JP2021132883A - 衣類 - Google Patents

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謙一 日高
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義哲 権
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雄一郎 表
修広 黒田
Nagahiro Kuroda
修広 黒田
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秀樹 河端
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Abstract

【課題】繰り返し使用しても電極が生地から剥離し難い生体情報計測用衣類を提供する。【解決手段】生地と、上記生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類であって、上記電極が形成されている上記生地の肌側面には、結束紡績糸が存在しているものである。上記の通り、生地の肌側面に結束紡績糸が存在することにより、衣類を繰り返し使用しても電極が生地の肌側面から剥離し難くなる。生地100質量%中、結束紡績糸を10質量%以上含むことが好ましい。これにより、電極が生地の肌側面から剥離し難くなる。【選択図】図1

Description

本発明は、生地と、生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類に関する。詳細には、着用者の生体情報を検出するための生体情報測定用の電極が形成されている衣類に関する。
近年、ヘルスモニタリング分野や医療分野、療育分野、リハビリテーション分野において、ウェアラブル生体情報計測用衣類が注目されている。ウェアラブル生体情報計測用衣類とは、生体情報計測装置が衣類に設けられており、これを着用することによって生体情報を簡便に計測できるものである。
これまでに種々のウェアラブル生体情報計測用衣類が知られており、例えば本発明者らは特許文献1において、生体情報を安定的に計測できる測定位置を特定し、密着性の高いフレキシブル電極を取り付けたセンシングウェアを開示している。
特開2017−29692号公報
近年では、使用した生体情報計測用衣類を洗濯等して繰り返し使用したいという要望が高まってきているが、繰り返しの使用により電極が生地から剥離してしまう可能性があった。これまでに繰り返しの使用に対する電極の耐剥離性については十分に検討されていない。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、繰り返し使用しても電極が生地から剥離し難い生体情報計測用衣類を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る衣類は、以下の通りである。
[1]生地と、上記生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類であって、
上記電極が形成されている上記生地の肌側面には、結束紡績糸が存在していることを特徴とする衣類。
従来、衣類にはリング紡績糸が広く用いられていた。リング紡績糸とは、紡績機に設けられ高速回転する輪(リング)状部分を粗糸が通過して、機械的に均一の撚りをかけて糸にしたものである。本発明者らが検討した結果、リング紡績糸で形成した衣類の肌側面に電極を設けて製造した生体情報計測用衣類では、繰り返しの使用により電極が生地から剥離し易いことが分かった。更に本発明者らが検討した結果、繊維束中の単繊維の一端(先端)が繊維束の内部に巻き込まれ、その上に他の繊維の他端(後端)が外面に巻き付くようにして形成された結束紡績糸を生地の肌側面に存在するようにして用いれば、繰り返しの使用によっても上記肌側面に設けられた電極は生地から剥離し難くなることが分かった。即ち、本発明によれば、繰り返し使用しても電極が生地から剥離し難い生体情報計測用衣類を提供することができる。
本発明の衣類は、好ましくは以下の構成を含む。
[2]上記生地100質量%中、上記結束紡績糸を10質量%以上含むものである[1]に記載の衣類。
[3]上記結束紡績糸の英式番手は、5以上、100以下である[1]または[2]に記載の衣類。
[4]上記結束紡績糸10m当たりの1mm以上の毛羽数は、500(個/10m)以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の衣類。
[5]上記結束紡績糸は、天然繊維、合成繊維、再生繊維、及び半合成繊維のうち少なくとも一種の繊維を含むものである[1]〜[4]のいずれかに記載の衣類。
[6]上記電極は、上記生地の肌側面に形成されている絶縁層と、上記絶縁層の上に形成されている導電層とを備えるものである[1]〜[5]のいずれかに記載の衣類。
[7]上記導電層は、導電フィラーと樹脂を含むものである[6]に記載の衣類。
[8]上記電極は、導電性組織で構成されており、
上記導電性組織は、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上60%以下である[1]〜[5]のいずれかに記載の衣類。
[9]上記生地のJIS L 1076(2012) 7.1 A法により測定されるピリング性は3.0級以上である[1]〜[8]のいずれかに記載の衣類。
[10]上記衣類は、胸部、手部、脚部、足部、頸部、及び顔部のうち少なくとも一部を覆うものである[1]〜[9]のいずれかに記載の衣類。
本発明によれば上記構成により、繰り返し使用しても電極が生地から剥離し難い生体情報計測用衣類を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る衣類に用いられる結束紡績糸の拡大写真である。 図2は、図1の結束紡績糸の外側部分に結束紡績糸の軸方向に平行な黒線を付し、図1の結束紡績糸の内側部分に結束紡績糸の軸方向に平行な白線を付したものである。
本発明の衣類は、生地と、上記生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類であって、上記電極が形成されている上記生地の肌側面には、結束紡績糸が存在しているものである。上記の通り、生地の肌側面に結束紡績糸が存在することにより、衣類を繰り返し使用しても電極が生地の肌側面から剥離し難くなる。以下では各構成について詳述する。
衣類は、生地と、生地の肌側面側に形成されている電極とを備えるものである。電極の電極面が着用者の肌に直接接触することによって、身体からの電気信号を測定でき、生体情報を計測できる。生体情報としては、電極で取得した電気信号を電子ユニットで演算、処理することによって、例えば、心電、心拍数、脈拍数、呼吸数、血圧、体温、筋電、発汗などの身体の情報が得られる。
電極としては、心電図を測定できる電極が好ましい。心電図とは、心臓の動きによる電気的な変化を、生体表面の電極を介して検出し、波形として記録された情報である。心電図は、一般的には、横軸に時間、縦軸に電位差をプロットした波形として記録される。心拍1回ごとに心電図に現れる波形は、P波、Q波、R波、S波、T波の代表的な5つの波により主に構成され、この他にU波が存在する。また、Q波の始めからS波の終わりまでは、QRS波と呼ばれることがある。このうち、少なくともR波を検知できる電極が好ましい。R波を検知できる電極を設けることにより、心拍数も計測できる。即ち、R波の頂点と次のR波の頂点までの時間は一般にRR間隔(秒)と呼ばれ、1分間当たりの心拍数は下記式に基づいて算出できる。なお本明細書においては、特に注釈のない限りQRS波もR波に含まれるものとする。電極の具体的な構成については後述する。
心拍数(回/分)=60/RR間隔
電極が形成されている生地の肌側面には、結束紡績糸が存在している。電極が生地の肌側面の結束紡績糸に接着等によって固定されていることにより、電極が生地の肌側面から剥離し難くなる。結束紡績糸としては、繊維束中の単繊維の一端(先端)が繊維束の内部に巻き込まれ、その上に他の繊維の他端(後端)が外面に巻き付くようにして糸が形成される紡績糸が挙げられる。結束紡績糸は、例えば空気紡績法、旋回気流式紡績、渦流空気精紡等により得ることができる。
生地100質量%中、結束紡績糸を10質量%以上含むことが好ましい。これにより、電極が生地の肌側面から剥離し難くなる。結束紡績糸の含量は、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが更により好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。一方、結束紡績糸の含量の上限は特に限定されないが、100質量%以下であってもよく、99質量%以下であってもよく、98質量%以下であってもよい。
結束紡績糸の英式番手は、5以上、100以下であることが好ましい。英式番手が5以上であることにより、生地の柔軟性を向上することができる。そのため紡績糸の英式番手は、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上である。一方、結束紡績糸の英式番手が100以下であることにより、生地の強度を向上し易くすることができる。そのため紡績糸の英式番手は、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下、更により好ましくは40以下である。英式番手は、後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
結束紡績糸10m当たりの1mm以上の毛羽数は、500(個/10m)以下であることが好ましい。これにより生地の毛玉や毛羽立ちの発生を低減することができ、毛玉等による電極と身体の密着性の阻害が生じ難くなる。当該毛羽数は400(個/10m)以下であることがより好ましく、200(個/10m)以下であることが更に好ましく、100(個/10m)以下であることが更により好ましい。一方、当該毛羽数の下限は特に限定されないが、5(個/10m)以上であってもよく、10(個/10m)以上であってもよい。結束紡績糸の毛羽数は、JIS L1095 9.22.2B法に基づいて求めることができる。具体的には、後記する実施例に記載のように、敷島紡績株式会社製のF−インデックステスターを用いて測定することができる。
結束紡績糸は、天然繊維、合成繊維、再生繊維、及び半合成繊維のうち少なくとも一種の繊維を含むものであることが好ましい。また結束紡績糸は、天然繊維、合成繊維、及び再生繊維のうち少なくとも一種の繊維を含むものであってもよい。
天然繊維として、綿、麻、羊毛、絹等が挙げられる。このうち綿が好ましい。結束紡績糸が綿を含むことにより、吸湿性、吸水性、保温性等を向上し易くすることができる。なお天然繊維は、そのまま用いてもよいが親水処理や防汚処理等の後加工を施してもよい。合成繊維として、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等が挙げられる。再生繊維として、モダール等のレーヨン、キュプラ等が挙げられる。半合成繊維として、アセテート、トリアセテート等が挙げられる。これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
生地は、結束紡績糸以外にリング紡績糸、フィラメント糸等を含んでいてもよい。フィラメント糸として、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸が挙げられる。具体的にはポリエステル系マルチフィラメント糸、ポリウレタン弾性糸等が挙げられる。
結束紡績糸に含まれる繊維の有効繊維長は、10mm以上、60mm以下であることが好ましい。有効繊維長が10mm以上であることにより、電極の生地に対する剥離強度が向上する。そのため有効繊維長は、より好ましくは20mm以上、更に好ましくは25mm以上、特に好ましくは30mm以上である。一方、有効繊維長が60mm以下であることにより結束紡績糸の柔軟性が向上する。そのため、有効繊維長は、より好ましくは50mm以下、更に好ましくは45mm以下である。有効繊維長は、JIS L 1019:2006 7.2.1の繊維長のA法(ダブルソータ法)に基づいて測定することができる。
結束紡績糸100質量%中、有効繊維長が32mm以上の繊維を20質量%以上含むことが好ましい。これにより電極の生地に対する剥離強度が向上する。より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更により好ましくは80質量%以上である一方、上限は特に限定されないが、100質量%以下であってもよく、99質量%以下であってもよく、98質量%以下であってもよい。
結束紡績糸に含まれる繊維の繊度は、0.2dtex以上、2.3dtex以下であることが好ましい。結束紡績糸に含まれる繊維の繊度が、0.1dtex以上、2.3dtex以下であることにより、電極の生地に対する剥離強度が向上する。より好ましくは0.2dtex以上、2.0dtex以下、更に好ましくは0.3dtex以上、1.8dtex以下である。
結束紡績糸は、結束紡績糸の外側部分を構成する繊維束の撚角度が、結束紡績糸の内側部分を構成する繊維束の撚角度より大きい方が好ましい。これにより結束紡績糸に樹脂が接着し易くなる。ここで言う撚角度とは、結束紡績糸の軸方向に対する単繊維の傾き(撚角度:α)であり、軸方向に対して直角のときを最大値(90度)とし、糸の長さ方向と同一のときを最小値(0度)とする。以下では、図1、2を参照しながら撚角度について詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る衣類に用いられる結束紡績糸の拡大写真である。図2は、図1の結束紡績糸の外側部分1に結束紡績糸の軸方向Xに平行な黒線(100μm)を付し、図1の結束紡績糸の内側部分2に結束紡績糸の軸方向Xに平行な白線(100μm)を付したものである。図2に示す通り、当該結束紡績糸の外側部分1の単繊維の軸方向Xに対する傾きは、おおよそ45度以上になっているのに対して、内側部分2の単繊維の軸方向Xに対する傾きはおおよそ0度になっている。撚角度の制御については特開2001−192943号公報を参照することができる。
外側部分1の単繊維の軸方向Xに対する傾きは、好ましくは30度以上であり、より好ましくは40度以上である。一方、当該傾きは90度以下であってもよく、80度以下であってもよい。また内側部分2の単繊維の軸方向Xに対する傾きは、好ましくは20度以下であり、より好ましくは10度以下である。一方、当該傾きは0度以上であってもよく、1度以上であってもよい。
結束紡績糸の軸方向X500μm当りにおける単繊維の軸方向Xに対する傾きの最大値と最小値の差は35度以上であることが好ましい。これにより結束紡績糸に樹脂が接着し易くなる。より好ましくは40度以上、更に好ましくは45度以上である。一方、当該差は90度以下であってもよく、80度以下であってもよい。
結束紡績糸は、内側部分2の少なくとも一部が露出していることが好ましく、内側部分2の一部が露出していることが更に好ましい。これによりアンカー効果が発揮されて樹脂の結束紡績糸に対する接着力が向上する。
生地の目付は150g/m以上、350g/m以下であることが好ましい。生地の目付が150g/m以上であることにより、生地の強度が向上し易くなる。そのため生地の目付は、より好ましくは180g/m以上、更に好ましくは200g/m以上である。一方、生地の目付が350g/m以下であることにより、生地を軽量化し易くすることができる。そのため生地の目付は、より好ましくは300g/m以下、更に好ましくは280g/m以下である。生地の目付は、後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
生地は、編物または織物であることが好ましい。編物は、緯編物または経編物であることが好ましく、緯編物がより好ましい。なお緯編物には丸編物も含まれる。
緯編物(丸編物)として、天竺編(平編)、ベア天竺編、ウエルト天竺編、フライス編(ゴム編)、パール編、片袋編、スムース編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等の編組織を有するものが挙げられる。このうち天竺編、フライス編またはスムース編が好ましく、天竺編またはスムース編がより好ましい。これらの編組織は少なくとも片面がフラットな組織であるため、電極の生地に対する剥離強度を向上し易くすることができる。
経編物として、シングルデンビー編、開目デンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、トリコット編、ハーフトリコット編、ラッセル編、ジャガード編等の編組織を有するものが挙げられる。
生地が編物である場合、生地の肌側面にはシンカーループが存在し、シンカーループのうち個数割合で50%以上のシンカーループが結束紡績糸を含むものであることが好ましい。これにより肌に対する結束紡績糸の接触面積が増えるため、生地の肌に対する密着性が向上する。そのため、シンカーループのうち個数割合で50%超のシンカーループが結束紡績糸を含むことがより好ましく、更に好ましくは70%以上、更により好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。なおシンカーループの個数をカウントするに当たっては、完全組織を分解してカウントしてもよいし、完全組織を顕微鏡により表面観察してカウントしてもよい。なお編物の組織は一区間の単位組織の繰り返しにより構成されるが、その一区間の単位組織が完全組織である。
生地の肌側面のウェール密度は30(ウェール/2.54cm)以上、60(ウェール/2.54cm)以下であることが好ましい。ウェール密度が高い程、ループ密度が高くなって、緻密で凹凸の少ない表面構造になり易くなるため、電極の生地に対する剥離強度が向上する。また肌触りを滑らかにし易くすることができる。そのためウェール密度は、より好ましくは35ウェール/2.54cm以上、更に好ましくは40ウェール/2.54cm以上である。一方、ウェール密度を60ウェール/2.54cm以下とすることにより通気性を向上し易くすることができる。そのため、ウェール密度は、より好ましくは55ウェール/2.54cm以下、更に好ましくは53ウェール/2.54cm以下である。
生地の肌側面のコース密度が40(コース/2.54cm)以上、80(コース/2.54cm)以下であることが好ましい。コース密度が高い程ループ密度が高くなり、緻密で凹凸の少ない表面構造になるため、電極の生地に対する剥離強度が向上する。また肌触りを滑らかにし易くすることができる。そのためコース密度は、より好ましくは50コース/2.54cm以上、更に好ましくは55コース/2.54cm以上である。一方、コース密度を80コース/2.54cm以下とすることにより通気性を向上し易くすることができる。そのためコース密度は、より好ましくは78コース/2.54cm以下、更に好ましくは75コース/2.54cm以下である。
織物として、特に限定されないが平織、綾織(ツイル)、朱子織、多重織、ドビー織、ジャガード織等が挙げられる。織物は、異なる色の先染め糸を複数種用いてストライプやチェック等の柄物にしてもよいし、ジャガード織機にて織柄物にしてもよい。特に生地をシャツ地、ブラウス地等の衣類に用いる場合には、平織、綾織(ツイル)が好ましい。また生地と電極の剥離強度を向上するためには、肌側面の凹凸や糸の浮きが少ない組織の方がよいため、平織がより好ましい。
生地のJIS L 1076(2012) 7.1 A法により測定されるピリング性は3.0級以上であることが好ましい。これにより、繰り返しの使用によっても毛玉が生じ難くなる。ピリング性は、より好ましくは3.5級以上、更に好ましくは4.0級以上である。また生地の肌側面で当該ピリング性の等級を満たすことが好ましい。これにより、毛玉による電極と身体の密着性の阻害が生じ難くなる。また生地の肌側面と生地の肌側面とは反対側の表側面の両面において、当該ピリング性の等級を満たすことがより好ましい。これにより衣類の美観を維持し易くすることができる。
以上では、結束紡績糸を含む生地(以下では、結束紡績糸含有生地と呼ぶ場合がある)について説明したが、結束紡績糸含有生地は衣類の電極形成部に用いるだけではなく、電極形成部以外の領域にも用いることが好ましい。即ち、衣類の肌側面100面積%に対する結束紡績糸含有生地の肌側面の面積率は、20面積%以上であることが好ましく、より好ましくは50面積%以上、更に好ましくは90面積%以上、更により好ましくは95面積%以上である。衣類のうち結束紡績糸含有生地以外の領域には、他の公知の生地を用いることができる。
衣類は、胸部、手部、脚部、足部、頸部、及び顔部のうち少なくとも一部を覆うものであることが好ましい。また衣類の形態は特に限定されず、例えば、肌着、帯状物等が挙げられる。肌着として、上半身用の肌着または下半身用の肌着が好ましい。上半身用の肌着として、Tシャツ、ポロシャツ、キャミソール、ブラジャー、スポーツインナー、病衣、寝間着等が挙げられる。下半身用の肌着として、パンツ、スポーツインナー、病衣、寝間着等が挙げられる。帯状物としてベルトが挙げられ、具体的には胸部用ベルト、腹部用ベルト等が挙げられる。
次に、生地の肌側面に設ける電極について説明する。電極は、主として皮膚接触によって生体電位を検出するためにコネクタ等の電気接点として用いてもよく、近接的非接触的なセンサーの検知端として用いてもよい。電極は被測定者の運動動作に追従できるように伸縮性を有することが好ましい。また電極はシート状であることが好ましい。電極をシート状にすることによって、電極面を広くできるため着用者の肌との接触面積を確保できる。シート状の電極は、曲げ性を有するものが好ましい。またシート状の電極は、伸縮性を有するものが好ましい。電極面の面積は5〜100cmが好ましく、電極の平均厚みは10〜500μmが好ましい。電極の形状は、電極を配置する位置に相当する身体の曲線に沿い、且つ身体の動きに追随して密着しやすい形状であることが好ましく、例えば、四角形、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。電極の形状が多角形の場合は、頂点に丸みを付け肌を傷付けないようにしてもよい。
電極は、生地の肌側面に形成されている絶縁層と、絶縁層の上に形成されている導電層とを備えるものであることが好ましい。
絶縁層は、絶縁作用を有する層であればよく、絶縁作用の他に着用時に絶縁層が積層された生地の反対側(即ち、衣類の外側)からの水分が導電層に達することを防ぐ止水層として作用させてもよい。また絶縁層は、接着性を有するものであってもよい。導電層の衣類側に絶縁層を設けることによって、絶縁層が生地の伸びを抑制し、導電層が過度に伸長されるのを防止し易くすることができる。なお絶縁層は、直接、生地の肌側面に形成されていてもよいが、後記する接着層を介して生地の肌側面に接着されることにより固定されていてもよい。
絶縁層は、絶縁性を有する樹脂を含むことが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステルエラストマー等を好ましく用いることができる。これらの中でも、ポリウレタン系樹脂は接着性に優れるため、より好ましい。樹脂は1種のみでもよいし2種以上でもよい。また絶縁層は一層に限らず二層であってもよい。絶縁層の形成方法は特に限定されないが、例えば絶縁性を有する樹脂を、溶剤(好ましくは水)に溶解または分散させて、離型紙または離型フィルム上に塗布または印刷し、塗膜を形成して、該塗膜に含まれる溶剤を揮発させて乾燥させることによって形成できる。また、市販されている樹脂シートまたは樹脂フィルムを用いることもできる。
絶縁層の平均膜厚は10μm以上、200μm以下が好ましい。絶縁層の平均膜厚が10μm以上であることにより、絶縁効果および伸び止め効果が発揮され易くなる。従って絶縁層の平均膜厚は10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上である。一方、絶縁層の平均膜厚が200μm以下であることにより伸縮性が向上する。従って絶縁層の平均膜厚は200μm以下が好ましく、より好ましくは180μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
絶縁層の肌側面とは反対側の外側面100面積%のうち40面積%以上の領域が、結束紡績糸含有生地の肌側面に固定されていることが好ましい。より好ましくは60面積%以上、更に好ましくは80面積%以上、更により好ましくは90面積%以上、特に好ましくは95面積%以上、最も好ましくは100面積%である。
導電層は、生体の電気的情報を検知、伝達できるものであればよい。導電層は、導電フィラーと樹脂を含むことが好ましく、導電性フィラーと伸縮性を有する樹脂を含むことがより好ましく、導電性フィラーとエラストマーを含むものであることが更に好ましい。これらは各成分を有機溶剤に溶解または分散させた組成物(以下、導電性ペーストということがある)を用いて形成できる。なお電極は、上記絶縁層を有さず直接、生地の肌側面に形成されていてもよく、後記する接着層を介して生地の肌側面に接着されることにより固定されていてもよい。
導電性フィラーとしては、例えば、金属粉、金属ナノ粒子、金属以外の導電材料等が挙げられる。導電性フィラーは、1種でもよいし2種以上でもよい。金属粉としては、例えば、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、真鍮粉等の卑金属粉、卑金属やシリカ等の無機物からなる異種粒子を銀等の貴金属でめっきしためっき粉、卑金属と銀等の貴金属で合金化した合金化卑金属粉等が挙げられる。これらの中でも、銀粉および/または銅粉が好ましく、低コストで、高い導電性を発現させることができる。金属ナノ粒子としては、上述した金属粉のうち、粒子径が数ナノ〜数十ナノの粒子が挙げられる。金属以外の導電材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素系材料が挙げられる。金属粉以外の導電材料は、表面に、メルカプト基、アミノ基、ニトリル基を有するか、表面が、スルフィド結合および/またはニトリル基を含有するゴムで表面処理されていることが好ましい。
導電層は、導電性フィラーの種類や、導電性フィラーの添加量等を変化させた2種類以上の導電層を積層したり、配列させて、複数の導電層を一体化したものであってもよい。導電層に含まれる導電性フィラー(換言すれば、導電層形成用の導電性ペーストの全固形分に占める導電性フィラー)の含量は、25質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。導電性フィラーの含量が25質量%以上であることにより導電性が向上する。一方、導電性フィラーの含量が98質量%以下であることにより導電層の伸縮性を向上することができ、電極等を伸長したときにクラック等が発生し難くなる。
伸縮性を有する樹脂として、例えば、硫黄原子を含有するゴムおよび/またはニトリル基を含有するゴムを含むことが好ましい。硫黄原子やニトリル基は、導電性フィラー(特に、金属粉)との親和性が高く、またゴムは伸縮性が高く、伸長時にもクラック等の発生を回避し易くできる。
ニトリル基を含有するゴムとしては、ニトリル基を含有するゴムの他、エラストマーでもよい。特にブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であるアクリロニトリルブタジエン共重合体ゴムが好ましく挙げられる。ニトリル基を含有するゴムとして用いることのできる市販品としては、日本ゼオン製のNipol(登録商標)1042、Nipol(登録商標)DN003等が好ましく挙げられる。ニトリル基を含有するゴム中のニトリル基量(特に、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム中のアクリロニトリル量)は、18〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜45質量%である。アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム中の結合アクリロニトリル量が50質量%以下であることにより、ゴム弾性を向上できる。一方、18質量%以上であることにより導電性フィラー、特に金属粉との親和性が向上する。
硫黄原子を含有するゴムとしては、硫黄原子を含有するゴムの他、エラストマーでもよい。硫黄原子は、ポリマーの主鎖のスルフィド結合やジスルフィド結合、側鎖や末端のメルカプト基などの形で含有される。硫黄原子を含有するゴムとしては、例えば、メルカプト基、スルフィド結合またはジスルフィド結合を含有する、ポリサルファイドゴム、ポリエーテルゴム、ポリアクリレートゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。特に、メルカプト基を含有する、ポリサルファイドゴム、ポリエーテルゴム、ポリアクリレートゴム、シリコーンゴムが好ましい。硫黄原子を含有するゴム中の硫黄原子の含有量は10〜30質量%が好ましい。
樹脂100質量%中、硫黄原子を含有するゴムおよびニトリル基を含有するゴムの合計量は95質量%以上が好ましく、より好ましくは98質量%以上、更に好ましくは99質量%以上である。
導電層に含まれる樹脂(換言すれば、導電層形成用の導電性ペーストの全固形分に占める樹脂固形分)は、2質量%以上、75質量%以下が好ましく、5質量%以上、50質量%以下がより好ましく、10質量%以上、40質量%以下が更に好ましい。
導電層は、上述した各成分を有機溶剤に溶解または分散させた組成物(導電性ペースト)を用い、絶縁層等の上に直接形成するか、所望のパターンに塗布または印刷して塗膜を形成し、該塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させて乾燥させることによって形成できる。導電層は、導電性ペーストを離型シート等の上に塗布または印刷して塗膜を形成し、該塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させて乾燥させることによって予めシート状の導電層を形成しておき、それを所望のパターンで絶縁層上に積層して形成してもよい。導電性ペーストは、粉体を液体に分散させる従来公知の方法を採用して調製すればよく、伸縮性を有する樹脂中に導電性フィラーを均一に分散することによって調製できる。例えば、金属粉、金属ナノ粒子、金属粉以外の導電材料などと、樹脂溶液を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロールミル法、ボールミル法などで均一に分散すればよい。これらの手段は、複数を組み合わせて用いることができる。導電性ペーストを塗布または印刷する方法は特に限定されないが、例えば、コーティング法、スクリーン印刷法、平版オフセット印刷法、インクジェット法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、スタンピング法、ディスペンス法、スキージ印刷などの印刷法などを採用できる。
導電層の乾燥膜厚は、10〜150μmが好ましく、より好ましくは20〜130μm、更に好ましくは30〜100μmである。導電層の乾燥膜厚が10μm以上であることにより、電極が、繰り返し伸縮を受けても劣化し難くなる。一方、導電層の乾燥膜厚が150μm以下であることにより伸縮性が向上する。
電極は、導電性組織で構成されているシート状の電極であってもよい。導電性組織で構成されている電極としては、例えば、基材繊維に導電性高分子を被覆した導電性繊維または導電糸、あるいは銀、金、銅、ニッケルなどの導電性金属によって表面を被覆した繊維、導電性金属の微細線からなる導電糸、導電性金属の微細線と非導電性繊維とを混紡した導電糸などからなる織物、編物、不織布、あるいはこれら導電性の糸を非導電性の布帛に刺繍した物等が挙げられる。これらの導電性組織は、後記する接着層を介して生地の肌側面に接着されて固定されていてもよい。
電極は、導電性組織で構成されており、導電性組織は、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上60%以下であることが好ましい。伸長率が3%以上であると、電極が衣類の生地の動きに充分に追従し易くなり、電極の生地からの剥離を防止し易くすることができる。従って上記伸長率は、3%以上が好ましく、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。一方、伸長率が60%以下であると、電極の伸び過ぎを防止し易くすることができる。従って上記伸長率は、60%以下が好ましく、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下である。伸長率は、身丈方向または身幅方向で上記範囲を満足することが好ましく、身丈方向および身幅方向の両方において上記範囲を満足することがより好ましい。伸長率は、例えば生地から幅2.5cm、長さ16cmの試験片を採取し、インストロン型引張試験機に引張間隔を10cmとして試験片を取付け、300mm/分の速度で14.7Nの荷重をかけて測定すればよい。
電極は、衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けられていることが好ましい。電極を衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けることによって、生体情報を精度良く測定し易くなる。電極は、衣類のうち、着用者の第七肋骨上端と第九肋骨下端との間の肌に接触する領域に設けることがより好ましい。電極は、衣類のうち、着用者の左右の後腋窩線に平行な線であって、着用者の後腋窩線から着用者の背面側に10cm離れた場所に引いた線同士で囲まれる着用者の腹側の領域に設けることが好ましい。電極は、着用者の胴回りに沿って、円弧状に設けることが好ましい。衣類に設ける電極の数は、少なくとも2つであり、2つの電極を、衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けることが好ましく、2つの電極を、着用者の左右の後腋窩線に平行な線であって、着用者の後腋窩線から着用者の背面側に10cm離れた場所に引いた線同士で囲まれる着用者の腹側の領域に設けることが好ましい。なお、電極を3つ以上設ける場合は、3つ目以降の電極を設ける位置は特に限定されず、例えば、後身頃生地に設けてもよい。
衣類は、電極と、当該電極に接続される配線を有することが好ましい。配線により電極と、電極で取得した電気信号を演算する機能を有する電子ユニット等とを接続することができる。配線は、生地の肌側面に形成された第一絶縁層と、第一絶縁層の肌側面に形成された導電層と、導電層の肌側面に形成された第二絶縁層とを有するものであることが好ましい。第一絶縁層としては上記電極の絶縁層を参照することができ、第一絶縁層と上記電極の絶縁層は同じ素材により構成され一体化されて形成されていることが好ましい。また配線の導電層は、上記電極の導電層と同じ素材により構成され一体化されて形成されていることが好ましい。
配線は、上述の通り、導電層の上に第二絶縁層が形成されていることが好ましい。第二絶縁層を設けることによって、例えば、雨、雪、汗などの水分が導電層に接触することを防止できる。第二絶縁層を構成する樹脂としては、上述した第一絶縁層を構成する樹脂と同様のものが挙げられ、好ましく用いられる樹脂も同じである。第二絶縁層を構成する樹脂も、1種のみでもよいし2種以上でもよい。第二絶縁層を構成する樹脂は、第一絶縁層を構成する樹脂と、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。同じ樹脂を用いることによって、導電層の被覆性および配線の伸縮時における応力の偏りによる導電層の損傷を低減できる。第二絶縁層は、第一絶縁層と同じ形成方法で形成できる。また、市販されている樹脂シートまたは樹脂フィルムを用いることもできる。
第二絶縁層の平均膜厚は10〜200μmが好ましい。第二絶縁層の平均膜厚が10μm以上であることにより、絶縁効果および伸び止め効果が発揮され易くなる。従って第二絶縁層の平均膜厚は10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上である。一方、第二絶縁層の平均膜厚が200μm以下であることにより伸縮性が向上する。従って第二絶縁層の平均膜厚は200μm以下が好ましく、より好ましくは180μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
配線として、導電性繊維または導電性糸を用いてもよい。導電性繊維または導電性糸としては、絶縁物である繊維表面に金属をメッキしたもの、細い金属線を糸に撚り込んだもの、導電性の高分子をマイクロファイバーなどの繊維間に含浸させたもの、細い金属線等を用いることができる。配線の平均厚みは、10〜500μmが好ましい。厚みが薄すぎると導電性が不充分になることがある。従って平均厚みは10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。しかし、厚みが厚くなり過ぎると、着用者に異物感を感じさせ、不快感を与えることがある。従って平均厚みは500μm以下が好ましく、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下である。配線の形状は特に限定されず、直線、曲線、幾何学パターンであってもよい。幾何学パターンとしては、例えば、ジグザグ状、連続馬蹄状、波状などが挙げられる。幾何学パターンの電極は、例えば金属箔を用いて形成できる。また配線としての導電性繊維、導電性糸は、刺繍等により生地に固定されていてもよい。
電極や配線を生地に形成する方法としては、電極および配線の伸縮性を妨げない方法であれば特に限定されず、例えば、接着層を介した積層や熱プレスによる積層等の方法が挙げられる。接着層を形成するための接着剤の付与方法としては、例えば粉末塗布、スプレー塗布、コーティング、プリントや、接着剤シート貼付後に熱処理や圧着等を行う方法が挙げられる。
接着剤としては、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、溶剤形接着剤、水性形接着剤、反応形接着剤、ホットメルト接着剤等を用いることができる。これらは1種のみ用いてもよいし2種以上用いてもよい。このうちホットメルト接着剤が好ましい。ホットメルト接着剤として、ポリエチレン系接着剤、ポリアミド系接着剤、軟質ポリ塩化ビニル系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。このうちポリウレタン系接着剤は柔軟性が高く、接着後の電極周辺部の柔軟性を高く維持できるため好ましい。ホットメルト接着剤の形態としては、シート形状、粉状、液状等の種々の形態のものを用いることができるが、このうちシート形状のものは、電極の生地に対する剥離強度を向上し易いため好ましい。なお絶縁層と接着層は同じ素材のものを用いてもよい。溶剤形接着剤として、酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤、ゴム系溶剤形接着剤、その他の樹脂系接着剤を用いることができる。水性形接着剤としては、EVA樹脂系エマルジョン形、アクリル樹脂系エマルジョン形、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形、酢酸ビニル共重合樹脂系形等の接着剤を用いることができる。反応形接着剤としては、エポキシ樹脂系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、アクリル樹脂系等を用いることができる。
衣類は、電極で取得した電気信号を演算する機能を有する電子ユニット等を備えていることが好ましい。電子ユニット等において、電極で取得した電気信号を演算、処理することによって、例えば、心電、心拍数、脈拍数、呼吸数、血圧、体温、筋電、発汗などの生体情報が得られる。
衣類は、電子ユニットとの接続に用いる留め金を備えることが好ましい。留め金は、いわゆるホックであり、例えばステンレススチール製のホックが挙げられる。留め金を介して導電層等と電子ユニットとを電気的に接続することができる。
電子ユニット等は、衣類に着脱できることが好ましい。電子ユニット等は、更に、表示手段、記憶手段、通信手段、USBコネクタなどを有することが好ましい。電子ユニット等は、例えば、気温、湿度、気圧などの環境情報を計測できるセンサーや、GPSを用いた位置情報を計測できるセンサーなどを備えてもよい。具体的にはユニオンツール社製の電子ユニット(My Beat WHS−2)が挙げられる。
衣類を用いることにより、人の心理状態や生理状態を把握する技術への応用もできる。例えば、リラックスの度合いを検出してメンタルトレーニングしたり、眠気を検出して居眠り運転を防止したり、心電図を計測してうつ病やストレス診断等を行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1
1.0dtex、39mmカットの再生セルロース繊維(レンチング社製モダール)と1.4dtex、38mmカットの再生セルロース繊維(旭化成製ベンベルグ)を通常の紡績混打綿工程で、それぞれ重量比で各50%計量して均一に混紡し、混打綿ラップを作製した。次いで、カード、連條工程を経て350ゲレン/6ヤードの連條スライバーAを作製した。一方、アップランド綿(繊度:約4.3マイクロネア(dtex換算で約1.69dtex)、繊維長:約29mm)を通常の混打綿工程にて混綿し、カード、コーマ準備工程を経て、コーマ機を使用して350ゲレン/6ヤードのコーマスライバーAを作製した。次いで上記連條スライバーAと上記コーマスライバーAを連條機に各4本供給し、A/Bが重量比で50%/50%となるように350ゲレン/6ヤードの連條スライバーBを作製した。更に連條スライバーBを8本使用して350ゲレン/6ヤードの連條スライバーCを作製した。その後、連條スライバーCを用いてムラタボルテックススピナー(村田機械製)で綿番手:20番手の結束紡績糸を作製した。このときの各繊維の混用率は質量比で、モダール25%、ベンベルグ25%、アップランド綿50%であった。
次に、得られた結束紡績糸を用いて福原精機製3FAシングルニット機34“−22Gを使用して、350mm/100Wの条件で天竺編にて製編した。得られたニット生機に対し、常法の精錬漂白、反応染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
実施例2
実施例1と同じアップランド綿を通常の混打綿工程にて混綿し、カード、コーマ準備工程を経て、コーマ機、連條機を使用し、350ゲレン/6ヤードの連條スライバーを作製した。その後、ムラタボルテックススピナー(村田機械製)で綿番手:20番手の綿100%の結束紡績糸を作製した。次に、実施例1と同様に天竺編にて製編し、常法の精錬漂白、反応染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
実施例3
0.6dtex、32mmカットのポリエステル短繊維を用いて、通常の紡績混打綿工程、カード、連條工程を経て350ゲレン/6ヤードの連條スライバーを作製した。次いでムラタボルテックススピナー(村田機械製)を用いて綿番手:20番手のポリエステル100%の結束紡績糸を作製した。次に実施例1と同様に天竺編にて製編し、常法の分散染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
比較例1
実施例1と同じ素材を使用して、実施例1と同様に350ゲレン/6ヤードの連條スライバーを作製した後、通常の粗紡工程、リング精紡工程を経て、綿番手:20番手の結束紡績糸を作製した。このときの各繊維の混用率は重量比で、モダール25%、ベンベルグ25%、アップランド綿50%であった。次に実施例1と同様に天竺編にて製編し、常法の精錬漂白、反応染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
比較例2
実施例2と同じ素材を使用して、実施例2と同様に350ゲレン/6ヤードの連條スライバーを作製した後、通常の粗紡工程、リング精紡工程を経て、綿番手:20番手の結束紡績糸を作製した。次に、実施例1と同様に天竺編にて製編し、常法の精錬漂白、反応染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
比較例3
実施例3と同じ素材を使用して、実施例3と同様に350ゲレン/6ヤードの連條スライバーを作製した後、通常の粗紡工程、リング精紡工程を使用して、綿番手で20番手の結束紡績糸を作製した。次に実施例1と同様に天竺編にて製編し、ニット生機に対し、常法の分散染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
比較例4
実施例2と同じ素材を使用して、実施例2と同様に連條スライバーを作成した後、通常の粗紡工程、精紡工程を経て、サイロ方式にて綿番手で20番手のリング紡績糸を作成した。次に実施例1と同様に天竺編にて製編し、ニット生機に対し、常法の分散染料による染色を行った後、親水加工を行って生地を得た。
上記実施例1〜3、比較例1〜4で得られた生地は、いずれも生地の巾長さは161cm、目付258g/mであった。なお目付は以下の方法により測定した。
〈目付〉
JIS L 1096(2010) 8.3.2に規定されている「標準状態における単位面積当たりの質量」に基づいて生地の目付を測定した。
なお上記実施例1〜3、比較例1〜4の各生地の製造に用いた結束紡績糸、リング紡績糸の英式番手、毛羽数は下記方法により測定した。
<英式番手>
JIS L 1095(2010) 9.4.2に準じて、英式番手の見掛け綿番手を測定し、これを英式番手とした。
<毛羽測定>
敷島紡績株式会社製のF−インデックステスタ−で、紡績糸長10m、糸速30m/分の条件で1mm以上の毛羽数を糸長10mに渡り測定した。5回測定し、その平均値を算出することにより、10mあたりの1mm以上の毛羽指数を求めた。
また上記実施例1〜3の各生地の製造に用いた結束紡績糸は、結束紡績糸の外側部分を構成する繊維束の撚角度が、結束紡績糸の内側部分を構成する繊維束の撚角度より大きかった。
更に実施例1〜3、比較例1〜4で得られた各生地の外気面(ニードルループ面)に対して、以下の条件によりピリング性を評価した。なお当該評価においては、級の数が大きい程、耐ピリング性に優れていることを意味する。
<ピリング評価>
JIS L 1076(2012) 7.1 A法(織物及び編み物のピリング試験方法)に基づき、生地から、たて方向およびよこ方向に100mm×120mmの試験片を2枚ずつ切り取って、ピリング試験用ゴムに巻き付けICI形試験機にて5時間回転させ、外気面(ニードルループ面)に対してピリング発生の程度を等級判定した。
更に、実施例1〜3、比較例1〜4で得られた各生地を用いて、以下の条件により電極および配線を形成して生体情報測定用衣類を得た。
(導電性ペースト)
ニトリルゴム(日本ゼオン社製のNipol DN003)20部を、イソホロン80部に溶解し、NBR溶解液を作製した。得られたNBR溶液100部に銀粒子(DOWAエレクトロニクス製の「凝集銀粉G−35」、平均粒子径5.9μm)110部を配合し、3本ロールミルにて混練して導電ペーストを得た。
(電極および配線)
上記導電性ペーストを長さ12cm、幅2cmの離型シートの上に塗布し、120℃の熱風乾燥オーブンで30分以上乾燥することによって、離型シート付きシート状導電層を作製した。
次に、得られた離型シート付きシート状導電層の導電層表面に、ポリウレタンホットメルトシートを貼り合わせた後、ホットプレス機を用い圧力0.5kg/cm2、温度130℃、プレス時間20秒の条件で積層した。次いで、上記離型フィルムを剥がしてポリウレタンホットメルトシート付きシート状導電層を得た。
次に、得られたポリウレタンホットメルトシート付きシート状導電層(長さ12cm、幅2cm)のポリウレタンホットメルトシート側を、別途作製した長さ13cm、幅2.4cmのポリウレタンホットメルトシートに向けて、長さ方向の一端を揃えて積層し、ポリウレタンホットメルトシートとシート状導電層との積層体を作製した。ここではポリウレタンホットメルトシートが、上述した第一絶縁層に相当する。
次に、上記第一絶縁層およびシート状導電層の一部を覆うように、長さ5cm、幅2.4cmの領域に、上記第一絶縁層を形成したものと同じポリウレタンホットメルトシートを端から2cm離した部分から積層することにより、上記シート状導電層の一部の上に第二絶縁層を形成した。即ち、端部に導電層が露出した長さ2cm×幅2cmのデバイス接続部、第一絶縁層/導電層/第二絶縁層の積層構造を有する絶縁部、反対の端部に導電層が露出した長さ5cm×幅2cmの電極がこの順で長手方向に配置された伸縮性電極パーツを作製した。
次に、上記実施例1〜3、比較例1〜4で得られた生地の前身頃の内側の肌側面、即ち、着用者の肌に電極面が接触する側の所定位置に、上記のようにして製造された伸縮性電極パーツを2枚、左右対称になる形で貼り付けて、Tシャツを製造した。前身頃生地に設けた電極の数は2個とし、電極2個の電極面の合計面積は22cm、電極の平均厚みは90μmであった。
得られたTシャツを用いて、電極の耐剥離性を下記条件により評価した。
<耐剥離性>
JIS1930(繊維製品の家庭洗濯試験方法)に基づき、全自動洗濯機を用いて衣類の状態のまま洗濯、脱水、吊り干し乾燥を50回繰り返し、生地と電極の接着性(剥離性)を目視にて評価した。
X 電極の大部分が生地から剥離した
△ 電極の半分以上の部分が生地から剥離した
〇 電極の一部が僅かに剥離した
◎ 電極は全く剥離しなかった
これらの紡績糸、生地の物性や各評価結果を表1に示す。
Figure 2021132883
1 結束紡績糸の外側部分
2 結束紡績糸の内側部分

Claims (10)

  1. 生地と、前記生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類であって、
    前記電極が形成されている前記生地の肌側面には、結束紡績糸が存在していることを特徴とする衣類。
  2. 前記生地100質量%中、前記結束紡績糸を10質量%以上含むものである請求項1に記載の衣類。
  3. 前記結束紡績糸の英式番手は、5以上、100以下である請求項1または2に記載の衣類。
  4. 前記結束紡績糸10m当たりの1mm以上の毛羽数は、500(個/10m)以下である請求項1〜3のいずれかに記載の衣類。
  5. 前記結束紡績糸は、天然繊維、合成繊維、再生繊維、及び半合成繊維のうち少なくとも一種の繊維を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の衣類。
  6. 前記電極は、前記生地の肌側面に形成されている絶縁層と、前記絶縁層の上に形成されている導電層とを備えるものである請求項1〜5のいずれかに記載の衣類。
  7. 前記導電層は、導電フィラーと樹脂を含むものである請求項6に記載の衣類。
  8. 前記電極は、導電性組織で構成されており、
    前記導電性組織は、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上60%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の衣類。
  9. 前記生地のJIS L 1076(2012) 7.1 A法により測定されるピリング性は3.0級以上である請求項1〜8のいずれかに記載の衣類。
  10. 前記衣類は、胸部、手部、脚部、足部、頸部、及び顔部のうち少なくとも一部を覆うものである請求項1〜9のいずれかに記載の衣類。
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