JP6772403B1 - 衣類 - Google Patents

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Abstract

着用時の不快感が低減された生体情報計測用衣類を提供することを課題とする。生地と、上記生地の肌側面側に形成されている電極とを備える衣類であって、上記生地の肌側面のうち30cm2以上は上記電極に覆われておらず露出しており、上記電極は導電部材を備え、上記導電部材の熱容量A(J/K)と上記生地の熱容量B(J/K)は下記式(1)を満たすことを特徴とする衣類。−12(J/K)≦A−B≦60(J/K) ・・・(1)

Description

本発明は、生地と、生地の肌側面に形成されている電極とを備える衣類に関する。詳細には、着用者の生体情報を検出するための生体情報測定用の電極が形成されている衣類に関する。具体的には、着用者の肌に直接接触する電極、または近接的非接触に生体情報を取得できるセンサーの検知端となる電極を有する生体情報測定用の衣類に関する。
近年、ヘルスモニタリング分野や医療分野、療育分野、リハビリテーション分野において、ウェアラブル生体情報計測装置(センシングウェア)が注目されている。ウェアラブル生体情報計測装置とは、生体情報計測装置が、例えばベルト、ストラップなどに設けられており、これらを着用することによって心電図などの生体情報を簡便に計測できる装置である。生体情報計測装置としては、例えば、着用者の肌に接触する生体情報計測用の電極が形成されているものが知られている。
衣類型のウェアラブル生体情報計測装置の場合は、例えば、織物や編物で構成される身頃生地に電極が設けられており、この衣類を着用して日常生活を過ごすことによって、日常の様々な状況における心拍の変動等の生体情報を簡便に計測できる。
これまでに種々の衣類型のウェアラブル生体情報計測装置が知られており、例えば本発明者らは特許文献1において、生体情報を最も安定的に計測できる測定位置を特定し、密着性の高いフレキシブル電極を取り付けたセンシングウェアを提案した。
特開2017−29692号公報
これまでに種々の衣類型のウェアラブル生体情報計測装置が知られていたが、着用者が衣類を着用する際に衣類の肌側面に設けられた電極等の冷感によって不快感を感じることがあった。しかし、このような着用時の不快感を低減する試みはこれまでになされていない。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、着用時の不快感が低減された生体情報計測用衣類を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る衣類は、以下の構成からなる。
[1]生地と、上記生地の肌側面側に形成されている電極とを備える衣類であって、
上記生地の肌側面のうち30cm以上は上記電極に覆われておらず露出しており、
上記電極は導電部材を備え、上記導電部材の熱容量A(J/K)と上記生地の熱容量B(J/K)は下記式(1)を満たすことを特徴とする衣類。
−12(J/K)≦A−B≦60(J/K) ・・・(1)
[2]上記生地の熱容量B(J/K)は、230(J/K)以上、300(J/K)以下である[1]に記載の衣類。
[3]上記導電部材の熱容量A(J/K)は、250(J/K)以上、350(J/K)以下である[1]または[2]に記載の衣類。
[4]上記生地の目付は230g/m以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の衣類。
[5]上記生地は、弾性糸と非弾性糸を含むものである[1]〜[4]のいずれかに記載の衣類。
[6]上記非弾性糸は、ポリエチレンマルチフィラメント糸を含むものである[5]に記載の衣類。
[7]上記生地100質量%における上記ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、2質量%以上、18質量%以下である[6]に記載の衣類。
[8]上記導電部材は、導電層であり導電性フィラーを20質量%以上、98質量%以下含有するものである[1]〜[7]のいずれかに記載の衣類。
[9]上記導電部材が、導電性ファブリックで構成されており、上記導電性ファブリックは、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上、60%以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の衣類。
[10]上半身用の肌着である[1]〜[9]のいずれかに記載の衣類。
[11]下半身用の肌着である[1]〜[9]のいずれかに記載の衣類。
[12]帯状物である請求項[1]〜[9]のいずれかに記載の衣類。
本発明によれば上記構成により、着用時の不快感が低減された生体情報計測用衣類を提供することができる。
図1(a)は、タブ付きTシャツの正面図である。(b)は、タブ付きTシャツの背面図である。 図2は、袋綴じ構造の電極支持部の斜視図である。
本発明の衣類は、生地と、上記生地の肌側面側に形成されている電極とを備える衣類であって、上記生地の肌側面のうち30cm以上は上記電極に覆われておらず露出しており、上記電極は導電部材を備え、上記導電部材の熱容量A(J/K)と上記生地の熱容量B(J/K)は下記式(1)を満たすことを特徴とするものである。
−12(J/K)≦A−B≦60(J/K) ・・・(1)
上記構成により、生地と電極との冷感の差を低減することができるため、着用時の不快感を低減することができる。詳細には、本発明者らの検討により、電極の冷感が生地の冷感よりも高くなり過ぎると着用時に不快感が生じる一方で、生地の冷感が電極の冷感よりも高くなり過ぎることによっても両者の冷感差に伴う不快感が生じることが分かった。そこで鋭意検討した結果、導電部材の熱容量A(J/K)と生地の熱容量B(J/K)を上記式(1)を満たすようにすれば生地と電極の冷感差が低減されて、着用時の不快感を低減できることを見出した。以下では各構成について詳述する。
衣類は、生地と、生地の肌側面側に形成されている電極とを備えるものである。電極の電極面が、着用者の肌に直接接触することによって、身体からの電気信号を測定でき、生体情報を計測できる。生体情報としては、電極で取得した電気信号を電子ユニットで演算、処理することによって、例えば、心電、心拍数、脈拍数、呼吸数、血圧、体温、筋電、発汗などの身体の情報が得られる。
電極としては、心電図を測定できる電極が好ましい。心電図とは、心臓の動きによる電気的な変化を、生体表面の電極を介して検出し、波形として記録された情報を意味する。心電図は、一般的には、横軸に時間、縦軸に電位差をプロットした波形として記録される。心拍1回ごとに心電図に現れる波形は、P波、Q波、R波、S波、T波の代表的な5つの波により主に構成され、この他にU波が存在する。また、Q波の始めからS波の終わりまでは、QRS波と呼ばれることがある。このうち、少なくともR波を検知できる電極が好ましい。R波は、左右両心室の興奮を示し、電位差が最も大きい波である。R波を検知できる電極を設けることにより、心拍数も計測できる。即ち、R波の頂点と次のR波の頂点までの時間は一般にRR間隔(秒)と呼ばれ、1分間当たりの心拍数は下記式に基づいて算出できる。なお本明細書においては、特に注釈のない限りQRS波もR波に含まれるものとする。なお電極や導電部材の具体的な構成については、後で詳述する。
心拍数(回/分)=60/RR間隔
導電部材の熱容量A(J/K)と生地の熱容量B(J/K)は下記式(1)を満たすものである。
−12(J/K)≦A−B≦60(J/K) ・・・(1)
導電部材の熱容量A(J/K)と生地の熱容量B(J/K)の差の値が60(J/K)以下であることにより、生地の冷感が向上して導電部材の冷感を感じ難くさせることができる。そのため上記差の値は、好ましくは50(J/K)以下、より好ましくは35(J/K)以下、更に好ましくは25(J/K)以下、更により好ましくは15(J/K)以下である。一方、上記差の値が−12(J/K)以上であることにより、生地の冷感が高くなり過ぎることに伴う生地と導電部材との冷感差を低減し易くすることができる。そのため上記差の値は、好ましくは−10(J/K)以上、より好ましくは−5(J/K)以上、更に好ましくは0(J/K)超である。熱容量は、例えば後記する実施例に記載の温度変調示差走査熱量測定(温度変調DSC)法により比熱と共に算出することができる。なお、熱容量と比熱の算出式は下記(2)式、(3)式の通りである。
Cp=Kcp×(Qamp/Tamp)×(A/2π) ・・・(2)
[式中、Cpは比熱、Kcpは比熱キャリブレーション係数、Qampはヒートフロー振幅(℃)、Tampはヒーティング振幅(℃)、Aは変調周期(秒)である。]
C=m×Cp ・・・(3)
[式中、Cは熱容量(J/K)、mは質量(g)、Cpは比熱(J/g・K)である。]
上記生地の熱容量B(J/K)は、230(J/K)以上、300(J/K)以下であることが好ましい。熱容量B(J/K)が230(J/K)以上であることにより、生地の冷感が向上して導電部材の冷感を感じ難くさせることができる。熱容量B(J/K)は、より好ましくは235(J/K)以上、更に好ましくは240(J/K)以上、更により好ましくは250(J/K)以上である。一方、生地の熱容量B(J/K)が300(J/K)以下であることにより、生地の冷感が高くなり過ぎることに伴う生地と導電部材との冷感差を低減し易くすることができる。そのため熱容量B(J/K)は、より好ましくは290(J/K)以下、更に好ましくは280(J/K)以下である。
導電部材の熱容量A(J/K)は、250(J/K)以上、350(J/K)以下であることが好ましい。熱容量A(J/K)が250(J/K)以上であることにより、生地の冷感が電極の冷感よりも高くなり過ぎることに伴う冷感差を低減し易くすることができる。そのため熱容量A(J/K)は、より好ましくは260(J/K)以上、更に好ましくは270(J/K)以上、更により好ましくは280(J/K)以上である。一方、導電部材の熱容量A(J/K)が350(J/K)以下であることにより、導電部材の冷感を低減し易くすることができる。そのため熱容量A(J/K)は、より好ましくは320(J/K)以下、更に好ましくは300(J/K)以下である。
上記生地の目付は230g/m以下であることが好ましい。上記生地の目付が230g/m以下であることにより、生地を軽量化し易くすることができる。上記生地の目付は、より好ましくは220g/m以下、更に好ましくは200g/m以下である。一方、上記生地の目付が150g/m以上であることにより、上記生地の強度を向上し易くすることができる。そのため上記生地の目付は、より好ましくは170g/m以上、更に好ましくは180g/m以上である。
上記生地の肌側面のうち30cm以上は電極に覆われておらず露出している。衣類の肌側面において、上記生地を所定面積、露出させることにより、生地と導電部材の冷感差を感じ難くさせることができる。上記生地の肌側面の露出面積は、好ましくは50cm以上、より好ましくは100cm以上、更に好ましくは200cm以上、更により好ましくは400cm以上である。一方、上記生地の肌側面の面積の上限は、例えば4000cm以下であってもよく、2000cm以下であってもよく、1000cm以下であってもよい。
衣類の肌側面のうち上記生地の肌側面の面積率は20面積%以上であることが好ましい。これにより生地と導電部材の冷感差を感じ難くさせることができる。より好ましくは50面積%以上、更に好ましくは80面積%以上、更により好ましくは95面積%以上であり、最も好ましくは100面積%である。
上記生地は、弾性糸と非弾性糸を含むものであることが好ましい。非弾性糸は、ゴム状弾性を持たない非弾性糸である。即ち非弾性糸は、弾性糸よりも伸縮性が低いものであり、生地の伸び過ぎを防止し易くすることができる。非弾性糸として、フィラメント糸、または紡績糸のいずれも用いることができる。非弾性糸として、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、アラミド、アクリル、アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレート、ポリベンザゾール等に代表される合成繊維のマルチフィラメント;レーヨン、アセテート、リヨセル、キュプラに代表される化学繊維(半合成繊維);又は綿、羊毛、シルクに代表される天然繊維;炭素繊維;等を含む糸が挙げられる。非弾性糸は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。非弾性糸は、フィラメント糸、紡績糸のいずれであってもよいがフィラメント糸が好ましい。フィラメント糸としては、マルチフィラメント糸が好ましく、ポリエチレンマルチフィラメント糸、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸、及びナイロン6マルチフィラメント糸よりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。これにより上記生地の熱容量を230〜300(J/K)程度に制御し易くすることができる。
非弾性糸は、ポリエチレンマルチフィラメント糸を含むものであることが好ましい。即ち、非弾性糸は、少なくともポリエチレンマルチフィラメント糸を含むことが好ましく、ポリエチレンマルチフィラメント糸を含有させることにより生地の熱容量を向上し易くすることができる。ポリエチレンマルチフィラメント糸として、高分子量ポリエチレンマルチフィラメント糸が好ましく、超高分子量ポリエチレンがより好ましい。通常のポリエチレンは粘度平均分子量2万〜30万程度であるのに対して、高分子量ポリエチレンとは粘度平均分子量50万以上、100万未満のものを意味し、超高分子量ポリエチレンとは粘度平均分子量100万以上のものを意味する。
上記生地100質量%におけるポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、2質量%以上、18質量%以下であることが好ましい。ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率が2質量%以上であることにより、生地の冷感を向上し易くすることができる。そのため、ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。一方、ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率が18質量%以下であることにより、生地の冷感が向上し易くなるため導電部材の冷感を感じ難くさせることができる。そのため、ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
非弾性糸全体の比熱は、0.9(J/g・K)以上、2.0(J/g・K)以下であることが好ましい。当該比熱が0.9(J/g・K)以上であることにより、生地の熱容量を向上し易くすることができる。一方、当該比熱が2.0(J/g・K)以下であることにより、生地の熱容量を低減し易くすることができる。非弾性糸全体の比熱は、より好ましくは1.0(J/g・K)以上、1.6(J/g・K)以下、更に好ましくは1.1(J/g・K)以上、1.4(J/g・K)以下である。なお非弾性糸全体の比熱とは、非弾性糸が1種類の場合はそのものの比熱を意味し、非弾性糸が2種以上の場合には、全ての非弾性糸のうちの1g当たりの温度を1K上昇させるのに必要な熱量Jを意味する。比熱は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
非弾性糸全体の熱容量(J/K)は、220(J/K)以上、290(J/K)以下であることが好ましい。熱容量(J/K)が220(J/K)以上であることにより、生地の冷感が向上して導電部材の冷感を感じ難くさせることができる。熱容量(J/K)は、より好ましくは230(J/K)以上、更に好ましくは235(J/K)以上、更により好ましくは240(J/K)以上である。一方、非弾性糸全体の熱容量(J/K)が290(J/K)以下であることにより、生地の冷感が高くなり過ぎることに伴う生地と導電部材との冷感差を低減し易くすることができる。そのため熱容量(J/K)は、より好ましくは280(J/K)以下、更に好ましくは270(J/K)以下である。なお非弾性糸全体の熱容量とは、非弾性糸が1種類の場合はそのものの熱容量を意味し、非弾性糸が2種以上の場合には、全ての非弾性糸の温度を1K上昇させるのに必要な熱量Jを意味する。
非弾性糸の単糸繊度は0.1dtex以上、3.0dtex以下であることが好ましい。非弾性糸の単糸繊度が0.1dtex以上であることにより生地の冷感を向上し易くすることができる。そのため非弾性糸の単糸繊度は、好ましくは0.5dtex以上、より好ましくは0.8dtex以上である。一方、非弾性糸の単糸繊度が3.0dtex以下であることにより、生地の冷感を低減し易くすることができる。そのため、非弾性糸の単糸繊度は、より好ましくは2.8dtex以下、更に好ましくは2.5dtex以下である。
単糸繊度は、例えばJIS L 1013(2010)8.3.1 A法に基づいて、正量繊度を測定して総繊度とし、それを単繊維数で除することにより求めることができる。
非弾性糸の総繊度は、好ましくは10dtex以上、250dtex以下である。非弾性糸の総繊度が10dtex以上であることにより生地の冷感を向上し易くすることができる。そのため非弾性糸の総繊度は、より好ましくは30dtex以上、更に好ましくは40dtex以上である。一方、非弾性糸の総繊度が250dtex以下であることにより、生地の冷感を低減し易くすることができる。そのため、非弾性糸の総繊度は、より好ましくは150dtex以下、更に好ましくは100dtex以下、更により好ましくは80dtex以下、特に好ましくは70dtex以下である。
上記生地100質量%における全ての非弾性糸の混率は、40質量%以上、90質量%以下であることが好ましい。非弾性糸の混率が40質量%以上であることにより、生地の熱容量を導電層の熱容量に近づけて、両者の冷感差を低減し易くすることができる。非弾性糸の混率は、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。一方、全ての非弾性糸の混率を90質量%以下とすることにより、生地の熱容量を導電層の熱容量に近づけて、両者の冷感差を低減し易くすることができる。そのため、非弾性糸の混率は、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
弾性糸は、ゴム状弾性を持った糸である。上記生地が弾性糸を含むことにより、伸縮性が向上し、衣類の着用時の着圧を低減し易くすることができる。弾性糸は、モノフィラメント、マルチフィラメントのいずれも用いることができる。弾性糸として、具体的にはポリウレタン弾性糸、ポリエステル系弾性糸、ポリオレフィン系弾性糸、天然ゴム糸、合成ゴム糸、伸縮性を有する複合繊維からなる糸等が挙げられる。弾性糸は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。これらのうちポリウレタン弾性糸(スパンデックス糸)は、糸の弾性、熱セット性、耐薬品性等に優れているため好ましい。ポリウレタン弾性糸として、例えば融着タイプのポリウレタン弾性糸、合着タイプのポリウレタン弾性糸等を用いることができる。
弾性糸の総繊度は10dtex以上、180dtex以下であることが好ましい。弾性糸の総繊度が10dtex以上であることにより生地の伸縮性を向上し易くすることができる。そのため弾性糸の総繊度は、より好ましくは20dtex以上、更に好ましくは30dtex以上、更により好ましくは40dtex以上である。一方、180dtex以下であることにより、生地を軽量化し易くすることができる。そのため、弾性糸の総繊度は、より好ましくは100dtex以下、更に好ましくは90dtex以下、更により好ましくは80dtex以下である。
上記生地100質量%における弾性糸の混率は、10質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。弾性糸の混率が10質量%以上であることにより、生地の伸縮性を向上し易くすることができる。弾性糸の混率は、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。一方、弾性糸の混率を60質量%以下とすることにより、編成および染色加工を行い易くすることができ生産性が向上する。更に、フィット性を向上し、寸法変化を起こし難くさせることができる。弾性糸の混率は、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、更により好ましくは35質量%以下である。
弾性糸全体の比熱は、1.2(J/g・K)以上、2.0(J/g・K)以下であることが好ましい。当該比熱が1.2(J/g・K)以上であることにより、生地の熱容量を向上し易くすることができる。一方、当該比熱が2.0(J/g・K)以下であることにより、生地の熱容量を低減し易くすることができる。弾性糸全体の比熱は、より好ましくは1.4(J/g・K)以上、1.9(J/g・K)以下、更に好ましくは1.6(J/g・K)以上、1.85(J/g・K)以下である。なお弾性糸全体の比熱とは、弾性糸が1種類の場合はそのものの比熱を意味し、弾性糸が2種以上の場合には、全ての弾性糸のうちの1g当たりの温度を1K上昇させるのに必要な熱量Jを意味する。比熱は後記する実施例に記載の方法により測定することができる。
弾性糸全体の熱容量(J/K)は、10(J/K)以上、100(J/K)以下であることが好ましい。熱容量(J/K)が10(J/K)以上であることにより、生地の冷感が向上して導電部材の冷感を感じ難くさせることができる。熱容量(J/K)は、より好ましくは20(J/K)以上、更に好ましくは30(J/K)以上である。一方、弾性糸全体の熱容量(J/K)が100(J/K)以下であることにより、生地の冷感が高くなり過ぎることに伴う生地と導電部材との冷感差を低減し易くすることができる。そのため熱容量(J/K)は、より好ましくは80(J/K)以下、更に好ましくは60(J/K)以下である。なお弾性糸全体の熱容量とは、弾性糸が1種類の場合はそのものの熱容量を意味し、弾性糸が2種以上の場合には、全ての弾性糸の温度を1K上昇させるのに必要な熱量Jを意味する。
生地中における弾性糸100質量部に対するポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、好ましくは15質量部以上、75質量部以下、より好ましくは20質量部以上、70質量部以下、更に好ましくは25質量部以上、60質量部以下である。これにより、ポリエチレンマルチフィラメント糸による冷感の向上と、弾性糸による伸縮性の向上とが発揮され易くなる。
上記生地は、弾性糸と非弾性糸を含むものであることが好ましく、具体的には弾性糸と非弾性糸が交織または交編されている織編物が挙げられる織編物とは、織物または編物を意味する。
編物は、緯編物であってもよいし、経編物であってもよいが、経編物が好ましい。なお緯編物には丸編物も含まれる。
緯編物(丸編物)は、例えば、平編(天竺編)、ベア天竺編、ウエルト天竺編、ゴム編、パール編、片袋編、両面編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等の編組織を有するものが挙げられる。緯編物は、シングルニットであってもよいし、ダブルニットであってもよい。
経編物は、例えば、シングルデンビー編、開目デンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、トリコット編、ハーフトリコット編、ラッセル編、ジャガード編等の編組織を有するものが挙げられる。このうちトリコット編の編組織を有するものが好ましい。
織物として、平織り、綾織り、朱子織り等で形成された織物が挙げられる。また織物は、一重織物に限定されず、二重織物、三重織物等の多重織物であってもよい。
次に、衣類に設ける電極について説明する。電極は、導電部材を備えるものである。導電部材として導電層や導電性ファブリック(導電性組織)が挙げられる。
導電層は、肌と接することにより生体の電気的情報を検知して、電気信号を伝達する層である。導電層は、樹脂と導電性フィラーとを含むことが好ましく、導電性フィラーと伸縮性を有する樹脂を含むことがより好ましく、導電性フィラーとエラストマーとを含むことが更に好ましい。導電層は、例えば各成分を有機溶剤に溶解または分散させた組成物(以下、導電性ペーストということがある)を用いて形成できる。導電層は、シート状であることが好ましく、導電性フィラーと伸縮性を有する樹脂を含む導電性組成物から形成されるシート状物であることがより好ましい。
導電層は、導電性フィラーを20質量%以上、98質量%以下含有するものであることが好ましい。導電性フィラーの含量が98質量%以下であることにより、電極の冷感を低減し易くすることができる。そのため、導電性フィラーの含量は、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、更により好ましくは88質量%以下である。一方、導電性フィラーの含量が20質量%以上であることより、導電性を向上しつつ、電極の冷感を向上させ易くすることができる。そのため、導電性フィラーの含量は、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、更により好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。上記含量は、導電層形成用の導電性ペーストの全固形分に対する導電性フィラーの含量(質量%)とも言える。なお導電層は、導電性フィラーの種類や、導電性フィラーの添加量等を変化させた2種類以上の導電層を積層したり、配列させて、複数の導電層を一体化したものであっても構わない。
導電層は、例えば導電性ペーストを所定の基材に印刷することで作製できる。また導電層として、導電性ペーストを所定の基材にコーティングし、必要に応じて所定の形状に切り出したシートを使用することもできる。
導電層は、衣類の肌側面において少なくとも一部露出しており、肌側面における合計露出面積は、5cm以上、100cm以下であることが好ましい。合計露出面積が5cm以上であることにより生体情報を取得し易くすることができる。より好ましくは10cm以上、更に好ましくは15cm以上である。一方、合計露出面積が100cm以下であることにより、導電層の冷感を低減し易くすることができる。より好ましくは60cm以下、更に好ましくは30cm以下である。
導電性フィラーとしては、例えば、金属粉、金属ナノ粒子、金属粉以外の導電材料などを用いることができる。導電性フィラーは、1種でもよいし、2種以上でもよい。金属粉としては、例えば、銀粉、金粉、白金粉、パラジウム粉等の貴金属粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、真鍮粉等の卑金属粉、卑金属やシリカ等の無機物からなる異種粒子を銀等の貴金属でめっきしためっき粉、卑金属と銀等の貴金属で合金化した合金化卑金属粉等が挙げられる。これらの中でも、銀粉および/または銅粉が好ましく、低コストで、高い導電性を発現させることができる。銀粉および/または銅粉は、導電性フィラーとして用いる金属粉の主成分であることが好ましく、主成分とは、合計で50質量%以上を意味する。金属ナノ粒子としては、上述した金属粉のうち、粒子径が数ナノ〜数十ナノの粒子が挙げられる。
金属粉以外の導電材料としては、例えば、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素系材料が挙げられる。金属粉以外の導電材料は、表面に、メルカプト基、アミノ基、ニトリル基を有するか、表面が、スルフィド結合および/またはニトリル基を含有するゴムで表面処理されていることが好ましい。一般に、金属粉以外の導電材料自体は凝集力が強く、アスペクト比が高い金属粉以外の導電材料は、樹脂中への分散性が悪くなるが、表面にメルカプト基、アミノ基またはニトリル基を有するか、スルフィド結合および/またはニトリル基を含有するゴムで表面処理されていることによって、樹脂に対する親和性が増して、分散し、有効な導電性ネットワークを形成でき、高導電性を実現できる。導電性フィラーに占める金属粉以外の導電材料の割合は、20体積%以下が好ましく、より好ましくは15体積%以下、更に好ましくは10体積%以下である。金属粉以外の導電材料の含有割合が多すぎると、樹脂中に均一に分散させ難くなることがあり、また一般に上述のような金属粉以外の導電材料は高価であることからも、上記範囲に使用量を抑えることが好ましい。
伸縮性を有する樹脂としては、例えば、硫黄原子を含有するゴムおよび/またはニトリル基を含有するゴムを少なくとも含むことが好ましくい。硫黄原子やニトリル基は、導電性フィラー(特に、金属粉)との親和性が高く、またゴムは伸縮性が高いため、電極および配線の10%伸長時にかかる単位幅当りの荷重を低減でき、伸長時にもクラック等の発生を回避できる。また、電極および配線が伸長されても導電性フィラーを均一な分散状態で保持できるため、20%伸長時における電気抵抗の変化倍率を小さくすることができ、優れた導電性を発現させることができる。また、電極および配線の厚みを薄くしても、優れた導電性を発現させることができる。これらの中でも、ニトリル基を含有するゴムがより好ましく、20%伸長時における電気抵抗の変化倍率を一段と低減できる。
硫黄原子を含有するゴムとしては、硫黄原子を含有するゴムの他、エラストマーでもよい。硫黄原子は、ポリマーの主鎖のスルフィド結合やジスルフィド結合、側鎖や末端のメルカプト基などの形で含有される。硫黄原子を含有するゴムとしては、例えば、メルカプト基、スルフィド結合またはジスルフィド結合を含有する、ポリサルファイドゴム、ポリエーテルゴム、ポリアクリレートゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。特に、メルカプト基を含有する、ポリサルファイドゴム、ポリエーテルゴム、ポリアクリレートゴム、シリコーンゴムが好ましい。硫黄原子を含有するゴムとして用いることのできる市販品としては、例えば、液状多硫化ゴムである東レ・ファインケミカル製の「チオコール(登録商標)LP」等が好ましく挙げられる。硫黄原子を含有するゴム中の硫黄原子の含有量は、10〜30質量%が好ましい。また、硫黄原子を含有しないゴムとして、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(S−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(S−メルカプトブチレート)、メルカプト基含有シリコーンオイルなどの硫黄含有化合物を配合した樹脂を用いることもできる。
ニトリル基を含有するゴムとしては、ニトリル基を含有するゴムの他、エラストマーでもよい。特に、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であるアクリロニトリルブタジエン共重合体ゴムが好ましく挙げられる。ニトリル基を含有するゴムとして用いることのできる市販品としては、日本ゼオン製のNipol(登録商標)1042、Nipol(登録商標)DN003等が好ましく挙げられる。ニトリル基を含有するゴム中のニトリル基量(特に、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム中のアクリロニトリル量)は、18〜50質量%が好ましく、より好ましくは20〜45質量%、更に好ましくは28〜41質量%である。特に、アクリロニトリルブタジエン共重合体ゴム中の結合アクリロニトリル量が多くなり過ぎると、導電性フィラー、特に、金属粉との親和性は増大するが、伸縮性に寄与するゴム弾性は逆に減少する。
導電層を形成する伸縮性を有する樹脂は、1種でもよいし、2種以上でもよい。即ち、導電層を形成する伸縮性を有する樹脂は、硫黄原子を含有するゴムおよびニトリル基を含有するゴムのみで構成されることが好ましいが、導電性、伸縮性、導電層形成時の塗布性などを損なわない範囲で、硫黄原子を含有するゴムおよびニトリル基を含有するゴム以外に、伸縮性を有する樹脂を含んでいてもよい。伸縮性を有する他の樹脂を含む場合、全樹脂中、硫黄原子を含有するゴムおよびニトリル基を含有するゴムの合計量は、95質量%以上が好ましく、より好ましくは98質量%以上、更に好ましくは99質量%以上である。導電層に占める伸縮性を有する樹脂(換言すれば、導電層形成用の導電性ペーストの全固形分における伸縮性を有する樹脂固形分)の含量は、2質量%以上、80質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上、60質量%以下、更に好ましくは12質量%以上、30質量%以下である。伸縮性を有する樹脂の含量が2質量%以上であると伸縮性が向上し、80質量%以下であると電極の冷感を向上し易くすることができる。
導電層は、上述した各成分を有機溶剤に溶解または分散させた組成物(導電性ペースト)を用い、後述する第一絶縁層上に直接形成するか、所望のパターンに塗布または印刷して塗膜を形成し、該塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させて乾燥させることによって形成できる。導電層は、導電性ペーストを離型シート等の上に塗布または印刷して塗膜を形成し、該塗膜に含まれる有機溶剤を揮散させて乾燥させることによって予めシート状の導電層を形成しておき、それを所望のパターンで後述する第一絶縁層上に積層して形成してもよい。導電性ペーストは、粉体を液体に分散させる従来公知の方法を採用して調製すればよく、伸縮性を有する樹脂中に導電性フィラーを均一に分散することによって調製できる。例えば、金属粉、金属ナノ粒子、金属粉以外の導電材料などと、樹脂溶液を混合した後、超音波法、ミキサー法、3本ロールミル法、ボールミル法などで均一に分散すればよい。これらの手段は、複数を組み合わせて用いることができる。導電性ペーストを塗布または印刷する方法は特に限定されないが、例えば、コーティング法、スクリーン印刷法、平版オフセット印刷法、インクジェット法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、スタンピング法、ディスペンス法、スキージ印刷などの印刷法などを採用できる。
導電層の目付は、300g/m以上、500g/m以下であることが好ましい。導電層の目付が500g/m以下であることにより、導電層の冷感を低減し易くすることができる。目付は、より好ましくは450g/m以下、更に好ましくは420g/m以下である。一方、導電層の目付が300g/m以上であることにより、導電層の冷感を向上し易くすることができる。そのため導電層の目付は、より好ましくは350g/m以上、更に好ましくは370g/m以上である。
導電層の乾燥膜厚は、10〜150μmが好ましく、より好ましくは20〜130μm、更に好ましくは30〜100μmである。導電層の乾燥膜厚が10μm以上であることにより、電極および配線が、繰り返し伸縮を受けても劣化し難くなり、導通が阻害ないし遮断され難くなる。一方、導電層の乾燥膜厚が150μm以下であることにより、伸縮性が向上して着心地が向上し易くなる。
導電性ファブリックとして、具体的には、基材繊維に導電性高分子を被覆した繊維や、銀、金、銅、ニッケル等の導電性金属により表面を被覆した繊維等の導電性繊維;導電性金属の微細線からなる導電糸や、導電性金属の微細線と非導電性繊維とを混紡した導電糸等の導電糸;等からなる織物、編物、または不織布が挙げられる。これら導電性繊維や導電糸は1種類のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。また導電糸を非導電性の布帛に刺繍したものを導電性ファブリックとして用いてもよい。
導電性ファブリックは、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上、60%以下であることが好ましい。伸長率が3%以上であると、電極が衣類の生地の動きに追従し易くなり、生地の電極の剥がれを回避し易くすることができる。そのため伸長率は、3%以上が好ましく、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上である。一方、伸長率が60%以下であると、電極の伸び過ぎを回避することができ、生体情報の精度を向上し易くすることができる。そのため、上記伸長率は、60%以下が好ましく、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下である。伸長率は、身丈方向または身幅方向で上記範囲を満足することが好ましく、身丈方向および身幅方向の両方において上記範囲を満足することがより好ましい。
電極は、生地の肌側面に形成された後記する第一絶縁層と、第一絶縁層の肌側面に形成された導電層とを有するものであることが好ましい。但し、電極は、生地の肌側面に直接導電層を形成することにより、生地の肌側面に形成されていてもよい。
衣類は、電極の他、該電極と、該電極で取得した電気信号を演算する機能を有する電子ユニット等とを接続する配線を有することが好ましい。配線は、生地の肌側面に形成された第一絶縁層と、第一絶縁層の肌側面に形成された導電層と、導電層の肌側面に形成された第二絶縁層とを有するものであることが好ましい。以下、第一絶縁層、第二絶縁層について具体的に説明する。
(第一絶縁層)
第一絶縁層は、絶縁層として作用する他、電極および配線の導電層を生地に形成するための接着層として作用すると共に、着用時に第一絶縁層が積層された生地の反対側(即ち、衣類の外側)からの水分が導電層に達することを防ぐ止水層としても作用する。また、導電層の衣類側に第一絶縁層を設けることによって、第一絶縁層が、生地の伸びを抑制し、導電層が過度に伸長されるのを防ぐことができる。その結果、第一絶縁層にクラックが発生することを防止できる。これに対し、上述したように、導電層は、良好な伸長性を有するものであるが、生地が導電層の伸長性を超えた伸び性に富む素材の場合、生地表面に導電層を直接形成すると、生地の伸びに追随して導電層が伸ばされ過ぎ、その結果、導電層にクラックが発生すると考えられる。
第一絶縁層は、絶縁性を有する樹脂で構成すればよく、樹脂の種類は特に制限されない。樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステルエラストマー等を好ましく用いることができる。これらの中でも、ポリウレタン系樹脂がより好ましく、導電層との接着性が一層良好となる。第一絶縁層を構成する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。第一絶縁層の形成方法は特に限定されないが、例えば、絶縁性を有する樹脂を、溶剤(好ましくは水)に溶解または分散させて、離型紙または離型フィルム上に塗布または印刷し、塗膜を形成し、該塗膜に含まれる溶剤を揮発させて乾燥させることによって形成できる。また、市販されている樹脂シートまたは樹脂フィルムを用いることもできる。
第一絶縁層の平均膜厚は10〜200μmが好ましい。第一絶縁層が薄すぎると、絶縁効果および伸び止め効果が不充分になることがある。従って第一絶縁層の平均膜厚は10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上である。しかし、第一絶縁層が厚すぎると、電極および配線の伸縮性が阻害されることがある。また、電極および配線が分厚くなりすぎ、着心地が悪くなるおそれがある。従って第一絶縁層の平均膜厚は200μm以下が好ましく、より好ましくは180μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
(第二絶縁層)
配線は、導電層の上に、第二絶縁層が形成されてなるものであることが好ましい。第二絶縁層を設けることによって、例えば、雨、雪、汗などの水分が導電層に接触することを防止できる。第二絶縁層を構成する樹脂としては、上述した第一絶縁層を構成する樹脂と同様のものが挙げられ、好ましく用いられる樹脂も同じである。第二絶縁層を構成する樹脂も、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。第二絶縁層を構成する樹脂は、第一絶縁層を構成する樹脂と、同じであってもよいし、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。同じ樹脂を用いることによって、導電層の被覆性および配線の伸縮時における応力の偏りによる導電層の損傷を低減できる。第二絶縁層は、第一絶縁層と同じ形成方法で形成できる。また、市販されている樹脂シートまたは樹脂フィルムを用いることもできる。
第二絶縁層の平均膜厚は10〜200μmが好ましい。第二絶縁層が薄すぎると、繰り返し伸縮したときに劣化しやすく、絶縁効果が不充分になることがある。従って第二絶縁層の平均膜厚は10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは40μm以上である。しかし、第二絶縁層が厚すぎると、配線の伸縮性が阻害され、また配線の厚みが厚くなりすぎて着心地が悪くなる虞がある。従って第二絶縁層の平均膜厚は200μm以下が好ましく、より好ましくは180μm以下、更に好ましくは150μm以下である。
電極および配線は、10%伸長時にかかる単位幅当りの荷重が、100N/cm以下であることが好ましい。10%伸長時にかかる単位幅当りの荷重が100N/cmを超えると、電極および配線の伸長が、生地の伸長に追従し難くなり、衣類を着用したときの着心地を阻害することがある。従って10%伸長時にかかる単位幅当りの荷重は、100N/cm以下が好ましく、より好ましくは80N/cm以下、更に好ましくは50N/cm以下である。
電極および配線は、20%伸長時における電気抵抗の変化倍率が5倍以下であることが好ましい。20%伸長時における電気抵抗の変化倍率が5倍を超えると、導電性の低下が著しくなる。従って20%伸長時における電気抵抗の変化倍率は5倍以下であることが好ましく、より好ましくは4倍以下、更に好ましくは3倍以下である。
電極と配線は、異なる材料で構成されていてもよいが、同じ材料で構成されていることが好ましい。電極と配線を同じ材料で構成する場合は、配線の幅は1mm以上とすることが好ましく、より好ましくは3mm以上、更に好ましくは5mm以上である。配線幅の上限は特に限定されないが、例えば、10mm以下とすることが好ましく、より好ましくは9mm以下、更に好ましくは8mm以下である。
電極および配線は、衣類を構成する生地に直接形成することが好ましい。電極および配線を生地に形成する方法としては、電極および配線の伸縮性を妨げない方法であれば特に限定されず、着用時の身体へのフィット性や運動時、動作時の追従性などの観点から、例えば、接着剤による積層や熱プレスによる積層など、公知の方法が採用できる。接着剤による積層や熱プレスによる積層を行う場合、生地には、シリコン系柔軟剤やフッ素系撥水剤のように、接着性を損なう材料が付着していないことが好ましい。生地に付着しているシリコン系柔軟剤やフッ素系撥水剤などの量は、生地の染色加工工程において精練処理による弾性糸等に用いられているシリコン系柔軟剤を除去したり、生地の仕上げセット時に用いる加工剤の種類を選定するなどの方法によって、調整できる。
電極は、衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けられていることが好ましい。電極を、衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けることによって、生体情報を精度良く測定できる。電極は、衣類のうち、着用者の第七肋骨上端と第九肋骨下端との間の肌に接触する領域に設けることがより好ましい。電極は、衣類のうち、着用者の左右の後腋窩線に平行な線であって、着用者の後腋窩線から着用者の背面側に10cm離れた場所に引いた線同士で囲まれる着用者の腹側の領域に設けることが好ましい。電極は、着用者の胴回りに沿って、円弧状に設けることが好ましい。衣類に設ける電極の数は、少なくとも2つであり、2つの電極を、衣類の胸郭部または胸郭下腹部に設けることが好ましく、2つの電極を、着用者の左右の後腋窩線に平行な線であって、着用者の後腋窩線から着用者の背面側に10cm離れた場所に引いた線同士で囲まれる着用者の腹側の領域に設けることが好ましい。この領域は比較的冷感に敏感な部位であるため、衣類に比べて冷感を感じやすい電極は違和感を感じやすいが、本発明の生地では電極と生地との冷感差が低減されているため、違和感を殆ど感じず快適に着用することができる。なお、電極を3つ以上設ける場合は、3つ目以降の電極を設ける位置は特に限定されず、例えば、後身頃生地に設けてもよい。
電極面の電気抵抗値は、1000Ω/cm以下が好ましく、より好ましくは300Ω/cm以下、更に好ましくは200Ω/cm以下、特に好ましくは100Ω/cm以下である。特に、電極の形態がシート状の場合は、電極面の電気抵抗値を、通常、300Ω/cm以下に抑えることができる。
電極の形態は、シート状が好ましい。電極をシート状にすることによって、電極面を広くできるため、着用者の肌との接触面積を確保できる。シート状の電極は、曲げ性が良好であるものが好ましい。また、シート状の電極は、伸縮性を有するものが好ましい。シート状の電極の大きさは、身体からの電気信号を計測できれば特に限定されないが、電極面の面積は5〜100cmであり、電極の平均厚みは10〜500μmが好ましい。電極面の面積は、より好ましくは10cm以上、更に好ましくは15cm以上である。電極面の面積は、より好ましくは90cm以下、更に好ましくは80cm以下である。電極が薄すぎると導電性が不充分になることがある。従って平均厚みは10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。しかし、厚くなり過ぎると、着用者に異物感を感じさせ、不快感を与えることがある。従って平均厚みは500μm以下が好ましく、より好ましくは450μm以下、更に好ましくは400μm以下である。電極の形状は、電極を配置する位置に相当する身体の曲線に沿い、且つ身体の動きに追随して密着しやすい形状であれば特に限定されず、例えば、四角形、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。電極の形状が多角形の場合は、頂点に丸みを付け、肌を傷付けないようにしてもよい。
配線は、導電性繊維または導電性糸を用いて形成してもよい。導電性繊維または導電性糸としては、絶縁物である繊維表面に金属をメッキしたもの、細い金属線を糸に撚り込んだもの、導電性の高分子をマイクロファイバーなどの繊維間に含浸させたもの、細い金属線等を用いることができる。配線の平均厚みは、10〜500μmが好ましい。厚みが薄すぎると導電性が不充分になることがある。従って平均厚みは10μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。しかし、厚みが厚くなり過ぎると、着用者に異物感を感じさせ、不快感を与えることがある。従って平均厚みは500μm以下が好ましく、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下である。配線の形状は特に限定されず、直線、曲線の他、冗長性を有する幾何学パターンであってもよい。冗長性を有する幾何学パターンとしては、例えば、ジグザグ状、連続馬蹄状、波状などが挙げられる。冗長性を有する幾何学パターンの電極は、例えば、金属箔を用いて形成できる。
衣類は、電極が形成されていればその形態は特に限定されず、例えば、肌着、帯状物等が好ましい。また衣類は、胸部、手部、脚部、足部、頸部、または顔部のいずれかを少なくとも覆うものであってもよい。
肌着として、上半身用の肌着、または下半身用の肌着が好ましい。上半身用の肌着として、Tシャツ、ポロシャツ、キャミソール、ブラジャー、スポーツインナー、病衣、寝間着等が挙げられる。下半身用の肌着として、パンツ、スポーツインナー、病衣、寝間着等が挙げられる。
帯状物として、ベルトが挙げられ、具体的には、胸部用ベルト、腹部用ベルト等が挙げられる。
衣類は、生地の肌側面とは反対側の表面に、電子ユニットとの接続に用いる留め金を備えることが好ましい。留め金は、いわゆるホックであり、例えばステンレススチール製のホックが挙げられる。留め金を介して、導電層と電子ユニットとを電気的に接続することができる。
電子ユニット等は、衣類に着脱できることが好ましい。電子ユニット等は、更に、表示手段、記憶手段、通信手段、USBコネクタなどを有することが好ましい。電子ユニット等は、例えば、気温、湿度、気圧などの環境情報を計測できるセンサーや、GPSを用いた位置情報を計測できるセンサーなどを備えてもよい。
衣類を用いることにより、人の心理状態や生理状態を把握する技術への応用もできる。例えば、リラックスの度合いを検出してメンタルトレーニングしたり、眠気を検出して居眠り運転を防止したり、心電図を計測してうつ病やストレス診断等を行うことができる。
本願は、2019年3月29日に出願された日本国特許出願第2019−067965号に基づく優先権の利益を主張するものである。2019年3月29日に出願された日本国特許出願第2019−067965号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
繊度:単糸繊度は、JIS L 1013(2010)8.3.1 A法に基づいて、正量繊度を測定して総繊度とし、それを単繊維数で除することにより単糸繊度を求めた。
目付:JIS L 1096(2010) 8.3.2に規定されている「標準状態における単位面積当たりの質量」に準拠して測定した。
比熱、熱容量:以下の条件の温度変調示差走査熱量測定(温度変調DSC)法により、経編物と導電層の比熱、熱容量を測定した。詳細には、まず各経編物をそれぞれ細かく切り刻み5mgずつ採取した。一方、導電層は数mm角に切り取り5mgを採取した。得られたそれぞれの試料を容器に詰めた。その後、標準物質としてサファイアを用い、装置のキャリブレーションを行ってから各試料の比熱と熱容量を測定した。
測定装置: TA instruments社製 Q100
温度領域:0℃〜50℃
昇温温度:2℃/分
温度変調周期:60秒
温度変調振幅:0.32℃
実施例1
表1に示す質量割合で、高分子量ポリエチレン糸(東洋紡株式会社製 イザナス タイプSK60 55T/43f)、ナイロン6糸(44T/40f)、スパンデックス糸(78T)をそれぞれ用いてトリコット編により製編して経編物を得た。なおTはdtexを意味し、fはフィラメントを意味し、例えば表55T43fは43フィラメントにより形成されたマルチフィラメント糸であって、総繊度が55dtexである糸を意味する。
実施例2
表1に示す質量割合で、高分子量ポリエチレン糸(55T/43f)、ナイロン6糸(44T/40f)、スパンデックス糸(78T)をそれぞれ用いてトリコット編により製編して経編物を得た。
実施例3
表1に示す質量割合で、高分子量ポリエチレン糸(55T/43f)、ポリエチレンテレフタレート糸(56T/24f)、スパンデックス糸(78T)をそれぞれ用いてトリコット編により製編して経編物を得た。
比較例1
表1に示す質量割合で、ナイロン6糸(44T/40f)、スパンデックス糸(78T)をそれぞれ用いてトリコット編により製編して経編物を得た。
比較例2
表1に示す質量割合で、高分子量ポリエチレン糸(55T/43f)、ポリエチレンテレフタレート糸(56T/24f)、スパンデックス糸(78T)をそれぞれ用いてトリコット編により製編して経編物を得た。
それぞれの経編物の比熱、熱容量、目付を上記条件により測定した。その結果を表1に示す。
更に、ニトリルゴム(日本ゼオン社製のNipol(登録商標)DN003)10質量部をイソホロン90質量部に溶解し、NBR溶液を作製した。得られたNBR溶液100質量部に銀粒子(DOWAエレクトロニクス製の「凝集銀粉G−35」、平均粒子径5.9μm)55質量部を配合し、3本ロールミルにて混練して導電性ペーストを得た。得られた導電性ペーストを離型シートの上に塗布し、120℃の熱風乾燥オーブンで30分以上乾燥することによって、離型シート付き導電層を作製した。上記離型シートを剥がした導電層の比熱、熱容量、目付を上記条件により測定した。その結果を表1に示す。
(電極および配線の作製)
上記離型シート付き導電層の導電層側の表面にポリウレタンホットメルトシートを貼り合わせて、ホットプレス機を用い、圧力0.5kgf/cm、温度130℃、プレス時間20秒の条件で積層し、上記離型シートを剥がしてポリウレタンホットメルトシート付きシート状導電層(長さ12cm、幅2cm)を得た。
別途、長さ13cm、幅2.4cmのポリウレタンホットメルトシートを用意し、その上に、上記ポリウレタンホットメルトシート付きシート状導電層(長さ12cm、幅2cm)のポリウレタンホットメルトシート側をポリウレタンホットメルトシートに向けて、長さ方向の一端を揃えて積層した。なお、これらのポリウレタンホットメルトシートは第一絶縁層に相当する。
次に、第一絶縁層と導電層の一部を覆うように、長さ5cm、幅2.4cmの領域に、第一絶縁層と同じポリウレタンホットメルトシートを端から2cm離れた部分から積層することにより、第二絶縁層を導電層の上に形成した。即ち、一端部側に導電層が露出した長さ2cm×幅2cmの電極(デバイス接続部)、第一絶縁層/導電層/第二絶縁層の積層構造を有する配線部、他端部側に導電層が露出した長さ5cm×幅2cmの電極(検出部)がこの順に長手方向に配置された伸縮性電極パーツを作製した。得られた伸縮性電極パーツを、第一絶縁層側を経編物の肌側面に向けて貼り付けた。
次に、実施例1〜3、比較例1、2のそれぞれの経編物により構成されたTシャツの肌側面の所定位置に、上記伸縮性電極パーツを2枚、左右対称になるように貼り付けることにより、電極と配線が形成されたTシャツを得た。更に肌側面とは反対側の表面にユニオンツール社製の電子ユニット(My Beat WHS−2)を取り付けて電子ユニット付Tシャツを作製した。前身頃生地に設けた電極の数は2つとし、検出用の電極2個の電極面の合計面積は20cm、電極の平均厚みは90μmであった。それぞれ得られた電子ユニット付Tシャツを被験者に着用させて着用時の不快感の評価を行った。
実施例1〜3の経編物を用いた電子ユニット付Tシャツでは、導電層と経編物の冷感の差が少なく、着用時の不快感は認められなかった。
一方、比較例1の経編物を用いた電子ユニット付Tシャツでは、着用時の導電層の冷感が高く、導電層と経編物の冷感差が生じてしまったため着用時に不快感が認められた。
更に、比較例2の経編物を用いた電子ユニット付Tシャツでは、経編物の冷感が高く、導電層と経編物の冷感差が生じてしまったため着用時に不快感が認められた。
Figure 0006772403
更に、上記実施例1で得られた経編物を用いて図1(a)、(b)に示すタブ付きTシャツを作製した。図1(a)は、タブ付きTシャツの正面図、図1(b)は、タブ付きTシャツの背面図を示す。図1(a)、(b)の電極支持部4には、図2に示す電極部61が設けられており、以下の手順にて作製した。
上記実施例1で得られた経編物100mm×42mmの肌側面上に、上記実施例1と同じ組成の導電層、絶縁層を用いて短径22mm×長径32mmの楕円形状となるように電極を形成し、電極部61付き生地を形成した。次に、図2に示すように前身頃3と後身頃9との縫合部14において、袋綴じの状態で電極部61付き生地を縫い付けて、電極支持部4を形成した。なお縫合部14と電極部61端の最短距離は5mmとした。更に電極部61から縫合部14まで銀コート紙をジグザグに刺繍して配線とし、配線に重なるように前身頃3と後身頃9の脇腹部分の縫い目から、袖と後身頃9の縫い目を経由し、前身頃3と後身頃9の肩部分の縫い目を利用して後頸部まで銀コート糸の配線を引いた。その後、後頸部に接続用のスナップホックを形成して配線と接続し、脱着式電子ユニットをスナップホックに接続して、タブ付きTシャツの生体情報計測用衣類を得た。得られたタブ付きTシャツの生体情報計測用衣類を被験者に着用させて着用時の不快感の評価を行った。電極が位置する脇下部分は冷感を感じ易い部分にも関わらず、電極と生地の冷感差に伴う不快感は生じなかった。
3 前身頃
4 電極支持部
6 襟周り
9 後身頃
14 縫合部
21 袖部
61 電極部

Claims (12)

  1. 生地と、前記生地の肌側面側に形成されている電極とを備える衣類であって、
    前記生地の肌側面のうち30cm以上は前記電極に覆われておらず露出しており、
    前記電極は導電部材を備え、前記導電部材の熱容量A(J/K)と前記生地の熱容量B(J/K)は下記式(1)を満たすことを特徴とする衣類。
    −12(J/K)≦A−B≦60(J/K) ・・・(1)
  2. 前記生地の熱容量B(J/K)は、230(J/K)以上、300(J/K)以下である請求項1に記載の衣類。
  3. 前記導電部材の熱容量A(J/K)は、250(J/K)以上、350(J/K)以下である請求項1または2に記載の衣類。
  4. 前記生地の目付は230g/m以下である請求項1〜3のいずれかに記載の衣類。
  5. 前記生地は、弾性糸と非弾性糸を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の衣類。
  6. 前記非弾性糸は、ポリエチレンマルチフィラメント糸を含むものである請求項5に記載の衣類。
  7. 前記生地100質量%における前記ポリエチレンマルチフィラメント糸の混率は、2質量%以上、18質量%以下である請求項6に記載の衣類。
  8. 前記導電部材は、導電層であり導電性フィラーを20質量%以上、98質量%以下含有するものである請求項1〜7のいずれかに記載の衣類。
  9. 前記導電部材が、導電性ファブリックで構成されており、前記導電性ファブリックは、身丈方向または身幅方向に14.7Nの荷重をかけたときに、少なくとも一方の伸長率が3%以上、60%以下である請求項1〜8のいずれかに記載の衣類。
  10. 上半身用の肌着である請求項1〜9のいずれかに記載の衣類。
  11. 下半身用の肌着である請求項1〜9のいずれかに記載の衣類。
  12. 帯状物である請求項1〜9のいずれかに記載の衣類。
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