以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例について説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2を含んでいる。なお、センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
センターサーバ2には、ネットワーク3を介してゲーム機4が接続される。ゲーム機4として、商業用(業務用)のゲーム機(いわゆるアーケードゲーム機)等の適宜のゲーム装置が利用されてよいが、図1の例ではユーザ端末装置が利用されている。ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置として、例えば据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、図1の例ではスマートフォン(携帯電話)が利用されている。
スマートフォンは、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。そして、スマートフォンは、このようなソフトウエアとして、ゲーム用のアプリケーション(以下、ゲームアプリと呼ぶ場合がある)を実装することにより、ゲームを提供するゲーム機4として機能する。スマートフォンは、このようなゲームアプリを通じて、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、或いはタイミングゲーム(音楽ゲーム)等の適宜のゲームを提供し得るが、ゲーム機4はゲーム画面に表示される各種の遊技媒体を使用して複数のユーザ(以下、対戦ゲームをプレイするユーザをプレイヤと呼ぶ場合がある)が対戦する対戦ゲームを提供する。対戦ゲームは、有料(所定の対価の徴収と引換に所定範囲のプレイが提供される場合、或いはアイテムの購入、特定の展開等の対戦ゲームの一部が所定の対価の徴収と引換にプレイされる場合の両方を含む)でプレイされてもよいし、無料(ゲームアプリのダウンロードが有料の場合を含む)でプレイされてもよい。
対戦ゲームは、遊技媒体を介して適宜に対戦を実現してよいが、一例としてゲーム画面が複数のユーザ(いわゆるNPC等、コンピュータが対戦相手のユーザとして機能する場合を含む)にそれぞれ対応する複数の配置領域群を含む場合に、複数種類の遊技媒体を含むようにユーザ毎に用意される遊技媒体群から各配置領域群に配置されるべき候補としてユーザ毎に形成される手元遊技媒体群のうち、各配置領域群に配置された遊技媒体を介して、複数のユーザ間における対戦を実現する。また、このような遊技媒体として、車、動物、或いは適宜のフィギュア等(いずれもゲーム画面に電子的に表示される仮想的なもの)の各種の仮想的な媒体が利用されてよいが、一例としてカード(同様に電子的に表示される仮想カード)が利用される。この場合、対戦ゲームは、カードゲームとして構成され、複数種類のカードを含むデッキ(いわゆる山と呼ばれる場合もあるカード群)、及びデッキから手元に引かれる(ドローされる)手札をそれぞれ遊技媒体群、及び手元遊技媒体群として利用する。具体的には、対戦ゲームでは、プレイヤ毎に用意されるデッキからドローを通じて手札がユーザ毎に形成され、その手札から場(複数の配置領域群を含むゲームフィールド)に配置されるべきカードが選択される。そして、その場に配置された各ユーザのカードを通じて対戦が実現される。対戦ゲームの詳細は更に後述する。
ネットワーク3は、センターサーバ2に対してゲーム機4を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成される。図1の例では、センターサーバ2はルータ3aを介して、ゲーム機4としてのスマートフォンはアクセスポイント3bを介して、それぞれネットワーク3に接続されている。なお、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用する形態に限定されない。ネットワーク3として、UDP/IPプロトコルや、通信用の有線回線、或いは無線回線(赤外線通信、近距離無線通信等を含む)等を利用する各種の形態が利用されてよい。
センターサーバ2は、ネットワーク3を介してゲーム機4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、ゲーム機4がゲームアプリを介してゲームを提供する場合、そのゲームに関連する各種のサービスを提供する。このようなサービスは、例えばゲームに関連する各種の処理を実行したり、その処理結果を送信したりするサービスを含んでいてよい。また、その他にも、例えば各ゲーム機4に各種データ或いは、ゲームアプリ等のソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶ユニット22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット21には、記憶ユニット22が接続される。記憶ユニット22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含む外部記憶装置である。記憶ユニット22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。
記憶ユニット22には、Webサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバプログラムPG1が記録される。また、記憶ユニット22には、サーバプログラムPG1の実行に伴い参照されるサーバデータSDも記録される。サーバデータSDは、Webサービスの提供に必要な各種のデータを含み得るが、図2の例ではプレイデータPD、及びカードデータCDが示されている。なお、サーバデータSDは、例えば、その他にもユーザID等の各種IDを管理するIDデータ、或いは後述のゲームデータGD(全部、或いは適宜の一部)等を適宜に含んでいてよい。
プレイデータPDは、対戦ゲームの各種実績をユーザ毎に管理するためのデータである。プレイデータPDは、各種実績として、プレイ日時、プレイ時間、所有カード(プレイヤ毎に複数のデッキを設定可能な場合はそのようなデッキの情報を含む)、或いはその他の各種の所有アイテム(例えばポイント等、ゲーム内に各種の価値が設けられる場合はそれらの価値を含む)等、適宜の実績の情報を含んでいてよい。プレイデータPDは、このような実績(各ユーザに固有の情報)を次回以降に引き継ぐために使用される。カードデータCDは、対戦ゲーム用のカードに関する各種情報を管理するためのデータである。カードデータCDには、このような情報として適宜の情報が記述されてよいが、一例として各カードを定義する各種のパラメータの情報がカード毎(例えばカードの種類毎)に記述される。このようなパラメータの情報には、各カードの種類、或いはそのカードがゲームにおいて発揮し得る各種の効果(機能)等の情報が含まれる。
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、Webサービス管理部24が設けられる。Webサービス管理部24は、上述のWebサービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機4には、制御ユニット41と、記憶ユニット42とが設けられる。制御ユニット41は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット41には、制御ユニット41のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、進行制御部43、及びデータ管理部44が設けられる。
進行制御部43、及びデータ管理部44は、対戦ゲームの提供に必要な各種の処理を分担して実行する。このような処理には、Webサービスを享受するために必要な処理が含まれる場合もある。具体的には、データ管理部44は、対戦ゲームの提供に必要な各種の処理のうち、記憶ユニット42に記録されるデータの管理に必要な各種の処理を実行する。一方、進行制御部43は、対戦ゲームの提供に必要な各種の処理のうち、対戦ゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。このような処理には、ゲーム画面に配置領域群(場)を提示したり、各カードをデッキ等に分類したり、或いは場にカードを配置したりする処理が含まれる。具体的には、進行制御部43は、このような処理の一部として、例えばカード配置処理、及びカード配布処理を実行する。カード配置処理は、手札のカードを配置領域群に配置するための処理である。一方、カード配布処理は、デッキからカードを手札として配布する(デッキから手札へのドローを実現する)ための処理である。カード配置処理、及びカード配布処理の手順の詳細は後述する。
制御ユニット41には、記憶ユニット42が接続される。記憶ユニット42は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含む外部記憶装置である。記憶ユニット42には、上述したゲームプログラムPG2とともに、その実行に伴い参照されるゲームデータGDが記録される。ゲームデータGDは、ゲームの提供に必要な各種のデータを含み得るが、図2の例ではプレイデータPD、及びカードデータCDが示されている。プレイデータPD、及びカードデータCDは必要な部分を含むように配信サービス等を通じてセンターサーバ2から提供される(その他のゲームデータがセンターサーバ2で管理される場合はそれらも同様)。なお、ゲームデータGDは、例えばその他にも対戦ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、或いは上述のIDデータ等の各種のデータをゲームデータとして適宜に含んでいてよい。
また、ゲーム機4には、対戦ゲームの提供に必要な各種の入力装置及び出力装置が設けられるが、図2の例ではこのような入力装置としてタッチパネルTPが、出力装置としてスピーカSP及びモニタMOが、それぞれ設けられ、いずれも制御ユニット41に接続されている。タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を制御ユニット41に出力(入力)する周知の入力装置である。タッチパネルTPは、ゲーム画面を形成する各位置にタッチ操作が実行されるようにモニタMOの上に配置される。また、スピーカSPは音声を再生するための周知の出力装置であり、モニタMOはユーザにゲーム画面を提示(表示)するための周知の表示装置である。これらのスピーカSP及びモニタMOは制御ユニット41から出力される出力信号によって制御される。なお、制御ユニット41には、これらの他にも、例えばカメラ、或いは適宜の通信装置等の各種の入力装置及び出力装置が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
次に、図3〜図6を参照して、対戦ゲーム(カードゲーム)の詳細について説明する。図3は、対戦ゲームを提供するためにモニタMOに表示されるゲーム画面の一例を模式的に示す図である。対戦ゲームは、適宜の数のプレイヤによる対戦としてプレイされてよいが、図3の例は二人のプレイヤが対戦するゲームとしてプレイされる場合を示している。また、対戦ゲームでは、適宜に勝敗が判定されてよいが、図3の例はプレイヤ毎に設定されるライフポイントがゼロなった方が敗者と判定される場合を示している。この場合、図3に示すように、ゲーム画面50は、二つのゲームフィールドGF1、GF2、二つの手札領域HR1、HR2、及び二つのライフ表示領域LR1、LR2を含んでいる。そして、これらの二つのゲームフィールドGF1、GF2、二つの手札領域HR1、HR2、及び二つのライフ表示領域LR1、LR2は、いずれも二人のプレイヤにそれぞれ対応するように設定される。
具体的には、二人のプレイヤはゲーム画面50の上下両端にそれぞれ対応づけられる。例えば、二人のプレイヤのうち第1プレイヤが下端側に、第2プレイヤが上側にそれぞれ対応づけられる。この場合、二つのゲームフィールドGF1、GF2、二つの手札領域HR1、HR2、及び二つのライフ表示領域LR1、LR2のうち、いずれも下側に位置する第1ゲームフィールドGF1、第1手札領域HR1、及び第1ライフ表示領域LR1が、第1プレイヤに対応する各領域としてそれぞれ設定される。同様に、いずれも上側に位置する第2ゲームフィールドGF2、第2手札領域HR2、及び第2ライフ表示領域LR2が、第2プレイヤに対応する各領域としてそれぞれ設定される。
ゲーム画面50は、これらの第1プレイヤ用の各領域(ゲーム画面50の下半分)及び、第2プレイヤには第2プレイヤ用の領域(ゲーム画面50の上半分)を適宜に含んでいてよい。例えば、第1プレイヤ用のゲーム画面50には第1プレイヤ用の各領域(ゲーム画面50の下半分)だけが、第2プレイヤ用のゲーム画面50には第2プレイヤ用の領域(ゲーム画面50の上半分)だけが、それぞれ表示されてもよい。つまり、ゲーム画面50は、対戦相手の各領域を適宜に提示あるいは省略するように構成されてよいが、図3の例では両プレイヤの領域を含むように構成される。以下では第1プレイヤ用の領域について説明するが、第2プレイヤ用の領域も第1プレイヤ用の領域と同様の機能(役割)を有する。また、ゲームフィールドGFが第1ゲームフィールドGF1及び第2ゲームフィールドGF2を、手札領域HRが第1手札領域HR1及び第2手札領域HR2を、ライフ表示領域LRが第1ライフ表示領域LR1及び第2ライフ表示領域LR2を、それぞれ代表する場合がある。
第1手札領域HR1は、第1プレイヤの手札が表示される領域である。第1手札領域HR1には、適宜の数の手札が表示され得るが、図3の例では五枚のカードCが手札として表示されている。つまり、五枚のカードCにより手札としてのカード群CGが形成されている。また、第1手札領域HR1には、手札としての各カードCが裏向き、或いは表向き等適宜に表示されてよいが、一例として表向きに表示される。一方、第2手札領域HR2には手札の各カードCが裏向きに表示される。つまり、自己の手札は内容が見えるように表向きに、対戦相手の手札は物理的なカードを利用したカードゲームと同様に内容が見えない裏向きに、それぞれ表示される。カード群CG(手札)を形成するカードCの数はゲームの進行等により適宜に変化してよく、その数に応じて手札としての各カードCは第1手札領域HR1に適宜に表示される。手札領域HRは明示的に表示されてもよいが、一例としてその範囲を示す表示が省略される。この例において第1手札領域HR1のカード群CGが本発明の手元遊技媒体群として機能する。
第1ライフ表示領域LR1は、第1プレイヤに設定されるライフポイントの残量を表示するための領域である。ライフポイントとして、適宜の値が各プレイヤに設定されてよいが、図3の例ではいずれも“8000”のライフポイントが開始時の初期値として設定されている。ライフポイントは、勝敗を判定するための価値である。このライフポイントを通じて適宜に勝敗が判定されてよいが、一例としてライフポイントがゼロになった場合に、ゼロになった方のプレイヤが敗者(換言すれば、対戦相手のライフポイントをゼロにしたプレイヤが勝者)と判定される。この例においてライフポイントが本発明の勝敗価値として機能する。
一方、第1ゲームフィールドGF1は、カードCが配置されるべき場として機能する領域である。第1ゲームフィールドGF1は、適宜にカードCが配置されるように適宜に構成されてよいが、図3の例では各カードCが配置されるべき位置をそれぞれ示す配置領域群として構成されている。具体的には、第1ゲームフィールドGF1は、配置領域群として、デッキ領域DR、モンスタ領域MR、第1魔法領域M1、使用済領域SR、第2魔法領域M2、及び補助領域ERを含んでいる。これらはいずれも各カードが配置されるべき配置領域として機能する。これらの各配置領域は明示的に表示されなくてもよいが、一例として互いに区別可能に明示的に表示される。この例において、第1ゲームフィールドGF1が配置領域群として、第1ゲームフィールドGF1及び第2ゲームフィールドGF2が複数の配置領域群として、それぞれ機能する。
例えば、デッキ領域DRは、デッキ(いわゆる山)を構成するカード群が配置されるべき配置領域である。各プレイヤが所有する複数のカードCから適宜に所定枚数のカード群がデッキとして設定され、デッキ領域DRに配置される。所定枚数は、一律の固定数等、適宜に設定されてよいが、一例として40枚〜60枚と幅を持って設定される。プレイヤは、この40枚〜60枚の間の任意の枚数(カード群)をデッキとして設定する。デッキの枚数(残数)は後述の勝利条件に関連し、勝敗に影響を与える可能性がある。一方、デッキの枚数が多い場合、そのデッキから所望のカードCを手札としてドローできる可能性が低くなる。このため、プレイヤは、これらのバランスを考慮してデッキの枚数を設定する。また、デッキは、プレイヤが所有するカード群から指定の枚数に応じてランダムにピックアップされる等、適宜に構成されてよいが、一例としてプレイヤによって個別に選択された各カードによって構成される。つまり、プレイヤは所有カードから40枚〜60枚の間の任意の枚数を個別に選択することにより、デッキを設定する。
デッキには、一般的に複数種類のカードCが含まれる。このようなカードCの種類には、各種のカードCが適宜に含まれていてよいが、一例としてモンスタカード、魔法カード、及び罠カードが含まれる。モンスタカードは、モンスタ(キャラクタ)に対応するカードであり、対戦相手のライフポイントを減少させるために対戦相手のモンスタカードを攻撃するタイプのカードである。具体的には、各モンスタには、各モンスタを定義するための各種のパラメータが設定されるが、例えばそれらには攻撃力及び防御力が含まれる。そして、このようなモンスタを介して対戦相手への攻撃が実現される。つまり、各プレイヤは、モンスタカードのモンスタを通じて対戦相手のモンスタ(モンスタカード)を攻撃したり、対戦相手のモンスタからの攻撃を防御したりする。攻撃を仕掛けるモンスタ、及びその仕掛ける対象(攻撃対象)のモンスタは適宜に設定されてよいが、一例としていずれもプレイヤによって指定される。また、このようなモンスタによる攻撃は、対戦相手のライフポイントに適宜に反映されてよいが、一例として攻撃対象のモンスタの防御力と攻撃を仕掛けたモンスタの攻撃力との差分がライフポイントから減算されるように反映される。同様に、攻撃する側の攻撃力から攻撃される側の防御力を減算した値等、攻撃側パラメータから守備側パラメータを減算した値が負の値になる場合、この負の値も適宜にライフポイントに反映されてよいが、一例としてこの負の値の分が攻撃した側のライフポイントから減算されるように反映される。
魔法カード、及び罠カードは、いずれも各種の効果を通じてモンスタ間の対戦を補助するタイプのカードである。例えば、これらのカードCは、モンスタの攻撃を強化したり、或いはモンスタからの攻撃を低減したりする効果を発揮する。魔法カード、及び罠カードは、効果の内容、或いは効果の発生時期等により適宜に区別されてよい。例えば、罠カードは、対戦相手の行為(例えば対戦相手が後述の召喚を通じてモンスタカードをゲームフィールドGFに配置した場合等)に基づいて効果を生じるタイプのカードCである。一方、魔法カードは、それよりも多様な条件、及び効果を有するタイプのカードCである。例えば、魔法カードは、味方モンスタの攻撃力或いは防御力を上昇させる、或いは対戦相手のモンスタの攻撃力等を減少させる効果を有する。また、魔法カードには、所定期間に亘って継続的にゲームフィールドGFに効果を生じるタイプのカードCも含まれる。そのような継続的に効果を生じる魔法カードはフィールド魔法カードと呼ばれる場合がある。この例においてモンスタカードが本発明の攻撃用遊技媒体として機能する。また、魔法カード、或いは罠カードが本発明の補助用遊技媒体として機能する。
モンスタ領域MRは、各種カードCのうち、モンスタカードが配置されるべき配置領域である。つまり、モンスタ領域MRに配置されるカードCはモンスタカードに制限される。また、モンスタ領域MRには、各モンスタカードが適宜に配置されてよいが、一例として表向き、及び裏向きが区別されるように配置される。具体的には、モンスタ領域MRにモンスタカードが表向きに配置される場合、それに対応するモンスタが対戦相手の第2プレイヤに明示される。このような明示は適宜に実現されてよいが、一例としてそのモンスタを第1ゲームフィールドGF1に具現化することにより実現される。このため、表向きの配置は、裏向きの配置と区別されるように召喚(モンスタの具現化に対応する用語)と呼ばれる場合がある。一方、モンスタ領域MRにモンスタカードが裏向きに配置される場合、そのモンスタは対戦相手に秘匿される。この秘匿は適宜に解消されてよいが、一例として対戦相手の攻撃対象として指定された場合に解消される。第1ゲームフィールドGF1には、適宜の数のモンスタ領域MRが設けられてよいが、図3の例では三つのモンスタ領域MRが設けられている。
また、モンスタ領域MRへのモンスタカードの置き方には、表向き、裏向きに限定されず、各種の置き方が含まれてよく、例えば横向き、縦向きの置き方が含まれていてもよい。そして、このような置き方が、モンスタの攻撃力等のパラメータの使い方等、適宜にゲームの展開に影響を与えてよい。例えば、モンスタには縦置き用の攻撃力と、横置き用の攻撃力が設定され、これらの攻撃力がモンスタ領域MRへのモンスタカードの置き方に応じて適宜に使用されてもよい。具体的には、例えばモンスタ領域MRにモンスタカードが縦向きに配置された場合には縦置き用の攻撃力が、横向きに配置された場合には横置き用の攻撃力が、対戦相手のモンスタからの攻撃時における防御力として利用されてもよい。これらの場合、縦置き用の攻撃力と対戦相手のモンスタの攻撃力の差分、或いは横置き用の攻撃力と対戦相手のモンスタの攻撃力との差分のいずれかがライフポイントから減算される。このような使用対象のパラメータの変化等がモンスタ領域MRへのモンスタカードの置き方に応じて適宜に生じ得るが、以下ではこのような置き方に応じた変化の説明は省略する。
第1魔法領域M1は、フィールド魔法カードが配置されるべき配置領域である。つまり、第1魔法領域M1に配置されるカードCはフィールド魔法カードに制限される。フィールド魔法カードは、第1魔法領域M1に配置された場合にその効果をゲームフィールドGFに発揮(発動)する。一方、第2魔法領域M2は、フィールド魔法カードを除く魔法カード、或いは罠カードが配置されるべき配置領域である。第2魔法領域M2でも、他の配置領域と同様に、これらのカードC以外の配置が制限される。また、魔法カード等は、第2魔法領域M2への配置を通じて、その効果をゲームフィールドGFに発揮する。これらのモンスタカード、魔法カード、或いは罠カードは、何ら代償なく配置が許容されてもよいが、一例として魔法カード及び罠カードには第2魔法領域M2(あるいは第1魔法領域M1)への配置に代償が要求される。このため、各プレイヤには、魔法カード等の配置のために消費されるべき適宜の価値が設定され、その価値の消費に伴い第2魔法領域M2等への配置が実現される。
使用済領域SRは、使用済みのカードCが配置されるべき配置領域である。各配置領域に配置されたカードCは所定の排除条件に基づいて各配置領域から排除され、使用済みとみなされる。このような排除条件は、適宜に設定されてよく、例えばカードCの種類毎に相違していてもよく、かつ種類毎に複数の条件が設定されてもよい。例えば、モンスタカードは、対戦相手のモンスタから攻撃を受け、対戦相手のモンスタの攻撃力が味方モンスタの防御力(縦置き、或いは横置き等に応じて適宜の攻撃力が防御力として機能する場合はそれらの攻撃力)を上回っていた場合に排除条件を満たし、モンスタ領域MRから排除される。そして、このような排除にともない、使用済みとして使用済領域SRに配置される。つまり、モンスタ領域MRから使用済領域SRに移動する。同様に、魔法カード、及び罠カードは、例えば効果の発動(発揮)に伴い(フィールド魔法カードの場合は継続期間の終了に伴い)排除条件を満たし、第1魔法領域M1、或いは第2魔法領域M2から排除され、使用済みとして使用済領域SRに配置される。また、補助領域ERは、補助的な配置領域として設けられるが、ゲームの都合等により適宜に使用されてよく、例えば、追加的にデッキが利用される場合にそのような配置位置として利用されてもよい。このため、補助領域ERは、使用されなくてもよいし、省略されてもよい。一例として、このようなゲーム画面50を通じて対戦が実現される。
図4は、図3の例における対戦ゲームの進行手順の一例を示す図である。図4に示すように、対戦ゲームは、第1プレイヤのターン及び第2プレイヤのターンを順に含んでいる。そして、これらのターンを通じて第1プレイヤ、及び第2プレイヤの間で手番を交互に繰り返すいわゆるターン制で進行する。具体的には、最初に、ゲームの準備として、例えば各プレイヤのデッキをシャッフルした上でデッキ領域DRに配置し、自分のデッキから所定枚数(例えば四枚)のカードCを引いて手札として保持する、といった操作が行われる。準備が終わると先行プレイヤ(一例として第1プレイヤが先行とする。)のターンからゲームが開始される。一つのターンは複数のフェイズに区分され、各フェイズはターン毎に繰り返し提供される。フェイズは、一回のターンで行われるべき手順を、その内容や性質に応じて複数段階に区分するための概念である。図4の例では一回のターンがドローフェイズ〜エンドフェイズまでの5段階に区分されているが、これはあくまで一例である。
各フェイズではターンが与えられているプレイヤがフェイズごとに定められた範囲内で適宜の行為を選択することができる。一例として以下のごとくである。ドローフェイズではデッキからカードCが引かれる。ドローフェイズでは、適宜の枚数がデッキからドローされてよいが、一例として初回は一律に一枚がドローされる。一方、二回目以降のドローフェイズでは、手札の残数に応じてドロー枚数が変化する。ドローフェイズにおけるドロー枚数の詳細は後述する。
対戦ゲームでは対戦相手のライフポイントがゼロになった場合に勝敗の判定が実行されるが、それ以外にも適宜の勝利条件が用意されていてよい。例えば、このような勝利条件として、デッキからのドローの可否、及び手札としてのカード群CGの組み合わせが利用される。また、そのような勝利条件は、前回のバトルフェイズ(例えば対戦相手のライフポイントをゼロにできずに終了した場合)、或いはエンドフェイズ等のその他の適宜のフェイズにおいて判定されてよいが、一例としてドローフェイズにおいて判定される。具体的には、例えばデッキに二枚しかカードCがなく、ドローすべき枚数が三枚である場合等、ドローフェイズにおいてデッキからドローできない場合に勝利条件が満たされ、そのドローできないプレイヤ(ドローできないデッキに対応するプレイヤ)が敗者と判定される。また、ドロー後にデッキの残数がゼロになった場合、そのドローフェイズにおいて直ちに敗者と判定されてもよいが、一例として次回のドローフェイズにおいてドロー不能により敗者と判定される。
また、手札としてのカード群CGが特殊な組み合わせになった場合にも勝利条件が満たされ、その特殊な組み合わせを形成したプレイヤ(その手札に対応するプレイヤ)が勝者と判定される。特殊な組み合わせは、二枚以上の適宜の数で成立してよいが、一例として五枚の手札の組み合わせによって実現される。さらに、五枚の手札の組み合わせは、例えば特定の同種のカードC、或いは特定の全く同じカードCにより実現されてもよいが、一例として二種類以上のカードCの組み合わせにより実現される。そして、このような勝利条件が満たされた場合(例えばデッキから必要枚数のカードCをドローできない場合、或いは手札が特殊な組み合わせを実現した場合)、ドローフェイズにおいて対戦が終了する。この例においてドローフェイズが本発明の配布工程として機能する。
スタンバイフェイズでは、そのフェイズにて効果処理が行われるべきものとして指定されているカードCの効果を発動させることができる。メインフェイズでは、ゲームフィールドGFのカードCを適宜に用いつつ、戦闘で用いるモンスタの召喚(呼び出し)或いは裏向き配置、魔法や罠といった特有の効果を有するカードCのセット(配置)、あるいはカードCの効果の発動が実行される。メインフェイズでは、適宜に各カードCがゲームフィールドGFに配置されてよいが、一例としてプレイヤの指定に応じて実現される。メインフェイズにおける各カードCの配置の詳細は後述する。この例においてメインフェイズが本発明の配置工程として機能する。
バトルフェイズではカードCを用いた戦闘(バトル)が行われる。ただし、第1プレイヤ(先行プレイヤ)の1ターン目においてバトルフェイズは必ずスキップされる。対戦相手(第2プレイヤ)にメインフェイズ等が提供されておらず、第2ゲームフィールドGF2にカードCが配置されていないからである。バトルフェイズでは、例えば、自己のターンのプレイヤが攻撃に用いるカードCと、相手方のプレイヤの攻撃対象となるべきカードCとを選択し、それにより戦闘(攻撃及び防御)が実行される。これらは、実際にモンスタカードに対応するモンスタの表示、及び攻撃等に対応する各種の効果付きで実現される。カードCに代えて、又は加えて攻相手方のプレイヤ自身が攻撃対象となる場合があってもよい。また、攻撃の結果、対戦相手のライフポイントがゼロになった場合には、その攻撃を行ったプレイヤの勝利が判定される。エンドフェイズではターンの終了が宣言される。なお、スタンバイフェイズ、メインフェイズ、バトルフェイズ等は適宜にスキップされてもよい。また、上述のようにこれらの五つのフェイズはいずれも例示であるから、例えばスタンバイフェイズ、或いはエンドフェイズといった各フェイズは適宜に省略されてもよい。さらに、このような省略は、手札の種類等に応じて適宜にターン単位で実行されてもよい。あるいは、反対に各種のフェイズが適宜に追加されてもよい。
図5及び図6を参照して、メインフェイズ、及びドローフェイズについて更に説明する。図5は、メインフェイズにおける各カードCの配置の詳細を説明するための説明図である。上述のようにメインフェイズでは手札がゲームフィールドGFの各配置領域に配置されるが、図5の例は、そのような(a)配置前、及び(b)配置後における第1手札領域HR1、及び第1ゲームフィールドGF1をそれぞれ示している。また、第1手札領域HR1には適宜の数の手札(カードC)が配置され得るが、図5の例では五枚のカードCが手札としてのカード群CGを形成するように配置されている。この場合、図5に示すように、メインフェイズでは、手札を形成するカード群CGから任意の数のカードCが第1ゲームフィールドGF1に配置されるべきカードCとして第1プレイヤによって指定(選択)される。そして、この指定に伴い、指定された各カードCが、実際に第1ゲームフィールドGF1に配置されるように、第1手札領域HR1から第1ゲームフィールドGF1に移動する。結果として、その移動分だけ第1手札領域HR1のカード群CGの数は減少する。
具体的には、メインフェイズでは、(a)配置前が示すように、まず手札を形成するカード群CGから第1ゲームフィールドGF1に配置されるべき配置対象のカードCが特定される。この特定は、ゲーム展開等の各種の条件に応じて適宜に実現されてよいが、図5の例では第1プレイヤの指定(タッチ操作)によって実現されている。また、メインフェイズでは、任意の枚数の第1ゲームフィールドGF1への配置が許容される。このため、一枚を含む適宜の数のカードCが第1手札領域HR1のカード群CGから指定されてよいが、図5の例では三枚のカードCが指定されている。
また、第1ゲームフィールドGF1への配置は、カードCの種類にかかわらず、適宜の枚数の指定が許容される。第1ゲームフィールドGF1には適宜にカードCが配置され得るが、図5の例ではドロー用の山として機能するカード群としてのデッキDCだけがデッキ領域DRに配置されている。この場合、モンスタカード及び魔法カード(あるいは罠カード)はいずれも三枚まで配置可能であり、フィールド魔法カードも一枚まで配置可能であるが、図5の例では二つのモンスタ領域MR、及び一つの第2魔法領域M2への配置がそれぞれ指示されている。つまり、第2魔法領域M2に対応する魔法カード(あるいは罠カード)だけでなく、二つのモンスタ領域MRにそれぞれ対応する二枚のモンスカードの指定が許容されている。これらの各モンスタカードが配置されるべきモンスタ領域MRは、所定の規則(例えば左から順等)等、適宜に設定されてよいが、一例として第1プレイヤによって指定される。魔法カード等が配置されるべき第2魔法領域M2も同様である。
また、(b)配置後が示すように、配置対象のカードCの指定の後(適宜の配置の可否等のチェックが入ってもよい)、配置対象のカードCは実際に第1ゲームフィールドGF1に配置される。具体的には、図5の例では、カード群CGのうち配置対象のカードCとして指定された三枚のカードCが、(a)配置前に比べて第1ゲームフィールドGF1に追加されている。一方、このような追加(配置)に伴い、第1手札領域HR1のカード群CGから三枚のカードCがなくなり、カード群CGは二枚のカードCだけとなっている。一例として、メインフェイズでは、このようにカードCの種類にかかわらず、ゲームフィールドGFの空きに応じてカード群CGへの任意の数の配置指示が許容される。この例においてデッキDCが本発明の遊技媒体群として機能する。また、第1ゲームフィールドGF1に配置された三枚のカードCが本発明の配置遊技媒体として機能する。さらに、それらの三枚のうち、二つのモンスタ領域MRにそれぞれ配置される二枚のモンスタカードが本発明の二以上の攻撃用遊技媒体として機能する。なお、一回のメインフェイズにおいてモンスタ領域MRに配置できるカードCの数は、例えば一枚や二枚のように一定数に制限されてもよいし、制限されなくてもよい。制限されない場合や、制限される数が大きい場合(五枚、六枚等)には、一枚や二枚等の少数に制限される場合と比較して、手札からのカードCの減少量が大きくなりやすい。したがって、次回のドローフェイズにおいて、後述のように、デッキDC(山)の残数の減少が早まりやすく、結果としてゲームの進行速度上昇に寄与し得る。
図6は、ドローフェイズにおけるドロー枚数の詳細を説明するための説明図である。また、図6の例は、図5の例のメインフェイズの後に提供されるドローフェイズにおける第1手札領域HR1、及び第1ゲームフィールドGF1を示している。より具体的には、図6の例は、図5の例のメインフェイズの後に到来する第1プレイヤのターンで提供されるドローフェイズにおける(a)ドロー前、及び(b)ドロー後の第1手札領域HR1、及び第1ゲームフィールドGF1を示している。この場合、図6に示すように、図5の例において三枚のカードCがカード群CG(手札)から減少した後のドローフェイズでは、カード群CGの数を基準数に維持するためのドローが許容される。つまり、そのドローフェイズでは、三枚のカードCの減少に伴い、その減少分に対応する三枚のカードCのドローが許容される。
具体的には、(a)ドロー前が示すように、手札の残数が基準数に達していない場合、ドローフェイズにおけるドロー数は、基準数以下に収まるようにその残数に応じて許容される。そして、そのドロー数に対応するカードCが、第1ゲームフィールドGF1のデッキDCから適宜の数のカードCが手札のカード群CGを形成するように第1手札領域HR1(カード群CG)に配布される。この配布数(ドロー枚数)は、ドロー(配布)後の手札の数が基準数以下に収まる適宜の数であってよく、第1プレイヤの選択に基づいて決定されても、固定数であってもよいが、一例としてゲーム展開に基づく所定の規則に従って決定される。また、このような所定の規則は適宜に設定されてよいが、図6の例では手札の数を基準数に維持するための数に配布数を決定するように設定されている。このため、ドローフェイズでは、第1プレイヤの意思にかかわらず、所定の規則に従って手札が基準数に至る数が配布数として決定される。
また、基準数は適宜の数に設定されてよいが、図6の例では五枚に設定されている。五枚の手札は、適宜に形成されてよいが、図4の例の準備において所定枚数として四枚が初期手札としてデッキDCからドローされる。続く一回目のドローフェイズでは、その四枚に一枚がデッキDCから手札としてドローされ、五枚の手札が形成される。このような経緯で五枚の手札が形成され、以降のドローフェイズではこの五枚が維持されるようにドローが実現される。例えば、手札の数が四枚に減っていれば一枚が、三枚に減っていれば二枚が、それぞれ配布数として決定され、ドローフェイズでドロー(配布)される。結果として、ドローフェイズにおいて配布数として決定される基準数に至る数は、直近のメインフェイズにおいて手札の数が五枚(基準数)だった場合には、そのメインフェイズにおいて第1ゲームフィールドGF1への配置に伴い、減少した手札の枚数分に対応する。
一方、メインフェイズでは手札からゲームフィールドGFへの配置が実行されない場合も考えられる。このため、手札の数は五枚を超えて増える場合も考えられる。手札の数が五枚を超えている場合のドローフェイズの配布数も適宜に決定されてよく、例えば五枚に達していない場合と同様に直近のメインフェイズにおける減少分(使用分)が配布数として決定されてもよい。あるいは、ドロー不可として配布が省略されてもよいが、一例として固定数に決定される。固定数として同様に適宜の数が利用されてよいが、一例として最低数の一枚が採用される。結果として、ドローフェイズにおける配布数は、手札の残数が五枚に達していない場合には手札の残数に応じて決定され、手札の残数が五枚以上の場合には最低数の一枚に決定される。
図6の例では、(a)ドロー前において手札の数は二枚であり、五枚に達していない。このため、基準数に至る数として、直近の減少分に相当する三枚が第1手札領域HR1に手札として配布されている。そして、(b)ドロー後が示すように、このような配布(ドロー)に伴い、第1手札領域HR1に実際にカードCが配布される。つまり、手札のカード群CGを形成するように第1手札領域HR1に三枚のカードCが配布され、ドロー後には手札の数は基準数の五枚に戻っている。一例として、このようにドローフェイズではドロー数(配布数)が決定される。
次に、図7及び図8を参照して、カード配置処理、及びカード配布処理の手順を説明する。カード配置処理は、メインフェイズにおいて手札の一部をゲームフィールドGFに配置するための処理である。カード配置処理は適宜に実現されてよいが、図7の例はゲームフィールドGFへの配置対象、及びその配置領域がプレイヤの選択(指定)に応じて決定される場合のカード配置処理を示している。この場合、進行制御部43は、スタンバイフェイズの終了(例えば所定の終了操作が実行された場合等の終了条件を満たす場合)毎に図7のカード配置処理を開始し、まず手札のカード群CGから配置対象のカードCを選択するための選択機会を付与する(ステップS101)。選択機会は、カードCの種類にかかわらず任意の数の選択(配置)を許容するように付与される。また、この付与は、特定の選択画面の提示等により適宜に実現されてもよいが、例えばスタンバイフェイズとゲーム画面50が共通している場合には、そのような選択を受け付ける期間及び案内により実現されてもよい。また、選択機会では、モンスタカードのモンスタ領域MR以外への配置指示等、不適切な指示に関する各種チェックが実行されてもよい。
続いて進行制御部43は、選択機会における選択の有無を判別する(ステップS102)。選択機会において配置対象のカードCが選択されていない場合、つまりゲームフィールドGFへのカードCの配置をプレイヤが希望していない場合(例えばモンスタカードを第2魔法領域M2に配置する指示等、適切な配置指示が実行されていない場合を含む)、進行制御部43は、以降の処理をスキップして今回のカード配置処理を終了する。この場合、メインフェイズの終了条件が満たされ、次のバトルフェイズに以降してもよい。
一方、選択機会において配置対象のカードCが選択されている場合、進行制御部43はその選択結果を取得する(ステップS103)。この選択結果には、配置対象のカードCが配置されるべきゲームフィールドGFの配置領域も含まれる。続いて進行制御部43は、ステップS103で取得した選択結果に基づいて配置対象として選択されたカードCをゲームフィールドGFに配置する(ステップS104)。具体的には、進行制御部43は、手札のカード群CGのうち配置対象として選択されたカードCをその配置先として指定されたモンスタ領域MR等の各配置領域に配置するように、そのカードCの移動表示等を制御する。そして、この配置の後に進行制御部43は、今回のカード配置処理を終了する。これにより、プレイヤの指定に応じて手札の一部がゲームフィールドGFの各配置領域に配置される。また、その配置に伴い、手札のカード群CGの数が減少する。換言すれば、メインフェイズが実現される。
カード配布処理は、ドローフェイズにおけるカードCの配布(ドロー)を実現するための処理である。より具体的には、ドローフェイズにおいてデッキDCから適宜の数を手札のカード群CGを形成するようにカードCを配布(ドロー)するための処理である。進行制御部43は、適宜にカード配布処理を実現してよいが、例えばドローフェイズが開始される毎に図8のカード配布処理を開始し、まず手札を形成するカード群CGの残数を判別する(ステップS201)。
続いて進行制御部43は、ドローフェイズにおいて新しい手札として配布すべき配布数を判別する(ステップS202)。配布数は、上述のように手札の残数が五枚に達していない場合(四枚以下の場合)、その残数に応じて手札の残数が五枚(基準数)に至るように判別される。このため、進行制御部43は、ステップS201の判別結果に基づいて、五枚からその残数を減算(引き算)することにより配布数を判別する。例えば、進行制御部43は、残数が四枚の場合に五枚から四枚を引いた一枚を、残数が三枚の場合に五枚から三枚を引いた二枚を、それぞれ配布数として判別する。一方、進行制御部43は、手札の残数が五枚以上の場合には、固定数の一枚を配布数として判別する。つまり、進行制御部43は、手札の残数が四枚以下の場合とは異なる算出手法により配布数を判別する。
次に進行制御部43は、ステップS202で判別した配布数のカードCをデッキDCから手札領域HRに配布する(ステップS203)。具体的には、進行制御部43は、手札領域HRにおいて手札のカード群CGを形成するように、デッキDCから配布数に対応するカードCを手札領域HRに移動する。つまり、進行制御部43は、デッキDCからステップS202で判別した配布数のドローが実現されるように、デッキDC及び手札領域HRのカードCの表示を制御する。この際、実在のカードを引く感覚をプレイヤに想起させるように、カードCの配布時(ドロー時)にタップ操作等の適宜の操作がプレイヤに要求されてもよい。そして、この配布の後に進行制御部43は今回のカード配布処理を終了する。
図8の手順により、手札の数が五枚に達していない場合(四枚以下の場合)には手札の残数に応じてデッキDCから手札にカードCが配布される。つまり、ドローフェイズにおける手札の数に応じたドローが実現される。一方、手札の数が五枚を超えている場合、その残数にかかわらず、一律に最低数の一枚がデッキDCから手札にカードCが配布される。つまり、五枚を基準にその前後で異なる手法でドローフェイズにおけるドロー数(配布数)が決定される。
以上に説明したように、この形態によれば、手札の残数が五枚(基準数)に達していない場合に、二回目以降のドローフェイズにおける配布数がその残数に応じて変化する。具体的には、手札の残数が二枚の場合には三枚のカードCが、一枚の場合は四枚のカードCが配布数として、ドローフェイズにおいてデッキDCから手札に配布(ドロー)される。このため、例えば手札の残数にかかわらず一律に一枚のカードCだけがドローされる場合に比べて、ドローフェイズにおける配布数を増やすことができる。これにより、カードCの流動性を向上させることができる。また、ドローフェイズの回数に関わらず、デッキDCから手札に移動するカードCの数を増やすことができるので、デッキDCの減少速度、及び手札の増加速度を上昇させることができる。結果として、これらによりゲーム展開の速度上昇を図ることができる。
具体的には、例えば、ドローフェイズにおいて五枚に至る数が配布数として配布される場合、手札の残数を五枚に維持することができる。また、メインフェイズにおいてカードCの種類に関わらず、任意の数の配置が許容される場合、例えばモンスタカードがゲームフィールドGFにおいてライフポイントの減少に寄与するが、その配置が一回のメインフェイズにおいて一枚に制限されている場合に比べて、モンスタカードの配置を促進することができる。結果として、一枚に制限されている場合に比べて、ライフポイントの減少速度上昇を図ることができる。また、このような配置数の増加を通じて、手札の減少を促進することができる。特に、手札の数が五枚に維持される場合、配置数と配布数とをある程度連動させることができる。これにより、ゲーム展開の更なる速度上昇を図ることができる。
さらに、勝利条件としてデッキDCの残数、或いは手札の組み合わせが採用される場合、カードCの流動性の向上が、デッキDCの残数、及び手札の組み合わせの形成に直接関連する。このため、カードCの流動性の向上を、対戦ゲームの対戦における勝敗の判定に直接関連づけることができる。結果として、カードCの流動性を対戦ゲームにおける戦略の一つに追加することができる。より具体的には、例えばドローフェイズにおけるドローの可否が勝利条件として採用される場合、配布数が多いとデッキDCの減少(消費)が激しく、敗者と判定される可能性が上昇してしまう。このため、このような配置とデッキDCの減少とのバランスを図る必要性をプレイヤに要求することができる。これにより、このようなバランスを戦略性に追加することができる。同様に、例えば手札の組み合わせが勝利条件として採用される場合、手札の数によっては勝利条件が満たされるか否かの予測が容易になってしまう可能性がある。例えば、手札の数がゼロであり、かつドローフェイズにおいて一枚しかドローできないとすれば、次回のドローフェイズにおいて手札の組み合わせが成立することはないため、勝利条件が満たされないことは明らかである。このため、ゲーム展開が比較的相手に予測されやすくなってしまうが、手札の残数に応じて次回のドローフェイズにおける配布数が変化する場合、このような予測を難しくすることができる。これにより、このような勝利条件の可否を戦略性に追加することができる。
一方、手札の数が五枚を超えているときに一律の一枚が配布される場合には、五枚(基準数)の前後において配布数の決定手法を変化させることができる。このため、例えば手札の数が五枚を超えているときにも手札の残数に応じて配布数が二枚以上に変化する場合に比べて、手札の残数が五枚を超えているときにおいてカードの流動性等を一定の速度に抑制することができる。これにより、デッキDCの減少速度、及び手札の増加速度が過剰に上昇し過ぎることを抑制することができ、ひいてはゲーム展開の過剰な速度上昇を抑制することができる。すなわち、五枚(基準数)の前後において配布数の決定手法を変化させることにより、ゲーム展開の速度が上昇側に偏り過ぎないようにゲーム展開のバランスを調整することができる。
以上の形態において、ゲーム機4の進行制御部43が、図8の手順を実行することにより本発明の残数判別手段、及び配布数変更手段として機能する。具体的には、ゲーム機4の進行制御部43が、図8のステップS201を実行することにより残数判別手段として、図8のステップS202を実行することにより配布数変更手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機4の進行制御部43が、図7の手順のステップS101を実行することにより本発明の配置工程提供手段として機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、ユーザ端末装置がゲーム機4として利用されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。上述のように各種のゲーム装置がゲーム機4として利用されてよい。また、ゲーム機4は、これらのユーザ端末装置等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。この場合、上述の形態のゲーム機4の役割(各種処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。結果として、一台のセンターサーバ2(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機4が本発明のゲームシステムとして機能してよい。さらに、この場合、ゲーム機4はネットワーク3に接続される必要もない。結果として、ネットワーク接続可能なコンピュータ装置だけでなく、家庭用ゲーム機等の各種の独立型のコンピュータ装置が適宜にゲーム機4として機能してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の配置領域群(GF1、GF2)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(MO)に接続され、複数種類の遊技媒体(C)を含むようにユーザ毎に用意される遊技媒体群(DC)から各配置領域群に配置されるべき候補としてユーザ毎に形成される手元遊技媒体群(CG)のうち、各配置領域群に配置された遊技媒体としての配置遊技媒体(C)を介して、前記複数のユーザ間における対戦が実現される対戦ゲームを提供する場合に、前記手元遊技媒体群の各遊技媒体を各配置領域群のいずれかに配置するための配置工程、及び前記遊技媒体群の各遊技媒体を各遊技媒体が前記手元遊技媒体群を形成するように当該手元遊技媒体群に配布する配布工程を、各ユーザに順に繰り返し提供するゲームシステム(1)であって、前記配置工程の後に前記配布工程が提供される場合に、前記手元遊技媒体群を形成する遊技媒体の残数を判別する残数判別手段(43)と、前記手元遊技媒体群の残数が基準数に達していない場合に、当該手元遊技媒体群に前記配布工程において配布される遊技媒体の数としての配布数を、当該手元遊技媒体群の数が前記基準数以下に収まるように前記残数に応じて変更する配布数変更手段(43)と、を備えるものである。
本発明によれば、手元遊技媒体群の残数が基準数に達していない場合に、配布工程における配布数が、基準数以下に収まる範囲ではあるものの、手元遊技媒体群の残数に応じて変化する。このため、配布工程における配布数を、例えば手元遊技媒体群の数にかかわらず一律に一つの遊技媒体だけが配布される場合に比べて、増やすことができる。これにより、遊技媒体の流動性の向上を図ることができる。また、配布工程の回数に関わらず、遊技媒体群から手元遊技媒体群に移動する遊技媒体の数を増やすことができるので、遊技媒体群の数の減少速度、及び手元遊技媒体群の増加速度を上昇させることができる。結果として、これらによりゲーム展開の速度上昇を図ることができる。
基準数を超えている場合において配布工程における配布数は適宜に設定されてよい。例えば、配置工程における配置数等、適宜のゲーム状況に応じて変化してもよいし、ランダムに決定されてもよい。あるいは、一つ等の適宜の固定数が一律に配布数として設定されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記配布数変更手段は、前記手元遊技媒体群の残数が前記基準数以上である場合に、一律の固定数を前記配布数として利用してもよい。この場合、基準数を基準にその前後において配布数の決定手法を変化させることができる。具体的には、手元遊技媒体群の残数が基準数以上である場合には、配布工程において一律の固定数が配布される。このため、手元遊技媒体群の残数に応じて配布数が変化する場合に比べて、基準数を超えている場合において遊技媒体の流動性等を一定の速度に抑制することができる。これにより、遊技媒体群の数の減少速度、及び手元遊技媒体群の増加速度が過剰に上昇しすぎることを抑制することができ、ひいてはゲーム展開の過剰な速度上昇を抑制することができる。
手元遊技媒体群の残数が基準数に達していない場合の配布数は、基準数に収まる範囲において適宜に設定されてよい。例えば、配布数はユーザによって指定されてもよいし、所定の規則に従って設定されてもよい。例えば、所定の規則として、抽選結果、或いはゲームのプレイ状況等を利用する各種の規則が採用されてよい。また、ゲームのプレイ状況として、遊技媒体群を形成するカードの数、或いは各種の工程が設けられる場合における各工程における適宜の状況が利用されてよい。例えば、このような工程として配置工程が利用され、その配置工程における配置数が配布数として採用されてもよい。換言すれば、手元遊技媒体群の数が基準数に達していない場合に、その基準数に至るために必要な数が配布数として採用されてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記配布数変更手段は、前記手元遊技媒体群の残数が前記基準数に至るように当該基準数に至る数を前記配布数として利用してもよい。この場合、手元遊技媒体群の残数を基準数に維持することができる。
遊技媒体群は各種の遊技媒体を含んでいてよく、配置工程ではそれらの各種の遊技媒体が各配置領域に適宜に配置されてよい。例えば、各種の遊技媒体は、その種類に応じて一回の配置工程において配置領域に配置可能な数が適宜に制限されてもよいし、そのような制限は設定されていなくともよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、勝敗を判定するためにユーザ毎に設定される勝敗価値を減少させるように各配置領域群において対戦相手の前記配置遊技媒体を攻撃する攻撃用遊技媒体、及び当該攻撃用遊技媒体の攻撃を補助する補助用遊技媒体が前記複数種類の遊技媒体に含まれ、前記手元遊技媒体群に二以上の攻撃用遊技媒体が含まれる場合に、当該二以上の攻撃用遊技媒体の各配置領域群への配置を許容するように、前記配置工程を提供する配置工程提供手段(43)を備える態様が採用されてもよい。この場合、配置領域の攻撃用遊技媒体が勝敗を判定するため勝敗価値を減少させるが、例えば一回の配置工程における攻撃用遊技媒体の配置が一つに制限される場合に比べて、このような攻撃用遊技媒体の配置領域への配置をより促進することができる。結果として、一回の配置工程において攻撃用遊技媒体が一つずつ配置される場合に比べて、勝敗価値の減少速度上昇を図ることができる。また、このような配置数の増加を通じて、手元遊技媒体群の残数の減少を促進することができる。特に、基準数が維持されるように配布数が決定される場合には、配置数と配布数とを連動させることができる。これにより、ゲーム展開の更なる速度上昇を図ることができる。
対戦ゲームにおける勝敗は適宜に判定されてよい。例えば勝敗価値が設定される場合にはそのような価値の量に応じて勝敗が判定されてもよい。或いは、そのような判定の代わりに、若しくはそれに加えて、各種の勝利条件が設定されていてもよい。例えば、そのような勝利条件として、遊技媒体群の数、或いは手元遊技媒体群の各種の状況が適宜に利用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対戦ゲームには、各配置領域群における前記配置遊技媒体を介した対戦とは別に前記対戦ゲームの勝敗を判定するための条件として、各遊技媒体群を形成する遊技媒体の残数、或いは前記手元遊技媒体群に含まれる二以上の遊技媒体の組み合わせの少なくともいずれか一方に基づく勝敗条件が設定されていてもよい。この場合、遊技媒体の流動性の向上が、各遊技媒体群を形成する遊技媒体群の残数、或いは手元遊技媒体群に含まれる二以上の遊技媒体の組み合わせの形成に直接関連する。このため、遊技媒体の流動性向上を、対戦における勝敗判定に直接関連づけることができる。結果として、遊技媒体の流動性を対戦ゲームにおける戦略の一つに追加することができる。
勝利条件として、遊技媒体群の残数、或いは手元遊技媒体群に含まれる二種類以上の遊技媒体の組み合わせは適宜に利用されてよい。例えば、勝利条件を利用する本発明の一態様において、前記勝敗条件として、前記配布工程において前記手元遊技媒体群から前記配布数の遊技媒体を配布できない場合の当該手元遊技媒体群に対応するユーザを敗者と、前記配布数の遊技媒体の配布に伴い前記二以上の遊技媒体が所定の組み合わせを形成した場合の当該所定の組み合わせを形成した前記手元遊技媒体群に対応するユーザを勝者と、それぞれ判定する条件が利用されてもよい。この場合、配布数が多いと遊技媒体群の減少が激しく、敗者と判定される可能性が上昇してしまう。このため、例えば配置工程における配置数に応じて配布数が決定される場合、このような配置と遊技媒体群の減少とのバランスを図る必要性をユーザに要求することがきる。これにより、このようなバランスをゲーム展開の戦略性に追加することができる。同様に、例えば、手元遊技媒体群に含まれる二以上の遊技媒体の組み合わせにより勝利条件が満たされる場合、手元遊技媒体群の数によっては勝利条件が満たされるか否かの予測が容易になってしまう可能性がある。具体的には、例えば手元遊技媒体群の遊技媒体の数がゼロであり、かつ配布工程における配布数が一律に一つであれば、一回の配布工程では勝利条件が満たされないことが明らかである。このため、ゲーム展開が比較的対戦相手に予測されやすくなってしまうが、手元遊技媒体群の残数に応じて一回に複数の遊技媒体の配布がされる場合、このような予測を難しくすることができる。これにより、このような勝利条件の可否をゲーム展開の戦略性に追加することができる。
遊技媒体として、各種の媒体が採用されてよい。例えば、遊技媒体として、ゲーム画面に表示される電子的なフィギア、車、動物、或いは人等の各種の媒体が採用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記対戦ゲームは、前記遊技媒体として前記ゲーム画面に電子的に表示される仮想カード(C)を利用してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記表示装置に接続されるコンピュータ(41)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
また、本発明の制御方法は、複数のユーザにそれぞれ対応する複数の配置領域群(GF1、GF2)を含むゲーム画面(50)を表示する表示装置(MO)に接続され、複数種類の遊技媒体(C)を含むようにユーザ毎に用意される遊技媒体群(DC)から各配置領域群に配置されるべき候補としてユーザ毎に形成される手元遊技媒体群(CG)のうち、各配置領域群に配置された遊技媒体としての配置遊技媒体(C)を介して、前記複数のユーザ間における対戦が実現される対戦ゲームを提供する場合に、前記手元遊技媒体群の各遊技媒体を各配置領域群のいずれかに配置するための配置工程、及び前記遊技媒体群の各遊技媒体を各遊技媒体が前記手元遊技媒体群を形成するように当該手元遊技媒体群に配布する配布工程を、各ユーザに順に繰り返し提供するゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(41)に、前記配置工程の後に前記配布工程が提供される場合に、前記手元遊技媒体群を形成する遊技媒体の残数を判別する残数判別手順と、前記手元遊技媒体群の残数が基準数に達していない場合に、当該手元遊技媒体群に前記配布工程において配布される遊技媒体の数としての配布数を、当該手元遊技媒体群の数が前記基準数以下に収まるように前記残数に応じて変更する配布数変更手順と、を実行させるものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。