JP7406458B2 - 水溶性ペリレン系二色性蛍光染料、又はその塩を用いた偏光機能を有する偏光発光膜、偏光発光板及び表示装置 - Google Patents

水溶性ペリレン系二色性蛍光染料、又はその塩を用いた偏光機能を有する偏光発光膜、偏光発光板及び表示装置 Download PDF

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本発明は新規な水溶性ペリレン系二色性染料、又はその塩を含有する新規な偏光発光膜、染料系偏光発光板及び表示装置に関する。
光の透過・遮へい機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)等の表示装置の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も初期の頃の電卓および時計等の小型機器から、ノートパソコン、ワープロ、液晶プロジェクター、液晶テレビ、カーナビゲーション、及び屋内外の計測機器等へと広がりつつある。また、偏光機能を有するレンズ等への適用も可能であり、例えば、視認性の向上したサングラスや、近年では3Dテレビなどに対応する偏光メガネなどへの応用がなされている。以上のように、偏光板の用途は広範囲に広がっており、その使用条件も、低温~高温、低湿度~高湿度、低光量~高光量等幅広いことから、高い偏光性能かつ高い耐久性を有する偏光板が求められている。
一般に、偏光板を構成する偏光膜は、ヨウ素や二色性染料を染色又は含有せしめてポリビニルアルコール又はその誘導体のフィルムを延伸配向して製造されるか、あるいは、ポリ塩化ビニルフィルムの脱塩酸又はポリビニルアルコール系フィルムの脱水によりポリエンを生成して配向せしめることにより製造される。そういった従来の偏光膜から構成される偏光板は、可視光領域に光の吸収作用を有する二色性色素を用いているため、可視光領域での透過率が低下する。例えば、市販されている一般的な偏光板の透過率は35~45%である。可視光領域での透過率が低い偏光板をディスプレイ等に用いると、ディスプレイ全体の透過率が減少するため、従来の偏光板を用いずに偏光を得る方法が研究されている。このような方法として、特許文献1乃至3には、偏光が発光される技術が開示されている。しかしながら、偏光を発光する作用(以下、「偏光発光作用」ともいう)を有する材料として、特殊な金属、例えば、ユーロピウム(Eu)やテルビウム(Tb)等のランタノイド金属を用いるために希少価値が高く、また非常に製造が難しく、大量生産には不向きである。さらには、偏光した光の発光が弱いため、ディスプレイへの適用は困難である。そのため、従来の偏光板を用いずに偏光発光作用を示し、また、可視光領域での透明性が高く、過酷な環境下における耐久性が求められる液晶ディスプレイ等にも応用可能な新たな材料を開発することが望まれている。
ペリレン系の染料は蛍光を発光する事が知られており、例えば特許文献4で示されている通り高分子の着色剤で使用されている。また特許文献5にゲスト-ホスト方式のカラーディスプレイに用いるために液晶に溶解させる染料としての記載があり、また特許文献6や特許文献7には偏光膜としてペリレン染料を使用する記載がある。しかしながらいずれも染料に特定の波長の光を吸収させてなる偏光膜用色素として用いられており、偏光発光膜及び偏光発光板としての応用例は無かった。
特開2008-224854号公報 特許第5849255号公報 特許第5713360号公報 特開平04-366151公報 特開昭57-167352公報 特開2005-154746公報 特開2009-098243公報
本発明の目的は、偏光発光作用を示し、可視光領域での高い透明性及び過酷な環境下での高い耐久性が求められる液晶ディスプレイ等にも応用可能な新規な化合物、並びにそれを用いた偏光発光膜、偏光発光板及び表示装置を提供することにある。
本発明者らは、特定の水溶性ペリレン系二色性染料、又はその塩を含有する偏光発光膜及び偏光発光板が、可視域に偏光機能を有しつつ、可視光領域に高い透過率を示し、かつ、過酷な環境下においても優れた耐久性を示すことを見出し、また、このような化合物又はその塩は、紫外~可視域の光、例えば300~600nm以下の光を照射することによって、可視光領域に偏光発光作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[7]に関する。
[1]
下記式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性蛍光染料又はその塩を用いた偏光機能を有する偏光発光膜。
Figure 0007406458000001
(式(1)中、Aは置換基を有してもよいペリレン骨格を表し、Xはスルホ基又はカルボキシ基を表し、nは1~8の整数を表す。)
[2]
式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性蛍光染料が、下記式(2)で表される前項[1]に記載の偏光発光膜。
Figure 0007406458000002
(式(2)中、基Rは置換基を有してもよい炭素数1~10の炭化水素基、置換基を有してもよいフェニル基を表し、Rは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基を表し、nは1~4の整数を表す。)
[3]
前記式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性蛍光染料が、下記式(3)で表される前項[1]に記載の偏光発光膜。
Figure 0007406458000003
(式(3)中、nは1~2の整数を表す。)
[4]
基材に、前記式(1)~(3)のいずれか一項に記載の水溶性ペリレン系二色性蛍光染料又はその塩と、これら以外の有機染料又は蛍光染料の1種類以上をさらに含有する前項[1]~[3]のいずれかに記載の偏光発光膜。
[5]
前記基材が、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体からなるフィルムである、前項[1]~[4]のいずれか一項に記載の偏光発光膜。
[6]
前項[1]~[5]のいずれか一項に記載の偏光発光膜の少なくとも一方の面に透明保護層を有する偏光発光板。
[7]
前項[4]または[5]に記載の偏光発光膜、又は前項[6]に記載の偏光発光板を有する表示装置。
本発明に係る特定の構造を有するペリレン系染料又はその塩は、紫外光または可視光を吸収し、そのエネルギーを利用して、可視光領域に偏光発光作用を示す。また、当該ペリレン系染料又はその塩を用いて作製された偏光発光膜及び偏光発光板は、紫外領域または可視領域において偏光機能を示す。そのため、このようなペリレン系染料又はその塩を用いることにより、希少価値の高いランタノイド金属等を使用しなくとも、紫外領域から可視域に偏光機能を有すると共に、偏光発光作用を示す新規な偏光発光膜及び偏光発光板を提供することができる。また、本発明に係る偏光発光膜及び偏光発光板は、可視光領域において高い透過率を示し、さらに、熱、湿度等に対して優れた耐久性を示す。そのため、当該偏光発光膜及び偏光発光板は、可視光領域での高い透明性及び過酷な環境下での高い耐久性が求められる液晶ディスプレイ等の表示装置に応用することができる。
以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。以下において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、特に言及されない限り、各式で表される化合物及び各化合物例に示される化合物は、遊離酸の形態(塩を形成していない状態)で表す。また、特に言及されない限り、煩雑さを避けるため、便宜上「水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩」の記載は、単に「水溶性ペリレン系二色性染料」とする場合がある。
[ペリレン系化合物]
本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料は、上記式(1)で表される。式(1)中、Aは置換基を有してもよいペリレン骨格を表し、Xはスルホ基又はカルボキシ基を表し、スルホ基であることが好ましい。nは1~8の整数を表し、1~4であることが好ましく、1~2であることがより好ましい。
上記式(1)中、Aが有してもよい置換基としては、例えば、複素環アミノ基、縮環型複素環アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルウレイド基、アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシル基(-OH)、シアノ基(-CN)、ニトロ基(-NO)、メルカプト基(-SH)、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記複素環アミノ基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3つのヘテロ原子を含む、5又は6員環の複素環アミノ基が挙げられる。このような複素環アミノ基の具体例としては、例えば、ピロリジニルアミノ、テトラヒドロフリルアミノ、テトラヒドロチオフェン-2-イルアミノ、テトラヒドロチオフェン-3-イルアミノ等の5員複素脂環式アミノ基;
ピペリジニルアミノ、ピペラジニルアミノ、ジオキサン-2-イルアミノ、モルホリニルアミノ、チオモルホリニルアミノ等の6員複素脂環式アミノ基;
ピロールアミノ、ピラゾールアミノ、イミダゾールアミノ、トリアゾールアミノ、フリルアミノ、チオフェン-2-イルアミノ、チオフェン-3-イルアミノ、オキサゾールアミノ、チアゾールアミノ等の5員芳香族複素環式アミノ基;又は、
ピリジルアミノ、ピラジルアミノ、ピリダジニルアミノ、トリアジニルアミノ等の6員芳香族複素環式アミノ基等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
上記縮環型複素環アミノ基としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3つのヘテロ原子を含む、5又は6員の複素環基に、1つのベンゼン環が縮環した縮環型5又は6員環の複素環アミノ基が挙げられる。このような縮環型複素環アミノ基の具体例としては、例えば、フタラニルアミノ等の複素環部分が5員脂環式の縮環型複素脂環式アミノ基;
ベンゾピラニルアミノ等の複素環部分が6員脂環式の縮環型複素脂環式アミノ基;
ベンズピロールアミノ、ベンズピラゾールアミノ、ベンズイミダゾールアミノ、ベンゾトリアゾールアミノ、ベンゾフラニルアミノ、ベンゾチオフェン-2-イルアミノ、ベンゾチオフェン-3-イルアミノ、ベンゾキサゾールアミノ、ベンゾチアゾールアミノ等の複素環部分が芳香族5員環の縮環型芳香族複素環式アミノ基;又は、
キノリニルアミノ、シンノリニルアミノ、フタラジニルアミノ、キナゾリニルアミノ、キノキサリニルアミノ等の複素環部分が芳香族6員環の縮環型芳香族複素環式アミノ基等が挙げられる。なお、前記複素環基は、複素環部分が芳香族環であることが好ましく、また、複素環を構成するヘテロ原子としては窒素原子、及び硫黄原子から選択されることが好ましい。
上記アルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシ基、好ましくはC-C10アルコキシ基が挙げられる。C-C10アルコキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、n-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキシロキシ、n-ヘプトキシ、n-オクチロキシ、n-ノニロキシ、n-デシロキシといった直鎖状のアルコキシ基;
イソプロポキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、イソアミロキシ、t-アミロキシ、イソヘキシロキシ、t-ヘキシロキシ、イソヘプトキシ、t-ヘプトキシ、イソオクチロキシ、t-オクチロキシ、2-エチルヘキシロキシ、イソノニロキシ、イソデシロキシ等の分岐鎖状のC-C10アルコキシ基;又は、
シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシロキシ、シクロヘプトキシ等の環状のC-Cアルコキシ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が好ましい。
上記アリールオキシ基としては、好ましくはC-C12アリールオキシ基であり、具体例としては、例えば、フェノキシ、ナフチロキシ、ビフェニロキシ等が挙げられる。
上記アルキルカルボニルアミノ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルカルボニルアミノ基、好ましくはC-C10アルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。C-C10アルキルカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、n-ペンチルカルボニルアミノ、n-ヘキシルカルボニルアミノ、n-ヘプチルカルボニルアミノ、n-オクチルカルボニルアミノ、n-ノニルカルボニルアミノ、n-デシルカルボニルアミノといった直鎖状のアルキルカルボニルアミノ基;
イソプロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec-ブチルカルボニルアミノ、t-ブチルカルボニルアミノ、イソアミルカルボニルアミノ、t-アミルカルボニルアミノ、イソヘキシルカルボニルアミノ、t-ヘキシルカルボニルアミノ、イソヘプチルカルボニルアミノ、t-ヘプチルカルボニルアミノ、イソオクチルカルボニルアミノ、t-オクチルカルボニルアミノ、2-エチルヘキシルカルボニルアミノ、イソノニルカルボニルアミノ、イソデシルカルボニルアミノ等の分岐鎖状のC-C10アルキルカルボニルアミノ基;又は
シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘプチルカルボニルアミノ等の環状のC-Cアルキルカルボニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルカルボニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニルアミノ基がより好ましい。
上記アリールカルボニルアミノ基としては、好ましくはC-C12アリールカルボニルアミノ基であり、具体例としては、例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。
上記アルキルカルボニルオキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルカルボニルオキシ基、好ましくはC-C10アルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。C-C10アルキルカルボニルオキシ基の具体例としては、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、n-ヘキシルカルボニルオキシ、n-ヘプチルカルボニルオキシ、n-オクチルカルボニルオキシ、n-ノニルカルボニルオキシ、n-デシルカルボニルオキシといった直鎖状のアルキルカルボニルオキシ基;
イソプロピルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、t-ブチルカルボニルオキシ、イソアミルカルボニルオキシ、t-アミルカルボニルオキシ、イソヘキシルカルボニルオキシ、t-ヘキシルカルボニルオキシ、イソヘプチルカルボニルオキシ、t-ヘプチルカルボニルオキシ、イソオクチルカルボニルオキシ、t-オクチルカルボニルオキシ、2-エチルヘキシルカルボニルオキシ、イソノニルカルボニルオキシ、イソデシルカルボニルオキシ等の分岐鎖状のC-C10アルキルカルボニルオキシ基;又は、
シクロプロピルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、シクロヘプチルカルボニルオキシ等の環状のC-Cアルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖のアルキルカルボニルオキシ基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニルオキシ基がより好ましい。
上記アリールカルボニルオキシ基としては、好ましくはC-C12アリールカルボニルオキシ基であり、具体例としては、例えば、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、ビフェニルカルボニルオキシ等が挙げられる。
上記アルキルカルボニル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキルカルボニル基、好ましくはC-C10アルキルカルボニル基が挙げられる。C-C10アルキルカルボニル基の具体例としては、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、n-ヘプチルカルボニル、n-オクチルカルボニル、n-ノニルカルボニル、n-デシルカルボニルといった直鎖のアルキルカルボニル基;
イソプロピルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、t-ブチルカルボニル、イソアミルカルボニル、t-アミルカルボニル、イソヘキシルカルボニル、t-ヘキシルカルボニル、イソヘプチルカルボニル、t-ヘプチルカルボニル、イソオクチルカルボニル、t-オクチルカルボニル、2-エチルヘキシルカルボニル、イソノニルカルボニル、イソデシルカルボニル等の分岐鎖状のC-C10アルキルカルボニル基;又は、
シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘプチルカルボニル等の環状のC-Cアルキルカルボニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルカルボニル基が好ましく、直鎖状のアルキルカルボニル基がより好ましい。
上記アリールカルボニル基としては、好ましくはC-C12アリールカルボニル基であり、具体例としては、例えば、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、ナフチルカルボニル、ビフェニルカルボニル等が挙げられる。
上記アルキルカルバモイル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のモノアルキルカルバモイル基或いはジアルキルカルバモイル基が挙げられる。モノアルキルカルバモイル基としては、好ましくはモノC-C10アルキルカルバモイル基であり、具体例としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n-プロピルカルバモイル、n-ブチルカルバモイル、n-ペンチルカルバモイル、n-ヘキシルカルバモイル、n-ヘプチルカルバモイル、n-オクチルカルバモイル、n-ノニルカルバモイル、n-デシルカルバモイルといった直鎖状のモノアルキルカルバモイル基;
イソプロピルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、sec-ブチルカルバモイル、t-ブチルカルバモイル、イソアミルカルバモイル、t-アミルカルバモイル、イソヘキシルカルバモイル、t-ヘキシルカルバモイル、イソヘプチルカルバモイル、t-ヘプチルカルバモイル、イソオクチルカルバモイル、t-オクチルカルバモイル、2-エチルヘキシルカルバモイル、イソノニルカルバモイル、イソデシルカルバモイル等の分岐鎖状のモノC-C10アルキルカルバモイル基;又は、
シクロプロピルカルバモイル、シクロブチルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、シクロヘプチルカルバモイル等の環状のモノC-Cアルキルカルバモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルカルバモイル基が好ましく、直鎖状のモノアルキルカルバモイル基がより好ましい。
ジアルキルカルバモイル基としては、好ましくはジC-C10アルキルカルバモイル基であり、具体例としては、例えば、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、ジ-n-プロピルカルバモイル、ジ-n-ブチルカルバモイル、ジ-n-ペンチルカルバモイル、ジ-n-ヘキシルカルバモイル、ジ-n-ヘプチルカルバモイル、ジ-n-オクチルカルバモイル、ジ-n-ノニルカルバモイル、ジ-n-デシルカルバモイルといった直鎖状のジアルキルカルバモイル基;
ジイソプロピルカルバモイル、ジイソブチルカルバモイル、ジ-sec-ブチルカルバモイル、ジ-t-ブチルカルバモイル、ジイソアミルカルバモイル、ジ-t-アミルカルバモイル、ジイソヘキシルカルバモイル、ジ-t-ヘキシルカルバモイル、ジイソヘプチルカルバモイル、ジ-t-ヘプチルカルバモイル、ジイソオクチルカルバモイル、ジ-t-オクチルカルバモイル、ジ-(2-エチルヘキシル)カルバモイル、ジイソノニルカルバモイル、ジイソデシルカルバモイル等の分岐鎖を2つ有する分岐鎖状のジC-C10アルキルカルバモイル基;又は、
ジシクロプロピルカルバモイル、ジシクロブチルカルバモイル、ジシクロペンチルカルバモイル、ジシクロヘキシルカルバモイル、ジシクロヘプチルカルバモイル等の環を2つ有する環状のジC-Cアルキルカルバモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルカルバモイル基が好ましく、直鎖状のジアルキルカルバモイル基がより好ましい。
上記アリールカルバモイル基としては、モノアリールカルバモイル基又はジアリールカルバモイル基が挙げられる。モノアリールカルバモイル基としては、好ましくはモノC-C12アリールカルバモイル基であり、具体例としては、例えば、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル、ビフェニルカルバモイル等が挙げられる。
ジアリールカルバモイル基としては、好ましくはジC-C12アリールカルバモイル基であり、具体例としては、例えば、ジフェニルカルバモイル、ジナフチルカルバモイル、ジ(ビフェニル)カルバモイル等が挙げられる。
上記アルコキシカルボニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシカルボニル基、好ましくはC-C10アルコキシカルボニル基が挙げられる。C-C10アルコキシカルボニル基の具体例としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、n-ペントキシカルボニル、n-ヘキシロキシカルボニル、n-ヘプトキシカルボニル、n-オクチロキシカルボニル、n-ノニロキシカルボニル、n-デシロキシカルボニルといった直鎖のアルコキシカルボニル基;
イソプロポキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、イソアミロキシカルボニル、t-アミロキシカルボニル、イソヘキシロキシカルボニル、t-ヘキシロキシカルボニル、イソヘプトキシカルボニル、t-ヘプトキシカルボニル、イソオクチロキシカルボニル、t-オクチロキシカルボニル、2-エチルヘキシロキシカルボニル、イソノニロキシカルボニル、イソデシロキシカルボニル等の分岐鎖状のC-C10アルコキシカルボニル基;又は、
シクロプロポキシカルボニル、シクロブトキシカルボニル、シクロペントキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、シクロヘプトキシカルボニル等の環状のC-Cアルコキシカルボニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシカルボニル基が好ましく、直鎖状のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
上記アリールオキシカルボニル基としては、好ましくはC-C12アリールオキシカルボニル基であり、具体例としては、例えば、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、ビフェニロキシカルボニル等が挙げられる。
上記アルキルスルホニルアミノ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルホニルアミノ基、好ましくはC-C10アルキルスルホニルアミノ基が挙げられる。C-C10アルキルスルホニルアミノ基の具体例としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、n-ブチルスルホニルアミノ、n-ペンチルスルホニルアミノ、n-ヘキシルスルホニルアミノ、n-ヘプチルスルホニルアミノ、n-オクチルスルホニルアミノ、n-ノニルスルホニルアミノ、n-デシルスルホニルアミノといった直鎖状のアルキルスルホニルアミノ基;
イソプロピルスルホニルアミノ、イソブチルスルホニルアミノ、sec-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノ、イソアミルスルホニルアミノ、t-アミルスルホニルアミノ、イソヘキシルスルホニルアミノ、t-ヘキシルスルホニルアミノ、イソヘプチルスルホニルアミノ、t-ヘプチルスルホニルアミノ、イソオクチルスルホニルアミノ、t-オクチルスルホニルアミノ、2-エチルヘキシルスルホニルアミノ、イソノニルスルホニルアミノ、イソデシルスルホニルアミノ等の分岐鎖状のC-C10アルキルスルホニルアミノ基;又は、
シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘプチルスルホニルアミノ等の環状のC-Cアルキルスルホニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルスルホニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルキルスルホニルアミノ基がより好ましい。
上記アリールスルホニルアミノ基としては、好ましくはC-C12アリールスルホニルアミノ基であり、具体例としては、例えば、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ、ビフェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。
上記アルキルスルファモイル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のモノアルキルスルファモイル基或いはジアルキルスルファモイル基が挙げられる。モノアルキルスルファモイル基としては、好ましくはモノC-C10アルキルスルファモイル基であり、具体例としては、例えば、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、n-プロピルスルファモイル、n-ブチルスルファモイル、n-ペンチルスルファモイル、n-ヘキシルスルファモイル、n-ヘプチルスルファモイル、n-オクチルスルファモイル、n-ノニルスルファモイル、n-デシルスルファモイルといった直鎖のモノアルキルスルファモイル基;
イソプロピルスルファモイル、イソブチルスルファモイル、sec-ブチルスルファモイル、t-ブチルスルファモイル、イソアミルスルファモイル、t-アミルスルファモイル、イソヘキシルスルファモイル、t-ヘキシルスルファモイル、イソヘプチルスルファモイル、t-ヘプチルスルファモイル、イソオクチルスルファモイル、t-オクチルスルファモイル、2-エチルヘキシルスルファモイル、イソノニルスルファモイル、イソデシルスルファモイル等の分岐鎖状のモノC-C10アルキルスルファモイル基;又は、
シクロプロピルスルファモイル、シクロブチルスルファモイル、シクロペンチルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル、シクロヘプチルスルファモイル等の環状のモノC-Cアルキルスルファモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルスルファモイル基が好ましく、直鎖状のモノアルキルスルファモイル基がより好ましい。
ジアルキルスルファモイル基としては、好ましくはジC-C10アルキルスルファモイル基であり、具体例としては、例えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジ-n-プロピルスルファモイル、ジ-n-ブチルスルファモイル、ジ-n-ペンチルスルファモイル、ジ-n-ヘキシルスルファモイル、ジ-n-ヘプチルスルファモイル、ジ-n-オクチルスルファモイル、ジ-n-ノニルスルファモイル、ジ-n-デシルスルファモイルといった直鎖のジアルキルスルファモイル基;
ジイソプロピルスルファモイル、ジイソブチルスルファモイル、ジ-sec-ブチルスルファモイル、ジ-t-ブチルスルファモイル、ジイソアミルスルファモイル、ジ-t-アミルスルファモイル、ジイソヘキシルスルファモイル、ジ-t-ヘキシルスルファモイル、ジイソヘプチルスルファモイル、ジ-t-ヘプチルスルファモイル、ジイソオクチルスルファモイル、ジ-t-オクチルスルファモイル、ジ-(2-エチルヘキシル)スルファモイル、ジイソノニルスルファモイル、ジイソデシルスルファモイル等の分岐鎖を2つ有する分岐鎖状のジC-C10アルキルスルファモイル基;又は、
ジシクロプロピルスルファモイル、ジシクロブチルスルファモイル、ジシクロペンチルスルファモイル、ジシクロヘキシルスルファモイル、ジシクロヘプチルスルファモイル等の環を2つ有する環状のジC-Cアルキルスルファモイル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルスルファモイル基が好ましく、直鎖状のジアルキルスルファモイル基がより好ましい。
上記アリールスルファモイル基としては、モノアリールスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基が挙げられる。モノアリールスルファモイル基としては、好ましくはモノC-C12アリールスルファモイル基であり、具体例としては、例えば、フェニルスルファモイル、ナフチルスルファモイル、ビフェニルスルファモイル等が挙げられる。
ジアリールスルファモイル基としては、好ましくはジC-C12アリールスルファモイル基であり、具体例としては、例えば、ジフェニルスルファモイル、ジナフチルスルファモイル、ジ(ビフェニル)スルファモイル等が挙げられる。
上記アルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルスルホニル基、好ましくはC-C12アルキルスルホニル基が挙げられる。C-C12アルキルスルホニル基の具体例としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、n-ヘプチルスルホニル、n-オクチルスルホニル、n-ノニルスルホニル、n-デシルスルホニル、n-ウンデシルスルホニル、n-ドデシルスルホニルといった直鎖状のアルキルスルホニル基;
イソプロピルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、t-ブチルスルホニル、イソアミルスルホニル、t-アミルスルホニル、イソヘキシルスルホニル、t-ヘキシルスルホニル、イソヘプチルスルホニル、t-ヘプチルスルホニル、イソオクチルスルホニル、t-オクチルスルホニル、2-エチルヘキシルスルホニル、イソノニルスルホニル、イソデシルスルホニル、イソウンデシルスルホニル、t-ウンデシルスルホニル、イソドデシルスルホニル、t-ドデシルスルホニル等の分岐鎖状のC-C12アルキルスルホニル基;又は、
シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、シクロヘプチルスルホニル等の環状のC-Cアルキルスルホニル基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルスルホニル基が好ましく、直鎖状のアルキルスルホニル基がより好ましい。
上記アリールスルホニル基としては、好ましくはC-C12アリールスルホニル基であり、具体例としては、例えば、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、ビフェニルスルホニル等が挙げられる。
上記アルキルチオ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキルチオ基、好ましくはC-C10アルキルチオ基が挙げられる。C-C10アルキルチオ基の具体例としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、n-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、n-ヘプチルチオ、n-オクチルチオ、n-ノニルチオ、n-デシルチオといった直鎖状のアルキルチオ基;
イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、t-ブチルチオ、イソアミルチオ、t-アミルチオ、イソヘキシルチオ、t-ヘキシルチオ、イソヘプチルチオ、t-ヘプチルチオ、イソオクチルチオ、t-オクチルチオ、2-エチルヘキシルチオ、イソノニルチオ、イソデシルチオ等の分岐鎖状のC-C10アルキルチオ基;又は、
シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、シクロヘプチルチオ等の環状のC-Cアルキルチオ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルチオ基が好ましく、直鎖状のアルキルチオ基がより好ましい。
上記アリールチオ基としては、好ましくはC-C12アリールチオ基であり、具体例としては、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ、ビフェニルチオ等が挙げられる。
上記アルキルウレイド基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のモノアルキルウレイド基或いはジアルキルウレイド基が挙げられる。モノアルキルウレイド基としては、好ましくはモノC-C10アルキルウレイド基であり、具体例としては、例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、n-プロピルウレイド、n-ブチルウレイド、n-ペンチルウレイド、n-ヘキシルウレイド、n-ヘプチルウレイド、n-オクチルウレイド、n-ノニルウレイド、n-デシルウレイドといった直鎖状のモノアルキルウレイド基;
イソプロピルウレイド、イソブチルウレイド、sec-ブチルウレイド、t-ブチルウレイド、イソアミルウレイド、t-アミルウレイド、イソヘキシルウレイド、t-ヘキシルウレイド、イソヘプチルウレイド、t-ヘプチルウレイド、イソオクチルウレイド、t-オクチルウレイド、2-エチルヘキシルウレイド、イソノニルウレイド、イソデシルウレイド等の分岐鎖状のモノC-C10アルキルウレイド基;又は、
シクロプロピルウレイド、シクロブチルウレイド、シクロペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、シクロヘプチルウレイド等の環状のモノC-Cアルキルウレイド基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキルウレイド基が好ましく、直鎖状のアルキルウレイド基が挙げられる。
ジアルキルウレイド基としては、好ましくはジC-C10アルキルウレイド基であり、具体例としては、例えば、ジメチルウレイド、ジエチルウレイド、ジ-n-プロピルウレイド、ジ-n-ブチルウレイド、ジ-n-ペンチルウレイド、ジ-n-ヘキシルウレイド、ジ-n-ヘプチルウレイド、ジ-n-オクチルウレイド、ジ-n-ノニルウレイド、ジ-n-デシルウレイドといった直鎖状のジアルキルウレイド基;
ジイソプロピルウレイド、ジイソブチルウレイド、ジ-sec-ブチルウレイド、ジ-t-ブチルウレイド、ジイソアミルウレイド、ジ-t-アミルウレイド、ジイソヘキシルウレイド、ジ-t-ヘキシルウレイド、ジイソヘプチルウレイド、ジ-t-ヘプチルウレイド、ジイソオクチルウレイド、ジ-t-オクチルウレイド、ジ-(2-エチルヘキシル)ウレイド、ジイソノニルウレイド、ジイソデシルウレイド等の分岐鎖を2つ有する分岐鎖状のジC-C10アルキルウレイド基;又は、
ジシクロプロピルウレイド、ジシクロブチルウレイド、ジシクロペンチルウレイド、ジシクロヘキシルウレイド、ジシクロヘプチルウレイド等の環を2つ有する環状のジC-Cアルキルウレイド基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルウレイド基が好ましく、直鎖状のジアルキルウレイド基がより好ましい。
上記アリールウレイド基としては、モノアリールウレイド基又はジアリールウレイド基が挙げられる。モノアリールウレイド基としては、好ましくはモノC-C12アリールウレイド基であり、具体例としては、例えば、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、ビフェニルウレイド等が挙げられる。
ジアリールウレイド基としては、好ましくはジC-C12アリールウレイド基であり、具体例としては、例えば、ジフェニルウレイド、ジナフチルウレイド、ジ(ビフェニル)ウレイド等が挙げられる。
上記アルコキシカルボニルアミノ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルコキシカルボニルアミノ基、好ましくはC-C10アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。C-C10アルコキシカルボニルアミノ基の具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n-プロポキシカルボニルアミノ、n-ブトキシカルボニルアミノ、n-ペントキシカルボニルアミノ、n-ヘキシロキシカルボニルアミノ、n-ヘプトキシカルボニルアミノ、n-オクチロキシカルボニルアミノ、n-ノニロキシカルボニルアミノ、n-デシロキシカルボニルアミノといった直鎖状のアルコキシカルボニルアミノ基;
イソプロポキシカルボニルアミノ、イソブトキシカルボニルアミノ、sec-ブトキシカルボニルアミノ、t-ブトキシカルボニルアミノ、イソアミロキシカルボニルアミノ、t-アミロキシカルボニルアミノ、イソヘキシロキシカルボニルアミノ、t-ヘキシロキシカルボニルアミノ、イソヘプトキシカルボニルアミノ、t-ヘプトキシカルボニルアミノ、イソオクチロキシカルボニルアミノ、t-オクチロキシカルボニルアミノ、2-エチルヘキシロキシカルボニルアミノ、イソノニロキシカルボニルアミノ、イソデシロキシカルボニルアミノ等の分岐鎖状のC-C10アルコキシカルボニルアミノ基;又は、
シクロプロポキシカルボニルアミノ、シクロブトキシカルボニルアミノ、シクロペントキシカルボニルアミノ、シクロヘキシロキシカルボニルアミノ、シクロヘプトキシカルボニルアミノ等の環状のC-Cアルコキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましく、直鎖状のアルコキシカルボニルアミノ基がより好ましい。
上記アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくはC-C12アリールオキシカルボニルアミノ基であり、具体例としては、例えば、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノ等が挙げられる。
上記アルキルアミノ基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のモノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基が挙げられる。モノアルキルアミノ基としては、好ましくはモノC-C10アルキルアミノ基であり、具体例としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノ、n-ヘプチルアミノ、n-オクチルアミノ、n-ノニルアミノ、n-デシルアミノといった直鎖状のモノアルキルアミノ基;
イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、イソアミルアミノ、t-アミルアミノ、イソヘキシルアミノ、t-ヘキシルアミノ、イソヘプチルアミノ、t-ヘプチルアミノ、イソオクチルアミノ、t-オクチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、イソノニルアミノ、イソデシルアミノ等の分岐鎖状のモノC-C10アルキルアミノ基;又は、
シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ等の環状モノC-Cアルキルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のモノアルキルアミノ基が好ましく、直鎖状のモノアルキルアミノ基がより好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、好ましくはジC-C10アルキルアミノ基であり、具体例としては、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-n-ペンチルアミノ、ジ-n-ヘキシルアミノ、ジ-n-ヘプチルアミノ、ジ-n-オクチルアミノ、ジ-n-ノニルアミノ、ジ-n-デシルアミノといった直鎖のジアルキルアミノ基;
ジイソプロピルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジ-sec-ブチルアミノ、ジ-t-ブチルアミノ、ジイソアミルアミノ、ジ-t-アミルアミノ、ジイソヘキシルアミノ、ジ-t-ヘキシルアミノ、ジイソヘプチルアミノ、ジ-t-ヘプチルアミノ、ジイソオクチルアミノ、ジ-t-オクチルアミノ、ジ-(2-エチルヘキシル)アミノ、ジイソノニルアミノ、ジイソデシルアミノ等の分岐鎖を2つ有する分岐鎖状のジC-C10アルキルアミノ基;又は、
ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ、ジシクロペンチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ、ジシクロヘプチルアミノ等の環を2つ有する環状ジC-Cアルキルアミノ基が挙げられる。これらの中でも、直鎖状又は分岐鎖状のジアルキルアミノ基が好ましく、直鎖状のジアルキルアミノ基がより好ましい。
上記アリールアミノ基としては、モノアリールアミノ基又はジアリールアミノ基が挙げられる。モノアリールアミノ基としては、好ましくはモノC-C12アリールアミノ基であり、具体例としては、例えば、フェニルアミノ(アニリノ)、ナフチルアミノ、ビフェニルアミノ等が挙げられる。
ジアリールアミノ基としては、好ましくはジC-C12アリールアミノ基であり、具体例としては、例えば、ジフェニルアミノ、ジナフチルアミノ、ジ(ビフェニル)アミノ等が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子が好ましい。
上記式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、好ましくは上記式(2)で表される。
上記式(2)中、基Rは置換基を有してもよい炭素数1~10の炭化水素基、置換基を有してもよいフェニル基を表し、Rは水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基を表し、nは1~4の整数を表す。
上記式(2)中、置換基を有してもよい炭素数1~10の炭化水素基の有してもよい置換基としては、式(1)の項で述べたものと同じで良い。
また上記炭素数1~10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基等の直鎖の炭化水素基、iso-ブチル基、tert-ブチル基等の分岐の炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の環状の炭化水素基等が挙げられる。
上記式(2)中、置換基を有してもよいフェニル基の有してもよい置換基としては、式(1)の項で述べたものと同じで良い。
上記式(2)中、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルコキシ基の有してもよい置換基としては、式(1)の項で述べたものと同じで良い。
また上記炭素数1~10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-オクチロキシ基等の直鎖のアルコキシ基、iso-プロキルオキシキ基、tert-ブチルオキシ基等の分岐のアルコキシ基等が挙げられる。
上記式(2)中、置換基を有してもよいアリールオキシ基の有してもよい置換基としては、式(1)の項で述べたものと同じで良い。
また上記アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1-ナフトキシ基、2-ナフトキシ基等が挙げられる。
上記式(2)中、置換基を有してもよいヘテロアリールオキシ基の有してもよい置換基としては、式(1)の項で述べたものと同じで良い。
また上記ヘテロアリールオキシ基としては、例えば、ピリジルオキシ基、フリルオキシ基、チエニルオキシ基、チアゾリルオキシ基、キノリンオキシ基等が挙げられる。
上記式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、さらに好ましくは上記式(3)で表される。
上記式(3)中、nは1~2の整数を表し、好ましくは2である。
次に、式(1)で表されるアゾ化合物の具体例を以下に挙げる。なお、式中のスルホ基及びカルボキシル基は遊離酸の形式で表す。

Figure 0007406458000004
Figure 0007406458000005

Figure 0007406458000006
上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料の塩とは、上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料の遊離酸が無機陽イオン又は有機陽イオンと共に塩を形成している状態を意味する。無機陽イオンとしては、アルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムの各陽イオン、又は、アンモニウム(NH )等が挙げられる。また、有機陽イオンとしては、例えば、下記式(4)で表される有機アンモニウム等が挙げられる。
Figure 0007406458000007
式(4)中、Z1乃至Z4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わし、かつ、Z1乃至Z4の少なくともいずれか1つは水素原子以外の基である。
式(4)中、Z1乃至Z4の具体例としては、例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC-Cアルキル基、好ましくはC-Cアルキル基;
ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシブチル等のヒドロキシC-Cアルキル基、好ましくはヒドロキシC-Cアルキル基;又は、
ヒドロキシエトキシメチル、2-ヒドロキシエトキシエチル、3-ヒドロキシエトキシプロピル、3-ヒドロキシエトキシブチル、2-ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC-CアルコキシC-Cアルキル基、好ましくはヒドロキシC1-C4アルコキシC-Cアルキル基等が挙げられる。
これらの無機陽イオン又は有機陽イオンの中でも、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニウム等の各陽イオンがより好ましく、リチウム、アンモニウム又はナトリウムの各無機陽イオンが特に好ましい。
上記のように、本発明における式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、分子中に少なくとも1つのペリレン骨格を有し、かつアゾ結合を有していない。本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料は、ペリレン骨格を有するため、紫外光や可視光、例えば300~600nmの光の照射により発光作用示す。一方で、本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料は、分子中にアゾ結合を有さないため、アゾ結合に起因する光の吸収が抑制される。そのため、このような特定構造を有する本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料は、紫外光や可視光を吸収し、そのエネルギーを利用して、可視光領域に偏光した光の発光作用を示すことができる。
次に、本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料の合成方法について説明する。合成方法としては、例えば、以下に示す合成反応を行うことによって、本発明における式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料を合成することができる。
本発明に係る上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩は、公知のスルホン化に従い製造できる。例えば、ペリレン化合物を発煙硫酸と反応させ、得られた反応液に水、もしくは食塩水を加え、析出した固体をろ過等により分離する。その後、分離した固体を必要に応じて洗浄、乾燥させることにより、本発明の式(1)~式(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩を合成することができる。
[偏光発光膜]
上記式(1)で表される水溶性ペリレン系二色性染料を含む偏光発光膜も本願発明に含まれる。
本発明に係る偏光発光膜は、上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩を含有する基材を含んでおり、好ましくは染料系偏光発光膜である。このような基材は、染料を吸着し得る親水性高分子を製膜して得られるフィルム等であることが好ましい。当該親水性高分子は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、アミロース系樹脂、デンプン系樹脂、セルロース系樹脂及びポリアクリル酸塩系樹脂等が挙げられる。このような樹脂の中でも、染料の吸着性、加工性、配向性等の観点から、ポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体は、エチレン、プロピレン等のオレフィン、又は、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸などで変性されていてもよい。基材の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、フィルム状、シート状、平板状、曲板状及び半球状等、任意の形状に作製することができる。また、基材の厚さは、通常、10μm~100μmであり、好ましくは20μm~80μmである。基材には、記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料が単独で又は複数併用して含有されていてもよい。
上記偏光発光膜において、基材に含有される水溶性ペリレン系二色性染料の配合割合は、後述する好ましい範囲になるように調整されることが好適であるが、特に限定されるものではない。偏光発光膜の偏光性能は、偏光発光膜に含まれるペリレン系化合物の配合割合のみならず、当該化合物を吸着させる基材の膨潤度、延伸倍率、染色時間、染色温度、染色時のpH、塩の影響等の様々な要因により変化する。このため、偏光発光膜に含有されるペリレン系化合物の配合割合は、基材の膨潤度、染色時の温度、時間、pH、塩の種類、塩の濃度、さらには延伸倍率に応じて決定することができる。このような配合割合の調整は、後述の説明に基づいて適宜調整することができる。
上記偏光発光膜は、偏光発光膜の偏光発光機能を阻害しない範囲で透過率や発光色等を調整することを目的として、上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩と、これらの以外の有機染料又は蛍光染料の一種以上とをさらに含有していてもよい。併用される他の有機染料又は蛍光染料は、特に限定されるものではないが、二色性の高い染料、または発光輝度高い染料が好ましく、かつ、式(1)~(3)の偏光発光機能に影響が少ない染料が好ましい。このような染料は、例えば、シー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ71、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.ブルー69、シー.アイ.ダイレクト.ブルー78、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59等が挙げられる。これらの染料は遊離酸であっても、あるいはアルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩又はアミン類の塩であってもよい。本明細書では、上記、他の有機染料又は蛍光染料を、単に他の有機染料と記載する場合がある。
上記の他の有機染料を併用する場合、所望とする偏光発光膜の色相がニュートラルグレーな偏光発光膜、特定の波長にて偏光機能を有する偏光発光膜、例えば液晶プロジェクター用カラー偏光発光膜、その他のサングラス等で用いられるカラー偏光発光膜等、用途に応じて、それぞれ配合する染料の種類が異なる。そのため、他の有機染料の配合割合は特に限定されるものではないが、一般的には、上記式(1)~(3)のペリレン系化合物1質量部を基準として、これらの染料の少なくとも一種以上の合計が0.01~10質量部の範囲で用いることが好ましい。
<偏光発光膜の製造方法>
上記偏光発光膜の製造方法について説明する。本発明に係る偏光発光膜の製造方法は、以下の製法に限定されるものではないが、例えば、基材を準備する工程と、基材を膨潤液に浸漬させ、当該基材を膨潤により延伸させる膨潤工程と、膨潤させた基材を少なくとも1種の上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料又はその塩を含む染色溶液に含浸させ、基材に染料としてのペリレン系化合物を吸着させる染料含有工程と、吸着させた基材を、ホウ酸を含有する溶液に浸漬し、染料を基材中で架橋させる架橋工程と、染料を架橋させた基材を一定の方向に一軸延伸して、染料を一定の方向に配列させる延伸工程と、必要に応じて、延伸させた基材を、洗浄液で洗浄する洗浄工程と、洗浄させた基材を乾燥させる乾燥工程を含んでいる。
(基材の準備)
上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料を含有させるための基材を準備する。当該基材は、例えば、市販のポリビニルアルコール系樹脂又はその誘導体からなるフィルムを用いてもよく、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜することにより作製してもよい。ポリビニルアルコール系樹脂の製膜方法は特に限定されるものではなく、例えば、含水ポリビニルアルコールを溶融押出する方法、流延製膜法、湿式製膜法、ゲル製膜法(ポリビニルアルコール水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去)、キャスト製膜法(ポリビニルアルコール水溶液を基盤上に流し、乾燥)、及びこれらの組み合わせによる方法等、公知の製膜方法を採用することができる。
(膨潤工程)
次に、上述の基材に、膨潤処理を施す。膨潤処理は20~50℃の膨潤液に、基材を30秒~10分間浸漬させることにより行うことが好ましく、膨潤液は水であることが好ましい。膨潤液による基材の延伸倍率は、1.00~1.50倍に調整することが好ましく、1.10~1.35倍に調整することがより好ましい。
(染料含有工程)
続いて、上記のような膨潤処理を施して得られた基材に、少なくとも1種の染料を吸着及び含浸させる。染料含有工程は、染料を基材に吸着及び含浸させる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、基材を、染料を含む染色溶液(染色水溶液)に浸漬させることが好ましく、また、基材に染色溶液を塗布することによって吸着させることもできる。染色溶液中の染料の濃度は、基材中に染料が十分に吸着されていれば特に限定されるものではないが、例えば、染色溶液中に0.0001~3質量%であることが好ましく、0.001~1質量%であることがより好ましい。
染料含有工程における上記染色溶液の温度は、5~80℃が好ましく、20~50℃がより好ましく、40~50℃が特に好ましい。また、染色溶液に基材を浸漬する時間は、適度調節可能であり、30秒~20分の間で調節するのが好ましく、1~10分の間がより好ましい。
上記染色溶液に含まれる染料として、上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。このような上記式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、染料によりその発光色が異なるため、基材に、上記の染料を1種以上含有させることにより、生じる発光色を所望の色に適宜調整することができる。また、必要に応じて、染色溶液は、上記他の有機染料を1種類、あるいは2種類以上をさらに含んでいてもよい。本明細書における偏光発光膜及び偏光発行板の製造における記載において、式(1)で表される発光性化合物、他の有機染料を、総じて、「偏光色素」と記載する場合がある。
上記染色溶液は、上記偏光色素に加え、必要に応じて更に染色助剤を含有してもよい。染色助剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム(芒硝)、無水硫酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム等が挙げられ、好ましくは硫酸ナトリウムである。染色助剤の含有量は、使用される偏光色素の染色性に基づく上記浸漬の時間及び染色溶液の温度によって任意に調整可能であるが、染色溶液中に0.1~10質量%であることが好ましく、0.1~2質量%であることがより好ましい。
染料含有工程後、該染料含有工程で基材の表面に付着した染色溶液を除去するために、任意に予備洗浄工程を実施することができる。予備洗浄工程を実施することによって、次に処理する液中に基材の表面に残存する有機染料が移行することを抑制することができる。予備洗浄工程では、洗浄液として一般的には水が用いられる。洗浄方法は、洗浄液に染色した基材を浸漬することが好ましく、一方で、洗浄液を当該基材に塗布することによって洗浄することもできる。洗浄時間は、特に限定されるものではないが、好ましくは1~300秒であり、より好ましくは1~60秒である。予備洗浄工程における洗浄液の温度は、基材を構成する材料が溶解しない温度であることが必要となり、一般的には5~40℃で洗浄処理が施される。尚、予備洗浄工程の工程がなくとも、偏光発光膜の性能には特段大きな影響を及ぼさないため、予備洗浄工程は省略することも可能である。
(架橋工程)
染料含有工程又は予備洗浄工程の後、基材に架橋剤を含有させることができる。基材に架橋剤を含有させる方法は、架橋剤を含む処理溶液に基材を浸漬させることが好ましく、一方で、当該処理溶液を基材に塗布又は塗工してもよい。処理溶液中の架橋剤としては、ホウ酸を含有する溶液を使用することが好ましい。処理溶液中の溶媒は、特に限定されるものではないが、水が好ましい。処理溶液中のホウ酸の濃度は、0.1~15質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。処理溶液の温度は、30~80℃が好ましく、40~75℃がより好ましい。また、この架橋工程の処理時間は30秒~10分が好ましく、1~6分がより好ましい。本発明に係る偏光発光膜の製造方法が、この架橋工程を有することにより、得られる偏光発光膜は、高輝度、かつ高偏光度の偏光した光を発光する。このことは、従来技術において、耐水分性又は光透過性を改善する目的で使用されていたホウ酸の機能からは全く予期し得ない優れた作用である。また、架橋工程においては、必要に応じて、カチオン系高分子化合物を含む水溶液で、フィックス処理をさらに併せて行ってもよい。フィックス処理により、偏光色素の固定化が可能となる。このとき、カチオン系高分子化合物として、例えば、カチオンイオン、ジシアン系としてジシアンアミドとホルマリン重合縮合物、ポリアミン系としてジシアンジアミド・ジエチレントリアミン重縮合物、ポリカチオン系としてエピクロロヒドリン・ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアモンニウムクロライド・二酸化イオン共重合物、ジアリルアミン塩重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチルアクリレート四級塩重合物等が使用される。
(延伸工程)
架橋工程を行った後、延伸工程を実施する。延伸工程は、基材を一定の方向に一軸延伸することにより行われる。延伸方法は、湿式延伸法又は乾式延伸法のいずれであってもよい。延伸倍率は、3倍以上10倍未満であることが好ましく、より好ましくは5~9倍である。
乾式延伸法において、延伸加熱媒体が空気媒体である場合には、空気媒体の温度が常温~180℃で基材を延伸するのが好ましい。また、湿度は20~95%RHの雰囲気中であることが好ましい。基材の加熱方法としては、例えば、ロール間ゾーン延伸法、ロール加熱延伸法、熱間圧延伸法及び赤外線加熱延伸法等が挙げられるが、これらの延伸方法に限定されるものではない。乾式延伸工程は、一段階の延伸で実施しても、二段階以上の多段延伸で実施してもよい。
湿式延伸法においては、水、水溶性有機溶剤又はその混合溶液中で基材を延伸することが好ましい。より好ましくは、架橋剤を少なくとも1種含有する溶液中に基材を浸漬しながら延伸処理を行う。架橋剤は、例えば、上記架橋剤工程におけるホウ酸を用いることができ、好ましくは、架橋工程で使用した処理溶液中で延伸処理を行うことができる。延伸温度は40~70℃であることが好ましく、45~60℃がより好ましい。延伸時間は通常30秒~20分であり、好ましくは2~7分である。湿式延伸工程は、一段階の延伸で実施しても、二段階以上の多段延伸で実施してもよい。尚、延伸処理は、任意に、染料含有工程の前に行ってもよく、この場合には、染色の時点で染料の配向も一緒に行うことができる。
(洗浄工程)
延伸工程を実施した後には、基材の表面に架橋剤の析出又は異物が付着することがあるため、基材の表面を洗浄する洗浄工程を行うことができる。洗浄時間は1秒~5分が好ましい。洗浄方法は、基材を洗浄液に浸漬することが好ましく、一方で、洗浄液を基材に塗布又は塗工によって洗浄することもできる。洗浄液としては、水が好ましい。洗浄処理は一段階で実施しても、2段階以上の多段処理で実施してもよい。洗浄工程の洗浄溶の温度は、特に限定されるものではないが、通常、5~50℃、好ましくは10~40℃であり、常温であってよい。
上述した各工程で用いる溶液又は処理液の溶媒としては、上記水の他にも、例えば、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールまたはトリメチロールプロパン等のアルコール類、エチレンジアミンおよびジエチレントリアミン等のアミン類等が挙げられる。当該溶液又は処理液の溶媒は、これらに限定されるものではないが、最も好ましくは水である。また、これらの溶液又は処理液の溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
(乾燥工程)
洗浄工程の後、基材の乾燥工程を行う。乾燥処理は、自然乾燥により行うことができるものの、より乾燥効率を高めるため、ロールによる圧縮やエアーナイフ又は吸水ロール等による表面の水分除去等により行うことが可能であり、さらには、送風乾燥を行うことも可能である。乾燥処理の温度は、20~100℃であることが好ましく、60~100℃であることがより好ましい。乾燥時間は、30秒~20分であることが好ましく、5~10分であることがより好ましい。
上記記載を例として、本発明に係る偏光発光膜を作製することができる。また、本発明における式(1)~(3)で表される水溶性ペリレン系二色性染料は、液晶と共に混合させ配向させる方法、又はシェアさせる塗工方法により配向させることにより、各種の色、例えばニュートラルグレーを有する偏光発光膜を製造することができる。
[偏光発光板]
上記偏光発光膜を含む偏光発光板も本願発明に含まれる。
本発明に係る偏光発光板は、上記の偏光発光膜の少なくとも一方の面に透明保護層を有しており、好ましくは染料系偏光発光板である。透明保護層は、偏光発光膜の耐水性や取扱性等を向上させるために使用される。そのため、このような透明保護層は、本発明に係る偏光発光膜が示す偏光発光機能に何ら影響を与えるものではないものが好ましい。
上記透明保護層は、光学的透明性および機械的強度に優れる透明保護層であることが好ましい。また、透明保護層は、偏光発光膜の形状を維持できる層形状を有するフィルムであることが好ましく、透明性および機械的強度の他に、熱安定性、水分遮蔽性等にも優れるプラスチックフィルムであることが好ましい。このような透明保護層を形成する材料としては、例えば、セルロースアセテート系フィルム、アクリル系フィルム、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレン系共重合体のようなフッ素系フィルム、或いは、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリアミド系樹脂からなるフィルム等が挙げられ、好ましくはトリアセチルセルロース(TAC)フィルムやシクロオレフィン系フィルムが用いられる。透明保護層の厚さは、1μm~200μmの範囲が好ましく、10μm~150μmの範囲がより好ましく、40μm~100μmが特に好ましい。本発明に係る偏光発光板を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、偏光発光膜に透明保護層を重ねて、公知の処方にてラミネートすることによって偏光発光板を作製することができる。
上記偏光発光板は、透明保護層と偏光発光膜との間に、透明保護層を偏光発光膜に貼り合わせるための接着剤層をさらに備えていてもよい。接着剤層を構成する接着剤は、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール系接着剤、ウレタンエマルジョン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステルーイソシアネート系接着剤等が挙げられ、好ましくはポリビニルアルコール系接着剤が用いられる。透明保護層と偏光発光膜とを接着剤により貼り合せた後、適切な温度で乾燥又は熱処理を行うことによって偏光発光板を作製することができる。
また、上記偏光発光板は、透明保護層の露出面に、反射防止層、防眩層、さらなる透明保護層等の公知の各種機能性層を適宜備えていてもよい。このような各種機能性を有する層を作製する場合、各種機能性を有する材料を透明保護層の露出面に塗工する方法が好ましく、一方、そのような機能を有する層又はフィルムを接着剤若しくは粘着剤を介して透明保護層の露出面に貼合せることも可能である。
上記さらなる透明保護層としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ポリシロキサン系等のハードコート層等が挙げられる。また、単体透過率をより向上させるために、透明保護層の露出上に反射防止層を設けることもできる。反射防止層は、例えば、二酸化珪素、酸化チタン等の物質を、透明保護層上に蒸着又はスパッタリング処理するか、或いは、フッ素系物質を透明保護層上薄く塗布することにより形成することができる。
上記偏光発光板は、必要に応じて、ガラス、水晶、サファイヤ等の透明な支持体等をさらに設けることができる。このような支持体は、偏光発光板を貼り付けるため、平面部を有していることが好ましく、また光学用途の観点から、透明支持体であることが好ましい。透明支持体としては、無機支持体と有機支持体に分けられ、例えば、無機材料よりなる支持体としては、ソーダガラス、ホウ珪酸ガラス、水晶、サファイヤ、スピネルなどの材料よりなる支持体等が挙げられ、有機支持体としては、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー等から構成される支持体が挙げられる。透明支持体の厚さ、大きさは特に限定されるものでなく、適宜決定することができる。また、このような透明支持体を有する偏光発光板には、単体透過率をより向上させるために、その支持体面又は偏光発光板面の一方もしくは双方の面に反射防止層を設けることが好ましい。偏光発光板と支持体平面部とを接着させるためには、透明な接着(粘着)剤を支持体平面部に塗布し、次いで、この塗布面に本発明に係る偏光発光板を貼付すればよい。使用する接着剤又は粘着剤は、特に限定されるものではなく、市販されているものを用いることができ、アクリル酸エステル系の接着剤又は粘着剤が好ましい。
また、上記偏光発光板は、位相差板を貼付した円偏光発光板又は楕円偏光発光板として使用することもできる。このとき、偏光発光板に支持体等をさらに設ける場合、支持体が位相差板であってもよい。位相差板としては、光の吸収波長、もしくは発光波長に対して1/4λの位相差値を有するものや1/2λの位相差値を有するものが一般的に例示されるが、これに限定されない。1/4λの位相差値を有することによって、その波長に対して円偏光板もしくは円偏光発光板として機能し、1/2λを用いることによって偏光が90°の方向に変換できるなどの利用が可能となる。このように、偏光発光板には様々な機能性層、支持体等をさらに設けることができ、このような偏光発光板は、例えば、液晶プロジェクター、電卓、時計、ノートパソコン、ワープロ、液晶テレビ、カーナビゲーション及び屋内外の計測器や表示器等、レンズ、或いはメガネ等の様々な製品に使用できる。
本発明に係る偏光発光膜及び偏光発光板は、可視光領域において高い偏光発光作用と高い透過率を示すとともに、紫外光または可視領域において偏光機能を示す。また、本発明に係る偏光発光膜及び偏光発光板は、熱、湿度、光等に対して優れた耐久性を示すため、過酷な環境下でも、その性能を維持することが可能であり、従来のヨウ素系偏光板よりも高い耐久性を有する。そのため、本発明に係る偏光発光膜及び偏光発光板は、可視光領域での高い透明性及び過酷な環境下での高い耐久性が求められる液晶ディスプレイ、例えば、テレビ、ウェアラブル端末、タブレット端末、スマートフォン、車載モニター、屋外又は屋内にて用いられるデジタルサイネージ、スマートウィンドウ等の各種表示装置に応用することができる。
[表示装置]
上記偏光発光膜あるいは偏光発光板を含む表示装置も本願発明に含まれる。
上記表示装置は、紫外~可視域の光、例えば300~600nmの光を照射することによって偏光発光作用を示し、この作用を利用によって表示が可能となる。本発明に係る表示装置は、可視光領域で高い透過率を有しているため、従来の偏光板のような可視光領域の透過率の低下がないか、透過率の低下があっても、従来の偏光板の透過率よりも透過率の低下は著しく小さい。例えば、従来の偏光板であるヨウ素系偏光板、他の染料化合物を使用した染料系偏光板は、視感度補正された透過率が35~45%程度である。その理由としては、従来の偏光板は、光の吸収軸として縦軸と横軸の両方を有しているが、縦軸又は横軸の一方の入射した光を吸収する、すなわち、一方の軸では光を吸収し、他方の軸では光を透過することによって偏光が生じる。このような場合、一方の軸での光は吸収されて透過しないことから、必然的に透過率は50%以下なってしまう。また、従来の偏光板は二色性染料を延伸させたフィルム中で配向させて偏光板を作製しているが、必ずしも二色性染料が100%配向しているわけではなく、また、光の透過軸に対しても若干吸収成分を有しており、さらには物質の表面反射によって界面反射が発生しているため、透過率が高い偏光板は得られていない、つまりは、透過率を低下させなければ高い偏光度を実現することができなかった。それに対して、本発明に係る偏光発光膜又は偏光発光板は、300~600nm、特に400~600nm付近に光の強い吸収帯域があり、紫外光、もしくは短波長側の可視域に光の吸収作用があるため可視光領域に偏光した光を発光する偏光発光作用を示すことから、著しい透過率の低下が抑えられるだけでなく、発光により可視光領域での偏光の視認率は非常に高くなる。即ち、可視光領域では、偏光発光作用を示すため、従来の偏光板を用いるよりも光の損失は少ない。このことから、本発明に係る偏光発光膜又は偏光発光板を使用した表示装置、例えば、液晶ディスプレイは、従来の偏光板を用いた液晶ディスプレイよりも高い輝度な表示装置が得られることを示している。さらに、本発明に係る偏光発光膜又は偏光発光板を使用した表示装置は、透明性が高いことから、液晶ディスプレイでありながら、透明なディスプレイが得られることを示し、また、文字、画像等の表示時には偏光発光が透過するように設計できることから、透明な液晶ディスプレイでありながらも表示可能なディスプレイが得られることを示す。而して、本発明に係る表示装置は、光損失がない透明な液晶ディスプレイ、特に、シースルーディスプレイを得ることができる。
また、上記表示装置は、人の目に見えない紫外光に対しても偏光が可能であることから、紫外光によって表示可能な液晶ディスプレイへの応用が可能である。例えば、紫外光領域に表示された画像等を、コンピュータ等によって認識することによって、紫外光の照射したときのみ視認可能とする簡易でセキュリティ性の高い液晶ディスプレイを作製することができる。
また、上記表示装置は、紫外光を照射することによって偏光発光作用を示し、その偏光発光を利用した液晶ディスプレイが作製可能であることから、可視光を使用した通常の液晶表示ディスプレイではなく、紫外光を使用した液晶表示ディスプレイを実現することも可能とする。つまり、光のない暗い空間においても、紫外光が照射され得る空間であれば、表示される文字、画像等が表示される発光型液晶ディスプレイを作製することが可能となる。
さらに、可視光領域と紫外光領域とでは光の吸収帯域が異なるため、可視光領域の光によって表示可能な液晶表示部位と、紫外光による偏光発光作用によって表示された光での液晶表示部位とが併在する異なる2つの表示が可能なディスプレイを作製することも可能である。2つの異なる表示が可能なディスプレイは、これまでにも存在はしているが、同一液晶パネルでありながら、紫外光領域と可視光領域とで別々の光源によって異なる表示が可能なディスプレイは存在しない。このことから、本発明に係る表示装置は、上記の偏光発光膜又は偏光発光板を有することによって新規なディスプレイの作製が可能となる。
上記偏光発光素子、偏光発光板あるいは表示装置を用いた、液晶ディスプレイも本願発明に含まれる。該液晶ディスプレイに使用する液晶セルは、例えば、TN液晶セル、STN液晶セル、VA液晶セル、IPS液晶セルなどに限定されるものでなく、該液晶ディスプレイは、あらゆる液晶ディスプレイモードで使用が可能である。本願水溶性ペリレン系二色性蛍光染料を用いた偏光発光膜、または偏光発光板は高い耐久性を有することから、車載用または屋外表示用液晶ディスプレイ等にも用いることが出来る。
上記偏光発光膜、偏光発光板としては偏光色素を用いて色をニュートラル色に調整し、ニュートラルグレー偏光発光膜、またはそれを用いた偏光発光板も本願発明に含まれる。該ニュートラルグレー偏光発光膜、またはそれを用いた偏光発光板は、偏光発光性能に優れ、さらに車内や屋外の高温、高湿状態でも変色や偏光性能の低下を起こさないという特徴を有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本発明をなんら限定するものではない。また、下記に記載されている「%」および「部」は、特に言及されない限り質量基準である。また、各実施例及び比較例で使用した化合物の各構造式において、スルホ基等の酸性官能基は、遊離酸の形態で記載した。
[評価]
実施例および比較例で得られた各測定試料の評価を次のようにして行った。
(a)透過率の測定
各測定試料の単体透過率Ts、平行位透過率Tp、直交位透過率Tc、偏光入射平行位透過率Ty、偏光入射直交位透過率Tz、を、分光光度計(日立製作所社製「U-4100」)を用いて測定した。ここで、単体透過率Tsは、各測定試料を1枚で測定した際の各波長の透過率である。平行位透過率Tpは、各実施例および各比較例で得られた同一の測定試料を2枚用意し、この2枚の測定試料をその吸収軸方向が平行となるように重ね合せて測定した各波長の分光透過率である。直交位透過率Tcは、2枚の測定試料をその吸収軸が直交するように重ね合せて測定した分光透過率である。偏光入射平行位透過率Tyは測定試料の透過軸と平行な偏光した光を照射して測定して得られる分光透過率である。偏光入射直交位透過率Tzは測定試料の透過軸と直交な偏光した光を照射して測定して得られる分光透過率である。各透過率の測定は、220~780nmの波長帯域にわたって行った。
(b)偏光度ρの算出
各測定試料の偏光度ρを、以下の式(I)に、平行透過率Tpおよび直交透過率Tcを代入して算出した。ρの値が高いほど偏光度が優れていることを示す。
Figure 0007406458000008
(c)視感度補正単体透過率Ys
各測定試料の視感度補正単体透過率Ysは、可視光領域における380~780nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)おきに求めた上記単体透過率Tsについて、JIS Z 8722:2009に従って視感度に補正した透過率である。具体的には、上記単体透過率Tsを下記の式(II)に代入して算出した。なお、下記式(II)中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。
Figure 0007406458000009
(d)偏光発光度の測定
各測定試料の偏光発光強度、発光した光の偏光度については、発光分光光度計(東京インスツルメンツ社製 分光ポラリメーターPoxi-Spectra)を用いて公知のストークスパラメータ法によって測定した。375nmの光を測定試料に入射した時に発光分光光度計より得られる発光強度(S0)、発光に基づく偏光度(DOP)を算出した。
[実施例1]
(合成例1)
市販品のN,N’-ビス(3,5-ジメチルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド 10部を98%硫酸 100部に加え、25℃で24時間撹拌した。得られた反応液を水 300部に添加し、析出した固体をろ過により分離し、更に飽和食塩水 100部にて洗浄することにより、ウェットケーキ 12.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより下記式(5)で表される本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料 5.0部を合成した。
Figure 0007406458000010
(偏光発光膜及び偏光発光板の作製)
厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製 VF-PS#7500)を40℃の水に3分間浸漬して、フィルムを膨潤させた。膨潤して得られたフィルムを、合成例1で得られた上記式(5)の水溶性ペリレン系化合物 1.0部、芒硝 1.0部及び水 1000部を含む45℃の水溶液に、3分間浸漬して式(5)のペリレン系化合物をフィルムに含有させた。式(5)の水溶性ペリレン系化合物を含有したフィルムを3%ホウ酸水溶液中において50℃で5分間浸漬しながら5倍に延伸した。延伸したフィルム、緊張状態を保ったまま常温の水で20秒間水洗し、次いで乾燥して偏光発光膜を作製した。得られた偏光発光膜の両面に、紫外線吸収剤を含有しないトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 ZRD-60)(厚さ:60μm)を公知の処方にてラミネートし、本発明に係る偏光発光板を作製した。この偏光発光板を実施例1の測定試料とした。尚、偏光発光膜の両面にトリアセチルセルロースフィルムを貼合しても、何ら光学特性は変わることは無かった。
下記表1に、実施例1においてそれぞれ得られた測定試料の最大偏光度を示す波長における単体透過率(Ts)、平行位透過率(Tp)、直交位透過率(Tc)及び偏光度(ρ)と、視感度に補正した単体透過率(Ys)、視感度に補正した偏光度(ρy)を示す。なお、上記各率及び度の単位は%となる。
Figure 0007406458000011
下記図1に、実施例1において得られた測定試料について各波長のTy及びTzのグラフを示す。図1より、実施例1で得られた測定試料は約530nmを主波長とした偏光機能を有している、即ち偏光板としての機能を有していることが分かる。
(図1)
Figure 0007406458000012
下記図2に実施例1で得られた測定試料について375nmの光を照射し、最大発光波長の発光強度を1として得られる発光強度比を示し、図3には実施例1で得られた測定試料の発光強度が高い波長である500~650nmにおける各波長のDOP値のグラフを示す。図2に示されるように、実施例1おいてそれぞれ得られた測定試料は545nm付近を中心に500~650nmに強い発光を有し、図3より発光波長である500~650nmにおいて約60%の偏光発光度(DOP)を示していることが分かる。
(図2)
Figure 0007406458000013
(図3)
Figure 0007406458000014
[実施例2]
(合成例2)
上記合成例1において、N,N’-ビス(3,5-ジメチルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド 10部の代わりにN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)―1,6,7,12―テトラ(フェノキシ)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド 10部を使用する以外は合成例1と同様の操作を行い、下記式(6)で表される本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料4.0部を合成した。次いで、下記式(6)で表される水溶性ペリレン系化合物を使用して、実施例1と同様の操作を行い、本発明に係る偏光発光膜、及び偏光発光板を作製し、この偏光発光板を実施例2の測定試料とした。得られた測定試料について、各波長の透過率と375nmの光を照射した場合の発光強度と偏光発光度を測定したところ、実施例1と同様に591nmに最大吸収波長を示す偏光機能を有し、375nmの光を照射することによって610nmに最大発光波長を有する偏光発光を示す測定試料が得られていた。以上のことから、実施例2で得られた測定試料は偏光機能を有しながら、高い偏光発光度を示す発光する偏光発光板が得られていることが示された。
Figure 0007406458000015
[実施例3]
(合成例3)
上記合成例1において、N,N’-ビス(3,5-ジメチルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド 10部の代わりにN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)―1,6,7,12―テトラキス(ピリジン-3-イルオキシ)-3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸ジイミド 10部を使用する以外は合成例1と同様の操作を行い、下記式(7)で表される本発明に係る水溶性ペリレン系二色性染料3.9部を合成した。次いで、下記式(7)で表される水溶性ペリレン系化合物を使用して、実施例1と同様の操作を行い、本発明に係る偏光発光板を作製した。この偏光発光板を実施例3の測定試料とした。得られた測定試料について、各波長の透過率と375nmの光を照射した場合の発光強度と偏光発光度を測定したところ、実施例1と同様に570nmに最大吸収波長を示す偏光機能を有し、375nmの光を照射することによって600nmに最大発光波長を有する偏光発光を示す測定試料が得られていた。以上のことから、実施例2で得られた測定試料は偏光機能を有しながら、高い偏光発光度を示す発光する偏光発光板が得られていることが示された。
Figure 0007406458000016
(比較例1)
上記実施例1において、上記式(5)で表される水溶性ペリレン系二色性染料の代わりに、下記式(8)で示されるC.I.Direct Yellow 4を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例1の測定試料とした。得られた測定試料について、各波長の透過率と375nmの光を照射した場合の発光強度と偏光発光度を測定したところ、実施例1と同様に460nmに最大吸収波長を示す偏光機能を有するものの、375nmの光を照射しても測定試料からの発光は見られなかった。以上のことから、比較例1で得られた測定試料は偏光発光板では無かった。
Figure 0007406458000017
(比較例2)
上記実施例1において、上記式(5)で表される水溶性ペリレン系化合物の代わりに、下記式(9)で示される化合物を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例2の測定試料とした。得られた測定試料について、各波長の透過率と375nmの光を照射した場合の発光強度と偏光発光度を測定したところ、実施例1と同様に408nmに最大吸収波長を示す偏光機能を有するものの、375nmの光を照射しても測定試料からの発光は見られなかった。以上のことから、比較例2で得られた測定試料は偏光発光板では無かった。
Figure 0007406458000018
(比較例3)
上記実施例1において、上記式(5)で表される水溶性ペリレン系化合物の代わりに、上記式(5)に近い波長に極大吸収波長を有するC.I.Direct Orange 39を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、比較例3の測定試料とした。得られた測定試料について、各波長の透過率と375nmの光を照射した場合の発光強度と偏光発光度を測定したところ、実施例1と同様に450nmに最大吸収波長を示す偏光機能を有するものの、375nmの光を照射しても測定試料からの発光は見られなかった。以上のことから、比較例3で得られた測定試料は偏光発光板では無かった。
上記表1に示されるように、本発明に係る上記式(1)の構造を有する水溶性ペリレン系二色性蛍光染料を使用した偏光発光板(偏光発光膜)は、可視域に偏光発光機能を有し、本発明に係る水溶性ペリレン系二色性蛍光染料は、光の吸収波長において偏光膜として機能していることが分かる。例えば、実施例1においてそれぞれ得られた測定試料は、可視光領域の透過率(視感度補正透過率 Ys)は85%以上を示していることから、本発明に係る水溶性ペリレン系二色性蛍光染料を使用した本発明に係る偏光発光板(偏光発光膜)は、可視領域に偏光を有しながらも可視光領域における透明性が高いことが分かった。さらに、図2、図3に例示されるように、実施例の測定試料は450~600nmの波長域において高い偏光発光度(DOP)を示すことから、本発明に係る偏光発光板(偏光発光膜)は光を吸収することによって可視域の広い波長帯域にわたって発光し、かつ、その発光が偏光している、すなわち、偏光発光作用を有していることが分かった。また、更にそのDOP値は光の吸収に基づく透過率(Ts)、または偏光度(ρ)に関係なく、DOP値が高いことを示しており、即ち光の吸収異方性に依存しない偏光を有する光を発光していることが分かった。一方、比較例1~3においてそれぞれ得られた測定試料は、各波長において発光は示さなかった。このことから、比較例1~3のような従来の染料系偏光板に用いられている二色性染料を用いても偏光発光作用を示さないことを示している。
(耐久性試験)
さらに、実施例1~3においてそれぞれ得られた測定試料を、105℃の環境下で1000時間と、60℃かつ相対湿度90%の環境下で1000時間に置き、それぞれの条件で耐久性試験を実施した。その結果、いずれも発光強度及び偏光発光度は変化しなかった。このことから、本発明に係る偏光発光板(偏光発光膜)は苛酷な環境下においても高い耐久性を有していることが分かる。
本発明に係る水溶性ペリレン系二色性蛍光染料を、偏光発光膜、または偏光発光板として用いることで、偏光機能を有する膜として機能するだけでなく、偏光発光作用を示す偏光発光膜及び偏光発光板を得ることができる。また、このような偏光発光膜及び偏光発光板は、優れた耐久性を具備しつつ、可視光域で高い透過率を有する。したがって、本発明に係る偏光発光膜及び偏光発光板を用いた表示装置は、可視光領域で透明性が高く、長期にわたって偏光発光による画像表示ができるため、テレビ、パソコン、タブレット端末、さらには、透明ディスプレイ(シースルーディスプレイ)等、幅広い用途へ適用可能である。さらに、本発明に係るペリレン系化合物を用いて作製された偏光発光フィルムは、紫外光により発光可能であるため、高いセキュリティが要求されるディスプレイや媒体に応用することも可能である。























Claims (4)

  1. 基材に、下記式(3)で表される水溶性ペリレン系二色性蛍光染料又はその塩を含有し、
    前記基材が、ポリビニルアルコール樹脂又はその誘導体からなるフィルムである、
    偏光機能を有する偏光発光膜。
    Figure 0007406458000019
    (式(3)中、nは1~2の整数を表す。)
  2. 前記式(3)に記載の水溶性ペリレン系二色性蛍光染料又はその塩と、これら以外の有機染料又は蛍光染料の1種類以上をさらに含有する請求項1に記載の偏光発光膜。
  3. 請求項1又は2に記載の偏光機能を有する偏光発光膜の少なくとも一方の面に透明保護層を有する偏光発光板。
  4. 請求項2に記載の偏光発光膜、又は請求項3に記載の偏光発光板を有する表示装置。
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