JP2021127760A - 燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実レール圧の脈動増大や収束遅延を抑制しつつ、高速回転時の演算処理負荷を軽減できるようにした、燃料ポンプ制御装置を提供する。【解決手段】燃料ポンプ制御装置としてのECU80は、演算部81、制御部82および判定部83を備える。制御部82は、高速回転であるか否かに拘わらず、目標吐出量に従って調量弁60の作動を制御する。演算部81は、通常回転時には、カム30が所定角度回転する都度に目標吐出量を演算(都度演算)する。一方、高速回転時には、カムが所定角度回転する都度のタイミングを間引いて演算(間引き演算)する。制御部82は、間引かれずに演算を実行する演算タイミングで、演算タイミング直後の吐出および休止タイミング直後の吐出の両方について目標吐出量を演算する。【選択図】図1

Description

この明細書における開示は、プランジャで圧縮吐出する燃料ポンプに適用された、燃料ポンプ制御装置に関する。
特許文献1には、加圧室へ吸入される燃料の量を調整する調量弁と、加圧室へ吸入された燃料を加圧して圧送するプランジャと、を備える燃料ポンプが記載されている。燃料ポンプから圧送された燃料はコモンレールで蓄圧され、内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁へ分配される。
この種の燃料ポンプを制御する制御装置は、調量弁を開閉するタイミングを制御することで、加圧室で加圧される量(吐出量)を調整する。この吐出量は、コモンレール内の燃料圧力(実レール圧)が目標レール圧になるよう、フィードバック制御される。具体的には、上記制御装置は、プランジャの1回往復動による加圧室からの目標吐出量を、上記実レール圧と目標レール圧との偏差等に基づき演算する。
特許第3518417号公報
さて、上記プランジャはカムで押し動かされ、カムは内燃機関の出力軸で駆動される。したがって、出力軸の回転速度が速い(高速回転である)ほど、プランジャの往復動速度も速くなる。そのため、カムが所定角度回転する毎に目標吐出量を演算すると、高速回転であるほど演算の処理負荷が大きくなる。
この課題に対し、特許文献1に記載の制御装置では、高速回転時には調量弁の閉弁を禁止して吐出を間引くことで、目標吐出量の演算回数を減らしている。しかしながら、このように吐出を間引くと、1回分の吐出量を増やして吐出の間隔を長くすることになるので、実レール圧の脈動が大きくなる。また、目標レール圧が大きく変化する過渡時においては、上述の如く吐出を間引くと、目標レール圧の変化に対する実レール圧の収束が遅くなる。
開示される1つの目的は、実レール圧の脈動増大や収束遅延を抑制しつつ、高速回転時の演算処理負荷を軽減できるようにした、燃料ポンプ制御装置を提供することである。
上記目的を達成するため、開示された1つの手段は、
カム(30)で押し動かされて往復動するプランジャ(20)、およびプランジャで加圧される燃料の量を調整する調量弁(60)を備える燃料ポンプ(1)に適用された、燃料ポンプ制御装置において、
プランジャが1回往復動することによって加圧室(10a)から吐出される1回分の目標吐出量を演算する演算部(81)と、
目標吐出量に従って、調量弁の作動を制御する制御部(82)と、
カムの回転速度が所定未満である通常回転および所定以上である高速回転のいずれであるかを判定する判定部(83)と、
を備え、
制御部は、判定部の判定結果に拘わらず、プランジャが1回往復動する毎に、目標吐出量に従って調量弁の作動を制御し、
演算部は、
通常回転と判定されている通常期間には、カムが所定角度回転する都度、目標吐出量を演算する都度演算を実行し、
高速回転と判定されている高速期間には、カムが所定角度回転する都度のタイミングを、演算を休止するように間引かれた休止タイミングと、間引かれずに演算を実行する演算タイミングとに分別し、
演算タイミングで、演算タイミング直後の吐出および休止タイミング直後の吐出の両方について目標吐出量を演算する間引き演算を実行する燃料ポンプ制御装置である。
ここに開示された燃料ポンプ制御装置によると、高速回転時には、目標吐出量の演算が間引かれるものの、目標吐出量に従った調量弁制御は間引かれずに、プランジャが1回往復動する毎に燃料が吐出される。すなわち、演算を間引いたタイミングでは、直近で演算した目標吐出量にしたがって燃料が吐出される。そのため、演算は間引かれるものの吐出は間引かれないので、実レール圧の脈動増大や収束遅延を抑制しつつ、高速回転時の演算処理負荷を軽減できる。
第1実施形態において、燃料ポンプの構成を模式的に示す図。 第1実施形態において、ポンプ吐出圧の時間変化を示す図。 第1実施形態において、調量弁の閉弁開始時期とポンプ吐出量との関係を示す特性図。 第1実施形態において、都度演算および間引き演算のタイミングと、吐出制御のタイミングとの関係を示す図。 第1実施形態において、都度演算および間引き演算の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態による効果であって、定常時での効果を表した図。 第1実施形態による効果であって、過渡時での効果を表した図。
以下、本開示の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1に示す燃料ポンプ1は、車両に搭載されたものであり、燃料タンク2内の燃料を加圧して吐出する高圧ポンプである。燃料ポンプ1から吐出された燃料は、コモンレール3で蓄圧された後、内燃機関の各気筒に設けられた燃料噴射弁4へ分配され、燃料噴射弁4から高圧で噴射される。噴射された燃料は内燃機関での燃焼に用いられる。燃焼により得られた内燃機関の出力トルクの一部は、燃料ポンプ1の駆動に用いられる。燃料タンク2内に配置された低圧ポンプ2aは電動モータにより駆動され、低圧状態の燃料を燃料ポンプ1へ供給する。なお、低圧ポンプ2aは、燃料タンク2の外部に配置されていてもよい。例えば、燃料ポンプ1が低圧ポンプ2aを内蔵していてもよい。この場合の低圧ポンプ2aは、電動モータに替えて、内燃機関の出力トルクで駆動される。
燃料ポンプ1は、以下に説明するシリンダ10、プランジャ20、カム30、回転軸40、従動歯車50および調量弁60等を備える。シリンダ10は、燃料を加圧する加圧室10aを形成する。プランジャ20は、シリンダ10内を往復移動することで、加圧室10aへ燃料を吸入するとともに、吸入した燃料を圧縮して加圧する。
具体的には、プランジャ20とカム30の間にはタペット21が配置されており、カム30がタペット21を介してプランジャ20を押し動かすことで、プランジャ20は、燃料を圧縮する向きに移動(つまりリフトアップ)する。また、弾性部材22から付与される弾性力により、プランジャ20は燃料を吸入する向きに移動(つまりリフトダウン)する。
プランジャ20がリフトアップする期間を加圧期間と呼び、リフトダウンする期間を吸入期間と呼ぶ。図1に示すように、本実施形態に係るカム30は2つの山を有する形状であるため、カム30が1回転するうちにプランジャ20は2往復する。
回転軸40には、カム30および従動歯車50が固定されており、カム30および従動歯車50は回転軸40と一体となって回転する。従動歯車50は、図示しない駆動歯車と係合して回転し、回転軸40を回転させる。つまり、駆動歯車の回転駆動力は、従動歯車50および回転軸40を介してカム30へ伝達され、プランジャ20をリフトアップさせる駆動力となる。
駆動歯車は、内燃機関の出力トルクを駆動源として回転する。したがって、内燃機関の運転期間中には駆動歯車は常時回転する。また、内燃機関の出力軸の回転速度の変動に応じて駆動歯車の回転速度も変動し、ひいてはカム30の回転速度も変動する。
調量弁60は、電子制御装置(ECU80)により開閉作動する電磁式である。吸入期間には調量弁60を開弁作動させて、加圧室10aへ低圧燃料を吸入させる。加圧期間には、所望のタイミングで閉弁作動させることで、実際に燃料が圧縮を開始するタイミングを制御する。
具体的には、加圧期間であっても調量弁60が開弁作動している期間には、加圧室10aの燃料は、プランジャ20がリフトアップするものの圧縮されず、調量弁60を通じて燃料タンク2に戻される。その後、調量弁60が閉弁作動した以降には、加圧室10aの燃料は、リフトアップするプランジャ20により圧縮される。
要するに、加圧期間において実際に燃料が圧縮される期間は、調量弁60が閉弁作動している期間である。そして、調量弁60の閉弁作動開始のタイミングである閉弁開始時期tst(図2参照)をECU80が制御することで、加圧室10aで圧縮される燃料の量が制御される。その結果、プランジャ20が1回往復動するによって加圧室10aから吐出される、高圧燃料の1回分の吐出量が制御される。
なお、燃料が圧縮されて加圧室10aの圧力が設定値を超えて高くなると、逆止弁71が開弁し、圧縮された高圧燃料はコモンレール3へ供給される。なお、燃料噴射弁4の噴孔が詰まる故障が生じた場合等、高圧通路73の圧力が異常値を超えて高くなると、リリーフ弁72が開弁し、高圧通路73の燃料は燃料タンク2へリリーフされる。
ECU80は、演算処理装置としてのプロセッサ(CPU80a)と、記憶装置としてのメモリ80bとを有する。これらのCPU80aおよびメモリ80bはマイクロコンピュータ(マイコン)とも呼ばれる。メモリ80bは、CPU80aによって読み取り可能な「プログラムおよび/またはデータ」を非一時的に格納する非遷移的かつ実体的な記憶媒体である。ECU80は、専用ハードウエア論理回路により実現されてもよいし、コンピュータプログラムを実行するプロセッサとハードウエア論理回路との組合せにより実現されてもよい。
ECU80は、コモンレール3に取り付けられた圧力センサ3aの検出信号を取得する。圧力センサ3aは、コモンレール3内の燃料の圧力であるレール圧Pcを検出する。以下の説明では、実際のレール圧Pcの値を実レール圧Pactと記載し、レール圧Pcの目標値を目標レール圧Ptrgと記載する。
ECU80は、クランク角センサ50aの検出信号を取得する。クランク角センサ50aは、所定時間当りに出力軸が回転した回数(エンジン回転数NE)、つまり内燃機関の出力軸の回転速度を検出する。さらにECU80は、アクセルペダル踏込量を検出するセンサ等、運転者が要求するエンジン負荷を各種センサから取得する。
ECU80は、各種センサから取得したエンジン回転数NEおよびエンジン負荷に基づき、燃料噴射弁4から噴射される噴射量の目標値(目標噴射量)を演算する。例えば、高回転数かつ高負荷であるほど、目標噴射量は大きい値に設定される。さらにECU80は、各種センサから取得したエンジン回転数NEおよびエンジン負荷に基づき、目標レール圧Ptrgを演算する。例えば、高回転数かつ高負荷であるほど、目標レール圧Ptrgは高い値に設定される。
さらにECU80は、マイコンが実行する演算処理によって、以下に詳述する演算部81、制御部82および判定部83としての機能を発揮する。
演算部81は、プランジャ20が1回往復動するによって加圧室10aから吐出される1回分の吐出量の目標値である、目標吐出量を演算する。図2に示す通電期間Tqは、制御部82が通電により調量弁60を閉弁作動させている期間であって、目標吐出量に相当する長さに設定されている。なお、図2の縦軸は、プランジャ20のリフト量を示し、図2の横軸は経過時間を示す。
通電期間Tqが長いほど、つまり閉弁開始時期tstが早いほど、燃料の加圧量が増大し、燃料ポンプ1からの吐出量も増大する。目標吐出量としての通電期間Tqは、以下に説明する噴射補充分T1、目標偏差分T2および無効吐出分T3の3つの項を合算して算出される。
噴射補充分T1は、燃料噴射弁4から噴射される分だけレール圧Pcの低下が見込まれる分の吐出量に相当する。したがって、噴射補充分T1の吐出量は、先述した目標噴射量に基づいて演算される。具体的には、目標噴射量が多いほど噴射補充分T1は大きい値に設定される。
目標偏差分T2は、目標レール圧Ptrgに対する実レール圧Pactの不足分に相当する吐出量である。したがって、目標偏差分T2は、目標レール圧Ptrgに対する実レール圧Pactの差分に基づいて演算される。具体的には、差分が大きいほど目標偏差分T2は大きい値に設定される。なお、実レール圧Pactが目標レール圧Ptrgより大きい場合には目標偏差分T2の値はマイナスとなる。
無効吐出分T3は、通電開始してから調量弁60が閉じ、加圧室10aの圧力が上昇して逆止弁71が開弁するまでの期間に相当する。要するに、通電開始から吐出開始までの期間が無効吐出分T3である。無効吐出分T3には、予め設定された値が用いられる。
図3は、単位時間当たりに燃料ポンプ1から吐出される吐出量Qと、閉弁開始時期tstとの関係を示す。図示されるように、閉弁開始時期tstが早いタイミングであるほど、吐出量Qは増大する。また、燃料ポンプ1は内燃機関の出力トルクで駆動されるため、エンジン回転数NEが高回転数であるほど、吐出量Qは増大する。
制御部82は、目標吐出量に従って調量弁60の作動を制御する。具体的には、演算部81で演算された目標吐出量に対応する閉弁開始時期tstに、調量弁60を閉弁作動させるように制御する。なお、後述する通常期間においては、前回吐出から次回吐出までの期間に、次回吐出に係る目標吐出量が演算される。
判定部83は、カム30の回転速度が所定未満である通常回転、および所定以上である高速回転のいずれであるかを判定する。カム30の回転速度は、内燃機関の出力軸の回転速度つまりエンジン回転数NEに比例した値である。そのため、判定部83は、エンジン回転数NEが閾値NEth未満である場合に通常回転とみなし、エンジン回転数NEが閾値NEth以上である場合に高速回転とみなす。
そして、制御部82は、判定部83の判定結果に拘わらず、プランジャ20が1回往復動する毎に、先述したように目標吐出量に従って調量弁60の作動を制御する。これに対し演算部81は、判定部83の判定結果に応じて、演算内容と演算頻度を以下のように変更する。
演算部81は、通常回転と判定されている通常期間には、カム30が所定角度回転する都度、目標吐出量を演算する。このような通常期間での演算は「都度演算」に相当する。上記「所定角度」は、プランジャ20が1回往復動するのに要するカム30の回転角度に設定されている。要するに、制御部82が調量弁60の作動を制御して加圧室10aから燃料を吐出させる回数と、通常期間において演算部81が目標吐出量を演算する回数とは一致する(図4参照)。
図4は、経過時間tに対する目標レール圧Ptrgと実レール圧Pactの変化を示す。図中の左側領域では、エンジン回転数NEが閾値NEth未満(通常回転)となっており、右側領域では、エンジン回転数NEが閾値NEth以上(高速回転)となっている。図4中の三角記号は、制御部82が吐出制御を実行することで加圧室10aから燃料が吐出されるタイミングを示す。図4中の矢印Caは、通常期間における都度演算のタイミングを示しており、矢印Caが示すように都度演算は吐出の直前に実行される。先述した通り、図4に示す通常期間では、都度演算の回数と吐出回数とが一致している。
演算部81は、高速回転と判定されている高速期間には、カム30が所定角度回転する都度のタイミングを、休止タイミングと演算タイミングとに分別する。休止タイミングは、目標吐出量の演算を休止するように、所定角度毎のタイミングから間引かれたタイミングである。演算タイミングは、所定角度毎のタイミングのうち休止タイミングを除いた残りのタイミングであり、目標吐出量の演算を間引かれずに実行するタイミングである。
演算タイミングでは、演算タイミング直後の吐出および休止タイミング直後の吐出の両方について、目標吐出量を演算する。このような高速期間における演算タイミングでの演算は、「間引き演算」に相当する。
図4中の矢印Cbは、高速期間における間引き演算タイミングを示しており、矢印Cbが示すように、間引き演算についても都度演算と同様にして、吐出の直前に実行される。高速期間における間引き演算の回数は、吐出回数より少なくなっている。図4の例では、4回の吐出に対して間引き演算が1回行われており、4回の吐出に対して3回の演算が間引かれて休止されている。但し、高速期間であっても、実レール圧Pactと目標レール圧Ptrgとの差分が所定以上大きくなっている場合には、休止するタイミングであっても間引き演算が実行される。
図5は、演算部81、制御部82および判定部83として機能する際の、ECU80のマイコンが実行する処理手順を示す。図5に示す処理は、内燃機関の駆動中に、マイコンによって、回転角同期で繰り返し実行される。つまり、カム30が所定角度回転する都度、図5の処理が実行される。
先ず、図5のステップS10において、現時点でのエンジン回転数NEが閾値NEth以上であるか否かを判定する。閾値NEth未満と否定判定された場合には、通常回転であるとみなして都度演算する(ステップS11)。一方、閾値NEth以上と肯定判定された場合には、高速回転とみなし、ステップS14、S17での条件を満たした場合に間引き演算する(ステップS15)。
より具体的に説明すると、ステップS10にて通常回転とみなされた場合、続くステップS11にて、燃料ポンプ1に対する制御量Yを都度演算する。この制御量Yは、先述した目標吐出量に相当し、都度演算による目標吐出量(制御量Y)を通常時制御量と呼ぶ。
続くステップS12では、後述する間引き回数カウンタXをゼロに設定する。続くステップS13では、ステップS11およびステップS15のうち直近で演算された制御量Yで燃料ポンプ1を制御する。具体的には、制御量Yに対応する閉弁開始時期tstで調量弁60を作動させることで、制御量Yの分だけ燃料を加圧室10aから吐出させる。
一方、ステップS10にて高速回転とみなされた場合には、続くステップS14において、間引き回数カウンタXがゼロであるか否かを判定する。X=0と判定された場合、続くステップS15にて制御量Y(間引き時制御量)を間引き演算し、間引き回数カウンタXの値を1つ増加させる(ステップS16)。
間引き演算では、演算タイミング直後の制御量Y1、および休止タイミング直後の制御量Y2の両方を演算する。但し、これらの制御量Y1、Y2は同一の値に設定されるため、実質的に演算されるのは、演算タイミング直後の制御量Y1であり、休止タイミング直後の制御量Y2については、演算休止されていると言える。図4の例では、4回の吐出に対して、実質的な間引き演算は1回行われ、3回の演算は間引かれて休止されていると言える。
都度演算および間引き演算のいずれにおいても、先述した噴射補充分T1、目標偏差分T2および無効吐出分T3に相当する制御量を合算して制御量Yが演算される。噴射補充分T1と無効吐出分T3に相当する制御量については、都度演算および間引き演算とで同一である。
但し、目標偏差分T2に相当する制御量については、都度演算と間引き演算とで異なる。すなわち、都度演算では、1回分の制御量Yに含まれる目標偏差分T2で、実レール圧Pactと目標レール圧Ptrgとの差分をゼロにするように制御量Yが演算される。間引き演算では、複数回の制御量Y1、Y2つまり図4の例では4回分の制御量Yで、上記差分をゼロにするように制御量Yが演算される。
また、目標偏差分T2の演算に関し、都度演算および間引き演算のいずれにおいても、上記差分にフィードバックゲインを乗算して、フィードバック吐出量を演算する。このフィードバック吐出量が、目標偏差分T2に相当する吐出量として演算される。但し、間引き演算で用いられるフィードバックゲインは、都度演算で用いられるフィードバックゲインより小さく設定されている。間引き演算では4回分の制御量Yで上記差分をゼロにしようとするからである。
ステップS14でX=0でないと否定判定された場合には、続くステップS17において、上記差分が所定の閾値Pth以上であるか否かを判定する。閾値Pth以上と肯定判定された場合には、休止タイミングであるもののステップS15にて間引き演算を実行する。
一方、閾値Pth以上でないと否定判定された場合には、続くステップS18において、間引き回数カウンタXが予め設定された所定値Nに達したか否かを判定する。所定値Nは、演算タイミング1回に対する休止タイミングの回数つまり演算の間引き回数に相当し、図4の例では間引き回数(所定値N)が3回に設定されている。
ステップS18でX=Nでないと否定判定された場合には、ステップS15による間引き演算を実行することなく、ステップS16にて間引き回数カウンタXを増加させる。その後のステップS13では、直近で演算された制御量Yで燃料ポンプ1を制御する。この場合、ステップS15で演算された制御量Y1と同じ制御量Y2で燃料ポンプ1が制御されることとなる。
一方、ステップS18でX=Nであると肯定判定された場合には、ステップS12でX=0に設定される。その後のステップS13では、直近で演算された制御量Y、つまり、ステップS15で演算された制御量Y1と同じ制御量Y2で燃料ポンプ1が制御されることとなる。この場合、高速期間が継続されていれば、ステップS14にて肯定判定されることになるので、ステップS15での間引き演算が実行される。
以下、上述した構成を備えることによる効果について説明する。
燃料ポンプ制御装置としてのECU80は、演算部81、制御部82および判定部83を備える。制御部82は、高速回転であるか否かに拘わらず、目標吐出量に従って調量弁60の作動を制御する。演算部81は、通常回転時には、カム30が所定角度回転する都度に目標吐出量を演算(都度演算)する。一方、高速回転時には、カムが所定角度回転する都度のタイミングを間引いて演算(間引き演算)する。そして、間引かれずに演算を実行する演算タイミングで、演算タイミング直後の吐出および休止タイミング直後の吐出の両方について目標吐出量を演算する。
これによれば、高速回転時には、目標吐出量の演算を間引くものの、目標吐出量に従った調量弁60の制御は間引かずに燃料が吐出される。すなわち、演算を間引いた休止タイミングでは、直近に間引き演算された目標吐出量にしたがって燃料が吐出される。そのため、実レール圧Pactの脈動増大や収束遅延を抑制しつつ、高速回転時におけるマイコンの演算処理負荷を軽減できる。
図6は、目標レール圧Ptrgが変化していない定常時かつ高速回転時において、上述した脈動増大抑制の効果を説明する図である。なお、図6の横軸は経過時間を示し、縦軸はレール圧Pcを示す。例えばエンジン回転数NEおよびエンジン負荷が変化していない場合には、目標レール圧Ptrgが変化しない定常状態となる。
先述した特許文献1に記載の制御装置は、高速回転時に演算を間引くとともに、吐出についても間引く。このように吐出を間引くと、図6中の一点鎖線に示すように、1回分の吐出量を増やして吐出の間隔を長くすることになる。例えば、本実施形態に係る制御装置では、図6中の実線に示すように3回吐出する間に、例えば特許文献1の制御装置では2回吐出することになる。その結果、図6中の矢印に示すようにレール圧Pcの脈動が大きくなる。換言すれば、燃料吐出は間引かずに演算を間引く本実施形態によれば、実レール圧Pactの脈動増大を抑制しつつ、高速回転時でのマイコンの演算処理負荷を軽減できる。
図7は、目標レール圧Ptrgが急変した過渡時かつ高速回転時において、上述した収束遅延抑制の効果を説明する図である。なお、図7の横軸は経過時間を示し、縦軸はレール圧Pcを示す。例えばエンジン回転数NEおよびエンジン負荷の少なくとも一方が急激に増大した場合には、目標レール圧Ptrgが急激に増大する。その結果、実レール圧Pactが目標レール圧Ptrgに対して大幅に小さくなる過渡状態となる。
特許文献1に記載の制御装置は吐出を間引くので、図7中の一点鎖線に示すように、急増した目標レール圧Ptrgへの実レール圧Pactの追従が遅くなる。しかも、1回目の吐出では最大吐出量で吐出しているにも拘わらず、2回目の吐出でも未だ目標レール圧Ptrgに達していない。これに対し、燃料吐出は間引かずに演算を間引く本実施形態によれば、1回目の吐出を最大吐出量にしなくても、2回目の吐出で目標レール圧Ptrgに達している。このように、本実施形態によれば、過渡時の目標レール圧Ptrgに対する実レール圧Pactの収束遅延を抑制しつつ、高速回転時でのマイコンの演算処理負荷を軽減できる。
さらに本実施形態では、演算部81は、実レール圧Pactと目標レール圧Ptrgとの差分を小さくするように目標吐出量を演算する。そして間引き演算では、演算タイミング直後の吐出および休止タイミング直後の吐出の両方で上記差分をゼロにするように、目標吐出量が演算される。
ここで、上記制御に反して、演算タイミング直後の吐出で上記差分をゼロにするように目標吐出量を演算すると、以下の懸念が生じる。すなわち、両方の目標吐出量を同一にした場合、演算タイミング直後の吐出で差分がゼロになった後、休止タイミング直後の吐出でオーバーシュートする。これに対し本実施形態では、吐出の両方で上記差分をゼロにするので、両方の目標吐出量を同一にしてもオーバーシュートを抑制できる。よって、休止タイミング直後の目標吐出量の演算を簡素にしつつ、目標レール圧Ptrgに対する実レール圧Pactの収束遅延を抑制できる。
さらに本実施形態では、休止タイミング直後の吐出に係る目標吐出量は、演算タイミング直後の吐出に係る目標吐出量と同じである。そのため、演算タイミングで両方の目標吐出量を設定するにあたり、片方の目標吐出量を演算するだけで済み、演算処理負荷の軽減を促進できる。
さらに本実施形態では、目標吐出量には、実レール圧Pactと目標レール圧Ptrgとの差分にフィードバックゲインを乗算して得られる吐出量が含まれている。例えば、目標偏差分T2に相当する吐出量が目標吐出量に含まれている。そして、間引き演算で用いられるフィードバックゲインは、都度演算で用いられるフィードバックゲインより小さく設定されている。
ここで、上記制御に反して、フィードバックゲインを同じに設定すると、以下の懸念が生じる。すなわち、演算タイミング直後の目標吐出量と休止タイミング直後の目標吐出量を同一にした場合、演算タイミング直後の吐出で実レール圧Pactが目標レール圧Ptrgに近づいた後、休止タイミング直後の吐出でオーバーシュートする。これに対し本実施形態では、間引き演算でのフィードバックゲインを都度演算より小さく設定するので、両方の目標吐出量を同一にしてもオーバーシュートを抑制できる。
さらに本実施形態では、演算部81は、目標レール圧Ptrgの変化に伴い上記差分が所定以上大きくなっている時には、高速期間での休止タイミングであっても、高速期間での演算タイミングと同様に、間引き演算を実行する。例えば、図5のステップS17で上記差分が所定の閾値Pth以上と肯定判定された場合には、間引き回数が所定値Nに達していない休止タイミングであるものの、ステップS15にて間引き演算を実行する。
これによれば、目標レール圧Ptrgが急変した過渡時において、目標レール圧Ptrgに対する実レール圧Pactの収束遅延を抑制できる。
(他の実施形態)
上記第1実施形態に係る都度制御は、カム30が所定角度回転する都度に実行される。そして、所定角度は、プランジャ20の1回往復動する角度に設定されており、プランジャ20が1回往復動する毎に都度制御が実行されている。これに対し、プランジャ20が複数回往復動する毎に都度制御が実行されてもよい。また、上記第1実施形態では、プランジャ20が1つの燃料ポンプ1をECU80の制御対象としているが、プランジャ20が複数の燃料ポンプ1を制御対象としてもよい。
上記第1実施形態では、実レール圧Pactと目標レール圧Ptrgとの差分に応じて、調量弁60の作動を制御して燃料ポンプ1の吐出量を制御している。これに対し、調量弁60に替えて、加圧室10aへの吸入通路の絞りの大きさを制御する調量弁を採用してもよい。この場合、絞りの大きさを制御することで吸入量を制御し、その結果、燃料ポンプ1の吐出量を制御することになる。
上記第1実施形態では、ステップS18で用いられる間引き回数(所定値N)が固定した値に設定されている。これに対し、状況に応じて間引き回数が可変設定されてもよい。例えば、エンジン回転数NEやエンジン負荷に応じて間引き回数が変更されてもよい。或いは、実レール圧Pactや目標レール圧Ptrg、これらの差分等に応じて、間引き回数が変更されてもよい。
1…燃料ポンプ、3…コモンレール、4…燃料噴射弁、10…シリンダ、10a…加圧室、20…プランジャ、30…カム、60…調量弁、80…燃料ポンプ制御装置、81…演算部、82…制御部、83…判定部、Pact…実レール圧、Ptrg…目標レール圧。

Claims (5)

  1. カム(30)で押し動かされて往復動するプランジャ(20)、および前記プランジャで加圧される燃料の量を調整する調量弁(60)を備える燃料ポンプ(1)に適用された、燃料ポンプ制御装置において、
    前記プランジャが1回往復動することによって加圧室(10a)から吐出される1回分の目標吐出量を演算する演算部(81)と、
    前記目標吐出量に従って、前記調量弁の作動を制御する制御部(82)と、
    前記カムの回転速度が所定未満である通常回転および所定以上である高速回転のいずれであるかを判定する判定部(83)と、
    を備え、
    前記制御部は、前記判定部の判定結果に拘わらず、前記プランジャが1回往復動する毎に、前記目標吐出量に従って前記調量弁の作動を制御し、
    前記演算部は、
    前記通常回転と判定されている通常期間には、前記カムが所定角度回転する都度、前記目標吐出量を演算する都度演算を実行し、
    前記高速回転と判定されている高速期間には、前記カムが所定角度回転する都度のタイミングを、演算を休止するように間引かれた休止タイミングと、間引かれずに演算を実行する演算タイミングとに分別し、
    前記演算タイミングでは、前記演算タイミング直後の吐出および前記休止タイミング直後の吐出の両方について前記目標吐出量を演算する間引き演算を実行する燃料ポンプ制御装置。
  2. 前記燃料ポンプは、複数の燃料噴射弁(4)へ燃料を分配するコモンレール(3)へ燃料を圧送するものであり、
    前記演算部は、
    前記コモンレール内の燃料の圧力である実レール圧(Pact)と目標レール圧(Ptrg)との差分を小さくするように前記目標吐出量を演算するとともに、
    前記間引き演算では、前記演算タイミング直後の吐出および前記休止タイミング直後の吐出の両方で前記差分をゼロにするように、前記目標吐出量が演算される、請求項1に記載の燃料ポンプ制御装置。
  3. 前記休止タイミング直後の吐出に係る前記目標吐出量は、前記演算タイミング直後の吐出に係る前記目標吐出量と同じである、請求項1または2に記載の燃料ポンプ制御装置。
  4. 前記燃料ポンプは、複数の燃料噴射弁(4)へ燃料を分配するコモンレール(3)へ燃料を圧送するものであり、
    前記目標吐出量には、前記コモンレール内の燃料の圧力である実レール圧(Pact)と目標レール圧(Ptrg)との差分にフィードバックゲインを乗算して得られる吐出量が含まれており、
    前記間引き演算で用いられる前記フィードバックゲインは、前記都度演算で用いられる前記フィードバックゲインより小さく設定されている、請求項1〜3のいずれか1つに記載の燃料ポンプ制御装置。
  5. 前記燃料ポンプは、複数の燃料噴射弁(4)へ燃料を分配するコモンレール(3)へ燃料を圧送するものであり、
    前記演算部は、前記コモンレール内の燃料の圧力である実レール圧(Pact)と目標レール圧(Ptrg)との差分を小さくするように前記目標吐出量を演算し、
    さらに前記演算部は、前記目標レール圧の変化に伴い前記差分が所定以上大きくなっている時には、前記休止タイミングであっても、前記演算タイミングと同様に前記間引き演算を実行する、請求項1〜4のいずれか1つに記載の燃料ポンプ制御装置。
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