JP2021135194A - 回転角度検出器及びセンサ付き軸受 - Google Patents

回転角度検出器及びセンサ付き軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2021135194A
JP2021135194A JP2020032125A JP2020032125A JP2021135194A JP 2021135194 A JP2021135194 A JP 2021135194A JP 2020032125 A JP2020032125 A JP 2020032125A JP 2020032125 A JP2020032125 A JP 2020032125A JP 2021135194 A JP2021135194 A JP 2021135194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
rotation angle
magnetic sensor
sensor
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020032125A
Other languages
English (en)
Inventor
浩志 柳野
Hiroshi Yanagino
浩志 柳野
知之 柳沢
Tomoyuki Yanagisawa
知之 柳沢
俊彦 岡村
Toshihiko Okamura
俊彦 岡村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2020032125A priority Critical patent/JP2021135194A/ja
Publication of JP2021135194A publication Critical patent/JP2021135194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出可能な回転角度検出器等を提供する。【解決手段】回転角度検出器は、第1部品と第2部品との相対的な回転に基づいて発電する発電部と、発電部が発電する電力が供給される検出部とを備え、発電部は、回転軸を中心とする円の円周方向にN極とS極とが並ぶ磁気トラックが設けられた回転部と、磁気トラックと対向する位置に配置されるコイル基板とを有し、検出部は、回転部の回転角度の原点に対応する位置に設けられる磁石と、磁石からの磁界に基づいて回転部の回転角度が原点を含む所定回転角度範囲内であるか検出する第1磁気センサと、磁気トラックからの磁界に対応する信号を出力する第2磁気センサとを有し、所定回転角度範囲は、円周方向に隣り合う1つのN極と1つのS極とを含む一対の磁極対に対応する回転角度範囲以下であって当該回転角度範囲の半分以上である。【選択図】図10

Description

本発明は、回転角度検出器及びセンサ付き軸受に関する。
軸受が設けられた回転体の回転を利用してセンサに必要な電力を発電するセンサ付き軸受が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2017−72170号公報
センサ付き軸受において、相対回転角度では特定することが困難な回転角度の原点を特定する必要がある構成への対応のため、回転体の絶対回転角度を検出することが望まれている。また絶対回転角度を検出するためのセンサ付き軸受が外部からの電力供給を必要とする場合、係る電力供給のための構成によって当該センサ付き軸受が設けられる設備の設計に影響(制約等)を与えることがある。このような設計への影響を低減するため、回転体の動作に基づいて得られる電力(自己発電した電力)で絶対回転角度を検出することが望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出可能な回転角度検出器及びセンサ付き軸受を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る回転角度検出器は、第1部品と、前記第1部品に対して回転軸を中心に相対的に回転する第2部品と、前記第1部品と前記第2部品との相対的な回転に基づいて発電する発電部と、前記発電部が発電する電力が供給される検出部とを備え、前記発電部は、前記回転軸を中心とする円の円周方向にN極とS極とが並ぶ磁気トラックが設けられた回転部と、前記磁気トラックと対向する位置に配置されるコイル基板とを有し、前記検出部は、前記回転部の回転角度の原点に対応する位置に設けられる磁石と、前記磁石からの磁界を検出する第1磁気センサと、前記磁気トラックからの磁界に対応する信号を出力する第2磁気センサとを有し、前記第1磁気センサが前記磁石からの磁界を検出している間に、前記第2磁気センサが検出する複数の電気角度のうち予め定められた電気角度を検出したときに、前記原点を検出したとする。
これによれば、磁石の位置と、第2磁気センサの出力と第1磁気センサの出力との組み合わせによって定義された原点を基準とした回転部の絶対回転角度を検出できる。また、前記第1磁気センサが前記磁石からの磁界を検出している間に、前記第2磁気センサが検出する複数の電気角度のうち予め定められた電気角度を検出したときに、前記原点を検出したとすることで、当該予め定められた電気角度でない電気角度の検出時であっても第1磁気センサが磁石からの磁界を検出していれば原点により近い回転部の回転角度であることを検出可能になり、原点を基準とした回転部の回転角度の検出精度を確保しつつ第1磁気センサの動作時間をより低減させることができる。このため、第1磁気センサの消費電力をより低減できる。従って、実施形態によれば、自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出できる。
望ましい態様として、前記第2磁気センサは、前記磁気トラックの外周縁に対応する位置が前記磁気トラックからの磁界の検出ピーク位置となるよう配置される。
これによれば、一対の磁極対分の機械角の変化に対して比例的に変化する出力を第2磁気センサから得られる。従って、第2磁気センサの出力に基づいた信号処理系における処理負荷をより低減できる。
望ましい態様として、外部と通信を行う通信部と、前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサからの出力に基づいたデータを前記通信部に送信させる制御部とを備える。
これによれば、回転部の回転角度を示す情報を含む出力を回転角度検出器の外部に提供できる。
本発明の一態様に係るセンサ付き軸受は、請求項1から3のいずれか1項に記載の回転角度検出器と、前記回転角度検出器が取り付けられる軸受とを備える。
これによれば、自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出できるセンサ付き軸受を提供できる。
本発明によれば、自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出できる。
図1は、本実施形態のセンサ付き軸受の斜視図である。 図2は、本実施形態のセンサ付き軸受の分解斜視図である。 図3は、本実施形態のセンサ付き軸受の分解斜視図である。 図4は、本実施形態のカバーとコイル基板の構成例を示す平面図である。 図5は、本実施形態の磁気トラックの構成例を示す平面図である。 図6は、本実施形態の発電部の構成例を示す平面図である。 図7は、本実施形態のセンサ付き発電ユニットにおける起電力の電圧と時間との関係を説明するための説明図である。 図8は、図6に示した平面図をXIII−XIII’線で切断した断面図である。 図9は、回転軸方向に対向するカバーと軸受及びカバーと軸受に設けられた各構成の位置関係を示す図である。 図10は、機械角と、第2磁気センサからの電気角及び第1磁気センサ412の検出波形との関係の一例を示すグラフである。 図11は、ホール効果発生角度範囲と回転部30の回転数と原点の検出タイミングとの関係の一例を示す計算値の図である。 図12は、磁極対の径方向の位置と、第2磁気センサによる磁界の検出ピークとなる位置との関係を示す図である。 図13は、図12に示す各位置の各々での検出結果に対応した電気角の1波形の軌跡の例を示すグラフである。 図14は、本実施形態のセンサ付き軸受の主要な回路構成例を示す図である。
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態のセンサ付き軸受の斜視図である。図2及び図3は、本実施形態のセンサ付き軸受の分解斜視図である。図2はセンサ付き軸受1をカバー10側から見た図であり、図3はセンサ付き軸受1を軸受120側から見た図である。図1から図3に示すように、センサ付き軸受1は、センサ付き発電ユニット100と、軸受120とを備える。軸受120の一方の側面に、センサ付き発電ユニット100が取り付けられる。図2及び図3に示すように、センサ付き発電ユニット100は、カバー10と、コイル基板20と、回転部30と、回転角度検出部41と、回路基板42と、バックカバー60とを備える。なお、バックカバー60は基板(コイル基板20、回路基板42等)の保護のために設置するもので必須ではなく、代わりにポッティング剤などで基板を保護してもよい。
カバー10は、リング状の天板12と、天板12の周囲に接続された筒状の側板11とを有する。なお、天板12及び側板11を別々にすることは必須ではなく、一体化した部材としてカバー10としてもよい。カバー10は、ケイ素鋼板、炭素鋼(JIS規格 SS400又はS45C)、マルテンサイト系ステンレス(JIS規格 SUS420)又はフェライト系ステンレス(JIS規格 SUS430)のいずれかのような磁性を有する材料で形成される。なおこの材料の選定は、コイル基板20による発電効率の向上を図るもので、必須ではない。
図3に示すように、回転角度検出部41及び回路基板42は、天板12の一方の面12Aに取り付けられている。一方の面12Aは、軸受120と対向する側の面である。例えば、回転角度検出部41は、一方の面12Aに接着されて固定される。また、図1及び図2に示すように、天板12に開けられた雌ねじ穴に、黄銅など非磁性材料のボルト19Bが締結することで、回路基板42が天板12に固定される。図1及び図2に示すように、ボルト19Bは、カバー10に取り付けられた状態で、カバー10から突出しない長さを有する。回転角度検出部41を回路基板42と同様の方法で一方の面12Aに固定してもよいし、回路基板42を回転角度検出部41と同様の方法で一方の面12Aに固定してもよいし、他の方法によって回転角度検出部41、回路基板42を一方の面12Aに固定してもよい。
図3に示すように、回転角度検出部41は、第2磁気センサ411と、第1磁気センサ412と、基板413とを有する。第2磁気センサ411及び第1磁気センサ412は、回転部30の回転角度を検出する回路である。具体的には、第2磁気センサ411は、磁気トラック31のN極31NとS極31S(図4参照)が生じさせる磁界を検出し、検出された磁界に応じた電気角(図10参照)を示す出力を行うセンサ回路である。第1磁気センサ412は、ホール効果を利用して、後述する磁石36(図4参照)が生じさせる磁界を検出するホールセンサ回路である。基板413は、第2磁気センサ411及び第1磁気センサ412等の回路ならびにこれらの回路に接続される配線等が実装された基板である。当該配線等は、リード線15及びリード線16が接続される電力線、第2磁気センサ411及び第1磁気センサ412等の回路から出力される信号を伝送する信号線を含む。当該配線等は、回転角度検出部41と回路基板42との間に設けられたリード線18を介して回路基板42に接続される。
また、カバー10には、貫通孔が開けられている。この貫通孔は、樹脂などの非磁性材料で形成された非磁性蓋17で密閉されている。後述するように、回路基板42には、アンテナ47(後述の図4参照)が実装される。カバー10は磁性を有するので、アンテナ47からの電磁波WVをシールドする作用を有する。しかし、アンテナ47は非磁性蓋17と対向する位置に配置される。このため、アンテナ47の電磁波WVは、非磁性蓋17を介して、通信部151へ到達することができる。非磁性蓋17は、外部からの異物による回路の破損を保護する目的で取り付けられている。別の手法(例えば基板表面のコーティング等)で保護できる場合や、異物の混入の可能性がない場合にはなくてもよい。
コイル基板20は、天板12の一方の面12Aに取り付けられている。例えば、天板12の中央には、貫通した開口部H12が設けられている。開口部H12の周囲には、他の部分よりも厚さが小さい段差部が設けられている。コイル基板20は、この段差部に嵌め込まれることによって、天板12に対して位置決めされている。また、天板12の一方の面12Aと、コイル基板20の表面は、面一(または、ほぼ面一)となっている。コイル基板20は、例えば接着剤を介して天板12の一方の面に固定されている。この構成をとることでカバー10の厚みを最小化することができるが、必須ではない。例えば、コイル基板20以外の基板(回路基板42等)が厚くなった場合には逆に開口部H12周囲の部材を厚くし、コイル基板20と回転部30のギャップを適切なものに調整してもよい。
図4は、本実施形態のカバーとコイル基板の構成例を示す平面図である。図4に示すように、天板12の一方の面12Aには、回転角度検出部41と回路基板42とが取り付けられている。回転角度検出部41は、回転軸Axを中心とした円周方向の角度で見た場合、一方の面12Aの内周側で円弧を描くよう設けられたコイル基板20の円弧の両端間の角度に位置する。回路基板42は、一方の面12Aを正面とした平面視で、側板11とコイル基板20との間に位置する。また、一方の面12Aには、電源部43が設けられている。電源部43は、後述する発電部50から供給された単相交流電力を直流電圧に変換して、回転角度検出部41及び回路基板42へ供給する。なお、発電部50は、コイル基板20と磁気トラック31とで構成される。
回路基板42には、センサ44と、通信回路を有する制御部45と、アンテナ47とが実装されている。電源部43からの直流電力は、センサ44及び制御部45に供給される。センサ44、制御部45及びアンテナ47は、別々のIC(Integrated Circuit)チップで構成されていてもよいし、それらの一部又は全部が1つのICチップで構成されていてもよい。また、センサ44は、例えば、加速度センサ441と、温度センサ442を有する。
図4に示すように、コイル基板20は、フレキシブル基板21と、フレキシブル基板21に設けられたコイルパターン23と、フレキシブル基板21に設けられた複数のヨーク25と、を有する。なおヨーク25はなくてもよい。フレキシブル基板21の平面視による形状は、回転軸Axを中心とする正円のリング状である。コイルパターン23は、フレキシブル基板21の厚さ方向に積層された複数の平面コイルを有する。平面コイルとは、絶縁体の所定の面上にパターニングされて設けられた導電体のパターンである。本実施形態においては、導電体のパターンが絶縁体の複数の面上に形成されている。これに限られず、導電体のパターンが絶縁体の1つの面上に形成されていてもよい。コイルパターン23の断面視による構造は、後で図8を参照しながら説明する。コイルパターン23のターン数は平面コイルの積層数に比例する。本実施形態では、センサ付き発電ユニット100の用途によって、平面コイルの積層数を変化させ発電量を調整しても良い。
図4に示すように、コイルパターン23の一端は、電源部43に接続される。電源部43と回転角度検出部41とは、リード線15を介して接続される。コイルパターン23の他端は、リード線16を介して回転角度検出部41に接続される。なお、本実施形態において、コイルパターン23と回転角度検出部41との接続は、リード線16ではなく、FPC(Flexible Printed Circuit)コネクタを介して行われてもよい。または、コイル基板20を延長して回転角度検出部41と直接接続されてもよい。FPCコネクタを使用した接続では、半田が不要となるので、センサ付き発電ユニット100の生産性をさらに高めることができる。
図4に示すように、コイルパターン23は、平面視で第1方向に延びる複数の第1導電部231と、第1方向と平面視で交差する第2方向に延びる複数の第2導電部232と、を有する。第1方向は、例えば、回転軸Axを中心とする円の円周方向である。第2方向は、例えば、回転軸Axを中心とする円の径方向である。第1導電部231と第2導電部232は、交互に直列に接続されている。
ヨーク25は、平面視で、第1導電部231の一方の側に位置する第1ヨーク25Aと、第1導電部231の他方の側に位置する第2ヨーク25Bとを有する。例えば、第1ヨーク25Aは、第1導電部231よりも回転軸Axから遠い側に位置する。第2ヨーク25Bは、第1導電部231よりも回転軸Axから近い側に位置する。但し、第1ヨーク25Aと回転軸Axとの距離と、第2ヨーク25Bと回転軸Axとの距離は、互いに同じ長さである。
例えば、コイルパターン23は、平面視で、回転軸Axを中心とする円の円周方向に沿って凹凸が交互に並ぶように延設されている。この凹凸の凹部233にヨーク25が1つずつ配置されている。
図5は、本実施形態の磁気トラックの構成例を示す平面図である。図5に示すように、磁気トラック31の平面視による形状は、回転軸Axを中心とする正円のリング状である。磁気トラック31は、N極31NとS極31Sとからなる磁極対311を複数有する。複数の磁極対311は、回転軸Axを中心とする円の円周方向に並んでいる。N極31N及びS極31Sは、交互に配置されている。本実施形態では回転軸Axと平行に着磁されている。
図2及び図3に示したように、回転部30は、磁気トラック31と、リング状の基材33と、リング状の取付け治具35と、を有する。基材33及び取付け治具35は、金属製である。磁気トラック31は、基材33の一方の面側に設けられている。取付け治具35は、基材33の他方の面側に固定されている。取付け治具35は、基材33の一方の面側から、基材33の中央に位置する貫通した開口部H33を通って、基材33の他方の面側に到達している。基材33の一方の面側はカバー10と対向する面側である。基材33の他方の面側はバックカバー60と対向する面側である。
本実施形態では、磁気トラック31と基材33とを合わせて、エンコーダマグネットという。例えば、エンコーダマグネットは、金属製の基材33の一方の面にプラスチックマグネットが形成され、形成されたプラスチックマグネットの表面にN極31NとS極31Sとが交互に着磁されることにより形成される。取付け治具35は、エンコーダマグネットを、回転軸Axを中心とした円柱状又は円筒状のシャフトに取り付けるために使用される。実施形態では、回転部30と軸受120の内輪とが当該シャフトを介して連結される。当該シャフトの回転角度の変化に対応して回転部30と軸受120の内輪の回転角度が変化する。
本実施形態では、取付け治具35の形状や内径寸法を変化させることで、センサ付き発電ユニット100を様々な軸受サイズに対応させることができる。また、磁気トラック31の磁極対311の数や、磁気トラック31のマグネット材料を変更することで、発電部50の発電量を調整することもできる。また、本実施形態では、センサ付き発電ユニット100を様々な軸受サイズに対応させるため、回転部30をエンコーダマグネットと取付け治具35と分離可能な構成としている。なお、軸受サイズが1種類に限定される場合は、エンコーダマグネットと取付け治具35とを一体成形してもよい。この場合は、センサ付き発電ユニット100の生産性が向上する。
図2、図4等で示すように、基材33は、回転軸Axを中心とした径方向について磁気トラック31の外周側に延出する。また、基材33には、磁石36が設けられている。磁石36は、第1磁気センサ412にホール効果を生じさせる磁界を発する磁石である。磁石36と回転軸Axとの距離と、第1磁気センサ412と回転軸Axとの距離とは対応する(図9参照)。磁石36は、回転部30の回転角度の原点に対応する位置に設けられる。なお、基材33を磁気トラック31と同じ外形にして、当該外径を有する基材33の外側に磁石36が設けられた環状の盤を別途設けてもよい。
図6は、本実施形態の発電部の構成例を示す平面図である。図6は、コイル基板20に磁気トラック31を重ねた状態を示している。図6に示すように、回転軸Axを中心(図4、図5参照)とする円の円周方向において、隣り合う一方のヨーク25(例えば、第1ヨーク25A)と他方のヨーク25(例えば、第2ヨーク25B)との間の中間に、第2導電部232が位置する。回転軸Axを中心とする円の円周方向において、隣り合うヨーク25の中心間のピッチ25pと、隣り合う第2導電部232の中心間のピッチ23pとは、同じピッチである。同じピッチであるとは、回転軸Axを中心とした円周方向の角度が同じであることをさす。
回転軸Axを中心とする円の円周方向において、N極31Nのピッチ31L1と、S極31Sのピッチ31L2は、互いに同じピッチである。また、N極31Nのピッチ31L1と、S極31Sのピッチ31L2は、ヨーク25の中心間のピッチ25pと同じピッチである。
図5に示すように、回転軸Axを中心とする円の円周方向において、隣り合うN極31NとS極31Sとの中心間のピッチ31pは、ヨーク25の中心間のピッチ25pと同じピッチになっている。
本実施形態では、回転軸Axを中心に、コイル基板20に対して磁気トラック31が相対的に回転すると、第1ヨーク25AがN極31Nと対向するときは、第2ヨーク25BはS極31Sと対向する。また、第1ヨーク25AがS極31Sと対向するときは、第2ヨーク25BはN極31Nと対向する。第1ヨーク25A及び第2ヨーク25Bは、磁気トラック31の同一磁極と対向することはない。これにより、第1ヨーク25Aを通る磁束密度の変化の位相と、第2ヨーク25Bを通る磁束密度の変化の位相は、180°ずれた状態となる。
上述したように、第1ヨーク25Aは、第1導電部231よりも回転軸Axから遠い側に位置する。第2ヨーク25Bは、第1導電部231よりも回転軸Axに近い側に位置する。このため、第1ヨーク25Aを通る磁束密度の変化によってコイルパターン23に生じる誘導電流と、第2ヨーク25Bを通る磁束密度の変化によってコイルパターン23に生じる誘導電流は、同じ方向に流れる。
図7は、本実施形態のセンサ付き発電ユニットにおける起電力の電圧と時間との関係を説明するための説明図である。図7の横軸は時間Tであり、縦軸は起電力の電圧Viである。コイル基板20が固定され、磁気トラック31が相対的に回転すると、ヨーク25と対向する磁極が交互に替わる。これにより、ヨーク25を通る磁束密度が周期的に変化する。この磁束密度の周期的な変化に応じて、ヨーク25の周りに位置するコイルパターン23に電圧変化(例えば、正弦波の交流電圧)が発生する。
図8は、図6に示した平面図をXIII−XIII’線で切断した断面図である。図8に示すように、コイルパターン23は、厚さ方向に積層された複数の平面コイル23Aから23Fを有する。例えば、コイル基板20は、厚さ方向に積層された6層のフレキシブル基板21Aから21Fと、厚さ方向に積層された6層の平面コイル23Aから23Fと、を有する。平面コイル23Aから23Fにおいて、厚さ方向で隣り合う平面コイル間にはフレキシブル基板21が配置されている。また、フレキシブル基板21Bから21Fには貫通穴H21が設けられている。貫通穴H21に、ヨーク25が埋め込まれている。
また、フレキシブル基板21F上には絶縁性の保護膜27が設けられている。コイルパターン23のうち、最上層に位置する平面コイル23Fは保護膜27で覆われている。また、ヨーク25の上面は保護膜27から露出している。なお、図8では、ヨーク25の上面が保護膜27と面一となっている状態を示しているが、本実施形態では、ヨーク25は保護膜27から突き出ていてもよい。
平面コイル23Aから23Fの平面視による形状は、互いに同一である。例えば、図6に示したように、平面コイル23Aから23Fは、それぞれ複数の第1導電部231と複数の第2導電部232とを有する。また、平面コイル23Aから23Fは、例えば、コイルパターン23の延設方向の両端部において、互いに接続されている。つまり、平面コイル23Aから23Fは、互いに並列に接続されている。
図9は、回転軸Ax方向に対向するカバー10と軸受120及びカバー10と軸受120に設けられた各構成の位置関係を示す図である。一方の面12Aに設けられたコイル基板20と、軸受120に設けられた回転部30とは、非接触の状態で回転軸Ax方向に対向する。磁石36と第1磁気センサ412とは非接触の位置関係で回転軸Ax方向に対向する。第2磁気センサ411と磁気トラック31とは、少なくとも一部分が非接触の位置関係で回転軸Ax方向に対向する。
また、図9に示すように、実施形態の磁気トラック31、基材33及び回転角度検出部41が配置される範囲は、軸受120の幅120D内に収まる。幅120Dは、軸受120の内輪の内周縁と外輪の外周縁との間の回転軸Axを中心とした径方向の幅である。
実施形態では、軸受120が取り付けられた軸が回転軸Axを中心として回転すると、回転部30が連動して回転する。一方、カバー10は固定されて。これによって、コイル基板20と磁気トラック31とが回転軸Axを中心として相対的に回転し、電磁誘導によってコイル基板20に起電力が生じることで発電が行われる。また、これによって、磁気トラック31と第2磁気センサ411とが回転軸Axを中心として相対的に回転し、第2磁気センサ411が出力する電気角の信号が磁気トラック31と第2磁気センサ411との相対回転角度に対応した信号になる。また、これによって、磁石36と第1磁気センサ412とが相対的に回転し、磁石36の磁界が第1磁気センサ412の検出範囲内にある場合に当該磁界が第1磁気センサ412によって検出される。
図10は、機械角と、第2磁気センサ411からの電気角及び第1磁気センサ412の検出波形との関係の一例を示すグラフである。機械角は、回転部30の回転角度をさす。第2磁気センサ411からの出力が示す電気角(0〜360[deg])が一巡する1波形は、円周方向に隣り合う1つのN極31Nと1つのS極31Sとで構成される1対の磁極対311からの磁界に対応して生じる。すなわち、機械角が1対の磁極対311分だけ変化する場合、当該1波形の範囲Wで電気角に変化が生じる。機械角が1つの磁極対311に対応する回転角度だけ変化する前後で、電気角はリセット(0[deg])を挟んで同じ電気角になる。機械角が0[°]から360[°]に変化する回転部30の1回転の間に、第2磁気センサ411からの出力は、電気角(0〜360[deg])が一巡する1波形を磁極対311の数だけ繰り返すように変化する。
また、磁石36の磁界が第1磁気センサ412の検出範囲内になる機械角となった場合に当該磁界が第1磁気センサ412によって検出される。図10では、第1磁気センサ412が磁石36の磁界を検出した場合にハイ(H)になり、そうでない場合にロウ(L)になる検出波形を示している。ここで、第1磁気センサ412の検出信号がハイ(H)になる機械角のホール効果発生角度範囲HPを、1対の磁極対311分に対応する電気角の1波形の範囲W内に収めることで、第2磁気センサ411から出力される電気角と第1磁気センサ412の検出波形との組み合わせで機械角の原点を定義することができる。例えば、機械角HP1を原点とした場合、第1磁気センサ412からの検出波形がハイ(H)であり、かつ、第2磁気センサ411が示す電気角の出力が出力W1である出力が回転角度検出部41から得られた場合に機械角が原点であると判定できる。また、機械角HP2を原点とした場合、第1磁気センサ412からの検出波形がハイ(H)であり、かつ、第2磁気センサ411が示す電気角の出力が出力W2である出力が回転角度検出部41から得られた場合に機械角が原点であると判定できる。原点とすることができる機械角は第1機械角HP1、第2機械角HP2に限られず、ホール効果発生角度範囲HPの範囲内で任意に設定可能である。すなわち、原点とする機械角に対応する電気角と第1磁気センサ412の検出信号がハイ(H)になることとの組み合わせによって、原点を定義可能である。なお、第1磁気センサ412の検出時、すなわち、磁石36の磁界が第1磁気センサ412の検出範囲内になる機械角となった場合の応答としての検出はロウ(L)にしてもよい。耐ノイズ性を考慮すると、係る検出ロジックはロウ(L)にするのが望ましい。
また、第2磁気センサ411から出力される電気角と第1磁気センサ412の検出波形との組み合わせによって、上述のように定義された原点が一度検出されれば、その後は第2磁気センサ411から出力される電気角に基づいて機械角を検出可能になる。具体的には、原点検出後の電気角の増減によって機械角が0[°]から360[°]に向かって回転する正回転方向であるかその逆回転方向であるかを判定可能である。また、原点検出後の電気角の増減の度合いによって機械角の変化の度合いを検出可能である。また、原点検出後に生じた機械角の変化に応じて電気角のリセット(0[deg])回数をカウントすることで、一対の磁極対311が設けられる角度範囲とカウントされたリセット回数とに基づいて、機械角の変化を積算的に追跡して検出可能になる。実施形態では、一対の磁極対311が設けられる角度範囲は、図5に示すピッチ31pを2倍した角度範囲である。
なお、実施形態では、第2磁気センサ411からの電気角の出力はアナログ的に連続的に行われるが、当該電気角を示すデジタル信号を得るようにしてもよい。その場合、当該デジタル信号の出力頻度は、想定される回転部30の1分間あたりの回転数(rpm)に応じて設定されることが望ましい。例えば、時間的に連続する2回のデジタル信号出力タイミングの間に複数対の磁極対311が第2磁気センサ411を通過するほどの機械角の変化が生じた場合、一対の磁極対311が設けられる角度範囲とカウントされたリセット回数とに基づいた機械角の検出に誤差が生じる。そこで、回転部30の1分間あたりの回転数(rpm)を考慮して、時間的に連続する2回の電気角の出力タイミングの間に複数対の磁極対311が第2磁気センサ411を通過することが原則として生じない程度に当該デジタル信号の出力頻度を決定することで、係る誤差の発生を抑制できる。なお、万が一誤差が生じたとしても、再度の原点の検出タイミングを迎えることで誤差を訂正できる。
第1磁気センサ412の検出信号がハイ(H)になる機械角のホール効果発生角度範囲HPは、1対の磁極対311分に対応する電気角の1波形の範囲W(360[deg]範囲)内でより大きい角度範囲であることが望ましい。具体的には、例えば、ホール効果発生角度範囲HPを、範囲Wの半分(180[deg]範囲)以上にすることが望ましい。ホール効果発生角度範囲HPをより大きい角度範囲とすることで、原点の検出と、第1磁気センサ412の動作時間、動作周期をより低くすることによる消費電力の低減とを両立しやすくなる。
第1磁気センサ412は、理想的には、磁石36の磁界が第1磁気センサ412の検出範囲内である期間に動作していれば足り、磁石36の磁界が第1磁気センサ412の検出範囲外である期間には必ずしも動作している必要がない。なぜなら、一度原点が検出されれば、それ以降の期間については、上述の通り、原点検出後の電気角の増減及び一対の磁極対311が設けられる角度範囲とカウントされたリセット回数との乗算に基づいて機械角を追跡して検出可能だからである。従って、センサ付き軸受1の動作中に第1磁気センサ412が常時動作し続けることは、継続的な機械角の検出条件ではない。一方、発電部50(図14参照)の動作開始による回転角度検出部41への電力供給開始後、原点の検出が1回以上行われる必要がある。そこで、実施形態では、発電部50の動作開始による回転角度検出部41への電力供給開始後からより早いタイミングでの原点の検出と、第1磁気センサ412の動作頻度及び動作期間とのバランスを取るための設定を行っている。
図11は、ホール効果発生角度範囲HPと回転部30の回転数と原点の検出タイミングとの関係の一例を示す計算値の図である。図11に示すグラフG1,G2は、第1磁気センサ412の検出信号がハイ(H)になるホール効果発生角度範囲HPと第2磁気センサ411からの電気角との組み合わせによって機械角の原点が検出されたある時点を開始時点として、その後の4秒(4000[ms])間に原点が再検出されるタイミングをホール効果発生角度範囲HPの角度範囲別に示したものである。グラフG1は、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が2.5[°]である場合のグラフである。グラフG2は、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]である場合のグラフである。また、グラフG1,G2の各々は、回転部30の1分間あたりの回転数(rpm)が異なる3つの条件(S:Setting)を含んでいる。条件S1は、回転部30の回転数が500[rpm]である。条件S2は、回転部30の回転数が1000[rpm]である。条件S3は、回転部30の回転数が1500[rpm]である。
例えば、6.05ミリ秒(ms)毎に第1磁気センサ412のオン/オフが切り替わるように第1磁気センサ412の動作が制御された場合、図11に示すグラフG1,G2のような検出タイミングで計算上原点が検出される。
具体的には、グラフG1に示すように、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が2.5[°]であって回転部30の回転数が500[rpm]である場合、開始時点後に原点が検出されるまでに3000[ms]経過した。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が2.5[°]であって回転部30の回転数が1000[rpm]である場合、開始時点後に原点が再検出されるまでに1550[ms]経過した。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が2.5[°]であって回転部30の回転数が1500[rpm]である場合、開始時点後に原点が再検出されるまでに1240[ms]経過した。
一方、グラフG2に示すように、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]であって回転部30の回転数が500[rpm]である場合、開始時点後に原点が再検出されるまでに121[ms]経過した。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]であって回転部30の回転数が1000[rpm]である場合、開始時点後に原点が再検出されるまでに60.5[ms]経過した。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]であって回転部30の回転数が1500[rpm]である場合、開始時点後に原点が再検出されるまでに520[ms]経過した。
また、開始時点後の4秒(4000[ms])間における原点の再検出頻度についても、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が2.5[°]である場合よりもホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]である場合の方が高かった。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲が5[°]である場合、開始時点後の4秒(4000[ms])間において連続する2回の原点の再検出タイミング同士の経過時間がより短かった。このように、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲がより大きくすることで、第1磁気センサ412が常時オンであり続けなくても、原点の検出頻度をより高めることができる。原点の検出頻度がより高いということは、発電部50の動作開始による回転角度検出部41への電力供給開始後に最初に原点が検出されるタイミングの到来もより早まりやすいということを示す。従って、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲がより大きくすることで、原点の検出による機械角のより正確な検出の開始タイミングをより早められる。
なお、図11を参照した説明では、6.05ミリ秒(ms)毎に第1磁気センサ412のオン/オフが切り替わる場合を例示しているが、第1磁気センサ412の動作制御はこれに限られるものでない。また、ホール効果発生角度範囲HPの角度範囲は2.5[°]又は5[°]に限られるものでない。第1磁気センサ412の動作制御及びホール効果発生角度範囲HPの角度範囲は、想定される回転部30の回転速度と、要求される原点の検出頻度及び発電部50の動作開始による回転角度検出部41への電力供給開始後に最初に原点が検出されるまでの時間とに基づいて適宜決定される。なお、第1磁気センサ412の動作のオン/オフ周期等の動作ルーチンは、例えば第1磁気センサ412又は基板413に設けられた図示しないタイマー回路によって設定されてもよいし、後述する制御回路451(図14参照)が第1磁気センサ412の動作を制御する構成としてもよい。
図12は、磁極対311の径方向の位置と、第2磁気センサ411による磁界の検出ピークとなる位置P1位置P2,P3,P4,P5,P6との関係を示す図である。第2磁気センサ411は、磁気トラック31の外周縁に対応する位置(例えば、位置P1)が磁気トラック31からの磁界の検出ピーク位置となるよう配置されることが望ましい。具体的には、例えば図12に示す位置P1のように、磁気トラック31の外周縁と当接する線OPを中心とする位置が第2磁気センサ411による磁界の検出ピークとなるよう第2磁気センサ411が配置されることが望ましい。
図13は、図12に示す各位置P1位置P2,P3,P4,P5,P6の各々での検出結果に対応した電気角の1波形の軌跡の例を示すグラフである。線L1は、位置P1での検出結果に対応した電気角である。線L2は、位置P2での検出結果に対応した電気角である。線L3は、位置P3での検出結果に対応した電気角である。線L4は、位置P4での検出結果に対応した電気角である。線L5は、位置P5での検出結果に対応した電気角である。線L6は、位置P6での検出結果に対応した電気角である。
図12に示す位置P1が第2磁気センサ411による磁界の検出ピークである場合、例えば図13の線L1に示すように、機械角の変化に応じた電気角の変化が比例的な直線状の変化になる。一方、図12に示す位置P2位置P3,P4,P5,P6のように、位置P1以外の位置が第2磁気センサ411による磁界の検出ピークである場合、例えば図13の線L2,L3,L4,L5,L6に示すように、機械角の変化に応じた電気角の変化が比例的にならず、波動的変化になる。また、線L1を基準とした線L2,L3,L4,L5,L6の各々の波動の大きさの差異が示すように、第2磁気センサ411による磁界の検出ピーク位置が線OPに対して磁気トラック31の径方向の中間CPに近づくほど、機械角の変化に応じた電気角の変化が直線的な変化から乖離する度合いが大きくなる。
なお、第2磁気センサ411による磁界の検出ピーク位置は、位置P1に限られるものでない。第2磁気センサ411による磁界の検出ピーク位置が位置P1以外の位置(例えば、位置P2,P3,P4,P5,P6)であっても、線L2,L3,L4,L5,L6を線L1に補正するための補正データを利用することで、電気角に基づいた機械角の検出精度を第2磁気センサ411による磁界の検出ピーク位置が位置P1である場合と遜色ないものにできる。その場合、当該補正データは、機械角の変化と電気角の変化との対応関係を事前に計測する等の方法によって作成される。また、当該補正データの保持及び当該補正データを利用した電気角の補正は、例えば後述する制御回路451が行う。言い換えれば、第2磁気センサ411による磁界の検出ピーク位置を位置P1にすることで、当該補正データ及び当該補正データを利用した電気角の補正を不要にできる。
図14は、本実施形態のセンサ付き軸受の主要な回路構成例を示す図である。図14に示すように、センサ付き軸受1は、発電部50と、電源部43と、センサ44と、制御部45と、アンテナ47と、を含む。発電部50は、コイル基板20(図4参照)と磁気トラック31(図5参照)とで構成される。また、電源部43は、整流回路431と、平滑回路432と、蓄電回路433と、充放電可能な蓄電部434と、定電圧出力回路436と、を有する。
発電部50は、単相交流電力を発電して電源部43の整流回路431に出力する。整流回路431は、発電部50で発電された単相交流電力を全波整流して直流電力へと変換し、直流電力を平滑回路432に出力する。整流回路431としてダイオードブリッジが例示されるが、本実施形態はこれに限定されない。平滑回路432は、整流回路431から出力された直流電力を平滑化して、直流電力から交流成分を低減する。そして、平滑回路432は、交流成分が低減された直流電力を蓄電回路433に出力する。蓄電回路433は、平滑回路432から出力された直流電力によって蓄電部434を充電する。定電圧出力回路436は、蓄電部434から出力される直流電力を一定電圧に調整して、回転角度検出部41、センサ44及び制御部45に出力する。
回転角度検出部41に設けられた第2磁気センサ411及び第1磁気センサ412は、上述の通り、機械角に応じた出力を生じさせ。回路基板42に設けられたセンサ44は、供給される直流電力を使用して、各種の物理量又は化学量を検出する。例えば、センサ44は、軸受120(図2、図3参照)の振動を検出する加速度センサ441と、軸受120の周囲温度を検出する温度センサ442とを有する。
図示しないが、センサ44は、軸受120の周囲湿度を検出する湿度センサ、軸受120の潤滑油の酸化劣化に伴って生じるガス状の炭化水素、硫化水素、アンモニア等を検出するガスセンサ、軸受120において生じる摩擦音を検出する超音波センサ等を有してもよい。
制御部45は、回転角度検出部41及びセンサ44によって検出されたデータを記憶したり、アンテナ47を介して外部に送信したりする。例えば、制御部45は、制御回路451と、記憶回路452と、通信回路453と、を有する。制御回路451は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。記憶回路452は、不揮発性メモリを有する。不揮発性メモリとして、NAND型又はNOR型のフラッシュメモリが例示される。通信回路453は、制御回路451を構成するCPUに含まれている。または、通信回路453は、CPUとは別のICチップで構成されていてもよい。
制御回路451は、記憶回路452と通信回路453とを制御する。例えば、制御回路451は、センサ44によって検出された各種データをアナログデータからデジタルデータに変換する(すなわち、A/D変換する)。また、制御回路451は、A/D変換されたデジタルデータを記憶回路452に書き込む。なお、また、上述の補正データが利用される場合、制御回路451は、補正データに基づいて、A/D変換された電気角を補正する。制御回路451は、A/D変換されたデジタルデータをキャッシュメモリに一時的に記憶し、一時的に記憶したデジタルデータを任意のタイミングで読み出して記憶回路452に書き込んでもよい。また、制御回路451は、記憶回路452からデジタルデータを読み出して、通信回路453に出力する。コイル基板20、回転角度検出部41、回路基板42の機能は任意に基板をまとめてもよい。
通信回路453は、制御回路451の制御下で、記憶回路452から読み出されたデジタルデータをアンテナ47を介して外部に送信する。例えば、図1に示したように、通信回路453は、電磁波WVの無線通信により、デジタルデータを外部に送信する。送信されたデジタルデータは、上位装置150の通信部151で受信される。通信部151で受信したデジタルデータは、コンピュータ152で処理される。このように、センサ付き軸受1は、デジタルデータを無線で送信することができるので、小型化が可能になる。なお、本実施形態において、通信回路453によるデジタルデータの外部への送信は、無線ではなく、有線であってもよい。
以上、実施形態によれば、回転角度検出器として機能するセンサ付き発電ユニット100は、第1部品(例えば、カバー10)と、第1部品に対して回転軸を中心に相対的に回転する第2部品(例えば、回転部30)と、第1部品と第2部品との相対的な回転に基づいて発電する発電部50と、発電部50が発電する電力が供給される検出部(例えば、回転角度検出部41)とを備える。発電部50は、回転軸Axを中心とする円の円周方向にN極31NとS極31Sとが並ぶ磁気トラック31が設けられた回転部30と、磁気トラック31と対向する位置に配置されるコイル基板20とを有する。検出部は、回転部30の回転角度の原点に対応する位置に設けられる磁石(例えば、磁石36)と、当該磁石からの磁界を検出する第1磁気センサ412と、磁気トラック31からの磁界に対応する信号を出力する第2磁気センサ411とを有する。第1磁気センサ412が磁石36からの磁界を検出している間に、第2磁気センサ411が検出する複数の電気角度のうち予め定められた電気角度(例えば出力W1,W2に対応する電気角[deg])を検出したときに、原点を検出したとする。
これによって、磁石(例えば、磁石36)の位置と、第2磁気センサ411の出力と第1磁気センサ412の出力との組み合わせによって定義された原点を基準とした回転部30の絶対回転角度を検出できる。また、第1磁気センサ412が磁石36からの磁界を検出している間に、第2磁気センサ411が検出する複数の電気角度のうち予め定められた電気角度を検出したときに、原点を検出したとすることで、当該予め定められた電気角度でない電気角度の検出時であっても第1磁気センサ412が磁石からの磁界を検出していれば原点により近い回転部の回転角度であることを検出可能になる。このため、原点を基準とした回転部30の回転角度の検出精度を確保しつつ第1磁気センサ412の動作時間をより低減させることができ、第1磁気センサ412の消費電力をより低減できる。従って、実施形態によれば、より低い消費電力で回転体の絶対回転角度を検出できる。
また、第2磁気センサ411が磁気トラック31の外周縁に対応する位置(例えば、位置P1)が磁気トラック31からの磁界の検出ピーク位置となるよう配置されることで、電気角を補正することなく一対の磁極対311分の機械角の変化に対して比例的に変化する出力を第2磁気センサ411から得られる。従って、センサ付き軸受1が備える信号処理系(例えば、図14参照)における処理負荷をより低減できる。
また、外部と通信を行う通信部(例えば、通信回路453及びアンテナ47)と、第2磁気センサ411及び第1磁気センサ412からの出力に基づいたデータを通信部に送信させる制御部(例えば、制御回路451)とを備えることで、軸受120の回転角度を示す情報を含む各種センサの出力をセンサ付き軸受1の外部(例えば、上位装置150)に提供できる。
さらに、原点を含む所定回転角度範囲(例えば、ホール効果発生角度範囲HP)を円周方向に隣り合う1つのN極31Nと1つのS極31Sとを含む一対の磁極対311に対応する回転角度範囲(例えば、範囲W)以下であって回転角度範囲内でできるだけ大きく設定することで、精度確保の観点で原点を検出する頻度を確保しつつ第1磁気センサ412の動作時間をより低減させることができ、第1磁気センサ412の消費電力をより低減できる。従って、実施形態によれば、自己発電した電力で回転体の絶対回転角度を検出できる。
1 センサ付き軸受
10 カバー(第1部品の一例)
20 コイル基板
21、21A、21B、21C、21D、21E、21F フレキシブル基板
23 コイルパターン
23A、23B、23C、23D、23E、23F 平面コイル
25 ヨーク
25A 第1ヨーク
25B 第2ヨーク
30 回転部(第2部品の一例)
31 磁気トラック
31N N極
31S S極
33 基材
35 取付け治具
41 回転角度検出部
42 回路基板
43 電源部
44 センサ
45 制御部
47 アンテナ
50 発電部
100 センサ付き発電ユニット
120 軸受
121 外輪
122 内輪
123 転動体
150 上位装置
151 通信部
152 コンピュータ
411 第2磁気センサ
412 第1磁気センサ
413 基板
441 加速度センサ
442 温度センサ
451 制御回路
452 記憶回路
453 通信回路
Ax 回転軸

Claims (5)

  1. 第1部品と、
    前記第1部品に対して回転軸を中心に相対的に回転する第2部品と、
    前記第1部品と前記第2部品との相対的な回転に基づいて発電する発電部と、
    前記発電部が発電する電力が供給される検出部とを備え、
    前記発電部は、
    前記回転軸を中心とする円の円周方向にN極とS極とが並ぶ磁気トラックが設けられた回転部と、
    前記磁気トラックと対向する位置に配置されるコイル基板とを有し、
    前記検出部は、
    前記回転部の回転角度の原点に対応する位置に設けられる磁石と、
    前記磁石からの磁界を検出する第1磁気センサと、
    前記磁気トラックからの磁界に対応する信号を出力する第2磁気センサとを有し、
    前記第1磁気センサが前記磁石からの磁界を検出している間に、前記第2磁気センサが検出する複数の電気角度のうち予め定められた電気角度を検出したときに、前記原点を検出したとする
    回転角度検出器。
  2. 前記第1磁気センサが前記磁石の磁界を検出する前記回転部の回転角度範囲は、1つの前記N極と1つの前記S極による1つの磁極対に対応する回転角度範囲以下である
    請求項1に記載の回転角度検出器。
  3. 前記第2磁気センサは、前記磁気トラックの外周縁に対応する位置が前記磁気トラックからの磁界の検出ピーク位置となるよう配置される
    請求項1又は2に記載の回転角度検出器。
  4. 外部と通信を行う通信部と、
    前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサからの出力に基づいたデータを前記通信部に送信させる制御部とを備える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の回転角度検出器。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出器と、
    前記回転角度検出器が取り付けられる軸受とを備えるセンサ付き軸受。
JP2020032125A 2020-02-27 2020-02-27 回転角度検出器及びセンサ付き軸受 Pending JP2021135194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020032125A JP2021135194A (ja) 2020-02-27 2020-02-27 回転角度検出器及びセンサ付き軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020032125A JP2021135194A (ja) 2020-02-27 2020-02-27 回転角度検出器及びセンサ付き軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021135194A true JP2021135194A (ja) 2021-09-13

Family

ID=77660981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020032125A Pending JP2021135194A (ja) 2020-02-27 2020-02-27 回転角度検出器及びセンサ付き軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021135194A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023029101A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機
JP2023029096A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機
JP2023029099A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6197515A (ja) * 1984-10-19 1986-05-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録式ロ−タリエンコ−ダ
JPS6311815A (ja) * 1986-07-03 1988-01-19 Alps Electric Co Ltd 磁気式ロ−タリエンコ−ダ
JP2003146196A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Nsk Ltd 車輪用回転速度検出装置
JP2007198847A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Ntn Corp 回転センサ付き転がり軸受
JP2015129700A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 アルプス電気株式会社 磁界回転検知センサ及び磁気エンコーダ
JP2017072170A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 日本精工株式会社 ワイヤレスセンサ付き軸受
JP2019180183A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 日本精工株式会社 センサ付き発電ユニットおよびセンサ付き軸受

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6197515A (ja) * 1984-10-19 1986-05-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録式ロ−タリエンコ−ダ
JPS6311815A (ja) * 1986-07-03 1988-01-19 Alps Electric Co Ltd 磁気式ロ−タリエンコ−ダ
JP2003146196A (ja) * 2001-11-12 2003-05-21 Nsk Ltd 車輪用回転速度検出装置
JP2007198847A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Ntn Corp 回転センサ付き転がり軸受
JP2015129700A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 アルプス電気株式会社 磁界回転検知センサ及び磁気エンコーダ
JP2017072170A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 日本精工株式会社 ワイヤレスセンサ付き軸受
JP2019180183A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 日本精工株式会社 センサ付き発電ユニットおよびセンサ付き軸受

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023029101A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機
JP2023029096A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機
JP2023029099A (ja) * 2021-08-20 2023-03-03 株式会社ニューギン 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2021135194A (ja) 回転角度検出器及びセンサ付き軸受
US7719264B2 (en) Rotary transducer and method for operating a rotary transducer
US8664943B2 (en) Position detecting apparatus
US8278911B2 (en) Inductive angle-of-rotation sensor and method for operating an inductive angle-of-rotation sensor
US8564283B2 (en) Rotation-angle-detecting apparatus, rotating machine and rotation-angle-detecting method
EP1203960B2 (en) Rolling bearing device and ring with sensor for the rolling bearing device
KR102444994B1 (ko) 회전 각 센서, 회전 각 센서용 고정자 요소 및 회전자 요소
US8390277B2 (en) Rotational angle detector
JP7155583B2 (ja) センサ付き発電ユニットおよびセンサ付き軸受
CN101790673A (zh) 用于自轴承电机的位置反馈
JP2012112707A (ja) ロータリエンコーダ
EP3421830B1 (en) Bearing with wireless sensor
US20100114524A1 (en) Rotation angle detection apparatus
US20140055010A1 (en) Power generator integrated with bearing
JP7056503B2 (ja) 回転検出装置
CN107110666B (zh) 旋转角度检测装置
JP2017072170A (ja) ワイヤレスセンサ付き軸受
US7710110B2 (en) Rotary sensor with rotary sensing element and rotatable hollow magnet
JP2018189426A (ja) エンコーダ装置、駆動装置、ステージ装置、及びロボット装置
JP2003097582A (ja) センサ付軸受装置
US20020043115A1 (en) Rotation sensor
JP7155846B2 (ja) 回転装置
JP2018132432A (ja) エンコーダ装置、駆動装置、ステージ装置、及びロボット装置
CN102252602B (zh) 旋转角传感器
JP7415624B2 (ja) 発電デバイスおよびセンサ付き軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231024

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240222