JP2021124159A - 転がり軸受装置 - Google Patents

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寛規 平岡
Hironori Hiraoka
寛規 平岡
孝 岩田
Takashi Iwata
孝 岩田
正之 村上
Masayuki Murakami
正之 村上
友之 合田
Tomoyuki Aida
友之 合田
柄文 巴山
Eibun Hayama
柄文 巴山
淳 内藤
Atsushi Naito
淳 内藤
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Abstract

【課題】外周に絶縁被膜を形成した転がり軸受を組み付ける際に、絶縁被膜の剥がれが生じたとしても、当該剥がれた個所を通って電流が流れるのを防止する。【解決手段】外輪本体11aは、外周に形成された溝部33と、溝部33の軸方向一方に形成された第1外周面21、軸方向他方に形成された第2外周面22、第1面取り部23を介して第1外周面21とつながる軸方向一方の第1側面18、第2面取り部24を介して第2外周面とつながる軸方向他方の第2側面19、とを有する。少なくとも第1側面18から第2外周面22まで一体に絶縁被膜15で覆われている。ハウジング84は、軸受嵌合面38と当接面43と逃げ部40とを有し、転がり軸受10が、第1側面18と当接面43とが対向する向きに組付けられたときに、逃げ部40と軸受嵌合面38とがつながる縁が、第1外周面21より軸方向他方に位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、転がり軸受装置、特に、電動機に使用される転がり軸受装置に関する。
電動機は、アルミニウム製のハウジングに固定される固定子と、固定子の内側で回転する回転子を備えている。回転子は軸方向の両端がそれぞれハウジングに固定された転がり軸受で支持されている。ハウジングと転がり軸受は、転がり軸受装置を構成する。転がり軸受は、鋼材で製造された外輪、内輪、及び玉を備えており、玉が、内外輪に形成された軌道面を転動する。転がり軸受はグリースやオイルで内外輪と玉との接触部が潤滑されている。接触部にはグリース中の油分やオイルによって油膜が形成されており、内輪と外輪とが絶縁されている。
電動機がインバータで駆動される場合には、回転子と固定子の間に電位差が生じる。このため、導電体で構成されている転がり軸受では内外輪間に電位差が生じ、この電位差が大きくなって油膜の絶縁破壊電圧を超えると、玉と軌道面との間で油膜を通して通電する場合がある。こうして電流が流れると軌道面に電食と呼ばれる損傷が生じるので、転がり軸受の回転中に異音を生じたり、転がり軸受の寿命が低下するという不具合を生じる恐れがある。
特許文献1では、軌道面に電流が流れるのを防ぐことを目的として、鋼製の外輪本体の外周にセラミックや合成樹脂等の絶縁層を形成した転がり軸受が開示されている。
WO−A1−2017/179634号公報
鋼製の外輪本体の外周に合成樹脂を用いた絶縁層を形成したときには、転がり軸受を組み付ける際にハウジングと衝突する等によって外輪本体から絶縁層が剥がれて、導電性を有する外輪本体が露出する恐れがある。このため、絶縁層が剥がれた状態で転がり軸受がハウジングに組み付けられると、絶縁層が剥がれた個所を通って電流が流れることにより、軌道面に電食を生じる恐れがある。
そこで本発明の転がり軸受装置は、外輪本体の外周に絶縁性を有する被膜を形成した転がり軸受をハウジング等に組み付ける際に、被膜の剥がれが生じたとしても、絶縁層が剥がれた個所を通って電流が流れるのを防ぎ、軌道面の電食を防止することを目的としている。
本発明の一形態は、軸と、ハウジングと、前記軸と前記ハウジングとに固定されて前記軸を前記ハウジングに対して支持する転がり軸受とを有する転がり軸受装置において、前記転がり軸受は、回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動可能に配置された複数の転動体と、を有し、前記外輪は、導電性を有する外輪本体と、前記外輪本体の表面に形成された絶縁性を有する絶縁被膜と、を含み、前記外輪本体は、外周の全周にわたって径方向内方に窪んだ外輪本体の溝部と、前記外輪本体の溝部を挟んで軸方向一方に形成された外輪本体の第1外周面及び軸方向他方に形成された外輪本体の第2外周面と、前記外輪本体の第1外周面の軸方向一方に形成された外輪本体の第1側面と、前記外輪本体の第2外周面の軸方向他方に形成された第2側面と、前記外輪本体の第1外周面と前記外輪本体の第1側面との間に形成された外輪本体の第1面取り部と、前記外輪本体の第2外周面と前記第2側面との間に形成された外輪本体の第2面取り部と、を有し、前記絶縁被膜は、少なくとも前記外輪本体の第1外周面、前記外輪本体の第2外周面、前記外輪本体の溝部、前記外輪本体の第1側面、及び前記外輪本体の第1面取り部を被覆しており、前記内輪は前記軸に固定され、前記外輪は前記ハウジングに固定され、前記ハウジングは、前記外輪の外周が嵌め合わされる軸受嵌合面と、径方向に延在して前記転がり軸受の軸方向の位置を規制する当接面と、前記軸受嵌合面と前記当接面との間に、前記軸受嵌合面より径方向外方に窪んだ逃げ部と、を有し、前記転がり軸受を、前記外輪本体の第1側面の表面に形成された前記絶縁被膜の表面である外輪の第1側面と前記当接面とが対向する向きに前記ハウジングに組付けたときに、前記逃げ部と前記軸受嵌合面とがつながる縁が、前記外輪本体の第1外周面より軸方向他方に位置するように形成されている転がり軸受装置である。
本発明の転がり軸受装置は、外輪本体の表面に絶縁性を有する絶縁被膜を形成した転がり軸受をハウジングに組み付ける際に、ハウジングとの衝突などによって被膜の剥がれが生じたとしても、当該剥がれた個所を通って電流が流れるのを防ぎ、軌道面の電食を防止することができる。
本発明にかかる転がり軸受装置の一形態を備えた電動機の軸方向断面を示す模式図である。 転がり軸受の軸方向断面図である。 図1における矢印Zで示した部分の要部拡大図である。 図4(a)は、軸受嵌合面に挿入される前の外輪の位置を示す模式図であり、図4(b)は、軸受嵌合面に挿入された状態を示す模式図である。
本発明にかかる転がり軸受装置の実施形態(以下、本実施形態)を、図を用いて詳細に説明する。図1は、転がり軸受装置1を備えた電動機80の軸方向断面を示す模式図である。
電動機80は、回転部材81と固定部材82とを備えている。回転部材81は鋼製の軸83と回転子85とを備えている。固定部材82はアルミニウム製のハウジング84と固定子86とを備えている。回転部材81は固定部材82の径方向の内側に配置されている。固定子86はハウジング84の径方向の内方に固定されている。回転子85は軸83の径方向の外方に固定されている。ハウジング84は、筒状の外筒部84aと、軸方向の両側に中心軸pと直交する向きに形成された側壁84bを有している。固定子86は外筒部84aの内周面に固定されている。回転子85は固定子86の径方向の内側に非接触に組み込まれている。
転がり軸受装置1は、軸83と、ハウジング84と、転がり軸受10とで構成される。転がり軸受10は、ハウジング84の各側壁84bに形成された軸受保持部37に固定される。転がり軸受10の内輪12が軸83の両端にそれぞれ固定されている。転がり軸受10の外輪11がハウジング84の両端にそれぞれ固定されている。軸83はハウジング84に対して転がり軸受10で支持されて、中心軸pの周りで回転する。以下、中心軸pの方向を軸方向といい、中心軸pと直交する向きを径方向、中心軸pの回りを周回する方向を周方向という。また、図の左方を軸方向一方、図の右方を軸方向他方という。
(転がり軸受の形態)
転がり軸受10について説明する。図2は、転がり軸受10の軸方向断面図である。図1において軸83の両端を支持する転がり軸受10、10は、互いに同様の形態であって、互いに逆向きに組み込まれている。以下の説明では、図1の軸方向一方に組み込まれた転がり軸受10を例にして説明し、軸方向他方に組み込まれた転がり軸受10についての説明を省略する。図2の転がり軸受10は、図1の軸方向一方の転がり軸受10と同じ向きで示している。
転がり軸受10は、外輪11(固定輪)、内輪12(回転輪)、転動体としての複数の玉13、及び、保持器14を備えている。外輪11と内輪12は、それぞれ環状であり、それぞれの中心軸が互いに一致するように組み合わされている。内輪12は、外輪11に対して、中心軸mの回りで回転自在である。以下の説明では、中心軸mの方向を軸方向といい、中心軸mと直交する方向を径方向、中心軸mの周囲を周回する方向を周方向という。また、図1と同様に、図の左方を軸方向一方といい、図の右方を軸方向他方という。
外輪11は、外輪本体11aと、その一部の表面を被覆する樹脂製の絶縁被膜15と、を備えている。
外輪本体11aは、軸受鋼などの鋼材で製造されて導電性を有している。また、焼入れ焼戻しの熱処理が施されて硬度が高くなっている。
外輪本体11aは、内周に、中心軸mを中心とする円筒形状の外輪内周面16が形成されている。外輪内周面16の軸方向のほぼ中央に周方向の全周にわたって外側軌道面17が形成されている。外側軌道面17は、径方向外方に向けて窪んでおり、軸方向断面は円弧形状である。
外輪本体11aは、外周に、外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第2外周面22を有し、外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第2外周面22との間に径方向内方に窪んだ外輪本体の溝部33を有している。外輪本体の第1外周面21は外輪本体の溝部33の軸方向一方にあり、外輪本体の第2外周面22は外輪本体の溝部33の軸方向他方にある。また、外輪本体11aは軸方向の両側に、中心軸mと直交する向きに延在する側面を有している。軸方向一方の側面を外輪本体の第1側面18、軸方向他方の側面を第2側面19という。外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第1側面18との間には外輪本体の第1面取り部23があり、外輪本体の第2外周面22と第2側面19との間には外輪本体の第2面取り部24がある
外輪本体の溝部33は、軸方向断面では、外輪本体の溝底面34と外輪本体の溝底面34の軸方向両側に形成された外輪本体の第1溝側面35、外輪本体の第2溝側面36とで画定される。外輪本体の溝底面34は、外輪本体の第1外周面21及び外輪本体の第2外周面22より小径の円筒面である。外輪本体の第1溝側面35、外輪本体の第2溝側面36は、それぞれ外輪本体の溝底面34の軸方向両端から径方向に延在して、外輪本体の第1溝側面35は外輪本体の第1外周面21と、外輪本体の第2溝側面36は外輪本体の第2外周面22とつながっている。
外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第2外周面22は、中心軸mを中心とする円筒形状で、外径は互いに同等である。外輪本体の第1外周面21は、外輪本体11aの軸方向一方の外周に形成されており、外輪本体の第2外周面22は、外輪本体11aの軸方向他方の外周に形成されている。
すなわち、外輪本体の第1外周面21の軸方向一方の端部は、外輪本体の第1面取り部23を介して外輪本体の第1側面18の外周側端部と繋がっている。外輪本体の第1外周面21の軸方向他方の端部は、外輪本体の溝部33の軸方向一方の外輪本体の第1溝側面35の外周側端部とつながっている。外輪本体の第2外周面22の軸方向一方の端部は、外輪本体の溝部33の軸方向他方の外輪本体の第1溝側面35の外周側端部とつながっており、外輪本体の第2外周面22の軸方向他方の端部は、外輪本体の第2面取り部24を介して第2側面19の外周側端部と繋がっている。本実施形態では、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第2面取り部24は、それぞれ軸方向断面が円弧形状である。
こうして、外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第2外周面22は、単一の円筒面を構成するとともに、軸方向に所定の間隔をあけて一列に配置されている。外輪本体の溝部33は、外輪本体の第1外周面21と外輪本体の第2外周面22を互いに軸方向に所定の間隔をあけて配置するために設置されており、外輪本体の溝部33の形態は上記に限定されない。
絶縁被膜15は、ポリアミドなどの合成樹脂で形成されており、絶縁性を有している。絶縁被膜15は、外輪本体11aの一部の表面に環状に形成され、外輪本体の第1側面18から軸方向他方の外輪本体の第2面取り部24にわたって外輪本体11aの外径側に一体に形成されており、外輪本体の第1側面18と、外輪本体の第1外周面21と、外輪本体の第1側面18と外輪本体の第1外周面21との間の外輪本体の第1面取り部23と、外輪本体の溝部33と、外輪本体の第2外周面22と、の表面を一体に覆っている。絶縁被膜15で覆われた表面はそれぞれ、外輪の第1側面58、外輪の第1外周面51、外輪の第1面取り部53、外輪の溝部63、外輪の第2外周面52、及び、軸方向他方の外輪の第2面取り部54の表面を構成している。なお、絶縁被膜15は、第2側面19の表面の上にも延長して一体に形成されていてもよい。
また、絶縁被膜15の形成された外輪の溝部63は、軸方向断面では、外輪の溝底面64と、外輪の溝底面64の軸方向両側に形成された外輪の第1溝側面65、外輪の第2溝側面66とで画定される。外輪の溝底面64は、外輪の第1外周面51及び外輪の第2外周面52より小径の円筒面で、外輪の第1溝側面65、外輪の第2溝側面66は、それぞれ外輪の溝底面64の軸方向両端から径方向に延在して、外輪の第1溝側面65は外輪の第1外周面51と、外輪の第2溝側面66は外輪の第2外周面52とつながっている。
絶縁被膜15の厚さは、おおむね5μmから60μm程度である。これは、絶縁被膜15の厚さが小さいときには、絶縁被膜15の強度が低下して転がり軸受10を取り扱うときに容易に剥がれる恐れがあり、また、絶縁被膜15の厚さが大きいときには、絶縁被膜15形成時に液だれが生じて均一な厚さの絶縁被膜15を形成しにくくなるばかりでなく、樹脂材料の使用量が増加してコストが上昇するからである。ただし、絶縁被膜15の厚さは、上記に限定するものではない。
内輪12は、軸受鋼などの鋼材で製造されて導電性を有している。また、焼入れ焼戻しの熱処理が施されて硬度が高くなっている。
外周に、中心軸mを中心とする円筒面である内輪外周面25を有している。内輪外周面25の軸方向のほぼ中央に全周にわたって内側軌道面26が形成されている。内側軌道面26は、径方向内方に向けて窪んでおり、軸方向断面は円弧形状である。
内周に、中心軸mを中心とする円筒形状の軸受内径面27を有しており、軸方向両側に、中心軸mと直交する向きに延在する側面を有している。軸方向一方に形成されている側面を第3側面28、軸方向他方に形成されている側面を第4側面29という。第3側面28の内周側端部と、軸受内径面27の軸方向一方の端部は互いに面取り部30を介して繋がっており、第4側面29の内周側端部と、軸受内径面27の軸方向他方の端部は、互いに面取り部30を介して繋がっている。
第3側面28と第4側面29との間の軸方向の寸法は、外輪本体の第1側面18と第2側面19との間の軸方向の寸法と同等である。
玉13は、軸受鋼などの鋼材で製造されて導電性を有している。玉13は、外輪11の内周と内輪12の外周との間に形成される環状の空間Kに複数組み込まれており、各軌道面17,26を転動する。
保持器14は、樹脂製の冠型保持器であって、外輪11と内輪12との間の空間Kに組み込まれている。保持器14は、玉13に沿って配置される環状の環状体14aと、環状体14aの軸方向一方から玉13と玉13との間に向けて突出する複数のつの14bを有している。つの14bは周方向に等しい間隔で配置されている。周方向に隣接するつの14bとつの14bとの間の空間をポケットといい、各ポケットに、玉13が一つずつ組み込まれている。玉13は、周方向に等しい間隔で保持されている。
こうして、転がり軸受10は、外輪11と内輪12とが同軸に組み合わされ、内輪12は、外輪11に対して相対的に回転することができる。空間Kにはグリースが封入されており、玉13と各軌道面17,26との転がり接触部が潤滑されている。
(転がり軸受の組付け状態)
図1、図3を参照して、ハウジング84に設けた軸受保持部37における、転がり軸受10の組付け状態について説明する。図3は、図1のZで示した箇所の要部拡大図である。
図1に示すように、二つの転がり軸受10は、それぞれの外輪11が、ハウジング84の側壁84bに設けた軸受保持部37に固定されており、それぞれの内輪12の内周に軸83が挿入されている。軸方向両側の軸受保持部37、37は、互いに同様の形態であって、互いに軸方向で逆向きに形成されている。以下の説明では、図1の軸方向一方の軸受保持部37を例にして説明する。
図3を参照する。軸受保持部37は、中心軸pと同軸に形成された円筒形状の内周面である軸受嵌合面38と、軸受嵌合面38の軸方向一方に、全周にわたって径方向内方に突出するつば39と、を備えている。つば39の内周面39aは軸受嵌合面38より小径であり、外輪内周面16の直径とほぼ同等である。つば39の軸受嵌合面38の側に、当接面43が形成されている。
転がり軸受10は、その中心軸mを軸受保持部37の中心軸pと一致する向きに配置して、外輪本体の第1側面18を軸方向一方に向けて、軸受嵌合面38の内側に組み付けられる。
絶縁被膜15が形成された後の外輪の第1外周面51及び外輪の第2外周面52の位置における外輪11の外径寸法は、軸受嵌合面38の内径より小さく、転がり軸受10は、軸受嵌合面38に径方向のすきまをもって嵌め合わされる。このため、転がり軸受10は、軸方向に押し込むことによって、容易に組み付けることができる。転がり軸受10は、外輪11がつば39と軸方向に当接することによって、軸方向の位置が規制されている。
軸受嵌合面38の軸方向一方の端部と、当接面43の外周側の端部との間に、逃げ部40が形成されている。通常、逃げ部40は、軸受嵌合面38及び当接面43を研削加工によって仕上げる際に、隅部に研削残りが生じるのを防ぐために設けられている。本実施形態の逃げ部40では、更に、ハウジング84と外輪本体11aとを確実に絶縁するために、軸方向の寸法が所定の長さに設定されている。
逃げ部40の形態について説明する。逃げ部40は、軸方向断面が直線である傾斜部41と、軸方向断面が円弧である円弧部42とで形成されている。傾斜部41は、軸受嵌合面38の軸方向一方の端部とつながって、軸方向一方に向かうにしたがって拡径する円すい面となっている。円弧部42は、当接面43の径方向外方の端部と、傾斜部41の軸方向一方の端部とをつないでいる。
図3に示すように傾斜部41と軸受嵌合面38とがつながる縁をQ1とすると、本実施形態では、外輪11とつば39とが軸方向に当接したときに、Q1の位置が、外輪本体の第2溝側面36を含まない外輪本体の溝部33の軸方向の範囲に含まれる位置となるように設定されている。すなわち、外輪本体の第1外周面21と外輪本体の溝部33の軸方向一方の外輪本体の第1溝側面35とがつながる点をG1とし、外輪本体の第2外周面22と外輪本体の溝部33の軸方向他方の外輪本体の第2溝側面36とがつながる点をG2とすると、Q1は、軸方向でG1とG2との間に位置し、Q1が軸方向でG1に一致しないように位置している。
このように逃げ部40の軸方向の寸法を設定することによって、転がり軸受10を組込んだ時に、軸方向で逃げ部40の存在する範囲において、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第1外周面21と、ハウジング84の内周とが、径方向に離れた状態で組付けられる。
以上説明したように、転がり軸受10がハウジング84に組み付けられた時には、外輪の第2外周面52と軸受嵌合面38とが当接可能に嵌め合わされていて、外輪本体の第2外周面22と軸受嵌合面38とが絶縁被膜15を介して径方向に対向するとともに、外輪の第1側面58と当接面43とが当接可能に嵌め合わされていて、外輪本体の第1側面18と当接面43とが絶縁被膜15を介して軸方向に対向する。こうして、転がり軸受10の外輪本体11aとハウジング84との接触箇所の間に、絶縁性を有する絶縁被膜15が介在するので、外輪本体11aとハウジング84とを確実に絶縁することができる。なお、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第1外周面21は、逃げ部40の存在によってハウジング84の内周と径方向に離れているため、この位置ではハウジング84と外輪本体11aとが絶縁されている。
仮に、外輪本体11aとハウジング84との間の絶縁性能が低下したと仮定した場合には、次のような不都合が生じる。
図1を参照する。電動機80は、インバータで駆動される場合には、固定子86が固定されているハウジング84と回転子85が組み付けられている電動機軸83との間に電位差が生じる。転がり軸受10の外輪本体11aとハウジング84とが絶縁されていない場合には、外輪本体11aとハウジング84との間で通電するので、ハウジング84に固定された外輪本体11aと、軸83に固定された内輪12との間で電位差が生じる。これにより、内輪12と外輪本体11aの各軌道面と玉13との間でグリースの油膜の絶縁破壊が生じ、固定子86→ハウジング84→転がり軸受10→回転子85→固定子86のルートで循環する電流が生じる。この電流によって、転がり軸受10の各軌道面に損傷(電食)を生じ、電動機80の騒音が発生する。
本実施形態の転がり軸受10は、外輪本体11aとハウジング84とを確実に絶縁しているので、内輪12と外輪本体11aの間で電位差が生じた場合でも油膜を絶縁破壊して電流が流れることがなく、各軌道面17,26の電食を防止できる。
なお、電動機80の軸方向他方に形成された軸受保持部37は、軸方向一方に形成された軸受保持部37と逆向きであり、つば39が、軸受嵌合面38の軸方向他方に形成されており、当接面43はつば39の軸方向一方の側面に形成されている。軸方向他方の転がり軸受10は、軸方向一方の転がり軸受10と逆向きに組み付けられており、絶縁被膜15が形成されている外輪本体の第1側面18を軸方向他方に向けて組み付けられる。
(転がり軸受の絶縁性)
本実施形態の転がり軸受装置1は、転がり軸受10をハウジング84に組み込むときに外輪の第1面取り部53及び/又は外輪の第1外周面51の絶縁被膜15が損傷し、外輪本体の第1面取り部23及び/又は外輪本体の第1外周面21が露出した場合であっても、絶縁性能を維持できる点に特徴がある。組立時に、予期せずに、外輪11が電動機80のハウジング84と強く接触することによって絶縁被膜15が損傷したときの絶縁性能について説明する。
図4(a)は、図1の電動機80の軸方向一方の軸受保持部37において、軸受嵌合面38に挿入される直前の外輪11の位置を示す模式図である。図4(a)では、転がり軸受10が、軸受保持部37に対して図の上方に位置ずれしており、軸受保持部37と外輪の第1面取り部53とが接触している状態を示している。図4(b)は、外輪11を軸方向に白抜き矢印の向きに押し込んで、外輪の第1外周面51が軸受嵌合面38の内側に同軸に挿入された状態を示す模式図である。転がり軸受10は、その後、つば39に向かって軸方向一方に押し込まれる。なお、図4では図が煩雑になるため、絶縁被膜15の表示を省略している。
図4(a)を参照する。転がり軸受10は、外輪の第1外周面51を軸方向一方に向けて、外輪の第1側面58と当接面43とが軸方向に当接する向きに嵌め合わされる。ここでは、転がり軸受10が軸受保持部37に対して偏芯して組み付けられているので、絶縁被膜15で覆われた外輪の第1面取り部53が、軸受保持部37の軸方向他方の端部と衝突する。最初に衝突した点をP1で示している。
外輪の第1面取り部53は軸方向断面が円弧形状に形成されているため、転がり軸受10を軸方向に押し込むにしたがって、軸受保持部37の軸方向他方の端部が外輪の第1面取り部53に沿って径方向に変位し、図4(b)に示すように、外輪の第1外周面51が軸受嵌合面38と同軸に嵌め合わされる。
外輪の第1面取り部53と外輪の第1外周面51とがつながる点をP2とすると、軸受保持部37の軸方向他方の端部は、P2に到達するまで外輪の第1面取り部53と強く接触しており、P1からP2までの接触領域s1で絶縁被膜15が剥がれる恐れがある。
更に、転がり軸受10の組付け時には、外輪の第1外周面51と軸受嵌合面38とが同軸に嵌め合わされた後においても、軸受嵌合面38が、外輪の第1外周面51の絶縁被膜15の表面を摺動する。絶縁被膜15は、外輪の第1面取り部53、及び、外輪の第1外周面51に一様に連続して一体に形成されているので、軸受嵌合面38が摺接することによって、接触領域s1の周辺の絶縁被膜15が連鎖的にはがれる場合がある。このときは、絶縁被膜15が剥がれる領域が、外輪の第1外周面51に向けて拡大する。
本実施形態では、外輪の第1外周面51の軸方向他方に外輪の溝部63が形成されている。外輪の溝底面64は、外輪の第1外周面51より小径であるため、軸受嵌合面38が外輪の溝部63を通過するときに、外輪の溝底面64、外輪の第1溝側面65、外輪の第2溝側面66の被膜の表面を摺動しない。このため、外輪の溝部63を軸受嵌合面38が通過するときには、絶縁被膜15の剥がれが生じないので、絶縁被膜15の剥がれる領域は外輪の溝部63を超えて軸方向他方に拡大することがない。すなわち、本実施形態の転がり軸受10では、外輪の溝部63の軸方向他方に位置する外輪の第2外周面52においては、絶縁被膜15の剥がれが確実に防止されている。
再び図3を参照しつつ、転がり軸受10が、つば39と軸方向に当接するまで押し込まれて軸受保持部37に組付けられたときの、絶縁性能について説明する。
本実施形態では、外輪11がつば39と軸方向に当接したときに、Q1の軸方向の位置が、外輪本体の溝部33の範囲となるように設定されている。したがって、外輪の第1面取り部53及び外輪の第1外周面51とハウジング84の内周とが、径方向に離れた状態で組付けられている。このため、外輪の第1面取り部53及び外輪の第1外周面51の絶縁被膜15が損傷して、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第1外周面21が露出した状態で、転がり軸受10がハウジング84に組み込まれた場合であっても、当該損傷した個所を通ってハウジング84と外輪本体11aとの間で電流が流れることがない。
なお、本実施形態では、Q1の位置が、外輪本体の溝部33と同等の位置に設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限定されず、Q1の位置が外輪本体の溝部33を超えて軸方向他方に形成されていてもよい。このようにした場合においても、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第1外周面21とハウジング84の内周とが、径方向に離れた状態で組付けられているので、かかる部分の絶縁被膜15に損傷が生じた場合であっても、当該損傷した個所を通ってハウジング84と外輪本体11aとの間で電流が流れることがない。
なお、逃げ部40の形態は上記に限定されない。外輪11がつば39と軸方向に当接したときに、外輪本体の第1面取り部23及び外輪本体の第1外周面21とハウジング84の内周とが、径方向に離れた状態で組付けられており、この位置でハウジング84と外輪本体11aとが絶縁されていればよい。
こうして、本実施形態の転がり軸受装置1では、転がり軸受10をハウジング84に組み込むときに絶縁被膜15が損傷した場合であっても、ハウジング84と外輪本体11aとの絶縁性能を維持できるので、電食を防止して、長期にわたって電動機80の騒音を防止することができる。
通常、転がり軸受10の外輪の第1面取り部53は、ハウジング84の内部に組み込まれるので、転がり軸受10がハウジング84に組み付けられた後では、もはや絶縁被膜15の損傷の有無を確認することは困難である。確認するためには、再び外輪11を軸受保持部37から取り外す必要がある。本実施形態の転がり軸受装置1では、絶縁被膜15が外輪本体の第1面取り部23及び/又は外輪本体の第1外周面21から損傷を受けて剥離していても絶縁性能を有するので、分解点検を不要にしてコストを削減することができる。
また、本実施形態の転がり軸受装置1では、絶縁被膜15は、外輪本体11aの一方の側面(外輪本体の第1側面18)及び外輪本体11aの外周に形成されている。これにより、外輪11とハウジング84との接触する箇所に限定して絶縁被膜15を形成したので、樹脂材料の使用量を削減して、低コストで転がり軸受10を製造することができる。また、樹脂製の絶縁被膜15は有色であり、被覆された外輪の第1側面58と被覆されていない第2側面19とを容易に識別することができる。したがって、転がり軸受10をハウジング84に組み込む際は、その向きを容易に確認できる。
以上、本発明の実施形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。例えば、本実施形態では、転がり軸受として、転動体が玉であるラジアル玉軸受について説明したが、転動体がころ(円すいころ、円筒ころ、球面ころなど)であるラジアルころ軸受であってもよく、また、スラスト玉軸受、スラストころ軸受であってもよい。
1:転がり軸受装置、10:転がり軸受、11a:外輪本体、11:外輪、12:内輪、13:玉、14:保持器、14a:環状体、14b:つの、15:絶縁被膜、16:外輪内周面、17:外側軌道面、18:外輪本体の第1側面、19:第2側面、21:外輪本体の第1外周面、22:外輪本体の第2外周面、23:外輪本体の第1面取り部、24:外輪本体の第2面取り部、25:内輪外周面、26:内側軌道面、27:軸受内径面、28:第3側面、29:第4側面、30:面取り部、33:外輪本体の溝部、34:外輪本体の溝底面、35:外輪本体の第1溝側面、36:外輪本体の第2溝側面、37:軸受保持部、38:軸受嵌合面、39:つば、39a:内周面、40:逃げ部、41:傾斜部、42:円弧部、43:当接面、51:外輪の第1外周面、52:外輪の第2外周面、53:外輪の第1面取り部、54:外輪の第2面取り部、58:外輪の第1側面、63:外輪の溝部、64:外輪の溝底面、65:外輪の第1溝側面、66:外輪の第2溝側面、80:電動機、81:回転部材、82:固定部材、83:軸、84:ハウジング、84a:外筒部、84b:側壁、85:回転子、86:固定子

Claims (1)

  1. 軸と、ハウジングと、前記軸と前記ハウジングとに固定されて前記軸を前記ハウジングに対して支持する転がり軸受とを有する転がり軸受装置において、
    前記転がり軸受は、回転輪である内輪と、固定輪である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に転動可能に配置された複数の転動体と、を有し、
    前記外輪は、導電性を有する外輪本体と、前記外輪本体の表面に形成された絶縁性を有する絶縁被膜と、を含み、前記外輪本体は、外周の全周にわたって径方向内方に窪んだ外輪本体の溝部と、前記外輪本体の溝部を挟んで軸方向一方に形成された外輪本体の第1外周面及び軸方向他方に形成された外輪本体の第2外周面と、前記外輪本体の第1外周面の軸方向一方に形成された外輪本体の第1側面と、前記外輪本体の第2外周面の軸方向他方に形成された第2側面と、前記外輪本体の第1外周面と前記外輪本体の第1側面との間に形成された外輪本体の第1面取り部と、前記外輪本体の第2外周面と前記第2側面との間に形成された外輪本体の第2面取り部と、を有し、前記絶縁被膜は、少なくとも前記外輪本体の第1外周面、前記外輪本体の第2外周面、前記外輪本体の溝部、前記外輪本体の第1側面、及び前記外輪本体の第1面取り部を被覆しており、
    前記内輪は前記軸に固定され、
    前記外輪は前記ハウジングに固定され、
    前記ハウジングは、前記外輪の外周が嵌め合わされる軸受嵌合面と、径方向に延在して前記転がり軸受の軸方向の位置を規制する当接面と、前記軸受嵌合面と前記当接面との間に、前記軸受嵌合面より径方向外方に窪んだ逃げ部と、を有し、前記転がり軸受を、前記外輪本体の第1側面の表面に形成された前記絶縁被膜の表面である外輪の第1側面と前記当接面とが対向する向きに前記ハウジングに組付けたときに、前記逃げ部と前記軸受嵌合面とがつながる縁が、前記外輪本体の第1外周面より軸方向他方に位置するように形成されている転がり軸受装置。
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