JP2021127441A - ブロックポリイソシアネート組成物 - Google Patents

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雅子 内田
Masako Uchida
雅子 内田
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Abstract

【課題】水分散性及び架橋性に優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供する。【解決手段】ブロックポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたブロックポリイソシアネートと、水性化補助剤と、を含み、前記水性化補助剤がイオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ブロックポリイソシアネート組成物に関する。
ブロックイソシアネートは、架橋剤、改質剤として広範囲に使用されている。一方で、近年は環境負荷の観点から、ブロックイソシアネートを水に分散させて使用する機会が増えている。ブロックイソシアネートを水性化する技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、ポリイソシアネート基の一部に水分散能を付与することによる、ブロックイソシアネートの水性化を提案している。また、特許文献2では、架橋能を有するイオン性基をイソシアネート化合物に導入する方法を提案している。
特開昭62−151419号公報 特開平1−135760号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、かなりの割合のイソシアネート基が水分散能の付与に消費され、その結果、ポリイソシアネートの架橋能力は著しく低下する。また、特許文献2に記載の方法では、イソシアネート基に架橋能を有するイオン性基が導入されることで、良好な物性を示すウレタン結合が最終的に減少する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、水分散性及び架橋性に優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたブロックポリイソシアネートと、水性化補助剤と、を含み、前記水性化補助剤がイオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
(2) 前記水性化補助剤が脂肪族ノニオン界面活性剤を含む、(1)に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
(3) 前記ブロックポリイソシアネートは、親水性基を有さない、(1)又は(2)に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
上記態様のブロックポリイソシアネート組成物によれば、水分散性及び架橋性に優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
なお、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する化合物が複数結合した反応物を意味する。なお、ポリイソシアネートを構成する1つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する化合物1分子を単量体(モノマー)と称する場合がある。
≪ブロックポリイソシアネート組成物≫
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネートと、水性化補助剤を含む。ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたものである。ポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されたものである。水性化補助剤は、イオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネートと、イオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む水性化補助剤と、を含有することで、良好な水分散性を保ちながら、主剤との反応時にブロックポリイソシアネートのイソシアネート基が反応性を取り戻し、良好な架橋性を発現することができ、その結果、良好な物性を示すウレタン結合を多く形成させることができる。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の構成成分について以下に詳細を説明する。
<ブロックポリイソシアネート>
ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートとブロック剤との反応物であって、ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたものである。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物に含まれるブロックポリイソシアネートは、イソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたものであればよいが、イソシアネート基の全てがブロック化されたものであることが好ましい。これにより、水や水を含む溶剤への分散時にイソシアネート基と水との反応をより効果的に抑制することができる。
また、ブロックポリイソシアネートは、親水性基を有さないことが好ましい。これにより、親水性基の導入にイソシアネート基が消費されず、主剤と反応時の架橋性をより十分に保持することができる。
[ポリイソシアネート]
ブロックポリイソシアネートの原料となるポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されたものである。
(脂肪族ジイソシアネート)
本実施形態において「脂肪族ジイソシアネート」とは、分子中に鎖状脂肪族炭化水素を有し、芳香族炭化水素を有しないジイソシアネート化合物をいう。脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」ともいう)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。このような脂肪族ジイソシアネートを用いることにより、得られるポリイソシアネートがより低粘度となる。
(脂環族ジイソシアネート)
本明細書において「脂環族ジイソシアネート」とは、分子中に芳香族性を有しない環状脂肪族炭化水素を有するジイソシアネート化合物をいう。脂環族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」ともいう)、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
中でも、工業的に入手し易いことから、HDI、IPDI、水添キシリレンジイソシアネート、又は水添ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、HDIがより好ましい。HDIを用いることにより、ブロックポリイソシアネート組成物から得られる塗膜の耐候性と、柔軟性がより優れる傾向にある。
脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートは、1種単独で用いてもよく、2種以上併用することもできる。
上記ジイソシアネートモノマーから誘導されるポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、以下の(a)〜(h)に示すポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
(a)2つのイソシアネート基を環化二量化して得られるウレトジオン基を有するポリイソシアネート化合物;
(b)3つのイソシアネート基を環化三量化して得られるイソシアヌレート基又はイミノオキサジアジンジオン基を有するポリイソシアネート化合物;
(c)3つのイソシアネート基と1つの水分子とを反応させて得られるビウレット基を有するポリイソシアネート化合物;
(d)2つのイソシアネート基と1分子の二酸化炭素とを反応させて得られるオキサダイアジントリオン基を有するポリイソシアネート化合物;
(e)1つのイソシアネート基と1つの水酸基を反応させて得られるウレタン基を複数有するポリイソシアネート化合物;
(f)2つのイソシアネート基と1つの水酸基とを反応させて得られるアロファネート基を有するポリイソシアネート化合物;
(g)1つのイソシアネート基と1つのカルボキシ基とを反応させて得られるアシル尿素基を有するポリイソシアネート化合物;
(h)1つのイソシアネート基と1つの1級又は2級アミンとを反応させて得られる尿素基を有するポリイソシアネート化合物
中でも、ポリイソシアネート化合物としては、分子内にビウレット基、イソシアヌレート基、ウレタン基、ウレトジオン基、又はアロファネート基を有するものが好ましい。ビウレット基を有するものは接着性に優れている。イソシアヌレート基を有するものは耐候性に優れている。長い側鎖を有するアルコール化合物を用いたウレタン基を有するものは弾性及び伸展性に優れている。ウレトジオン基を有するものは低粘度である。アロファネート基を有するものは、低粘度に加え、組み込まれた水酸基を有する化合物が有する性能(極性、Tg等)を付与できる。
ポリイソシアネート化合物は、脂肪族トリイソシアネートから誘導されるポリイソシアネート化合物を含んでもよい。前記脂肪族トリイソシアネートとしては、例えば、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナト−ヘキサノエート等が挙げられる。
(ポリイソシアネートの製造方法)
イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート化合物の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ジイソシアネートモノマーを触媒等によりイソシアヌレート化反応を行い、所定の転化率になったときに該反応を停止し、未反応のジイソシアネートモノマーを除去する方法が挙げられる。
イソシアヌレート化反応に用いられる触媒としては、特に限定されないが、塩基性を示すものが好ましく、具体的には、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、ヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド及び有機弱酸塩、アルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、金属アルコラート、アミノシリル基含有化合物、マンニッヒ塩基類、第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、燐系化合物等が挙げられる。
テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
有機弱酸としては、例えば、酢酸、カプリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
アルカリ金属塩を構成する金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛等が挙げられる。
金属アルコラートとしては、例えば、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等が挙げられる。
アミノシリル基含有化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
燐系化合物としては、例えば、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
これらの触媒の使用量は、原料である、ジイソシアネートモノマー(及び、必要に応じてアルコール)の総質量に対して、10質量ppm以上1.0質量%以下が好ましい。また、イソシアヌレート化反応を終了させるために、触媒を中和する酸性物質の添加、熱分解、化学分解等により不活性化してもよい。触媒を中和する酸性物質としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル等が挙げられる。
ポリイソシアネートの製造時に用いられるアルコールは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるアルコールが好ましい。
前記アルコールとして具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアルコール、ジアルコール等が挙げられる。これらアルコールは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール等が挙げられる。
ジアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサンジオール等が挙げられる。
中でも、アルコールとしては、モノアルコールが好ましく、分子量200以下のモノアルコールがより好ましい。
アルコールの水酸基のモル量に対するジイソシアネートモノマーのイソシアネート基のモル量の比は、10/1以上1000/1以下が好ましく、100/1以上1000/1以下がより好ましい。当該モル比が上記下限値以上であることによって、イソシアネート基平均数(平均官能基数)をより十分に確保することができる。
ポリイソシアネート化合物の収率は、一般的には、10質量%以上70質量%以下となる傾向にある。より高い収率で得られたポリイソシアネート化合物は、より粘度が高くなる傾向にある。収率は、原料成分の総質量に対する得られたポリイソシアネート化合物の質量の割合から算出できる。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、特に限定されないが、50℃以上200℃以下であることが好ましく、50℃以上150℃以下であることがより好ましい。反応温度が上記下限値以上であることで、反応がより進み易くなる傾向にあり、反応温度が上記上限値以下であることで、着色を引き起こすような副反応をより抑制することができる傾向にある。
イソシアヌレート化反応の終了後には、未反応のジイソシアネートモノマーを薄膜蒸発缶、抽出等により除去することが好ましい。ポリイソシアネート化合物は、未反応のジイソシアネートモノマーを含んでいた場合であっても、ジイソシアネートモノマーの含有量がポリイソシアネート化合物の総質量に対して、3.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。残留未反応ジイソシアネートモノマー濃度が上記範囲内であることにより、硬化性がより優れる傾向にある。
[ブロック剤]
ブロック剤としては、特に限定されないが、例えば、オキシム系化合物、アルコール系化合物、酸アミド系化合物、酸イミド系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物等が挙げられる。
オキシム系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
アルコール系化合物としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。
酸アミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等が挙げられる。
酸イミド系化合物としては、特に限定されないが、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等が挙げられる。
フェノール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、スチレン化フェノール、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられる。
アミン系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン等が挙げられる。
イミダゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール等が挙げられる。
ピラゾール系化合物としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。
その中でも、入手容易性や製造したブロックポリイソシアネート組成物の粘度、反応温度、反応時間の観点から、オキシム系化合物、酸アミド系化合物、アミン系化合物、又はピラゾール系化合物が好ましく、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、ジイソプロピルアミン、又は3,5−ジメチルピラゾールがより好ましく、メチルエチルケトオキシム、又は3,5−ジメチルピラゾールがさらに好ましい。
上記ブロック剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
[ブロックポリイソシアネートの製造方法]
ブロックポリイソシアネートは、ポリイソシアネートと、ブロック剤とを反応させて得られる。この反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことができる。
ブロック剤の添加量は、通常は、イソシアネート基のモル総量に対して80モル%以上200モル%以下であってよく、90モル%以上150モル%以下であることが好ましく、93モル%以上130モル%以下であることがより好ましい。
溶剤を用いる場合、ブロックポリイソシアネート100質量部に対するポリイソシアネート及びブロック剤に由来する不揮発分の含有量は、通常は、10質量部以上95質量部以下であってよく、15質量部以上80質量部以下であることが好ましく、20質量部以上75質量部以下であることがより好ましい。
ブロック化反応に際して、錫、亜鉛、鉛等の有機金属塩、3級アミン系化合物及びナトリウム等のアルカリ金属のアルコラート等を触媒として用いてもよい。
触媒の添加量は、ブロック化反応の温度等により変動するが、通常は、ポリイソシアネート100質量部に対して0.05質量部以上1.5質量部以下であってよく、0.1質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
ブロック化反応は、一般に−20℃以上150℃以下で行うことができ、0℃以上100℃以下で行うことが好ましく、10℃以上90℃以下で行うことがより好ましい。ブロック化反応の温度が上記下限値以上であることにより、反応速度をより高めることができ、上記上限値以下であることにより、副反応をより抑制することができる。
ブロック化反応後には、酸性化合物等の添加で中和処理してもよい。
前記酸性化合物としては、無機酸を用いてもよく、有機酸を用いてもよい。無機酸としては、例えば、塩酸、亜燐酸、燐酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等が挙げられる。
なお、反応の終了は、例えば、赤外分光分析法等を用いて、イソシアネート基の消失又は減少を確認することによって、判断することができる。また、反応後、イソシアネート基が残存する場合は、ブロック剤等を更に添加して、完全にイソシアネート基を消失させることが好ましい。
<水性化補助剤>
水性化補助剤としては、特に限定されないが、イオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
[イオン界面活性剤]
イオン界面活性剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、スルホン酸エステル塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル及びその塩等が挙げられる。硫酸エステル塩としては、例えば、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。リン酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。カルボン酸塩としては、例えば、アミノ酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。スルホン酸塩としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサクシネートスルホン酸塩等が挙げられる。スルホン酸エステル塩としては、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば、アミン塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン等が挙げられる。
中でも、分散性の観点から、陰イオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、又はポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル若しくはその塩がより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、例えば日本乳化剤(株)製の商品名「ニューコール(登録商標)1020−SN」等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩の市販品としては、例えば、日本乳化剤(株)製の商品名「アントックス(登録商標)EHD−PNA」(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル−ナトリウム塩)等が挙げられる。
上記イオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
[脂肪族ノニオン界面活性剤]
脂肪族ノニオン界面活性剤とは、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称する場合がある)である。
Figure 2021127441
(一般式(I)中、R11は炭素数2以上10以下のアルキレン基である。R12は水素原子又は炭素数1以上22以下のアルキル基である。n11は1.0以上100以下の数である。)
(R11
11は、親水性付与の観点から、炭素数2以上10以下のアルキレン基である。R11における炭素数2以上10以下のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。より親水性が付与できる観点から、R11としては、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。
(R12
12は、親水性付与の観点から、水素原子又は炭素数1以上22以下のアルキル基である。R12における炭素数1以上10以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘンイコシル基、n−ヘンエイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
12としては、炭素数8以上22以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以上18以下のアルキル基がより好ましい。炭素数を上記範囲にすることで、疎水性と親水性のバランスがより良好となり、ブロックポリイソシアネートとの親和性と水への分散性を両立することができる。
(n11)
n11は、オキシアルキレン基の繰り返し数、すなわち化合物(I)の重合度を示す。また、化合物(I)は、単一成分ではなく、重合度であるn11の数が異なる物質の集合体である。そのため、n11は、重合度の平均値で表す。
さらに、重合度の平均値であるn11の下限値は、水分散性と水分散安定性と塗膜外観との観点から、1.0が好ましく、2.0がより好ましく、4.0がさらに好ましく、5.0が特に好ましい。
n11が上記下限値以上であることにより、水分散性が向上し、より容易に組成物を分散することができる。
また、重合度の平均値であるn11の上限値は、水分散性と塗膜硬度との観点から、100が好ましく、50がより好ましく、20がさらに好ましく、15が特に好ましい。
n11が上記上限値以下であることにより、本実施形態のブロックイソシアネート組成物のゲル化等の過度の粘度上昇をより防ぐことができ、より容易に水に分散することができる傾向にある。更に、塗膜の硬度がより優れる傾向にある。
すなわち、重合度の平均値であるn11は、1.0以上100以下が好ましく、2.0以上50以下がより好ましく、4.0以上20以下がさらに好ましく、5.0以上15以下が特に好ましい。
化合物(I)として具体的には、例えば、R12が水素原子である場合はポリ(オキシアルキレン)グリコールであり、R12が水素原子又は炭素数1以上22以下のアルキル基である場合には、ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルである。
ポリ(オキシアルキレン)グリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル等が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル(C1213)エーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル等が挙げられる。
ポリ(オキシアルキレン)モノアルキルエーテルの市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製の商品名「ニューコール(登録商標)1008」(ポリオキシエチレンモノ(2−エチルヘキシル)エーテル、オキシエチレン基の繰り返し数:8)、日本乳化剤株式会社製の商品名「ニューコール(登録商標)2320」(ポリオキシエチレンアルキル(C1213)エーテル)等が挙げられる。
上記脂肪族ノニオン界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<溶剤>
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネート及び水性化補助剤に加えて、必要に応じて有機溶剤を含有してもよい。
このような有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エステル系、ケトン系、エーテル系、アルコール系が使用できる。その中でも、親水性であるジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル系、又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエステル系が好ましい。
<その他添加剤>
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、ブロックポリイソシアネート及び水性化補助剤に加えて、目的及び用途に応じて、硬化促進触媒、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、レベリング剤、可塑剤、レオロジーコントロール剤等の各種添加剤を含有することができる。
上記硬化促進触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ビス(2−エチルヘキサン酸)スズ等のスズ系化合物;2−エチルヘキサン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の亜鉛化合物;2−エチルヘキサン酸チタン、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトナート)等のチタン化合物;2−エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト等のコバルト化合物;2−エチルヘキサン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等のビスマス化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、2−エチルヘキサン酸ジルコニル、ナフテン酸ジルコニル等のジルコニウム化合物;アミン化合物等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。
上記光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系等が挙げられる。
上記顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インディゴ、キナクリドン、パールマイカ、アルミニウム等が挙げられる。
上記レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーンオイル等が挙げられる。
上記可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、リン酸系化合物、ポリエステル系化合物等が挙げられる。
上記レオロジーコントロール剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、尿素化合物、マイクロゲル等が挙げられる。
<ブロックポリイソシアネート組成物の製造方法>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法は、例えば、ブロックポリイソシアネートと水性化補助剤との混合を行う方法等が挙げられる。
また、本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物の製造方法において、ブロックポリイソシアネート及び水性化補助剤に加えて、更に溶剤やその他添加剤を添加してもよい。溶剤及びその他添加剤としては、上述の溶剤及びその他添加剤において例示されたものと同様のものが挙げられる。
<用途>
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物は、塗料組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物、注型剤組成物等の硬化性組成物;繊維処理剤等の各種表面処理剤組成物;各種エラストマー組成物;発泡体組成物等の架橋剤;改質剤;添加剤として使用されうる。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物は、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、静電塗装、ベル塗装等により、各種素材に、プライマー又は中塗り、上塗りとして好適に使用される。また、この塗料組成物は、さらに防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装、プラスチック塗装等に、美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性、密着性等を付与するために好適に用いられる。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物を含む粘着剤組成物及び接着剤組成物の使用分野としては、自動車、建材、家電、木工、太陽電池用積層体等が挙げられる。その中でも、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、携帯電話等の家電の液晶ディスプレイ用等の光学部材は、各種機能を発現するため、各種被着体のフィルム及びプレートを積層させる必要がある。各種被着体のフィルム及びプレート間には十分な粘着性、或いは接着性が要求されることから、本実施形態の粘着剤組成物、接着剤組成物の使用例として好ましい。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物を含む硬化性組成物等が用いられうる被着体としては、特に限定されないが、例えば、ガラス;アルミニウム、鉄、亜鉛鋼板、銅、ステンレス等の各種金属;木材、紙、モルタル、石材等の多孔質部材;フッ素塗装、ウレタン塗装、アクリルウレタン塗装等がされた部材;シリコーン系硬化物、変性シリコーン系硬化物、ウレタン系硬化物等のシーリング材硬化物;塩化ビニル、天然ゴム、合成ゴム等のゴム類;天然皮革、人工皮革等の皮革類;植物系繊維、動物系繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の繊維類;不織布、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン等の樹脂類のフィルム及びプレート;紫外線硬化型アクリル樹脂層;印刷インキ、UVインキ等のインキ類等からなる成形品が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
<物性の測定方法>
[物性1]
(転化率)
ポリイソシアネートの転化率は、反応液の屈折率の測定により求めた。
[物性2]
(粘度)
ポリイソシアネートの25℃における粘度は、E型粘度計 RE−80U(東機産業製)を用いて求めた。
[物性3]
(NCO基含有率)
ポリイソシアネートのイソシアネート基含有率(NCO基含有率)は、イソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定により求めた。
[物性4]
(イソシアネート平均官能基数)
ポリイソシアネートのイソシアネート平均官能基数(平均NCO数)は、下記式により求めた。
平均NCO数=(Mn×NCO基含有率×0.01)/42
なお、式中のMnは、ポリイソシアネートの数平均分子量であり、下記測定条件により測定した。
(測定条件)
装置:東ソー(株)HLC−8120GPC(商品名)
カラム:東ソー(株)TSKgel SuperH1000(商品名)×1本
TSKgel SuperH2000(商品名)×1本
TSKgel SuperH3000(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
<評価方法>
[評価1]
(水分散性)
実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物を、水100質量部に対して1質量部添加した後、1分間攪拌し、その後5分間静置した。静置後に、沈殿物が生じているかどうかを目視で判断し、以下の評価基準に従い水分散性を評価した。
(評価基準)
〇:沈殿を生じていない
×:沈殿を生じている
[評価2]
(架橋性)
実施例及び比較例で得られたブロックイソシアネート組成物の理論官能基数を下記式により求め、得られた値から以下の評価基準に従い架橋性を評価した。
理論官能基数=原料となるポリイソシアネートの平均官能基数 ×(1−メトキシポリエチレングリコールの変性モル当量)
(評価基準)
〇:理論官能基数が2以上
×:理論官能基数が2未満
<ポリイソシアネートの合成>
[合成例1]
(ポリイソシアネートA−1の合成)
攪拌器、温度計、冷却管を取り付けた4つ口フラスコの内部を窒素置換し、HDI 1000gを仕込み、60℃で攪拌下、触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエート0.1g、及びイソブタノール1.0gを同時に加えた。4時間後、反応液の屈折率測定により設定した反応終点を確認し、リン酸0.2gを添加して反応を停止した。その後、反応液を濾過した後、未反応のHDIモノマーを薄膜蒸留装置により除去することにより、ポリイソシアネートA−1を得た。得られたポリイソシアネートA−1の25℃における粘度は1300mPa・s、イソシアネート基含有率は23.2質量%であり、イソシアネート平均官能基数は3であった。
<ブロックポリイソシアネートの合成>
[合成例2]
(ブロックポリイソシアネートB−1の合成)
得られたポリイソシアネートA−1のイソシアネート基1モル当量に対して、メチルエチルケトオキシムの活性水素基が1.02モル当量となるように混合し、90℃で反応させた。赤外スペクトル(IRスペクトル)においてイソシアネート基由来のスペクトルの消失を確認した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて固形分濃度が70質量%となるように希釈し、ブロックイソシアネートB−1を得た。
<親水性ブロックポリイソシアネートの合成>
[合成例3]
(親水性ブロックポリイソシアネートC−1の合成)
得られたポリイソシアネートA−1のイソシアネート基1モル当量に対して、メトキシポリエチレングリコール(日本乳化剤株式会社製、商品名「MPG−081」)の活性水素基が0.4モル当量となるように混合し、110℃で4時間反応させた。その後、残ったイソシアネート基1モル当量に対してメチルエチルケトオキシムの活性水素基が1.02モル当量となるように混合し、90℃で反応させた。IRスペクトルにおいてイソシアネート基由来のスペクトルの消失を確認した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて固形分濃度が70質量%となるように希釈し、親水性ブロックポリイソシアネートC−1を得た。
<ブロックポリイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−a1の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1に対して、水性化補助剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(C1213)(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)2320」)を固形分が60質量%となるように水で希釈したものを、ブロックイソシアネートに対して5質量%となるように添加し、ブロックポリイソシアネート組成物BP−a1を得た。
[実施例2]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−a2の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1に対して、水性化補助剤としてポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)1008」、オキシエチレン基の繰り返し数:8)をブロックイソシアネートに対して5質量%となるように添加し、ブロックポリイソシアネート組成物BP−a2を得た。
[実施例3]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−a3の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1に対して、水性化補助剤としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(日本乳化剤(株)製、アントックス(登録商標)EHD−PNA)をブロックイソシアネートに対して5質量%となるように添加し、ブロックポリイソシアネート組成物BP−a3を得た。
[実施例4]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−a4の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1に対して、水性化補助剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)1020−SN」)をブロックイソシアネートに対して5質量%となるように添加し、ブロックポリイソシアネート組成物BP−a4を得た。
[比較例1]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−b1の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1をそのままブロックポリイソシアネート組成物BP−b1とした。
[比較例2]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−b2の製造)
得られた親水性ブロックポリイソシアネートC−1をそのままブロックポリイソシアネート組成物BP−b2とした。
[比較例3]
(ブロックポリイソシアネート組成物BP−b3の製造)
得られたブロックイソシアネートB−1に対して、水性化補助剤としてポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)710」)を固形分が60質量%となるように水で希釈したものを、ブロックイソシアネートに対して5質量%となるように添加し、ブロックポリイソシアネート組成物BP−b3を得た。
実施例及び比較例で得られたブロックポリイソシアネート組成物について、上記評価方法により評価を行なった。結果を以下の表1に示す。表1において水性化補助剤の種類は以下のとおりである。
(水性化補助剤)
D−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(C1213)(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)2320」)を固形分が60質量%となるように水で希釈したもの
D−2:ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)1008」、オキシエチレン基の繰り返し数:8)
D−3:ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(日本乳化剤(株)製、アントックス(登録商標)EHD−PNA)
D−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)1020−SN」)
D−5:ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール(登録商標)710」を固形分が60質量%となるように水で希釈したもの
Figure 2021127441
表1から、ブロックポリイソシアネートB−1と、水性化補助剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(C1213)、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、又はポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩とを含有するブロックポリイソシアネート組成物BP−a1〜BP−a4(実施例1〜4)では、水分散性及び架橋性共に良好であった。
一方、ブロックポリイソシアネートB−1のみを含有するブロックポリイソシアネート組成物BP−b1(比較例1)では、架橋性は良好であったが、水分散性が不良であった。
親水性ブロックポリイソシアネートC−1のみを含有するブロックポリイソシアネート組成物BP−b2(比較例2)では、水分散性は良好であったが、架橋性は不良であった。
ブロックポリイソシアネートB−1と、水性化補助剤としてポリオキシエチレン多環フェニルエーテルを含有するブロックポリイソシアネート組成物BP−b3(比較例3)では、架橋性は良好であったが、水分散性が不良であった。
本実施形態のブロックポリイソシアネート組成物によれば、水分散性及び架橋性に優れるブロックポリイソシアネート組成物を提供することができる。

Claims (3)

  1. 脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種のジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも一部がブロック化されたブロックポリイソシアネートと、
    水性化補助剤と、
    を含み、
    前記水性化補助剤がイオン界面活性剤及び脂肪族ノニオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、ブロックポリイソシアネート組成物。
  2. 前記水性化補助剤が脂肪族ノニオン界面活性剤を含む、請求項1に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
  3. 前記ブロックポリイソシアネートは、親水性基を有さない、請求項1又は2に記載のブロックポリイソシアネート組成物。
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