JP2021125292A - デバイス構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】窒化ケイ素を含む層を含み且つクラックを抑制可能な封止層を備えるデバイス構造体を製造できるデバイス構造体の製造方法を提供する。【解決手段】基材及び前記基材上に設けられた素子部を備える複層物を用意する工程(a)と、素子部を封止する封止層を形成する工程(b)とを含むデバイス構造体の製造方法であって;封止層を形成する工程(b)が、第一封止層を形成する工程(b1)と、第二封止層を形成する工程(b2)とを含み;第一封止層を形成する工程(b1)が、熱可塑性エラストマー及び溶媒を含む第一中間層を形成する工程(b1−1)と、第一中間層を乾燥させる工程(b1−2)とを含み;第二封止層を形成する工程(b2)が、ポリシラザン化合物を含む第二中間層を形成する工程(b2−1)と、第二中間層に紫外線を照射する工程(b2−2)とを含む;デバイス構造体の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、デバイス構造体及びその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス装置及びフレキシブルタッチセンサ等のデバイスでは、デバイス内への水分の侵入を抑制する構成要素を設けることが求められる場合がある。例えば有機エレクトロルミネッセンス装置は、ガラス板等の基材と、この基材上に設けられた電極層及び発光層を含む素子部とを備えうる。素子部に含まれる材料には、水分の侵入によって劣化しうるものがある。そこで、素子部への水分の侵入を抑制するために、素子部を封止する封止層を形成することがある。
多くのデバイスにおいて、封止層は、有機材料で形成された有機封止層と無機材料で形成された無機封止層とを備える(特許文献1)。従来、有機封止層は、大気圧下で形成されることが一般的であった。また、無機封止層は、CVD法(Chemical Vapor Deposition)等の方法によって、真空環境下で形成されることが多かった。
特開2018−147812号公報
しかし、特許文献1に記載のような真空環境下でのプロセスは、無機封止層の形成装置が大型化及び複雑化するので、高コストの原因となっていた。特に、プラズマを用いるプラズマCVD法等のプロセスでは、プラズマダスト等の粒子が発生し、この粒子が素子部の劣化の原因となりえた。
このような背景から、大気圧下で無機封止層を形成できる技術の開発が求められている。この要求に応えるため、近年、ポリシラザン化合物を用いて、窒化ケイ素を含む無機封止層を大気圧下で形成する方法が開発された(Lina Sun、Kaho Uemura、Tatsuhiro Takahashi、Tsukasa Yoshida、Yoshiyuki Suzuri、「Interfacial Engineering in Solution Processing of Silicon−Based Hybrid Multilayer for High Performance Thin Film Encapsulation」、ACS Appl. Mater. Interfaces、11、43425−43432(2019))。しかし、ポリシラザン化合物を用いて形成される前記の無機封止層は、高温環境において容易にクラックを生じる。クラックが生じると、封止能力が損なわれて、素子部への水分の浸入を抑制することが困難になる。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、窒化ケイ素を含む層を含み、且つ、クラックを抑制可能な封止層を備えるデバイス構造体を製造できる、デバイス構造体の製造方法;及び、その製造方法で製造されるデバイス構造体;を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく鋭意検討した。その結果、本発明者は、熱可塑性エラストマー及び溶媒を含む第一中間層を乾燥して形成される第一封止層と、ポリシラザン化合物を含む第二中間層に紫外線を照射して形成される第二封止層とを組み合わせて含む封止層を用いることにより、前記の課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 基材、及び、前記基材上に設けられた素子部を備える複層物を用意する工程(a)と、
前記素子部を封止する封止層を形成する工程(b)と、を含む、デバイス構造体の製造方法であって、
前記封止層を形成する工程(b)が、第一封止層を形成する工程(b1)と、第二封止層を形成する工程(b2)と、を含み、
前記第一封止層を形成する工程(b1)が、熱可塑性エラストマー及び溶媒を含む第一中間層を形成する工程(b1−1)と、前記第一中間層を乾燥させる工程(b1−2)と、を含み、
前記第二封止層を形成する工程(b2)が、ポリシラザン化合物を含む第二中間層を形成する工程(b2−1)と、前記第二中間層に紫外線を照射する工程(b2−2)と、を含む、デバイス構造体の製造方法。
〔2〕 前記工程(b1−1)が、前記熱可塑性エラストマー及び前記溶媒を含む樹脂組成物を塗工することを含む、〔1〕に記載のデバイス構造体の製造方法。
〔3〕 前記熱可塑性エラストマーが、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体、及び、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物、からなる群より選ばれる1種類以上である、〔1〕又は〔2〕に記載のデバイス構造体の製造方法。
〔4〕 前記工程(b2−1)が、前記ポリシラザン化合物を含む液状組成物を塗工することを含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
〔5〕 工程(b)が、前記工程(b1)及び前記工程(b2)をこの順で行うことを含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
〔6〕 前記素子部が、有機エレクトロルミネッセンス素子部である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたデバイス構造体。
本発明によれば、窒化ケイ素を含む層を含み、且つ、クラックを抑制可能な封止層を備えるデバイス構造体を製造できる、デバイス構造体の製造方法;及び、その製造方法で製造されるデバイス構造体;を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るデバイス構造体の製造方法の工程(a)で用意される複層物を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る工程(b1)において、複層物上に、素子部を封止する第一封止層が形成された様子を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る工程(b2)において、複層物上に、素子部を封止する第二封止層が形成された様子を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の別の実施形態に係る製造方法で製造されたデバイス構造体を模式的に示す断面図である。 図5は、参考例及び比較例の結果を示す表を示す図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は、下記に示す実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、別に断らない限り、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」、「メタクリル」及びこれらの組み合わせを包含する用語である。例えば、「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」はアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、又はこれらの混合物を包含する。
以下の説明において「溶媒」の文言により示されるものは、説明の便宜上、溶液における媒体のみならず、固形物をその中に分散させる分散媒をも包含する。
[1.デバイス構造体の製造方法の概要]
本発明の一実施形態に係るデバイス構造体の製造方法は、基材、及び、この基材上に設けられた素子部を備える複層物を用意する工程(a)と;素子部を封止する封止層を形成する工程(b)と;を含む。また、封止層を形成する工程(b)が、第一封止層を形成する工程(b1)と、第二封止層を形成する工程(b2)と、を含む。よって、工程(b)によれば、第一封止層及び第二封止層を含む封止層が形成される。
第一封止層を形成する工程(b1)は、熱可塑性エラストマー及び溶媒を含む第一中間層を形成する工程(b1−1)と、第一中間層を乾燥させる工程(b1−2)と、を含む。以下の説明では、第一中間層の形成に用いられる溶媒を、第二中間層の形成に用いられうる溶媒と区別するため、「第一溶媒」と呼ぶことがある。工程(b1−2)において乾燥されると、第一溶媒を第一中間層から除去できるので、前記の熱可塑性エラストマーを含む第一封止層が得られる。熱可塑性エラストマーは、通常は有機材料であるので、第一封止層は、有機封止層として機能できる。
第二封止層を形成する工程(b2)は、ポリシラザン化合物を含む第二中間層を形成する工程(b2−1)と、第二中間層に紫外線を照射する工程(b2−2)と、を含む。工程(b2−2)において第二中間層に紫外線が照射されると、その紫外線の照射によってポリシラザン化合物が反応して、当該反応の反応生成物を含む第二封止層が得られる。前記の反応生成物には、窒化ケイ素等の無機材料が含まれうるので、第二封止層は、無機封止層として機能できる。
前記の製造方法で製造されるデバイス構造体では、窒化ケイ素を含む第二封止層が、クラックを生じ難い。具体的には、高温環境において、第二封止層でのクラックの発生を抑制できる。したがって、前記の製造方法によれば、窒化ケイ素を含む第二封止層を含み、且つ、クラックを抑制可能な封止層を備えるデバイス構造体を製造できる。また、こうして得られるデバイス構造体は、第一封止層及び第二封止層を組み合わせて含む封止層によって素子部が封止されているので、通常は、素子部への水分の浸入を効果的に抑制することができる。
[2.工程(a):複層物の用意]
図1は、本発明の一実施形態に係るデバイス構造体の製造方法の工程(a)で用意される複層物100を模式的に示す断面図である。図1に示すように、工程(a)では、基材110及び素子部120を備える複層物100を用意する。
基材110としては、デバイス構造体を構成しうるものを適宜採用しうる。基材110の例としては、ガラス板、樹脂製の板、及び樹脂製のフィルムが挙げられる。基材は、1の層のみを備えていてもよく、複数の層を備えていてもよい。例えば、樹脂のフィルムと、その表面に設けられたバリア層とを含む基材110を用いてもよい。
素子部120としては、デバイス構造体を構成しうるものを適宜採用しうる。通常、素子部120は、1又は2以上の導体層を含む。用語「導体層」により示される層には、層内の電子の移動によりその機能を発現する各種の層が包含される。よって、用語「導体層」には、例えば、金属等の導電性の高い層のみならず、比較的導電性の低い発光層等の有機薄層も包含されうる。本実施形態に係るデバイス構造体の製造方法では、通常、この導体層の水分による劣化を抑制するために、封止層(図1では図示せず。)が形成される。
導体層の例としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子部を構成する電極層、発光層及びこれらの組み合わせ;並びに、タッチパネルを構成するパターン状の配線;などが挙げられる。導体層は、基材110上に広い面積を占めて設けられていてもよい。また、導体層は、基材110上の配線及びその他の構造物のように、帯状の形状、細線状の形状、矩形の形状、ドット状の形状等の任意の表面形状をもって設けられていてもよい。
素子部120が備える導体層の数は、1でもよく、2以上でもよい。素子部120が2以上の層を備える場合、それらの層は重ならずに並んだ状態であってもよく、それらの層の一部又は全部が重なった状態であってもよい。
素子部120は、当該素子部120の内部又は表面に、導体層以外の部材を含んでいてもよい。このような部材としては、例えば、素子部120の機械的な構造を維持する部材などが挙げられる。この部材の具体例としては、液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス素子等の表示素子の構成部材が挙げられる。
本実施形態では、素子部120として、第一電極層121、発光層122及び第二電極層123を厚み方向においてこの順に備える有機エレクトロルミネッセンス素子部を例に示して説明する。第一電極層121、発光層122及び第二電極層123はいずれも導体層であり、通常、第一電極層121及び第二電極層123から電圧を印加されることにより発光層122が光を生じうる。発光層122の材料の例としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリフルオレン系、及びポリビニルカルバゾール系の材料を挙げることができる。また、発光層122は、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。さらに、素子部120は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等電位面形成層、電荷発生層等の機能層(図示せず。)を備えていてもよい。
複層物100は、例えば、基材110上に素子部120を形成することを含む製造方法によって、製造できる。素子部120の形成方法としては、例えば、スパッタリング、蒸着等の方法によって、基材110上に導体層を形成する方法が挙げられる。
[3.工程(b):封止層の形成]
本発明の一実施形態に係るデバイス構造体の製造方法は、工程(a)で複層物100を用意した後で、素子物120を封止する封止層を形成する工程(b)を行う。封止層は、素子部120の少なくとも一部を封止するように形成され、好ましくは、素子物120の全部又は大部分を封止するように設けられる。本実施形態においては、素子部120の、基材110の面110Uに接していない部分の全体を封止するように、封止部が形成される例を示して説明する。
工程(b)は、第一封止層を形成する工程(b1)と、第二封止層を形成する工程(b2)と、を含む。工程(b)は、工程(b1)及び工程(b2)を、この順で行うことを含んでいてもよい。また、工程(b)は、工程(b2)及び工程(b1)を、この順で行うことを含んでいてもよい。本実施形態では、工程(b1)及び工程(b2)をこの順で行うことを含む工程(b)を例に挙げて説明する。
[4.工程(b1):第一封止層の形成]
図2は、本発明の一実施形態に係る工程(b1)において、複層物100上に、素子部120を封止する第一封止層210が形成された様子を模式的に示す断面図である。工程(b1)では、図2に示すように、第一封止層210を形成する。本実施形態では、素子部120の表面120Uに、第一封止層210を形成する例を示して説明する。この例では、第一封止層210と素子部120との間に他の層が無いので、形成される第一封止層210は、素子部120を直接的に封止できる。ここで、層による素子部の封止が「直接的」とは、その層と素子部との間に他の層が無いことを言う。ただし、第一封止層210と素子部120との間には他の層(例えば、第二封止層、任意の層)があってもよく、その場合、第一封止層210は、前記の層を介して素子部120を間接的に封止できる。
[4.1.工程(b1−1):第一中間層の形成]
工程(b1)は、熱可塑性エラストマー及び第一溶媒を含む第一中間層を形成する工程(b1−1)を含む。この第一中間層は、熱可塑性エラストマー及び第一溶媒を含む樹脂組成物の層として形成できる。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーとは、常温ではゴムの特性を示し、高温では可塑化されて成形加工が可能となる材料をいう。このような熱可塑性エラストマーは、小さい力の負荷では伸びも破断も生じにくい特性を有する。具体的には、熱可塑性エラストマーは、23℃において、ヤング率0.001〜1GPa、及び引張伸び(破断伸度)100〜1000%の値を示しうる。熱可塑性エラストマーはまた、40℃以上200℃以下の高い温度範囲において、貯蔵弾性率が急激に低下して損失正接tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)がピークを持つか、1を超える値を示し、軟化しうる。ヤング率及び引張伸びは、JIS K7113に則り測定しうる。また、損失正接tanδは市販の動的粘弾性測定装置により測定しうる。
熱可塑性エラストマーは、一般に、残留溶媒を含まないか、含むとしてもその量は少ない。よって、熱可塑性エラストマーは、アウトガスが少ないという利点、及び、架橋処理等を伴わない簡略な工程で封止を行いうるという利点を有する。
熱可塑性エラストマーとして、重合体を用いうる。熱可塑性エラストマーとして用いうる重合体の例としては、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン−α−オレフィン共重合体;エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体;エチレン−メチルメタクリレート、エチレン−ブチルアクリレート共重合体などの、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体などの、エチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル−スチレン共重合体などの、ジエン系共重合体;ブチレン−イソプレン共重合体;スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体;水素化スチレン−ブタジエンランダム共重合体、水素化スチレン−イソプレンランダム共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体;低結晶性ポリブタジエン;スチレングラフトエチレン−プロピレンエラストマー;熱可塑性ポリエステルエラストマー;エチレン系アイオノマー;を挙げることができる。熱可塑性エラストマーは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体が、本発明の所望の効果を得るためには好ましい。水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素化物を表す。即ち、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合、芳香属性の炭素−炭素結合、又はこれらの両方の、一部又は全部を水素化して得られる構造を有する重合体を表す。ただし、前記の水素化物は、その製造方法によっては限定されない。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体;が好ましい。工業的な入手の容易さから、スチレンを用いることが特に好ましい。他方、共役ジエンとしては、鎖状共役ジエン(直鎖状共役ジエン、分岐鎖状共役ジエン)が好ましい。共役ジエンの好ましい例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
全芳香族ビニル単量体単位が芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の全体に占める質量分率をwAとし、全共役ジエン単量体単位が芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の全体に占める質量分率をwBとした場合、wAとwBとの比(wA/wB)は、特定の範囲にあることが好ましい。具体的には、前記の比(wA/wB)は、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上であり、好ましくは60/40以下、より好ましくは55/45以下である。前記の比wA/wBが前記範囲の下限値以上である場合、第一封止層の耐熱性を向上させることができる。また、上限値以下である場合、第一封止層の柔軟性を高めることができる。また、前記比(wA/wB)を前記範囲内とした場合、第一封止層がゴム弾性を持つ温度範囲を広げることができるので、デバイス構造体が柔軟性を持つ温度範囲を広げることができる。
芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及びこれらの混合物から選ばれる重合体が好ましい。これらのより具体的な例としては、特開平2−133406号公報、特開平2−305814号公報、特開平3−72512号公報、特開平3−74409号公報、及び国際公開第2015/099079号などの技術文献に記載されているものが挙げられる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは97%以上、特に好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、第一封止層の耐熱性及び耐光性を良好にできる。水素化物の水素化率は、1H−NMRによる測定により求めることができる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率が高い場合、第一封止層の耐光性及び耐酸化性を更に高くできる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の水素化率が高い場合、水素化物のガラス転移温度が高くなるので、第一封止層の耐熱性を効果的に高めることができる。さらに、第一封止層の光弾性係数を下げて、レターデーションの発現を低減することができる。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体は、非芳香族性の炭素−炭素不飽和結合及び芳香族性の炭素−炭素不飽和結合の両方を水素化した構造を有することが特に好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体の特に好ましいブロックの形態は、共役ジエン重合体水素化物のブロック[B]の両端に芳香族ビニル重合体水素化物のブロック[A]が結合したトリブロック共重合体;重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、さらに、該両重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合したペンタブロック共重合体である。特に、[A]−[B]−[A]のトリブロック共重合体であることが、製造が容易であり且つ熱可塑性エラストマーとしての物性を所望の範囲とすることができるため、特に好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体は、例えば、国際公開第2015/099079号、特開2016−204217号公報に記載の方法で製造できる。
また、熱可塑性エラストマーとしては、ケイ素原子含有極性基を有する重合体を用いてもよい。このような重合体としては、例えば、熱可塑性エラストマーとして用いうる重合体として例示した重合体の、ケイ素原子含有極性基による変性物が挙げられる。ケイ素含有極性基を有する重合体を熱可塑性エラストマーとして採用した場合、第一封止層と他の部材との密着力を向上させることができる。
以下、前記の変性物を得る反応に用いる重合体を、適宜「反応前重合体」ということがある。前記の変性物は、例えば、反応前重合体と、単量体としてのケイ素原子含有極性基を有する化合物とのグラフト重合により得られる構造を有しうる。ただし、変性物は、その製造方法によっては限定されない。
ケイ素原子含有極性基としては、アルコキシシリル基が好ましい。ケイ素原子含有極性基としてアルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び2−ノルボルネン−5−イルトリメトキシシランなどの、エチレン性不飽和シラン化合物が挙げられる。
反応前重合体とケイ素原子含有極性基を有する化合物とを反応させることにより、反応前重合体にケイ素原子含有極性基を導入し、ケイ素原子含有極性基を有する変性物を得ることができる。ケイ素原子含有極性基としてアルコキシシリル基を導入する場合、アルコキシシリル基の導入量は、反応前重合体100重量部に対し、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、更に好ましくは0.3重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、更に好ましくは3重量部以下である。アルコキシシリル基の導入量が前記範囲に収まる場合、水分で分解されたアルコキシシリル基同士の架橋度が過剰に高くなることを抑制できるので、接着性を高く維持できる。アルコキシシリル基の導入に用いるアルコキシシリル基を有する物質、及び変性方法の例としては、国際公開第2015/099079号に記載されているものが挙げられる。
極性基の導入量は、H−NMRスペクトルにて計測しうる。また、極性基の導入量の計測の際、導入量が少ない場合は、積算回数を増やして計測しうる。
上述した熱可塑性エラストマーの中でも、本発明の所望の効果を顕著に得る観点では、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体、及び、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物、からなる群より選ばれる1種類以上が好ましい。中でも、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物が特に好ましい。
水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物の中でも、ケイ素原子含有極性基としてアルコキシシリル基を導入した変性物が好ましい。一般に、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体等の反応前重合体に、極性基としてアルコキシシリル基を導入することは、シラン変性と呼ばれることがある。シラン変性に際しては、反応前重合体にアルコキシシリル基を直接結合させてもよく、例えばアルキレン基などの2価の有機基を介して結合させてもよい。以下、反応前重合体のシラン変性により得られた重合体を「シラン変性物」ともいう。
よって、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物としては、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のシラン変性物が好ましい。中でも、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体のシラン変性物、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体のシラン変性物、及び水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のシラン変性物からなる群より選ばれる1種類以上のシラン変性物が特に好ましい。
熱可塑性エラストマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは35,000以上であり、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは70,000以下である。熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算の値で測定しうる。また、熱可塑性エラストマーの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下であり、好ましくは1以上である。熱可塑性エラストマーの重量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mnが前記の範囲にある場合、第一封止層の機械強度及び耐熱性を向上させることができる。
熱可塑性エラストマーのガラス転移温度は、特に限定されないが、好ましくは40℃以上、より好ましくは70℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは160℃以下である。また、熱可塑性エラストマーとしてブロック共重合体を含むものを用いた場合には、それぞれの重合体ブロックの重量比率を変えてガラス転移温度を調整することにより、第一封止層の接着性と可撓性とのバランスを取ることができる。樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分で昇温して測定しうる。
樹脂組成物において、熱可塑性エラストマーは、第一溶媒に溶解していてもよく、第一溶媒中に分散していてもよい。中でも、熱可塑性エラストマーは、第一溶媒に溶解していることが好ましい。
樹脂組成物における熱可塑性エラストマーの割合は、特に限定されず、所望の性質が得られる範囲に調整しうる。具体的には、樹脂組成物の全量100重量%に対する熱可塑性エラストマーの量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下である。
(第一溶媒)
第一溶媒として、熱可塑性エラストマーを溶解又は分散しうる溶媒を用いうる。また、第一溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。中でも、封止対象としての素子部は一般に水分に対する耐久性が低いことから、第一溶媒としては非水溶媒を用いることが好ましい。さらには、素子部へのダメージを抑制する観点、及び、水分の浸入を効果的に抑制する観点では、第一溶媒として非極性溶媒を用いることが好ましい。
非極性溶媒としては、例えば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、トリメチルベンゼン、シクロオクタン、シクロデカン、オクタン(例、ノルマルオクタン)、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、及びシクロドデカン等の有機溶媒が挙げられる。
第一溶媒の全量100重量%にする非極性溶媒の量は、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上、更に好ましくは99.9重量%以上であり、理想的には100重量%である。
第一溶媒は、高い沸点を有する高沸点溶媒を含むことが好ましい。高沸点溶媒の1atm(1.01325×10Pa)における沸点は、好ましくは90℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは125℃以上、更に好ましくは150℃以上、特に好ましくは175℃以上である。第一溶媒が高沸点溶媒を含む場合、第一溶媒を含む樹脂組成物の層としての第一中間層を乾燥して得られる第一封止層の表面にムラが形成されることを抑制して、面状を平滑にできる。また、通常、インクジェット印刷法を用いた樹脂組成物の塗工の際のノズル詰まりを抑制できる。高沸点溶媒の1atmにおける沸点の上限は、好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下である。高沸点溶媒の沸点が前記範囲の上限値以下である場合、第一中間層の乾燥を容易に行うことができる。
第一溶媒の全量100重量%に対して、高沸点溶媒の量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは25重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、更に好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上であり、通常100重量%以下である。
(任意の成分)
第一中間層の形成に用いる樹脂組成物は、熱可塑性エラストマー及び第一溶媒に組み合わせて、更に任意の成分を含んでいてもよい。例えば、樹脂組成物は、任意の成分として、吸湿性粒子を含んでいてもよい。
吸湿性粒子とは、20℃90%RHにおいて24時間静置した場合の重量変化率が高い粒子を表す。前記の重量変化率の具体的な範囲は、通常3%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。重量変化率の上限に特段の制限は無いが、例えば100%以下でありうる。このように高い吸湿性を有する吸湿性粒子は、少量で水分を多く吸湿できるので、水分が封止層を透過することを効果的に抑制できる。その結果、熱可塑性エラストマーが有するゴムの特性が阻害されず有利である。
吸湿性粒子の重量変化率は、下記の式(K1)によって計算しうる。下記の式(K1)において、W1は、20℃90%Rhの環境に静置する前の粒子の重量を表し、W2は、20℃90%Rhの環境に24時間静置した後の粒子の重量を表す。
重量変化率(%)=((W2−W1)/W1)×100 (K1)
吸湿性粒子が含有する材料の例としては、塩基性吸湿材及び酸性吸湿材が挙げられる。塩基性吸湿剤としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びアルミニウムを含有する化合物(酸化物、水酸化物、塩など)であってケイ素を含まない化合物(例えば、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等);特開2005−298598号公報に記載の有機金属化合物;金属酸化物を含有するクレイ;などが挙げられる。また、酸性吸湿材としては、例えば、ケイ素を含む無機化合物(例えば、シリカゲル、ナノポーラスシリカ、ゼオライト)が挙げられる。
吸湿性粒子の材料としては、ゼオライト及びハイドロタルサイトからなる群より選択される1種類以上の物質が好ましい。中でもゼオライトは、一般に、特に高い吸湿能力を有する。具体的には、ゼオライトは、20℃90%RHにおいて24時間静置した場合に、10%〜30%といった高い重量変化率を容易に実現できる。また、ゼオライトは、乾燥によって水を放出するので、再利用が可能である。吸湿性粒子の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
吸湿性粒子の一次粒子径は、好ましくは30nm以上、より好ましくは40nm以上であり、好ましくは150nm以下、より好ましくは80nm以下である。吸湿性粒子の一次粒子径とは、一次粒子の数平均粒子径を表す。吸湿性粒子の一次粒子径は、溶媒に分散させた分散液の状態で、動的光散乱法による粒子径測定装置によって測定できる。動的光散乱法によって吸湿性粒子の一次粒子径を測定ができない場合、電子顕微鏡を用いた観察により一次粒子径を測定してもよい。具体的には、以下の方法により測定できる。電子顕微鏡を用いた観察により、50個の一次粒子のそれぞれについて、粒子の短軸と長軸との和を求め、得られた和を2で割って粒子それぞれの粒子径を測定する。そうして測定した50個の一次粒子の粒子径の算術平均値を、一次粒子径としうる。電子顕微鏡を用いた観察により一次粒子径を求める場合、樹脂組成物からフィルムを作製して、フィルム断面における粒子を観察してもよい。
吸湿性粒子の測定波長589nmにおける屈折率は、好ましくは1.2以上3.0以下である。このような屈折率を有する吸湿性粒子を用いた場合、第一封止層のヘイズを小さくして、透明性に優れる封止層を実現できる。
樹脂組成物に含まれる吸湿性粒子は、第一溶媒中に分散していることが好ましい。分散した吸湿性粒子を含む樹脂組成物を用いた場合、通常は、分散した吸湿性粒子を含む第一封止層を形成することができる。
樹脂組成物における吸湿性粒子の割合は、特に限定されず、所望の性質が得られる範囲に調整しうる。具体的には、樹脂組成物の固形分全量100重量%に対する吸湿性粒子の量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。樹脂組成物の固形分とは、樹脂組成物を乾燥させて第一溶媒を揮発させた後に残留する成分を表し、通常は、樹脂組成物に含まれる第一溶媒以外の成分を表す。吸湿性粒子の量が、前記下限値以上である場合、第一封止層の水分侵入抑制効果を高めることができる。また、吸湿性粒子の量が、前記上限値以下である場合、第一封止層の透明性を高くできる。
樹脂組成物が含んでいてもよい任意の成分として、例えば、分散剤、可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、無機フィラーなどが挙げられる。これら任意の成分の種類、特性及び量については、例えば、国際公開第2019/220896号に記載のものを採用しうる。
任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(樹脂組成物の特性)
樹脂組成物は、当該樹脂組成物の乾燥後に得られる硬化物のヘイズが小さいことが好ましい。硬化物のヘイズは、具体的には、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.3%以下、更に好ましくは0.1%以下であり、通常0%以上である。前記の硬化物のヘイズは、硬化物を厚さ10μmのフィルムに成形した試料について測定した値を表す。ヘイズは、濁度計を用いることにより測定しうる。
樹脂組成物は、液状の組成物であることが好ましい。液状の樹脂組成物を用いることにより、塗工法によって簡単に第一中間層を形成できる。この液状の樹脂組成物の粘度は、好ましくは1cP以上、より好ましくは2cP以上、特に好ましくは3cP以上であり、好ましくは5000cP以下、より好ましくは1000cP以下、更に好ましくは500cP以下、更に好ましくは50cP以下、更に好ましくは30cP以下、特に好ましくは20cP以下である。樹脂組成物の粘度が前記範囲の下限値上である場合、厚い第一中間層を形成できるので、高い封止能力を有する第一封止層を簡単に形成できる。また、樹脂組成物の粘度が前記範囲の上限値以下である場合、塗工法による第一中間層の形成を容易に行うことができる。特に、粘度が50cP以下である場合には、インクジェット印刷による第一中間層の形成が可能である。粘度の測定は、音叉型振動式粘度計(例えば株式会社エー・アンド・デイ製の音叉型振動式粘度計SV−10)を用いて、測定温度25℃±2℃で行いうる。
樹脂組成物に含まれる固形分の割合は、特に限定されず、粘度等の特性を所望の範囲に収められるように適切に調整されることが好ましい。具体的には、樹脂組成物の全量100重量%に対する固形分の量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下ある。
(第一中間層の形成方法)
工程(b1−1)では、通常、熱可塑性エラストマー及び第一溶媒を含む前記の樹脂組成物を用意し、この樹脂組成物の層を形成して、第一中間層を得る。樹脂組成物の層の形成は、樹脂組成物を塗工することを含む方法によって行うことが好ましい。これにより、第一中間層を容易に形成できる。
塗工法としては、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。中でも、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の印刷法が好ましく、インクジェット印刷法が特に好ましい。
[4.2.工程(b1−2):第一中間層の乾燥]
工程(b1)は、工程(b1−1)で第一中間層を得た後で、その第一中間層を乾燥させる工程(b1−2)を含む。第一中間層を乾燥させることにより、第一中間層から第一溶媒が除去されて、樹脂組成物の固形分で形成された第一封止層が得られる。
乾燥方法としては、例えば、自然乾燥法、加熱乾燥法、減圧乾燥法、及び減圧加熱乾燥法などが挙げられる。単に室温で短時間放置することにより自然乾燥が達成される場合は、具体的な乾燥のための操作は不要となりうる。しかし、通常は、第一中間層は多くの第一溶媒を含みうるので、加熱、減圧等の操作によって乾燥を促進することが好ましい。
得られる第一封止層の厚さは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは2μm以上であり、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。第一封止層の厚さが前記下限値以上である場合、水分の浸入を効率的に抑制できる。また、第一封止層の厚みが前記上限値以下である場合、デバイス構造体の厚みの低減が可能である。
第一封止層のヘイズは、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.15%以下、特に好ましくは0.05%以下である。ヘイズが上記範囲以下である場合、第一封止層の透明性を高くしうるので、有機エレクトロルミネッセンス装置及びフレキシブルタッチセンンサ等のデバイス構造体における、光の透過が求められる箇所において好適に用いることができる。ヘイズは、濁度計を用いることにより測定しうる。
[5.工程(b2):第二封止層の形成]
図3は、本発明の一実施形態に係る工程(b2)において、複層物100上に、素子部120を封止する第二封止層220が形成された様子を模式的に示す断面図である。工程(b2)では、図3に示すように、第二封止層220を形成する。本実施形態では、第一封止層210の表面210Uに、第二封止層220を形成する例を示して説明する。この例では、第二封止層220と素子部120との間に第一封止層210があるので、形成される第二封止層220は、第一封止層210を介して素子部120を間接的に封止できる。ただし、第二封止層220と素子部120との間には第一封止層210以外の任意の層があってもよく、その場合、第二封止層220は、前記の任意の層を介して素子部120を間接的に封止できる。また、第二封止層220と素子部120との間には他の層が無くてもよく、その場合、第二封止層220が素子部120を直接的に封止できる。
[5.1.工程(b2−1):第二中間層の形成]
工程(b2)は、ポリシラザン化合物を含む第二中間層を形成する工程(b2−1)を含む。ポリシラザン化合物は、珪素−窒素結合を有するポリマーである。ポリシラザン化合物としては、例えば、SiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミックの前駆体として用いられうるポリシラザン化合物を用いてもよい。
好ましいポリシラザン化合物としては、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位を含有する化合物が挙げられる。
Figure 2021125292
式(1)において、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子及び1価の有機基からなる群より選ばれる1種類以上の基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基等の脂肪族炭化水素基;シクロアルキル基等の脂環式炭化水素基;アリール基等の芳香族炭化水素基;アルキルシリル基;アルキルアミノ基;アルコキシ基;などが挙げられる。式(1)で表されるポリシラザン化合物としては、特開平8−112879号公報に記載のものを用いてもよい。
中でも、封止能力に優れる第二封止層を得る観点から、R、R及びRは水素原子が好ましい。繰り返し単位中のR、R及びRのいずれもが水素原子であるポリシラザン化合物は、パーヒドロポリシラザンと呼ばれることがある。パーヒドロポリシラザンの数平均分子量(Mn)は、例えば、600〜2000程度でありうる(ポリスチレン換算)。
好ましい別のポリシラザン化合物としては、例えば、式(1)で表される繰り返し単位を含有するポリシラザン化合物にケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)、等が挙げられる。
ポリシラザン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。例えば、パーヒドロポリシラザンと、パーヒドロポリシラザンのSi原子に結合する水素原子の一部がアルキル基等の有機基で置換されたオルガノポリシラザンとを、組み合わせて用いてもよい。パーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンとを組み合わせて用いる場合、第二封止層の靱性を高めることができるので、クラックの抑制が可能である。特に、メチル基によって置換されたオルガノポリシラザンをパーヒドロポリシラザンと組み合わせて用いる場合、靱性を顕著に高めることができる。
ただし、本実施形態においては、パーヒドロポリシラザンのみをポリシラザン化合物として用いることが好ましい。パーヒドロポリシラザンのみを用いて形成された第二封止層は、従来、特にクラックを生じ易かった。しかし、そのようにクラックが生じ易い第二封止層を形成した場合でも、第一封止層と組み合わせることにより、クラックを抑制できる。よって、第一封止層と第二封止層との組み合わせにより、ポリシラザン化合物を用いて形成された第二封止層のクラックを抑制できるという効果を有効に活用する観点から、パーヒドロポリシラザンのみをポリシラザン化合物として用いることが好ましい。
ポリシラザン化合物は、一般に、液体又は固体の化合物でありうる。このようなポリシラザン化合物は、市販品を用いてもよい。
前記のポリシラザン化合物を含む第二中間層の形成は、ポリシラザン化合物を含む液状組成物を塗工することを含む方法によって行うことが好ましい。この方法によれば、第二中間層を容易に形成できる。
液状組成物は、任意の成分として、溶媒を含みうる。以下、第二中間層の形成に用いられる溶媒を、第一中間層の形成に用いられる第一溶媒と区別するため、「第二溶媒」と呼ぶことがある。第二溶媒としては、ポリシラザン化合物に対する反応性が小さい溶媒が好ましく、有機溶媒が特に好ましい。第二溶媒の例としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;ハロゲン化炭化水素溶媒;脂肪族エーテル溶媒、脂環式エーテル溶媒等の、エーテル溶媒;が挙げられる。具体例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリコロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;が挙げられる。第二溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
液状組成物における第二溶媒の量は、液状組成物中のポリシラザン化合物の濃度を適切な範囲に収められるように調整することが好ましい。具体的な範囲を挙げると、液状組成物の全量100重量%に対して、ポリシラザン化合物の量は、好ましくは0.2重量%〜35重量%である。
液状組成物は、ポリシラザン化合物及び第二溶媒以外の任意の成分を含んでいてもよい。
液状組成物の塗工方法は、特に制限は無い。塗工方法の例としては、第一中間層の形成に用いた樹脂組成物の塗工方法と同じ方法を用いてもよい。このような塗工により、液状組成物の層としての第二中間層を大気圧環境下で形成できる。
[5.2.工程(b2−3):第二中間層の乾燥]
工程(b2−1)で形成された第二中間層が第二溶媒を含む場合、工程(b2)は、第二中間層を乾燥する工程(b2−3)を含んでいてもよい。乾燥は、工程(b2−2)と同時に行ってもよいが、工程(b2−2)の前に行うことが好ましい。乾燥により、第二中間層から第二溶媒を除去できる。
第二中間層の乾燥は、酸素濃度が低い雰囲気において行うことが好ましい。前記の雰囲気の酸素濃度は、具体的には、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。このように酸素濃度が低い雰囲気で乾燥を行うことにより、第二中間層に酸素が取り込まれることを抑制できる。よって、工程(b2−2)で照射される紫外線が酸素によって吸収されることを抑制できるので、ポリシラザン化合物の反応を安定して進行させることができる。
酸素濃度が低い雰囲気下での乾燥を行う観点から、第二中間層の乾燥は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられ、中でも窒素が好ましい。また、不活性ガスは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。不活性ガスを用いる場合、例えば、不活性ガスが給気及び排気される乾燥室において乾燥を行ってもよい。また、乾燥に際して、加熱を行ってもよい。
[5.3.工程(b2−2):第二中間層への紫外線の照射]
工程(b2)は、工程(b2−1)で第二中間層を得た後で、その第二中間層に紫外線を照射する工程(b2−2)を含む。第二中間層に紫外線が照射されることで、第二中間層に含まれるポリシラザン化合物が反応して、窒化ケイ素を含む第二封止層が得られる。
紫外線としては、波長1nm〜380nmの光を用いうる。中でも、波長100nm〜200nmの真空紫外線を用いることが好ましい。真空紫外線を照射することにより、ポリシラザン化合物の改質反応を短時間で進行させることができるので、紫外線による素子部及び第一封止層へのダメージを抑制できる。真空紫外線の光源としては、例えば希ガスエキシマランプが挙げられる。中でも、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れる。
紫外線の照射強度は、所望の第二封止層が得られる範囲に適切に調整できる。具体的な範囲を示すと、照射強度は、好ましくは10mW/cm以上、より好ましくは100mW/cm以上であり、好ましくは300mW/cm以下、より好ましくは200mW/cm以下である。中でも、工程(b2−2)は、100mW/cm〜200mW/cmの最大照射強度での紫外線照射を1回以上含むことが好ましい。このような照射強度での紫外線の照射によれば、ポリシラザン化合物の改質反応を短時間で進行させたり、素子部及び第一封止層への紫外線によるダメージを抑制したりできる。
紫外線の照射時間は、所望の第二封止層が得られる範囲に適切に調整できる。具体的な範囲を示すと、照射時間は、好ましくは0.1秒以上、より好ましくは0.5秒以上であり、好ましくは10分間以下、より好ましくは3分以下、更に好ましくは1分以下である。このような照射時間での紫外線の照射によれば、ポリシラザン化合物の改質反応を充分に進行させて、封止能力のバラツキを低減したり、素子部及び第一封止層への紫外線によるダメージを抑制したりできる。
前記の紫外線の照射は、酸素濃度が低い雰囲気において行うことが好ましい。前記雰囲気の具体的な酸素濃度は、好ましくは500ppm以上、より好ましくは1000ppm以上であり、好ましくは10000ppm以下、より好ましくは5000ppm以下である。前記の単位「ppm」は、質量基準である。紫外線を照射する雰囲気の酸素濃度が前記範囲にある場合、ポリシラザン化合物の改質反応を効果的に促進することができ、また、得られる第二封止層の封止能力を良好にできる。
酸素濃度が低い雰囲気下での紫外線照射を行う観点から、第二中間層への紫外線照射は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられ、中でも窒素が好ましい。また、不活性ガスは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。不活性ガスを用いる場合、例えば、不活性ガスが給気及び排気される処理室において紫外線照射を行ってもよい。この際、雰囲気中の酸素濃度を調整するために、処理室に導入する酸素ガス及び不活性ガスの流量を調整してもよい。
得られる第二封止層の厚さは、好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは1μm以下である。第二封止層の厚さが前記下限値以上である場合、水分の浸入を効率的に抑制できる。また、第二封止層の厚みが前記上限値以下である場合、デバイス構造体の厚みの低減が可能である。
[6.製造されるデバイス構造体]
上述した実施形態によれば、図3に示すように、基材110及び素子部120を備える複層物100と、素子部120を封止する封止層200とを備えるデバイス構造体10を製造できる。
製造されたデバイス構造体10の封止層200は、第一封止層210及び第二封止層220を備える。第二封止層220は、ポリシラザン化合物が改質反応を生じて生成した窒化ケイ素を含む。一般に、この窒化ケイ素は高温において応力を生じ易く、また脆性が高いので、当該窒化ケイ素を含む層は、高環境においてクラックを生じ易い。しかし、本実施形態で製造されたデバイス構造体10の封止層200は、第二封止層220に組み合わせて第一封止層210を備えるので、前記のクラックを抑制することができる。例えば、温度60℃、湿度90%RHの環境に静置された場合に、クラックの発生を抑制できる。
クラックの抑制という前記の硬化が得られる仕組みを、本発明者は、前記のように推察する。ただし、本発明の技術的範囲は、下記の仕組みによって制限されない。
高温環境におかれると、第二封止層220に応力が生じる。第二封止層220に含まれる窒化ケイ素は、高温において生じる応力が大きい傾向がある。また、窒化ケイ素は、一般に、脆性が高い。よって、窒化ケイ素を含む第二封止層220は、前記の応力によってクラックを生じ易い。特に、第二封止層220が厚い場合、反りによって応力が一層大きくなり易いので、クラックは更に生じ易い。しかし、封止層200が第二封止層220に組み合わせて第一封止層210を含むので、第二封止層220で生じた応力は、第一封止層210に含まれる熱可塑性エラストマーに吸収されることができる。したがって、大きな応力の蓄積又は集中が第一封止層210で起こり難くなるので、第一封止層210での前記のクラックの発生を抑制できる。
前記のデバイス構造体10では、封止層200によって素子部120が封止されているので、素子部120への水分の浸入を抑制できる。したがって、水分による素子部120の劣化を抑制できる。例えば、上述した実施形態で示したように素子部120が有機エレクトロルミネッセンス素子部である場合、素子部120への水分の浸入によるダークスポットの発生を抑制できる。「ダークスポット」とは、有機エレクトロルミネッセンス素子部の有機材料が劣化することにより一部が発光できなくなって生じうる、暗く見える部分のことをいう。
上述した製造方法は、第一封止層210を形成する工程(b1)、及び、第二封止層220を形成する工程(b2)のいずれの操作をも、大気圧環境下において行うことができる。よって、大型且つ複雑な製造設備が不要であるので、低コストでデバイス構造体10の製造が可能である。また、特に、第一中間層及び第二中間層の形成を塗工法で行う場合には、ウェットプロセスでの層形成が可能であるので、プラズマダスト等の粒子による素子部120の劣化を抑制できる。
[7.変更例]
本発明は、上述した実施形態で説明したものに限定されず、更に変更して実施してもよい。
上述した実施形態では、1回の工程(b1)と1回の工程(b2)とを含む工程(b)を行うことによって、1つの第一封止層210と1つの第二封止層220とを備える封止層200を形成した例を示して説明したが、第一封止層及び第二封止層の数は、それぞれ、2つ以上であってもよい。よって、封止層を形成する工程(b)は、第一封止層を形成する工程(b1)を2回以上含んでいてもよく、第二封止層を形成する工程(b2)を2回以上含んでいてもよい。
図4は、本発明の別の実施形態に係る製造方法で製造されたデバイス構造体20を模式的に示す断面図である。図4において、図1〜図3で示した部位と同じ部位には、図1〜図3で示したのと同じ符号を付して説明する。例えば、デバイス構造体20は、図4に示すように、第二封止層320、第一封止層210及び第二封止層220を厚み方向でこの順に備える封止層300を備えていてもよい。このような封止層300は、工程(b2)、工程(b1)及び工程(b2)をこの順に行うことを含む工程(b)により、形成できる。
この実施形態のように、工程(b)は、工程(b1)及び工程(b2)を、この順で行うことを含むことが好ましい。このような工程(b)によって形成される封止層300では、第一封止層210の外側に第二封止層220が形成されうる。よって、第一封止層210への水分の浸入を第二封止層220が抑制できるので、第一封止層210が吸湿性粒子を含む場合に、当該吸湿性粒子の吸湿能力の低下を抑制することができる。
例えば、デバイス構造体の製造方法は、任意の層を形成する工程を含んでいてもよい。よって、デバイス構造体の製造方法は、素子部と封止層との間に任意の層を形成する工程を含んでいてもよい。また、デバイス構造体の製造方法は、封止部を覆う任意の層を形成する工程を含んでいてもよい。具体例を挙げると、デバイス構造体が、有機エレクトロルミネッセンス素子部を備える表示装置である場合、そのデバイス構造体の製造方法は、封止層上に、必要に応じて接着剤を介して、円偏光板の層を設ける工程を含んでいてもよい。
ただし、任意の層を形成する場合であっても、当該任意の層は、第一封止層と第二封止層との間には形成しないことが好ましい。第一封止層と第二封止層とが、任意の層を介することなく直接に接している場合、第一封止層による第二封止層の応力の吸収を効果的に行うことができるので、クラックの効果的な抑制が可能である。
上述した実施形態のように素子部120として有機エレクトロルミネッセンス素子部を備えるデバイス構造体10は、例えば、表示装置、照明装置等の装置として用いうる。しかし、デバイス構造体は、これらの装置に限定されない。デバイス構造体には、素子部を備える広範な装置、及び、その装置の一部を構成する組立体が含まれうる。中でも、上述したデバイス構造体の封止層は、透明性に優れるので、デバイス構造体としては、各種の光学デバイス、および光学デバイスの一部を構成する組立体が好ましい。光学デバイスの例としては、液晶表示装置、タッチパネル、並びに表示装置及び光源装置としての有機エレクトロルミネッセンス装置が挙げられる。特に、フレキシブルという有機エレクトロルミネッセンス素子部の優れた特性を活用して、デバイス構造体は、フレキシブルな光学デバイスとして用いることが好ましい。
以下、参考例及び比較例を示して本発明について具体的に説明する。以下に示す参考例は、その製造方法においては上述した実施形態と一致しないが、製造されたデバイス構造体の構成は上述した実施形態と一致することから、クラックの抑制及び水分の浸入抑制の効果を立証できるものである。
〔樹脂のヤング率、引張伸び及びtanδ〕
樹脂の23℃におけるヤング率及び引張伸びは、JIS K7113に則り測定した。40℃以上200℃以下における樹脂の損失正接tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)は、フィルム状にしてから幅10mm×長さ20mmの試験片を切り出し日立ハイテクサイエンス社製の動的粘弾性測定装置DMS6100を用い測定した。
[製造例1:水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物の製造]
(P1−1.水素化ブロック共重合体の製造)
芳香族ビニル化合物としてスチレンを用い、鎖状共役ジエン化合物としてイソプレンを用いて、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック構造を有する、ブロック共重合体の水素化物(水素化ブロック共重合体)を、以下の手順により製造した。
内部が充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン256部、脱水スチレン25.0部、及びn−ジブチルエーテル0.615部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)1.35部を加えて重合を開始させ、さらに、攪拌しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(重合転化率は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。以下にて同じ。)。
次に、脱水イソプレン50.0部を加え、同温度で30分攪拌を続けた。この時点での重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、同温度で60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。
次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体を含む溶液(i)を得た。
得られた溶液(i)中のブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は44,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった(テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算の値で測定。以下同じ)。
次に、溶液(i)を攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、溶液(i)に水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(E22U、ニッケル担持量60%;日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン350部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行なうことによりブロック共重合体を水素化して、ブロック共重合体の水素化物(ii)を含む溶液(iii)を得た。溶液(iii)中の水素化物(ii)の重量平均分子量(Mw)は45,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
水素化反応の終了後、溶液(iii)をろ過して水素化触媒を除去した。その後、ろ過された溶液(iii)に、リン系酸化防止剤である6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン(住友化学社製「スミライザー(登録商標)GP」。以下、「酸化防止剤A」という。)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させ、溶液(iv)を得た。
次いで、溶液(iv)を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノー社製、孔径0.5μm〜1μm)にて濾過し、更に別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて順次濾過して微小な固形分を除去した。ろ過された溶液(iv)から、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去した。そして、前記の濃縮乾燥器に直結したダイから、固形分を溶融状態でストランド状に押出し、冷却し、ペレタイザーでカットして、ブロック共重合体の水素化物及び酸化防止剤Aを含有する、ペレット(v)85部を得た。得られたペレット(v)中のブロック共重合体の水素化物(水素化ブロック共重合体)の重量平均分子量(Mw)は45,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.08であった。また、1H−NMRにより測定した水素化率は99.9%であった。
(P1−2.水素化ブロック共重合体のシラン変性物の製造)
前記の工程(P1−1)で得られたペレット(v)100部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.0部及びジ−t−ブチルパーオキサイド0.2部を添加し、混合物を得た。この混合物を、二軸押出し機を用いて、バレル温度210℃、滞留時間80秒〜90秒で混練した。混練された混合物を押し出し、ペレタイザーでカットして、水素化ブロック共重合体のシラン変性物のペレット(vi)を得た。このペレット(vi)からフィルム状の試験片を作製し、ガラス転移温度Tgを動的粘弾性測定装置のtanδピークで評価したところ、124℃であった。またこのペレット(vi)の40℃以上200℃以下におけるtanδのピーク値は1.3であった。このペレット(vi)の、23℃におけるヤング率は0.5GPaであり、引張伸びは550%であった。また、このペレット(vi)のアッベ屈折計により測定した屈折率(n1)は1.50であった。
[製造例2:第一封止層形成用の樹脂組成物の製造]
(P2−1.吸湿性粒子分散液の製造)
一次粒子の数平均粒子径50nmのゼオライト粒子(屈折率1.5)10g、塩基性吸着基をもつ分散剤(水酸基含有カルボン酸エステル、商品名「DISPERBYK108」、ビックケミー社製)4g、及びシクロヘキサン46gを、ビーズミルにて混合し、分散させた。この操作により、17%のゼオライト分散液1を調製した。
(P2−2.重合体溶液の製造)
製造例1で得たペレット(vi)28g及び可塑剤(脂肪族炭化水素重合体を含む可塑剤、製品名「日石ポリブテンLV-100」、新日本石油株式会社製、屈折率1.50、数平均分子量500)12gを、シクロヘキサン60gに混合し、溶解させた。この操作により、固形分40%の重合体溶液1を調製した。
(P2−3.樹脂組成物の製造)
前記の工程(P2−1)で得たゼオライト分散液1を60g、及び、前記の工程(P2−2)で得た重合体溶液1を100g、混合して、樹脂組成物としての樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1の粘度を測定した。粘度の測定には、エー・アンド・デイ社製の音叉型振動式粘度計「SV−10」を用いた。測定は、サンプル容器の基準線の間に樹脂溶液1の液面がくるように容器を満たし、振動子を規定の位置まで樹脂溶液中に入れて行った。また、この測定は、25℃±2℃の環境下で行った。その結果、樹脂溶液1の粘度は400cPであった。
[製造例3:有機エレクトロルミネッセンス素子部を備える複層物の製造]
縦40mm×横40mmのガラス基材を用意した。ガラス基材上に、厚み100nmの透明電極層、厚み10nmのホール輸送層、厚み20nmの黄色発光層、厚み15nmの電子輸送層、厚み1nmの電子注入層、及び厚み100nmの反射電極層を、この順に形成した。
ホール輸送層から電子輸送層までは、全て有機材料により形成した。透明電極層から反射電極層までの各層を形成した材料は、それぞれ下記の通りであった。
・透明電極層;錫添加酸化インジウム(ITO)
・ホール輸送層;4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)
・黄色発光層;ルブレン1.5重量%添加 α−NPD
・電子輸送層;フェナンスロリン誘導体(BCP)
・電子注入層;フッ化リチウム(LiF)
・反射電極層;Al
透明電極層の形成は、ITOターゲットを用いた反応性スパッタリング法にて行った。
また、ホール輸送層から反射電極層までの形成は、透明電極層を既に形成した基材を真空蒸着装置内に設置し、上記のホール輸送層から反射電極層までの材料を抵抗加熱式により順次蒸着させることにより行なった。
以上の操作により、ガラス基材;並びに、透明電極層、ホール輸送層、黄色発光層、電子輸送層、電子注入層及び反射電極層をこの順に備える有機エレクトロルミネッセンス素子部;を備える複層物を得た。
[比較例1]
製造例3で製造した複層物の有機エレクトロルミネッセンス素子部を覆うように、厚み200nmのSiN層を形成した。SiN層の形成は、CVD法によって行った。これにより、「ガラス基材/有機エレクトロルミネッセンス素子部/SiN層」の層構成を有するデバイス構造体を得た。
前記のデバイス構造体を、温度60℃、湿度90%RHの試験環境で静置した。20時間経過後に顕微鏡で観察したところ、クラックの形成が確認された。また、水分の浸入によって有機エレクトロルミネッセンス素子部が劣化した変色部が観察された。
[参考例1]
製造例3で製造した複層物の有機エレクトロルミネッセンス素子部を覆うように、製造例2で得た樹脂溶液1をスクリーン印刷によって塗工し、乾燥して、厚み4μmの第一封止層としての熱可塑性エラストマー層を形成した。
その後、前記の熱可塑性エラストマー層上に、厚み200nmのSiN層を形成した。SiN層の形成は、CVD法によって行った。これにより、「ガラス基材/有機エレクトロルミネッセンス素子部/熱可塑性エラストマー層/SiN層」の層構成を有するデバイス構造体を得た。
前記のデバイス構造体を、温度60℃、湿度90%RHの試験環境で静置した。20時間後、94時間後、379時間後、及び、500時間後に顕微鏡で観察したが、クラックの形成は確認されなかった。また、水分の浸入により有機エレクトロルミネッセンス素子部が劣化した変色部の面積は、比較例1よりも小さかった。
[比較例2]
比較例1と同じ方法により、製造例3で製造した複層物の有機エレクトロルミネッセンス素子部を覆うように、厚み200nmのSiN層を形成した。このSiN層上に、更にCVD法によって厚み200nmのSiN層を形成した。これにより、「ガラス基材/有機エレクトロルミネッセンス素子部/SiN層/SiN層」の層構成を有するデバイス構造体を得た。
前記のデバイス構造体を、温度60℃、湿度90%RHの試験環境で静置した。20時間経過後に顕微鏡で観察したところ、クラックの形成が確認された。比較例2で形成されたクラックの数は、比較例1よりも多かった。また、水分の浸入により有機エレクトロルミネッセンス素子部が劣化した変色部の面積は、比較例1よりも大きかった。
[参考例2]
製造例3で製造した複層物の有機エレクトロルミネッセンス素子部を覆うように、厚み200nmのSiN層を形成した。SiN層の形成は、CVD法によって行った。
その後、SiN層上に、製造例2で得た樹脂溶液1をスクリーン印刷によって塗工し、乾燥して、厚み4μmの第一封止層としての熱可塑性エラストマー層を形成した。
その後、前記の熱可塑性エラストマー層上に、厚み200nmのSiN層を形成した。SiN層の形成は、CVD法によって行った。これにより、「ガラス基材/有機エレクトロルミネッセンス素子部/SiN層/熱可塑性エラストマー層/SiN層」の層構成を有するデバイス構造体を得た。
前記のデバイス構造体を、温度60℃、湿度90%RHの試験環境で静置した。20時間後、94時間後、379時間後、及び、500時間後に顕微鏡で観察したが、クラックの形成は確認されなかった。また、水分の浸入により有機エレクトロルミネッセンス素子部が劣化した変色部の面積は、参考例1よりも小さかった。
[結果]
前記の参考例及び比較例の結果を示す表を、図5に示す。図5に示す表において、一行目の数値は、観察時点での静置開始からの経過時間を表す。また、図5に示す表に示された写真は、各観察時点で観察されたデバイス構造体の顕微鏡写真を表す。
参考例1及び2では、封止層が、第一封止層に相当する熱可塑性エラストマー層と第二封止層に相当するSiN層とを組み合わせて含む。これらの参考例1及び2では、クラックの発生が無く、また、水分による有機エレクトロルミネッセンス素子部の劣化が小さい。
他方、比較例1及び2では、封止部は、SiN層のみからなる。これらの比較例1及び2では、早期にSiN層にクラックが発生している。また、水分による有機エレクトロルミネッセンス素子部の劣化が大きい。
以上の結果から、第一封止層と第二封止層とを組み合わせて含む封止層によれば、SiN層としての第二封止層のクラックを抑制でき、且つ、水分の浸入を抑制できることが確認された。参考例1及び2で得られたデバイス構造体は、上述した実施形態でも得られることから、本発明の製造方法によれば、これら参考例1及び2と同様の効果が得られることが理解できる。
10 デバイス構造体
20 デバイス構造体
100 複層物
110 基材
110U 基材の面
120 素子部
120U 素子部の表面
121 第一電極層
122 発光層
123 第二電極層
200 封止層
210 第一封止層
210U 第一封止層の表面
220 第二封止層
300 封止層
320 第二封止層

Claims (7)

  1. 基材、及び、前記基材上に設けられた素子部を備える複層物を用意する工程(a)と、
    前記素子部を封止する封止層を形成する工程(b)と、を含む、デバイス構造体の製造方法であって、
    前記封止層を形成する工程(b)が、第一封止層を形成する工程(b1)と、第二封止層を形成する工程(b2)と、を含み、
    前記第一封止層を形成する工程(b1)が、熱可塑性エラストマー及び溶媒を含む第一中間層を形成する工程(b1−1)と、前記第一中間層を乾燥させる工程(b1−2)と、を含み、
    前記第二封止層を形成する工程(b2)が、ポリシラザン化合物を含む第二中間層を形成する工程(b2−1)と、前記第二中間層に紫外線を照射する工程(b2−2)と、を含む、デバイス構造体の製造方法。
  2. 前記工程(b1−1)が、前記熱可塑性エラストマー及び前記溶媒を含む樹脂組成物を塗工することを含む、請求項1に記載のデバイス構造体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性エラストマーが、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体、及び、水素化芳香族ビニル化合物−共役ジエンブロック共重合体のケイ素原子含有極性基による変性物、からなる群より選ばれる1種類以上である、請求項1又は2に記載のデバイス構造体の製造方法。
  4. 前記工程(b2−1)が、前記ポリシラザン化合物を含む液状組成物を塗工することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
  5. 工程(b)が、前記工程(b1)及び前記工程(b2)をこの順で行うことを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
  6. 前記素子部が、有機エレクトロルミネッセンス素子部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス構造体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法によって製造されたデバイス構造体。
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