項1から6までのいずれか1項に記載の熱電素子。
  8. 前記B層は、Ni又はNiを含む化合物からなる請求項7に記載の熱電素子。
  9. 前記B層の厚さは、1μm以上50μm以下である請求項7又は8に記載の熱電素子。
  10. 前記熱電材料は、ハーフホイスラー合金からなる請求項1から9までのいずれか1項に記載の熱電素子。
  11. 以下の構成を備えた熱電素子の製造方法。
    (1)前記熱電素子の製造方法は、
    熱電材料からなる熱電部材と金属材料(C)を含む電極との界面に、Au−Ag層の前駆体層を形成する前駆体形成工程と、
    前記熱電部材/前記前駆体層/前記電極からなる積層体を、不活性雰囲気下で加熱する熱処理工程と
    を備えている。
    (2)前記前駆体層は、15mol%以上45mol%以下のAuを含み、残部がAg及び不可避的不純物からなるAu−Ag層を形成可能な組成を持つ。
  12. 前記熱処理工程は、不活性雰囲気下において、熱処理温度:500℃以上600℃以下、熱処理時間:0.5時間以上10時間以下の条件下で前記積層体を加熱するものからなる請求項11に記載の熱電素子の製造方法。
  13. 前記前駆体形成工程の前に、前記熱電部材の表面にA層前駆体を形成するA層前駆体形成工程をさらに備え、
    前記A層前駆体は、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(A)を含むA層を形成することが可能な組成を持つ請求項11又は12に記載の熱電素子の製造方法。
  14. 前記前駆体形成工程の前に、前記電極の表面にB層前駆体を形成するB層前駆体形成工程をさらに備え、
    前記B層前駆体は、Ag以外の1種又は2種以上の金属元素(B)を含むB層を形成することが可能な組成を持つ請求項11から13までのいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
  15. 前記前駆体形成工程は、
    前記熱電部材の上に第1Au薄膜を形成する第1工程と、
    前記電極の上に第2Au薄膜を形成する第2工程と、
    前記第1Au薄膜及び/又は前記第2Au薄膜の表面にAgペーストを塗布し、Agペースト層を形成する第3工程と、
    前記第1Au薄膜と前記第2Au薄膜との間に前記Agペースト層が来るように、前記熱電部材と前記電極とを重ね合わせ、これによって前記熱電部材と前記電極との間に前記第1Au薄膜/前記Agペースト層/前記第2Au薄膜の積層体からなる前記前駆体層を形成する第4工程と
    を備えている請求項11から14までのいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
  16. 前記前駆体形成工程は、
    前記熱電部材の上及び/又は前記電極の上に、Au及び/又はAgを含む1種又は2種以上のペーストを塗布し、Au−Agペースト層を形成する第5工程と、
    前記熱電部材と前記電極との間に前記Au−Agペースト層が来るように、前記熱電部材と前記電極とを重ね合わせ、これによって前記熱電部材と前記電極との間に前記Au−Agペースト層からなる前記前駆体層を形成する第6工程と、
    を備えている請求項11から14までのいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
  17. 前記前駆体形成工程は、
    前記熱電部材と前記電極との間にAu及び/又はAgを含む1種又は2種以上の金属箔を挿入することにより、前記熱電部材と前記電極との間に前記金属箔からなる前記前駆体層を形成する第7工程を備えている請求項11から14までのいずれか1項に記載の熱電素子の製造方法。
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