JP2021124617A - 偏光発光パルプ基材及びその製造方法 - Google Patents

偏光発光パルプ基材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光した光を示す偏光パルプ基材を提供する。【解決手段】発光性色素がパルプ基材に配向した状態で含有し、偏光を発光する偏光発光パルプ基材。あるいはさらに紫外域から可視域の光を照射し、吸収することによって、可視域の偏光を発光し、あるいはさらに吸収波長域と発光波長域の少なくとも一部が異なり、極大吸収波長における吸光度が軸によって異なり、あるいはさらに極大吸収波長における吸光度において、最大の吸光度を示す軸の吸光度と最小の吸光度を示す軸の吸光度の比が1.1以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光発光パルプ基材及びその製造方法に関する。
パルプとは木材やその他の植物を化学的にあるいは機械的に処理してセルロース繊維をなるべく純粋に取り出したものであり、製法から化学パルプ、粉木パルプなど、用途から製紙用パルプ、溶解用パルプなどがある。紙、レーヨン、セロファンなどのパルプ基材は、パルプを主原料として用いられている。パルプ基材には無染色なものから様々な色に着色された物や高品位な物まで様々である。ただし、近年ではパルプ基材、それを用いた製品において従来に無い意匠性が求められるようになってきた。例えば、高品位な紙などにおいては偽造されない紙として高度な偽造防止効果などが望まれている。さらに、近年ではマイクロプラスチック等による環境汚染対策のため、プラスチックが用いられてきた物が紙に置き換わる動きが強い。そういった紙や紙製品において従来に無い意匠性や偽造防止等の機密性、環境対策が望まれていることから、今後、従来と異なるパルプ基材、およびそれを用いた紙製品の使用拡大が期待されている。そういった意匠性や偽造防止を提供するために、特許文献1〜3には偏光機能を有する紙に付与する技術が開示されている。
特開2011−248201 特開2012−108465 特開2016−206319
特許文献1〜3に記載されるインクジェット技術や偏光機能を有する紙などに伴う技術は、紙や紙表面の異方性に従って二色性色素が配向し光を吸収する軸としない軸を提供できるため、偏光板を介して視認した場合、その異方性が付与された方向によって異なる視認性を提供できる。また、その含侵する色素の色を軸によって異なる色を用いることによって、偏光板を介して視認した場合、軸によって異なる色を提供できる。しかしながら、重ねて塗工されたり、インク濃度が高かったり、黒色などのインクを用いたりすると、明るさが著しく低下するため、偏光機能を有していたとしても視認性が著しく低下する課題があった。そこで本発明の目的は、偏光機能を有し、視認性に優れるパルプ基材を提供することにある。
本発明者は、かかる目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、発光性色素がパルプ基材に含有し、パルプ基材において該発光性色素が配向していることによって、偏光を発光する偏光発光パルプ基材を新規に見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[16]である。
[1]
発光性色素がパルプ基材に配向した状態で含有し、偏光を発光する偏光発光パルプ基材。
[2]
紫外域から可視域の光を照射し、吸収することによって、可視域の偏光を発光する前項[1]に記載の偏光発光パルプ基材。
[3]
前記吸収波長域と前記発光波長域の少なくとも一部が異なり、極大吸収波長における吸光度が軸によって異なる前項[1]または[2]に記載の偏光発光パルプ基材。
[4]
前記極大吸収波長における吸光度において、最大の吸光度を示す軸の吸光度と最小の吸光度を示す軸の吸光度の比が1.1以上である前項[1]〜[3]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[5]
前記パルプ基材が木材由来パルプよりなる前項[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[6]
前記パルプ基材がセルロース誘導体よりなる前項[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[7]
前記パルプ基材がセロファンである前項[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[8]
前記パルプ基材がレーヨンである前項[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[9]
前記パルプ基材が木綿(コットン)である前項[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[10]
前記パルプ基材が紙である前項[1]〜[5]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
[11]
前記発光性色素がビフェニル骨格、クマリン骨格、スチルベン骨格のいずれかを有する前項[1]〜[10]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材
[12]
前記発光性色素が多環芳香族基を付加している前項[1]〜[11]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材
[13]
前記発光性色素を基材に含浸した後、延伸する前項[1]〜[12]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法
[14]
前記パルプ基材が配向した状態にした後、発光性色素を含有させる前項[1]〜[12]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法。
[15]
前記パルプ基材にラビング処理をした後、発光性色素を溶解した溶液を塗布する前項[1]〜[12]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法。
[16]
前項[1]〜[12]のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材が発光した偏光した光を識別情報として、偏光板を介して観察することができる識別媒体。
本発明の偏光発光パルプ基材は、パルプ基材に紫外域〜可視域の光を照射し、吸収することによって可視域の偏光を発光することができる。別の態様では、紫外光等の目に見えない光を照射し、可視域の偏光を発光することができる。したがって、偏光発光パルプ基材を所定の方向に揃えた刺繍等を施すことによって、各方向によって異なる軸の発光を示すでき、また各軸で異なる発光色や発光輝度、偏光発光度(コントラスト)等を変えることによって、これまでにない意匠性や偽造防止技術を提供できる。
図1は実施例6の偏光発光パルプ基材に対して375nmLED光源からの光を照射しながら、偏光板を介して発光状態を撮影するに際し、最も発光が強く確認できる軸(明光位)に偏光板を設置して、撮影した写真である。 図2は実施例6の偏光発光パルプ基材に対して375nmLED光源からの光を照射しながら、偏光板を介して発光状態を撮影するに際し、最も発光が弱く確認できる軸(消光位)に偏光板を設置して、撮影した写真である。 図3は実施例6の偏光発光パルプ基材に対して375nm LED光源からの光を照射しながら、偏光板を介して発光状態を撮影するに際し、偏光板が無い部分、偏光板を明光位に配置した部分、偏光板を消光位に配置した部分を撮影した写真である。
本発明の偏光発光パルプ基材は、該発光性色素が配向した状態でパルプ基材に含有し、吸収した光を利用して偏光を発光することを特徴とする。該偏光発光パルプ基材は紫外域〜可視域の光を照射されることによって偏光を発光しうるパルプ基材であることが好ましい。特に、該偏光発光パルプ基材は紫外域〜近紫外可視域の光を照射されることによって偏光を発光することがより好ましい。また、パルプ基材の形状は繊維、フィルム、紙など様々な形状が可能であり、特に限定されるものではない。
本発明の別の態様の偏光発光パルプ基材は、前記吸収波長域と前記発光波長域との少なくとも一部が異なり、極大吸収波長における吸光度が軸によって異なり、かつ、可視域の偏光を発光することが可能である。特に、紫外光領域〜近紫外可視光領域の光を吸収し、可視光領域の光を偏光発光する偏光発光パルプ基材は、目に見えないもしくは視認性が著しく低い色の光を吸収し、可視域の偏光発光するパルプ基材を実現できるためより好ましい。ここで、紫外光領域〜近紫外可視光領域の光とは人が視認できない領域もしくは著しく感度が低い波長をいい、具体的には、300〜430nmの波長領域を示す。より好ましくは340〜420nmであり、さらに好ましくは360〜410nmであり、よりさらに好ましくは370〜405nmであり、特に好ましくは380〜400nmである。また、可視域の光とは400〜780nmをいう。
(発光性色素)
本発明で用いられる発光性色素は、一般的な蛍光色素又は燐光発光色素を使用することが出来るが、それぞれの色素が配向した状態で、特定の光を吸収し、励起し、偏光光を発光することができる色素であることを要する。このような色素として、蛍光色素、燐光発光色素のいずれを用いてもよいが、蛍光色素を使用することが好適である。尚、発光性色素は、吸収した光の波長と、発光する光の波長とが異なることが多く、波長変換色素とも呼ばれることがある。
本発明の偏光発光パルプ基材において、パルプ基材の中で発光性色素が配向していることを確認するには、例えば、パルプ基材における配向した軸とその直交軸とで光吸収異方性を有することを測定するか、反射分光によって反射異方性により異方性が発現していることを確認するか、後述するようにパルプ基材中で発光性色素が吸収する光を照射して発光させて偏光板を介して発光した光を視認して偏光を発光していることを確認するか、または、発光している光の偏光発光度を測定する方法が挙げられる。
発光性色素が配向し、吸収異方性を有する場合、パルプ基材において配向した軸とその直交軸とで光吸収量が異なることから、自然光のような無秩序な光照射した場合には、特定の軸の光を強く吸収し、該軸とは異なる軸の光を弱く吸収することが可能となり、結果的に偏光発光パルプ基材を透過した光は偏光(「直線偏光」ともいう)に変換され、いわゆる偏光子としても機能することが可能となる。パルプ基材において発光性色素が配向した軸に対して直線偏光を平行に入射した場合の吸光度と、偏光した直線偏光を直交に入射した場合の吸光度との比(「二色比」ともいう)は1.1以上あれば、発光性色素が異方性を発現していることを示している。より好ましい二色比としては1.4以上であり、さらに好ましくは2以上であり、よりさらに好ましくは3以上であり、特に好ましくは10以上である。二色比は高ければ高いほど偏光発光機能が高まることを示し、特に上限はないが、二色比は30程度あれば十分に高い二色比を有していることを示し、また二色比は100あれば、特に十分に高い二色比を有していることを示している。その他、反射分光エリプソメーター等で反射光において発光性色素が配向していることを確認することができる。
本発明の偏光発光パルプ基材は、発光性色素を一種単独又は複数種類を併用して用いることもできる。複数種類の発光性色素を配合することによって、様々な偏光発光色を提供することが可能となる。また、各発光波長における発光光量や吸光度を調整することによって、各軸によって様々な発光色を実現することも可能であり、さらに、複数種の発光性色素を組み合わせて発光色として白色を提供することも可能となる。
本発明で用いられる発光性色素としては、ビフェニル骨格、スチルベン骨格、クマリン骨格からなる群から選択されるいずれか骨格を少なくとも分子内に有する化合物又はその塩であることが好ましく、特にスチルベン骨格、ビフェニル骨格を有する化合物又はその塩であることがより好ましい。このような基本骨格を有する発光性色素が、蛍光発光特性を示しつつ、高い輝度と偏光度を有する光を発光させることができる。発光性色素の基本骨格としてのスチルベン骨格、クマリン骨格、ビフェニル骨格は、それぞれの骨格自体が蛍光発光特性を示し、かつ、基材に配向させることにより高い二色性を示す作用を有する。この作用は、スチルベン骨格、ビフェニル骨格、クマリン骨格の各基本骨格の構造に起因するため、基本骨格構造にはさらに任意の置換基が結合されていてもよい。
本発明で用いられる発光性色素は、紫外光領域〜近紫外可視光領域の光を吸収することにより可視光領域の光を偏光発光可能な蛍光発光特性を有することが好ましい。具体的には、発光性色素をパルプ基材に含有させ配向させた後、400nm以下の紫外光領域や400〜430nmの近紫外可視光領域の光を照射することにより、400〜780nmの可視光域の偏光発光を示すことが好ましい。尚、一般的に紫外光は400nm以下の波長領域の光を示すものの、430nm以下の波長領域の光も人間の視感度としては著しく低い。そのため、紫外光領域〜近紫外可視光領域の光は、人の目に見えない光として定義することができ、例えば、300nm〜430nm波長領域の光を本願偏光発光パルプ基材に吸収させるための光として用いることが出来る。発光性色素がフェニル骨格、スチルベン骨格、クマリン骨格からなる群から選択されるいずれか骨格を少なくとも分子内に有する化合物又はその塩の場合、好ましい紫外光領域〜近紫外可視光領域の光としては300〜430nmの光を指すが、より好ましくは340〜420nm、さらに好ましくは360〜410nmが良く、よりさらに好ましくは370〜405nmが良く、特に好ましくは380〜400nmが、目に見えない光を吸収して高輝度な偏光発光パルプ基材を得ることができるために良い。
(a)スチルベン骨格を有する発光性色素
スチルベン骨格を有する発光性色素は、好ましくは、下記式(1)で表される化合物又はその塩である。
Figure 2021124617
(式(1)中、L及びMは、各々独立して、ニトロ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいカルボニルアミド基、置換基を有してもよいナフトトリアゾール基、置換基を有してもよいC−C20アルキル基、置換基を有してもよいビニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換を有してもよいウレイド基、または置換基を有してもよいアリール基及び置換基を有してもよいカルボニル基を表す。)
前記式(1)で表されるスチルベン骨格を有する化合物は、蛍光発光を示し、また、配向させることによって二色性を示す。発光特性は、スチルベン骨格に起因するものであるため、L及びMの各基が結合し得る置換基は、特に限定されるものではなく、任意の置換基であってよい。
置換基を有してもよいアミノ基としては、例えば、非置換のアミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ターシャリブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、エチルヘキシルアミノ基等の置換基を有してもよいC−C20アルキルアミノ基;フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、N−フェニル−N−ナフチルアミノ基等の置換基を有してもよいアリールアミノ基;メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、n−ブチル−カルボニルアミノ基等の置換基を有してもよいC−C20アルキルカルボニルアミノ基;フェニルカルボニルアミノ基、ビフェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等の置換基を有してもよいアリールカルボニルアミノ基;メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、プロピルスルホニルアミノ基、n−ブチル−スルホニルアミノ基等のC−C20アルキルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、ナフチルスルホニルアミノ基等の置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ等が挙げられる。
これらのアミノ基の中でも、置換基を有してもよいC−C20アルキルカルボニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールカルボニルアミノ基、C−C20アルキルスルホニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基が好ましい。
置換基を有してもよいカルボニルアミド基としては、例えば、N−メチル−カルボニルアミド基(−CONHCH)、N−エチル−カルボニルアミド基(−CONHC)、N−フェニル−カルボニルアミド基(−CONHC)等が挙げられる。
置換基を有してもよいC−C20アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等の直鎖状のC−C12アルキル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分岐鎖状のC−C10アルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状のC−Cアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
置換基を有してもよいビニル基として、例えば、エテニル基、スチリル基、アルキル基を有するビニル基、アルコキシ基を有するビニル基、ジビニル基、ペンタジエン基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアミド基として、例えば、アセトアミド基(−NHCOCH)、ベンズアミド基(−NHCOC)等が挙げられる。
置換基を有してもよいウレイド基として、例えば、モノアルキルウレイド基、ジアルキルウレイド基、モノアリールウレイド基、ジアリールウレイド基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基として、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等が挙げられ、好ましくはC−C12アリール基である。アリール基は、環構成原子として窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選択される1〜3つのヘテロ原子を含む5員環又は6員環の複素環基であってもよい。このような複素環基の中でも、窒素原子および硫黄原子から選択される原子を環構成原子として含む複素環基であることが好ましい。
置換基を有してもよいカルボニル基としては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−ブチル−カルボニル基、フェニルカルボニル基等が挙げられる。
上述した置換基としては、特に限定されるものではないが、例えば、ニトロ基、シアノ基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
カルボキシアルキル基としては、例えば、メチルカルボキシル基、エチルカルボキシル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物として、例えば、Kayaphorシリーズ(日本化薬社製)、Whitex RP等のホワイテックスシリーズ(住友化学社製)等が挙げられる。また、前記式(1)で表される化合物の具体例を以下に記載するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021124617
スチルベン骨格を有する他の化合物として、下記式(2)または式(3)で表される化合物またはその塩であることが好ましい。これらの化合物を用いることによって、より鮮明な白色発光をする偏光発光パルプ基材を得ることができる。さらに、下記式(2)および式(3)で表される化合物もスチルベン骨格に起因して蛍光発光を示し、また、配向することによって二色性示す。
Figure 2021124617
(式(2)中、Xは、ニトロ基又は置換基を有してもよいアミノ基を表し、Rは、水素原子、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または置換基を有してもよいアミノ基を表し、nは0〜3の整数である)
(式(3)中、Yは、置換基を有してもよいC−C20アルキル基、置換基を有していてもよいビニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、Zは、ニトロ基、又は、置換基を有してもよいアミノ基を表す。)
置換基を有してもよいアミノ基は、上記式(1)における置換基を有してもよいアミノ基と同様に定義される。これらの中でも、Xは、ニトロ基、置換基を有してもよいC−C20アルキルカルボニルアミノ基、置換基を有してもよいアリールカルボニルアミノ基、C−C20アルキルスルホニルアミノ基、または置換基を有してもよいアリールスルホニルアミノ基であることが好ましく、特に、ニトロ基であることがより好ましい。
上記式(2)中、Rにおける置換基を有してもよいアルキル基としては、上記式(1)における置換基を有してもよいC−C20アルキル基と同様に定義される。置換基を有してもよいアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基等である。置換基を有してもよいアミノ基は、上記式(1)における置換基を有してもよいアミノ基と同様に定義され、好ましくはメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、またはフェニルアミノ基等である。Rは、ナフトトリアゾール環中のナフタレン環の任意の炭素に結合してよいが、トリアゾール環と縮合している炭素を1位、及び2位とした場合、3位、5位、又は8位に結合していることが好ましい。これらの中でも、Rは、水素原子又はC−C20アルキル基であることが好ましく、RがC−C20アルキル基である場合、メチル基であることが好ましい。
上記式(2)中、nは0〜3の整数であり、好ましくは1である。また、上記式(2)中、−(SOH)は、ナフトトリアゾール環中のナフタレン環の任意の炭素原子に結合していてよい。−(SOH)のナフタレン環における位置は、トリアゾール環と縮合している炭素原子を1位、2位とした場合、n=1であれば、4位、6位、または7位であることが好ましく、n=2であれば、5位と7位、および6位と8位であることが好ましく、n=3であれば、3位と6位と8位の組み合わせであることが好ましい。これらのうち、Rが水素原子であり、かつnが1または2であることが特に好ましい。
式(3)中、Yは、置換基を有してもよいC−C20アルキル基、置換基を有してもよいビニル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。これらの中でも、置換基を有してもよいアリール基であることが好ましく、置換基を有してもよいナフチル基であることがさらに好ましく、置換基としてアミノ基とスルホ基が置換したナフチル基であることが特に好ましい。
式(3)中、Zは、上記式(2)におけるXと同様に定義され、ニトロ基、又は、置換基を有してもよいアミノ基を表し、ニトロ基であることが好ましい。
(b)ビフェニル骨格を有する発光性色素
ビフェニル骨格を有する化合物は、好ましくは下記式(4)で表される化合物またはその塩である。
Figure 2021124617
(式(4)中、P及びQは、それぞれ独立に、ニトロ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいカルボニルアミド基、置換基を有してもよいナフトトリアゾール基、置換基を有してもよいC−C20アルキル基、置換基を有してもよいビニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいウレイド基、または置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいカルボニル基を表す)
上記式(4)で表される化合物としては、好ましくは、下記式(5)で表される化合物である。
Figure 2021124617
(式(5)中、jまたはkは0〜2の整数を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、アラルキロキシ基、アルケニロキシ基、C−Cアルキルスルホニル基、C−C20アリールスルホニル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルボキシアルキル基を表す。)
上記式(5)中、−(SOH)が結合される位置は、−CH=CH−が結合されている炭素原子を1位とした場合、2位、4位、6位が好ましく、4位が特に好ましい。
〜Rが結合される位置は、特に限定されるものではないが、ビニル基を1位とした場合、2位、4位、6位が好ましく、4位が特に好ましい。
−Cアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等が挙げられる。
−Cアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基等が挙げられる。
アラルキロキシ基としては、例えば、C−C18アラルキロキシ基等が挙げられる。
アルケニロキシ基としては、例えば、C−C18アルケニロキシ基等が挙げられる。
−Cアルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、ターシャリブチルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基等が挙げられる。
−C20アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、ビフェニルスルホニル基等が挙げられる。
上記式(5)で表される化合物は公知の方法で作製可能であり、例えば、4−ニトロベンズアルデヒド−2−スルホン酸をホスホネートと縮合させ、次いでニトロ基を還元することによって合成することができる。上記式(5)で表される化合物の具体例は、例えば、特開平4−226162号公報等に記載されている下記の化合物が挙げられる。
Figure 2021124617
(c)クマリン骨格を有する発光性色素
発光性色素となるクマリン骨格を有する化合物は、好ましくは下記式(6)で表される化合物またはその塩である。
Figure 2021124617
(式(6)中、Aは置換基を有してもよいクマリン系化合物を表し、Xはスルホ基又はカルボキシ基を表し、pは1〜3の整数を表す。)
上記式(6)で表されるクマリン系化合物は、クマリン骨格を有する水溶性を示す発光性色素である。
上記式(6)が、下記式(6−2)の時、さらに偏光発光時のコントラストが向上するため好ましい。
Figure 2021124617
(式(6−2)中、RおよびRは各々独立に炭素数1〜10の炭化水素基を表し、Qは硫黄原子、酸素原子、窒素原子を表し、qは1〜3の整数を表す。)
上記式(6)または式(6−2)で表される水溶性クマリン系化合物である発光性色素は、分子中に少なくとも1つのクマリン骨格を有する。従来の二色性色素のようにアゾ結合を有しても良いが、上記式(6−2)のように、アゾ結合を有さない形態も可能である。本発明に係る水溶性クマリン系化合物である発光性色素は、クマリン骨格を有するため、紫外光及び可視光、具体的には300〜600nmの光の照射により、偏光発光作用示す。
本発明で用いられる発光性色素、特に上記式(1)〜(6−2)で表される発光性色素である化合物の塩においては、その骨格に多環芳香族基を有することが特に好ましい。好ましい多環芳香族基としては、置換基を有してもよいナフタレン基、置換基を有してもよいアセチレン基、置換基を有してもよいベンゾトリアゾール基、置換基を有してもよいベンゾチアゾール基、置換基を有してもよいナフトトリアゾール基、置換基を有してもよいナフトチアゾール基等が挙げられ、特に下記式(7)〜(12)で表される基が好ましい。さらに、多環芳香族基に置換する置換基としてはスルホ基、カルボニル基、ヒドロキシ基が好ましい。
Figure 2021124617
(式(7)〜式(12)中、Aは各々独立に、水素原子、ハロゲン基、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシ基を有する炭素数1〜4のアルキル基、スルホ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基を有する炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選択される基を表し、qは0〜4の整数を表す。式(7)〜(12)中、Mは各々独立に、水素原子、金属イオン、またはアンモニウムイオンを表し、n、nはそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。式(7)〜(12)中の*は、それぞれ、式(1)〜(6−2)で示される発光性色素である化合物の塩における結合位置を示す。)
本発明で用いられる発光性色素、例えば上記式(1)〜(6−2)で表される化合物の塩とは、上記各式で表される各化合物の遊離酸が無機陽イオン又は有機陽イオンと共に塩を形成している状態を意味する。無機陽イオンとしては、アルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等の各陽イオン、又は、アンモニウム(NH )等が挙げられる。また、有機陽イオンとしては、例えば、下記式(13)で表される有機アンモニウム等が挙げられる。
Figure 2021124617
(式(13)中、Z1〜Z4は、各々独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表し、かつ、Z1〜Z4の少なくともいずれか1つは水素原子以外の基を表す。)
1〜Z4の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のC−Cアルキル基、好ましくはC−Cアルキル基;ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC−Cアルキル基、好ましくはヒドロキシC−Cアルキル基;並びに、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC−CアルコキシC−Cアルキル基、好ましくはヒドロキシC−CアルコキシC−Cアルキル基等が挙げられる。
これらの無機陽イオン又は有機陽イオンの中でも、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニウム等の各陽イオンがより好ましく、リチウム、アンモニウム又はナトリウムの各無機陽イオンが特に好ましい。
(その他の色素)
本発明の偏光発光パルプ基材は、偏光性能を阻害しない範囲で、上記で例示した発光性色素とは異なる少なくとも一種の蛍光染料及び/又は有機染料をさらに含んでいてもよい。併用される蛍光染料としては、例えば、C.I.Fluorescent Brightener 5、C.I.Fluorescent Brightener 8、C.I.Fluorescent Brightener 12、C.I.Fluorescent Brightener 28、C.I.Fluorescent Brightener 30、C.I.Fluorescent Brightener 33、C.I.Fluorescent Brightener 350、C.I.Fluorescent Brightener 360、C.I.Fluorescent Brightener 365等が挙げられる。
上記有機染料としては、例えば、シー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ71、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.ブルー69、シー.アイ.ダイレクト.ブルー78、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、及びシー.アイ.ダイレクト.グリーン59等が挙げられる。これらの有機染料は遊離酸であっても、あるいはアルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩又はアミン類の塩であってもよい。
(パルプ基材)
本発明で用いられるパルプ基材はパルプを原料とする基材であれば特に限定されず、その形状もフィルム、繊維等に限定されない。例えば、パルプとしては木材、木綿(木綿由来のコットンリンターなど)、麻等のセルロースパルプ原料由来のものが挙げられる。そういったパルプを原料として、フィルム、繊維、紙等に成形することによってパルプ基材とすることができる。具体的には、フィルムや薄膜に成形されたセルロースフィルム、セロファンや紙、繊維にされたレーヨン、木綿糸などが基材として例示される。パルプ基材となる繊維(糸)は紡績糸、製糸、または紡糸であっても良い。紡績糸とは綿、麻などの植物性パルプを長い糸にされたものを指す。尚、本発明で用いられるパルプ基材はそれら糸を混紡した物でも良い。尚、パルプ原料由来のパルプ基材として、セルロース由来である紙パルプ基材において、紙を延伸し異方性を発現することで配向したパルプ基材を実現できるが、一般的な紙でも縦目や横目等によって製紙する際に異方性を発現しており、そういった異方性をきっかけにして発光性色素が配向することによって本発明の偏光発光パルプ基材を達成することもできる。
(偏光発光パルプ基材の製造方法)
本発明の偏光発光パルプ基材は、パルプ基材に発光性色素を含有する工程、パルプ基材中で発光性色素を配向させる工程、により製造することができる。
本発明の偏光発光パルプ基材において、パルプ基材に発光性色素を含有させる方法としては、特に限定されないが、発光性色素を水などの溶液中に溶解させて、常温もしくは加温された前記溶剤中に基材を浸漬させる方法、発光性色素が含有した水などの溶液を基材に吹き付ける方法などが挙げられる。
本発明の偏光発光パルプ基材において、パルプ基材中で発光性色素配向させる方法としては、発光性色素をパルプ基材に含浸した後に延伸する方法、パルプが異方性を有する状態にした後に発光性色素を含有させる方法、ラビング処理をした後、発光性色素を溶解した溶液を塗布する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。このうち、発光性色素をパルプ基材に含浸した後に延伸する方法の方法、パルプが異方性を有する状態にした後に発光性色素を含有させる方法の方法が好ましく、発光性色素をパルプ基材に含浸した後に延伸する方法の方法が特に好ましい。
パルプ基材の延伸倍率としては、特に限定されないが、例えばパルプ原料由来の基材であるトリアセチルセルロースやセロファンは加熱延伸により1.1倍〜3.0倍までの延伸は可能であるなど、延伸倍率は基材種によって様々であるため、延伸が可能な任意の温度で任意の倍率で延伸すれば良い。
上述の製造方法により、本発明の偏光発光パルプ基材を作製することができる。得られた偏光発光パルプ基材は、発光時に高コントラストな偏光発光を示すと同時に、高い耐久性を有し、例えば115℃の高温や、相対湿度60%の90℃の温度環境下でもその性能を維持することが出来る。
(偏光発光パルプ基材)
本発明の偏光発光パルプ基材は、光の吸収、特に紫外光領域〜近紫外可視光領域の光の吸収により得られたエネルギーを利用して可視光領域に偏光発光を示すことが、フィルムの透過率向上のためには好ましい。また、この偏光発光の明度をより向上させるため、透明性が高く、かつ高いコントラストを有する偏光発光を示すことが好ましい。
本発明の偏光発光パルプ基材が発光する偏光光は、偏光機能を有する一般的な偏光板を介して、発光した偏光発光パルプ基材を観察した場合、その偏光板の軸の角度を変えることによって、偏光発光における強い軸における発光と弱い軸における発光とを視認することができる。
本発明の偏光発光パルプ基材が発光する偏光光の偏光度(以下、「偏光発光度」とも称する)は、ストークスパラメーター法と呼ばれる方法で測定が可能である。ストークスパラメーター法による偏光発光度の測定は、例えば、東京インスツルメンツ社製 分光ポラリメーターPoxi−Spectraを用いることができる。偏光発光度の測定は、偏光発光パルプ基材そのもの、あるいは束状、もしくはフィルム状にして測定することが出来る。本発明の偏光発光パルプ基材の偏光発光度は、視認性の観点から、通常10%以上100%以内であれば偏光板等を介して偏光が発光していることが視認でき、好ましくは30%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは90%以上である。また、偏光発光時の偏光度が高いほど、明光位と消光位が明確な発光、即ち発光時の明暗の高いコントラストを提供しうるため、発光時の偏光度は高いことが好ましい。
偏光発光パルプ基材の透過率は透明性向上の観点から、視感度補正透過率において、通常60%以上であり、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。スチルベン骨格、クマリン骨格、またはビフェニル骨格を有する発光性色素、特にスチルベン骨格、またはビフェニル骨格を有する発光性色素を用いた偏光発光パルプ基材は、高い透明性と高い偏光度を有する光を発光するため、非発光状態、もしくは発光が弱い軸の発光において可視光域での吸収が小さくなり、これにより、透明度の高い偏光発光パルプ基材を得ることができる。
(用途)
本発明の偏光発光パルプ基材は、優れた意匠性と高い機密性(偽造防止等)を有する。例えば、1種の偏光発光パルプ基材がある軸に対して一定の方向に配置されている場合、他の軸に他の1種の偏光発光パルプ基材が配置されている場合、それらが発光しうる光を照射すると、それぞれの軸で異なる色の発光を示し、偏光板を介して発光を視認することによって、それぞれの軸で異なる発光を示す裁縫もしくは布を提供することができる。例えば、本発明の偏光発光パルプ基材を用いて施された裁縫が特定の形やロゴ等であった場合、その形状を視認できるだけでなく、発光色と偏光の有無、偏光の軸等で様々な組み合わせにより、様々な光情報を識別することができるため、従来の着色パルプ基材等と異なる意匠性や機密性を提供することができる。つまり、それら偏光発光パルプ基材を所定の方向に揃えた刺繍等を形成することによって、各方向によって異なる軸の発光を提供でき、また各軸で異なる発光色や発光輝度、偏光発光度(コントラスト)等を変えることによって、これまでにない意匠性や偽造防止技術を提供できる。
また、本発明の偏光発光パルプ基材は紫外光領域〜近紫外可視光領域に光の吸収を持つことも可能なため、透明性が高い偏光発光パルプ基材も提供可能であることから、吸収しうる光を照射していない場合には透明でありながら、吸収しうる光を照射する場合には偏光を発光しうる偏光発光パルプ基材を提供しうることを示すことからも、より高度な意匠性や機密性を提供しうることを示している。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明をなんら限定するものではない。下記に記載されている「%」及び「部」は、特に言及されない限り質量基準である。尚、各実施例及び比較例で使用した化合物の各構造式において、スルホ基等の酸性官能基は、遊離酸の形態で記載した。
[評価方法]
下記の実施例及び比較例で得た各偏光発光パルプ基材を測定試料とした評価を次のようにして行った。
(透過率、及び吸光度の測定)
分光光度計(日立ハイテクテクノロジーズ社製「U−4100」)を用いて試料の透過率、及び吸光度を評価した。各実施例及び比較例で作製した各試料に、220nm〜2600nmの波長領域に100%の偏光を有する光(以下、「絶対偏光」とも称する)を照射できるグラムトムソン偏光子を設置し、各試料に、絶対偏光を照射した際の各波長の光の透過率を測定した。測定に際し、界面反射の影響を無くして試料の透過率を評価するために、発光性化合物を含まない基材を分光光度計で測定した時の100%透過率(一般的に、ベースラインと称する)を基準とした。具体的には、実施例、または比較例の試料を測定において、別途、パルプ基材中に発光性化合物を含まない状態で加工して作製した基準となる試料を分光光度計の光路上に設けて測定した値を100%透過率または0%吸光度(ベースライン)とし、各測定試料の透過率または吸光度を測定した。
各測定試料に対して絶対偏光を照射して、発光性化合物が配向した最も高い光の吸収を示す軸に対して直交位に偏光した光が入射した際に測定された光の透過率、即ち偏光した光の入射時に、最も光の吸収の少ない軸(最も透過率が高い軸)における光の透過率をKy、その偏光した光の入射時に最も吸収の少ない軸における光の吸光度をAbs−Kyとした。偏光発光パルプ基材に対して絶対偏光を照射して発光性色素が配向した最も高い光の吸収を示す軸に対して平行位に偏光した光が入射した際に測定された光の透過率、即ち偏光した光の入射時に、最も吸収の多い軸(最も透過率が低い軸)における光の透過率をKz、その偏光した光の入射時に最も吸収の多い軸における光の吸光度をAbs−Kzとして、吸光度比(Rd)をAbs−Kz/Abs−Kyにより算出される値を用いて評価した。
(視感度補正単体透過率Ys)
各測定試料の視感度補正単体透過率Ysは、可視光領域における380〜780nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)毎に求めた上記Ky及びKzを下記式(I)に代入して各波長の単体透過率Tsを算出し、JIS Z 8722:2009に従って視感度に補正した透過率である。具体的には、単体透過率Tsを下記式(I)に代入して算出した。なお、下記式(II)中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。
Ts=(Ky+Kz)/2・・・(I)
Figure 2021124617
(発光強度、偏光発光度の測定)
各測定試料の発光強度、発光した光の偏光度(偏光発光度)については、光源として375nm LED光源(THORLABS社製 マウント付LED M375L4°)を設置し、該LED光源からの光を照射された試料から発光した偏光光を、発光分光光度計(東京インスツルメンツ社製 分光ポラリメーターPoxi−Spectra)を用いて、ストークスパラメーター法により測定した。該LED光源の光を測定試料に入射した時に発光分光光度計より得られる発光強度(S)と偏光発光度(DOP)を測定した。尚、発光強度(S)の最大値を示す波長を極大発光波長とした。
[実施例1]
(合成例1)
市販品の4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム 41.4部を水300部に加え撹拌し、35%塩酸を用いてpH0.5とした。得られた溶液に40%亜硝酸ナトリウム水溶液10.9部を加え、10℃で1時間撹拌し、続いて6−アミノナフタレン−2−スルホン酸34.4部を加え、15%炭酸ナトリウム水溶液でpH4.0に調製し、4時間撹拌した。得られた反応液に塩化ナトリウム60部を加え、析出固体をろ過分離、さらにアセトン100部にて洗浄することにより、中間体である式(14)の化合物のウェットケーキを乾燥し、83.8部を得た。
Figure 2021124617
得られた式(14) 83.8部を水300部に加え撹拌し、25%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.0とした。得られた溶液に28%アンモニア水20部、及び硫酸銅五水和物9.0部を加え、90℃で2時間撹拌した。得られた反応液に塩化ナトリウム25部を加え、析出固体をろ過分離、さらにアセトン100部にて洗浄することにより、式(15)の化合物のウェットケーキ40.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(15)で表される化合物 20.0部を得た。
Figure 2021124617
得られた式(15)で表される発光性化合物 1質量部を40℃の水 1000部に溶解し、該水溶液にパルプを原料としたパルプ基材であるセロファン(レンゴー社製 セロファン)を5分間浸漬させた後、2.5倍に延伸し、25℃で乾燥させて、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[実施例2]
40℃の温水にセロファン(レンゴー社製 セロファン)を5分間浸漬させた後、2.5倍に延伸した。延伸して得られたセロファンに、発光性化合物として、化合物例5−1に記載の4,4’−ビス−(スルホスチリル)ビフェニル2ナトリウム水溶液(BASF社製 Tinopal NFW Liquid) 5質量部を25℃の水 1000部に溶解させた水溶液に5分間浸漬させて、25℃で乾燥させて、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[実施例3]
(合成例2)
市販品の3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン 3.5部98%硫酸45部と30%発煙硫酸10部の混合溶液に加え、25℃で24時間撹拌した。得られた反応液を水300部に添加し、析出した固体をろ過により分離し、更にアセトン100部にて洗浄することにより、ウェットケーキ10.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(16)で表される水溶性クマリン系二色性染料 2.9部を合成した。
Figure 2021124617
得られた式(16)で表される発光性化合物 5質量部を40℃の100部に溶解し、該水溶液にパルプ基材である綿繊維(旭化成社製 ベンコットM−3)を5分間浸漬させた後、2.5倍に延伸し、25℃で乾燥させて、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[実施例4]
実施例3で用いた式(16)で表される発光性化合物を化合物例5−1に記載の4,4’−ビス−(スルホスチリル)ビフェニル2ナトリウム水溶液(BASF社製 Tinopal NFW Liquid)に代えた以外は同様にして、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[実施例5]
実施例3で用いた綿繊維をレーヨンパルプ(ダイバボウレーヨン社製 乾式不織布原綿レギュラータイプ)に代えて、延伸倍率を2倍に変えた以外は同様にして、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[実施例6]
パルプを原料としたパルプ基材であるセロファン(レンゴー社製 セロファン)に、その基材の長軸方向に沿ってラビング布(妙中パイル織物社製 MK0012)を巻いたロールで100rpmの速度で荷重5k荷重でラビング処理を行った。そのラビング処理を行ったセロファン面に式(15)で表される発光性色素 5重量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン MS−110) 0.15重量部、水 100重量部の組成物を、セロファンフィルムのラビング面に組成物の塗布量が10μmの膜厚になるようにガラス棒を用いて塗工し、25℃で乾燥させて、本発明の偏光発光パルプ基材を作製した。
得られた偏光発光パルプ基材を紫外線LED(日亜化学工業社製「PW−UV943H−04」:375nmハンドライトタイプ ブラックライト)で光を照射しながら発光している様子を、1軸に吸収する能力を有する直線偏光板(ポラテクノ社製 SKN−18243P)を回転させながら、該偏光板を介して観察した。偏光発光パルプ基材が最も発光が強く確認しうるようにカメラの前に偏光板を配置(偏光板を偏光発光パルプ基材に対して明光位に配置)して撮影された様子を図1に示し、偏光発光パルプが最も発光が弱く確認しうるようにカメラの前に偏光板を配置(偏光板を偏光発光パルプ基材に対して消光位に配置)して撮影された様子を図2に示す。また、実施例6において得られた偏光発光パルプ基材を375nm LED光源からの光を照射しながら、偏光板を介して撮影する際に、偏光板が無い部分、偏光板を明光位に配置した部分、偏光板を消光位にそれぞれ配置した部分をカメラにて撮影した様子を図3に示す。なお、図3中のA部は偏光板を通さずに偏光発光パルプ基材が発光していることが視認している様子、B部は最も明るい軸(明光位)に対して偏光板の吸収軸を直交にを配置して偏光板を介して視認出来る様子、C部は最も暗い軸(消光位)に対して偏光板の吸収軸を直交にを配置して偏光板を介して視認できる様子を示す。
[実施例7]
縦目および横目を有する紙(丹羽紙業株式会社製 特選ケント紙(110kg)縦目 A4(210×297mm)に、その基材の縦目方向に沿ってラビング布(妙中パイル織物社製 MK0012)を巻いたロールで100rpmの速度で荷重5k荷重でラビング処理を行った。そのラビング処理を行った紙面に式(15)で表される発光性色素 5重量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン MS−110) 0.15重量部、水 100重量部の組成物を、紙のラビング面に組成物の塗布量が10μmの膜厚になるようにガラス棒を用いて塗工し、25℃で乾燥させて、本発明の偏光発光パルプ基材を作製し、測定試料とした。
[比較例1]
実施例1で用いたセロファンにおいて延伸を適用しないこと以外は同様にして、比較例の測定試料とした。
[比較例2]
実施例3で用いた綿繊維において延伸を適用しないこと以外は同様にして、比較例の測定試料とした。
実施例1〜7、比較例1または2で得られた測定試料について、極大吸収波長(λmax−abs)、各測定試料に絶対偏光を照射して最も高い光の吸収を示す軸に対して偏光した光を入射した際の極大吸収波長における吸光度と、各測定試料に絶対偏光を照射して最も低い光の吸収を示す軸に対して偏光した光を入射した際の極大吸収波長における吸光度との比(Rd)、極大発光波長(λmax−ex)、発光した光の偏光度(DOP)を測定した。測定結果を表1に示す。尚、綿繊維を用いた実施例3〜5、比較例2においては厚みが30μm程度になるようにして各測定を行い、また、実施例7においては紙を使用しているためYsやRdを測定できないため測定値には「−」を記載し、実施例3〜5、比較例2においても得られる偏光発光パルプ基材が繊維のため、Ysの測定部分には「−」を記載した。
Figure 2021124617
表1によって、実施例1〜6で得られた本発明の偏光発光パルプ基材はRdが1.4以上を示し、偏光度45.66%以上の偏光発光を発現することが分かる。また、図1〜図3より、その偏光した発光は、直線偏光板を介して明光位と消光位を観察可能であることが分かる。また実施例1〜6の結果より、その極大発光波長(λmax−ex)は極大吸収波長(λmax−abs)と異なり、かつその偏光度(DOP)は56%以上を示していた。さらに、その透明度は、実施例1、実施例2、実施例6において99%以上を示していることから、本発明の偏光発光パルプ基材は高い透明性を有していることが分かる。それに対して、比較例1および比較例2はRdが1.01〜1.05であり、配向しておらず、またDOPは比較例1でも1.04%であり、著しく低い偏光を発光していることが分かる。実際に比較例1および比較例2の発光している様子を、偏光板を介して確認しても、偏光を発光していることが確認できなかった。尚、実施例3〜5では極大吸収波長が460nm以下であり、特に実施例4、実施例5では極大吸収波長が430nmであり視認性が著しく低い波長で光の吸収を有していることから、光線透明性が高い偏光発光パルプ基材が得られていることが分かる。実施例3〜5において光線透過率が高い理由は、実施例1、実施例2、実施例6のYsからも、容易に類推できる。以上のことから、本発明の偏光発光パルプ基材は、発光性色素がパルプ基材に配向した状態で含有し、偏光を発光することが示された。
本発明の偏光発光パルプ基材は各軸で示す発光輝度のコントラストが高い偏光発光を示し、かつ、優れた耐久性を具備しつつ、可視光域で高い光線透過率を有することから、これまでにない優れた意匠性と高い機密性(偽造防止等)を提供しうる。

Claims (16)

  1. 発光性色素がパルプ基材に配向した状態で含有し、偏光を発光する偏光発光パルプ基材
  2. 紫外域から可視域の光を照射し、吸収することによって、可視域の偏光を発光する請求項1に記載の偏光発光パルプ基材。
  3. 前記吸収波長域と前記発光波長域の少なくとも一部が異なり、極大吸収波長における吸光度が軸によって異なる請求項1または2に記載の偏光発光パルプ基材。
  4. 前記極大吸収波長における吸光度において、最大の吸光度を示す軸の吸光度と最小の吸光度を示す軸の吸光度の比が1.1以上である請求項1〜3のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  5. 前記パルプが木材由来パルプよりなる請求項1〜4のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  6. 前記パルプ基材がセルロース誘導体よりなる請求項1〜5のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  7. 前記パルプ基材がセロファンである請求項1〜5のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  8. 前記パルプ基材がレーヨンである請求項1〜5のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  9. 前記パルプ基材が木綿(コットン)である請求項1〜5のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  10. 前記パルプ基材が紙である請求項1〜5のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材。
  11. 前記発光性色素がビフェニル骨格、クマリン骨格、スチルベン骨格のいずれかを有する請求項1〜10のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材
  12. 前記発光性色素が多環芳香族基を付加している請求項1〜11のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材
  13. 前記発光性色素を基材に含浸した後、延伸する請求項1〜12のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法
  14. 前記パルプ基材を配向させた後、発光性色素を含有させる請求項1〜12のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法。
  15. 前記パルプ基材にラビング処理をした後、発光性色素を溶解した溶液を塗布する請求項1〜12のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材の製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれかに記載の偏光発光パルプ基材が発光した偏光した光を識別情報として、偏光板を介して観察することができる識別媒体。

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