JP2021128830A - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電の開始位置を特定することができるスパークプラグ及びその製造方法を提供する。【解決手段】スパークプラグ1は、絶縁碍子と中心電極3とハウジング4とプラグカバー5とを備える。中心電極3は、絶縁碍子から突出する電極突出部30を有する。プラグカバー5は、ギャップ形成噴孔51を有する。ギャップ形成噴孔51は、電極突出部30との間に火花放電を生じさせるための放電ギャップGを形成している。電極突出部30とギャップ形成噴孔51の内周面との間の最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向において部分的に存在する。スパークプラグ1の製造方法は、プラグカバー5を、ハウジング4とプラグカバー5との互いの対向面の周方向に回転させることで、最短経路SPの長さを調整する調整工程と、調整工程の後に、プラグカバー5をハウジング4に固定する固定工程とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、スパークプラグ及びその製造方法に関する。
スパークプラグは、車両用エンジン等の内燃機関における着火手段として用いられる。特許文献1には、絶縁碍子から突出した中心電極の部位が配される副燃焼室をプラグカバーで覆ったスパークプラグが開示されている。
特許文献1に記載されたプラグカバーは、副燃焼室をプラグ先端側から覆う接地端部と、接地端部の全周からハウジングに向かって延設された側壁部とを備え、全体としてカップ状を呈している。また、特許文献1に記載されたプラグカバーは、側壁部に複数の貫通孔を有するとともに接地端部に開口部を有する。接地端部の開口部内には、中心電極の先端部が挿入されている。そして、特許文献1に記載のスパークプラグは、中心電極とプラグカバーの開口部の内周面との間を、火花放電を発生させるための放電ギャップとしている。
特開2016−95986号公報
特許文献1に記載のスパークプラグにおいて、プラグカバーの開口部と、当該開口部内に挿入された中心電極の先端部とは、互いに同軸状に形成されており、かつ、それぞれ円形に形成されている。そのため、特許文献1に記載のスパークプラグにおいては、中心電極の先端部と開口部の内周面との間において放電が開始する位置が、開口部の周方向においてランダムとなり、特定の位置に定まらない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、放電の開始位置を特定しやすいスパークプラグ及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(2)と、
前記絶縁碍子の内周側に保持されるとともに、前記絶縁碍子から突出する電極突出部(30)を有する中心電極(3)と、
前記絶縁碍子の外周側に配されたハウジング(4)と、
前記電極突出部が配される副燃焼室(11)を覆うよう前記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を備え、
前記プラグカバーは、前記副燃焼室と前記プラグカバーの外部とを連通するとともに前記電極突出部との間に放電ギャップ(G)を形成するギャップ形成噴孔(51)を有し、
前記電極突出部と前記ギャップ形成噴孔の内周面との間の最短経路(SP)は、前記ギャップ形成噴孔の周方向において部分的に存在する、スパークプラグ(1)にある。
本発明の他の態様は、前記プラグカバーが、前記ハウジングとは別体であるとともに、前記ハウジングに対向して固定されており、前記ハウジングと前記プラグカバーとの互いの対向面(42、52)が、平面状に形成されており、前記ギャップ形成噴孔が、前記プラグカバーの前記対向面の中心に対して軸ずれして配されている、前記スパークプラグを製造する方法であって、
前記絶縁碍子の内側に前記中心電極を保持する電極保持工程と、
前記ハウジングの内側に前記絶縁碍子を保持する碍子保持工程と、
前記電極保持工程、及び前記碍子保持工程の後に、前記プラグカバーを前記ハウジングに当接させる当接工程と、
前記当接工程の後に、前記プラグカバーを、前記ハウジングに対して、前記ハウジングと前記プラグカバーとの互いの前記対向面の周方向に回転させることで、前記最短経路の長さLを調整する調整工程と、
前記調整工程の後に、前記プラグカバーを前記ハウジングに固定する固定工程と、を有するスパークプラグの製造方法にある。
本態様のスパークプラグにおいて、電極突出部とギャップ形成噴孔の内周面との間の最短経路は、ギャップ形成噴孔の周方向において部分的に存在する。ここで、前記最短経路は、放電火花を発生させる放電ギャップとなりやすい。そのため、前記最短経路を周方向の部分的に存在するよう構成することにより、ギャップ形成噴孔の周方向における放電位置を特定しやすい。
また、前記他の態様のスパークプラグの製造方法においては、当接工程の後に、プラグカバーを、ハウジングに対して、ハウジングとプラグカバーとの互いの対向面の周方向に回転させることで、最短経路の長さLを調整する調整工程を備える。それゆえ、最短経路の長さ(つまり、放電ギャップの長さ)を容易に調整することができる。
以上のごとく、前記態様によれば、放電の開始位置を特定することができるスパークプラグ及びその製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、シリンダヘッドに取り付けられたスパークプラグを示す、一部断面正面図。 実施形態1における、スパークプラグの底面図。 実施形態1における、スパークプラグの断面図。 実施形態1における、スパークプラグのギャップ形成噴孔周辺を拡大した底面図。 実施形態1における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態1における、初期の火花放電の様子を示す、スパークプラグのギャップ形成噴孔周辺を拡大した底面図。 実施形態1における、膨張行程での放電火花の引き伸ばされ方を示すための、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態1における、圧縮行程での放電火花の引き伸ばされ方を示すための、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態1における、圧縮行程でのスパークプラグの先端部周辺を流れる混合気の気流及び副燃焼室内を流れる混合気の気流の概要を説明する断面図。 実験例における、最短経路SPの長さLと初期燃焼速度との関係を示すグラフ。 実施形態2における、スパークプラグの底面図。 実施形態2における、スパークプラグの断面図。 実施形態2における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態2における、当接工程を示す断面図。 実施形態2における、当接工程後の状態の一例を示す断面図。 実施形態2における、当接工程後の状態の一例を示す底面図。 実施形態2における、調整工程後の状態を示す底面図。 実施形態3における、当接工程後の状態の一例を示す底面図。 実施形態3における、調整工程後の状態を示す底面図。 実施形態4における、スパークプラグの底面図。 実施形態4における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態4における、当接工程後の状態の一例を示す底面図。 実施形態4における、調整工程後の状態を示す底面図。 実施形態5における、スパークプラグの底面図。 実施形態5における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態5における、当接工程後の状態の一例を示す底面図。 実施形態5における、調整工程後の状態を示す底面図。 実施形態6における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。 実施形態7における、スパークプラグの先端部の拡大断面図。
(実施形態1)
スパークプラグの実施形態につき、図1〜図9を用いて説明する。
図3に示すごとく、本形態のスパークプラグ1は、絶縁碍子2と中心電極3とハウジング4とプラグカバー5とを備える。
絶縁碍子2は、筒状に形成されている。中心電極3は、絶縁碍子2の内周側に保持されている。また、中心電極3は、絶縁碍子2から突出する電極突出部30を有する。ハウジング4は、絶縁碍子2の外周側に配されている。プラグカバー5は、電極突出部30が配される副燃焼室11を覆うようハウジング4の先端部に設けられている。
プラグカバー5は、ギャップ形成噴孔51を有する。ギャップ形成噴孔51は、副燃焼室11とプラグカバー5の外部とを連通している。また、ギャップ形成噴孔51の内周面は、電極突出部30との間に火花放電を生じさせるための放電ギャップGを形成している。図2、図4に示すごとく、電極突出部30とギャップ形成噴孔51の内周面との間の最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向において部分的に存在する。
以後、本形態につき詳説する。
本明細書において、スパークプラグ1の中心軸が延びる方向をX方向という。また、X方向におけるスパークプラグ1の副燃焼室11が形成された側(例えば図1、図3の下側)をプラグ先端側、その反対側(例えば図1、図3の上側)をプラグ基端側という。スパークプラグ1の周方向をプラグ周方向といい、スパークプラグ1の径方向をプラグ径方向という。
スパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。スパークプラグ1のプラグ基端側は、図示しない点火コイルと接続され、スパークプラグ1のプラグ先端側は内燃機関の燃焼室内に配される。図1に示すごとく、燃焼室は、内燃機関のシリンダブロック、ピストン、シリンダヘッド61に囲まれた領域であり、燃焼室のうち、プラグカバー5の外部側を主燃焼室62、プラグカバー5の内側を副燃焼室11と呼ぶ。スパークプラグ1は、ハウジング4において内燃機関のシリンダヘッド61に取り付けられる。
図1、図2に示すごとく、ハウジング4は、金属等を略円筒状に形成してなる。ハウジング4の外周部には、取付ネジ部41が形成されている。図1に示すごとく、取付ネジ部41は、シリンダヘッド61に設けられた雌ネジ穴611に螺合される部位である。スパークプラグ1がシリンダヘッド61に取り付けられた状態においては、スパークプラグ1における取付ネジ部41のプラグ先端側の部位が主燃焼室62に曝される。図2に示すごとく、ハウジング4は、その内周部において絶縁碍子2を保持している。
絶縁碍子2は、例えば電気的絶縁性を有する材料を円筒状に形成してなる。絶縁碍子2は、その内周部において中心電極3を保持している。
中心電極3は、例えば金属をX方向に長尺に形成してなる。中心電極3は、絶縁碍子2内に配された第一部材31と、第一部材31のプラグ先端側の端部に接続された第二部材32とを組み合わせてなる。第一部材31は、プラグ先端側の端面の中央部がプラグ基端側に向かって凹むよう形成された凹部311を有し、第一部材31の凹部311内に第二部材32の一部が挿入されて接合されている。なお、これに限られず、第一部材31に凹部311を設けず、第一部材31と第二部材32とを突き合わせ溶接等することにより中心電極3を構成してもよいし、また、中心電極3を一部材で構成してもよい。
前述のごとく、中心電極3の一部は、絶縁碍子2からプラグ先端側に突出した電極突出部30となっている。電極突出部30は、第一部材31のプラグ先端側の部位と第二部材32とによって構成されている。
第二部材32は、X方向に長尺な円柱状に形成されている。第二部材32のプラグ先端側の面である電極先端面321は、円形に形成されている。第二部材32のX方向に延びる中心軸C2(つまり、電極先端面321の中心を通るX方向に延在する軸)は、筒状のハウジング4の中心軸C1と同軸状に形成されている。
図3、図5に示すごとく、第二部材32は、副燃焼室11内に収まるよう配されている。つまり、第二部材32の電極先端面321は、ギャップ形成噴孔51よりもプラグ基端側に離れた位置に形成されている。そして、第二部材32は、電極先端面321の周縁とプラグカバー5のギャップ形成噴孔51の内周面との間に、火花放電を生じさせる放電ギャップGを形成している。
図3に示すごとく、プラグカバー5は、ハウジング4とは別体である。プラグカバー5は、プラグ基端側に開口するカップ状を呈している。そして、プラグカバー5のプラグ基端側の面であるカバー対向面52が、ハウジング4のプラグ先端側の面であるハウジング対向面42に対向して接合されている。これにより、副燃焼室11がギャップ形成噴孔51、及び後述の噴孔53以外の部分で主燃焼室62に連通することを防いでいる。
互いに対向する、ハウジング対向面42とカバー対向面52とのそれぞれは、X方向に直交する平面上に形成されているとともに円環状を呈している。ハウジング対向面42の中心及びカバー対向面52の中心は、ハウジング4の中心軸C1上に位置している。なお、ハウジング対向面42及びカバー対向面52が円環状でない場合のこれらの中心とは、これらの面の質量分布が一様であると仮定した場合の重心とすることができる。
図2〜図5に示すごとく、プラグカバー5は、中心電極3の第二部材32とX方向に対向する領域にギャップ形成噴孔51を有する。ギャップ形成噴孔51は、プラグカバー5をその厚み方向に貫通してなる。本形態において、ギャップ形成噴孔51の内周面は、X方向に平行にまっすぐ円筒状に形成されている。
ギャップ形成噴孔51の内径は、第二部材32の電極先端面321の径よりも大きい。そして、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3は、ハウジング4の中心軸C1及び中心電極3の中心軸C2に対してプラグ径方向にずれた位置にある。すなわち、ギャップ形成噴孔51と中心電極3の第二部材32とは、互いに偏心している。
図4、図5に示すごとく、電極突出部30とギャップ形成噴孔51の内周面との間の最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向において部分的に存在する。ここで、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3に対して中心電極3の第二部材32の中心軸C2が位置する側(すなわち、図4、図5の右側)を偏心側ということとする。このとき、最短経路SPは、第二部材32の電極先端面321における偏心側の端部と、ギャップ形成噴孔51の内周面におけるプラグ基端側端縁の偏心側端部との間である。本形態においては、最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所にのみ形成される。最短経路SPは、放電火花を生じさせる放電ギャップGとなる。
放電ギャップGは、大きくし過ぎると放電を生じさせるための要求電圧が上がり、短くし過ぎると着火性が低下するため、これらを考慮して所望の長さに設定される。本形態において、図4、図5に示す最短経路SPの長さLは、0.2mm≦L≦1.2mmを満たす。特に、本形態においては、0.6mm≦L≦1.0mmを更に満たす。また、ギャップ形成噴孔51の内周面の任意の起点と、中心電極3とを最短で結ぶ線分を最短線分としたとき、それぞれの前記起点と中心電極3とを結ぶ無数の最短線分のうち最も長い最短線分の長さを最大経路長Lmaxという。このとき、最短経路SPの長さLは、最大経路長Lmaxの4/5以下の長さであり、より好ましくは、3/5以下の長さである。また、ギャップ形成噴孔51の軸方向(本形態においてはX方向)から見たときの最短経路SPの長さ(すなわち、長さLのX方向に直交する方向成分の長さ)は、ギャップ形成噴孔51の軸方向から見たときの最大経路長Lmaxの4/5以下の長さであり、より好ましくは、3/5以下の長さである。
図1〜図3に示すごとく、プラグカバー5は、ギャップ形成噴孔51以外にも、プラグカバー5を貫通する複数の噴孔53を有する。複数の噴孔53は、ギャップ形成噴孔51よりもプラグ径方向の外周側に形成されている。各噴孔53は、プラグ先端側へ向かうにつれてプラグ径方向の外周側に向かうよう傾斜して形成されている。複数の噴孔53は、プラグ周方向に等間隔に形成されている。なお、噴孔53の数、形状、配置箇所等は、要請に応じて適宜決定される。
ハウジング4及びプラグカバー5は、導電性及び熱伝導性を有する材料からなる。ハウジング4及びプラグカバー5は、互いに電気的及び熱的に接続されている。
次に、図6〜図8を用いて、本形態のスパークプラグ1において放電ギャップGに形成される放電火花Sが引き伸ばされる様子につき説明する。本形態のスパークプラグ1は、内燃機関の膨張行程(すなわち上死点後;ATDC)又は圧縮行程(すなわち上死点前;BTDC)において放電を生じさせるよう制御されている。図6に示すごとく、放電ギャップGに生じる初期の放電火花Sは、中心電極3とプラグカバー5とが最も近接する、最短経路SP近傍において生じやすい。図7、図8においては、初期の放電火花Sを破線にて表している。膨張行程において放電を生じさせた場合と、内燃機関の圧縮行程において放電を生じさせた場合とで、スパークプラグ1の放電火花Sの引き伸ばされ方が異なる。
まず、図7を用いて、膨張行程において火花放電を放電ギャップGに生じさせる場合につき説明する。膨張行程においては、ギャップ形成噴孔51周辺では副燃焼室11側から主燃焼室62側に向かって流れる気流Fが生じている。
初期の放電火花Sは、ギャップ形成噴孔51周辺において、前述の気流Fに押され、その両起点間の部位がプラグ先端側に向かって大きく引き伸ばされる。そして、引き伸ばされた放電火花Sは、やがてギャップ形成噴孔51からプラグ先端側、すなわち主燃焼室62内に形成され、主燃焼室62内の混合気に直接着火する。
自動車エンジン等の内燃機関が冷えている状態で稼働させる冷間始動時等においては、膨張行程で火花放電を発生させることで、以下のメリットがある。冷間始動時などは、プラグカバー5、ハウジング4、絶縁碍子2等の副燃焼室11に面する部材が低温となっていることがある。したがって、特に冷間始動時等においては、主燃焼室62に向かって放電火花Sを伸長させ、初期火炎とプラグカバー5等との接触面積を抑制する。これにより、初期火炎の熱がプラグカバー5等に奪われる冷損を抑えやすい。その結果、冷間始動時等における着火性を向上させることができる。
次に、図8を用いて、圧縮行程において火花放電を放電ギャップGに生じさせる場合につき説明する。圧縮行程においては、ギャップ形成噴孔51周辺では主燃焼室62側から副燃焼室11側に向かって流れる気流Fが生じている。
初期の放電火花Sは、ギャップ形成噴孔51周辺において、前述の気流Fに押され、その両起点間の部位がプラグ基端側に向かって大きく引き伸ばされる。そして、放電火花Sは、副燃焼室11内に大きく引き伸ばされ、副燃焼室11内の混合気に直接着火し、副燃焼室11内に火炎を形成する。副燃焼室11で成長した火炎は、ギャップ形成噴孔51を含む噴孔53から主燃焼室62に火炎ジェットとして噴出される。これにより、内燃機関における燃焼速度を早くすることができる。
例えば、冷間始動時以外のプラグカバー5、ハウジング4、絶縁碍子2等の副燃焼室11に面する部材が冷えていないとき、圧縮行程において火花放電を生じさせる。
ここで、図9に示すごとく、スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた状態において、最短経路SPは、スパークプラグ1の先端部の周囲を通過する混合気の気流F1の流通方向Dにおけるギャップ形成噴孔51の中心位置(すなわち中心軸C3の位置)よりも下流側の領域に配される。本形態において、主燃焼室62内にはタンブル流(すなわち縦渦)が発生しており、スパークプラグ1の先端部においてはX方向に直交するD方向に混合気の気流F1が発生している。この場合、副燃焼室11内には、主に上流側に開口する噴孔53から気流が流入される。そのため、副燃焼室11内には、主燃焼室62内に流れるタンブル流とは逆回転方向の縦渦の気流が生じる。これにより、図8に示すごとく、最短経路SPにおいて生じた放電火花Sは、副燃焼室内の気流に乗って副燃焼室11内に大きく引き伸ばされやすい。それゆえ、主燃焼室62内におけるスパークプラグ1の先端部の混合気の気流F1に対するスパークプラグ1の姿勢を、本形態のスパークプラグ1の姿勢とすることにより、着火性を向上させることができる。
次に、本形態の作用効果につき説明する。
本形態のスパークプラグ1において、電極突出部30とギャップ形成噴孔51の内周面との間の最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向において部分的に存在する。ここで、最短経路SPは、放電火花Sを発生させる放電ギャップGとなりやすい。そのため、最短経路SPを周方向の部分的に存在するよう構成することにより、ギャップ形成噴孔51の周方向における放電位置を特定しやすい。ここで、内燃機関の膨張行程や圧縮行程において、ギャップ形成噴孔51を通過する気流Fの速さは、ギャップ形成噴孔51の周方向の位置によって異なることがある。そのため、各サイクルにおける放電位置がギャップ形成噴孔51の周方向においてランダムに生じた場合、放電の伸び方が各サイクルで異なることとなり、内燃機関における燃焼の安定性が確保されない。そこで、本形態のように、放電位置をギャップ形成噴孔51の周方向において一部の箇所に特定することにより、内燃機関における燃焼の安定性を向上させることができる。
また、最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所に存在する。それゆえ、各サイクルにおけるスパークプラグ1の放電位置を、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所に特定することができ、一層燃焼安定性を確保することができる。
また、最短経路SPの長さLは、0.2mm≦L≦1.2mmを満たす。これにより、着火性を向上させやすい。特に、本形態においては、長さLは、0.6mm≦L≦1.0mmを更に満たす。これにより、本形態のスパークプラグ1を取り付けた内燃機関における燃焼速度を早くすることができる。なお、長さLの数値については、後述の実験例において裏付けられる。
また、中心電極3の電極先端面321は、円形であり、ギャップ形成噴孔51は、円筒状であり、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3は、電極先端面321の中心からずれた位置に配されている。これにより、本形態においては、プラグ先端側からみたときの電極先端面321とギャップ形成噴孔51の内周面との間の間隔が最短となる部位を、周方向の1か所に形成することができる。それゆえ、本形態においては、中心電極3及びギャップ形成噴孔51を複雑な形状にすることなく、最短経路SPを周方向の部分的に形成することができる。
また、スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた状態において、最短経路SPは、スパークプラグ1の先端部を通過する混合気の流通方向Dにおけるギャップ形成噴孔51の中心位置よりも下流側の領域に配されている。それゆえ、図9に示すごとく、スパークプラグ1の副燃焼室11の内側に放電火花Sを引き伸ばす場合において、放電火花Sは、副燃焼室11内の縦渦状の気流に乗って、副燃焼室11内に大きく引き伸ばされやすい。それゆえ、スパークプラグ1の着火性を向上させることができる。
また、ギャップ形成噴孔51は、ハウジング4に対して軸ずれして配されている。これにより、最短経路SPを容易に形成しやすい。例えば、ハウジング4に対してプラグカバー5が同軸状に組み付けられている場合においては、プラグカバー5に対して偏心した位置にギャップ形成噴孔51を形成することで、最短経路SPを形成することができる。また、例えば、プラグカバー5の中心軸上に、ギャップ形成噴孔51が形成されている場合であっても、ハウジング4に対してプラグカバー5をプラグ径方向に偏心させることにより、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3がハウジング4の中心軸C1からずれ、最短経路SPを形成することができる。
また、ギャップ形成噴孔51は、カバー対向面52の中心に対して軸ずれして配されている。それゆえ、プラグカバー5をプラグ周方向に回転させることにより、ギャップ形成噴孔51のプラグ周方向の位置を調整することができる。これに伴い、最短経路SPのプラグ周方向の位置の調整も容易にしやすい。
以上のごとく、本形態によれば、放電の開始位置を特定することができるスパークプラグを提供することができる。
(実験例)
本形態は、最短経路SPの長さと初期燃焼速度との関係を評価した例である。なお、本例以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本例においては、基本構造を実施形態1と同様としつつ、最短経路SPの長さを種々変更したスパークプラグ1を用意した。最短経路SPの長さは、プラグ径方向におけるプラグカバー5のギャップ形成噴孔51の位置を種々変更することで調整した。
本形態においては、各スパークプラグ1をエンジンに設置し、点火時期から燃料質量割合(すなわちMFB:)10%となるまでの期間を初期燃焼期間[deg]とした。なお、初期燃焼期間の単位[deg]は、点火時期からのクランク角度の変動量を示している。
図10に結果を示す。なお、最短経路SPの長さが0.2未満、及び、1.2を超えるスパークプラグについては、混合気へ着火せず、燃焼が発生しなかったため、図10においては、これらを表の枠外において「×」印にてプロットした。
図10から分かるように、最短経路SPの長さLを0.2mm≦L≦1.2mmとすることにより、確実に混合気に着火させ、燃焼を生じさせることができる。また、最短経路SPの長さLを0.6mm≦L≦1.0mmとすることにより、初期燃焼速度を確保しやすいことが分かる。そのため、最短経路SPの長さLを0.6mm≦L≦1.0mmとすることにより、着火性を高めることができるとともに各サイクルにおいて変動が少ない燃焼を実現しやすいと言える。
(実施形態2)
本形態は、図11〜図17に示すごとく、ハウジング4に対して、中心電極3の第二部材32とプラグカバー5のギャップ形成噴孔51との双方を偏心させた形態である。なお、図11においては、便宜上、ハウジングの図示を省略している。
本形態においても、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3に対して中心電極3の中心軸C2が位置する側を偏心側ということとする。このとき、図11〜図13に示すごとく、最短経路SPは、実施形態1と同様、第二部材32の電極先端面321における偏心側の端部と、ギャップ形成噴孔51の内周面におけるプラグ基端側端縁の偏心側端部との間である。本形態においても、最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所にのみ形成される。
次に、図14〜図17を用いて、本形態のスパークプラグ1の組付方法の一例につき説明する。
まず、絶縁碍子2の内側に中心電極3を保持する電極保持工程を行う。そして、ハウジング4の内側に、中心電極3を保持した絶縁碍子2を保持する碍子保持工程を行う。なお、例えば先にハウジング4の内側に絶縁碍子2を保持し、次に当該絶縁碍子2の内側に中心電極3を挿通することも可能である。
図14〜図16に示すごとく、電極保持工程及び碍子保持工程の後、プラグ先端側から見たとき、ギャップ形成噴孔51内に中心電極3の第二部材32の電極先端面321が位置するよう、プラグカバー5のカバー対向面52をハウジング対向面42に当接させる当接工程を行う。図16においては、第二部材32の中心軸C2とギャップ形成噴孔51の中心軸C3とが略一致している例を示している。
図15、図16に示すごとく、当接工程の後、調整工程を行う。調整工程においては、図15、図16に示す状態から、プラグカバー5をカバー対向面52の中心(すなわちハウジング4の中心軸C1)を基準に自転させる。本形態においては、中心電極3の第二部材32及びギャップ形成噴孔51がカバー対向面52の中心に対して偏心しているため、図17に示すごとく、プラグカバー5を自転させるに伴い、プラグ先端側から見たときの第二部材32の電極先端面321とギャップ形成噴孔51の内周面との最短距離が逐次変更される。このように、調整工程において、プラグカバー5を自転させつつ、最短経路SPが所定長さとなった位置でプラグカバー5の自転を止める。
そして、かかる姿勢で、プラグカバー5のカバー対向面52とハウジング対向面42とを全周において溶接することで、最短経路SPを所定長さに保ったまま、プラグカバー5をハウジング4に固定する固定工程を行う。以上のように、本形態のスパークプラグ1を組み付けることができる。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においては、ギャップ形成噴孔51は、カバー対向面52の中心に対して軸ずれして配されている。それゆえ、前述のようにプラグカバー5を自転させることにより、最短経路SPの長さL(つまり、放電ギャップGの長さ)を調整することができる。それゆえ、最短経路SPの長さLを調整しやすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本形態は、図18、図19に示すごとく、実施形態2と基本構造を同様としつつ、ギャップ形成噴孔51を楕円形とした形態である。
図19に示すごとく、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3、すなわち楕円の長軸と短軸との交点は、ハウジング4の中心軸C1に対してずれて位置している。そして、本形態においても、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3に対して中心電極3の中心軸C2が位置する側を偏心側ということとする。このとき、最短経路SPは、実施形態1と同様、電極突出部30を構成する第二部材32の電極先端面321における偏心側の端部と、ギャップ形成噴孔51の内周面におけるプラグ基端側端縁の偏心側端部との間である。本形態においても、最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所にのみ形成される。
そして、本形態のスパークプラグ1の組付方法については、実施形態2と同様の方法を採用することができる。本形態において、プラグカバー5のカバー対向面52をハウジング対向面42に当接させる当接工程後の状態の例を図18に示す。図18においては、第二部材32の中心軸C2とギャップ形成噴孔51の中心軸C3とが略一致している例を示している。
そして、当接工程の後に、調整工程を行う。図19に示すごとく、調整工程においては、プラグカバー5を自転させつつ、最短経路SPが所定長さとなった位置でプラグカバー5の自転を止める。そして、かかる姿勢で、プラグカバー5のカバー対向面52とハウジング対向面42とを全周において溶接することで、最短経路SPを所定長さに保ったまま、プラグカバー5をハウジング4に固定する固定工程を行う。以上のように、本形態のスパークプラグ1を組み付けることができる。
その他は、実施形態2と同様である。
本形態においても、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本形態は、図20〜図23に示すごとく、実施形態2と基本構成を同様としつつ、中心電極3の第二部材32のプラグ先端側の端部に、チップ33を設けた形態である。
図20、図21に示すごとく、本形態においては、第二部材32のプラグ先端側の端部からプラグ径方向の一方側に突出するような形でチップ33が設けられている。チップ33は、第一部材31及び第二部材32よりも消耗し難い材料からなり、例えばチップ33を貴金属によって構成することができる。チップ33は、ギャップ形成噴孔51の内周面との間に放電ギャップGを形成している。チップ33のプラグ先端側の角部と、ギャップ形成噴孔51の内周面との間が、唯一の最短経路SPとなっている。
そして、本形態のスパークプラグ1の組付方法については、実施形態2と同様の方法を採用することができる。本形態において、プラグカバー5のカバー対向面52をハウジング対向面42に当接させる当接工程後の状態の例を図22に示す。
そして、当接工程の後に、調整工程を行う。調整工程においては、図23に示すごとく、ハウジング4に対してプラグカバー5をプラグ周方向に自転させつつ、最短経路SPが所定長さとなった位置でプラグカバー5の自転を止める。そして、かかる姿勢で、プラグカバー5のカバー対向面52とハウジング対向面42とを全周において溶接することで、最短経路SPを所定長さに保ったまま、プラグカバー5をハウジング4に固定する固定工程を行う。以上のように、本形態のスパークプラグ1を組み付けることができる。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においては、中心電極3が、放電ギャップGを形成するチップ33を有するため、チップ33が消耗し難く、放電ギャップGの位置が変動し難い。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態5)
図24〜図27に示すごとく、実施形態4と同様に中心電極3にチップ33を設けつつ、プラグカバー5にもチップ54を設けた形態である。なお、本形態においては、中心電極3に設けられたチップ33を中心チップ33といい、プラグカバー5に設けられたチップ54をカバーチップ54という。
本形態において、カバーチップ54のギャップ形成噴孔51の内壁面に接合されている。図24に示すごとく、X方向のプラグ先端側から見たとき、カバーチップ54は、中心チップ33とプラグ径方向に向かい合うよう配されている。カバーチップ54は、プラグカバー5よりも消耗し難い材料からなり、例えば貴金属によって構成することができる。
また、図25に示すごとく、カバーチップ54は、X方向におけるギャップ形成噴孔51の略中央位置から基端側に配されている。また、カバーチップ54のプラグ基端側の端部は、ギャップ形成噴孔51からプラグ基端側(すなわち副燃焼室11)内に突出している。カバーチップ54は、中心チップ33との間に放電ギャップGを形成している。中心チップ33とギャップ形成噴孔51との間が、最短経路SPを構成している。なお、カバーチップ54と中心チップ33との間が放電ギャップGとなっていれば、カバーチップ54は、ギャップ形成噴孔51から突出していなくてもよい。また、カバーチップ54は、X方向におけるギャップ形成噴孔51の全体に形成されていてもよい。
そして、本形態のスパークプラグ1の組み付け方法については、実施形態4と同様の方法を採用することができる。本形態において、プラグカバー5のカバー対向面52をハウジング対向面42に当接させる当接工程後の状態の例を図26に示す。図26に示す状態においては、中心電極3とプラグカバー5との間の最短経路は、中心チップ33とカバーチップ54との間には形成されていない。
当接工程後の後に、調整工程を行う。調整工程においては、図26、図27に示すごとく、ハウジング4に対してプラグカバー5をプラグ周方向に自転させつつ、プラグ軸方向の先端側から見たときに中心チップ33とカバーチップ54とが向かい合った位置でプラグカバー5の自転を止める。これにより、中心チップ33とカバーチップ54との間が最短経路SPとなる。そして、かかる姿勢で、プラグカバー5のカバー対向面52とハウジング対向面42とを全周において溶接することで、中心チップ33とカバーチップ54との間が放電ギャップGとなるため、スパークプラグ1の高寿命化を図ることができる。
その他は、実施形態4と同様である。
本形態においては、中心チップ33とカバーチップ54との間を放電ギャップGとしているため、スパークプラグ1の高寿命化を図ることができる。
その他、実施形態4と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本形態は、図28に示すごとく、実施形態5に対して、カバーチップ54の配置を変更した実施形態である。
本形態において、カバーチップ54は、プラグカバー5の内側面(すなわち副燃焼室11に面する面)に接合されている。カバーチップ54は、X方向に直交する方向に長尺な矩形柱状を呈している。カバーチップ54のプラグ周方向の内周側の端部は、ギャップ形成噴孔51よりも内周側に突出している。プラグ軸方向Xの先端側から見たとき、カバーチップ54は、中心チップ33とプラグ径方向に向かい合うように配されている。そして、カバーチップ54の内周端部と中心チップ33との間が放電ギャップGとなっている。なお、カバーチップ54と中心チップ33との間が放電ギャップGとなっていれば、カバーチップ54はギャップ形成噴孔51よりも内周側に突出していなくてもよい。
その他は、実施形態5と同様である。
本形態においては、プラグカバー5に対してカバーチップ54を取り付けやすい。すなわち、例えばプラグカバー5のプラグ基端側の開放部からプラグカバー5内にカバーチップ54を挿入して所望の位置に配置し、その後カバーチップ54をプラグカバー5に接合することで、カバーチップ54をプラグカバー5に容易に接合することができる。
その他、実施形態5と同様の作用効果を有する。
(実施形態7)
本形態は、実施形態1と基本構成を同様としつつ、中心電極3をギャップ形成噴孔51の内側まで伸ばした形態である。
本形態において、中心電極3の電極先端面321は、X方向におけるギャップ形成噴孔51の略中央位置に位置している。本形態においても、ギャップ形成噴孔51の中心軸C3に対して中心電極3の中心軸C2が位置する側を偏心側ということとする。このとき、最短経路SPは、第二部材32の電極先端面321における偏心側の端部と、ギャップ形成噴孔51の内周面における偏心側端部との間である。本形態においても、最短経路SPは、ギャップ形成噴孔51の周方向の1か所にのみ形成される。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においても、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。例えば、実施形態7において、中心電極3がギャップ形成噴孔51を貫通し、中心電極3の電極先端面321がギャップ形成噴孔51よりも先端側に位置していてもよい。
1 スパークプラグ
2 絶縁碍子
3 中心電極
4 ハウジング
5 プラグカバー
30 電極突出部
11 副燃焼室
51 ギャップ形成噴孔
G 放電ギャップ
SP 最短経路

Claims (8)

  1. 筒状の絶縁碍子(2)と、
    前記絶縁碍子の内周側に保持されるとともに、前記絶縁碍子から突出する電極突出部(30)を有する中心電極(3)と、
    前記絶縁碍子の外周側に配されたハウジング(4)と、
    前記電極突出部が配される副燃焼室(11)を覆うよう前記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を備え、
    前記プラグカバーは、前記副燃焼室と前記プラグカバーの外部とを連通するとともに前記電極突出部との間に放電ギャップ(G)を形成するギャップ形成噴孔(51)を有し、
    前記電極突出部と前記ギャップ形成噴孔の内周面との間の最短経路(SP)は、前記ギャップ形成噴孔の周方向において部分的に存在する、スパークプラグ(1)。
  2. 前記最短経路は、前記周方向の1か所に存在する、請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記最短経路の長さLは、0.2mm≦L≦1.2mmを満たす、請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記中心電極の先端面(321)は、円形であり、前記ギャップ形成噴孔は、円筒状であり、前記ギャップ形成噴孔の中心軸(C3)は、前記中心電極の前記先端面の中心からずれた位置に配されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記スパークプラグが内燃機関に取り付けられた状態において、前記最短経路は、前記スパークプラグの先端部を通過する混合気の流通方向(D)における前記ギャップ形成噴孔の中心位置よりも下流側の領域に配される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記プラグカバーは、前記ハウジングとは別体であるとともに、前記ハウジングに対向して固定されており、
    前記ハウジングと前記プラグカバーとの互いの対向面(42、52)は、平面状に形成されており、
    前記ギャップ形成噴孔は、前記ハウジングに対して軸ずれして配されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記プラグカバーは、前記ハウジングとは別体であるとともに、前記ハウジングに対向して固定されており、
    前記ハウジングと前記プラグカバーとの互いの対向面(42、52)は、平面状に形成されており、
    前記ギャップ形成噴孔は、前記プラグカバーの前記対向面の中心に対して軸ずれして配されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  8. 請求項7に記載のスパークプラグを製造する方法であって、
    前記絶縁碍子の内側に前記中心電極を保持する電極保持工程と、
    前記ハウジングの内側に前記絶縁碍子を保持する碍子保持工程と、
    前記電極保持工程、及び前記碍子保持工程の後に、前記プラグカバーを前記ハウジングに当接させる当接工程と、
    前記当接工程の後に、前記プラグカバーを、前記ハウジングに対して、前記ハウジングと前記プラグカバーとの互いの前記対向面の周方向に回転させることで、前記最短経路の長さLを調整する調整工程と、
    前記調整工程の後に、前記プラグカバーを前記ハウジングに固定する固定工程と、を有するスパークプラグの製造方法。
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