JP2021131570A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め色差を一層抑制できる画像表示装置を提供する。【解決手段】一形態に係る画像表示装置は、光反射性画像表示層と、位相差フィルム及び偏光フィルムとを備え、偏光フィルムの吸収軸と位相差フィルムの面内遅相軸とのなす角度が45度±5度であり、上記位相差フィルムの面内リタデーションをR0とし、位相差フィルムの厚さ方向に対して傾斜角θ方向に直交する面を投影面とし、位相差フィルムの面内進相軸及び面内遅相軸を回転軸と仮定した場合において、投影面での位相差フィルムの面内リタデーションをR(θ)fast及びR(θ)slowとし、投影面での光反射性画像表示層の面内リタデーションをR(θ)Mとしたとき、所定の式であらわされる条件を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、画像表示装置に関する。
フラットパネル表示装置には、表示装置の光学補償のために、位相差フィルム及び偏光フィルムが積層された光学積層体が設けられる。例えばフラットパネル表示装置の中でも有機エレクトロルミネッセンス(EL)画像表示装置では、外部からの入射光が、内部に組込まれた光反射性の画像表示層によって視認側に向けて反射する内部反射光を低減するために、光反射性画像表示層の視認側に、このような光学積層体が積層されて使用される。このような光学積層体としては、例えば、特許文献1に記載されているような楕円偏光板がある。
特開2015−163940号公報
フラットパネル表示装置のうちでも、例えば有機EL画像表示装置では、画面を正面方向からみた場合と斜め方向からみた場合とで、内部の反射性画像表示層から僅かに反射されて視認側に到達する内部反射光の反射色が異なり、更に斜め方向においては面内角に応じた反射色を生じる。この斜め方向においては面内角に応じた反射色の色差の最大値を斜め色差と呼ぶ。表示装置の画像表示面上に、特許文献1に記載されているような光学積層体を配置することで、斜め色差は抑制される。しかしながら、近年、斜め色差の更なる抑制が求められている。
したがって、本発明は、斜め色差を一層抑制できる画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る画像表示装置は、光反射性画像表示層と、上記光反射性画像表示層の画像表示面上に設けられた位相差フィルム及び偏光フィルムとを備える画像表示装置であって、上記偏光フィルムの吸収軸と上記位相差フィルムの面内遅相軸とのなす角度が45度±5度であり、上記位相差フィルムの面内リタデーションをR0とし、上記位相差フィルムの厚さ方向に対して傾斜角θ方向に直交する面を投影面とし、上記位相差フィルムの面内進相軸を回転軸と仮定した場合において、上記投影面における上記位相差フィルムの面内リタデーションをR(θ)fastとし、上記位相差フィルムの上記面内遅相軸を回転軸と仮定した場合において、上記投影面における上記位相差フィルムの面内リタデーションがR(θ)slowとし、上記投影面における上記光反射性画像表示層の面内リタデーションをR(θ)Mとしたとき、下式(i)〜式(iv)を満たす。
α=R0−{R(θ)fast + R(θ)M} ・・・(i)
β=R0−{R(θ)slow − R(θ)M} ・・・(ii)
|α(θ)|+|β(θ)|<10nm ・・・(iii)
|R(θ)M|>0nm ・・・(iv)
上記構成では、位相差フィルムの面内リタデーションとともに、光反射性画像表示層の面内リタデーションが考慮されている。そのため、光反射画像表示層上に、位相差フィルム及び偏光フィルムを設けることによって、斜め色差を十分に抑制できる。
上記R0、上記R(θ)fast、上記R(θ)slow及び上記R(θ)Mは、例えば、波長550nmにおけるリタデーションであってもよい。
上記傾斜角θは、50度であってもよい。
本発明の他の側面に係る画像表示装置は、光反射性画像表示層と、上記光反射性画像表示層の画像表示面上に設けられた位相差フィルム及び偏光フィルムとを備える画像表示装置であって、上記偏光フィルムの吸収軸と上記位相差フィルムの面内遅相軸とのなす角度が45度±5度であり、上記位相差フィルムの面内リタデーションをR0とし、上記位相差フィルムの厚さ方向のリタデーションをRthとし、上記位相差フィルムの厚さ方向に対して傾斜角が50度である方向に直交する面を投影面とし、上記投影面における上記光反射性画像表示層の面内リタデーションをR(50)Mとし、上記Nz及び上記ρを式(v)及び式(vi)で表したとき、上記Nz及び上記ρが、式(vii)、式(viii)及び式(ix)を満たすか、または、式(vii)、式(x)及び式(xi)を満たし、上記R0、上記Rth及び上記R(50)Mは、波長550nmに対するリタデーションである。
Nz=(Rth/R0)+0.5・・・(v)
ρ=R(50)M/R0・・・(vi)
3.5ρ+0.39<Nz<3.5ρ+0.65 ・・・(vii)
ρ>0・・・(viii)
0.5<Nz≦1.5・・・(ix)
ρ<0・・・(x)
−1.5<Nz<0.5・・・(xi)
上記構成においても、光反射性画像表示層の面内リタデーションが考慮されている。そのため、光反射画像表示層上に、位相差フィルム及び偏光フィルムを設けることによって、斜め色差を十分に抑制できる。
上記位相差フィルムは、AプレートとCプレートとを有してもよい。
上記位相差フィルムと上記偏光フィルムとは円偏光板を構成してもよい。
本発明によれば、斜め色差を一層抑制できる画像表示装置を提供できる。
図1は、一実施形態に係る画像表示装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、遅相軸と、進相軸及び偏光フィルムの吸収軸との関係を示す図面である。 図3は、投影面を説明するための図面である。 図4は、斜め視野の位相差を説明するための図面である。 図5は、第1実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図6は、第1実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図7は、第1実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図8は、第2実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図9は、第2実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図10は、第2実施形態の観点に基づいた実施例及び比較例の結果を示す図表である。 図11は、図8〜図10に示した結果をρ-Nz座標系にプロットした図面である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、一実施形態に係る画像表示装置2の概略構成を示す模式図である。画像表示装置2は、画像表示層(光反射性画像表示層)4と、光学積層体6とを有する。画像表示層4と光学積層体6とは接合されている。図1に示した形態では、画像表示層4と光学積層体6とは粘着剤層8aによって接合されている。
画像表示層4は、内部で画像を形成し、画像表示面4aに画像を表示する。画像表示層4は、画像を形成するための素子構造などを含む。そのため、上記素子構造に含まれる電極、素子構造間を接続する配線等は、光を反射する反射部として機能する。そのため、画像表示層4は、光学積層体6側から画像表示装置2に入射した光を反射する光反射性を有する。画像表示層4の厚さは、例えば、0.2mm〜1.0mmである。
画像表示層4は、画像表示面4aに画像を形成するように構成されていれば、層構成及び材料などは限定されない。画像表示層4は、例えば、金、銀、銅、鉄、錫、ニッケル、クロム、モリブデン、チタン、アルミニウム、インジウム等の金属、それらの合金と酸化物等を用いた電極及び配線から形成される部分(又は層)、樹脂フィルム、バンク材、発光素子などの誘電体部分、及びその他の層などの多重積層体であり得る。
画像表示層4として、例えば、フラットパネル表示装置である。フラットペネル表示装置の例は、薄型(又はパネル状)の有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「OLED表示装置」ともいう、独立発光する画素を有する無機エレクトロルミネッセンスデバイス(以下、「マイクロLED表示装置」ともいう)が挙げられる。画像表示層4として例示する表示装置は、画像表示面上に、光学補償するための部材を含まない状態の装置である。
画像表示層4がOLED表示装置である場合、典型的には、OLED表示装置が備える電極が上記反射部である。OLED表示装置は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された薄膜構造体を有する。この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに、他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して自己発光を行う。有機発光材層を挟む2つの電極のうち画像表示面4a側の電極は有機発光材層からの光を透過する機能を有する一方、他方の電極は有機発光材層からの光を画像表示面4aに向けて反射する機能を有する。したがって、上記他方の電極が、典型的には、OLED表示装置における反射部として機能する。
OLED表示装置は、バックライトを必要とする液晶表示装置等と比較して視認性がよく、より薄型化が可能であり、かつ、直流低電圧駆動が可能であるという利点を有する。
画像表示層4がマイクロLED表示装置である場合、化合物半導体で形成される発光部と画素接続部及び、電極部分が外光を反射する。したがって、マイクロLED表示装置においては、上記発光部、画素接続部及び電極部分が上記反射部に相当する。
[粘着剤層]
粘着剤層8aは、(メタ)アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系のような樹脂を主成分とする粘着剤組成物で構成することができる。中でも、透明性、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物が好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型、熱硬化型であってもよい。粘着剤層8bの厚みは、通常3〜30μmであり、好ましくは3〜25μmである。
粘着剤組成物に用いられる(メタ)アクリル系樹脂(ベースポリマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルの1種又は2種以上をモノマーとする重合体又は共重合体が好適に用いられる。ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させることが好ましい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等を有するモノマーを挙げることができる。
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、通常は架橋剤をさらに含有する。架橋剤としては、2価以上の金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの;ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの;ポリエポキシ化合物やポリオールであって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの;ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するものが例示される。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
[光学積層体]
光学積層体6は、偏光板10と、位相差フィルム12と有する。光学積層体6は、画像表示面4aに表示される画像を補償するための光学要素である。偏光板10と位相差フィルム12とは接合されている。偏光板10と位相差フィルム12とは、図1に示したように粘着剤層8bによって接合され得る。粘着剤層8bの例は、粘着剤層8aの場合と同様である。
[偏光板]
偏光板10は、偏光フィルム14を有する。偏光板10は、2枚の保護フィルム16を更に有してもよい。図1に例示した形態に基づいて偏光板10を説明する。
偏光フィルム14は、直線偏光特性を有する。偏光フィルム14の例は、一軸延伸された樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されたフィルムである。偏光フィルム14は、直線偏光特性を有する樹脂フィルムであれば特に限定されず、公知の偏光板に使用されるものであればよい。
偏光フィルム14が有する樹脂フィルムの例は、ポリビニルアルコール(以下「PVA」と称す場合もある)系樹脂フィルム、ポリ酢酸ビニル樹脂フィルム、エチレン/酢酸ビニル樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム及びポリエステル樹脂フィルムを含む。通常、二色性色素の吸着性及び配向性の観点からPVA系樹脂フィルム、特にPVAフィルムが用いられる。
2枚の保護フィルム16は、偏光フィルム14を挟んでおり、偏光フィルム14を保護する。2枚の保護フィルム16それぞれは、例えば、樹脂フィルム(例えば、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」とも称す)系フィルム)、ガラスカバー又はガラスフィルムである。2枚の保護フィルム16の材料は、同じでもよいし、異なっていてもよい。保護フィルム16の数は、1枚でもよい。例えば、偏光板10は、位相差フィルム12側の保護フィルム16を有さなくてもよい。
偏光板10は、長尺の部材を準備し、ロール・トゥ・ロールでそれぞれの部材を貼り合わせた後、所定形状に裁断して製造してもよいし、それぞれの部材を所定の形状に裁断した後、貼り合わせることによって製造され得る。
[位相差フィルム]
位相差フィルム12は、入射した光に一定の位相差を生じさせる機能を有する。位相差フィルム12は、図2に示したように、フィルム面内の遅相軸(面内遅相軸)12a及び進相軸(面内進相軸)12bを有する。遅相軸12aと進相軸12bとの間の角度は、略90度である。略90度とは、90度±5度を意味する。
位相差フィルム12は、遅相軸12aが、図2に破線で示した偏光フィルム14の吸収軸14aに対して略45度となるように配置される。略45度とは、45±5度を意味する。
図1に戻って、位相差フィルム12を更に説明する。位相差フィルム12は、偏光板10と接合されている。図1に例示した形態では、粘着剤層8bによって、位相差フィルム12は、偏光板10に接合されている。粘着剤層8bの例は、粘着剤層8aの場合と同様である。
位相差フィルム12は、Aプレート(位相差子層)18及びCプレート(位相差子層)20を有する。Aプレート18及びCプレート20は接合されている。図1に示した形態では、Aプレート18及びCプレート20は接着剤層8cによって接合されている。本実施形態において、位相差フィルム12の遅相軸12a及び進相軸12bは、Aプレート18における面内の遅相軸及び進相軸である。なお、Cプレート20は面内の位相差が実質的に0(ゼロ)であり、面内に遅相軸および進相軸が不存在である。以下、断らない限り、Aプレート18及びCプレート20における屈折率異方性を説明する場合には、図2に示した遅相軸12a及び進相軸12bを使用する。
[Aプレート]
Aプレート18は、下記式(1)〜式(3)で表される特性を有するものであることが好ましい。Aプレート18は、ポジティブAプレートであることができ、λ/4板であることができる。また、Aプレート18は、逆波長分散性を示すことが好ましい。このようなAプレート18を備えることで、反射光の色付きを抑制することができる。本実施形態では、Aプレート18の遅相軸(遅相軸12a)は、偏光フィルム14の吸収軸14aに対して略45度となるように配置される。略45度の意味は、前述のとおりである。
nx>ny≒nz …(1)
0.80<R0A(450)/R0A(550)<0.93 …(2)
130nm<R0A(550)<150nm …(3)
式(1)〜式(3)において、nxは、遅相軸12a方向の屈折率を表し、nyは、進相軸12b方向の屈折率を表し、nzは、Aプレート18の厚さ方向(遅相軸12a及び進相軸12bに直交する方向)の屈折率を表す。R0A(λ)は、Aプレート18の波長λnmにおけるリタデーションを表す。したがって、式(2)及び式(3)中の、R0A(450)及びR0A(550)は、波長450nm及び波長550nmのリタデーションを表している。
ny≒nzは、nyとnzとが完全に等しい場合に加え、nyとnzとが実質的に等しい場合も包含する。具体的には、nyとnzとの差の大きさが0.01以内であれば、nyとnzとが実質的に等しいと言うことができる。
R0A(λ)は、波長λnmにおける屈折率n(λ)と、Aプレート18の厚さd1から、以下の式に基づいて算出することができる。
R0A(λ)=〔nx(λ)−ny(λ)〕×d1
R0A(450)/R0A(550)は、Aプレート18の波長分散性を表し、好ましくは0.92以下である。
波長λnmにおけるAプレート18のリタデーションR0A(λ)について、R0A(450)は100nm以上135nm以下であることが好ましく、R0A(550)は137nm以上145nm以下であることが好ましく、R0A(650)は137以上165以下であることが好ましい。R0A(650)は、波長650nmのリタデーションを表している。
[Cプレート]
Cプレート20は、下記式(4)で表される特性を有するものであることが好ましい。Cプレート20は、ポジティブCプレート20であることができる。このようなCプレート20を備えることで、反射光の色付きを抑制することができる。
nx≒ny<nz …(4)
式(4)において、nxは、遅相軸12aの方向の屈折率を表し、nyは、進相軸12bの方向の屈折率を表し、nzは、Cプレート20の厚さ方向(遅相軸12a及び進相軸12bに直交する方向)の屈折率を表す。
nx≒nyは、nxとnyとが完全に等しい場合に加え、nxとnyとが実質的に等しい場合も包含する。具体的には、nxとnyとの差の大きさが0.01以内であれば、nxとnyとが実質的に等しいと言うことができる。
画像表示層4の反射特性に依存するが、具体的に、Cプレート20の厚さ方向のリタデーションは、波長550nmにおいて、−120nm以上0nm以下であることが好ましく、−110nm以上−10nm以下であることがより好ましく、−90nm以上−20nm以下であることがさらに好ましい。
Cプレート20の波長λ[nm]の光に対する厚さ方向のリタデーションを、RthC(λ)としたとき、RthC(λ)は、波長λnmにおける屈折率n(λ)と、Cプレート20の厚さd2から、以下の式に基づいて算出することができる。
RthC(λ)={〔nx(λ)+ny(λ)〕/2−nz(λ)}×d2
RthC(450)/RthC(550)は、Cプレート20の波長分散性を表し、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.1以下である。RthC(450)及びRthC(550)はそれぞれ、波長450nm及び波長550nmに対するCプレート20の厚さ方向のリタデーションである。
本実施形態において、Aプレート18及びCプレート20の厚さは、0.1μ以上5μm以下とすることができる。Aプレート18及びCプレート20の厚さがこの範囲内であると、十分な耐久性が得られ、光学積層体6の薄層化に貢献し得る。当然のことながら、Aプレート18及びCプレート20の厚さは、λ/4の位相差を与える層、λ/2の位相差を与える層、ポジティブAプレート、又はポジティブCプレート等の所望のリタデーション、及び厚さ方向のリタデーションが得られるよう調整され得る。
[接着剤層]
接着剤層8cは、公知の位相差フィルムで使用されている接着剤で形成されていればよい。接着剤としては、例えば、水系接着剤及び活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。接着剤層8cの代わりに、粘着剤層8bと同様の粘着剤層を使用してもよい。
[位相差フィルムの形成方法]
位相差フィルム12が備えるAプレート18及びCプレート20は、熱可塑性樹脂や後述する重合性液晶化合物を含む組成物から形成することができる。Aプレート18及びCプレート20は重合性液晶化合物を含む組成物から形成されることが好ましい。重合性液晶化合物を含む組成物から形成される層としては、重合性液晶化合物が硬化した層が挙げられる。
Aプレート18が満たす式(1)〜式(3)の関係、Cプレート20が満たす式(4)の関係は、例えばAプレート18及びCプレート20を形成する熱可塑性樹脂や重合性液晶化合物の種類や配合比率を調整したり、Aプレート18及びCプレート20の厚さを調整したりすることによって制御される。
重合性液晶化合物が硬化した層は例えば、基材に設けられた配向膜上に形成される。この基材は、配向膜を支持する機能を有し、長尺に形成されている基材であってもよい。この基材は、離型性支持体として機能し、転写用の位相差フィルム12を支持することができる。さらに、その表面が剥離可能な程度の接着力を有するものが好ましい。基材としては、上記保護フィルムの材料として例示をした樹脂フィルムが挙げられる。
基材の厚さとしては、特に限定されないが、例えば20μm以上200μm以下の範囲とすることが好ましい。基材の厚さが20μm以上であると、強度が付与される。一方で、厚さが200μm以下であると、基材を裁断加工して枚葉の基材とするにあたり、加工屑の増加、裁断刃の磨耗を抑制できる。
基材は、種々のブロッキング防止処理が施されていてもよい。ブロッキング防止処理としては、例えば、易接着処理、フィラー等を練り込ませる処理、エンボス加工(ナーリング処理)等が挙げられる。このようなブロッキング防止処理を基材に対して施すことによって、基材を巻き取る際の基材同士の張り付き、いわゆるブロッキングを効果的に防止することができ、生産性高く光学フィルムを製造することが可能となる。
重合性液晶化合物が硬化した層は、配向膜を介して基材上に形成される。すなわち、基材、配向膜の順で積層され、重合性液晶化合物が硬化した層は前記配向膜上に積層される。
配向膜は、垂直配向膜に限らず、重合性液晶化合物の分子軸を水平配向させる配向膜であってもよく、重合性液晶化合物の分子軸を傾斜配向させる配向膜であってもよい。Aプレート18を作製する場合には、水平配向膜を使用することができ、Cプレート20を作製する場合には、垂直配向膜を使用することができる。配向膜としては、後述する重合性液晶化合物を含む組成物の塗工等により溶解しない溶媒耐性を有し、また、溶媒の除去や液晶化合物の配向のための加熱処理における耐熱性を有するものが好ましい。配向膜としては、配向性ポリマーを含む配向膜、光配向膜及び表面に凹凸パターンや複数の溝を形成し配向させるグルブ配向膜が挙げられる。配向膜の厚さは、通常10nm〜10000nmの範囲であり、好ましくは10nm〜1000nmの範囲であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは10nm〜200nmの範囲である。
配向膜に用いる樹脂としては、公知の配向膜の材料として用いられる樹脂であれば特に限定されるものではなく、従来公知の単官能又は多官能の(メタ)アクリレート系モノマーを重合開始剤下で硬化させた硬化物等を用いることができる。具体的に、(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、ウレタンアクリレート等を例示することができる。なお、樹脂としては、これらの1種類であってもよいし、2種類以上の混合物であってもよい。
光配向膜は、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶媒とを含む組成物から形成される。光反応性基とは、光照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の液晶配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、二量化反応又は光架橋反応に関与する基が、配向性に優れる点で好ましい。光反応性基として、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素−炭素二重結合(C=C結合)、炭素−窒素二重結合(C=N結合)、窒素−窒素二重結合(N=N結合)及び炭素−酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾ−ル基、スチルバゾリウム基、カルコン基及びシンナモイル基等が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾン等の構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、及び、アゾキシベンゼン構造を有する基等が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基及びマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリ−ル基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基等の置換基を有していてもよい。
なかでも、光二量化反応に関与する光反応性基が好ましく、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、シンナモイル基及びカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
本実施形態で使用される重合性液晶化合物の種類については、特に限定されないものの、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物、ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、それぞれ低分子タイプと高分子タイプとがある。なお、高分子とは、一般に重合度が100以上のものを言う(「高分子物理・相転移ダイナミクス、土井 正男著、2頁、岩波書店、1992」参照)。
本実施形態では、何れの重合性液晶化合物を用いることもできる。さらに、2種以上の棒状液晶化合物や、2種以上の円盤状液晶化合物、又は棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報の請求項1、又は、特開2005−289980号公報の段落[0026]〜[0098]に記載のものを好適に用いることができる。円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報の段落[0020]〜[0067]、又は、特開2010−244038号公報の段落[0013]〜[0108]に記載のものを好適に用いることができる。
重合性液晶化合物は、2種類以上を併用してもよい。その場合、少なくとも1種類が分子内に2以上の重合性基を有している。すなわち、前記重合性液晶化合物が硬化した層は、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。この場合、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。
重合性液晶化合物は、重合反応をし得る重合性基を有する。重合性基としては、例えば、重合性エチレン性不飽和基や環重合性基等の付加重合反応が可能な官能基が好ましい。より具体的には、重合性基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等を挙げることができる。その中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタアクリロイル基及びアクリロイル基の両者を包含する概念である。
重合性液晶化合物が硬化した層は、後述するように、重合性液晶化合物を含む組成物を、例えば配向膜上に塗工することによって形成することができる。前記組成物には、上述した重合性液晶化合物以外の成分が含まれていてもよい。例えば、前記組成物には、重合開始剤が含まれていることが好ましい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて、例えば、熱重合開始剤や光重合開始剤が選択される。例えば、光重合開始剤としては、α−カルボニル化合物、アシロインエーテル、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物、多核キノン化合物、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ等が挙げられる。重合開始剤の使用量は、前記塗工液中の全固形分に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
また、前記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、重合性モノマーが含まれていてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性又はカチオン重合性の化合物が挙げられる。その中でも、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。
重合性モノマーとしては、上述した重合性液晶化合物と共重合することができるものが好ましい。具体的な重合性モノマーとしては、例えば、特開2002−296423号公報中の段落[0018]〜[0020]に記載のものが挙げられる。重合性モノマーの使用量は、重合性液晶化合物の全質量に対して、1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。
前記組成物には、塗工膜の均一性及び膜の強度の点から、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられる。その中でも特に、フッ素系化合物が好ましい。具体的な界面活性剤としては、例えば、特開2001−330725号公報中の段落[0028]〜[0056]に記載の化合物、特開2005−62673号公報中の段落[0069]〜[0126]に記載の化合物が挙げられる。
また、前記組成物には、溶媒が含まれていてもよく、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒としては、例えば、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が挙げられる。その中でも、アルキルハライド、ケトンが好ましい。また、2種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
また、前記組成物には、偏光フィルム界面側垂直配向剤、空気界面側垂直配向剤等の垂直配向促進剤、並びに、偏光フィルム界面側水平配向剤、空気界面側水平配向剤等の水平配向促進剤といった各種配向剤が含まれていてもよい。さらに、前記組成物には、上記成分以外にも、密着改良剤、可塑剤、ポリマー等が含まれていてもよい。
位相差フィルム12が、Aプレート18及びCプレート20として重合性液晶化合物が硬化した層を2層以上含む場合、重合性液晶化合物が硬化した層を配向膜上にそれぞれ作製し、両者を例えば接着剤層8cを介して積層することにより、位相差フィルム12が製造され得る。両者を積層した後、基材及び配向膜は剥離することができる。位相差フィルム12の厚さは、3〜30μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。
位相差フィルム12は、長尺の部材を準備し、ロール・トゥ・ロールでそれぞれの部材を貼り合わせた後、所定形状に裁断して製造してもよいし、それぞれの部材を所定の形状に裁断した後、貼り合わせてもよい。Cプレート20は、Aプレート18上に、直接Cプレート20を形成することによって得てもよい。すなわち、接着剤層8cは省略可能である。
[位相差フィルムの変形例]
位相差フィルム12は、Aプレート18及びCプレート20以外に、位相差を有する他の層(以下、「その他の位相差子層」ということがある。)を1つ以上備えていてもよい。その他の位相差子層としては、画像表示層4に対して設けられるタッチセンサー、画像表示層4を封止するための封止層、画像表示層4に対するベースフィルム等が挙げられる。また、その他の位相差子層は、偏光フィルム14に貼合されている保護フィルムであってもよい。その他の位相差子層は、偏光フィルム14と画像表示層4との間に配置され、好ましくは、画像表示層4と、画像表示層4に最も近い位置にあるAプレート18又はCプレート20との間に配置される。
その他の位相差子層は、Aプレートであってもよいが、通常はCプレートであることができる。その他の位相差子層は、下記式(5)で表される特性を有していてもよい。すなわち、その他の位相差子層は、ネガティブCプレートであることができる。
nx≒ny>nz …(5)
式(5)において、nxは、遅相軸12aの方向の屈折率を表し、nyは、進相軸12bの方向の屈折率を表し、nzは、その他の位相差子層の厚さ方向の屈折率を表す。
式(5)中におけるnx≒nyは、nxとnyとが完全に等しい場合に加え、nxとnyとが実質的に等しい場合も包含する。具体的には、nxとnyとの差の大きさが0.01以内であれば、nxとnyとが実質的に等しいと言うことができる。
その他、位相差フィルム12は、上述した基材や配向膜を含んでいてもよく、AプレートとCプレート以外の組み合わせを含んでいてもよい。具体的には二つ以上のAプレートを組み合わせた構成でもよい。
画像表示装置2は、前面板及び遮光パターン(ベゼル)の少なくとも一方を更に備えもよい。前面板及び遮光パターンをそれぞれ説明する。
<前面板>
前面板は、偏光板10の視認側に配置されてもよい。前面板は、接着層を介して偏光板10に積層することができる。接着層としては、例えば前述の粘着剤層8bや接着剤層8cが挙げられる。
前面板としては、ガラス、樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなるもの等が挙げられる。ガラスとしては、例えば、高透過ガラスや、強化ガラスを用いることができる。特に薄い透明面材を使用する場合には、化学強化を施したガラスが好ましい。ガラスの厚みは、例えば100μm〜5mmとすることができる。
樹脂フィルムの少なくとも一面にハードコート層を含んでなる前面板は、既存のガラスのように硬直ではなく、フレキシブルな特性を有することができる。ハードコート層の厚さは特に限定されず、例えば、5〜100μmであってもよい。
樹脂フィルムとしては、ノルボルネン又は多環ノルボルネン系単量体のようなシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体、セルロース(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、イソブチルエステルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース)エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシ等の高分子で形成されたフィルムであってもよい。樹脂フィルムは、未延伸、1軸又は2軸延伸フィルムを使用することができる。これらの高分子はそれぞれ単独又は2種以上混合して使用することができる。樹脂フィルムとしては、透明性及び耐熱性に優れたポリアミドイミドフィルム又はポリイミドフィルム、1軸又は2軸延伸ポリエステルフィルム、透明性及び耐熱性に優れるとともに、フィルムの大型化に対応できるシクロオレフィン系誘導体フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム及び透明性と光学的に異方性のないトリアセチルセルロース及びイソブチルエステルセルロースフィルムが好ましい。樹脂フィルムの厚さは5〜200μm、好ましくは、20〜100μmであってもよい。
<遮光パターン>
遮光パターン(ベゼル)は、前面板における画像表示層4側に形成することができる。遮光パターンは、画像表示装置2の各配線を隠し使用者に視認されないようにすることができる。遮光パターンの色及び/又は材質は特に制限されることはなく、黒色、白色、金色等の多様な色を有する樹脂物質で形成することができる。一実施形態において、遮光パターンの厚さは2μm〜50μmであってもよく、好ましくは4μm〜30μmであってもよく、より好ましくは6μm〜15μmの範囲であってもよい。また、遮光パターンと表示部の間の段差による気泡混入及び境界部の視認を抑制するために、遮光パターンに形状を付与することができる。
[光学積層体の製造方法]
光学積層体6は、偏光板10と位相差フィルム12とを粘着剤層8bを介して積層することで製造される。例えば、偏光板10を製造した後に、位相差フィルム12と対向する保護フィルム16上に、剥離フィルム上に形成された粘着剤層8bを積層させる。粘着剤層8b上の剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層8bを介して、偏光板10と、別途製造されている位相差フィルム12とを貼り合わせる。こうして得られた光学積層体6は、円偏光板として機能することができる。
[画像表示装置の製造方法]
上記光学積層体6が有する位相差フィルム12を、粘着剤層8aを介して、画像表示層4に貼合することによって、画像表示装置2が得られる。通常、図1に示したように、Cプレート20が画像表示層4側に位置するように、光学積層体6は、画像表示層4に貼合される。
画像表示装置2が満たす条件を第1実施形態及び第2実施形態として説明する。
(第1実施形態)
図3に示したように、画像表示装置2の厚さ方向(画像表示層4及び光学積層体6の積層方向)に対して傾斜角θ方向に直交する面を投影面22と称す。上記厚さ方向は、遅相軸12a及び進相軸12bに直交する方向に相当する。位相差フィルム12の進相軸12bを回転軸(傾斜軸)と仮定した場合において、投影面22における位相差フィルム12のリタデーションをR(θ)fastとし、位相差フィルム12の遅相軸12aを回転軸と仮定した場合において、投影面22における位相差フィルム12のリタデーションをR(θ)slowとし、投影面22における画像表示層4のリタデーションをR(θ)Mとする。遅相軸12a(又は進相軸12b)を回転軸と仮定するとは、遅相軸12a(又は進相軸12b)回りに位相差フィルム12を傾けることを意味する。本明細書において、投影面22における位相差フィルムまたは画像表示層のリタデーションとは、投影面22に投影された位相差フィルムまたは画像表示層のリタデーションである。
画像表示装置2では、R(θ)fast、R(θ)slow及びR(θ)Mが、下式(i)〜式(iv)を満たす。
α=R0−{R(θ)fast + R(θ)M} ・・・(i)
β=R0−{R(θ)slow − R(θ)M} ・・・(ii)
|α(θ)|+|β(θ)|<10nm ・・・(iii)
|R(θ)M|>0nm ・・・(iv)
これによって、画像表示装置2の画面を正面方向からみた場合と傾斜角θ方向からみた場合とで反射色が異なり、斜め方向においては面内角に応じた反射色を生じる。この斜め方向においては面内角に応じた反射色の色差の最大値を斜め色差と呼ぶ。さらに、斜め色差が最小となったとき、正面方向からみた場合と傾斜角θ方向からみた場合の色差が最小となる。そのため、画像表示装置2に表示される画像を種々の角度からみても、正面方向(上記厚さ方向)から見た場合と同様の画像を観察できる。
この点を更に説明する。前述したように、画像表示層4は、光学積層体6側から画像表示装置2に入射した光を反射する光反射性表示層である。よって、以下の説明では、画像表示層4を、上記反射特性に基づいて光反射層RL(図1参照)と称す。以下の説明では、光学積層体6が円偏光板であるが、光学積層体6は円偏光板に限定されない。
[光電場の位相差]
光電場は伝搬方向と垂直な面において振動しておりS偏光、P偏光の各成分に分解することができる。このときS偏光とP偏光の電界振動周期のずれを角振動数の差が位相差である。垂直入射ではない場合の光反射層RLへの入射光位相差δiと反射光位相差δrの差Δδ=δr−δi(以下「光反射層RLの反射位相差Δδ」ということがある。)は、エリプソメトリやストークス偏光計を用いて測定されたストークスベクトルS=(S0,S1,S2,S3)から算出することができる。
光電場の偏光方位角ψ、楕円率角ε、位相差δ、楕円率χはストークスベクトルを用いて、下式(6)〜(9)で表される(「分光エリプソメトリ―、藤原裕之著、丸善出版、68頁〜78頁、2011年」参照)。
Figure 2021131570
入射光が、偏光方位角ψ=45°かつ楕円率χ=0の直線偏光で、ストークスベクトルSi=(Si0,Si1,Si2,Si3)=(1,0,1,0)のとき、上式(6)〜(8)より位相差δiは0となる。
同様に光反射層RLが前記入射光を反射し、その反射光が偏光方位角ψ=45°かつ楕円率χ=0.4の楕円偏光で、ストークスベクトルSr=(Sr0,Sr1,Sr2,Sr3)=(1,1,0.7,0.7)のとき、上式(6)〜(8)より位相差δrはπ/4となる。このとき、光反射層RLの反射位相差Δδはπ/4と表される。なお、本明細書では、偏光方位角ψ=45°かつ直線偏光の入射光に対する光反射層RLの反射位相差Δδの正負において、楕円率角ε>0の場合を正とし、楕円率角ε<0の場合を負とする。
位相差Δδは対応する波長λ(nm)を用いて、下式(10)によってリタデーションR(nm)に換算することができる。
Figure 2021131570
[光反射層の角度依存性]
光反射層RLの反射位相差Δδは光反射層RLへの光の入射角θrによって変化する。下式(11)にマクスウェル方程式に媒質の屈折率の境界条件を設定して変形した式を示す(「応用工学I、鶴田匡夫著、丸善出版、28頁〜45頁、1990年」参照)。下式(11)は、誘電体側から金属側に斜め入射される場合を表しており、誘電体の屈折率はn=nであり、金属の屈折率は複素屈折率を用いてn=−ikとする。
Figure 2021131570

垂直入射で反射位相差Δδは0となり、入射角θrの増加に伴い増加する。
光反射層RLが例えば、OLED表示装置又はマイクロLED表示装置である場合、光反射層RLは電極及び配線、発光画素、バンク材、プラスチックフィルム等の多重積層体である。実際の測定では、入射角θrごとにストークスベクトルを測定し、入射角θrごとの光反射層RLの反射位相差Δδを算出して理論計算に供することができる。
光反射層RLの反射位相差Δδは自由電子などの電荷キャリアを持つ金属結晶などの反射面で生じ、樹脂フィルム等の誘電体などの電荷キャリアを持たない反射面では生じない。
光反射層RLが例えば、OLED表示装置又はマイクロLED表示装置である場合、その反射位相差Δδは、光反射層RLを形成する電極及び配線の密度、形状、金属種によって様々な値をとり得る。そのため、有限の反射位相差Δδを持つ。多くの場合、傾斜角50度の投影面22での反射位相差Δδ(50)の絶対値は波長550nmの値で0.01rad以上、反射リタデーションR(50)Mの絶対値は同じく波長550nmの値で1.0nm以上である。
遅相軸12aを回転軸として傾けられた位相差フィルム12を観察した際の斜め視野の位相差は、下記手順によって計算できる。
図4に示したように、正面方向をz軸としたデカルト座標系において、位相差フィルム12の屈折率のうち遅相軸12a(図4においてx軸)に平行な成分をnx、進相軸12bに平行な成分をnyとし、正面方向に平行な成分をnz、位相差フィルム12中を伝搬する光電場ベクトルとz軸のなす角をφ、位相差フィルム12から出射して空気中を伝搬する光電場ベクトルとz軸のなす角をφyzとしてスネルの法則を適用すると、下式(12)を得る。φyzは、遅相軸12aを回転軸とした場合の傾斜角θに対応する。
Figure 2021131570
遅相軸12aを回転軸とした斜め視野の位相差は、下式(13)のとおり、投影面(位相差フィルム12と観測者を結ぶ直線に垂直な平面)22にnyとnzから各々投影された実効屈折率Nyzとnxから求めることができる。式(13)中のdは、位相差フィルム12の厚さである。
Figure 2021131570
このとき、投影面22における実効屈折率Nyzは屈折率楕円体を用いて下式(14)で求めることができる(「光学材料の屈折率制御技術の最前線、渡辺敏行・魚津吉弘監修、シーエムシー出版、14頁〜16頁、2009年」参照)。
Figure 2021131570
進相軸12bを回転軸とした斜め視野の位相差も式(13)と同様にして、下式(15)で表される。下記式のφxzは、進相軸12bを回転軸とした場合の傾斜角θに対応する。式(15)中のdは、式(13)の場合と同様である。
Figure 2021131570
偏光フィルム14の透過軸方向(吸収軸14aに直交する方向)の透過率と吸収軸14a方向の透過率、位相差フィルム12が有するAプレート18及びCプレート20の三次元屈折率、光反射層RLの反射位相差、粘着剤や前面板の透過率、などの光学要素のパラメータを測定し、ミュラー行列に代入することで、これらの光学要素を透過もしくは反射した場合の光電場状態を精度よく計算することができる。
たとえば、光学積層体6(円偏光板)を通過して光反射層RLで反射され、光学積層体6(円偏光板)を透過し観測される光電場を計算する場合、反射光Soutのストークスベクトルは下式(16)の解として得られる。
out = P・A・C・M・C・A・P・Sin …(16)
式(16)において、P、A、M、Sinは、次のとおりである。
P:偏光フィルム14のミュラー行列
A:Aプレート18ミュラー行列
C:Cプレート20のミュラー行列
M:光反射層RLのミュラー行列
in:入射光のストークスベクトル
光学要素のミュラー行列は4×4の行列であり、例えば偏光フィルム14、位相差フィルム12は下式(17)〜(18)で表される(「偏光伝搬解析の基礎と応用、小野浩司著、内田老鶴圃、57頁〜61頁、2015年」参照)。
Figure 2021131570

式(17)中のTは、偏光フィルム14における透過軸方向の透過率であり、Tは、偏光フィルム14における吸収軸14a方向の透過率である。式(17)中のΔδ(rad)は、位相差フィルム12の位相差である。
光反射層RLはCプレート20と同様に傾斜角θに比例して位相差が増加する位相差子と捉えることができる。そのため、位相差子要素と振幅反射要素を分離して定義できる。光反射層RLの位相差子要素は位相差フィルム12と同様にミュラー行列を定義した。
実際の円偏光板構成を計算するにあたっては、光学要素の光学軸をミュラー行列に反映させる必要がある。例えば、式(18)の位相差フィルム12が有するAプレート18の面内の遅相軸(遅相軸12a)を角度ξ(rad)だけ回転させて定義する場合、式(19)に示すようにミュラー行列の両側から回転行列Z(ξ)を作用させる。
Figure 2021131570
光学積層体6(円偏光板)を通って光反射層RLで反射し、再び光学積層体6(円偏光板)を通って視認される光の反射率スペクトルは、上式(16)から各波長のストークスベクトルのS0成分を求めることで得られる。これは、空気と光学積層体6(円偏光板)との界面で反射されずに光学積層体6(円偏光板)の内部に到達した成分の反射率に相当する。一方で、空気と光学積層体6(円偏光板)との界面の反射率Rfoは傾斜角θ、その屈折率nsに比例して変化し、下式(20)で表される。
Figure 2021131570

なお、光学積層体6(円偏光板)と空気との界面は、例えば光学積層体6が偏光板10の表面で空気層と接する場合は、偏光板10と空気との界面である。光学積層体6が偏光板10の視認側に更に前面板を備え、更に、この前面板が偏光板10に接着剤層を介して密着して積層されている場合には、光学積層体6(円偏光板)と空気との界面は、この前面板の視認側と空気層との界面である。
上記より、光学積層体6(円偏光板)の空気との界面における表面反射率と、光学積層体6(円偏光板)を通って光反射層RLで反射し、再び光学積層体6を通って視認される内部反射率との合計反射率Rfは下式(21)で得られる。なお、光学積層体6(円偏光板)を構成する層間の界面反射、及び多重反射は考慮しないものとする。
Rf = Rfo+(1−Rfo)×S0
= Rfo+S0−Rfo×S0 ・・・(21)
なお、光学積層体6(円偏光板)は、空気との界面に反射防止膜を備えていてもよい。反射防止膜としては、屈折率の低い低屈折率層のみで構成された単層構造であってもよいし、屈折率の低い低屈折率層と、屈折率の高い高屈折率層とがこの順で積層された多層構造であってもよい。反射防止膜を備え、表面反射率が例えば2%以下、更には1%以下である場合には、光学積層体6(円偏光板)を通って光反射層RLで反射し、再び光学積層体6(円偏光板)を通って視認される内部反射光の色差が比較的視認され易くなることから、本発明の構成が効果をより有効に発揮し易い。
標準イルミナントW(λ)の三刺激値X,Y,Zと反射光イルミナントRf(λ)×W(λ)の三刺激値XRf,YRf,ZRfは、三刺激値の等色関数x(λ),y(λ), z(λ)(国際照明委員会(CIE)勧告、1931年)をもちいて下式(22A)〜(22B)から算出される(「色彩工学入門、篠田博之・藤枝一郎 共著、森北出版、106頁〜107頁、2007年」参照)。標準イルミナントにはD65光源(ISO 10526:1999 / CIE S005/E−1998)を使用した。
Figure 2021131570

表色系の反射光色相値a,b及び彩度値Cは、標準イルミナントW(λ)の三刺激値X,Y,Zと反射光イルミナントRf(λ)×W(λ)の三刺激値XRf,YRf,ZRfをもちいて式(23)〜(25)から算出される(「色彩工学入門、篠田博之・藤枝一郎 共著、森北出版、122頁、2007年」参照)。
Figure 2021131570
Aプレート18の遅相軸12aとx軸、進相軸12bとy軸が各々平行であるとき、z軸からθだけ傾けた視野(傾斜角θ方向)から画像表示装置2を観察する場合(図2における白抜き矢印方向から観察する場合)を、「傾斜角θ観察」(図2参照)と呼ぶ。
このときxy面内角度ξの変化に伴って彩度CはAプレート18の二回対称性に起因した二極値C とC をとり、これらのa平面内の座標をC (a ,b )、C (a ,b )とする。この二点間の距離ΔCは傾斜角θ観察の斜め色差として下式(26)で示される。
Figure 2021131570
傾斜角θ観察における斜め色差が最小となるとき、画像表示装置2をあらゆる角度から観察した場合においても反射色の色変化及び強度変化が最小となり、最良の画像表示性能が得られる。
偏光フィルム14の特性を不変とし、位相差フィルム12と光反射層RLの特性を調整して最小の斜め色差を実現するためには下式(27)を満たせばよい。
RthA + RthC + RthM = 0 ・・・(27)
式(27)において、RthAはAプレート18の厚み方向のリタデーションであり、RthCはCプレート20の厚み方向のリタデーションであり、RthMは、光反射層RLの厚み方向のリタデーションである。
Aプレート18の面内リタデーションのうち進相軸12bが回転軸の場合の投影面22におけるリタデーションをR(θ)Afast、遅相軸12aが回転軸の場合の投影面におけるリタデーションをR(θ)Aslowとする。同様に、投影面22におけるCプレート20の面内リタデーションをR(θ)C、投影面22における光反射層RLの面内リタデーションをR(θ)Mとする。
正面から観察した際(傾斜角θ=0の場合)のAプレート18のリタデーションをR(0)Aとすると、下式(28)を用いて画像表示装置2の最適な光学設計を記述できる。下式(28)は上式(27)を満たす場合に同時に成り立ち、このとき式(26)の傾斜角θ観察の斜め色差ΔCが最適となる。
R(θ)Afast+{R(θ)C+R(θ)M}
=R(θ)Aslow−{R(θ)C+R(θ)M}
=R0A・・・(28)
また、Aプレート18とCプレート20を一つの位相差子層をみなすと、傾斜角θ観察の投影面22での面内リタデーションR(θ)fast,R(θ)slowは下式(29),(30)で表される。
R(θ)fast=R(θ)Afast+R(θ)C ・・・(29)
R(θ)slow=R(θ)Aslow−R(θ)C ・・・(30)
式(28)を式(29),(30)を用いて書き換えると下式(31),(32)が得られる。
α = R0−{R(θ)fast+R(θ)M} ・・・(31)
β = R0−{R(θ)slow−R(θ)M} ・・・(32)
更に、本実施形態の光反射層RLは、反射位相差を有することから、下式(33)が成立する。
|R(θ)M|>0nm ・・・(33)
式(31)〜(33)は、前記式(i),(ii),(iv)に対応する。更に、画像表示装置2は、式(iii)も満たす。式(i)及び式(ii)(又は式(31)及び式(32)は、上述したように、光反射層RLの反射位相差を考慮した式である。
円偏光板といった光学補償部材の設計では、従来は光反射層の反射位相差を反映させていなかった。しかしながら、実際には、光反射層の反射位相差の影響が生じるため、斜め色差を十分に(或いは設計どおりに)に抑制できなかった。
これに対して、画像表示装置2は、光反射層RLの反射位相差を考慮した式(i)〜式(iv)を満たす。そのため、画像表示装置2では、斜め色差を最小にするために最適な設計が為された構成を有する。その結果、斜め色差を十分に(或いは、設計どおり又は所望の状態に)抑制できる。
式(i)〜式(iv)を満たすように、画像表示装置2を製造するには、例えば、位相差フィルム12が有するAプレート18及びCプレート20を形成する熱可塑性樹脂や重合性液晶化合物の種類や配合比率を調整したり、Aプレート18及びCプレート20の厚さを調整すればよい。
画像表示層4の例として、OLED表示装置及びマイクロLED表示装置を挙げた。しかしながら、画像表示層4の他の例としては、液晶表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED)、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置)、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLVともいう)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMDともいう)を有する表示装置及び圧電セラミックディスプレイ等が挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置等のいずれをも含む。本実施形態の積層体は、特に有機EL表示装置又は無機EL表示装置に特に有効に用いることができる。
特に、有機EL表示装置又は無機EL表示装置を光反射層RLとして有する画像表示装置2では、外光反射光の強度変化が抑制され、斜め方向から見たときにも正面方向と変わらない安定した黒表示能力を示すことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態として、画像表示装置2が満たす条件を、第1実施形態とは異なる観点から説明する。第2実施形態においても、図3に示したように、画像表示装置2の厚さ方向(画像表示層4及び光学積層体6の積層方向)に対して傾斜角θ方向に直交する面を投影面22と称す。第2実施形態において、投影面22は、θ=50度の場合の面である。したがって、投影面22における画像表示層4のリタデーションをR(50)Mとする。第2実施形態で説明するリタデーションは、断らない限り、波長550nmに対するリタデーションである。
位相差フィルム12の面内リタデーションをR0とし、位相差フィルム12の厚さ方向のリタデーションをRthとする。R0は、位相差フィルム12を構成する各層の面内リタデーションの合計である。Rthは、位相差フィルム12を構成する各層の厚さ方向のリタデーションの合計である。図1に示したように、位相差フィルム12がAプレート及びCプレートを有する場合、R0は、Aプレート及びCプレートそれぞれの面内リタデーションの合計であり、Rthは、Aプレート及びCプレートそれぞれの厚さ方向のリタデーションの合計である。
位相差フィルム12のNz係数を、式(v)で表す。更に、位相差フィルムの面内リタデーションR0と、投影面22での画像表示層4の面内リタデーションR(50)Mとの比をρ係数として式(vi)で表す。
Nz=(Rth/R0)+0.5・・・(v)
ρ=R(50)M/R0・・・(vi)
画像表示装置2は、以下の式(vii)、式(viii)及び式(ix)を全て満たすか、または、式(vii)、式(x)及び式(xi)を満たす。
3.5ρ+0.39<Nz<3.5ρ+0.65 ・・・(vii)
ρ>0・・・(viii)
0.5<Nz≦1.5・・・(ix)
ρ<0・・・(x)
−1.5<Nz<0.5・・・(xi)
換言すれば、画像表示装置2は、ρ-Nz座標系(デカルト座標系)において、式(vii)で表される領域のうち、式(vii)、式(viii)及び式(ix)を全て満たす領域または、式(vii)、式(x)及び式(xi)を満たす領域に含まれるρ及びNzの組を満たす位相差フィルム12及び画像表示層4を備える装置である。なお、式(viii)の代わりに、式(viii−1)であってもよい。式(ix)の代わりに、式(ix−1)であってもよい。式(x)の代わりに式(x−1)であってもよい。式(xi)の代わりに、式(xi−1)であってもよい。
0<ρ<0.12・・・(viii−1)
0.5<Nz≦1.0・・・(ix−1)
−0.06<ρ<0・・・(x−1)
0.2<Nz<0.5・・・(xi−1)
ρが0より大きい場合(上記式(viii)を満たす場合)、以下の式(xii)、式(xiii)および式(xiv)を満たす範囲が好ましい。
0.06≦ρ≦0.11 ・・・(xii)
Nz≧3.5ρ+0.405 ・・・(xiii)
Nz≦3.5ρ+0.61・・・(xiv)
ρが0より小さい場合(上記式(x)を満たす場合)、以下の式(xv)、式(xvi)および式(xvii)を満たす範囲が好ましい。
−0.07≦ρ≦−0.04・・・(xv)
Nz≧3.5ρ+0.42・・・(xvi)
Nz≦3.5ρ+0.59・・・(xvii)
第2実施形態の画像表示装置2は、例えば、位相差フィルム12が有するAプレート18及びCプレート20を形成する熱可塑性樹脂や重合性液晶化合物の種類や配合比率を調整したり、Aプレート18及びCプレート20の厚さを調整することによって製造され得る。
第2実施形態においても、画像表示装置2は、画像表示層4の反射位相差を考慮した上記条件を満たす。そのため、画像表示装置2では、斜め色差を最小にするために最適な設計が為された構成を有する。その結果、斜め色差を十分に(或いは、設計どおり又は所望の状態に)抑制できる。
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。光学積層体6の一例として円偏光板を挙げたが、光学積層体6は円偏光板に限定されない。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、例中の「%」及び「部」は、特記しない限り、質量%及び質量部を意味する。以下の説明の円偏光板が、上記実施形態で説明した光学積層体に対応し、光反射層が画像表示層に対応する。
[測定方法]
<フィルムの厚さの測定方法>
フィルムの厚さは接触式膜厚計(株式会社ニコン製MH−15M、カウンタTC101、MS−5C)を用いて測定した。
<リタデーションの測定方法>
AプレートとCプレートの厚さ方向のリタデーションや面内リタデーションは、複屈折評価装置(王子計測機器株式会社製 KOBRA−WPR)を使用して測定した。
光反射層の入射角ごとのリタデーションは、分光エリプソメーター(J.A.Woollam製 M−2000)を使用して測定した。
<傾斜角50度観察の斜め色差ΔC
傾斜角50度観察の斜め色差ΔCをInstrument SystemsGmbH製のディスプレイ評価システムDMS803で測定した。
[光反射層の準備]
以下の7種類の光反射層を用いた。
光反射層A:久保金属製作所製の真鍮板であるM560を使用した。
光反射層B:市販のApple Inc.製OLED表示装置搭載スマートホンiPhone(登録商標)Xを分解し、カバーガラスと円偏光板を取り除いて使用した。
光反射層C:株式会社UACJ製のアルミホイルであるマイホイル厚形50の光沢面を使用した。
光反射層D:銅板に硬質クロムめっき(工業用クロムメッキJIS H8615)を施して得た。
光反射層E:無アルカリガラス板であるCorning製Eagle XGを使用した。
光反射層F:高反射率反射板としてAlanod製の高反射コーティング付きアルミ蒸着反射板であるMIRO5 5011GPを使用した。
光反射層G:市販のサムスン電子製OLED表示装置搭載タブレットGalaxy tab S 8.4を分解し、カバーガラスと円偏光板を取り除いて使用した。
各光反射層の傾斜角50度の波長550nmの反射位相差Δδ50(550)及び反射リタデーションR50M(550)は、表1に示すとおりであった。これらは実際のOLED表示装置を模した条件で測定するために、各光反射層A〜Gの上に未延伸シクロオレフィンポリマーを貼合して測定した。シクロオレフィンポリマーの面内リタデーションは波長450nm,550nm,630nmのいずれにおいても0.1未満であった。
Figure 2021131570
[円偏光板の作製]
〔水平配向膜形成用組成物の調製〕
下記構造の光配向性材料5部(重量平均分子量:30000)とシクロペンタノン(溶媒)95部とを混合した。得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、水平配向膜形成用組成物を得た。
Figure 2021131570
〔垂直配向膜形成用組成物の調製〕
日産化学工業株式会社製、サンエバーSE610を使用した。
〔水平配向液晶硬化膜形成用組成物の調製〕
水平配向液晶硬化膜(Aプレート)を形成するために、下記の重合性液晶化合物Aと重合性液晶化合物Bを用いた。重合性液晶化合物Aは、特開2010−31223号公報に記載された方法で製造した。また、重合性液晶化合物Bは、特開2009−173893号公報に記載された方法に準じて製造した。以下にそれぞれの分子構造を示す。
[重合性液晶化合物A]
Figure 2021131570
[重合性液晶化合物B]
Figure 2021131570
重合性液晶化合物A、及び重合性液晶化合物Bを87:13の質量比で混合した。得られた混合物100部に対して、レベリング剤(F−556;DIC株式会社製)を1.0部、重合開始剤である2−ジメチルアミノ−2−ベンジル−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン(イルガキュア369、BASFジャパン株式会社製)を6部添加した。さらに、固形分濃度が13%となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加し、80℃で1時間攪拌することにより、水平配向液晶硬化膜形成用組成物を得た。
〔垂直配向液晶硬化膜形成用組成物の調整〕
垂直配向液晶硬化膜(Cプレート)を形成するために、以下の手順で組成物を調製した。重合性液晶化合物であるPaliocolor LC242(BASF社登録商標)100部に対して、レベリング剤としてF−556を0.1部、及び重合開始剤としてイルガキュア369を3部添加した。固形分濃度が13%となるようにシクロペンタノンを添加して、垂直配向液晶硬化膜形成用組成物を得た。
〔偏光板の作製〕
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上、厚さ75μmのポリビニルアルコール(PVA)フィルムを準備した。PVAフィルムを30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬してヨウ素染色を行った(ヨウ素染色工程)。ヨウ素染色工程を経たPVAフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が12/5/100の水溶液に、56.5℃で浸漬してホウ酸処理を行った(ホウ酸処理工程)。ホウ酸処理工程を経たPVAフィルムを8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光フィルムを得た。PVAフィルムの延伸は、ヨウ素染色工程とホウ酸処理工程において行った。PVAフィルムの総延伸倍率は5.3倍であった。得られた偏光フィルムの厚さは10μmであった。
偏光フィルムと、ケン化処理されたトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(コニカミノルタ株式会社製 KC4UYTAC 厚さ40μm)とを水系接着剤を介してニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を430N/mに保ちながら、60℃で2分間乾燥して、片面に保護フィルムとしてTACフィルムを有する偏光板を得た。なお、水系接着剤は水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、「クラレポバール KL318」)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(田岡化学工業株式会社製、「スミレーズレジン650」、固形分濃度30%の水溶液〕1.5部とを添加して調製した。
得られた偏光板について光学特性の測定を行った。測定は上記で得られた偏光板の偏光フィルム面を入射面として分光光度計(「V7100」、日本分光株式会社製)にて実施した。偏光板の吸収軸はポリビニルアルコールの延伸方向と一致しており、得られた偏光板の視感度補正単体透過率は42.3%、視感度補正偏光度は99.996%、単体色相aは−1.0、単体色相bは2.7であった。
〔水平配向液晶硬化膜(Aプレート)の作製〕
日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂(COP)フィルム(ZF−14−50)上にコロナ処理を実施した。コロナ処理は、ウシオ電機株式会社製のTEC−4AXを使用して行った。コロナ処理は、出力0.78kW、処理速度10m/分の条件で1回行った。COPフィルムに水平配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥した。塗布膜に対して、偏光UV照射装置(「SPOT CURE SP−9」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、波長313nmにおける積算光量が100mJ/cm2となるように、軸角度45°にて偏光UV露光を実施した。得られた水平配向膜の膜厚は100nmであった。
続いて、水平配向膜に、水平配向液晶硬化膜形成用組成物を、バーコーターを用いて塗布し、120℃で1分間乾燥した。塗布膜に対して、高圧水銀ランプ(「ユニキュアVB−15201BY−A」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm2)することにより、水平配向液晶硬化膜を形成した。水平配向液晶硬化膜の膜厚は約1.9μmであった。
水平配向液晶硬化膜上に、粘着剤層を積層した。当該粘着剤層を介して、COPフィルム、配向膜、水平配向液晶硬化膜からなるフィルムをガラスに貼合した。COPフィルムを剥離して、リタデーションを測定するためのサンプルを得た。
各波長におけるリタデーションR0A(λ)を測定した結果は、以下のとおりであり、水平配向液晶硬化膜は、逆波長分散性を示した。
R0A(450)=124nm
R0A(550)=142nm
R0A(650)=146nm
R0A(450)/R0A(550)=0.87
R0A(650)/R0A(550)=1.03
水平配向液晶硬化膜は、nx>ny≒nzの関係を満たす、ポジティブAプレートであった。なお、各波長におけるリタデーションRthA(λ)を測定した結果は、以下のとおりであった。
RthA(450)=64nm
RthA(550)=71nm
RthA(650)=73nm
〔垂直配向液晶硬化膜(Cプレート)の作製〕
COPフィルムに対して、コロナ処理を実施した。コロナ処理の条件は上記と同じとした。COPフィルム上に、垂直配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥させて、垂直配向膜を得た。得られた垂直配向膜の膜厚は50nmであった。
垂直配向膜に、バーコーターを用いて垂直配向液晶硬化膜形成用組成物を塗布し、90℃で120秒間乾燥した。塗布膜に対して、高圧水銀ランプ(「ユニキュアVB−15201BY−A」、ウシオ電機株式会社製)を用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:500mJ/cm)することにより、垂直配向液晶硬化膜を形成した。このようにしてCOPフィルム、垂直配向膜、垂直配向液晶硬化膜からなるフィルムを得た。垂直配向液晶硬化膜の膜厚は、0.2μmであった。
垂直配向液晶硬化膜上に粘着剤層を積層した。当該粘着剤層を介して、COPフィルム、配向膜、垂直配向液晶硬化膜からなるフィルムをガラスに貼合した。COPフィルムを剥離して、リタデーションを測定するためのサンプルを得た。波長550nmにおけるリタデーションRthC1(550)を測定した結果、
RthC(550)=−20nmであった。
垂直配向液晶硬化膜は、nx≒ny<nzの関係を満たすポジティブCプレートであった。
COPフィルム上に形成された垂直配向膜及び垂直配向液晶硬化膜(Cプレート)の垂直配向液晶硬化膜面と、COPフィルム上に形成された水平配向膜及び水平配向液晶硬化膜(Aプレート)の水平配向液晶硬化膜面とを、粘着剤を介して接着し、その後、Aプレート側のCOPフィルムを剥離して、COPフィルム、Cプレート、Aプレートがこの順に積層されたフィルムを得た。
このフィルムのうち、水平配向液晶硬化膜(Aプレート)にコロナ処理を施した。コロナ処理の条件は上記と同じとした。偏光板10における偏光フィルム14と水平配向液晶硬化膜(Aプレート)とが互いに接するように、両者を、粘着剤層を介して積層した。このとき、偏光フィルムの吸収軸と、水平配向液晶硬化膜の遅相軸とのなす角度は45°であった。このようにして、位相差フィルムと偏光板とが粘着剤層を介して積層された円偏光板(1)を得た。この円偏光板(1)は、TACフィルム、偏光フィルム、粘着剤層、水平配向液晶硬化膜(Aプレート)、粘着剤層、垂直配向液晶硬化膜(Cプレート)の層構成を有していた。
[円偏光板(2)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.3μm、RthC(550)=−30nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(2)を作製した。
[円偏光板(3)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.4μm、RthC(550)=−40nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(3)を作製した。
[円偏光板(4)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.5μm、RthC(550)=−50nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(4)を作製した。
[円偏光板(5)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.6μm、RthC(550)=−60nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(5)を作製した。
[円偏光板(6)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.7μm、RthC(550)=−70nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(6)を作製した。
[円偏光板(7)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.8μm、RthC(550)=−80nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(7)を作製した。
[円偏光板(8)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が0.9μm、RthC(550)=−90nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(8)を作製した。
[円偏光板(9)の作製]
垂直配向液晶硬化膜の膜厚が1.0μm、RthC(550)=−100nmとなるようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(9)を作製した。
[円偏光板(10)の作製]
Cプレート20を有さないようにしたこと以外は円偏光板(1)と同様にして、円偏光板(10)を作製した。
<実施例1>
円偏光板(1)における、COPフィルムを剥離して露出した面に、粘着剤層を積層した。この粘着剤層を介して、円偏光板(1)と光反射層Aとを積層し、積層体を得た。
得られた積層体について、円偏光板(1)のAプレートの面内リタデーションR0A(550)、傾斜角50度観察する際の投影面での面内リタデーションのうち、回転軸を進相軸と仮定したときのリタデーションR50Afast(550)、回転軸を遅相軸と仮定したときのリタデーションR50Aslow(550)と、Cプレートの厚み方向のリタデーションRthC(550)、傾斜角50度観察する際の投影面での面内リタデーションをR50C(550)と、光反射層の傾斜角50度観察する際の投影面での反射位相差R50M(550)の値とをそれぞれ測定した。
得られた積層体について、斜め色差を測定した。
得られた積層体について、偏光板10の透過軸方向の透過率T1、吸収軸方向の透過率T2、Aプレートの3次元屈折率nAx、nAy、nAz、及び、波長550nmの面内リタデーションR0A、Cプレート20の3次元屈折率nAx、nAy、nAz、及び波長550nmの厚み方向のリタデーションRthC、光反射層の反射リタデーションR50Mについて波長380nm〜波長780mmの範囲の上記測定データを元に式(6)〜式(26)を用いて傾斜角50度観察の斜め色差を計算した。
得られた積層体について、目視により光反射層表面に描かれた図形の視認性を評価した。図形の視認が難しいもの程、反射色の変化が小さく角度に拠らない良好な表示特性が得られる。図形は直径3mm、開口部0.5mmのランドルト環とし、青緑色油性ペンであるゼブラ製ハイマッキーライトブルーで描かれた。開口方向は無作為とした。観察は水平配向液晶硬化膜の光学軸と観測者の位置との関係を変化させて行った。
具体的には、Aプレートの進相軸に平行な面内角度で、仰角(傾斜角)50度付近から目視で観察した。この方向の反射光の色相は青緑色となり、光反射層表面に描かれた図形の色と似通るので視認は相対的に難しくなる。一方、Aプレートの遅相軸に平行な面内角度で、仰角50度付近から目視で観察したときの反射光の色相は赤色となり、光反射層表面に描かれた図形の色と異なるので、図形の視認は相対的に易しくなる。図形の開口方向の視認性を、遅相軸方向及び進相軸方向からみた場合の全体の結果として下記の1〜4の基準で明確に判断した。
「1」:開口方向を認識することができない。
「2」:目を凝らすと、開口方向を認識できる。
「3」:開口方向を認識できる。
「4」:鮮明に開口方向を認識できる。
その結果、実施例1で得られた積層体は、いずれの方向から見ても反射光の色が均一であり、広い視野角で良好な黒表示ができることがわかった。
[実施例2〜19、比較例1〜30及び参考例1〜10]
円偏光板(1)〜(10)と光反射層A〜Gとの組合せを図5〜図7に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を作製した。得られた積層体について、実施例1と同様に斜め色差を測定した。また、得られた積層体について、実施例1と同様に、目視により水平配向液晶硬化膜の光学軸と観測者の位置との関係を変化させたとき光反射層表面に描かれた図形の視認性を評価した。
ただし、光反射層Bを用いた比較例9では市販のApple Inc.製OLED表示装置搭載スマートホンiPhone(登録商標)Xを分解し、カバーガラスのみを取り除いて斜め色差ΔCの測定および図形の視認性評価を実施した。
また、光反射層Gを用いた比較例23では市販のサムスン電子製OLED表示装置搭載タブレットGalaxy tab S 8.4を分解し、カバーガラスのみを取り除いて斜め色差ΔCの測定および図形の視認性評価を実施した。
光反射層Eは、表1に示したように、反射位相差が0であることから、光反射層Eと円偏光板(1)〜(10)の組み合わせについては、式(6)〜式(26)を用いたシミュレーションにより、傾斜角50度観察の斜め色差を計算した。そのため、光反射層Eを用いた場合を参考例1〜10とした。
以上の実施例1〜19、比較例1〜30及び参考例1〜10の結果を第1実施形態の観点で整理した。図5〜図7は、第1実施形態の観点に基づいた実施例、参考例及び比較例の結果を示す図表である。
図5〜図7において、各項目名の意味は以下のとおりである。
I:使用した光反射層
II:使用した偏光板
III:視覚評価の結果
ΔC:斜め色差の測定結果
R0:円偏光板の厚さ方向のリタデーションの測定結果
R50fast:傾斜角50度観察した際の投影面での円偏光板の面内リタデーションのうち、回転軸を進相軸と仮定したときのリタデーションの測定結果
R50slow:傾斜角50度観察した際の投影面での円偏光板の面内リタデーションのうち、回転軸を遅相軸と仮定したときのリタデーションの測定結果
R50M:投影面での光反射層の面内リタデーション
α:式(i)のR0、R(θ)fast及びR(θ)Mを、R0、R50fast及びR50Mとした場合の計算結果
β:式(ii)のR0、R(θ)、R(θ)slow及びR(θ)Mを、R0、R50slow及びR50Mとした場合の計算結果
|α|+|β|:図5〜図7におけるα及びβに基づいた計算結果
図5〜図7における、R0、R50fast、R50slow及びR50Mは、波長550nmにおけるリタデーションであった。
また、図5〜図7において、参考例1〜10は、シミュレーション結果であるため、項目名III(視覚評価の結果)の欄を空欄としている。
図5〜図7に示したように、比較例1〜30及び参考例1〜10は、上記式(i)〜(iv)の何れかを満たしていない。比較例1〜30における視覚評価は3以上であった。一方、実施例1〜19は、上記式(i)〜(iv)を満たしている。この際の視覚評価は、1又は2であった。したがって、実施例1〜19では、斜め色差を十分抑制できていることが理解できる。
実施例1〜19、比較例1〜30及び参考例1〜10の結果を第2実施形態の観点で整理した。図8〜図10は、第2実施形態の観点に基づいた実施例、参考例及び比較例の結果を示す図表である。
図8〜図10において、各項目名の意味は以下のとおりである。項目名「I」、「II」、「III」、「ΔC」及び「M50M」は図5〜図7の場合と同様である。
R0A:円偏光板が有する水平配向液晶硬化膜(Aプレート)の面内リタデーションの測定結果
RthA:円偏光板が有する水平配向液晶硬化膜(Aプレート)の厚さ方向のリタデーションの測定結果
RthC:円偏光板が有する垂直配向液晶硬化膜(Cプレート)の厚さ方向のリタデーションの測定結果
Nz:式(v)におけるRth及びR0をそれぞれ、(RthA+RthC)及びR0Aとした場合の算出結果(Nz係数)
ρ:式(vi)におけるR(50)M及びR0を、R50M及びR0とした場合の算出結果(ρ係数)
図8〜図10における、R0、R0A、RthA、RthC及びR50Mは、波長550nmにおけるリタデーションであった。
また、図8〜図11においても、参考例は、シミュレーション結果であるため、項目名III(視覚評価の結果)の欄を空欄としている。
図11は、図8〜図10に記載の実施例1〜19及び比較例1〜30を、ρ-Nz平面にプロットした図面である。図11の横軸は、ρを示し、縦軸はNzを示している。図11中のラインL1及びラインL2は、それぞれ次に示す式で表されるラインである。
L1:Nz=3.5ρ+0.65
L2:Nz=3.5ρ+0.39
図11のρ>0のうち、ハッチングが付されている領域は、式(vi)、式(viii)及び式(ix)を全て満たす領域である。図11のρ<0のうち、ハッチングが付されている領域は、式(vi)、式(x)及び式(xi)を満たす領域である。
図11に示したように、全ての実施例は、ハッチング領域内に含まれており、比較例は、ハッチング領域に含まれていない。更に、図8〜図10より、比較例1〜30における視覚評価は3以上であった。一方、実施例1〜19の視覚評価は、1又は2であった。したがって、式(vi)、式(viii)及び式(ix)を全て満たす又は式(vi)、式(x)及び式(xi)を満たす領域(図11のハッチング領域)に含まれる実施例1〜19では、斜め色差を十分抑制できていることが理解できる。
図11において、二点鎖線で囲まれた領域24は、ρが0より大きい範囲において、前述した式(xii)、式(xiii)および式(xiv)を満たす範囲である。領域24に、実施例が含まれていることから、ρが0より大きい範囲では、式(xii)、式(xiii)および式(xiv)を満たすことが好ましいことが理解できる。
図11において、二点鎖線で囲まれた領域26は、ρが0より小さい範囲において、前述した式(xv)、式(xvi)および式(xvii)を満たす範囲を満たす範囲である。領域26に、実施例が含まれていることから、ρが0より小さい範囲では、式(xv)、式(xvi)および式(xvii)を満たす範囲を満たすことが好ましいことが理解できる。
2…画像表示装置、4…画像表示層(光反射性画像表示層)、12…位相差フィルム、12a…遅相軸(面内遅相軸)、12b…進相軸(面内進相軸)、14…偏光フィルム、14a…吸収軸、18…Aプレート、20…Cプレート、22…投影面。

Claims (4)

  1. 光反射性画像表示層と、前記光反射性画像表示層の画像表示面上に設けられた位相差フィルム及び偏光フィルムとを備える画像表示装置であって、
    前記偏光フィルムの吸収軸と前記位相差フィルムの面内遅相軸とのなす角度が45度±5度であり、
    前記位相差フィルムの面内リタデーションをR0とし、
    前記位相差フィルムの厚さ方向に対して傾斜角θ方向に直交する面を投影面とし、
    前記位相差フィルムの面内進相軸を回転軸と仮定した場合において、前記投影面における前記位相差フィルムの面内リタデーションをR(θ)fastとし、
    前記位相差フィルムの前記面内遅相軸を回転軸と仮定した場合において、前記投影面における前記位相差フィルムの面内リタデーションをR(θ)slowとし、
    前記投影面における前記光反射性画像表示層の面内リタデーションをR(θ)Mとしたとき、
    下式(i)〜式(iv)を満たし、
    α=R0−{R(θ)fast + R(θ)M} ・・・(i)
    β=R0−{R(θ)slow − R(θ)M} ・・・(ii)
    |α(θ)|+|β(θ)|<10nm ・・・(iii)
    |R(θ)M|>0nm ・・・(iv)
    前記R0、前記R(θ)fast、前記R(θ)slow及び前記R(θ)Mは、波長550nmにおけるリタデーションであり、
    前記傾斜角θは、50度である、
    画像表示装置。
  2. 光反射性画像表示層と、前記光反射性画像表示層の画像表示面上に設けられた位相差フィルム及び偏光フィルムとを備える画像表示装置であって、
    前記偏光フィルムの吸収軸と前記位相差フィルムの面内遅相軸とのなす角度が45度±5度であり、
    前記位相差フィルムの面内リタデーションをR0とし、
    前記位相差フィルムの厚さ方向のリタデーションをRthとし、
    前記位相差フィルムの厚さ方向に対して傾斜角が50度である方向に直交する面を投影面とし、
    前記投影面における前記光反射性画像表示層の面内リタデーションをR(50)Mとし、
    Nz及びρを式(v)及び式(vi)で表したとき、前記Nz及び前記ρが、式(vii)、式(viii)及び式(ix)を満たすか、または、式(vii)、式(x)及び式(xi)を満たし、
    前記R0、前記Rth及び前記R(50)Mは、波長550nmに対するリタデーションである、
    画像表示装置。
    Nz=(Rth/R0)+0.5・・・(v)
    ρ=R(50)M/R0・・・(vi)
    3.5ρ+0.39<Nz<3.5ρ+0.65 ・・・(vii)
    ρ>0・・・(viii)
    0.5<Nz≦1.5・・・(ix)
    ρ<0・・・(x)
    −1.5<Nz<0.5・・・(xi)
  3. 前記位相差フィルムは、AプレートとCプレートとを有する、
    請求項1または2に記載の画像表示装置。
  4. 前記位相差フィルムと前記偏光フィルムとは円偏光板を構成する、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の画像表示装置。

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