JP2021127164A - 二重容器 - Google Patents

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紀子 針田
Noriko Harita
紀子 針田
有輝 成田
Yuki Narita
有輝 成田
啓太郎 森
Keitaro Mori
啓太郎 森
恭史 富岡
Kyoji Tomioka
恭史 富岡
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Abstract

【課題】内容物の残量が少なくなったときでも、外容器の押圧による内容物の吐出性に優れる、簡易な構成の二重容器を提供すること。【解決手段】外容器を形成している外層110と、外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層120とを有する二重容器100であって、二重容器100の底部に、内層120の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部121と、外層110の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部111a、111bとを有し、外層ピンチオフ部のうちの片方111bが、内層ピンチオフ部121と共に、外層110と、内層120との間隙に挿入されている、二重容器100。【選択図】図2

Description

本発明は、二重容器に関する。
食品調味料、化粧品等を収納する容器として、外容器を形成している外層と、この外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層とを備え、外層と内層との間への外気の導入を可能にする、外気導入用開口を、外層に有する二重容器が知られている。このような二重容器は、使用の際に内容物を吐出させると、吐出容積に応じて内容器のみを減容させることができる。これにより、容器内に残存する未使用の内容物と、空気との接触を回避して、内容物の酸化劣化を防ぐことができる。
例えば、特許文献1には、容器の外郭を形成する外容器と、該外容器の内側に収められる減容変形自在な内容器と、ブロー成型の割り金型による食い切りによって、容器底部に形成される突状のピンチオフ部とを備える二重容器において、ピンチオフ部の延在方向の中間部を境として、ピンチオフ部の一方の側面から他方の側面に向かう方向に食い込ませた(折り曲げた)食い込み部を、相互に食い込み方向が対向するように設けた二重容器が記載されている。
特許文献1の二重容器では、折り曲げられた食い込み部において、外容器と内容器とを剥離させて、両層の間隙を外気導入孔として機能させている。この外気導入孔は、ピンチオフ部の根元から先端に向けて折れ曲がっており、その折れ曲がった部分で、流路の幅が狭くなっている。
特許文献1では、所定の構成の二重容器は、内容物を自重で吐出させることができ、内容物の残量が少なくなったときには、外容器の押圧によるスムーズな吐出が可能であると説明されている。
特開2016−101966号公報
従来技術の二重容器では、内容物の残量が少なくなったときに、外容器の押圧による内容物の吐出性が不十分である。これは、外気導入孔が常に開放されているため、外容器を押圧しても、外容器と内容器との間に存在する空気が容易に抜けてしまうことによると考えられる。特に、内容物の粘度が高い場合、内容物の吐出性は特に損なわれている。
この点、特許文献1では、外気導入孔を、ピンチオフ部の根元から先端に向けて折り曲げ、かつ、折れ曲がった部分で、流路の幅を狭くすることにより、空気の流量を調節しているが、内容物の吐出性は、未だ不十分である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内容物の残量が少なくなったときでも、外容器の押圧による内容物の吐出性に優れる、簡易な構成の二重容器を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
《態様1》外容器を形成している外層と、
上記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
を有する二重容器であって、
上記二重容器の底部に、
上記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
上記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
を有し、
上記外層ピンチオフ部のうちの一方が、上記外層と、上記内層との間隙に挿入されている、
二重容器。
《態様2》上記二重容器が、
外容器を形成している外層と、
上記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
を有する二重容器前駆体から得られたものであって、
上記二重容器前駆体は、その底部に、
上記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
上記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
を有し、かつ、
前記二重容器は、前記二重容器前駆体における上記外層ピンチオフ部のうちの一方が、上記外層と、上記内層との間隙に挿入されている、
態様1に記載の二重容器。
《態様3》上記二重容器前駆体において、
上記外層と上記内層との間隙に挿入される方の上記外層ピンチオフ部が、その根元の外側に、窪み又は凸部を有する、
態様2に記載の二重容器。
《態様4》上記二重容器前駆体において、
上記外層と上記内層との間隙に挿入される方の上記外層ピンチオフ部が、先端に行くにつれて徐々に細くなるテーパー形状を有している、
態様2又は3に記載の二重容器。
《態様5》上記二重容器前駆体において、
上記2つの外層ピンチオフ部及び上記内層ピンチオフ部が、上記外層と上記内層との間隙に挿入されない方の上記外層ピンチオフ部の方向に傾斜している、
態様2〜4のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様6》上記外層と上記内層との間の少なくとも一部の領域に、接着層を有する、態様1〜5のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様7》上記内層ピンチオフ部が、上記外層ピンチオフ部の一方と共に、上記外層と上記内層との間隙に挿入されている、態様1〜6のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様8》上記内層ピンチオフ部が、上記外層と上記内層との間に挿入されていない、態様1〜6のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様9》上記外層ピンチオフ部と、上記内層ピンチオフ部との間の少なくとも一部の領域に、接着層を有する、態様7に記載の二重容器。
《態様10》上記接着層が、上記外層ピンチオフ部と上記内層ピンチオフ部との間の領域から、上記外容器と上記内容器との間に向かって延在している、態様9に記載の二重容器。
《態様11》上記外層と上記内層との間隙に挿入されていない方の上記外層ピンチオフ部が、上記外層と上記内層との間隙に挿入されている方の上記外層ピンチオフ部と同じ方向に折り曲げられている、態様1〜10のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様12》上記外層と上記内層との間隙に挿入されていない方の上記外層ピンチオフ部が、切断されている、態様1〜10のいずれか一項に記載の二重容器。
《態様13》態様1〜12のいずれか一項に記載の二重容器と、内容物とを含む、内容物入り二重容器。
《態様14》上記内容物が、食品調味料、化粧品、医薬部外品、及び医薬品から選択される、態様13に記載の内容物入り二重容器。
《態様15》(1)外容器を形成している外層と、
上記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
を有する二重容器前駆体であって、
上記二重容器前駆体の底部に、
上記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
上記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
を有する二重容器前駆体を準備すること、及び
(2)上記二重容器前駆体の、上記外層ピンチオフ部のうちの一方を、上記外層と、上記内層との間隙に挿入すること
を含む、二重容器の製造方法。
《態様16》上記工程(2)において、上記内層ピンチオフ部を、上記外層ピンチオフ部の一方と共に、上記外層と上記内層との間隙に挿入する、態様15に記載の二重容器の製造方法。
《態様17》上記工程(2)において、上記内層ピンチオフ部を、上記外層と上記内層との間に挿入しない、態様15に記載の二重容器の製造方法。
《態様18》上記工程(1)の後、かつ上記工程(2)の前に、
(3)上記内容器を吸引して、上記内容器を収縮させること
を更に含む、
態様17に記載の二重容器の製造方法。
本発明によると、内容物の残量が少なくなったときでも、外容器の押圧による内容物の吐出性に優れる、簡易な構成の二重容器が提供される。
図1(a)は、本発明の第1実施形態の二重容器の一例の正面図(部分)であり、図1(b)は底面図である。 図2は、図1(b)図のA−A線断面図であり、二重容器におけるピンチオフ部の形状の一例を示す。 図3は、図2の二重容器の前駆体である、二重容器前駆体における、ピンチオフ部の形状の一例を示す部分断面図である。 図4は、本発明の第1実施形態の二重容器の別の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。図4(a)は、二重容器前駆体における外層ピンチオフ部及び内層ピンチオフ部の形状であり、図4(b)は、図4(a)の外層ピンチオフ部の一方及び内層ピンチオフ部を、外層と内層との間に挿入して得られる二重容器のピンチオフ形状である。 図5は、本発明の第1実施形態の二重容器の更に別の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。図5(a)は、二重容器前駆体における外層ピンチオフ部及び内層ピンチオフ部の形状であり、図5(b)は、図5(a)の外層ピンチオフ部の一方及び内層ピンチオフ部を、外層と内層との間に挿入して得られる二重容器のピンチオフ形状である。 図6は、本発明の第1実施形態の二重容器の更に別の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。図6(a)は、二重容器前駆体における外層ピンチオフ部及び内層ピンチオフ部の形状であり、図6(b)は、図6(a)の外層ピンチオフ部の一方及び内層ピンチオフ部を、外層と内層との間に挿入して得られる二重容器のピンチオフ形状である。 図7は、接着層を有する二重容器の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。図7(a)は、二重容器前駆体における、外層ピンチオフ部、内層ピンチオフ部、及び接着層の形状であり、図7(b)は、図7(a)の外層ピンチオフ部の一方及び内層ピンチオフ部を、接着層と共に、外層と内層との間に挿入して得られる二重容器のピンチオフ形状である。 図8(a)は、接着層を有する二重容器の一例の正面図(部分)であり、図8(b)は底面図である。 図9は、本発明の第2実施形態の二重容器の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。 図10は、本発明の第2実施形態の二重容器の別の一例のピンチオフ部の形状を示す断面図である。 図11は、比較例2の二重容器のピンチオフ部の形状を示す断面図である。
《二重容器》
本発明の二重容器は、
外容器を形成している外層と、
上記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
を有する二重容器であって、
上記二重容器の底部に、
上記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
上記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
を有し、
上記外層ピンチオフ部のうちの一方が、上記外層と、上記内層との間隙に挿入されている。
本発明の二重容器では、内容器の減容変形を維持するために、内容物を吐出した後に、内容器への空気の流入を防止する目的で、二重容器の口部に装着されるキャップ、又は二重容器の口部付近に、口部逆止弁を有していてよい。口部逆止弁は、内容物を吐出するときには、二重容器の口部を開放し、内容物の吐出を停止した後は、二重容器の口部を閉塞する機能を有する。口部逆止弁の形式等については、後述する。
本発明の第1実施形態における二重容器では、内層ピンチオフ部は、外層ピンチオフ部のうちの一方と共に、外層と内層との間隙に挿入されている。また、本発明の二重容器の第2実施形態において、内層ピンチオフ部は、外層と内層との間に挿入されていない。
以下、本発明の第1実施形態、及び第2実施形態、それぞれの二重容器について、順次説明する。
《第1実施形態の二重容器》
本発明の第1実施形態の二重容器において、内層ピンチオフ部は、外層ピンチオフ部のうちの一方と共に、外層と内層との間隙に挿入されている。以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態における二重容器の例について、具体的に説明する。
図1(a)は、本発明の二重容器の一例の正面図(部分)であり、図1(b)は底面図である。図1(a)は、二重容器の底部近傍を示しており、二重容器の層構造の説明のために、一部が切り取られている。また、図2は、図1(b)のA−A線断面図である。
図1(a)の二重容器(100)は、外容器を形成している外層(110)と、
外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層(120)と
を有する。
この二重容器(100)は、後述するように、口部、胴部、及び底部を有するボトル状であってよい。
外層(110)と内層(120)との間は、間隙を有しており、ここに外気が導入されることにより、内層(120)によって構成される内容器の減容変形が可能となる。しかしながら、内容器の減容変形が可能である限り、外層(110)と内層(120)との間の一部領域に、両層を接着する接着層(図示せず)が存在していてもよい。
図1(a)の底部付近に描画された上に凸の破線は、二重容器(100)の底部(底面)が、容器の内側に少し凹んでいることを示している。しかしながら、本発明の二重容器は、この形状に限られない。
〈ピンチオフ部の構成〉
図1(b)は、図1(a)の二重容器(100)の底面図である。二重容器のピンチオフ部は、底面の直径を横断する方向のピンチオフ線(130)に沿って形成されている。
図2は、図1(b)のA−A線断面図であり、本発明の二重容器のピンチオフ部の典型的な構成を示している。
図2を参照すると、二重容器(100)が、その底部に、内層ピンチオフ部(121)と2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)とを有することが理解される。内層ピンチオフ部(121)は、内層(120)の2つの端部が、例えば、ブロー成型の割り金型による食い切りによって、溶融接着されたものである。外層ピンチオフ部は、外層の2つの端部が、溶融接着されていないものである。
図2では、外層ピンチオフ部のうちの一方(111b)が、内層ピンチオフ部(121)と共に、外層(110)と、内層(120)との間隙(140)に挿入された、ピンチオフ挿入部(131)を構成している様子が描かれている。ここで、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)は、互いに接触していてよい。
このような構成の二重容器は、
外容器を押圧することにより、内容物を容易に吐出させることができ、かつ、
吐出を停止すると、口部逆止弁の作用により、内容器の減容変形を維持したまま、外容器のみが容易に元の形に復元される。
これらの機能は、口部逆止弁と、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)とが、それぞれ、弁として機能し、場面に応じて流路を開閉して、外層(110)及び内層(120)の間隙(140)と、外気との流路を開放又は遮断することによって発現する。
すなわち、図2のようなピンチオフ構造を有する二重容器(100)では、外層(110)を押圧して、外容器を押圧すると、間隙(140)内の空気圧が高くなる。この空気圧は、外層(110)と内層(120)との間に挿入された外層ピンチオフ部(111b)、及び内層ピンチオフ部(121)を、容器外側方向に押しやって、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)同士の接触を強くする。これにより、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)間に密閉が形成されて、間隙(140)内の高い空気圧が維持される。したがって、この場合には、外容器を押圧すると、間隙(140)内の高い空気圧を介して、内層(120)から成る内容器が押圧される。このとき、二重容器の口部は、口部逆止弁の作用によって開放状態になるから、内容物の吐出を容易に行うことができる。
吐出を停止すると、二重容器の口部は、口部逆止弁の作用によって閉塞され、内容器への空気の流入が防止されて、内容器の減容変形は維持される。また、吐出を停止すると、押圧によって変形された外容器は、外層(110)の弾性によって、押圧前の形状に復元しようとする。このとき、外容器は容器外側方向に膨張するから、間隙(140)の容積が大きくなって、間隙(140)内の空気圧が低くなる。そうすると、外層(110)と内層(120)との間に挿入された外層ピンチオフ部(111b)、及び内層ピンチオフ部(121)を、容器外側方向に押しやる力が弱くなって、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)間の密閉が解除される。これにより、間隙(140)と外気との間の流路が解放され、間隙(140)内に外気が導入される。したがって、間隙(140)内は、外気と同じ圧力が維持されるから、内容器の減容変形を維持したまま、外容器は元の形に復元することができる。
2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)のうち、外層(110)と内層(120)との間に挿入されなかった方の外層ピンチオフ部(111a)は、例えば、挿入された方の外層ピンチオフ部(111b)と同じ方向に折り曲げられてもよく、切断されてもよい。これらの処理により、挿入されなかった方の外層ピンチオフ部(111a)が、容器の底部から突出することがなくなり、容器の自立性が確保され、容器取扱時の快適性が向上される。
このような二重容器は、例えば、図3に示すピンチオフ構造を有する、二重容器前駆体から得られたものであってよい。
図3に示すピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)は、
外容器を形成している外層(110)と、
外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層(120)と
を有する二重容器前駆体(101)であって、
二重容器前駆体(101)の底部に、
内層(120)の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部(121)と
外層(110)の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部(111a、111b)と
を有する。
図2に示したピンチオフ構造は、二重容器前駆体(101)において、外層ピンチオフ部のうちの一方(111b)を、内層ピンチオフ部(121)と共に、外層(110)と、内層(120)との間隙に挿入することによって、形成されたものであってよい。
(ピンチオフ部の変形例)
本発明の二重容器のピンチオフ部は、種々の変形が可能である。本発明の二重容器におけるピンチオフ部の変形例を、図4〜図7に示した。図4(a)、図5(a)、図6(a)、及び図7(a)は、それぞれ、本発明の二重容器前駆体におけるピンチオフ部の変形例を示し、図4(b)、図5(b)、図6(b)、及び図7(b)は、それぞれ、外層ピンチオフ部の一方を、内層ピンチオフ部と共に、外層と内層との間に挿入して得られる、二重容器のピンチオフ部を示す。
図4(a)の二重容器前駆体(201)のピンチオフ部は、外層(210)及び内層(220)を有し、内層(220)の2つの端部は、互いに溶融接着された内層ピンチオフ部(221)を形成し、外層(210)の2つの端部は、互いに溶融接着されていない2つの外層ピンチオフ部(211a、211b)を構成している。そして、外層ピンチオフ部のうち、外層(210)と内層(220)との間隙に挿入される方の外層ピンチオフ部(211b)の根元の外側に、窪み(212)を有する。窪み(212)を有する外層ピンチオフ部(211b)は、根本付近の折り曲げ剛性が減少しており、根元から折り曲げることが容易化されているから、この外層ピンチオフ部(211b)を、内層ピンチオフ部(221)とともに、外層(210)と内層(220)との間隙に挿入する操作が、図3のピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)よりも容易に行える。
図4(a)の二重容器前駆体(201)から得られる二重容器(200)におけるピンチオフ部の形状を、図4(b)に示す。
図5(a)の二重容器前駆体(301)は、外層(310)及び内層(320)を有し、内層ピンチオフ部(321)及び2つの外層ピンチオフ部(311a、311b)が形成されており、かつ、外層(310)と内層(320)との間隙に挿入される方の外層ピンチオフ部(311b)の根元の外側に、窪み(312)を有する点では、図4(a)の二重容器前駆体(201)と同様である。しかし、図5(a)を参照すると明らかなように、外層(310)と内層(320)との間隙に挿入される方の外層ピンチオフ部(311b)は、先端に行くにつれて徐々に細くなるテーパー形状領域(313)を有している。これにより、挿入操作が、図3のピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)よりも容易に行える。
図5(a)の二重容器前駆体(301)から得られる二重容器(300)におけるピンチオフ部の形状を、図5(b)に示す。
図6(a)の二重容器前駆体(401)は、外層(410)及び内層(420)を有し、内層ピンチオフ部(421)及び2つの外層ピンチオフ部(411a、411b)が形成されており、かつ、外層(410)と内層(420)との間隙に挿入される方の外層ピンチオフ部(411b)の根元の外側に、窪み(412)を有する点では、図5(a)の二重容器前駆体(201)と同様である。しかし、図6(a)を参照すると明らかなように、内層ピンチオフ部(421)及び2つの外層ピンチオフ部(411a、411b)が、二重容器前駆体の軸方向、及びピンチオフ線を含む面に対して、挿入されない方の外層ピンチオフ部(411a)の方向に傾斜している。これにより、挿入操作が、図3のピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)よりも容易に行える。
図6(a)の二重容器前駆体(401)から得られる二重容器(400)におけるピンチオフ部の形状を、図6(b)に示す。
図4(a)、図5(a)、及び図6(a)に示した二重容器前駆体において、窪み(212、312、412)の代わりに、それぞれ凸部を設けてもよい。この場合、当該凸部が外層ピンチオフ部を屈曲する切っ掛けとなるから、外層ピンチオフ部の挿入操作を、図3のピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)よりも容易に行うことができる。
二重容器前駆体のピンチオフ部は、底部の直径を横断するように存在しており、二重容器前駆体の底部を根本として、二重容器前駆体の軸方向下向きに延在し、所定の長さでカットされている。ピンチオフ部は、外層ピンチオフ部及び内層ピンチオフ部の双方とも、根元からカット部まで、同じ幅であってもよいし;根元からカット部に向けて、徐々に細くなっていてもよいし;根元からカット部に向かう中間部まで同じ幅であり、この中間部からカット部に向けて、徐々に細くなっていてもよいし;根元からカット部に向けて、段階的に細くなっていてもよい。
(接着層)
本発明の二重容器は、外層ピンチオフ部と、内層ピンチオフ部との間の少なくとも一部の領域に、接着層を有していてもよい。
図7(a)の二重容器前駆体(501)は、外層(510)及び内層(520)を有し、内層ピンチオフ部(521)及び2つの外層ピンチオフ部(511a、511b)が形成されている点では、図3の二重容器前駆体(101)と同様である。しかし、図7(a)では、外層(510)及び内層(520)の間隙に挿入される方の外層ピンチオフ部(511b)と、内層ピンチオフ部(521)との間の一部領域に、接着層(550)が形成されており、挿入される方の外層ピンチオフ部(511b)と内層ピンチオフ部(521)とが接着されている。これにより、挿入操作が、図3のピンチオフ構造を有する二重容器前駆体(101)よりも容易に行えると共に、内容器の減圧変形を制御することが可能になる。
すなわち、外容器を押圧して、内容器を押圧すると同時に内容物を吐出させた後、外容器の押圧を止めると、外容器はその弾性によって、押圧前の形状に復元しようとする。このとき、上述したとおり、間隙内に外気が導入されるが、接着層が存在する部分では、外層ピンチオフ部と内層ピンチオフ部とが接着されているから、外気は、接着層が形成されていない方向から導入される。これにより、内容器が予期しない形状に潰れて、内容物吐出流路が閉塞されることを回避できる。
接着層は、外層ピンチオフ部と内層ピンチオフ部との間に存在し、更に、外容器と内容器との間に向かって延在していてもよい。
図8の二重容器(500)では、接着層(550)は、外層ピンチオフ部と内層ピンチオフ部との間の領域(図8(b)において、接着層(550)とピンチオフ挿入部(531)との重複領域)から、外層(510)によって構成される外容器と、内層(520)によって構成される内容器との間に向かって、帯状に延在している。
本発明の二重容器における接着層は、図8に示したように、帯状で存在していてよい。本発明の二重容器における、帯状の接着層は、内容器の減容変形を維持しつつ、外容器が元の形に復元できるような態様で、形成されてよい。したがって、帯状の接着層を1条のみ設けてもよい。好ましくは、帯状の接着層を、二重容器の略直径方向の対向位置に離隔させて2条設けることである。この場合、内容器が減容変形するときに、内容器の軸に垂直な方向の断面形状が、円から偏平楕円形状に向かって、略対称形状を維持しつつ潰れて行くので、内容物の吐出残りが少ない利点がある。帯状の接着層を、二重容器の断面が、軸を中心として略等分割されるような位置に3条以上設けることは、内容器の減容変形が妨害されるため、好ましくない。
《第2実施形態の二重容器》
本発明の第2実施形態の二重容器において、内層ピンチオフ部は、外層と内層との間隙に挿入されていない。以下、図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態における二重容器の例について、具体的に説明する。
図9の二重容器(600)は、外層ピンチオフ部のうちの一方(611b)が、外層(610)と内層(620)との間隙に挿入されている。しかしながら、内層ピンチオフ部(621)は、外層(610)と内層(620)との間隙に挿入されていない。図9の二重容器(600)における内層ピンチオフ部(621)は、挿入された外層ピンチオフ部(611b)とは逆の方向を向いている。
図9の二重容器(600)では、2つの外層ピンチオフ部(611a、611b)は、互いに接触していてよい。この接触部は、口部逆止弁と共に、場面に応じて流路を開閉する弁として機能することができる。
したがって、図9の二重容器(600)は、第1実施形態の二重容器と同様に、
外容器を押圧することにより、内容物を容易に吐出させることができ、かつ、
吐出を停止すると、口部逆止弁の作用により、内容器の減容変形を維持したまま、外容器のみが容易に元の形に復元されることができる。
図10の二重容器(700)は、外層ピンチオフ部のうちの一方(711b)が、外層(710)と内層(720)との間隙に挿入されている。しかしながら、内層ピンチオフ部(721)は、外層(710)と内層(720)との間隙に挿入されていない。図10の二重容器(700)における内層ピンチオフ部(721)は、不定形に折れ曲がっている。
図10の二重容器(700)でも、2つの外層ピンチオフ部(711a、711b)は、互いに接触していてよい。この接触部も、口部逆止弁と共に、場面に応じて流路を開閉する弁として機能することができる。したがって、図10の二重容器(700)は、第1実施形態の二重容器と同様に、外容器の押圧による内容物の吐出、及び吐出の停止に伴う外容器の形状復元が、容易に行われる。
本発明の第2実施形態の二重容器では、第1形態の二重容器の場合に準じて、図4〜図7に示したようなピンチオフ部の形状変更を行ってもよい。
《ピンチオフ部以外の要素》
本発明の二重容器のピンチオフ部の構造は、第1実施形態及び第2実施形態において、それぞれ、上記のように異なっている。しかしながら、本発明の二重容器における、ピンチオフ部以外の要素は、第1実施形態及び第2実施形態双方に共通である。
以下に、本発明の二重容器における、ピンチオフ部以外の要素について説明する。
本発明の二重容器は、外容器を形成している外層と、外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層とから構成されている。本発明の二重容器は、例えば、底部、胴部、及び口部を有するボトル状であってよい。
〈底部〉
底部は、本発明の二重容器の接地面となる外縁部と、外縁部の内側で二重容器内部方向に凹没している凹部と、上述のピンチオフ部とを有する。凹部は、容器を設置させたときに、ピンチオフ部の突出部が、接地面に接触せず、二重容器の自立性が確保できる程度に凹没していればよい。
〈胴部〉
胴部は、底部に連結して形成されている筒状体であり、二重容器の側壁を構成している。胴部の形状は、円筒状、楕円筒状、多角柱状等の他、胴部の断面の形状及び/又は断面積が、胴部の軸方向で異なる形状であってもよい。
〈口部〉
口部は、胴部の上部に連結して形成されており、二重容器から内容物を取り出すための開口部を有する。この開口部の内面は、内層によって形成される内容器の内面に連続している。
本発明の二重容器は、口部に適当なキャップを装着したうえで、保存されてよい。
したがって、二重容器の口部には、ネジ式キャップと螺合するためのネジ、打栓式キャップと係合するための突起又は凹没部、その他の形式のキャップを係止するための係止部等を有していてよく、内容物の吐出方向を規定するために、キャップをロックするための突起又は凹没部を有していてもよい。口部は、キャップと連結されて、ヒンジキャップを構成していてもよい。
口部の断面は、胴部の断面と同じ大きさであってもよいが、これよりも小さくてもよい。口部の断面が、胴部の断面よりも小さい場合、二重容器は、両者を連結するための肩部を有していてよい。肩部は、外層及び内層から成っていてよく、両層間は、接合されていても剥離されていてもよい。
(口部逆止弁)
上述したように、本発明の二重容器は、内容物の吐出後に、内容器への空気の流入を防ぐため、二重容器の口部に装着されるキャップ、又は二重容器の口部付近に、口部逆止弁を有していてよい。口部逆止弁は、内容物を吐出するときには、二重容器の口部を開放し、内容物の吐出を停止した後は、二重容器の口部を閉塞する機能を有する。口部逆止弁の形式は、公知の形式であってよく、例えば、フラップ弁、ボール弁、リフト弁等から適宜選択して用いてよい。
二重容器を繰り返し開閉する際の安定性、使用者による予期せぬ開栓等による内容器への空気の流入を防ぐには、キャップを打栓式とし、この打栓式キャップに口部逆止弁を設けてよい。
〈外層及び内層の構成材料〉
外層及び内層は、それぞれ、互いに溶着しない、又は、溶着し難い合成樹脂材料から構成されていてよい。外層及び内層を構成する合成樹脂は、ブロー成型が可能な合成樹脂であってよい。
外層を構成する合成樹脂は、容器としたときに、押圧変形及び形状復元が自在の可撓性樹脂を用いてよく、ポリオレフィンが好ましく、具体的には例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、もう密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等を用いてよい。
外層は、単層であっても、多層であってもよい。
内層を構成する合成樹脂は、薄層の容器としたときに、減容変形自在な合成樹脂であってよく、具体的には例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(Ny)等を用いてよい。
内層は、単層であっても、多層であってもよい。好ましくは、内容器の内側(内容物側)の最外層に、内容物との接触によって変性されない、又は変性され難い層を配置し、内容器の外側(外層側)の最外層に、外層と溶着しない、又は溶着し難い層を配置することである。内容器の最内層を構成する樹脂は、LDPE、LLDPE等であってよい。外層がポリオレフィンから成る場合、内容器の外側の最外層を構成する樹脂は、EVOH、Ny等であってよい。
外層及び内層が多層のとき、各層間に適当な接着層を存在させてもよい。例えば、内層が、容器の内側から順に、LDPE及びEVOHの2層を有するとき、これら2層間に、例えば、変性ポリオレフィンから成る接着層を存在させてよい。
〈接着層の構成材料〉
接着層を構成する材料は、外層と内層とを接着できるものであれば、特に制限はなく、外層及び内層の構成材料に応じて、適宜に選択されてよい。外層がポリオレフィンから、内層がEVOHから構成されている場合、接着層を構成する材料は、例えば、変性ポリオレフィン等であってよい。
《二重容器の製造方法》
本発明の二重容器は、上述の構成を有している限り、如何なる方法によって製造されたものであってもよい。しかしながら、本発明の二重容器は、例えば、以下の方法によって製造されてよい。
(1)外容器を形成している外層と、
外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
を有する二重容器前駆体であって、
二重容器前駆体の底部に、
内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
を有する二重容器前駆体を準備すること(二重容器前駆体準備工程)、及び
(2)二重容器前駆体の、外層ピンチオフ部のうちの一方を、外層と、内層との間隙に挿入すること(ピンチオフ部挿入工程)
を含む、二重容器の製造方法。
〈二重容器前駆体準備工程〉
二重容器前駆体準備工程では、外容器を形成している外層と、外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層とを有する二重容器前駆体を準備する。この二重容器前駆体は、その底部に、内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と、外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部とを有するものであってよい。
このような二重容器前駆体は、外層材料及び内層材料が積層された積層体を用いて、例えば押出ブロー法によって得ることができる。具体的には、例えば、上記の材料を押出機にて加熱溶融させたうえ、積層してチューブ状の押出物(パリソン)とする。次いで、溶融状態のパリソンを、分割金型に挟み込み、二重容器前駆体の底部を形成する。この状態で、口部側開口部に挿入されたブローノズルからエアーを吹き込んで、金型内壁に積層体を押し付け、二重容器前駆体の概形を成形する。これを冷却した後に、分割金型を開いて、二重容器前駆体の概形を取り出す。
二重容器が、外層ピンチオフ部と、内層ピンチオフ部との間の少なくとも一部の領域に接着層を有するものである場合、特に、接着層が、外層ピンチオフ部と内層ピンチオフ部との間の領域から、外層と内層との間に向かって延在している場合には、外層材料及び内層材料の積層体の製造時に、外層と内層と間に接着層を帯状に存在させ、当該接着層の帯が、パリソンの軸方向と平行になるように、パリソンを形成してよい。
なお、本発明の第2実施形態の二重容器では、外層ピンチオフ部の一方は、内層ピンチオフ部から離隔した状態で外層と内層との間に挿入されるから、外層ピンチオフ部と、内層ピンチオフ部との間には、接着層が存在しないことが好ましい。ただし、外層ピンチオフ部の一方を、内層ピンチオフ部から離隔した状態で外層と内層との間に挿入することができる限りで、外層と内層との間に接着層が存在していてよい。
分割金型には、二重容器の底部に相当する部分の下側に、所定のピンチオフ部を設けるための凹部を有していてよい。この凹部によって、内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ前駆部と、外層の2つの端部のうちの両側端の数mm程度の外層側端部が溶融接着され、かつ中央部が溶融接着されていない、外層ピンチオフ前駆部とが形成される。
次いで、ピンチオフ工程、及び外層側端部切断工程を経て、内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と、外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部とが形成されて、二重容器前駆体が得られる。この二重容器前駆体では、内層ピンチオフ部は、2つの外層ピンチオフ部の間に挟まれるように形成される。外層ピンチオフ部のうちの一方と、内層ピンチオフ部との間は、次の予備剥離によって剥離され、外層ピンチオフ部のうちの他方を、内層ピンチオフ部と共に挿入するための間隙が形成されることになる。
ピンチオフ工程では、内層ピンチオフ前駆部及び外層ピンチオフ前駆部の、容器底面側端部が切断される。外層側端部切断工程では、外層ピンチオフ前駆部のうちの、溶融接着されている外層側端部が切断除去される。外層側端部切断工程は、ピンチオフ工程と同時に行われてもよいし、ピンチオフ工程とは別の時点で行われてもよい。
次いで、外層と内層との予備剥離を行う。この予備剥離は、分割金型から取り出された二重容器前駆体の概形の口部からバキュームによる吸引を行って、若しくは、二重容器前駆体の概形の底部から外層ピンチオフ部と内層ピンチオフ部との間隙(140)にエアーを吹き込んで、又はこれらの双方を行うことによって、実施されてよい。或いは、ピンチオフ部の一部に外力を加えることにより、外層と内層との予備剥離を行ってもよい。予備剥離は、外層と内層との積層面全体に対して行ってもよいし、外層と内層との積層面の一部に対して行ってもよい。これらいずれの方法においても、ピンチオフ部の外層と内層との間に、外層ピンチオフ部の一方を、内層ピンチオフ部と共に挿入することが可能な剥離部が生じるように、予備剥離を行う。
本工程に使用される分割金型は、二重容器の口部に相当する部分には、キャップとの螺合のためのネジ、係合のための突起又は凹部、係止のための突起又は凹部等を形成するための形状を有していてよい。
〈ピンチオフ部挿入工程〉
ピンチオフ部挿入工程では、予備剥離によって形成された、ピンチオフ部の外層と内層との間に、外層ピンチオフ部の一方を挿入する。
このピンチオフ部挿入工程において、内層ピンチオフ部を、外層ピンチオフ部の一方と共に、ピンチオフ部の外層と内層との間に挿入すると、第1実施形態の二重容器が得られる。
一方、ピンチオフ部挿入工程において内層ピンチオフ部を外層と内層との間に挿入せず、外層ピンチオフ部の一方のみを、ピンチオフ部の外層と内層との間に挿入すると、第2実施形態の二重容器が得られる。
第2実施形態の二重容器の製造では、二重容器前駆体準備工程の後であって、かつ、ピンチオフ部挿入工程の実施前に、内容器を吸引して、内容器を収縮させること(内容器収縮工程)を更に含んでいてもよい。内容器収縮工程の後、外層ピンチオフ部の一方を、ピンチオフ部の外層と内層との間に挿入する。そして、内容器にエアーを吹き込んで、内容器を膨らませる、内容器膨張工程を行うことにより、本発明の二重容器が得られる。
内容器収縮工程を含む、第2実施形態の二重容器の製造では、内容器膨張工程を行うときに、内層ピンチオフ部の方向及び形状を制御しなくてよい。内層ピンチオフ部は、図9の二重容器(600)のように、挿入された外層ピンチオフ部とは逆の方向を向いてもよいし、図10の二重容器(700)のように、不定形に折れ曲がってもよいし、これら以外の任意の方向及び形状となってもよい。第2実施形態の二重容器は、製造後の内層ピンチオフ部の方向及び形状の如何によらず、外容器の押圧による内容物の吐出、及び吐出の停止に伴う外容器の形状復元が、容易に行われる。
〈その他の工程〉
本発明の二重容器の製造方法は、上記の他に、以下の工程を含んでもよい。以下の工程は、任意の時点で行われてよい。
内層と外層との間に挿入されなかった方の外層ピンチオフ部を、切断すること(外層ピンチオフ部カット工程)、又は外層と内層との間隙に挿入されている方の外層ピンチオフ部と同じ方向に折り曲げること(外層ピンチオフ部折曲工程)、及び
二重容器の任意の部分に、意匠を蒸着、箔押し、印刷、又は被覆すること(意匠形成工程)。
外層ピンチオフ部折曲工程では、必要に応じて、折り曲げられる外層ピンチオフ部に熱風を当てて、折曲部を軟化させたうえで行ってよい。意匠形成工程における意匠の被覆は、例えば、意匠を印刷したシュリンクフィルムの被覆によって行われてよい。
上記の工程は、相互に入れ替え可能であり、任意の順番で行ってよい。
本発明の二重容器の製造方法は、例えば、以下の順番で行われてよい。
二重容器前駆体準備工程、
ピンチオフ工程及び外層側端部切断工程、
内容器収縮工程、
ピンチオフ部挿入工程、
外層ピンチオフ部カット工程又は外層ピンチオフ部折曲工程、並びに
内容器膨張工程、並びに
任意的に、意匠形成工程。
《内容物入り二重容器》
本発明の別の観点では、本発明の二重容器と、内容物とを含む、内容物入り二重容器が提供される。
本発明の内容物入り二重容器の内容物は、例えば、食品調味料、化粧品、医薬部外品、医薬品等から選択されてよい。
本発明の二重容器は、内容物の吐出性に優れるため、内容物入り二重容器の内容物の粘度が高い場合でも、快適な吐出性が実現される。
以下、実施例の形式により、本発明をより具体的に説明する。しかしながら、本発明の範囲は、以下の実施例等に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって画定される。
以下の実施例及び比較例では、
内層として、容器外側から順に、EVOH層/変性ポリオレフィン層/LDPE層を有する多層体を用い、
外層として、LDPEから成る単層体を用いた。
また、二重容器前駆体は、分割金型を用いて製造した。ここで用いた分割金型では、二重容器の底部に相当する部分の下側凹部の形状を変更することにより、種々のピンチオフ形状を有する二重容器前駆体を得た。
容器外側から順に、LDPE層/EVOH層/変性ポリオレフィン層/LDPE層を有する積層体から構成されるパリソンを形成した。このパリソンを、溶融状態で押し出し、分割金型内に設置した。分割金型を閉じ、型締めして、二重容器前駆体の底部を形成した。次いで、口部側開口部に挿入されたブローノズルからエアーを吹き込んで、金型内壁に積層体を押し付け、二重容器前駆体の概形を成形した。
得られた二重容器前駆体では、口部及び胴部における各層の厚みは、それぞれ、表1のとおりであった。また、口部の内径は、15mmであった。
Figure 2021127164
得られた二重容器前駆体のピンチオフ部は、内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と、外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部とを有しており、これらピンチオフ部の突出長さは、1mmとした。
次いで、分割金型を開いて取り出した二重容器前駆体の、外層ピンチオフ部の一方を、内層ピンチオフ部と共に、外層と内層との間に押し込み(実施例1〜5)、又は押し込まずに(比較例1及び2)、二重容器を製造し、以下の試験を行った。
1.内容物吐出性試験
得られた二重容器の口部を開放させて、ピンチオフ部に手を当てて、外容器を押圧したときにピンチオフ部から空気漏れの風を感じるか否かを調べた。ここで、ピンチオフ部から空気漏れの風を感じなかったときは、外容器押圧による内容物吐出性を「良好」とし、風を感じなかったときは、外容器押圧による内容物吐出性を「不良」として評価した。
2.外容器復元性試験
上記の「1.空気漏れ試験」後の二重容器につき、外容器の押圧を維持した状態で口部を密閉した後、外容器の押圧を止めた。その後、外容器の変形が元の形に復元するまでの時間を測定した。この時間が、5秒以内であったとき、外容器復元性を「良好」とし、5秒を超えたとき、又は外容器が復元性なかったときは、外容器復元性を「不良」として評価した。
《実施例1》
実施例1では、図2のピンチオフ部を有する二重容器(100)を用いて試験を行った。このピンチオフ部は、図3に示したピンチオフ部のうちの、右側の外層ピンチオフ部(111b)を、内層ピンチオフ部(121)と共に、外層(110)と内層(120)との間に挿入して得られたものである。
《実施例2〜4》
実施例2〜4では、それぞれ、図4(b)、図5(b)、及び図6(b)のピンチオフ部を有する二重容器(200、300、400)を用いて試験を行った。これらのピンチオフ部は、それぞれ、図4(a)、図5(a)、又は図6(a)に示したピンチオフ部のうちの、右側の外層ピンチオフ部(211b、311b、411b)を、内層ピンチオフ部(221、321、421)と共に、外層(210、310、410)と内層(220、230、320)との間に挿入して得られたものである。
《実施例5》
実施例5では、図7(b)ピンチオフ部を有する二重容器(500)を用いて試験を行った。このピンチオフ部は、挿入されている、右側の外層ピンチオフ部(511b)と、内層ピンチオフ部(521)との間に、接着層(550)を有する。この接着層(550)は、図8に示したように、外層ピンチオフ部(511b)と、内層ピンチオフ部(521)との間の領域から、外層(510)と内層(520)との間に向かって延在している。
実施例5で用いた二重容器(500)は、内層のうちの最も外層よりのEVOH層と、外層のLDPE層との間に、パリソンの軸に平行に、帯状の接着層が形成された積層体を用いた他は、実施例1と同様にして製造されたものである。
《比較例1》
比較例1では、図3のピンチオフ部を有する二重容器前駆体(101)を用い、外層ピンチオフ部(111a、111b)の一方、及び内層ピンチオフ部(121)を、外層(110)と内層(120)との間に挿入せずに、試験を行った。
《比較例2》
比較例2では、図11に示した二重容器(800)を用いて試験を行った。比較例2の二重容器(800)は、2つの外層ピンチオフ部(811a、811b)及び内層ピンチオフ部(821)が屈曲しており、外層ピンチオフ部(811a、811b)の一方、及び内層ピンチオフ部(821)は、外層(810)と内層(820)との間に挿入されていない。
以上の結果を、表2に示した。
Figure 2021127164
表2を参照すると、2つの外層ピンチオフ部の一方、及び内層ピンチオフ部を、外層と内層との間に挿入していない、比較例1及び2の二重容器では、内容物吐出性、及び外容器復元性の評価の少なくとも1つ以上で「不良」であった。特に、内容物吐出性は、いずれの比較例でも「不良」であった。これは、ピンチオフ部の挿入がなく、外層と内層との間の間隙部と、外気とが、常に流通可能な状態にあるためと考えられる。
これらに対して、2つの外層ピンチオフ部の一方を、内層ピンチオフ部と共に、外層と内層との間に挿入した、実施例1〜5の二重容器では、内容物吐出性、及び外容器復元性の評価の双方において、「良好」との結果を得た。ピンチオフ部の挿入構造が、外層と内層との間の間隙部と、外気との流通をオン・オフする弁として機能し、状況に応じて適切な流通制御がなされたためと考えられる。
100、200、300、400、500、600、700、800 二重容器
101、201、301、401 二重容器前駆体
110、210、310、410、510、610、710、810 外層
111a、111b、211a、211b、311a、311b、411a、411b、511a、511b、611a、611b、711a、711b、811a、811b 外層ピンチオフ部
120、220、320、420、520、620、720、820 内層
121、221、321、421、521、621、721、821 内層ピンチオフ部
130、530 ピンチオフ線
131、531 ピンチオフ挿入部
140 間隙
212、312、412 窪み
313 テーパー形状領域
550 接着層

Claims (18)

  1. 外容器を形成している外層と、
    前記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
    を有する二重容器であって、
    前記二重容器の底部に、
    前記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
    前記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
    を有し、
    前記外層ピンチオフ部のうちの一方が、前記外層と前記内層との間隙に挿入されている、
    二重容器。
  2. 前記二重容器が、
    外容器を形成している外層と、
    前記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
    を有する二重容器前駆体から得られたものであって、
    前記二重容器前駆体は、その底部に、
    前記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
    前記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
    を有し、かつ、
    前記二重容器は、前記二重容器前駆体における前記外層ピンチオフ部のうちの一方が、前記外層と前記内層との間隙に挿入されている、
    請求項1に記載の二重容器。
  3. 前記二重容器前駆体において、
    前記外層と前記内層との間隙に挿入される方の前記外層ピンチオフ部が、その根元の外側に、窪み又は凸部を有する、
    請求項2に記載の二重容器。
  4. 前記二重容器前駆体において、
    前記外層と前記内層との間隙に挿入される方の前記外層ピンチオフ部が、先端に行くにつれて徐々に細くなるテーパー形状を有している、
    請求項2又は3に記載の二重容器。
  5. 前記二重容器前駆体において、
    前記2つの外層ピンチオフ部及び前記内層ピンチオフ部が、前記外層と前記内層との間隙に挿入されない方の前記外層ピンチオフ部の方向に傾斜している、
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の二重容器。
  6. 前記外層と前記内層との間の少なくとも一部の領域に、接着層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二重容器。
  7. 前記内層ピンチオフ部が、前記外層ピンチオフ部の一方と共に、前記外層と前記内層との間隙に挿入されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二重容器。
  8. 前記内層ピンチオフ部が、前記外層と前記内層との間に挿入されていない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二重容器。
  9. 前記外層ピンチオフ部と、前記内層ピンチオフ部との間の少なくとも一部の領域に、接着層を有する、請求項7に記載の二重容器。
  10. 前記接着層が、前記外層ピンチオフ部と前記内層ピンチオフ部との間の領域から、前記外容器と前記内容器との間に向かって延在している、請求項9に記載の二重容器。
  11. 前記外層と前記内層との間隙に挿入されていない方の前記外層ピンチオフ部が、前記外層と前記内層との間隙に挿入されている方の前記外層ピンチオフ部と同じ方向に折り曲げられている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の二重容器。
  12. 前記外層と前記内層との間隙に挿入されていない方の前記外層ピンチオフ部が、切断されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の二重容器。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の二重容器と、内容物とを含む、内容物入り二重容器。
  14. 前記内容物が、食品調味料、化粧品、医薬部外品、及び医薬品から選択される、請求項13に記載の内容物入り二重容器。
  15. (1)外容器を形成している外層と、
    前記外容器の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内層と
    を有する二重容器前駆体であって、
    前記二重容器前駆体の底部に、
    前記内層の2つの端部が溶融接着された内層ピンチオフ部と
    前記外層の2つの端部が溶融接着されていない、2つの外層ピンチオフ部と
    を有する二重容器前駆体を準備すること、及び
    (2)前記二重容器前駆体の、前記外層ピンチオフ部のうちの一方を、前記外層と前記内層との間隙に挿入すること
    を含む、二重容器の製造方法。
  16. 前記工程(2)において、前記内層ピンチオフ部を、前記外層ピンチオフ部の一方と共に、前記外層と前記内層との間隙に挿入する、請求項15に記載の二重容器の製造方法。
  17. 前記工程(2)において、前記内層ピンチオフ部を、前記外層と前記内層との間に挿入しない、請求項15に記載の二重容器の製造方法。
  18. 前記工程(1)の後、かつ前記工程(2)の前に、
    (3)前記内容器を吸引して、前記内容器を収縮させること
    を更に含む、
    請求項17に記載の二重容器の製造方法。
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