JP2021125295A - 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック - Google Patents

導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック Download PDF

Info

Publication number
JP2021125295A
JP2021125295A JP2020015524A JP2020015524A JP2021125295A JP 2021125295 A JP2021125295 A JP 2021125295A JP 2020015524 A JP2020015524 A JP 2020015524A JP 2020015524 A JP2020015524 A JP 2020015524A JP 2021125295 A JP2021125295 A JP 2021125295A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive member
resin
metal member
metal
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020015524A
Other languages
English (en)
Inventor
和樹 木村
Kazuki Kimura
和樹 木村
知記 鳥居
Tomoki Torii
知記 鳥居
高広 冨永
Takahiro Tominaga
高広 冨永
海 森元
Umi Morimoto
海 森元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2020015524A priority Critical patent/JP2021125295A/ja
Publication of JP2021125295A publication Critical patent/JP2021125295A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

【課題】気密性及び変形許容性に優れる導電用部材及びその製造方法を提供すること、並びに気密性変形許容性に優れる導電用部材を備える電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パックを提供すること。
【解決手段】金属部材と、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は熱可塑性エラストマーを含む、導電用部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パックに関する。
電力変換装置、モーター、二次電池モジュール、二次電池パックなどに大容量の電流を供給する手段として、バスバーと称される導電用部材が広く使用されている。
例えば、特許文献1には、樹脂材料に金属製の接続ピンを挿入して成形されたバスバーを備えるバスバーユニットが記載されている。
特開2007−209101号公報
特許文献1に記載のバスバーは、樹脂材料に接続ピンを挿入して射出成形により作製されているが、樹脂材料と接続ピンとの接合の状態について詳細に検討されてはいない。樹脂材料と接続ピンとの接合が充分でないとオイル漏れや短絡が発生してバスバーの信頼性が損なわれるおそれがある。
さらには、バスバーに外力が加わって変形した場合などに接続ピンと樹脂材料との界面に剥離が生じて信頼性が損なわれるおそれがある。
本発明は上記事情に鑑み、気密性及び変形許容性に優れる導電用部材及びその製造方法を提供することを課題とする。本発明はまた、気密性及び変形許容性に優れる導電用部材を備える電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パックを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>金属部材と、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は熱可塑性エラストマーを含む、導電用部材。
<2>前記熱可塑性エラストマーは曲げ弾性率が1000MPa以下である、<1>に記載の導電用部材。
<3>前記熱可塑性エラストマーは、カルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を含む、<1>又は<2>に記載の導電用部材。
<4>1つ以上の屈曲部を有する、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の導電用部材。
<5>前記金属部材は、少なくとも前記樹脂部材と接合していない部分にメッキ層を有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の導電用部材。
<6>前記金属部材は、前記樹脂部材と接合している部分にメッキ層を有しない、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の導電用部材。
<7>前記樹脂部材は、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している第1の樹脂部材と、前記金属部材と前記第1の樹脂部材との境界を被覆する第2の樹脂部材と、を有する、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の導電用部材。
<8><1>〜<6>のいずれか1項に記載の導電用部材の製造方法であって、
金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、
前記金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法。
<9><7>に記載の導電用部材の製造方法であって、
金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、
前記金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に第1の樹脂部材を形成する工程と、
前記金属部材と前記第1の樹脂部材との境界を被覆する第2の樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法。
<10>前記金属部材の前記樹脂部材と接合していない部分の少なくとも一部にメッキ層を付与する工程をさらに有する、<8>又は<9>に記載の導電用部材の製造方法。
<11>変形加工をする工程をさらに有する、<8>〜<10>のいずれか1項に記載の導電用部材の製造方法。
<12><1>〜<7>のいずれか1項に記載の導電用部材を備える電力変換装置。
<13><1>〜<7>のいずれか1項に記載の導電用部材を備えるモーター。
<14><1>〜<7>のいずれか1項に記載の導電用部材を備える二次電池モジュール。
<15><1>〜<7>のいずれか1項に記載の導電用部材を備える二次電池パック。
本発明によれば、気密性及び変形許容性に優れる導電用部材及びその製造方法が提供される。また本発明によれば、気密性及び変形許容性に優れる導電用部材を備える電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パックが提供される。
本発明の導電用部材の構成の一例を模式的に示す断面図である。 図1に示す導電用部材の一部の斜視図である。
本開示において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、材料中の各成分の量は、材料中の各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、材料中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
<導電用部材>
本発明の導電用部材は、金属部材と、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は熱可塑性エラストマーを含む、導電用部材である。
上記導電用部材は、金属部材と接合している樹脂部材が熱可塑性エラストマーを含むため、変形許容性に優れている。このため、例えば、外力が加わりやすい環境で使用される導電用部材として好適に使用できる。あるいは、樹脂部材を接合した状態で曲げ加工等を行っても金属部材と樹脂部材とが剥離しにくいため、多様な形状の製品を得ることができる。
本開示において変形許容性とは、導電用部材が変形しても当該箇所における金属部材と樹脂部材との界面の気密性が維持される性質をいう。
(樹脂部材)
樹脂部材は、熱可塑性エラストマーを含むものであれば、特に制限されない。
熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー(TPE)が挙げられる。
本開示においてTPEとは、ゴムのように加硫をする必要のない弾性体材料であり、一般にハード成分(硬く剛直な成分)とソフト成分(軟らかくフレキシブルな成分)から構成された材料を意味する。
TPEの中でも接着強度、シール特性、耐酸性、及び接合面の気密性の観点から、ウレタン系TPE(TPU)及びアミド系TPE(TPAEと呼ぶ場合がある)の少なくとも一方が好ましく、TPUとTPAEをともに含むことがより好ましい。
樹脂部材がTPUおよびTPAEを含む場合、樹脂部材中のTPUおよびTPAEの合計含有量は、例えば60質量%以上100質量%以下であってよく、65質量%以上95質量%以下であってよく、70質量%以上95質量%以下であってよい。
TPUは、例えば、ジイソシアナートと短鎖グリコール(鎖延長剤)からなるハードセグメントと、数平均分子量が1000〜4000程度のポリマーグリコールを主体とするソフトセグメントから構成されるマルチブロックポリマーである。ジイソシアナートとしては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)に代表される芳香族イソシアナート等が挙げられる。耐候性を要求される用途では、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)等の脂肪族イソシアナート等も適宜用いられる。短鎖グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペンタルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビスヒドロキシエチルハイドロキノン、及びそれらの混合物等が挙げられる。ポリマーグリコールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)に代表されるポリエーテルポリオール、アジピン酸と脂肪族または芳香族グリコールとの縮合系であるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンを開環重合したポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。
ジイソシアナート成分、短鎖グリコールおよびポリマーグリコールとしてどのような成分を用いるかによって、TPUはエーテル系、アジペートエステル系、カプロラクトン系、カーボネート系等に分類されているが、いずれのTPUも使用することができる。
本実施形態に係る導電用部材を酸性雰囲気下に晒す場合は、エーテル系TPUまたはエステル系TPUが好んで用いられ、エーテル系TPUがより好ましく用いられる。
市販されているTPUとしては、例えば、大日精化工業社のRESAMINE P(商標)、DICコベストロポリマー社のPANDEX(商標)、東ソー社のミラクトラン(商標)、ダウケミカル社のPELLETHANE(商標)、B.F.グッドリッチ社のESTANE(商標)、及びバイエル社のDESMOPAN(商標)等が挙げられる。
TPAEとは、結晶性で融点の高いハードセグメントを構成するポリマーと非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成するポリマーとを有する共重合体からなる熱可塑性樹脂材料であって、ハードセグメントを構成するポリマーの主鎖にアミド結合(−CONH−)を有するものを意味する。TPAEとしては、例えば、JIS K6418:2007に規定されるアミド系熱可塑性エラストマーや、特開2004−346273号公報に記載のポリアミド系エラストマー等を挙げることができる。
TPAEとしては、例えば、少なくともポリアミドが結晶性で融点の高いハードセグメントを構成し、他のポリマー(例えば、ポリエステルまたはポリエーテル等)が非晶性でガラス転移温度の低いソフトセグメントを構成している材料が挙げられる。また、TPAEはハードセグメントおよびソフトセグメントの他に、ジカルボン酸等の鎖長延長剤を用いてもよい。上記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、例えば、ω−アミノカルボン酸やラクタムによって生成されるポリアミドを挙げることができる。
上記ω−アミノカルボン酸としては、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の炭素数5〜20の脂肪族ω−アミノカルボン酸等を挙げることができる。また、ラクタムとしては、例えば、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタム、ウデカンラクタム、ω−エナントラクタム、2−ピロリドン等の炭素数5〜20の脂肪族ラクタム等を挙げることができる。上記ハードセグメントを形成するポリアミドとしては、ラウリルラクタム、ε−カプロラクタムまたはウデカンラクタムを開環重縮合したポリアミドを好ましく用いることができる。
上記ソフトセグメントを形成するポリマーとしては、例えば、ポリエステル、ポリエーテルが挙げられ、上記ポリエーテルとしては、例えば、ポリエチレングリコール、プリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ABA型トリブロックポリエーテル等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を用いることができる。また、ポリエーテルの末端にアンモニア等を反応させることによって得られるポリエーテルジアミン等を用いることができる。
上記ハードセグメントと上記ソフトセグメントとの組合せとしては、上述で挙げたハードセグメントとソフトセグメントとのそれぞれの組合せを挙げることができる。この中でも、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリエチレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリプロピレングリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ポリテトラメチレンエーテルグリコールの組合せ、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せ、が好ましく、ラウリルラクタムの開環重縮合体/ABA型トリブロックポリエーテルの組合せが特に好ましい。
上記ハードセグメントを構成するポリマー(ポリアミド)の数平均分子量としては、溶融成形性の観点から、300〜15000が好ましい。また、上記ソフトセグメントを構成するポリマーの数平均分子量としては、強靱性および低温柔軟性の観点から、200〜6000が好ましい。更に、上記ハードセグメント(x)およびソフトセグメント(y)との質量比(x:y)は、成形性の観点から、50:50〜90:10が好ましく、50:50〜80:20が更に好ましい。
上記TPAEは、上記ハードセグメントを形成するポリマーおよびソフトセグメントを形成するポリマーを公知の方法によって共重合することで合成することができる。
上記TPAEとしては、例えば、アルケマ社のペバックス33シリーズ(例えば、7233、7033、6333、5533、4033、MX1205、3533、2533)、宇部興産(株)の「UBESTA XPA」シリーズ(例えば、XPA9063X1、XPA9055X1、XPA9048X2、XPA9048X1、XPA9040X1、XPA9040X2等)、ダイセル・エボニック(株)の「ベスタミド」シリーズ(例えば、E40−S3、E47−S1、E47−S3、E55−S1、E55−S3、E
X9200、E50−R2)等を用いることができる。
金属部材に対する接合強度の観点からは、樹脂部材は、カルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を含むことが好ましい。樹脂部材にカルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を含有させる方法としては、樹脂部材に含まれる熱可塑性エラストマーの分子にカルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を導入する方法、樹脂部材にカルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を含むポリマー(酸変性ポリマー)をブレンドする方法などが挙げられる。
酸変性ポリマーとしては、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分起因の骨格を含有する酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく用いられる。酸変性ポリオレフィン樹脂の主成分であるオレフィン成分としては、エチレンや、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等のα−オレフィンが好ましく、これらの混合物を用いてもよい。中でも、密着性や耐水性等の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテンが特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂を構成する不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無水)アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アリルコハク酸等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、例えば、不飽和ジカルボン酸のハーフエステルやハーフアミド等のように、分子内に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物を用いることができる。中でもポリオレフィン樹脂への導入のし易さの点から、(無水)マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。なお、「(無水)〜酸」とは、「〜酸または無水〜酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸または無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸とオレフィン成分との共重合形態は限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられるが、重合のし易さの点から、グラフト共重合が好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体;エチレン/プロピレン/(無水)マレイン酸共重合体、エチレン/1−ブテン/(無水)マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/1−ブテン/(無水)マレイン酸共重合体等のエチレン/α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体;プロピレン/1−ブテン/(無水)マレイン酸共重合体、プロピレン/オクテン/(無水)マレイン酸共重合体等のプロピレン/α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体;エチレン/(メタ)アクリル酸エステル/(無水)マレイン共重合体;エチレン/(無水)マレイン酸共重合体;プロピレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂には、必要に応じて上記以外の他の構成単位が含まれていてもよい。他の構成単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;ビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール;2−ヒドロキシエチルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル;スチレン;置換スチレン;ハロゲン化ビニル類;ハロゲン化ビリニデン類;一酸化炭素;二酸化硫黄等が挙げられ、これらの混合物を用
いてもよい。これらの他の構成単位の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂の全体を100質量%としたとき、10質量%以下であることが好ましい。
酸変性ポリマーとしては、リビングアニオン重合で得られる下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル系ブロック共重合体も用いることができる。
−[a]−[b]−[a]− (1)
(式中、[a]はメチルメタクリレート重合体ブロックであり、[b]はアルキル基の炭素数が0〜12であるアルキル(メタ)アクリレート重合体ブロックである)。なお、本実施形態において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
市販されている酸変性ポリマーとしては、例えば、三井・デュポンポリケミカル社製の酸変性ポリオレフィン樹脂であるニュクレル(登録商標)シリーズ、そのアイオノマー樹脂であるハイミラン(登録商標)シリーズ、クラレ社製のアクリル系ブロック共重合体であるクラリティ(登録商標)シリーズ、三菱ケミカル社製の酸変性ポリオレフィン樹脂であるモディック(登録商標)シリーズ、三井化学社製の酸変性ポリプロピレンであるアドマー(登録商標)シリーズ、日本ポリエチレン社製の酸変性ポリエチレン樹脂であるレクスパール(登録商標)シリーズ、アルケマ社製の無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂であるボンダイン(登録商標)シリーズ等が挙げられる。
樹脂部材は、JIS K0070(1992)に準拠して測定される酸価が1mgKOH/g以上であることが好ましい。酸価が1mgKOH/g以上であると、樹脂部材と金属部材との間の接合強度が充分に確保される。酸化の上限値は特に制限されないが、例えば、100mgKOH/g以下であってもよい。
金属部材に対する追従性の観点からは、樹脂部材はJIS K7203(1982)に準拠して測定される、23℃における曲げ弾性率が1000MPa以下であることが好ましく、800MPa以下であることがより好ましく、600MPa以下であることがさらに好ましい。必要な強度を確保する観点からは、樹脂部材の曲げ弾性率は1MPa以上であることが好ましい。
樹脂部材は、熱可塑性エラストマーに加えて種々の配合剤を含んでもよい。配合剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維、無機粉末等の充填材、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。
樹脂部材が樹脂以外の成分を含む場合、樹脂部材全体に占める樹脂の割合は10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。
(金属部材)
導電用部材に含まれる金属部材は、導電性を有するものであれば特に制限されず、一般に使用されるものから選択できる。導電性及び放熱性の観点からは、銅、アルミニウム、銅合金及びアルミニウム合金から選択される少なくとも1種の金属を含むものが好ましい。金属部材に含まれる金属は1種のみでも2種以上であってもよい。また、表面の少なくとも一部にメッキ層を有していてもよい。
金属部材は、表面の少なくとも一部が樹脂部材と接合している。本開示において「接合」とは、樹脂部材が接着剤、ねじ等を用いずに金属部材の表面に接合一体化されることにより取り付けられている状態を意味する。
強固な接合強度を得る観点からは、金属部材の樹脂部材と接合している部分には微細な凹凸構造が形成されていることが好ましい。樹脂部材が金属部材の凹凸構造に入り込むことでアンカー効果が発現し、強固な接合が得られる。その結果、金属部材と樹脂部材との界面の気密性が高く、信頼性に優れる導電用部材が得られる。
金属部材の表面に凹凸構造を形成する方法は特に制限されず、公知の粗化方法により行うことができる。
たとえば、特許第4020957号に開示されているようなレーザーを用いる方法;NaOH等の無機塩基、またはHCl、HNO等の無機酸の水溶液に金属部材の表面を浸漬する方法;特許第4541153号に開示されているような、陽極酸化により金属部材の表面を処理する方法;国際公開第2015−8847号に開示されているような、酸系エッチング剤(好ましくは、無機酸、第二鉄イオンまたは第二銅イオン)および必要に応じてマンガンイオン、塩化アルミニウム六水和物、塩化ナトリウム等を含む酸系エッチング剤水溶液によってエッチングする置換晶析法;国際公開第2009/31632号に開示されているような、水和ヒドラジン、アンモニア、および水溶性アミン化合物から選ばれる1種以上の水溶液に金属部材の表面を浸漬する方法(以下、NMT法と呼ぶ場合がある);特開2008−162115号公報に開示されているような温水処理法;ブラスト処理等の粗化処理が挙げられる。粗化処理の方法は、金属部材の材質、所望の比表面積の値等に応じて使い分けることが可能である。
上記方法の中でも、金属部材の表面に微細な凹凸構造を形成する観点からは、酸系エッチング剤による処理が好ましい。
酸系エッチング剤による処理としては、例えば、下記工程(1)〜(4)をこの順に実施する方法が挙げられる。
(1)前処理工程
金属部材の表面に存在する酸化膜や水酸化物等からなる被膜を除去するための前処理を行う。通常、機械研磨や化学研磨処理が行われる。接合側表面に機械油等の著しい汚染がある場合は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等のアルカリ性水溶液による処理や、脱脂を行ってもよい。
(2)亜鉛イオン含有アルカリ水溶液による処理工程
水酸化アルカリ(MOH)と亜鉛イオン(Zn2+)とを質量比(MOH/Zn2+)1〜100の割合で含む亜鉛イオン含有アルカリ水溶液中に、前処理後の金属部材を浸漬し、表面に亜鉛含有被膜を形成する。なお、前記MOHのMはアルカリ金属またはアルカリ土類金属である。
(3)酸系エッチング剤による処理工程
工程(2)の後に、金属部材を、第二鉄イオンと第二銅イオンの少なくとも一方と、酸を含む酸系エッチング剤により処理して、金属部材の表面上の亜鉛含有被膜を溶離させると共に、ミクロンオーダーの微細凹凸形状を形成させる。
(4)後処理工程
上記工程(3)の後に、金属部材を洗浄する。通常は、水洗および乾燥操作からなる。スマット除去のために超音波洗浄操作を含めてもよい。
金属部材の表面に微細かつ複雑な凹凸構造を形成する観点からは、粗化処理を2回以上行ってもよい。例えば、上記工程(1)〜(4)を実施して金属部材の表面にミクロンオーダーの凹凸構造(ベース粗面)を形成し、その後さらにナノオーダーの凹凸構造(ファイン粗面)を形成してもよい。
金属部材の表面にベース粗面を形成した後にファイン粗面を形成する方法としては、例えば、ベース粗面が形成された金属部材を25℃における標準電極電位Eが−0.2超え0.8以下、好ましくは0超え0.5以下の金属カチオンを含む酸化性酸性水溶液と接触させる方法が挙げられる。
上記酸化性酸性水溶液は、上記Eが−0.2以下の金属カチオンを含まないことが好ましい。
25℃における標準電極電位Eが−0.2超え0.8以下である金属カチオンとしては、Pb2+、Sn2+、Ag、Hg2+、Cu2+等が挙げられる。これらの中では、金属の希少性の視点、対応金属塩の安全性・毒性の視点からは、Cu2+が好ましい。
Cu2+を発生させる化合物としては、水酸化銅、酸化第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸銅、硝酸銅などの無機化合物が挙げられ、安全性、毒性の視点、樹枝状層の付与効率の視点からは、酸化銅が好ましい。
酸化性酸性水溶液としては、硝酸または硝酸に対し塩酸、弗酸、硫酸のいずれかを混合した酸を例示することができる。さらに、過酢酸、過ギ酸に代表される過カルボン酸水溶液を用いてもよい。酸化性酸性水溶液として硝酸を用い、金属カチオン発生化合物として酸化第二銅を用いる場合、水溶液を構成する硝酸濃度は、例えば10質量%〜40質量%、好ましくは15質量%〜38質量%、より好ましくは20質量%〜35質量%である。また、水溶液を構成する銅イオン濃度は、例えば1質量%〜15質量%、好ましくは2質量%〜12質量%、より好ましくは2質量%〜8質量%である。
ベース粗面が形成された金属部材を酸化性酸性水溶液と接触させる際の温度は特に制限されないが、発熱反応を制御しつつ経済的なスピードで粗化を完結するために、例えば常温〜60℃、好ましくは30℃〜50℃の処理温度が採用される。この際の処理時間は、例えば1分〜15分、好ましくは2分〜10分の範囲にある。
金属部材の表面に粗化処理により形成される凹凸構造の状態は、特に制限されない。
凹凸構造における凹部の平均孔径は、たとえば5nm〜250μmであってよく、好ましくは10nm〜150μmであり、より好ましくは15nm〜100μmである。
また、凹凸構造における凹部の平均孔深さは、たとえば5nm〜250μmであってよく、好ましくは10nm〜150μmであり、より好ましくは15nm〜100μmである。
凹凸構造における凹部の平均孔径または平均孔深さのいずれかまたは両方が上記数値範囲内であると、より強固な接合が得られる傾向にある。
凹凸構造における凹部の平均孔径および平均孔深さは、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡を用いることによって求めることができる。具体的には、金属部材の表面および表面の断面を撮影する。得られた写真から、任意の凹部を50個選択し、それらの凹部の孔径および孔深さから、凹部の平均孔径および平均孔深さをそれぞれ算術平均値として算出することができる。
金属部材の寸法は特に制限されず、導電用部材の用途に応じて設定できる。例えば、金属部材の断面積(断面積が一定でない場合は、断面積の最小値)が1mm〜1,000mmの範囲であってもよい。
金属部材の断面積の形状は特に制限されず、四角形、円形等であってよい。金属部材は屈曲していても屈曲していなくてもよい。
金属部材は、メッキ層を有していてもよい。メッキ層の効果や役割は様々であり、金属部材への導電性の付与、金属部材の溶接、防食性の付与等が挙げられる。例えば、導電性を付与するためのメッキ層は、金属部材の表面に絶縁性の皮膜が形成されて接触抵抗が生じるのを抑制するなどの効果がある。メッキ層の材質は特に制限されず、スズ(Sn)、亜鉛(Zi)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の公知の材料を使用することができる。メッキ層の厚みは特に制限されない。例えば、10nm〜2,000μmの範囲であってもよい。
金属部材がメッキ層を有する場合、金属部材の表面の全体にメッキ層を有していても、表面の一部にメッキ層を有していてもよい。
接触抵抗を抑制する観点からは、金属部材が少なくとも樹脂部材と接していない部分にメッキ層を有していることが好ましい。
樹脂部材との接合強度を確保する観点からは、金属部材が樹脂部材と接合している部分にメッキ層を有しないことが好ましい。
導電性部材は、1つ以上の屈曲部を有していてもよい。屈曲部の状態は特に制限されず、導電性部材の所望の形状に応じて設定できる。
金属部材と樹脂部材との界面の気密性を維持する観点からは、金属部材の屈曲部に相当する部分は熱可塑性エラストマーを含む樹脂部材と接合していることが好ましい。
金属部材の表面に接合している樹脂部材は、1部材であっても2部材以上の組み合わせであってもよい。例えば、図1及び図2に示すように、金属部材1の本体の周囲に配置される樹脂部材2と、金属部材1と樹脂部材2との境界を被覆するように配置される樹脂部材3との組み合わせであってもよい。
金属部材1と樹脂部材2との境界を被覆する樹脂部材3を設けることで、金属部材1と樹脂部材2との気密性がより高まり、信頼性がより向上する。樹脂部材3はシール性を高める観点から、樹脂部材1と樹脂部材3の弾性率を比較したときに、樹脂部材3の弾性率がより低いことが望ましい。
樹脂部材が2部材以上の組み合わせである場合、それぞれの部材に含まれる熱可塑性エラストマーは同じであっても異なっていてもよい。あるいは、いずれか1部材が熱可塑性エラストマーを含み、他の部材が熱可塑性エラストマーを含まない構成であってもよい。例えば、樹脂部材2に熱可塑性エラストマーを使用し、樹脂部材3に熱可塑性エラストマーと異なる樹脂を使用してもよく、樹脂部材2に熱可塑性エラストマーと異なる樹脂を使用し、樹脂部材3に熱可塑性エラストマーを使用してもよい。
熱可塑性エラストマーと異なる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリケトン系樹脂等の熱可塑性樹脂;
フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂;及びゴム等の熱硬化性エラストマーが挙げられる。
樹脂部材が金属部材の表面に接合された状態は、たとえば、溶融等により流動性を有する状態の樹脂を金属部材の表面に付与して形成することができる。金属部材の表面に付与する際の樹脂が流動性を有する状態であると、金属部材の表面の凹凸構造に樹脂が入り込んでアンカー効果が発現し、樹脂部材が金属部材の表面に強固に接合する。
流動性を有する状態の樹脂は、金型等を用いて所望の形状に成形してもよい。成形の方法は特に制限されず、射出成形等の公知の手法により行うことができる。
(導電用部材の用途)
本発明の導電用部材としては、例えば、バスバー、端子、コネクター等を挙げることができ、種々の用途に適用可能である。具体的には、例えば、インバーター、コンバーター等の電力変換装置、モーター、イーアクシル等の機電一体型モーター、二次電池を含む二次電池モジュール、二次電池パックなどに用いることができる。
<導電用部材の製造方法A>
本発明の導電用部材の製造方法Aは、上述した導電用部材の製造方法であって、金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法である。
<導電用部材の製造方法B>
本発明の導電用部材の製造方法Bは、上述した導電用部材の製造方法であって、金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に第1の樹脂部材を形成する工程と、前記金属部材と前記第1の樹脂部材との境界を被覆する第2の樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法である。
以下では導電用部材の製造方法Aと導電用部材の製造方法Bをあわせて「導電用部材の製造方法」とも称する。
一般的な導電用部材の製造方法では、金属部材の全面にメッキ層を形成した後に必要な箇所を樹脂部材で被覆する。次いで、金属部材と樹脂部材との境界の気密性を確保するために、気密を確保したい領域のみを硬化型封止材で封止する(ポッティング工程)。
これに対して本発明の方法では、金属部材の表面の粗化処理された部分に樹脂部材を形成する。これにより金属部材と樹脂部材との境界広い範囲での気密性が充分に確保される。このため、オイル漏れや短絡の発生を効果的に抑制できる。あるいは、気密性を確保するためのポッティング工程を省略することも可能である。
上記方法は、金属部材の前記樹脂部材と接合していない部分の少なくとも一部にメッキ層を付与する工程をさらに有していてもよい。
金属部材の樹脂部材と接合していない部分にメッキ層を付与することで、金属部材の腐食を防ぎ、安定した電気特性を維持することができる。なお、金属部材と樹脂部材とが接合した状態で高い気密性を有しているため、この状態でメッキ処理を行ってもメッキ液が金属部材と樹脂部材の界面に入り込むことなく、接合状態に悪影響を及ぼすことはない。
また、金属部材の樹脂部材と接合していない部分に溶接が必要な場合は、溶接させるためのメッキ層を付与することもできる。
このように、金属部材の全面にメッキ層を形成する場合に比べ、必要な部分にのみメッキ層を付与することでメッキ材料を節約することができる。
上記方法において、金属部材の表面のうち樹脂部材と接合させる部分は、上記のような防食性などの効果を有するメッキ層を設けずに粗化処理されていることが好ましい。
メッキ処理の条件及び接合される樹脂の種類にもよるが、一般的なメッキ層は表面凹凸が少なく、樹脂との接合性に劣る傾向にある。また、例えばポーラスメッキと呼ばれる金属との接合性を高めたメッキ処理などは、メッキ処理により形成した微細孔に樹脂が充分入り込まない場合が考えられ、接合強度の長期信頼性の低下や気密性の低下が生じる恐れがある。この場合、金属部材と樹脂部材を接合した後、必要な部分にのみメッキ処理を行うことで、これらの問題を解決することができる。
金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する方法は、上述した粗化処理の方法から選択することができる。
金属部材の表面の粗化処理された部分に樹脂材料を付与する方法及び樹脂材料を固化して樹脂部材を形成する方法は、特に制限されない。例えば、射出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、反応射出成形法、ブロー成形法、熱成形法、プレス成形法等が挙げられる。これらの中でも射出成形法が好ましい。
金属部材の樹脂部材と接していない部分にメッキ層を形成する工程は、例えば、金属部材と樹脂部材とが接合してなる物体をメッキ液に浸漬して行う湿式法(電解めっき、無電解めっき等)、メッキ液に浸漬せずに行う乾式法(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等)などの公知の方法で行うことができる。
上記方法は、導電用部材を変形させる変形加工を伴っていてもよい。変形加工の方法は特に制限されず、曲げ加工、切断加工、エンボス加工等が挙げられる。本発明の導電用部材は変形しても金属部材と樹脂部材との界面の気密性が良好に維持されるため、これらの加工を行うことが可能である。
<電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック>
本発明の電力変換装置、モーター及び二次電池モジュール及び二次電池パックは、それぞれ上述した本発明の導電用部材を備える。このため、導電用部材におけるオイル漏れや短絡が発生しにくく信頼性に優れている。
1…金属部材
2…第1の樹脂部材
3…第2の樹脂部材

Claims (15)

  1. 金属部材と、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している樹脂部材と、を備え、前記樹脂部材は熱可塑性エラストマーを含む、導電用部材。
  2. 前記熱可塑性エラストマーは曲げ弾性率が1000MPa以下である、請求項1に記載の導電用部材。
  3. 前記熱可塑性エラストマーは、カルボキシ基及び酸無水物基の少なくとも一方を含む、請求項1又は請求項2に記載の導電用部材。
  4. 1つ以上の屈曲部を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電用部材。
  5. 前記金属部材は、少なくとも前記樹脂部材と接合していない部分にメッキ層を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電用部材。
  6. 前記金属部材は、前記樹脂部材と接合している部分にメッキ層を有しない、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電用部材。
  7. 前記樹脂部材は、前記金属部材の表面の少なくとも一部と接合している第1の樹脂部材と、前記金属部材と前記第1の樹脂部材との境界を被覆する第2の樹脂部材と、を有する、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電用部材。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電用部材の製造方法であって、
    金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、
    前記金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法。
  9. 請求項7に記載の導電用部材の製造方法であって、
    金属部材の表面の少なくとも一部を粗化処理する工程と、
    前記金属部材の粗化処理された表面の少なくとも一部に第1の樹脂部材を形成する工程と、
    前記金属部材と前記第1の樹脂部材との境界を被覆する第2の樹脂部材を形成する工程と、をこの順に有する導電用部材の製造方法。
  10. 前記金属部材の前記樹脂部材と接合していない部分の少なくとも一部にメッキ層を付与する工程をさらに有する、請求項8又は請求項9に記載の導電用部材の製造方法。
  11. 変形加工をする工程をさらに有する、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の導電用部材の製造方法。
  12. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電用部材を備える電力変換装置。
  13. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電用部材を備えるモーター。
  14. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電用部材を備える二次電池モジュール。
  15. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の導電用部材を備える二次電池パック。
JP2020015524A 2020-01-31 2020-01-31 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック Pending JP2021125295A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020015524A JP2021125295A (ja) 2020-01-31 2020-01-31 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020015524A JP2021125295A (ja) 2020-01-31 2020-01-31 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021125295A true JP2021125295A (ja) 2021-08-30

Family

ID=77459342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020015524A Pending JP2021125295A (ja) 2020-01-31 2020-01-31 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021125295A (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59173469U (ja) * 1983-04-30 1984-11-20 株式会社三協精機製作所 小型直流電動機
JP2001023753A (ja) * 1999-07-05 2001-01-26 Fuji Densen Kogyo Kk 電源コードの製造方法
JP2008027823A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Denso Corp 電池容器用封口板,その製造方法および非水電解液電池
JP2008530762A (ja) * 2005-02-15 2008-08-07 パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電気的なランプのランプソケット
JP2014135168A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 多層モールドバスバーの製造法
JP2016072039A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 豊田合成株式会社 バスバーモジュール
JP2018129197A (ja) * 2017-02-08 2018-08-16 三井化学株式会社 防水コネクタ
JP2018181459A (ja) * 2017-04-05 2018-11-15 矢崎総業株式会社 コネクタ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59173469U (ja) * 1983-04-30 1984-11-20 株式会社三協精機製作所 小型直流電動機
JP2001023753A (ja) * 1999-07-05 2001-01-26 Fuji Densen Kogyo Kk 電源コードの製造方法
JP2008530762A (ja) * 2005-02-15 2008-08-07 パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング 電気的なランプのランプソケット
JP2008027823A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Denso Corp 電池容器用封口板,その製造方法および非水電解液電池
JP2014135168A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Shin Kobe Electric Mach Co Ltd 多層モールドバスバーの製造法
JP2016072039A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 豊田合成株式会社 バスバーモジュール
JP2018129197A (ja) * 2017-02-08 2018-08-16 三井化学株式会社 防水コネクタ
JP2018181459A (ja) * 2017-04-05 2018-11-15 矢崎総業株式会社 コネクタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102016783B1 (ko) 금속 수지 접합체 및 그 제조 방법
JP7405225B2 (ja) 電池用包装材料、その製造方法、及び電池
KR102281543B1 (ko) 전지용 포장 재료
KR102701922B1 (ko) 축전 장치용 외장재
CN106663755B (zh) 电池用包装材料
EP2709186B1 (en) Cladding for lithium ion cell, lithium ion cell, and method for producing lithium ion cell
EP2615658A1 (en) Lithium ion battery outer cover material
WO2006046615A1 (ja) 積層体及び二次電池
CN103085384B (zh) 带有树脂膜的金属制外装材料及其制造方法
JP5772412B2 (ja) リチウムイオン電池外装材、リチウムイオン電池
JP2015144122A (ja) リチウム電池用外装材
JP2023155232A (ja) 導電用部材の製造方法
CN104241581B (zh) 引线部件
JP2015144121A (ja) リチウム電池用外装材
JP2021125295A (ja) 導電用部材、導電用部材の製造方法、電力変換装置、モーター、二次電池モジュール及び二次電池パック
JP6987256B2 (ja) 複合構造体および電子機器用筐体
JP2016162491A (ja) リチウムイオン電池
JP6183031B2 (ja) リチウム電池用外装材
CN110654082A (zh) 一种复合金属板材和一种壳体及其制备方法和一种电子产品
JP7532776B2 (ja) 蓄電装置用外装材及びこれを用いた蓄電装置
WO2022202712A1 (ja) 温度制御構造、電池パック、及び温度制御構造の製造方法
JP2019129002A (ja) 蓄電装置用外装材の製造方法
KR102387069B1 (ko) 이차전지용 알루미늄 파우치 필름 및 이의 제조방법
JP6562132B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP2021178495A (ja) 金属樹脂接合体の製造方法及び金型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240213