JP2021131246A - 画像形成装置および表面状態判定方法 - Google Patents

画像形成装置および表面状態判定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021131246A
JP2021131246A JP2020025457A JP2020025457A JP2021131246A JP 2021131246 A JP2021131246 A JP 2021131246A JP 2020025457 A JP2020025457 A JP 2020025457A JP 2020025457 A JP2020025457 A JP 2020025457A JP 2021131246 A JP2021131246 A JP 2021131246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
light
spectroscopic
light emitting
image forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020025457A
Other languages
English (en)
Inventor
孝 臼井
Takashi Usui
孝 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2020025457A priority Critical patent/JP2021131246A/ja
Publication of JP2021131246A publication Critical patent/JP2021131246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Image Input (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】印刷媒体の表面状態を適切に検出できる画像形成装置を提供する。【解決手段】印刷媒体の表面の被照射領域Rに対して斜め方向から光を照射する光源82と、光源から照射された光が被照射領域で反射した反射光を被照射領域と直交する方向から受光して、被照射領域の反射光像を取得する撮像手段84と、撮像手段で取得した反射光像に基づいて印刷媒体の表面状態を判定する判定手段を備える。光源は、被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部82a,82bを有する。【選択図】図2

Description

この発明は画像形成装置および表面状態判定方法に関し、特にたとえば、印刷媒体の表面状態を判定する判定手段を備える、画像形成装置および表面状態判定方法に関する。
従来の画像形成装置の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の画像形成装置は、印刷媒体の表面に光を照射する光照射手段と、印刷媒体表面の光照射手段による光照射領域を映像として読み取る読取手段と、読取手段によって読み取られた映像に基づいて画像形成条件を制御する制御手段とを備える。そして、光照射手段と読取手段とは、光照射手段と読取手段とを結ぶ直線を印刷媒体の表面上に投影した直線が、印刷媒体の搬送方向に対して斜め方向になるように配置される。
特開2004−38879号公報
画像形成装置においては、エンボス紙のように表面に凹凸のある印刷媒体に対して画像を形成する場合がある。エンボス紙には、一方向に延びる筋状ないし縞状の凹凸を有するものがあるが、特許文献1の技術では、光照射手段による光の照射方向(方位角)と印刷媒体の凹凸の延びる方向とが一致してしまった場合に、印刷媒体の凹凸を適切に検出できない恐れがある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像形成装置および表面状態判定方法を提供することである。
この発明の他の目的は、印刷媒体の表面状態を適切に検出できる、画像形成装置および表面状態判定方法を提供することである。
第1の発明は、印刷媒体の表面に画像を形成する画像形成装置であって、印刷媒体の表面の被照射領域に対して斜め方向から光を照射する光源、光源から照射された光が被照射領域で反射した反射光を受光して、当該被照射領域の反射光像を取得する撮像手段、および撮像手段で取得した反射光像に基づいて印刷媒体の表面状態を判定する判定手段を備え、光源は、被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を有する、画像形成装置である。
第1の発明によれば、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を有するので、一方向に延びる筋状ないし縞状の凹凸を有するエンボス紙であっても、表面状態を反映したコントラストの高い画像を確実に得ることができる。したがって、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、撮像手段で取得した反射光像を構成する色チャンネルごとに分解して、複数の分光画像を生成する分光画像生成手段を備え、判定手段は、分光画像生成手段で生成された複数の分光画像のうち、特徴量の大きい少なくとも1つの分光画像を用いて印刷媒体の表面状態を判定する。
第3の発明は、第1の発明に従属し、撮像手段で取得した反射光像を構成する色チャンネルごとに分解して、複数の分光画像を生成する分光画像生成手段を備え、判定手段は、分光画像生成手段で生成された複数の分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いて印刷媒体の表面状態を判定する。
第4の発明は、第1の発明に従属し、撮像手段は、被照射領域で反射した反射光を構成する色光ごとに分離する分光手段と、分光手段によって分離された分光をそれぞれ受光して分光画像を取得する複数の撮像部とを含み、判定手段は、複数の撮像部で取得された複数の分光画像のうち、特徴量の大きい少なくとも1つの分光画像を用いて印刷媒体の表面状態を判定する。
第5の発明は、第1の発明に従属し、撮像手段は、被照射領域で反射した反射光を構成する色光ごとに分離する分光手段と、分光手段によって分離された分光をそれぞれ受光して分光画像をそれぞれ取得する複数の撮像部とを含み、判定手段は、複数の撮像部で取得された複数の分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いて印刷媒体の表面状態を判定する。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に従属し、判定手段によって印刷媒体の表面に凹凸があると判定されたとき、印刷媒体に対する画像形成に係る条件を変更する変更手段を備える。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明に従属し、複数の発光部のそれぞれは、印刷媒体の表面に対する仰角が5度〜45度の範囲内となる方向から色光を照射する。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に従属し、複数の発光部の数をnとしたとき、当該複数の発光部は、照射する各色光の方位角差が180/nとなるように配置される。
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明に従属し、光源は、被照射領域に対して、複数の発光部の少なくとも1つと方位角が同じであってかつ仰角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する他の発光部をさらに有する。
第10の発明は、第1から第8のいずれかの発明に従属し、光源は、被照射領域に対して、複数の発光部の少なくとも1つと方位角差が180度となる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する他の発光部をさらに有する。
第11の発明は、第1から第10のいずれかの発明に従属し、複数の発光部のそれぞれは、格子状または縞状の色光を被照射領域に照射する。
第12の発明は、印刷媒体の表面に画像を形成する画像形成装置における印刷媒体の表面状態判定方法であって、(a)印刷媒体の表面の被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる複数の色光を斜め方向から照射する照射ステップ、(b)照射ステップで照射された光が被照射領域で反射した反射光を受光して、当該被照射領域の反射光像を取得する撮像ステップ、および(c)撮像ステップで取得した反射光像に基づいて印刷媒体の表面状態を判定する判定ステップを含む、表面状態判定方法である。
この発明によれば、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を有するので、一方向に延びる筋状ないし縞状の凹凸を有するエンボス紙であっても、表面状態を反映したコントラストの高い画像を確実に得ることができる。したがって、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の第1実施例の画像形成装置の内部構成を示す図解図である。 図1の画像形成装置が備える表面状態検出部を模式的に示す斜視図である。 図2の表面状態検出部を撮像部の後方から見た様子を示す図解図である。 図2の表面状態検出部を撮像部の側方から見た様子を示す図解図である。 方位角および仰角を説明するための図解図である。 図1の画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。 図6に示したRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。 図6に示したCPUが実行する表面状態判定処理の一例を示すフロー図である。 この発明の第2実施例の画像形成装置が備える表面状態検出部を示す斜視図である。 この発明の第3実施例の画像形成装置が備える表面状態検出部を撮像部の側方から見た様子を示す図解図である。 図10の表面状態検出部において凹部を撮影するときの様子を示す図解図である。 この発明の第4実施例の画像形成装置が備える表面状態検出部を撮像部の後方から見た様子を示す図解図である。 図12の表面状態検出部において凹部を撮影するときの様子を示す図解図である。 図12の表面状態検出部において凸部を撮影するときの様子を示す図解図である。
[第1実施例]
図1を参照して、この発明の一実施例である画像形成装置10は、電子写真方式によって所定の印刷用紙(印刷媒体)に対して多色または単色の画像を形成する装置である。詳細は後述するように、画像形成装置10は、エンボス加工の有無などの印刷用紙の表面状態を検出するための表面状態検出部80を備えており、表面状態検出部80による検出結果に基づいて、印刷用紙に対する画像形成に係る条件を適宜変更する。
先ず、画像形成装置10の構成について概略的に説明する。この第1実施例では、画像形成装置10は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機である。
図1に示すように、画像形成装置10は、装置本体12と、その上方に配置される画像読取装置14とを含む。
画像読取装置14は、透明材によって形成される原稿載置台16を備える。原稿載置台16の上側には、ヒンジ等を介して原稿押さえカバー18が開閉自在に取り付けられる。この原稿押さえカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に給紙する自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)24が設けられる。また、原稿載置台16の前面側には、ユーザによる印刷開始指示などの入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等を含む操作部(図示せず)が設けられる。
また、画像読取装置14には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える画像読取部26が内蔵される。画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
装置本体12には、後述するCPU70およびメモリ(RAM74およびHDD76)等を含む制御部28、および画像形成部30などが内蔵される。制御部28は、タッチパネル等の操作部への入力操作などに応じて、画像形成装置10の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置10に種々の動作を実行させる。
画像形成部30は、露光ユニット32、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、中間転写ユニット42、2次転写ローラ44および定着ユニット46等を備え、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から搬送される印刷用紙上に画像を形成し、画像形成済みの印刷用紙を排紙トレイ52に排出する。印刷用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部26で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
なお、画像形成装置10において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させる部材である。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像器34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58、および4つの中間転写ローラ60などを備え、感光体ドラム36の上方に配置される。中間転写ベルト54は、各感光体ドラム36に接触するように設けられている。中間転写ローラ60を用いて、各感光体ドラム36に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト54に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト54上に多色のトナー像が形成される。また、2次転写ローラ44は、駆動ローラ56との間で中間転写ベルト54を押圧するように設けられている。そして、中間転写ベルト54と2次転写ローラ44との間の転写ニップ部を印刷用紙が通過することによって、中間転写ベルト54に形成されたトナー像が印刷用紙に転写される。
定着ユニット46は、ヒートローラ62および加圧ローラ64を備え、2次転写ローラ44の上方に配置される。ヒートローラ62は、所定の定着温度となるように設定されている。ヒートローラ62と加圧ローラ64との間のニップ域を印刷用紙が通過することによって、印刷用紙に転写されたトナー像が加熱および圧接されて、印刷用紙に対してトナー像が熱定着される。
このような装置本体12内には、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50からの印刷用紙をレジストローラ68、2次転写ローラ44および定着ユニット46を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路L1が形成される。また、印刷用紙に対して両面印刷を行う際に、表面側の印刷が終了して定着ユニット46を通過した後の印刷用紙を、2次転写ローラ44の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に戻すための第2用紙搬送路L2が形成される。この第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2には、印刷用紙に対して補助的に推進力を与えるための複数の搬送ローラ66が適宜設けられる。
レジストローラ68は、ペーパーストップローラ(PSローラ)とも呼ばれ、画像形成部30が印刷用紙に画像形成を行うプロセススピードと等しい速度で、印刷用紙を搬送する。たとえば、レジストローラ68は、搬送ローラ66によって搬送された印刷用紙を挟持した状態で待機(一旦停止)し、中間転写ユニット42と同期させて印刷用紙の搬送を開始する。このとき、レジストローラ68は、中間転写ベルト54の周速度と略等しい周速度で回転される。
画像形成装置10において片面印刷を行う際には、印刷用紙は、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から1枚ずつ第1用紙搬送路L1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、印刷用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで印刷用紙が2次転写ローラ44(2次転写ニップ部)に搬送され、印刷用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット46(定着ニップ部)を通過することによって印刷用紙上の未定着トナーが熱定着されて、排紙トレイ52上に用紙が排出される。
一方、両面印刷を行う際には、表面側の印刷が終了して定着ユニット46を通過した印刷用紙の後端部が排紙トレイ52近傍の搬送ローラ66まで到達したとき、この搬送ローラ66を逆回転させることによって、印刷用紙が逆走して第2用紙搬送路L2に導かれる。第2用紙搬送路L2に導かれた印刷用紙は、搬送ローラ66によって第2用紙搬送路L2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に導かれる。この時点で印刷用紙の表裏は反転されるので、その後、レジストローラ68を経て、2次転写ローラ44および定着ユニット46を印刷用紙が通過することによって、印刷用紙の裏面側に印刷が行われる。
このような画像形成装置10を用いて画像を形成する印刷用紙には、表面が平滑なものだけでなく、表面に凹凸が予め装飾されたエンボス紙なども含まれる。また、汚れ、付着物、皺、破れ、ステープル痕および折り目などの様々な表面状態を持つものも含まれる。ここで、印刷用紙の表面状態を適切に検出できれば、その表面状態に合わせて画像形成に係る条件を変更することで、印刷用紙に画像をより適切に形成することができる。
そこで、この第1実施例では、給紙カセット48または手差し給紙トレイ50から搬送された印刷用紙の表面状態、特に、印刷用紙の表面にエンボス加工が施されているか否かを検出するための表面状態検出部80を装置本体12内に設けている。表面状態検出部80では、搬送されてくる印刷用紙の表面の被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を同時に照射し、被照射領域の反射光像を取得する。表面状態検出部80で取得された反射光像は、反射光像を構成する色チャンネル毎に分解され、生成された分光画像が印刷用紙の表面状態の判定に用いられる。以下、表面状態検出部80の構成について具体的に説明する。
図1に示すように、表面状態検出部80は、印刷用紙の表面(画像形成側の面)と対向するように設けられる。表面状態検出部80の配置位置は、印刷用紙への転写前の位置であれば特に限定されないが、第1用紙搬送路L1と第2用紙搬送路L2との合流点P1から2次転写ローラ44(2次転写ニップ部)の突入口P2までの第1用紙搬送路L1に表面状態検出部80を配置することが好ましい。この第1実施例では、表面状態検出部80は、レジストローラ68の手前、つまり合流点P1とレジストローラ68との間に配置される。
図2〜図4に示すように、表面状態検出部80は、光源82および撮像部84を備える。光源82は、互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を有している。複数の発光部のそれぞれは、印刷用紙の表面の被照射領域Rに対して、斜め方向(つまり仰角φが90度となる方向を除く方向)から色光を照射する。また、複数の発光部は、被照射領域Rに対して、方位角θが互いに異なる方向(つまり互いに異なる方位)から色光を照射する。
なお、この発明で言う方位角θとは、図5に示すように、印刷用紙の表面を水平面と見立てた(仮定した)場合の、被照射領域Rに対する水平方向の角度、すなわち所定方向に設定された基準線との間の水平方向の角度を表すものとする。この方位角θは、被照射領域Rの中央から立ち上がる垂線回りの角度と言うこともできる。ただし、図5に示す基準線は、方位角θを表現するために便宜上設けた線であり、基準線はどの方位に設定されても構わない。また、この発明で言う仰角φとは、印刷用紙の表面を水平面と見立てた場合の、被照射領域Rに対する高さ方向の角度を表すものとする。
図2〜図4に戻って、この第1実施例の光源82は、2つの発光部、すなわち第1発光部82aと第2発光部82bとを有している。たとえば、第1発光部82aは、照射する色光が赤色である赤色発光ダイオードであり、第2発光部82bは、照射する色光が青色である青色発光ダイオードである。ただし、光源82は、3つ以上の発光部を備えていてもよい。また、各発光部が照射する色光の種類は、特に限定されず、原色系(RGB)でも補色系(CMY)でも構わないが、色光間の分離性を考慮すると、各色の波長域に重複の少ない原色系を用いることが好ましい。なお、各発光部には、発光ダイオードの代わりに、単波長レーザを用いてもよい。
また、複数の発光部のそれぞれは、印刷用紙の表面に対する仰角φが5度〜45度の範囲内となる方向から色光を照射することが好ましく、仰角φが5度〜15度の範囲内となる方向から色光を照射することがより好ましい。これは、照射する色光の仰角φが小さくなる程、印刷用紙の表面の凹凸に応じて生じる影は出やすくなる(明瞭となる)からである。一方で、照射する色光の仰角φが小さくなり過ぎると、表面状態とは関係のない印刷用紙の長周期の起伏(撓みまたは浮き等)に影響される恐れがあるからである。この第1実施例では、第1発光部82aおよび第2発光部82bは共に、仰角φが10度となる方向から被照射領域Rに対して色光を照射するように設置されている。
さらに、複数の発光部の配置位置は、照射する各色光の方位角差Δθが0度または180度となる(つまり照射する色光同士が直線状になる)状態を除いて特に限定されないが、隣り合う(つまり1番近い)色光同士の方位角差Δθが30度から150度の範囲内となるように配置されることが好ましい。また、隣り合う色光同士の方位角差Δθが45度から135度の範囲内となるように配置されることがより好ましい。方位角差Δθが0度または180度に近づき過ぎると、得られる分光画像に違いが出難くなるからである。
その中でも、複数の発光部は、複数の発光部の数をnとしたとき、各色光の方位角差Δθが180/nとなるように配置されることがより好ましい。たとえば、光源82が2つの発光部を有する場合は、色光同士の方位角差Δθが90度となるように配置することが好ましく、光源82が3つの発光部を有する場合は、隣り合う色光同士の方位角差Δθが60度となるように配置することが好ましい。これにより、効率よく発光部が配置されて、印刷用紙の様々な表面状態に対応し易くなる。この第1実施例では、第1発光部82aは、用紙搬送方向に沿って色光を照射するように配置され、第2発光部82bは、用紙搬送方向と直交する方向に沿って色光を照射するように配置される。つまり、第1発光部82aおよび第2発光部82bは、照射する色光同士の方位角差Δθが90度となるように配置されている。
撮像部84は、結像レンズおよび撮像素子(イメージセンサ)等で構成される撮像手段であって、印刷用紙の表面と対向するように、被照射領域Rの中央から立ち上がる垂線上に設けられる。そして、撮像部84は、光源82(第1発光部82aおよび第2発光部82b)から照射された色光が被照射領域Rで反射した反射光を、印刷用紙の表面と直交する方向から受光して、被照射領域Rの反射光像(画像データ)を取得する。ただし、撮像部84は、必ずしも印刷用紙の表面と直交する方向から反射光を受光する必要はなく、光源82と異なる方向からであれば、被照射領域Rで反射した反射光を印刷用紙の表面に対して斜め方向から受光するように設けられても構わない。
撮像部84の撮像素子としては、CMOS型またはCCD型などを用いることができる。また、この第1実施例では、撮像素子は、多数の受光素子がマトリクス状に配列された受光面を備える単板式のカラー撮像素子である。単板式のカラー撮像素子としては、2つ以上の異なる分光特性を持った画素が交互に配置されたベイヤー構造の撮像素子、または異なる受光感度特性を持つ撮像面をレイヤー配置した複層構造の撮像素子を用いるとよい。単板式のカラー撮像素子を用いることで、撮像部84を小型化できる。また、ベイヤー構造の撮像素子を用いれば、広く普及しているので安価であるし、複層構造の撮像素子を用いれば、解像度が高くなる。なお、撮像素子の受光波長域は、光源82から照射される各色光の波長域と近いものを選択することが好ましい。
図6は、図1に示す画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、画像形成装置10はCPU70を含み、CPU70には、バス72を介して、RAM74、HDD76、画像読取部26、画像形成部30および表面状態検出部80などが接続される。また、図示は省略するが、操作部等の各コンポーネントもバス72を介してCPU70に接続される。
CPU70は、画像形成装置10の全体的な制御を司り、上述した画像形成装置10の各コンポーネントの動作を統括的に制御する。RAM74は、CPU70のワーク領域およびバッファ領域として使用される。HDD76は、CPU70が画像形成装置10の各コンポーネントの動作を制御するための制御プログラムおよび必要なデータなどを記憶する画像形成装置10の主記憶装置である。たとえば、HDD76には、画像読取部26および表面状態検出部80などで取得された画像データが記憶される。ただし、HDDに代えて、またはHDDとともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。また、画像データは、揮発性メモリに記憶されても構わない。
表面状態検出部80は、上述のように、第1発光部82aおよび第2発光部82bを備える光源82と、単板式のカラー撮像素子を備える撮像部84とを含む。光源82の第1発光部82aおよび第2発光部82bは、CPU70からの指示に基づき、表面状態検出部80に搬送されてきた印刷用紙の表面の被照射領域Rに対して、色光を同時に照射する。ただし、光源82は、色光を同時にではなく、時間差をあけて照射することも可能である。撮像部84は、CPU70からの指示に基づき、反射光を利用して被照射領域Rを撮像する。撮像部84で取得された反射光像(明度情報などの画像データ)は、CPU70に出力される。CPU70は、表面状態検出部80から送られてきた反射光像に基づいて、印刷用紙の表面状態を判定する。
なお、図6に示す画像形成装置10の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。また、図示は省略するが、画像形成装置10には、第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2を搬送される用紙の位置を検出するための位置検出センサ等も設けられる。CPU70は、位置検出センサの出力に応じて、第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2を搬送される用紙の位置を検出する。
このような画像形成装置10において、撮像部84で取得された反射光像には、印刷用紙の表面の凹凸に応じた影が生じている。したがって、CPU70は、特徴量として反射光像の明度情報(明度差)などを用いることで、印刷用紙の表面状態を判定することが可能である。
また、撮像部84で取得したカラー撮像画像である反射光像は、この反射光像を構成する色チャンネル毎に分解することが可能である。すなわち、この第1実施例の光源82は、方位角θが互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を備えるので、反射光像を発光部ごとに分離して扱うことができ、反射光像を各色光の波長域に対応する色チャンネル毎に分解することで、複数の発光部のそれぞれに対応する分光画像を得ることができる。すなわち、撮像部84による1度の撮像で、方位角θが互いに異なる方向から照射した色光に対応する複数の画像を得ることができる。
この第1実施例では、第1発光部82aが赤色光を照射し、第2発光部82bが青色光を照射する。このため、撮像部84で取得した反射光像を赤色チャンネルと青色チャンネルとに分解して各色の分光画像を生成すると、赤色チャンネルの分光画像は、第1発光部82aからの赤色光に応じたものとなり、青色チャンネルの分光画像は、第2発光部82bからの青色光に応じたものとなる。
このため、印刷用紙が一方向に延びる凹凸を有するエンボス紙であった場合に、一方の発光部(たとえば第1発光部82a)による色光の照射方向(方位角θ)と凹凸の延びる方向とが一致してしまったときでも、他方の発光部(たとえば第2発光部82b)による色光の照射方向は、凹凸の延びる方向とは異なる方向となる。すなわち、方向性の強いエンボスであっても、いずれかの分光画像に特徴が出現する。したがって、印刷用紙の表面状態を反映したコントラストの高い画像を確実に得ることができる。
印刷用紙の表面状態を判定する際には、生成した分光画像のうち、特徴量(明度差など)の大きい少なくとも1つの分光画像を選択して用いるとよい。たとえば、1つの分光画像が閾値よりも大きい特徴量を有していれば、その分光画像を用いて印刷用紙の表面状態を判定するとよい。また、2つの分光画像が閾値よりも大きい特徴量を有していれば、2つの分光画像を平均化処理する等して印刷用紙の表面状態を判定するとよい。
また、印刷用紙の表面状態を判定する際には、生成した分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いて判定することもできる。たとえば、印刷用紙に黒罫線が引かれていた場合、いずれの分光画像でも黒罫線位置が一様の影として検出されるが、分光画像間の差分を取った差分画像では、白地部も黒罫線部も等しく一様にゼロとなる。したがって、黒罫線部分が影として検出されることはなくなる。一方、エンボス等の凹凸は、分光画像間で影の位置および濃さ等が異なって検出されるので、差分画像においても検出可能である。
なお、印刷用紙の表面状態の判定は、特徴量の大きい分光画像による判定と、差分画像による判定の双方を用いて行うこともできる。また、反射光像をチャンネル分解せずにそのまま判定に用いても構わない。
印刷用紙の表面状態を判定すると、CPU70は、判定した印刷用紙の表面状態に基づいて、印刷用紙に対する画像形成に係る条件を変更する。画像形成に係る条件を変更する態様には、以下のものが含まれる。
たとえば、印刷用紙の表面に凹凸があると判定されたとき(つまりエンボス紙と判定された場合)には、定着温度、搬送速度および転写条件などの画像形成条件を変更(調整)して印刷する。たとえば、エンボス紙の場合には、普通紙の設定よりも、定着温度を上げたり、搬送速度を小さくしたりするとよい。エンボス紙は、一般的に普通紙よりも坪量が大きく、凹凸の空隙(隙間)にトナー等を定着させるための熱容量が大きくなること、また、定着温度がある一定温度までしか上げられない場合には、搬送速度を小さくすることで紙面への定着性を上げる必要があること等が考えられるためである。これにより、画像形成条件の最適化を図ることができる。
また、複数枚の印刷ジョブの場合に、印刷用紙の表面に凹凸があると判定されたときには、1枚目を印刷した後に、ユーザに仕上がり状態の確認を求め、ユーザが印刷の継続を許可した場合に、残りの印刷を行うようにしてもよい。或いは、複数枚の印刷ジョブの場合に、印刷用紙の表面に凹凸があると判定されたときには、テスト印刷するか否かの確認をユーザに求めることもできる。これにより、仕上がり状態(画質)の悪い印刷および無駄な印刷を抑制できる。
さらに、印刷用紙の表面に凹凸があると判定されたときには、凹凸のある領域(エンボス領域)と画像形成領域とを比較して、エンボス領域に画像を形成するか否かで画像形成条件を変えるとよい。これにより、画像形成条件の最適化を図ることができる。或いは、凹凸のない領域に、画像を縮小してフィッティングしたり、移動したりすることもできる。凹凸のない領域(非エンボス領域)に画像を形成することで、定着温度などの画像形成条件を変更する必要がなくなる。また、印刷用紙の表面の凹凸が、切取線、手穴およびパンチ穴などであった場合には、この印刷に不適切な領域を避けて画像を形成することができる。
さらにまた、印刷用紙の表面に汚れ、付着物、皺、破れ、ステープル痕および折り目などが検出された場合には、印刷をキャンセルしたり、警告を表示してユーザに他の印刷用紙への変更を促したり、印刷せずに排出して他の印刷用紙供給経路を選択して印刷処理をやり直したりしてもよい。これにより、色材および印刷用紙の無駄な浪費を抑制できる。
画像形成装置10の上記のような動作は、CPU70がRAM74に記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。
図7は、RAM74のメモリマップ100の一例を示す図解図である。図7に示すように、RAM74は、プログラム記憶領域102およびデータ記憶領域104を含む。RAM74のプログラム記憶領域102には、光照射プログラム102a、分光画像取得プログラム102b、表面状態判定プログラム102c、画像形成条件変更プログラム102dおよび画像形成プログラム102e等の制御プログラムが記憶される。
光照射プログラム102aは、光源82(第1発光部82aおよび第2発光部82b)を制御して、印刷用紙が表面状態検出部80を通過するときに、印刷用紙の被照射領域Rに色光を照射するためのプログラムである。
分光画像取得プログラム102bは、撮像部84を制御して、印刷用紙が表面状態検出部80を通過するとき(光源82から印刷用紙に色光が照射されるとき)に、被照射領域Rの反射光像を取得するためのプログラムである。また、分光画像取得プログラム102bは、取得した反射光像を構成する色チャンネルごとに分解して、複数の分光画像を生成するためのプログラムである。
表面状態判定プログラム102cは、取得した複数の分光画像に基づいて、印刷用紙の表面状態を判定するためのプログラムである。
画像形成条件変更プログラム102dは、判定した印刷用紙の表面状態に応じて、印刷用紙に対する画像形成に係る条件を変更するためのプログラムである。たとえば、画像形成条件変更プログラム102dでは、印刷用紙の表面に凹凸があると判定されたときに、定着温度、搬送速度および転写条件などの画像形成条件を変更する。
画像形成プログラム102eは、印刷ジョブが実行される際に、画像形成部30を制御して、多色または単色の画像を印刷用紙に形成するためのプログラムである。ただし、画像形成プログラム102eは、画像形成条件変更プログラム102dによって画像形成に係る条件が変更された場合には、変更された条件に従って印刷用紙に画像を形成する。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域102には、位置検出センサの出力に応じて、第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2を搬送される用紙の位置を検出するためのプログラム、画像形成装置10の各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
一方、RAM74のデータ記憶領域104には、分光画像データ104a、特徴量データ104bおよび調整値データ104cなどが記憶される。
分光画像データ104aは、撮像部84で取得された反射光像についてのデータおよび生成された分光画像についてのデータである。特徴量データ104bは、分光画像から得られる明度差などの特徴量についてのデータである。調整値データ104cは、定着温度、搬送速度および転写条件などを変更(調整)するための調整値を示すデータである。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域104には、制御プログラムの実行に必要なレジスタが設けられたり、他のデータが記憶されたりする。
図8は、画像形成装置10のCPU70が実行する表面状態判定処理の一例を示すフロー図である。この表面状態判定処理は、ユーザによって印刷ジョブの実行が指示された場合に開始され、印刷用紙上に画像を形成するための画像形成処理と並行して実行される。
図8に示すように、CPU70は、表面状態判定処理を開始すると、ステップS1で、印刷用紙が検出位置、すなわち表面状態検出部80の位置に到達したかどうかを判断する。この第1実施例では、第1用紙搬送路L1を搬送される印刷用紙の先端が、レジストローラ68に到達した場合に、印刷用紙が検出位置に到達したと判断する。ステップS1で“NO”であれば、ステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり印刷用紙が検出位置に到達した場合は、ステップS3に進む。
ステップS3では、光源82の第1発光部82aおよび第2発光部82bを駆動させ、印刷用紙の被照射領域Rに対して、斜め方向であってかつ方位角θが互いに異なる方向から、互いに波長域の異なる色光を同時に照射する。次のステップS5では、撮像部84を駆動させ、反射光を利用して被照射領域Rを撮像して反射光像を取得し、ステップS7に進む。
ステップS7では、取得した反射光像を各色光の波長域に対応する色チャンネル毎に分解して、分光画像を生成する。次のステップS9では、生成した分光画像の特徴量(明度差)を用いて、印刷用紙の表面状態を判定する。この際には、たとえば、生成した分光画像のうち特徴量の大きい分光画像を選択して用いたり、分光画像間の差分画像を用いたりする。
続くステップS11では、印刷用紙の表面に凹凸(エンボス)があるかどうかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり印刷用紙の表面に凹凸がない場合は、そのまま表面状態判定処理を終了する。一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり印刷用紙の表面に凹凸がある場合は、ステップS13に進む。ステップS13では、印刷用紙の表面状態に合わせて、画像形成に係る条件を変更する。たとえば、定着温度、搬送速度および転写条件などの画像形成条件を変更する。ステップS13の処理が終了すると、表面状態判定処理を終了する。なお、画像形成処理においては、表面状態判定処理で画像形成に係る条件が変更された場合、変更された条件に従って印刷用紙に画像が形成される。
以上のように、第1実施例によれば、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)を有するので、一方向に延びる筋状ないし縞状の凹凸を有するエンボス紙であっても、表面状態を反映したコントラストの高い画像を確実に得ることができる。したがって、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。
また、複数の発光部から印刷用紙の被照射領域に対して色光を同時に照射するので、反射光像を取得するために印刷用紙の搬送を停止する必要がなく、生産性を落とすことがない。さらに、撮像部に単板式のカラー撮像素子を用いるので、撮像部を小型化することができる。
[第2実施例]
次に、図9を参照して、この発明の第2実施例の画像形成装置10について説明する。この第2実施例では、表面状態検出部80の撮像手段である撮像部84の構成および分光画像の取得方法が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図9に示すように、第2実施例では、表面状態検出部80は、光源82および撮像部84を備える。光源82は、互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)を有している。また、撮像手段である撮像部84は、ダイクロイックミラー(ダイクロイックプリズム)86と、複数の撮像部88a,88bとを備える。ダイクロイックミラー86は、分光手段であって、被照射領域Rで反射した反射光を構成する色光(つまり)ごとに分離する。また、複数の撮像部88a,88bは、ダイクロイックミラー86によって分離された分光をそれぞれ受光して、分光画像(反射光像)を取得する。複数の撮像部88a,88bの撮像素子としては、単色式の撮像素子が用いられる。
複数の撮像部88a,88bで取得された分光画像(明度情報などの画像データ)のそれぞれは、CPU70に出力される。CPU70は、表面状態検出部80から送られてきた分光画像に基づいて、印刷用紙の表面状態を判定する。印刷用紙の表面状態を判定する際には、取得した分光画像のうち、特徴量の大きい少なくとも1つの分光画像を選択して用いたり、取得した分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いたりするとよい。
以上のように、第2実施例においても、第1実施例と同様の作用効果を奏し、生産性を落とすことなく、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。また、第2実施例によれば、撮像部に単色式の撮像素子を用いるので、解像度が高く、ダイクロイックミラーの蒸着面の設計次第で狭帯域の分離を行うことができる。
[第3実施例]
続いて、図10および図11を参照して、この発明の第3実施例の画像形成装置10について説明する。第3実施例では、表面状態検出部80の光源82の構成が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図10に示すように、この第3実施例では、表面状態検出部80は、光源82および撮像部84を備える。光源82は、互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)を有している。さらに、光源82は、複数の発光部である第1発光部82aおよび第2発光部82bに加えて、他の発光部である第3発光部82cを有している。
他の発光部(第3発光部82c)は、被照射領域Rに対して、複数の発光部の少なくとも1つと方位角θが同じ(つまり方位角差Δθが0度)であってかつ仰角φが互いに異なる方向から、互いに波長域の異なる色光を照射する。この第3実施例では、第3発光部82cは、照射する色光が緑色である緑色発光ダイオードであって、第1発光部82aと方位角θが同じ方向から被照射領域Rに対して緑色光を照射する。また、第1発光部82aにおける仰角φ1がたとえば10度であるのに対して、第3発光部82cは、仰角φ2がたとえば40度となる方向から被照射領域Rに対して緑色光を照射するように設置されている。
なお、第3実施例の他の発光部は、複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)のそれぞれに対して設けられても構わない。
図11は、第3実施例の表面状態検出部80において印刷用紙の凹部を撮影するときの様子を示す図解図である。図11に示すように、第1発光部82aおよび第3発光部82cを用いて仰角φが互いに異なる方向から赤色光および緑色光を照射すると、凹部には、いずれの色光も当たらない領域X1、緑色光のみが当たる領域X2、赤色光および緑色光の双方が当たる領域X3が生じる。この際、影となる領域の大きさで凹部の大きさを推定することが可能である。凸部の大きさについても同様である。簡単に説明すると、凹部の斜面の勾配が発光部の仰角よりも大きければ、凹部に影ができる。一方、凹部の斜面の勾配が発光部の仰角よりも小さければ、凹部に影はできない。したがって、仰角φが互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部(この実施例では、第1発光部82aおよび第2発光部82b)を利用することで、凹部の斜面勾配の大小を分類でき、斜面勾配の大小および影の大きさから凹部の大きさを推定できる。そして、たとえば、勾配の緩やかな凹部であれば、画像形成条件の補正量(変更度合)を小さくし、勾配が急峻であって特に影となる領域が大きい凹部であれば、画像形成条件の補正量を大きくするように制御するとよい。
以上のように、第3実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果を奏し、生産性を落とすことなく、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。また、光源が他の発光部である第3発光部を備えるので、印刷用紙の表面の凹凸の大きさを推定でき、より適切に画像形成条件を変更できる。
[第4実施例]
続いて、図12〜図14を参照して、この発明の第4実施例の画像形成装置10について説明する。第4実施例では、表面状態検出部80の光源82の構成が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と共通する部分については、同じ参照番号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
図12に示すように、この第4実施例では、表面状態検出部80は、光源82および撮像部84を備える。光源82は、互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)を有している。さらに、光源82は、複数の発光部である第1発光部82aおよび第2発光部82bに加えて、さらに他の発光部である第4発光部82dを有している。
他の発光部(第4発光部82d)は、被照射領域Rに対して、複数の発光部の少なくとも1つと方位角差Δθが180度となる方向(つまり正反対の方向)から互いに波長域の異なる色光を照射する。この第4実施例では、第4発光部82dは、照射する色光が緑色である緑色発光ダイオードであって、第1発光部82aと方位角差Δθが180度となる方向から被照射領域Rに対して緑色光を照射する。また、第1発光部82aおよび第4発光部82dは共に、仰角φが10度となる方向から被照射領域Rに対して色光を照射するように設置されている。
なお、第4実施例の他の発光部は、複数の発光部(第1発光部82aおよび第2発光部82b)のそれぞれに対して設けられても構わない。
図13および図14のそれぞれは、第4実施例の表面状態検出部80において印刷用紙の凹部および凸部のそれぞれを撮影するときの様子を示す図解図である。図13に示すように、第1発光部82aおよび第4発光部82dを用いて方位角差Δθが180度となる方向から赤色光および緑色光を凹部に照射すると、いずれの色光も当たらない領域Y1、赤色光のみが当たる領域Y2、緑色光のみが当たる領域Y3が生じる。一方、図14に示すように、第1発光部82aおよび第4発光部82dを用いて方位角差Δθが180度となる方向から赤色光および緑色光を凸部に照射すると、赤色光および緑色光の双方が当たる領域Z1、赤色光のみが当たる領域Z2、緑色光のみが当たる領域Z3が生じる。すなわち、凹部では領域Y1が影線として表れ、凸部では領域Z1が輝線として表れる。また、赤色光のみが当たる領域(Y2,Z2)と、緑色光のみが当たる領域(Y3,Z3)とが出現する位置関係は、凹部と凸部とで逆になる。このように、凹部と凸部とでは反射光像が異なるものとなるので、凹部と凸部とを適切に判別できる。
以上のように、第4実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果を奏し、生産性を落とすことなく、印刷用紙の表面状態を適切に検出できる。また、光源がさらに他の発光部である第4発光部を備えるので、凹部であるか凸部であるかを適切に判別できる。
なお、上述の各実施例では、光源82が備える発光部(第1〜第4発光部)のそれぞれは、一定面積内を一様に照らすものを想定して説明したが、これらは格子状または縞状の色光を照射するものであってもよい。格子状または縞状の色光であれば、線の直進性(直線との差分)から、皺、浮きおよび撓みなどの長周期の起伏も検知することができる。また、短周期の凹凸は、線の不連続性で判断できる。
なお、画像形成装置は、複写機、ファクシミリおよびプリンタ等のいずれか、またはこれらの少なくとも2つを組み合わせた複合機であってもよく、また、モノクロ機であってもよい。さらに、画像形成装置の画像形成部は、電子写真方式に限定されず、たとえば、インクジェット方式のものであってもよい。
また、上で挙げた具体的な部品形状および寸法などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …画像形成装置
12 …装置本体
14 …画像読取装置
26 …画像読取部
28 …制御部
30 …画像形成部
70 …CPU
74 …RAM
76 …HDD
80 …表面状態検出部
82 …光源
84 …撮像部(撮像手段)

Claims (12)

  1. 印刷媒体の表面に画像を形成する画像形成装置であって、
    前記印刷媒体の表面の被照射領域に対して斜め方向から光を照射する光源、
    前記光源から照射された光が前記被照射領域で反射した反射光を受光して、当該被照射領域の反射光像を取得する撮像手段、および
    前記撮像手段で取得した反射光像に基づいて前記印刷媒体の表面状態を判定する判定手段を備え、
    前記光源は、前記被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する複数の発光部を有する、画像形成装置。
  2. 前記撮像手段で取得した反射光像を構成する色チャンネルごとに分解して、複数の分光画像を生成する分光画像生成手段を備え、
    前記判定手段は、前記分光画像生成手段で生成された複数の分光画像のうち、特徴量の大きい少なくとも1つの分光画像を用いて前記印刷媒体の表面状態を判定する、請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記撮像手段で取得した反射光像を構成する色チャンネルごとに分解して、複数の分光画像を生成する分光画像生成手段を備え、
    前記判定手段は、前記分光画像生成手段で生成された複数の分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いて前記印刷媒体の表面状態を判定する、請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記撮像手段は、前記被照射領域で反射した反射光を構成する色光ごとに分離する分光手段と、前記分光手段によって分離された分光をそれぞれ受光して分光画像を取得する複数の撮像部とを含み、
    前記判定手段は、前記複数の撮像部で取得された複数の分光画像のうち、特徴量の大きい少なくとも1つの分光画像を用いて前記印刷媒体の表面状態を判定する、請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記撮像手段は、前記被照射領域で反射した反射光を構成する色光ごとに分離する分光手段と、前記分光手段によって分離された分光をそれぞれ受光して分光画像をそれぞれ取得する複数の撮像部とを含み、
    前記判定手段は、前記複数の撮像部で取得された複数の分光画像間で差分処理を行い、生成された差分画像を用いて前記印刷媒体の表面状態を判定する、請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記判定手段によって前記印刷媒体の表面に凹凸があると判定されたとき、前記印刷媒体に対する画像形成に係る条件を変更する変更手段を備える、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記複数の発光部のそれぞれは、前記印刷媒体の表面に対する仰角が5度〜45度の範囲内となる方向から色光を照射する、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記複数の発光部の数をnとしたとき、当該複数の発光部は、照射する各色光の方位角差が180/nとなるように配置される、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記光源は、前記被照射領域に対して、前記複数の発光部の少なくとも1つと方位角が同じであってかつ仰角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する他の発光部をさらに有する、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記光源は、前記被照射領域に対して、前記複数の発光部の少なくとも1つと方位角差が180度となる方向から互いに波長域の異なる色光を照射する他の発光部をさらに有する、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記複数の発光部のそれぞれは、格子状または縞状の色光を前記被照射領域に照射する、請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 印刷媒体の表面に画像を形成する画像形成装置における前記印刷媒体の表面状態判定方法であって、
    (a)前記印刷媒体の表面の被照射領域に対して、方位角が互いに異なる方向から互いに波長域の異なる複数の色光を斜め方向から照射する照射ステップ、
    (b)前記照射ステップで照射された光が前記被照射領域で反射した反射光を受光して、当該被照射領域の反射光像を取得する撮像ステップ、および
    (c)前記撮像ステップで取得した反射光像に基づいて前記印刷媒体の表面状態を判定する判定ステップを含む、表面状態判定方法。
JP2020025457A 2020-02-18 2020-02-18 画像形成装置および表面状態判定方法 Pending JP2021131246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020025457A JP2021131246A (ja) 2020-02-18 2020-02-18 画像形成装置および表面状態判定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020025457A JP2021131246A (ja) 2020-02-18 2020-02-18 画像形成装置および表面状態判定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021131246A true JP2021131246A (ja) 2021-09-09

Family

ID=77550761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020025457A Pending JP2021131246A (ja) 2020-02-18 2020-02-18 画像形成装置および表面状態判定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021131246A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8749846B2 (en) Image reading device, image reading method, and image forming apparatus
US9838568B2 (en) Image reading apparatus and image forming system
CN102314116B (zh) 图像形成设备及片材给进控制方法
US8503919B2 (en) Image forming apparatus for controlling image clarity using clear toner
JP5100174B2 (ja) 画像形成装置
JP7229782B2 (ja) 測定装置及び画像形成システム
US9578208B2 (en) Image processing apparatus
US8559835B2 (en) Image forming apparatus capable of measuring an amount of adhered toner and controlling an image density
JP2016191779A (ja) 画像読取装置、画像形成装置、及び画像形成システム
JP2010064820A (ja) 用紙搬送装置及び画像形成装置
US20120327444A1 (en) Image forming apparatus
JP6926880B2 (ja) 記録材特性検知装置および画像形成装置
JP2010026509A (ja) 画像印刷システムをモニタリングする方法及び画像印刷システム
JP6819171B2 (ja) 画像形成システム及び制御プログラム
JP4892317B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び画像形成システム
JP6358217B2 (ja) 画像形成システム及び画像形成装置
JP2010026129A (ja) 画像形成装置、制御装置、およびプログラム
JP5663509B2 (ja) 画像形成装置
US11787197B2 (en) Image forming apparatus and measurement apparatus
US20220236670A1 (en) Image forming apparatus
US11445091B2 (en) Image forming apparatus, information processing apparatus, and recording medium
JP2021131246A (ja) 画像形成装置および表面状態判定方法
JP2014106486A (ja) 印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム
CN210192895U (zh) 供纸装置以及图像形成装置
US20190324394A1 (en) Image forming apparatus, recording medium, and control method