以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明、例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明等は省略する場合がある。
なお、以下の説明および参照される図面は、当業者が本発明を理解するために提供されるものであって、本発明の請求の範囲を限定するためのものではない。
<拾得物管理システム100>
図1は、本発明の実施の形態に係る拾得物管理システム100の構成の一例を示す図である。本明細書において、ある人物が物品を遺失した場合、その物品を遺失物と記載し、その人物を遺失者と記載する。また、落ちていた物品が他の人物によって拾われた場合、その物品を拾得物と記載し、その人物を拾得者と記載する。
本実施の形態において、拾得物管理システム100は、万国博覧会、オリンピック、コンサート等のイベントが開催される会場(以下、イベント会場)内に設置されることが想定されている。なお、本発明の拾得物管理システムは、イベント会場内だけでなく、駅やショッピングモール等、人が集まりやすい場所に設置されていてもよい。
図1に示すように、拾得物管理システム100は、拾得者端末装置1、拾得物収納装置2、拾得物保管装置3、管理サーバ4、および遺失者端末装置5を有する。
拾得者端末装置1は、拾得者が保持しており、ネットワーク(図示せず)を介して拾得物収納装置2と通信可能な端末装置である。ネットワークの例としては、例えばインターネット等の公衆ネットワークであってもよいし、またはイベント会場内限定のローカルなネットワークであってもよい。通信方法としては、無線通信または有線通信のいずれかが適宜採用される。本実施の形態において、拾得者端末装置1としては、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末装置が想定されている。
本実施の形態では、拾得者端末装置1には、拾得者によって、イベントに関連するアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは例えばイベントに関する情報の案内や、イベント会場内で行われるサービスのために用いられるプログラムであるが、少なくとも機能の一部として、拾得物を拾得した際に用いられる機能(以下、拾得時機能)を有する。拾得時機能は、拾得者が拾得物を拾得した場合に、拾得物をどこへ届ければよいか、をサポートする機能である。拾得時機能の詳細については後述する。以下の説明において、拾得者端末装置1にインストールされるアプリケーションプログラムを、イベントアプリと記載する。
拾得物収納装置2は、拾得者によって届けられた拾得物が収納される装置であり、例えばイベント会場内に設置されたロッカーである。拾得物収納装置2は、ネットワークを介して拾得者端末装置1、拾得物保管装置3、および管理サーバ4と通信可能である。拾得物収納装置2は、例えば、荷物を一時預けるための一般的な収納装置(例えば、コインロッカー)の少なくとも一部と兼用であってもよいし、拾得物を収納するための専用の収納装置であってもよい。拾得物収納装置2としてのロッカーは、拾得者が拾得物を届けやすいように、イベント会場の至る所に設置されており、かつその設置位置がイベントの来場者にわかりやすく報知されていることが望ましい。
拾得物保管装置3は、拾得物収納装置2に収納された拾得物が移送される移送先であって、拾得物を拾得物収納装置2より長期間保管しておく装置である。拾得物保管装置3は、ネットワークを介して拾得物収納装置2および管理サーバ4と通信可能である。例えば拾得物収納装置2がフル、またはニアフルになった場合、または所定の期間毎(例えば1日に1度、あるいは数時間に1度、等)に、拾得物管理システム100の管理者(以下、単に管理者と記載)によって、拾得物収納装置2に収納されている拾得物は、拾得物保管装置3へ移送される。なお、フルとは、拾得物収納装置2に収納されている拾得物の数が上限となった状態を、ニアフルとは、フルに近い状態であって、上限一歩手前の状態を、それぞれ意味している。管理者は、例えばイベントのスタッフである。
拾得物保管装置3は、例えばイベント会場全体の拾得物を集めて保管する落とし物センター等の拾得物保管施設内に配置されていることが想定される。本実施の形態において、拾得物保管装置3は、拾得物収納装置2と同様のロッカーである。ただし、拾得物保管装置3は、荷物を預けるためのコインロッカーの一部ではなく、拾得物を保管するためだけに設置されているロッカーであることが望ましい。
管理サーバ4は、データベースを有し、拾得物に関する情報を管理するサーバ装置である。管理サーバ4は、ネットワークを介して拾得物収納装置2、拾得物保管装置3、および遺失者端末装置5と通信可能である。管理サーバ4は、イベント会場内に設置されている必要はなく、イベント会場外部に設置されていてもよい。また、管理サーバ4は、クラウド上に構成された、いわゆるクラウドサーバであってもよい。
遺失者端末装置5は、遺失者が保持しており、ネットワークを介して拾得物収納装置2、拾得物保管装置3、および管理サーバ4と通信可能な端末装置である。本実施の形態において、遺失者端末装置5としては、例えばスマートフォンやタブレット等の携帯端末装置が想定されている。
本実施の形態では、遺失者端末装置5には、遺失者によって、イベントに関連するアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムは、少なくとも機能の一部として、遺失物を検索して検出する機能(以下、遺失物検出機能)を有する。遺失者端末装置5にインストールされるアプリケーションプログラムと、上述した拾得者端末装置1にインストールされるアプリケーションプログラムとは、同じアプリケーションプログラムであってもよいし、異なるアプリケーションプログラムであってもよい。以下の説明では、遺失者端末装置5にインストールされるアプリケーションプログラムが、拾得者端末装置1にインストールされるイベントアプリと同じものである場合について説明する。すなわち、イベントアプリが機能として、拾得時機能、および、遺失物検出機能の両方を有しているとする。
このような構成を有する拾得物管理システム100において、イベント会場内の拾得物が拾得物収納装置2に収納されるとともに、その拾得物に関する情報が管理サーバ4の拾得物データベースに登録される。そして、遺失者が遺失者端末装置5を用いてデータベースにアクセスして遺失物と同じ特徴を有する拾得物を検索することで、遺失物と思しき拾得物の保管場所が遺失者に報知されるようになっている。以下では、各構成の詳細について説明する。
<拾得者端末装置1>
図2は、拾得者端末装置1の構成を示す図である。図2に示すように、拾得者端末装置1は、通信部11、認証部12、撮像部13、入力部14、表示部15、および制御部16を有する。認証部12は、本発明の第1認証部の一例である。
通信部11は、ネットワークを介して拾得物収納装置2と通信を行う。
認証部12は、撮像部13が撮像した、拾得者の顔画像等を用いて、拾得者の本人認証を行う。認証部12は、本人認証の際、撮像部13が撮像した顔画像と照合するための画像として、予め撮像され、登録された拾得者の顔画像(以下、拾得者登録画像)を用いる。認証部12による拾得者の本人認証は、例えば、後述するイベントアプリの起動時等に行われる。なお、拾得者画像は、図示しないデータベースに予め格納されている。
なお、認証部12が拾得者の本人認証を行う方法として、顔画像を用いた顔認証以外にも、種々の方法を採用することができる。例えば声紋認証等、他の生体認証が用いられてもよい。また、生体認証以外の方法、例えばパスワードを用いた認証方法が採用されてもよい。
認証部12により拾得者の本人認証が行われることにより、拾得者が拾得者端末装置1に危険物等を収納することを抑止することができる。また、認証部12による拾得者の本人認証により、例えば拾得物を届けたことに対する謝礼を、後ほど拾得者に届けることができるようになる。
撮像部13は、例えばカメラである。撮像部13は、本人認証のために拾得者の顔画像を撮像したり、拾得者が拾得した拾得物の画像を撮像したりする。
入力部14は、例えばタッチパネル、またはキーボード等の入力デバイスである。入力部14は、拾得者による入力操作を受け付ける。
表示部15は、例えば液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスである。
制御部16は、拾得者端末装置1の動作を制御する。特に、制御部16は、拾得者端末装置1にインストールされるイベントアプリの動作を制御する。以下、拾得者端末装置1にイベントアプリがインストールされる際の動作について説明する。
まず、拾得者端末装置1にイベントアプリがインストールされるとき、拾得者に対して、本人認証のための情報の要求が表示部15に表示される。この要求に対して、拾得者は、撮像部13を介して、本人認証に用いるための拾得者登録顔画像を撮影したり、入力部14を介して、個人情報を入力したりする。個人情報の例としては、氏名、住所、および連絡先(電話番号またはメールアドレス等)が挙げられる。
制御部16は、図示しない記憶部に、拾得者画像と個人情報とを対応付けて記憶させる。または、制御部16は、通信部11を介して、イベントアプリに関する情報を管理するサーバに拾得者画像と個人情報とを対応付けて送信する。サーバに拾得者登録画像および個人情報が送信される場合、当該サーバは、これらを対応付けてデータベースに登録する。これにより、拾得者端末装置1において、イベントアプリへの拾得者の登録が完了する。イベントアプリに関する情報を管理するサーバは、図1に示す管理サーバ4であってもよいし、別のサーバ(図示せず)であってもよい。
なお、上述した、拾得者端末装置1にイベントアプリがインストールされる際の動作において、実際には、この時点では拾得者は拾得物を拾得していないが、便宜上、拾得者端末装置1を有する人物を「拾得者」と記載している。
また、制御部16は、拾得者が拾得物を拾得した際の、入力部14を介した拾得者による入力操作に基づいて、イベントアプリ上で拾得時機能を実行する。具体的には、拾得者がイベントアプリを起動させる操作を行うと、表示部15に複数の機能から拾得者が実行したい機能を選択する選択画面が表示される。その中から拾得時機能が拾得者により選択されることで、拾得時機能が実行される。
拾得時機能が実行されると、表示部15には、拾得者端末装置1の現在位置を示す現在位置情報等に基づいて、当該現在位置の近くに配置されている拾得物収納装置2の位置および案内が表示される。なお、現在位置情報は、拾得者端末装置1が有するGPS(Global Positioning System)機能(図示せず)等により取得されればよい。また、拾得物収納装置2の位置に関する情報は、例えばイベントアプリのインストール時に、イベントアプリに関する情報を管理するサーバから取得され、図示しない記憶部に記憶されていればよい。または、拾得物収納装置2の位置に関する情報は、拾得時機能の実行時に、通信部11を介して当該サーバから取得されてもよい。これにより、拾得者は、拾得者端末装置1上で動作するイベントアプリを用いて、拾得物をどこに届ければよいかを簡単に、かつ速やかに、知ることができる。
<拾得物収納装置2>
図3は、拾得物収納装置2の構成を示す図である。図3に示すように、拾得物収納装置2は、通信部21、認証部22、撮像部23、入力部24、測定部25、取得部26、収納部27、登録部28、および収納制御部29を有する。認証部22は、本発明の第1認証部または第2認証部の一例である。入力部24は、本発明の第1入力部の一例である。登録部28は、本発明の登録部の一例である。
通信部21は、ネットワークを介して、拾得者端末装置1、拾得物保管装置3、および管理サーバ4と通信を行う。
認証部22は、拾得者、または遺失者の認証を行う。認証部22による拾得者の認証方法の例としては、通信部21を介して、拾得者端末装置1の認証部12における拾得者の本人認証の結果を取得し、当該結果に基づいて認証を行う方法がある。または、後出の撮像部23によって撮像された拾得者の顔画像を用いて、拾得者の本人認証を行うようにしてもよい。
また、認証部22による遺失者の認証方法の例としては、通信部21を介して、遺失者端末装置5の認証部52における遺失者の本人認証の結果を取得し、当該結果に基づいて認証を行う方法がある。または、後出の撮像部23によって撮像された遺失者の顔画像を用いて、遺失者の本人認証を行うようにしてもよい。
なお、認証部22による拾得者の認証は、拾得者が拾得物を拾得物収納装置2まで運んできた後、拾得物を拾得物収納装置2に収納する際に行われる。一方、認証部22による遺失者の認証は、遺失者が遺失者端末装置5を用いて遺失物を検索し、当該遺失物が拾得物として拾得物収納装置2に収納されていることを知って当該遺失物を受け取りに来た場合に行われる。遺失者が遺失物を受け取りに来た場合の拾得物収納装置2の動作についての詳細は、後述する。
撮像部23は、例えばカメラである。
入力部24は、例えばタッチパネル、またはキーボード等の入力デバイスである。
測定部25は、拾得物の大きさおよび形状の少なくとも一方を測定する測定デバイス(3Dスキャナやレーザセンサ等)である。
取得部26は、撮像部23、入力部24、および測定部25から、拾得者が拾得物収納装置2まで運んできた拾得物の外観上の特徴を示す第1特徴情報を取得する。
具体例を挙げて説明する。拾得者が拾得物を拾って拾得物収納装置2まで運んで来ると、拾得物収納装置2は、拾得者に対して、第1特徴情報の入力を要求する。拾得者に対する第1特徴情報の入力要求は、例えば拾得物収納装置2が有する、図示しない表示部に表示される。または、当該入力要求は、通信部21を介して、拾得者端末装置1に対して当該入力要求に関する情報が送信されることで、拾得者端末装置1の表示部15に表示されてもよい。第1特徴情報には、画像情報、文字列情報、大きさ情報、および形状情報のうち、少なくとも1つが含まれる。
画像情報とは、撮像部23によって撮像された拾得物の画像データそのものである。文字列情報とは、拾得者が入力部24を介して拾得物の特徴を文字で入力した情報である。文字列情報の例としては、拾得物の種類(バッグ、財布、時計、マフラー、帽子、等)、柄(無地、ヒョウ柄、ストライプ、水玉、ブランドロゴ、意匠として書かれている文字、等)、等が挙げられる。なお、文字列情報は、パターンマッチング等の画像認識技術により、画像情報に基づいて生成されてもよい。この場合、画像情報に基づいて文字列情報を生成する画像認識部、および、パターンマッチングのためのデータベース等は、例えば図示しない外部のサーバに設けられていればよい。
大きさ情報とは、測定部25の測定により生成された、拾得物の大きさに関する情報である。形状情報とは、測定部25の測定により生成された、拾得物の形状に関する情報である。なお、大きさ情報および形状情報は、測定部25による測定の代わりに、例えば撮像部23による拾得物の画像に対して、拾得物の大きさまたは形状に関する画像認識を行うことで生成されてもよい。
なお、上述した例では、第1特徴情報は撮像部23、入力部24、および測定部25によって生成される情報であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、特徴情報は、拾得者端末装置1によって生成され、通信部21を介して取得されてもよい。この場合、画像情報は拾得者端末装置1の撮像部13によって生成されればよく、文字列情報は入力部14によって生成されればよい(図2参照)。
収納部27は、拾得者が運んできた拾得物を収納する。収納部27は、ロッカーとしての拾得物収納装置2の1つの開口部分に対応する。すなわち、拾得物収納装置2には、複数の収納部27が用意されており、それぞれの収納部27には、各収納部を識別するための第1識別情報が付与されている。収納部27は、施錠可能であり、拾得者が拾得物を収納した時点で自動的に施錠される。第1識別情報は、本発明の場所情報に含まれる。
登録部28は、取得部26が取得した第1特徴情報と、拾得物が収納された収納部27を示す第1識別情報と、を対応付けて、通信部21を介して管理サーバ4に送信する。これにより、第1特徴情報と、第1識別情報とは、互いに対応付けられた状態で、管理サーバ4が有する拾得物データベース43(図5参照)に登録される。
収納制御部29は、収納部27の解錠または施錠を制御する。収納制御部29は、拾得者が拾得物を収納部27に収納しようとした時点で、複数の収納部27のうち、どの収納部を解錠して拾得物を収納させるかを決定する。また、収納制御部29は、拾得者が拾得物を収納部27に収納した時点で、その収納部27を施錠する。
また、収納制御部29は、外部からの要求があった場合には、収納部27に収納されている拾得物の取り出しを許可してもよいか否かを判断する。収納制御部29は、遺失者が遺失物を受け取りに来た場合、または、管理者が拾得物を拾得物保管装置3に移送する場合に、収納部27を解錠し、収納された拾得物の取り出しを許可する。
このような構成を有する拾得物収納装置2により、拾得者は、拾得物を容易に拾得物収納装置2に預けることができるようになる。また、拾得物収納装置2により、拾得物が収納された場所(収納部27の第1識別情報)と、拾得物の特徴を示す第1特徴情報とが対応付けられて拾得物データベース43に登録される。このため、遺失者が遺失者端末装置5を利用して、遺失物を容易に検出できるようになる。
<拾得物保管装置3>
図4は、拾得物保管装置3の構成を示す図である。図4に示すように、拾得物保管装置3は、通信部31、登録部32、保管部33、および保管制御部34を有する。
通信部31は、ネットワークを介して、拾得物収納装置2、および管理サーバ4と通信を行う。
登録部32は、通信部31を介して、管理サーバ4の拾得物データベース43にアクセスし、拾得物保管装置3に移送された拾得物に関する第1特徴情報および第1識別情報に、移送された拾得物が収納されて保管された保管部33を示す第2識別情報を対応付けて登録する。これにより、第1特徴情報と、第1識別情報と、第2識別情報とが、互いに対応付けられた状態で、拾得物データベース43に登録される。
保管部33は、管理者が拾得物収納装置2から移送してきた拾得物を収納して保管する。保管部33は、ロッカーとしての拾得物保管装置3の1つの開口部分に対応する。すなわち、拾得物保管装置3には、複数の保管部33が用意されており、それぞれの保管部33には、各保管部を識別するための第2識別情報が付与されている。第2識別情報は、第1識別情報とともに、本発明の場所情報に含まれる。保管部33は、施錠可能であり、管理者が拾得物を収納した時点で自動的に施錠される。
保管制御部34は、保管部33の解錠または施錠を制御する。保管制御部34は、管理者が拾得物を保管部33に収納しようとした時点で、複数の保管部33のうち、どの保管部を解錠して拾得物を収納させるかを決定する。また、保管制御部34は、管理者が拾得物を保管部33に収納した時点で、その保管部33を施錠する。
また、保管制御部34は、外部からの要求があった場合には、保管部33に保管されている拾得物の取り出しを許可してもよいか否かを判断する。保管制御部34は、遺失者が遺失物を受け取りに来た場合に、保管部33を解錠し、保管されている拾得物の取り出しを許可する。
このような構成を有する拾得物保管装置3により、拾得物収納装置2に収納された拾得物は、好適に拾得物保管装置3に移送される。拾得物保管装置3は、上述したように、イベント会場全体の拾得物を集めて保管する、落とし物センター等の施設に設置されているため、拾得物の安全かつ比較的長期の保管が可能となる。また、拾得物保管装置3における保管の際、拾得物が収納された保管部33を示す第2識別情報が、拾得物データベース43における当該拾得物の第1特徴情報および第1識別情報と対応付けられて登録される。このため、拾得物がどこに保管されているかが明らかな状態で、拾得物の保管が可能となる。
<管理サーバ4>
図5は、管理サーバ4の構成を示す図である。図5に示すように、管理サーバ4は、通信部41、登録部42、および拾得物データベース43を有する。
通信部41は、ネットワークを介して、拾得物収納装置2、拾得物保管装置3、および遺失者端末装置5と通信を行う。
登録部42は、通信部41を介して拾得物収納装置2または拾得物保管装置3から取得した情報を、拾得物データベース43に登録する。
拾得物データベース43は、上述したように、拾得物収納装置2に収納された拾得物に関する、第1特徴情報と、第1識別情報と、第2識別情報とが、互いに対応付けられた状態で登録されているデータベースである。
<遺失者端末装置5>
図6は、遺失者端末装置5の構成を示す図である。図6に示すように、遺失者端末装置5は、通信部51、認証部52、撮像部53、入力部54、および制御部56を有する。認証部52は、本発明の第2認証部の一例である。入力部54は、本発明の第2入力部の一例である。
通信部51は、ネットワークを介して管理サーバ4と通信を行う。
認証部52は、撮像部53が撮像した、遺失者の顔画像等を用いて、遺失者の認証(本人認証)を行う。認証部52は、本人認証の際、撮像部53が撮像した顔画像と照合するための画像として、予め撮像され、登録された遺失者の顔画像(以下、遺失者登録画像)を用いる。認証部52による遺失者の本人認証は、例えば、後述するイベントアプリの起動時等に行われる。
撮像部53は、例えばカメラである。撮像部53は、本人認証のために遺失者の顔画像を撮像する。
入力部54は、例えばタッチパネル、またはキーボード等の入力デバイスである。入力部54は、遺失者による入力操作を受け付ける。
表示部55は、例えば液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示デバイスである。
制御部56は、遺失者端末装置5の動作を制御する。特に、制御部56は、遺失者端末装置5にインストールされるイベントアプリの動作を制御する。遺失者端末装置5にインストールされるイベントアプリは、上述したように、拾得者端末装置1にインストールされるイベントアプリと同じものである。遺失者端末装置5にイベントアプリがインストールされる際の動作については、上述した、拾得者端末装置1にイベントアプリがインストールされる際の動作と同様であるため、説明を省略する。
また、制御部56は、入力部54を介した遺失者による入力操作に基づいて、イベントアプリ上で遺失物検出機能を実行する。具体的には、遺失者がイベントアプリを起動させると、表示部に複数の機能から遺失者が実行したい機能を選択する選択画面が表示される。その中から遺失物検出機能が遺失者により選択されると、遺失物検出機能が実行される。
遺失物検出機能が実行されると、表示部55には、遺失物の外観上の特徴を示す第2特徴情報の入力を要求する旨の表示が行われる。遺失者が入力部54を介して第2特徴情報を入力すると、制御部56は、通信部51を介して、管理サーバ4の拾得物データベース43にアクセスし、入力された第2特徴情報に合致する第1特徴情報を検索する。これにより、遺失物と外観上の特徴が合致する拾得物が検出される。
制御部56は、検索により、入力された情報に合致する第1特徴情報を検出した場合、通信部51を介して、当該第1特徴情報に対応付けられた第1識別情報または第2識別情報を取得する。そして、制御部56は、取得した第1識別情報または第2識別情報に基づいて、拾得物が収納されている拾得物収納装置2の位置、または拾得物が保管されている拾得物保管装置3の位置を表示部55に表示させる。これにより、遺失者は、遺失物と外観上の特徴が合致する拾得物がどこに収納または保管されているかを容易に知ることができる。
<動作例>
以上、拾得物管理システム100の構成について説明した。以下では、拾得物管理システム100の動作例について説明する。
(拾得者端末装置フロー)
図7は、拾得者端末装置1の動作フローを示す図である。図7に示す拾得者端末装置1の動作フローは、拾得者が落ちている拾得物を拾得し、予め拾得者端末装置1にインストールされているイベントアプリを起動させる入力操作を行った時点で開始される。
ステップS1において、制御部16は、イベントアプリを起動する。
ステップS2において、認証部12は、拾得者の本人認証を行う。ステップS2における拾得者の本人認証は、予め登録された拾得者登録画像と、ステップS2の時点で撮像部13により撮像された拾得者の顔画像と、を照合させることによって行われる。ステップS2における本人認証が成功した場合、処理はステップS3に進み、そうでない場合、処理はステップS4に進む。
拾得者による本人認証が成功した場合、ステップS3において、制御部16は、近隣に存在する拾得物収納装置2を案内する表示を表示部15に行わせる。ステップS3において必要な、拾得者端末装置1の現在位置情報は、例えば拾得者端末装置1が有するGPS機能を用いて取得される。また、拾得物収納装置2の位置に関する情報は、イベントアプリのインストール時に拾得者端末装置1内に記憶されていてもよいし、通信部11を介して外部のイベントアプリを管理するサーバからステップS3の時点で取得してもよい。
ステップS3の処理により、拾得者は近隣の拾得物収納装置2の位置を知ることができる。これにより、拾得者は、拾得した拾得物を持って拾得物収納装置2へ迷わずに移動することができる。拾得者が拾得物収納装置2まで移動したら、処理は後出の図8に示す、拾得物収納装置フロー1へ移行する。
拾得者による本人認証が失敗した場合、ステップS4において、制御部16は、拾得者をイベントアプリに登録させる処理を行う。拾得者がイベントアプリに登録されたら、処理はステップS2に戻る。
(拾得物収納装置フロー1)
図8は、拾得物収納装置2の第1の動作フローである拾得物収納装置フロー1を示す図である。図8に示す拾得物収納装置フロー1は、拾得者が拾得物を持って拾得物収納装置2の前まで来た時点で開始される。
ステップS11において、拾得物収納装置2は、拾得者からの拾得物収納要求があったか否かを判定する。拾得者からの拾得物収納要求は、例えば、拾得者が拾得者端末装置1で動作するイベントアプリ上で行われる。この場合、拾得物収納装置2は、通信部21を介して、拾得者端末装置1からの拾得物収納要求を受信する。または、拾得物収納要求は、拾得者が入力部24を操作することで入力されてもよい。
ステップS11において拾得物収納要求があったと判定された場合、処理はステップS12に進む。拾得物収納要求がない場合、ステップS11の処理が繰り返される。
ステップS12において、拾得物収納装置2は、拾得者の本人認証が成功したか否かを判定する。この判定は、例えば、取得部26が、通信部21を介して、拾得者端末装置1から本人認証(図7のステップS2参照)の結果を取得することによって行われる。または、この判断は、撮像部23によって拾得者の顔画像を撮像することにより、予め登録された拾得者登録画像との照合によって行われてもよい。
ステップS12において拾得者の本人認証が成功したと判定された場合、処理はステップS13に進み、そうでない場合、拾得物を受け付けられないとして、処理を終了する。処理を終了する場合、例えば図示しない表示部に、拾得者に対してイベントアプリのインストールを促す旨の表示、最寄りの拾得物保管施設の場所を地図上で示す表示、スタッフへの連絡手段(電話、メール、ショートメッセージ等)の表示等を行うようにしてもよい。
ステップS13において、取得部26は、拾得物の外観上の特徴を示す第1特徴情報を取得する。第1特徴情報は、上述したように、拾得物の画像を含む画像情報、特徴を文字で示す文字列情報、大きさに関する大きさ情報、形状に関する形状情報等を含む。
画像情報は、拾得物収納装置2に備えられている撮像部23を用いて、拾得者が拾得物を撮影することによって得られる。または、画像情報は、拾得者が拾得者端末装置1の撮像部13を用いて拾得物を撮影したことで得られてもよく、この場合、取得部26は、通信部21を介して拾得者端末装置1から画像情報を取得する。画像情報は、ステップS13の時点ではじめて生成されてもよいし、拾得者によって予め生成されていてもよい。
文字列情報は、拾得物収納装置2に備えられている入力部24を用いて、拾得者が入力することによって得られる。または、文字列情報は、拾得者が拾得者端末装置1の入力部14を用いて入力することで得られてもよく、この場合、取得部26は、通信部21を介して拾得者端末装置1から文字列情報を取得する。
大きさ情報、および形状情報は、拾得物収納装置2に備えられている測定部25によって拾得物がスキャンされることで得られる。
なお、撮像部23は、拾得物収納装置2の外面に設置されていてもよいが、例えば拾得物収納装置2が有する複数の開口部分のうち、専用の開口部分の内部に設けられていてもよい。また、当該専用の開口部分の内部には、測定部25がさらに設けられていてもよい。この場合、拾得者が、撮像部23および測定部25が備えられている開口部分の内部に拾得物を入れ、蓋を閉めると、撮像部23および測定部25によって画像情報、大きさ情報、および形状情報が一度に生成されるため、第1特徴情報の生成を簡単に行うことができ、好適である。
ステップS14において、拾得物収納装置2は、拾得者が持ってきた拾得物を収納可能であるか否かを判定する。当該判定は、予め定められた判定基準に基づいて行われる。
判定基準の例としては、例えば以下のようなものがある。拾得物が財布や貴金属等、貴重品または高額品である場合には、法律(遺失物法)および防犯の観点から、収納可能ではないと判定される。また、拾得物が一般的にロッカーに収納するのにふさわしくないと考えられる物品(生もの、動物、危険物、著しく汚れている物等)である場合にも、収納可能ではないと判定される。ステップS14の判定基準は、これらの例以外にも、拾得物管理システム100の管理者によって予め設定されていればよい。
ステップS14において収納可能であると判定された場合、処理はステップS15に進み、そうでない場合、処理はステップS18に進む。
ステップS14で収納可能であると判定された場合、ステップS15において、拾得物収納装置2は、複数の収納部27のうち、どの収納部に拾得物を収納させるかを決定する。この決定方法は、本発明では特に限定しないが、例えば空いている収納部27のうち、番号が最も若いものに決定したり、拾得者に自由に選択させたり等、適宜の方法を採用すればよい。どの収納部27に収納させるか決定したら、決定した収納部27を拾得者に報知する。また、収納部27に鍵が掛かっている場合、収納制御部29が当該収納部27を解錠する。
ステップS16において、拾得物収納装置2は、収納部27への拾得物の収納が完了したか否かを判定する。拾得物収納装置2は、例えば収納部27に拾得物が入れられ、収納部27の扉が閉じられた場合に、収納が完了したと判定すればよい。ステップS16において収納が完了したと判定された場合、処理はステップS17に進み、そうでない場合ステップS16の処理が繰り返される。
ステップS17において、登録部28は、収納された収納部27を識別するための第1識別情報と、第1特徴情報とを対応付けて、通信部21を介して管理サーバ4へ送信する。これにより、管理サーバ4の拾得物データベース43において、第1識別情報と第1特徴情報とが対応付けられて登録される。この後、処理は後出の図9に示す拾得物収納装置フロー2へ移行する。
一方、ステップS14で収納可能ではないと判定された場合、ステップS18において、拾得物収納装置2は、拾得物管理システム100の管理者へ収納可能でない拾得物が届けられた旨を通知する。その後は、管理者が拾得物に対して、警察に届ける、または廃棄する、等の然るべき処置を行う。
そして、ステップS19において、登録部28は、当該拾得物が管理者の手に渡ったことを示す情報を、第1特徴情報と対応付けて拾得物データベース43に登録させる。
(拾得物収納装置フロー2)
図9は、拾得物収納装置2の第2の動作フローである拾得物収納装置フロー2を示す図である。
ステップS21において、拾得物収納装置2は、収納部27に収納されている拾得物を、拾得物保管装置3へ移送する条件が成立したか否かを判定する。拾得物を拾得物保管装置3へ移送する条件は、予め管理者によって定められていればよい。拾得物を拾得物保管装置3へ移送する条件の例としては、拾得物収納装置2が有する複数の収納部27の空きが所定数より少なくなったか否か、または、所定期間が経過したか否か、等が挙げられる。
ステップS21で条件が成立したと判定された場合、処理はステップS22へ進み、そうでない場合処理はステップS21を繰り返す。なお、この繰り返しは、後出の拾得物収納装置フロー3(図12参照)において、遺失者により、収納部27から拾得物(遺失物)が取り出された時点で終了する。
ステップS22において、拾得物収納装置2は、拾得物を拾得物保管装置3へ移送する条件が成立したことを、管理者に通知する。
ステップS23において、収納制御部29は、収納部27を解錠するか否かを判定する。具体的には、収納制御部29は、管理者が収納部27の解錠を求めてきた場合に、当該収納部27を解錠すると判定する。ステップS23において、解錠すると判定した場合、処理はステップS24に進み、そうでない場合、処理はステップS23を繰り返す。
ステップS24において、収納制御部29は、収納部27を解錠する。これにより、管理者による収納部27に収納された拾得物の取り出しが可能となり、管理者の手によって、取り出された拾得物が拾得物保管装置3へ移送される。その後、処理は後出の拾得物保管装置フロー(図10参照)へ移行する。
(拾得物保管装置フロー1)
図10は、拾得物保管装置3の第1の動作フローである拾得物保管装置フロー1を示す図である。
ステップS31において、拾得物保管装置3は、管理者からの拾得物保管要求があったか否かを判定する。管理者からの拾得物保管要求は、例えば、拾得物保管装置3が有する図示しない入力部等を介して行われる。
ステップS31において管理者による拾得物保管要求があったと判定した場合、処理はステップS32に進み、そうでない場合、処理はステップS31を繰り返す。
ステップS32において、拾得物保管装置3は、複数の保管部33のうち、どの保管部に拾得物を保管させるかを決定する。この決定方法は、本発明では特に限定せず、適宜の方法が採用されればよい。
ステップS33において、拾得物保管装置3は、保管部33への拾得物の保管が完了したか否かを判定する。拾得物保管装置3は、例えば保管部33に拾得物が入れられ、保管部33の扉が閉じられた場合に、保管が完了したと判定すればよい。ステップS33において保管が完了したと判定された場合、処理はステップS34に進み、そうでない場合ステップS33の処理が繰り返される。
ステップS34において、登録部32は、保管部33に保管された拾得物の第1特徴情報に、保管された保管部33を示す第2識別情報を対応付けて拾得物データベース43に登録させる。これにより、拾得物データベース43が更新される。
拾得物保管装置フロー1が完了すると、拾得物に関する情報の拾得物データベースへの登録が完了する。これにより、後出の遺失物端末装置フロー(図11)への移行が可能となる。
(遺失物端末装置フロー)
図11は、遺失者端末装置5の動作フローを示す図である。図11に示す遺失者端末装置5の動作フローは、遺失者が持ち物を遺失したことに気づき、予め遺失者端末装置5にインストールされているイベントアプリを起動させる入力操作を行った時点で開始される。
ステップS41において、制御部56は、イベントアプリを起動する。
ステップS42において、認証部52は、遺失者の本人認証を行う。ステップS42における遺失者の本人認証は、予め登録された遺失者登録画像と、ステップS42の時点で撮像部53により撮像された遺失者の顔画像と、を照合させることによって行われる。ステップS42における本人認証が成功した場合、処理はステップS43に進み、そうでない場合、処理はステップS48に進む。
遺失者による本人認証が成功した場合、イベントアプリが起動し、遺失物検出機能が実行される。これにより、遺失者に対して、遺失物の外観上の特徴を示す第2特徴情報の入力が要求される。
ステップS43において、制御部56は、遺失物の外観上の特徴を示す第2特徴情報の入力を受け付ける。この入力は、遺失者により、入力部54を介して行われる。
ステップS44において、制御部56は、遺失者が入力部54を介して第2特徴情報を入力すると、制御部56は、通信部51を介して、管理サーバ4の拾得物データベース43にアクセスし、入力された第2特徴情報に合致する第1特徴情報を検索する。
ステップS45において、制御部56は、第2特徴情報に合致する第1特徴情報を検出できたか否かを判定する。第2特徴情報に合致する第1特徴情報が示す特徴を有する拾得物は、遺失者がステップS43で入力した特徴と同じ特徴を有する拾得物であり、遺失者が探している遺失物と思しき拾得物である。ステップS45で第2特徴情報に合致する第1特徴情報を検出できたと判定された場合、処理はステップS46に進み、そうでない場合、処理はステップS45を繰り返す。
なお、検出された拾得物が複数である場合、制御部56は、更なる第2特徴情報の入力を遺失者に求める処理を、検出された拾得物が1つに絞られるまで繰り返してもよい。このような処理により、遺失者が遺失した遺失物である可能性が最も高い拾得物が検出される。以下の説明において、遺失物である可能性が最も高い拾得物を、拾得物(遺失物)と記載する。
ステップS45で入力された情報に合致する第1特徴情報を検出できた場合、ステップS46において、制御部56は、通信部51を介して、拾得物データベース43から、検出した第1特徴情報に対応付けられた第1識別情報(拾得物収納装置2の収納部27を識別する情報)または第2識別情報(拾得物保管装置3の保管部33を識別する情報)を取得する。なお、拾得物が拾得物収納装置2に収納されている場合、第1特徴情報には第1識別情報が対応付けられて拾得物データベース43に登録されている。一方、拾得物が拾得物保管装置3に収納されている場合、第1特徴情報には第2識別情報が対応付けられて拾得物データベース43に登録されている。
ステップS47において、制御部56は、表示部55を介して、拾得物(遺失物)が収納されている収納部27の位置を案内する表示、または拾得物(遺失物)が保管されている保管部33の位置を案内する表示を行わせる。収納部27または保管部33の位置を案内する表示は、例えば、拾得物収納装置2または拾得物保管装置3の位置を示す地図、および、収納部27または保管部33を識別するための識別番号等を含む表示である。
その後、処理は、後出の拾得物収納装置フロー3(図12参照)、または拾得物保管装置フロー2(図13参照)へ移行する。なお、処理が拾得物収納装置フロー3へ移行するのは、拾得物(遺失物)が、拾得物収納装置2に収納されていた場合であり、処理が拾得物保管装置フロー2へ移行するのは、拾得物(遺失物)が、拾得物保管装置3に保管されていた場合である。
ステップS42で遺失者による本人認証が失敗した場合、ステップS48において、制御部56は、遺失者をイベントアプリに登録させる処理を行う。遺失者がイベントアプリに登録されたら、処理はステップS42に戻る。
(拾得物収納装置フロー3)
図12は、拾得物収納装置2の第3の動作フローである拾得物収納装置フロー3を示す図である。
ステップS51において、拾得物収納装置2は、遺失者による拾得物の引取要求があったか否かを判定する。遺失者からの拾得物引取要求は、例えば、遺失者が遺失者端末装置5で動作するイベントアプリ上で行われる。この場合、拾得物収納装置2は、通信部21を介して、遺失者端末装置5からの拾得物引取要求を受信する。または、拾得物引取要求は、遺失者が入力部24を操作することで入力されてもよい。
ステップS51において拾得物引取要求があったと判定された場合、処理はステップS52に進む。拾得物引取要求がない場合、ステップS51の処理が繰り返される。
ステップS52において、拾得物収納装置2は、遺失者の本人認証が成功したか否かを判定する。この判定は、例えば、通信部21を介して、遺失者端末装置5から本人認証(図11のステップS42参照)の結果を取得することによって行われる。または、この判定は、撮像部23によって遺失者の顔画像を撮像することにより、予め登録された遺失者登録画像との照合によって行われてもよい。
ステップS52において遺失者の本人認証が成功したと判定された場合、処理はステップS53に進み、そうでない場合、拾得物の引き取りに応じられないとして、処理を終了する。ステップS52において遺失者の本人認証が成功したと判定されない場合、本人認証に成功しない人物が引き取りに現れた旨を管理者に通知するようにしてもよい。
ステップS53において、収納制御部29は、収納部27を解錠する。これにより、遺失者が収納部27に収納された拾得物(遺失物)を取り出し可能となる。
ステップS54において、拾得物収納装置2は、遺失者による拾得物(遺失物)の引き取りが完了したか否かを判定する。引き取りが完了したと判定した場合、処理はステップS55に進み、そうでない場合、処理はステップS54を繰り返す。
ステップS55において、登録部28は、拾得物データベース43にアクセスし、引き取りが完了した拾得物(遺失物)に関する情報を更新する。これにより、その拾得物(遺失物)を引き取った遺失者を示す情報が、第1特徴情報等と対応付けられて拾得物データベース43に登録される。
(拾得物保管装置フロー2)
図13は、拾得物保管装置3の第2の動作フローである拾得物保管装置フロー2を示す図である。
ステップS61において、拾得物保管装置3は、遺失者による拾得物の引取要求があったか否かを判定する。遺失者からの拾得物引取要求は、例えば、遺失者が遺失者端末装置5で動作するイベントアプリ上で行われる。この場合、拾得物保管装置3は、通信部21を介して、遺失者端末装置5からの拾得物引取要求を受信する。または、拾得物引取要求は、遺失者が入力部24を操作することで入力されてもよい。
ステップS61において拾得物引取要求があったと判定された場合、処理はステップS62に進む。拾得物引取要求がない場合、ステップS61の処理が繰り返される。
ステップS62において、拾得物保管装置3は、遺失者の本人認証が成功したか否かを判定する。この判定は、例えば、通信部31を介して、遺失者端末装置5から本人認証(図11のステップS42参照)の結果を取得することによって行われる。または、この判定は、図4に図示しない撮像部によって遺失者の顔画像を撮像することにより、予め登録された遺失者登録画像との照合によって行われてもよい。
ステップS62において遺失者の本人認証が成功したと判定された場合、処理はステップS63に進み、そうでない場合、拾得物の引き取りに応じられないとして、処理を終了する。ステップS62において遺失者の本人認証が成功したと判定されない場合、本人認証に成功しない人物が引き取りに現れた旨を管理者に通知するようにしてもよい。
ステップS63において、保管制御部34は、保管部33を解錠する。これにより、遺失者が保管部33に保管された拾得物(遺失物)を取り出し可能となる。
ステップS64において、拾得物保管装置3は、遺失者による拾得物(遺失物)の引き取りが完了したか否かを判定する。引き取りが完了したと判定した場合、処理はステップS65に進み、そうでない場合、処理はステップS64を繰り返す。
ステップS65において、登録部32は、拾得物データベース43にアクセスし、引き取りが完了した拾得物(遺失物)に関する情報を更新する。これにより、その拾得物(遺失物)を引き取った遺失者を示す情報が、第1特徴情報等と対応付けられて拾得物データベース43に登録される。
<作用、効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る拾得物管理システム100は、拾得物を拾得した拾得者の本人認証を行う第1認証部(認証部12または認証部22)と、拾得物が収納される収納部27と、拾得者の本人認証の結果に基づいて、収納部27の施錠状態を制御する収納制御部29と、拾得物の特徴を示す第1特徴情報を取得する取得部26と、拾得物が収納された収納部27を識別するための第1識別情報および第1特徴情報を互いに対応付けて拾得物データベース43に登録する登録部(登録部28、登録部32、または登録部42)と、を備える。
このような構成により、拾得物を拾得した拾得者は、本人認証を行うだけで、拾得物を収納部27に収納させることができるようになる。このため、拾得物を拾得した拾得者は、拾得物を簡単に拾得物収納装置2に届けることができる。
また、本人認証に成功した拾得者が拾得物を収納部27に収納した場合のみ、収納部27は施錠される。その後は、拾得者でもその収納部27を開けることはできない。このため、拾得物収納装置2を荷物を預けるためのロッカーとして悪用(拾得物のふりをして一時的に荷物を収納部27に入れる等)することを好適に防止できる。
また、遺失物を探している遺失者は、拾得物データベース43を検索することで、探している遺失物と同じ特徴を有する拾得物を容易に検出することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
上述した実施の形態において、拾得物データベース43は管理サーバ4が管理するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、拾得物収納装置2が、拾得物データベースを備えていてもよい。
上述した実施の形態では、拾得者または遺失者の本人認証は、拾得者または遺失者が端末装置を介して、イベントアプリを起動した際に行われていたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、本人認証は、イベントアプリとは独立した他の本人認証手段によって行われてもよい。他の本人認証手段の例としては、イベントアプリを提供するためのシステムとは別に構築された、eKYC(electronic Know Your Customer)システム等が挙げられる。この場合、他の本人認証手段に登録された拾得者または遺失者の本人認証のための個人情報は、イベントアプリの登録内容と連携されてもよいし、またされなくてもよい。
上述した実施の形態において、拾得物収納装置2の取得部26が、拾得物の特徴を示す第1特徴情報を取得するとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1特徴情報が拾得者端末装置1で生成される場合、第1特徴情報は、拾得物収納装置2を介さず、直接管理サーバ4へ送信されてもよい。この場合、拾得物収納装置2は、収納部27への拾得物の収納を行った後、収納部27を識別するための第1識別情報を生成して管理サーバ4へ送信する。そして、管理サーバ4は、拾得者端末装置1から受信した第1特徴情報と、拾得物収納装置2から受信した第1識別情報とを対応付けて、拾得物データベース43に登録する。
上述した実施の形態では特に説明していないが、拾得物を拾得物収納装置2に収納した拾得者に対して、謝礼が支払われるようにしてもよい。この謝礼は、拾得物を拾得物収納装置2に収納された後、例えば拾得物管理システム100の管理者から拾得者に対して支払われればよい。拾得物管理システム100の管理者から支払われる謝礼の具体例としては、イベントアプリ内で利用可能なサービスの利用権や、イベント会場内で利用可能なデジタル地域通貨等が挙げられる。
また、謝礼は、拾得物を遺失物として引き取った遺失者から拾得者に対して支払われてもよい。この場合、遺失者が拾得物(遺失物)を引き取った後、遺失者が支払おうとする謝礼が、拾得物管理システム100を介して支払われるようにすればよい。遺失者から支払われる謝礼の具体例としては、デジタル地域通貨や、拾得者端末装置1および遺失者端末装置5上で動作する決済アプリケーションを用いた支払い等が挙げられる。
上述した実施の形態では、拾得物保管装置3が、自らの判断により、遺失者端末装置5を介した遺失者からの要望に応じて、遺失者の本人認証が成功した場合に、保管する拾得物を遺失者へ引き渡していた(図13のステップS62,S63)。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、拾得物保管装置3は、拾得物保管施設のスタッフ等によって管理され、操作される装置であってもよい。この場合、拾得物保管装置3による遺失者の本人認証の代わりに、スタッフが目視および口頭での確認を行った後、管理者が拾得物保管装置3から拾得物(遺失物)を取り出して遺失者へ引き渡すことになる。スタッフによる、目視および口頭での確認作業は、例えば遺失者から遺失物の特徴を口頭で聞き取り、その特徴に合致する拾得物を目視で探すことに相当する。
このような場合、拾得物保管装置3の具体例としては、上述した実施形態のようにロッカーであってもよいし、扉がなく、区画分けされた棚や机のようなものであってもよい。更には、管理者が拾得物(遺失物)の特徴を目視確認してから遺失者へ引き渡すことを前提とした場合、拾得物保管装置3は、多くの拾得物を一所に集めて保管できるもの、例えば大きな机等であってもよい。このように多くの拾得物を一所に集めて保管する場合、拾得物保管装置3は複数の保管部を有しておらず、保管場所を示す第2識別情報は拾得物保管装置3が設置されている拾得物保管施設を識別する情報であってもよい。また、このような場合、拾得物の引き渡しの際、拾得物保管装置3が、遺失者の本人認証に成功したか否かを判断する処理(図13のステップS62)が不要となる。
上述した実施の形態では、拾得物が拾得物収納装置2から拾得物保管装置3へ移送された後に、その拾得物が複数の保管部33のうちどの保管部に保管されるかが決定される例について説明した(図10のステップS32)。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、拾得物が拾得物収納装置2に収納された時点で、拾得物保管装置3への移送後に保管される保管部33が決定されてもよい。言い換えると、拾得物が拾得物収納装置2に収納され、第1識別情報が生成されるとほぼ同時に、その時点で空いている保管部33の中から1つが適宜選択され、第2識別情報が生成されてもよい。この場合、拾得物が拾得物収納装置2に収納された時点で、第1特徴情報と、第1識別情報と、第2識別情報と、が互いに互いに対応付けられた状態で、拾得物データベース43に登録される。
上述した実施の形態では、遺失者端末装置5において遺失者が遺失物を検索したとき、何らかの検出結果が存在した場合について記載したが、検出結果は0件となる場合も生じうる。検出結果が0件であった場合には、例えば、遺失者がイベントアプリを用いて、管理者に対して遺失物の捜索依頼をできるようにしてもよい。この場合、例えばイベントアプリを使用する使用者に対して、遺失物の特徴等を含む情報が提示され、捜索依頼が出されていることが報知されるようにしてもよい。
上述した実施の形態では、遺失者端末装置5において遺失者が遺失物を検索する際に、遺失物の外観上の特徴に基づいて、特徴が合致する拾得物を検索していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、拾得物の第1特徴情報が生成される際、拾得者が拾得物を拾った場所を示す場所情報が生成され、第1特徴情報と対応付けられて拾得物データベース43に登録されてもよい。これにより、例えば遺失者が遺失物検出機能を用いて遺失物を検索する際に、第2特徴情報が合致する拾得物が多数検出された際に、遺失物を絞り込むことが容易となる。場所情報だけでなく、拾得物を識別可能な情報であれば、適宜第1特徴情報とともに生成され、対応付けられて拾得物データベース43に登録されてもよい。
上述した実施の形態では、拾得された拾得物を管理するシステムについて説明したが、同様の仕組みを、迷子の対応を行うシステムとして利用することも可能である。この場合、迷子を見つけた人物(拾得者に対応)が、迷子をイベント会場の施設(迷子センター等)に届け、イベントスタッフ(管理者に対応)が迷子の特徴に関する特徴情報(第1特徴情報に対応)を端末装置で作成し、迷子の場所情報(第1識別情報または第2識別情報に対応)と特徴情報とを対応付けて迷子データベース(拾得物データベース43に対応)に登録すればよい。そして、迷子の保護者(遺失者に対応)は、自らの端末装置(遺失者端末装置に対応)を用いて、迷子の特徴を入力し、迷子データベースから迷子を検出することができる。
迷子の場所情報は、例えば予め保護者が取り付けた物理タグが有するGPS機能が発信する位置情報に基づいて取得される。または、例えばイベント会場内のあちこちに設置された監視カメラを用いて通行人の顔認識を行い、特徴情報との照合を行って迷子を検出し、迷子を検出した監視カメラの撮像範囲を場所情報としてもよい。