JP2021132556A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Abstract

【課題】ピニオンギアの内周でスプール軸を安定して摺動案内可能であり、部品点数の増加及び大型化することのない支持構造を備えた魚釣用スピニングリールを提供する。【解決手段】魚釣用スピニングリールの駆動機構であるピニオンギア8の前部は、ロータ3を回り止め嵌合する非円形部の外周に形成され締め付け用のナット12を螺合する雄螺子部8bを有する固定領域Lと、スプール軸20の外周を支持する支持部材30を配置した支持領域Rと、を備えている。ピニオンギア8の前端からナット12が螺合される固定領域L、及び、固定領域Lを超えた部分のピニオンギアの径方向内側に隙間嵌合部Sを形成し、支持部材30をスプール軸の前後移動に追随しないように規制する。【選択図】図3

Description

本発明は、ロータ装着部位におけるスプール軸の良好な摺動案内が図れる魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールは、リール本体内の駆動機構に連結されたハンドルの回転操作で駆動回転するピニオンギアの外周に、釣糸案内部を有するロータを一体回転可能に回り止め嵌合固定し、前記ピニオンギアの内側に前後動可能に挿通されるスプール軸の前部に設けたスプールに釣糸を巻回する構成である。前記ピニオンギアの前部外周は、非円形部に形成されると共に雄螺子部が形成されており、この部分にロータの中心基部を回り止め嵌合した後、ナットで締め付け固定される。
このため、ピニオンギアの前部における非円形部と雄螺子部が形成される部位は薄肉となり、ナット締め付け時に大きなトルクが薄肉部分に掛かると径方向内側に変形してピニオンギア内周の真円度に影響を及ぼし、前後動するスプール軸の外周との接触支持状態が不安定になる。
このナットの締め付け時におけるピニオンギア内周の内方への変形を抑制するために、雄螺子部の後方側におけるピニオンギアの内周に別体の滑り軸受を装着し、この滑り軸受の前後動を規制する鍔付きの筒状の規制部材を、ピニオンギアの前端側内周から装着した後にナットのリテーナで抜け止めしたものが知られている(特許文献1)。
特開2001−258438号
上記した公知の構成では、外周に非円形部と雄螺子部が形成されて薄肉厚となったピニオンギアの内周の軸方向エリアに、スプール軸の外周を摺動案内する滑り軸受を配設しているので、ナットの締め付け時におけるピニオンギアが内周変形する影響を十分に防止することができず、回転するピニオンギア内周でスプール軸を安定して摺動案内することができない。また、滑り軸受を筒状の規制部材及びリテーナで軸方向規制する構成のため、部品点数が増えて組み込み作業性が悪く、コスト高になると共に軸方向に大型化し易い。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、ロータが装着される部位において、ピニオンギアの内周でスプール軸を安定して摺動案内可能であり、部品点数の増加及び大型化することのない支持構造を備えた魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、リール本体内の駆動機構に連結されたハンドルの回転操作で駆動回転するピニオンギアの外周に釣糸案内部を有するロータを一体回転可能に回り止め嵌合固定し、ピニオンギアの内側に前後動可能に挿通されるスプール軸の前部に設けたスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、前記ピニオンギアの前部は、前記ロータを回り止め嵌合する非円形部の外周に形成され締め付け用のナットを螺合する雄螺子部を有する固定領域と、前記スプール軸の外周を支持する支持部材を配置した支持領域と、を備えており、前記ピニオンギアの前端からナットが螺合される前記固定領域及び固定領域を超えた部分のピニオンギアの径方向内側に隙間嵌合部を形成し、前記支持部材を前記スプール軸の前後移動に追随しないように規制したことを特徴とする。
上記した構成の魚釣用スピニングリールでは、ピニオンギアの前部の外周に形成された雄螺子部の部分でナットを締め付けてロータを固定する際、雄螺子部が形成された非円形部分は、径方向内側に圧力を受けて変形しようとするが、この部分には、ナットが螺合して締め付けられる固定領域を超えて隙間嵌合部が形成されているので、往復動するスプール軸に対して、ピニオンギアの内周又は支持部材の内周が影響を及ぼすことがなくなり、スプール軸を安定した状態でスムースに摺動案内することができ、製造コストを効率よく低減することが可能となる。
また、上記した目的を達成するために、本発明は、リール本体内の駆動機構に連結されたハンドルの回転操作で駆動回転するピニオンギアの外周に釣糸案内部を有するロータを一体回転可能に回り止め嵌合固定し、ピニオンギアの内側に前後動可能に挿通されるスプール軸の前部に設けたスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、前記ピニオンギアの前部は、前記ロータを回り止め嵌合する非円形部の外周に形成され締め付け用のナットを螺合する雄螺子部を有する固定領域と、前記スプール軸の外周を支持する支持領域と、を備えており、前記ナットが螺合される固定領域の前記ピニオンギアの内周に、前記ピニオンギアより高強度材で形成される補強筒体を嵌合固定したことを特徴とする。
このような構成においても、ピニオンギアの前部の外周に形成された雄螺子部の部分でナットを締め付けてロータを固定する際、雄螺子部が形成された非円形部分は、径方向内側に圧力を受けて変形しようとするが、この部分にピニオンギアより高強度の補強筒体が嵌合固定されているので、往復動するスプール軸に影響を及ぼすことがなくなり、スプール軸を安定した状態でスムースに摺動案内することができ、製造コストを効率よく低減することが可能となる。
本発明によれば、ロータが装着される部位において、ピニオンギアの内周でスプール軸を安定して摺動案内可能であり、部品点数の増加及び大型化することのない支持構造を備えた魚釣用スピニングリールが得られる。
本発明に係る魚釣用スピニングリールの一例を示す側面図であり、ロータが装着される部位において、ピニオンギアの内周でスプール軸を支持する支持構造の第1の実施形態を示す図。 図1の主要部を拡大した図。 図1及び図2のAで示す部分の拡大図。 スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第1の変形例を示す図。 スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第2の変形例を示す図。 (a)は、スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第3の変形例を示す図、(b)は、第4の変形例を示す図。 スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第5の変形例を示す図。 (a)は、ロータが装着される部位において、ピニオンギアの内周でスプール軸を支持する支持構造の第2の実施形態を示す図、(b)は、図(a)の主要部の拡大図。 ピニオンギアに挿通されるスプール軸の実施形態を示す図であり、(a)は、斜視図、(b)は、断面図。 (a)は、スプール軸の変形例を示す図、(b)は、別の変形例を示す図。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について具体的に説明する。
最初に図1及び図2を参照して魚釣用スピニングリールの構成について説明する。
本実施形態に係る魚釣用スピニングリール(以下、リールと称する)1のリール本体1Aには、釣竿に装着されるリール脚2が一体形成されており、その前方には、回転可能に支持されたロータ3と、ロータ3の回転運動と同期して前後動可能に支持されたスプール4とが配設されている。
前記ロータ3は、スプール4の周囲を回転する一対(図1には一方だけが図示されている)の腕部3aを備えており、各腕部3aの夫々の前端部には、ベール3bの基端部を取り付けたベール支持部材3cが釣糸巻取り位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されている。なお、ベール3bの一方の基端部は、ベール支持部材3cに一体的に設けられた釣糸案内部3dに取り付けられている。
リール本体1内には、ハンドル軸5が回転可能に支持されており、その突出端部には、ハンドル6が取り付けられている。また、ハンドル軸5には、駆動機構10が係合しており、この駆動機構10は、ハンドル軸5に一体回転可能に装着された駆動ギア7と、この駆動ギア7に噛合する歯部8aを有する共にハンドル軸5と直交する方向に延出し且つ内部に軸方向に延在する空洞部が形成されたピニオンギア8とを備えている。
前記ピニオンギア8は、歯部8aの前側と後側とがそれぞれ、リール本体1Aの支持部に嵌合支持された一対の軸受9a,9bにより、リール本体1内に回転可能に支持されている。また、ピニオンギア8はスプール4側に向けて延出しており、ピニオンギア8の先端部には、ロータ3が回り止め嵌合されて、締め付け用のナット12を介して一体回転可能に取り付けられている。
前記歯部8aの前側に配置した軸受9bの前方側のピニオンギア8上には、逆転防止機構を構成する公知の一方向クラッチ15が取り付けられている。一方向クラッチ15は、公知のように、ピニオンギア8の外面に回り止め嵌合される内輪15a、外輪15b、内輪15aと外輪15bとの間に保持される転がり部材15c、転がり部材15cを保持する保持器15dを備えており、保持器15dに係合し、リール本体1Aの外部に設けられた切換操作レバー16を回動操作することで一方向クラッチ15を作動させ、ハンドル6(ロータ3)の釣糸繰出し方向の回転(逆回転)を防止するようになっている。
前記ピニオンギア8の内部に形成された空洞部(ピニオンギア8の内周面8Aによって形成される空洞部)には、ハンドル軸5と直交する方向に延出し、先端側にスプール4を装着したスプール軸20が軸方向に移動可能に挿通されている。このスプール軸20の後端には、スプール4(スプール軸20)を前後往復動させるための公知のスプール往復動装置40が係合している。
このような構成を有するリールにおいて、ハンドル6により巻き取り操作を行うと、ロータ3が前記駆動機構10を介して回転駆動される共に、スプール4がスプール往復動装置40を介して前後往復動されるので、釣糸は、釣糸案内部3dを介してスプール4の巻回胴部4aに均等に巻回される。
次に、図1から図3を参照して、前記ロータ3が装着される部位において、ピニオンギア8の内周でスプール軸20を支持する支持構造について説明する。
前記ピニオンギア8の前部は、ロータ3を回り止め嵌合するように、断面小判形等に形成された非円形部を備えており、その非円形部の外周には、前記締め付け用のナット12を螺合する雄螺子部8bが形成されている。すなわち、ロータ3の中央部分(中央基部3A)には、ピニオンギア8の非円形部に回り止め嵌合する貫通孔3fが形成されており、この貫通孔3fにピニオンギア8を挿通させてナット12を締め付けることで、ロータ3はピニオンギア8に対して固定される。
なお、本発明において、この雄螺子部8bが形成されている領域(図3で示す軸方向の領域)を固定領域Lと定義する。前記ロータ3の中央基部3Aに形成された貫通孔3fをピニオンギア8の先端側に嵌め、ロータ3が前記一方向クラッチ15の内輪15aに当て付いた状態で位置決めが成され、この状態でナット12を締め付けることでロータ3の固定がなされる。この際、固定領域Lには、ナット12の締め付け固定によって薄肉厚となった非円形部に径方向内方への応力が作用する。
前記ピニオンギア8の内部に形成された空洞部に挿通されるスプール軸20は、摺動抵抗を軽減するために、ピニオンギア8の内周面8Aとできるだけ接触しないように支持されている。具体的にスプール軸20は、ピニオンギア8の中間部分において、非接触状態(隙間Gが生じる状態)となるように支持されており、スプール軸20の先端側は、ピニオンギア8の先端側に圧入された支持部材30によって支持された状態となっている(スプール軸の後端側の支持態様は後述する)。
本発明において、スプール軸20の先端側が支持部材30によって支持される領域(図3で示す軸方向の領域)を支持領域Rと定義する。
前記ピニオンギア8の前端からナット12が螺合される前記固定領域Lを超えた部分のピニオンギア8の径方向内側には、隙間嵌合部Sが形成されている。本実施形態では、前記ピニオンギア8の前端側に圧入される支持部材30は、その内周面の全体がスプール軸20の外周面と接触する構成となっており、先端側に小径部30aが形成され、この部分をピニオンギア8の先端側に形成された環状凹所8cに圧入するように構成している。すなわち、ピニオンギア8の先端側には、軸方向内側に小径の環状凹所8cが形成されると共に、軸方向外側にそれよりも大径の環状凹所8dが連続形成されており、両凹所の境界となる段部8eに支持部材30の小径部30aによる段部30bを当て付けることで、支持部材30は、小径部30aが環状凹所8cに圧入固定され、かつ、環状凹所8dの内周面との間に、前記隙間嵌合部Sを形成するようにしている。
この場合、環状凹所8dの軸方向長さを、前記雄螺子部8bが形成されている固定領域Lよりも長く形成することで、図3に示すように、ナット12を締め付けた際、その締め付ける領域よりも軸方向内側に長くなった部分W(固定領域L及び固定領域Lを超えた部分で隙間領域を構成する)まで隙間嵌合部Sが形成されて、ピニオンギア8のナット12の締付時に生じる径方向内方への変形を許容するようになる。
すなわち、本実施形態では、隙間嵌合部Sを、ピニオンギア8の前部の内周面とピニオンギアに圧入される支持部材30の外周面との間で形成するようにしている。
また、スプール軸20は、ピニオンギア8の空洞部内で前後に往復駆動されるため、前記支持部材30は、スプール軸20の前後移動に追随しないように規制される。本実施形態では、支持部材30の開口端にフランジ(鍔部)30cを形成しており、支持部材30の小径部30aをピニオンギア8の環状凹所8cに圧入固定する際、フランジ30cがピニオンギア8の先端縁に当て付くようにしている。
このような小径部30aのピニオンギア8の環状凹所8cに対する圧入固定、及び、フランジ30cによって、支持部材30は、スプール軸20が前後移動してもそれに追随しないように規制される。
上記した構成によれば、ピニオンギア8の前部の外周に形成された雄螺子部8bの部分でナット12を締め付けてロータ3を固定する際、雄螺子部8bが形成された非円形部分(薄肉厚の部分)は、径方向内側に圧力を受けて変形(内方変形)しようとするが、この部分には、隙間嵌合部Sが形成されており、更には、隙間嵌合部Sは、固定領域Lを超える部分Wまで延びているので、内方変形の影響を十分に防止して、往復動するスプール軸20に対してピニオンギア8の内周又は支持部材30の内周がスプール軸20に影響を及ぼすことがなくなる。すなわち、スプール軸20を安定した状態でスムースに摺動案内することができる。また、従来技術のように、軸方向の移動を規制する規制部材を設けないことから、大型化することなく、部品点数を削減して製造コストを効率よく低減することが可能となる。
なお、前記支持部材30には、段部30bを有するように小径部30aを形成したが、このような小径部30aを形成することなくストレート状(円筒状)に形成して、その先端領域をピニオンギア8の環状凹所8cに圧入固定し、環状凹所8dの内周面との間に、隙間嵌合部Sを形成する構成であっても良い(図4参照)。
また、上記した構成では、支持部材30の軸方向の規制を、支持部材30の開口端に形成したフランジ(鍔部)30c、及び、小径部30aの圧入で行なうようにしたが、スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)については、図4に示すように構成することも可能である(第1の変形例)。
この変形例の支持部材31は、端部にフランジを形成することなく、単に、円筒形状に形成してピニオンギア8に圧入するようにしている。
前記支持部材31の軸方向長さは、ピニオンギア8に圧入して環状凹所8cの底に当て付いた際、ピニオンギア8の先端と略同一となるように形成されており、圧入した後は、ナット12の回り止めを防止する公知の回り止めプレート12Aをロータ3の前面にネジ12Bによって固定すると共に、屈曲した底面12Cを支持部材31の開口端面に当て付けることで、支持部材31の軸方向の移動を規制するようにしている。
このような構成によれば、支持部材31にフランジを形成する加工を行なう必要がなくなるため、製造コストを効率よく低減することが可能となる。
図5は、スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第2の変形例を示す図である。
図4に示す支持部材31は、ストレート状に構成され、軸方向の移動の規制を回り止めプレート12Aで行なうようにしたが、図5に示すように、ナット12の表面に、環状壁部(規制壁部)12Dを一体形成しておき、その端部を径方向内側に屈曲させたフランジ部12D´で抜け止めするようにしても良い。
このような構成によれば、部品点数を削減することができる。また、このような構成では、フランジ部12D´は、支持部材30のフランジ30cに当接していても良いし、図に示すように離間していても良い。また、支持部材30には、フランジ30cを形成しなくても良く、更には、図4の構成と同様、段部を形成しない構成であっても良い。
図6の(a)は、スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第3の変形例を示す図である。
この変形例では、隙間嵌合部Sは、支持部材33の前方側のピニオンギア8の内周面(環状凹所8dの内周面)とスプール軸12の外周面との間で形成している。すなわち、隙間嵌合部Sは、ピニオンギア8の前端からナット12が螺合される固定領域Lを超えた部分Wのピニオンギア8の径方向内側にスプール軸12との間で形成されている。本実施形態の支持部材33は円筒状に形成されており、ピニオンギア8の先端側に形成された大径の環状凹所8dを介して、環状凹所8cに圧入するように構成している。
このような構成では、環状凹所8dの軸方向長さは、雄螺子部8bが形成されている固定領域Lよりも長く形成されており、ナット12を締め付けた際、雄螺子部が形成された非円形部分の径方向内方変形の影響を防止できるので、この変形例においても、スプール軸を安定した状態でスムースに摺動案内することができ、製造コストを効率よく低減することが可能となる。
図6の(b)は、第4の変形例を示す図であり、上記した(a)図に示した大径の環状凹所8dを形成することなく、そのまま単一の環状凹所8cにして、支持部材33を、ピニオンギア8の先端開口から内方に挿入して底に当て付けて位置決めする構成を示している。すなわち、ナット12の締付時におけるピニオンギア8の径方向内方への変形による支持部への影響の防止を図りながら、この僅かな径方向への内方変形を利用して支持部材33の軸方向移動を規制するように構成されている。
図7は、スプール軸を支持する支持部材(スプール軸のロータ部分での支持構造)の第5の変形例を示す図である。
この変形例では、前記支持部材33の中間部分に環状の凹部33aが形成されており、支持部材33を圧入固定した際、ピニオンギア8の内周面と部分的に非接触となるように構成している。
このような構成によれば、支持部材の軽量化が図れる。また、ピニオンギア8の回転抵抗を低減することが可能となる。このような環状の凹部33aは、スプール軸20に対向する側に形成しても良い。スプール軸側に形成することで、スプール軸20が前後動する際の摺動抵抗を軽減することが可能となる。
また、上記した支持部材30,31,33の形成材料については限定されることはないが、合成樹脂で形成することで、軽量化を図ることが可能となる。
図8は、本発明の第2の実施形態を示す図であり、(a)は、ロータが装着される部位において、ピニオンギアの内周でスプール軸を支持する支持構造を示す図、(b)は、図(a)の主要部の拡大図である。
本実施形態では、ロータ3を固定するナット12が螺合される固定領域Lのピニオンギア8の内周に、ピニオンギア8より高強度材で形成される補強筒体50を嵌合固定したことを特徴としている。
通常、ピニオンギア8は、真鍮のような金属材料で形成されており、そのようなケースでは、補強筒体50は、それよりも高強度な材料、例えばSUS等で形成することが可能である。
このような構成によっても、上記した実施形態と同様、雄螺子部8bの部分でナット12を締め付けてロータ3を固定する際、雄螺子部8bが形成された非円形部分は、径方向内側に圧力を受けて変形しようとするが、この部分にピニオンギア8より高強度の補強筒体50が嵌合固定されているので、往復動するスプール軸20に影響を及ぼすことがなくなり、スプール軸を安定した状態でスムースに摺動案内することができ、製造コストを効率よく低減することが可能となる。
なお、補強筒体50は、ピニオンギア8の先端開口から圧入されるだけでも良いし、接着されるものであっても良い。また、その先端には、鍔部50aを形成しておき、圧入され状態が安定するようにすることが好ましい。
また、補強筒体50の軸方向規制方法として、図4に示したようなナット12の回り止め12A(一点鎖線で図示)の底面12Cを鍔部50aに当て付けて軸方向規制しても良い。
前記補強筒体50は、螺合部8bが形成される部分(固定領域Lの範囲内)に形成されていれば良いが、その固定領域Lよりもリール本体側の後方に向けて超える位置まで延びていることが好ましい。すなわち、固定領域Lよりも長く形成することで、ナット12を締め付けた際の非円形部の径方向の変形を確実に抑制することが可能となる。
また、前記補強筒体50は、その内面をスプール軸20と接触させてスプール軸20の支持領域としても良いが、上記した実施形態と同様、固定領域Lよりもリール本体側に支持部材37を圧入し、補強筒体50では非接触とし、支持部材37の部分で支持領域Rを構成しても良い。すなわち、支持部材37は、前記固定領域よりもリール本体側の後方に向けて超える位置で補強筒体50と並設させて支持領域を構成しても良い。
このような構成によれば、前記補強筒体50をスプール軸20に対して離間させ、固定領域Lで変形が生じてもスプール軸20に対する影響を確実に防止できると共に、スプール軸20と接触させることなく、スプール軸20を安定して摺動案内することが可能となる。また、支持部材37を樹脂製にすることで、効率的に軽量化を図ることが可能となる。
上記した実施形態において、ピニオンギア8に挿通されるスプール軸20は、上述した特許文献1に開示されているように、摺動抵抗を軽減するために、ピニオンギア8内において、支持領域R以外では非接触となるように構成している。この場合、スプール軸20の後端側は、特許文献1に開示されているように、ピニオンギア8内周の後端領域を小径化して後方支持領域としたり、或いは、図2に示されるように、ピニオンギア8の領域では非接触状態にして、リール本体1Aや、リール本体1Aに配設したカラー1Bに接触させて支持することがある(図2に示されるカラー1Bは、軸受9aを回転可能支持する機能も備えている)。
本発明は、ピニオンギア8の前部の内周側でスプール軸20の外周を支持する支持領域の改良に関するものであり、ピニオンギア8に内挿されるスプール軸20の後方側の支持構成については、特に限定されない。
また、リール本体1Aに回転自在に支持されるピニオンギア8の軸受支持構成(軸受の支持位置や軸受個数等)も限定されない。
このように、スプール軸20を、ピニオンギア8の前後の支持領域で支持し、その中間部分にピニオンギア8の内周面8Aとの間で隙間Gを形成することにより、スプール軸20の前後動の摺動性を高めることが可能となるが、このような構成において、スプール軸20の表面の傷付きや摩耗を、より効果的に防止する対策(スプール軸の表面に傷などがつくと、それが原因となって異音や回転のザラツキ、回転が重くなる等の不具合が発生する)として、スプール軸20の表面にグリスやオイル(潤滑油)を付着させることが行なわれている。
ところが、スプール軸20の表面にオイルを付着させると、永年の使用によりオイルが散逸する可能性もあるため、特開平11−266755号に開示されているように、スプール軸20の前後の支持領域の間で、表面に螺旋溝を形成したり、軸方向に一定間隔をおいて環状の溝を形成してオイル溜まりにすることが知られているが、このようなオイル溜まりの形成方法では、ピニオンギアの内周面とスプール軸との接触領域が増えてしまい、十分に摺動抵抗を軽減することができない。
そこで、巻き取り操作で回転するピニオンギア8の内周側に内挿されて前後動するスプール軸20の前後の支持領域の間で、ピニオンギア8の内周面との間で軸方向及び周方向に亘って接触させることなく(隙間Gを維持したまま)、その表面に、図9で示すような多数の凹所(微小穴)8pを形成する。
このような多数の凹所8pは、例えば、スパロール、ショットブラスト等によって形成することが可能であり、塗布したオイル等を維持しながら摺動抵抗を減少することが可能となる。その深さDについては、隙間Gよりも深く形成しておくことで、塗布したオイルを確実に維持しながら摺動抵抗を減少することが可能となる。また、多数の凹所の形状や形成位置については、特に限定されることはないが、図9に示すように、円形穴にしたり、図10(a)に示すような軸方向に延びる長穴8q、図10(b)に示すような周方向に延びる長穴8rする等、適宜変形することが可能である。なお、凹所8p、長穴8q、長穴8r等の縁部は必要に応じてバリ取り等の研磨処理が施される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
上述した実施形態のスプール軸20の支持態様については、ロータ3が固定される装着部位における薄肉厚化された非円形部が、ナット12の締め付けによってスプール軸20に影響を与えないように構成されていれば良く、隙間嵌合部Sの形成の仕方、隙間嵌合部Sの軸方向長さ、更には、補強筒体50の構成等、適宜、変形することが可能である。また、リール本体1Aの構成、駆動機構10、及び、スプール往復動機構40等、スプール軸の支持部以外に構成については、種々変形することが可能である。
1 リール本体
3 ロータ
4 スプール
6 ハンドル
8 ピニオンギア
10 駆動機構
12 ナット
20 スプール軸
30,31,33,37 支持部材
50 補強筒体

Claims (7)

  1. リール本体内の駆動機構に連結されたハンドルの回転操作で駆動回転するピニオンギアの外周に釣糸案内部を有するロータを一体回転可能に回り止め嵌合固定し、ピニオンギアの内側に前後動可能に挿通されるスプール軸の前部に設けたスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記ピニオンギアの前部は、前記ロータを回り止め嵌合する非円形部の外周に形成され締め付け用のナットを螺合する雄螺子部を有する固定領域と、前記スプール軸の外周を支持する支持部材を配置した支持領域と、を備えており、
    前記ピニオンギアの前端からナットが螺合される前記固定領域及び固定領域を超えた部分のピニオンギアの径方向内側に隙間嵌合部を形成し、
    前記支持部材を前記スプール軸の前後移動に追随しないように規制したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記隙間嵌合部は、前記ピニオンギアの前部の内周面と前記支持部材の外周面との間で形成されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記隙間嵌合部は、前記支持部材の前方側の前記ピニオンギアの内周面と前記スプール軸との間で形成されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記支持部材は、合成樹脂製であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. リール本体内の駆動機構に連結されたハンドルの回転操作で駆動回転するピニオンギアの外周に釣糸案内部を有するロータを一体回転可能に回り止め嵌合固定し、ピニオンギアの内側に前後動可能に挿通されるスプール軸の前部に設けたスプールに釣糸を巻回する魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記ピニオンギアの前部は、前記ロータを回り止め嵌合する非円形部の外周に形成され締め付け用のナットを螺合する雄螺子部を有する固定領域と、前記スプール軸の外周を支持する支持領域と、を備えており、
    前記ナットが螺合される固定領域の前記ピニオンギアの内周に、前記ピニオンギアより高強度材で形成される補強筒体を嵌合固定したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  6. 前記補強筒体は、前記固定領域よりもリール本体側の後方に向けて超える位置まで延びていることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用スピニングリール。
  7. 前支持領域は、前記固定領域よりもリール本体側の後方に向けて超える位置で前記補強筒体と並設されている支持部材を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の魚釣用スピニングリール。
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