JP2021123994A - 壁面材固定具およびこれを使用する壁面構築方法 - Google Patents

壁面材固定具およびこれを使用する壁面構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平板状の壁面材を、その材質を問うことなく使用できる汎用性のある構成部材によって壁面を構築し得る壁面材の固定具および壁面の構築方法を提供する。【解決手段】壁面材固定具30は、支柱に設けられるフランジ部の表面側において設置すべき壁面材との間に介在される矩形の平板状の基部31と、フランジ部の端縁近傍を部分的に係止するフランジ係止部32と、壁面材の端縁近傍を部分的に係止する壁面材係止部33と、壁面係止部によって壁面材の端縁近傍を係止させるとき、壁面材の下縁側端面または上縁側端面に当接する端面当接部35とを備える。壁面構築方法は、壁面材固定具30を使用し、4つの壁面材固定具30によって壁面材の四隅を固定する。【選択図】図2

Description

本発明は、壁面材固定具および壁面構築方法に関し、特に盛土構造体の壁面を構成するために使用する壁面を固定する固定具と、これを使用する壁面構築方法とに関するものである。
傾斜地の法面や軟弱地盤などに道路その他の土木構造体を構築する場合には、盛土によって平地を構築している。この盛土を構築する際には、従来の土砂の堆積によって構築される盛土構造体に代わり、合成樹脂発泡ブロックを多段に積み上げて盛土構造体を構築する軽量盛土がある。土砂堆積による場合には、壁面が間知ブロックなどの抗土圧壁によって構築されるものであるが、軽量盛土の場合には、間知ブロックなどの抗土圧壁は使用されないため、軽量盛土が構築された後に、別途壁面材による壁面が構築されるものであった。
このような軽量盛土における壁面構築に際しては、壁面材に突起部(ボルトなどの係合具)を設け、この突起部に係合される固定具を使用して、支柱のフランジ部に掛け止めることで、支柱に支持される壁面を構築していた(特許文献1参照)。また、支柱のフランジに支持させない方法として、表面材付き合成樹脂発泡ブロックを使用する構成も近時開発されている(特許文献2参照)。
特開2006−241896号公報 実用新案登録第3213990号公報
前掲の特許文献1に開示される技術は、予め壁面材の裏面側に突起部を設置または形成するものであることから、壁面材を特殊な加工としなければならず、材質が制限されるうえ、汎用性に欠けるものとなっていた。また、特許文献2に開示される技術にあっても、壁面材の背面側に位置する合成樹脂発泡ブロックとの結合を必要とするため、そのために係合部を構成しなければならず、これまた汎用性に欠けるものとなっていた。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、平板状の壁面材を、その材質を問うことなく使用できる汎用性のある構成部材によって壁面を構築し得る壁面材の固定具および壁面の構築方法を提供することである。
そこで、壁面材固定具に係る本発明は、盛土構造体に立設された支柱に支持される壁面材を設置するために、該支柱に対して該壁面材を固定する壁面材固定具であって、前記支柱に設けられるフランジ部の表面側において設置すべき壁面材との間に介在される矩形の平板状の基部と、前記フランジ部の端縁近傍を部分的に係止するフランジ係止部と、前記壁面材の端縁近傍を部分的に係止する壁面材係止部と、該壁面係止部によって該壁面材の端縁近傍を係止させるとき、該壁面材の下縁側端面または上縁側端面に当接する端面当接部とを備え、前記フランジ係止部は、前記基部の矩形の一辺に設けられ、前記基部を含めて断面略コ字状となるように折曲され、前記フランジ部の端縁を経由しつつ該フランジ部の裏面に対向するように配置されたフランジ裏面対向部を形成するものであり、前記壁面材係止部は、前記基部のフランジ係止部とは反対側の矩形の一辺に設けられ、前記基部を含めて断面略コ字状となるように折曲され、前記壁面材の端縁を経由しつつ該壁面材の表面に対向するように配置された壁面材表面対向部を形成するものであり、前記基部、前記フランジ裏面対向部および前記壁面材表面対向部は、それぞれ前記支柱の軸線方向に対して適宜な長さを有するとともに、前記基部の長さ方向の片方が、前記フランジ裏面対向部および前記壁面材表面対向部よりも長く形成されることにより延出部を有するものであり、前記端面当接部は、該延出部の先端を前記壁面材係止部が設けられる側に折曲または膨出させて形成されるものであることを特徴とする。
上記構成によれば、基部が支柱のフランジ部と壁面材との間に介在され、その基部に連続するフランジ係止部と壁面材係止部とで、支柱のフランジ部および壁面材の双方の端縁近傍を部分的に係止させることができる。この係止の状態において、端面当接部が、壁面材係止部が設けられる側へ向かって折曲または膨出されていることから、当該端面当接部は、壁面材の端面に当接可能となる。当接可能な端面は、支柱が鉛直方向に立設されることから、下端面または上端面となり、2本の隣接する支柱に壁面材を架け渡して設置する場合、それぞれの支柱の上下に、それぞれ2個の固定具を配置し、壁面材の四隅を係止することができる。この状態における端面当接部は、下端面に当接する側は、壁面材の下降を防止するストッパとして機能し、上端面に当接する側は、固定具の下降を防止するストッパとして機能することとなる。
上記構成の発明において、前記基部と前記フランジ裏面対向部との間には、前記支柱のフランジ部が遊嵌できる程度に十分な間隙が形成されている構成とすることができる。
上記のような構成の場合、フランジ係止部に係止されるフランジ部は、当該フランジ係止部内において遊嵌された状態となることから、支柱の設置状態が正確でなく、フランジ部の向きに多少の誤差がある場合であっても係止状態を形成することが可能となる。さらに、構築すべき壁面の形状が湾曲または折曲するような場合において、支柱を基準として隣接する壁面を有角状とすることができる。すなわち、支柱を中心とした両側に配置される壁面(壁面材の集合体)が直線的ではなく、角度を有して配置する場合、隣接する支柱のフランジ部が、壁面に対して角度を有した状態となるが、フランジ係止部においてフランジ部が遊嵌され得ることにより、当該角度を解消させることができる。なお、フランジ係止部とフランジ部との間に生じる遊びは、壁面構築に際して、最終的に壁面を裏側から表側へ押圧(緩衝材等の封入など)によって、除去されるものとなる。
また、上記各構成の発明において、前記基部は、前記支柱の軸線方向に直交する方向に十分な長さを有して適宜面積の平板状であり、前記フランジ裏面対向部は、前記基部よりも短く構成されている構成とすることができる。
上記構成によれば、フランジ係止部をフランジ部に係止させた状態において、フランジ裏面対向部の末端縁は、支柱の本体部(フランジ部を支持する部分)に到達させない状態となり、支柱がH型鋼である場合や、本体部を角鋼管とする場合においても、フランジ部のみを利用することができることとなる。
他方、壁面構築方法に係る発明は、前記壁面材固定具に係る発明を利用するものであり、前記各構成の壁面材固定具を、設置すべき1枚の壁面材について下部側端部および上部側端部に各2個ずつ使用して、該壁面材を設置することにより壁面全体を構築する方法であって、盛土構造体のうち、壁面材を設置すべき区域に適宜間隔を有しつつ十分な高さを有する支柱を立設し、隣接する支柱の間に跨がって低位の壁面材を設置するとともに、他の壁面材を同様に設置しつつ高さ方向に順次積み上げることにより、壁面を構築する方法において、複数立設される前記支柱のうち、隣接する2本の支柱における各フランジ部に対し、設置すべき1枚の壁面材における下部側端部を固定する各1個の前記壁面材固定具を、前記端面当接部を下方に配置しつつ該支柱のフランジ部に前記フランジ係止部を係入させ、隣接する両支柱のフランジ部において該壁面材固定具の壁面材係止部を対向させつつ配置しておき、対向する前記壁面材係止部に設置すべき壁面材の下部側端部を係入して該下部側端部を固定し、前記壁面材固定具を、前記端面当接部を上方に配置しつつ前記壁面材係止部に前記壁面材の上部側端部2箇所を係入させつつ設置すると同時に、前記フランジ部に前記フランジ係止部を係入することにより、4個の壁面材固定具により1枚の壁面材を固定させ、さらに、次順位の上位に配置すべき壁面材について、同様に4個の壁面材固定具によって1枚の壁面材を固定すること繰り返すことを特徴とする。
上記構成によれば、1枚の壁面材は、その四隅を隣接する2本の支柱によって固定されることとなり、壁面材の高さ方向の位置は、下部側端部を係止する壁面材固定具の端面当接部により決定され、また、上部側端部を係止する壁面材固定具の高さ方向の位置は、その端面当接部によって決定されることとなる。なお、最下位の壁面材は、下部側端部を係止する壁面材固定具の端面当接部が地表面に当接した状態で位置が確定し、第2段目以降の上位の壁面材は、下部側端部を係止する壁面材固定具の端面当接部が、下位の壁面材における上部側端部を係止している壁面材固定具の端面当接部に当接することにより位置が確定することとなる。
上記構成の発明において、さらに、前記盛土構造体と固定された前記壁面材との間に、合成樹脂発泡ブロックによる押圧部材を充填する構成とすることができる。
上記構成によれば、盛土構造体と壁面との間に空隙部分が残存することを回避でき、悪天候時の風圧により撓みが発生する場合や、地震等の振動により湾曲する場合などにおいて、当該撓みまたは湾曲に対抗させることができる。
壁面材固定具に係る本発明によれば、壁面材そのものに特殊な加工を施す必要がないことから、各種素材による壁面材を固定することができるものととなり、汎用性のある固定具である。また、湾曲する壁面を構築する場合においても、支柱を中心として有角状に壁面を構築させることにより、特殊な(湾曲させた)壁面材を使用することなく壁面を構築することができることとなる。
他方、壁面構築方法に係る本発明によれば、前記壁面材固定具によって、隣接する2本の支柱の間に壁面材を懸架させ、1枚の壁面材の四隅を係止させるものであることから、各種の構成による壁面材を使用した汎用性のある壁面を構築することができるものである。また、盛土構造体との間に押圧部材を充填することにより、風圧および振動に耐え得る壁面を構築することができる。
壁面が構築されるべき盛土構造体の構造を示す説明図である。 壁面材固定具に係る実施形態の概略を示す説明図である。 壁面材固定具に係る実施形態の構造を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の手順を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の手順を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の手順を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の手順を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の第1の変形例を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の第1の変形例を示す説明図である。 壁面構築方法に係る実施形態の第2の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。一般的な軽量盛土による盛土構造体は、図1に示すように、合成樹脂発泡ブロック1が、高さ方向に積層されたものであり、その軽量盛土Aの端面Bに壁面10が構築されるものである。軽量盛土Aを用いた道路敷設工事の場合には、盛土構造体の上面にコンクリート床版2を形成し、路肩には、地覆コンクリート3を設け、路盤4の構築およびアスファルト舗装5が施される。積層される合成樹脂発泡ブロックは、上下方向および水平方向に隣接するものの間が緊結金具によって緊結されることから、壁面側へ崩落することはなく、外部に露出する合成樹脂発泡ブロックの表面を装飾するために壁面が構築されるものである。
ここで、壁面10は、壁面材の集合体であり、壁面材は、適宜間隔で立設される支柱20に懸架されることにより保持されるものである。そのため、壁面材の端部を支柱20に固定することが要請されるため、固定具によって固定されるものである。
<壁面材固定具>
そこで、壁面材固定具に係る本発明の実施形態を図2および図3に示す。なお、図2は壁面材固定具のみを示し、図2(a)は壁面材の上部側端部を固定するものであり、図2(b)は壁面材の下部側端部を固定するものを示す。また、図3は支柱および壁面材と壁面材固定具との関係を示すものである。図の支柱は、角鋼管にフランジを設けた構成のものを示しているが、H型鋼を使用することもできる。
図2に示されているように、本実施形態の固定具30は、大別すると、基部31と、この基部31に連続して形成されるフランジ係止部32および壁面材係止部33と、基部31に連続する延出部34の先端に設けられた端面当接部35とで構成されたものである。
基部31は、適度な面積(縦方向および横方向に十分長さ)を有する矩形の平板状部材で構成され、この基部31は、支柱20のフランジ部21と壁面材60との中間に配置されるものである。
フランジ係止部32は、基部31を形成する矩形の一辺に設けられており、基部31を含めた断面形状が略コ字状としている。具体的には、当該一辺側を延出させ、二箇所で折曲して構成することができる。この折曲により、基部31と平行な平面部41が形成されることとなるが、この平面部41が、使用時において支柱20のフランジ部21の裏面に対向する状態となるものである。従って、この平面部41がフランジ裏面対向部として機能するものである。
なお、フランジ裏面対向部41が基部31との間で形成される間隔は、支柱20のフランジ部21を遊嵌できる程度に形成されるものであり、フランジ部21の肉厚によって異ならせる必要があり、目安としては、フランジ部21の肉厚の倍以上の間隙を形成させることが好ましい。このような遊嵌可能な間隙の形成により、後述するような湾曲壁面の構築に用いることを可能としている。
また、壁面材係止部33は、基部31のうち、フランジ係止部32が設けられている辺とは反対側の一辺に設けられるものであり、基部31を含めた断面形状が略コ字状となるものである。この壁面材係止部33も、具体的にはフランジ係止部32と同様に、当該一辺側を延出させ、二箇所で折曲して構成することができる。この折曲により、基部31に対して平行な平面部51が形成され、この平面部51が、使用時には壁面材60の表面に対向する状態となるものであることから、当該平面部51が壁面材表面対向部として機能するものである。
なお、壁面材表面対向部51が基部31との間で形成される間隙は、これまた壁面材60の端部が遊嵌できる程度となっている。この遊嵌の程度は、フランジ係止部32の場合に比較して僅かであり、例えば、壁面材の肉厚に対して1.2倍程度が好ましい。このような遊嵌の程度は、構築現場における誤差を解消させ、壁面材60の係入を容易にすることが目的である。このときの遊びは、後述のように、壁面設置後に解消させることが可能である。なお、壁面材の材質が変形容易なものである場合には、遊びは、上述よりも小さく形成することができる。係止部分を圧縮変形させて装着する場合には、極端には遊びがなくても設置可能なものとなる。
端面当接部35は、基部31から延出させた延出部34の先端を折曲さて構成されたものであり、折曲は、壁面材係止部33に向かった方向とすることにより、壁面材係止部33に係入される壁面材60の上端面61または下端面62の当接を受けることができるものである。
なお、基部31は、適度な面積(例えば横45mm×高さ25mmの矩形またはこれ以上の矩形)とすることができ、延出部34は、フランジ裏面対向部41または壁面材表面対向部51よりも横寸法を小さくしつつ上方向または下方向に延出させることにより、当該延出部34およびその先端に設けられる端面当接部35が、フランジ係止部32または壁面材係止部33に対するフランジ部21または壁面材60の係入操作に支障を生じさせないものとしている。また、端面当接部35は、壁面材60の上端面61または下端面62に対して十分な範囲で当接できるように、適度な面積(例えば10mm以上×35mm以上)を有するものとしている。
上記のような構成から、図3に示すように、壁面材60の上部側端部を固定する固定具(以下、上部側固定具と称する場合がある)30aは、端面当接部35aを上方に位置する状態で、その壁面材係止部33aに、壁面材60の上部側端縁を係入することにより、端面当接部35aが、壁面材60の上端面61に当接した状態で位置決めされることとなる。断面略コ字状の壁面材係止部33aは、壁面材60の側部端面63の係入を受け入れるのみであるため、上下方向に移動が自在な状態となるため、端面当接部35aを上端面61に当接させることにより、壁面材60の上部に留めることができるのである。
また、壁面材60の下部側端部を固定する固定具(以下、下部側固定具と称する場合がある)30bは、端面当接部35bを下方に位置する状態で、フランジ係止部32bに支柱20のフランジ部21を係入させることにより、図示のように、下部側固定具30bを予め支柱20に沿って配設することにより、壁面材60の設置すべき位置(壁面材係止部33bの位置)が特定されることとなる。このとき、端面当接部35bは、下位に設置される上部側固定具の端面当接部35a(または地表面)に到達して上下方向への移動が制限されるため、支柱20に配設した状態で安定することとなる。この状態で、壁面材60の下部側端部を壁面材係止部33bに係入させることによって、両者の固定を可能とするものである。
ところで、図3は、壁面材60の片方側部端面63についてのみ図示したものであるため、略コ字状に形成したフランジ係止部32a,32bおよび壁面材係止部33a,33bに対し、フランジ部21および壁面材60を係入しただけで、固定できていないようにも思えるが、現実には、図示しない他方の側部においても、他の隣接する支柱によって、同様に(対称な状態で)壁面材固定具30による係入がなされることから、少なくとも壁面材60の表面に直交する方向への固定は可能となる。また、支柱20の軸線方向への固定については、同種の壁面材60が高さ方向に積み上げられることから、その重量により、下位の壁面材60は固定され、最上位の壁面材60は、コンクリート床版2または地覆コンクリート3など(図1参照)に上端を連結することとなるため、最終的には上下方向の移動が制限されるものとなる。
<壁面構築方法>
ここで、上記の壁面材固定具30を使用して壁面材60を固定し、壁面10の全体を構築する方法について詳述する。この構築方法は、壁面材固定具30の使用方法としても観念できるものであり、壁面材固定具30の使用方法を併せて説明することにより、壁面材60が本実施形態の壁面材固定具30によって固定されることを示すこととする。
壁面構築方法に係る実施形態を図4〜図7に示す。なお、図4(b)および図5(b)は、平面視における状態を示すが、その他は正面視における(基礎部分を断面とする)状態を示している。予め、各図中に示されているように、支柱20C,20D(その両側にも支柱20A,20B・・・20E,20F・・・が連続する)が軸線を鉛直方向として立設されるものであり、その背後には、盛土構造体(軽量盛土等(一部の図において省略))が存在する状態である。
そこで、まず、図4(a)に示すように、隣接する2本の支柱20C,20Dに対して、下部側固定具30Cb,30Dbを設置する。設置の方法は、上述のように、端面当接部を下方に位置する状態で、フランジ係止部に支柱20C,20Dの各フランジ部21C,21Dを係入させることによることとなる。この状態において、図のように、端面当接部が、基礎部分(地表面)GLに当接することで載置された状態となる。
このように設置されるとき、図4(b)に示すように、双方の支柱20C,20Dに設置された下部側固定具30Cb,30Dbの壁面材係止部は、相互に対向した状態で配置されることとなる。対向した状態とは、その位置関係が対向状態であるうえ、壁面材の係入を可能とする開口領域(略コ字状の非連続領域)が、相互に向かい合った状態を意味する。
このように、壁面材の係入を可能とする開口領域が相互に向かい合った状態となることから、図5(a)および(b)に示すように、壁面材60Aを上方から差し入れることにより、当該壁面材60Aの左右両側における下部側端部を、壁面材係止部の内側に係入させることができるのである。この係入により、各下部側固定部30Cb,30Dbのフランジ係止部および壁面材係止部は、それぞれフランジ部21C,21Dおよび壁面材60Aが係入されており、個々の遊び部分を除き移動できない状態となることから、実質的に固定された形態となる。
ここまでは、壁面材60Aの下部側端部の固定であり、続けて、図6(a)に示すように、壁面材60Aの上部側端部に、上部側固定具30Ca,30Daを装着するのである。このときの装着方法は、上述のとおり、各上部側固定具30Ca,30Daの端面当接部を壁面材60Aの上端面に当接させながら、各フランジ係止部は支柱20C,20Dのフランジ部を、各壁面材係止部は壁面材60Aの端部を、それぞれ同時に係入させるように装着するのである。これにより、それぞれの上部側固定具30Ca,30Daの端面当接部は、壁面材60Aの上端面に当接した状態で高さ方向が維持されることとなる。
さらに、続けて、図6(b)に示すように、次順位の(上位に配置すべき)壁面材を固定するため、下部側固定具30Eb、30Fbを、既設の上部側固定具30Ca,30Daの上部に設置するのである。このとき、設置すべき下部側固定具30Eb、30Fbの端面当接部は、既設の上部側固定具30Ca,30Daの端面当接部に載置されることとなる。この端面当接部同士の当接により、上位の下部側固定具30Eb、30Fbは、その高さ方向の位置が決定されることとなるのである。
そして、図7に示すように、上位の下部側固定具30Eb、30Fbが設置できれば、上位に設置すべき壁面材60Bを、下位の壁面材60Aと同様に、下部側端部を固定させ、さらに、上部側固定具30Ea,30Faを設置して、壁面材60Bの四隅を係止し、壁面材60Bを固定するのである。
上記を繰り返すことにより、上方への壁面材60を所望の高さまで設置することができることとなる。なお、図4〜7は、いずれも特定の隣接する支柱20C,20Dの中間における壁面材60の固定状態を示し、これに基づいて上述のとおり壁面材60の固定方法(壁面構築方法)を説明したが、壁面を全体的に構築するためには、左右に連続して立設される他の支柱間においても、同様に壁面材60を固定することとなる。このとき、下位の壁面から順次構築することが好ましいことから、最下位に設置すべき壁面材60を、全ての支柱20の間に固定させた後、次順位(上位)の壁面材60について、固定するように施工すべきである。
<壁面構築方法の変形例1>
上記のような手順により全体的に壁面10を構築することが可能となるが、図8(a)に示されているように、壁面材60と背後の盛土構造体(軽量盛土等)Aとの間には、空隙(図中の網掛け領域)Zが形成されている。これは、支柱20の構造上、支柱20を構成する角鋼管部分が背面側に突出するためである。そこで、当該空隙部Zに、合成樹脂発泡ブロックによって構成された押圧部材(充填用ブロック)を充填することができる。
押圧部材(充填用ブロック)は、図8(b)に示すように、空隙部Zの空隙幅と同程度の肉厚を有する板状の合成樹脂発泡ブロック70であるが、その一部を切り欠いた構成としている。この切欠部71,72は、壁面材60の固定のために装着した壁面材固定具30のフランジ係止部が存在する部分を排除するために設けている。なお、図は、平面視(断面図)によって示しているため、高さ方向の長さが示されていないが、適度な長さであればよく、特定の長さを要求しない。例えば、個々の壁面材60を固定するたびに、その背後に充填できるよう、壁面材60の1枚分の長さとしてもよく、また、複数枚の壁面材60を上下に連続して積み上げた後に、これら複数枚に対してまとめて押圧させるため、壁面材60の複数枚(例えば2枚分または3枚分)の長さで構成してもよい。
このように、空隙部Zに押圧部材70を充填することにより、図9に示すように、壁面10は、平面側から押圧部材70によって押圧されることとなるため、壁面10の表面側から風圧を受ける場合においても、それによる撓みの発生を緩和させることができ、また、地震や車両通行等による振動を受ける場合においても、湾曲の発生を緩和させることができる。
<壁面構築方法の変形例2>
壁面材固定具30の実施形態において、フランジ係止部32は、支柱20のフランジ部21に対して遊嵌できるものとしており、フランジ部21の肉厚の倍以上を目安として基部31とフランジ裏面対向部41との間隙を十分に形成することとし、遊びを設けることができることを例示した。
そして、このような遊びを設ける構成とすることにより、図10に示すように、壁面材固定具30のフランジ係止部32は、支柱20のフランジ部21の横向き方向(支柱の軸線に直交する方向)に対して傾斜した状態で、当該フランジ部21をフランジ係止部32に係入させることが可能となる。この傾斜した状態とは、例えば、立設させた支柱20が軸回りに回転するなど、施工誤差を解消させるために傾斜させることができるほか、壁面を湾曲または折曲した状態で構築する場合に、意図的に傾斜させて設けることもできる。
例えば、図10(a)は、壁面を膨出(出隅状態)とする場合の例であり、図10(b)は、壁面を陥没(入隅状態)とする場合である。これらの図では、1本の支柱20の左右両側に配置される壁面材60を図示したものであるが、傾斜角はプラス方向(膨出方向)またはマイナス方向(陥没方向)へ各10°未満であれば、遊びの範囲内で自在に選択できることとなり、これを複数の支柱20において繰り返すことにより、壁面全体を湾曲させた形状に構築することができる。また、プラス方向とマイナス方向とを交互に設ければ、波状に折曲した状態の壁面を構築することも可能となる。
本発明の実施形態は、上記のとおりであるから、壁面材は、単純な板状体のものを使用することができ、その材質についても問うものではない。従って、従来技術のように、予め、壁面材に突起部(ボルトなどの係合具)を設ける場合には、その強度などを考慮し、材料を選定し、また肉厚を大きくするなどの設計上の検討が必要であったが、本発明の場合には、全体的な強度のみを考慮すれば、材質等は自在に選定できることとなり、汎用性ある固定具となり得る。また、その固定具により迅速な壁面構築が可能となる。
なお、上記の各実施形態は、本発明の一例を示すものであり、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。従って、本実施形態の構成要素に変更を加え、または他の構成を追加することは可能である。
例えば、実施形態では、壁面材固定具30における端面当接部35の構成として、延出部34の先端を折曲して構成することを例示したが、端面当接部35は、延出部34の先端を部分的に膨出させた構成であってもよい。ここでの膨出とは、延出部34の先端形状を予め変形しておくような場合である。
また、押圧部材70は、押圧できるための部材ではあるが、常に壁面材60を押圧する状態であることに限定されない。すなわち、この押圧部材70は、風圧や振動等によって壁面が撓むような状況において、その壁面を保護するためであるから、風圧等を受け、大きく撓むような事象においてのみ押圧力を発揮させるものであってもよい。
1 合成樹脂発泡ブロック
2 コンクリート床版
3 地覆コンクリート
4 路盤
5 アスファルト舗装
10 壁面
20 支柱
21 フランジ部
30,30a,30b 壁面材固定具
31 基部
32,32a,32b フランジ係止部
33,33a,33b 壁面材係止部
34 延出部
35,35a,35b 端面当接部
41 平面部(フランジ裏面対向部)
51 平面部(壁面材表面対向部)
60 壁面材
61 壁面材の上端面
62 壁面材の下端面
63 壁面材の側部端面
70 押圧部材(充填用発泡ブロック)
71,72 切欠部
A 盛土構造体(軽量盛土)
B 軽量盛土の端面

Claims (5)

  1. 盛土構造体に立設された支柱に支持される壁面材を設置するために、該支柱に対して該壁面材を固定する壁面材固定具であって、
    前記支柱に設けられるフランジ部の表面側において設置すべき壁面材との間に介在される矩形の平板状の基部と、前記フランジ部の端縁近傍を部分的に係止するフランジ係止部と、前記壁面材の端縁近傍を部分的に係止する壁面材係止部と、該壁面係止部によって該壁面材の端縁近傍を係止させるとき、該壁面材の下縁側端面または上縁側端面に当接する端面当接部とを備え、
    前記フランジ係止部は、前記基部の矩形の一辺に設けられ、前記基部を含めて断面略コ字状となるように折曲され、前記フランジ部の端縁を経由しつつ該フランジ部の裏面に対向するように配置されたフランジ裏面対向部を形成するものであり、
    前記壁面材係止部は、前記基部のフランジ係止部とは反対側の矩形の一辺に設けられ、前記基部を含めて断面略コ字状となるように折曲され、前記壁面材の端縁を経由しつつ該壁面材の表面に対向するように配置された壁面材表面対向部を形成するものであり、
    前記基部、前記フランジ裏面対向部および前記壁面材表面対向部は、それぞれ前記支柱の軸線方向に対して適宜な長さを有するとともに、前記基部の長さ方向の片方が、前記フランジ裏面対向部および前記壁面材表面対向部よりも長く形成されることにより延出部を有するものであり、前記端面当接部は、該延出部の先端を前記壁面材係止部が設けられる側に折曲または膨出させて形成されるものであることを特徴とする壁面材固定具。
  2. 前記基部と前記フランジ裏面対向部との間には、前記支柱のフランジ部が遊嵌できる程度に十分な間隙が形成されている請求項1に記載の壁面材固定具。
  3. 前記基部は、前記支柱の軸線方向に直交する方向に十分な長さを有して適宜面積の平板状であり、前記フランジ裏面対向部は、前記基部よりも短く構成されている請求項1または2に記載の壁面材固定具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の壁面材固定具を、設置すべき1枚の壁面材について下部側端部および上部側端部に各2個ずつ使用して、該壁面材を設置することにより壁面全体を構築する方法であって、
    盛土構造体のうち、壁面材を設置すべき区域に適宜間隔を有しつつ十分な高さを有する支柱を立設し、隣接する支柱の間に跨がって低位の壁面材を設置するとともに、他の壁面材を同様に設置しつつ高さ方向に順次積み上げることにより、壁面を構築する方法において、
    複数立設される前記支柱のうち、隣接する2本の支柱における各フランジ部に対し、設置すべき1枚の壁面材における下部側端部を固定する各1個の前記壁面材固定具を、前記端面当接部を下方に配置しつつ該支柱のフランジ部に前記フランジ係止部を係入させ、隣接する両支柱のフランジ部において該壁面材固定具の壁面材係止部を対向させつつ配置しておき、
    対向する前記壁面材係止部に設置すべき壁面材の下部側端部を係入して該下部側端部を固定し、前記壁面材固定具を、前記端面当接部を上方に配置しつつ前記壁面材係止部に前記壁面材の上部側端部2箇所を係入させつつ設置すると同時に、前記フランジ部に前記フランジ係止部を係入することにより、4個の壁面材固定具により1枚の壁面材を固定させ、
    さらに、次順位の上位に配置すべき壁面材について、同様に4個の壁面材固定具によって1枚の壁面材を固定すること繰り返すことを特徴とする壁面構築方法。
  5. さらに、前記盛土構造体と固定された前記壁面材との間に、合成樹脂発泡ブロックによる押圧部材を充填する請求項4に記載の壁面構築方法。
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