JP2021123513A - ガラス板及びガラス板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】割断面から構成される端面及びその近傍の強度が高いガラス板を提供する。
【解決手段】ガラス板の製造方法は、マザーガラス板MGに初期クラックを形成する初期クラック形成工程と、レーザー光Lの照射領域SPの加熱及び冷却領域CPの冷却により発生する熱応力を利用して、初期クラックを起点としてクラックCRを割断予定線CLに沿う方向及びマザーガラス板MGの厚み方向に進展させる割断工程とを備える。割断工程では、レーザー光Lが照射領域SPでマザーガラス板MGの表層SL及び内部ILを加熱するとともに、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを575℃以上とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、マザーガラス板にレーザー光を照射して割断することにより、所定形状のガラス板を製造する方法に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、有機EL照明、太陽電池のパネル等に用いられる各種ガラス板は、マザーガラス板を切断する工程を経て所定形状に構成される。
例えば特許文献1には、マザーガラス板を切断する技術としてレーザー割断が開示されている。このレーザー割断では、まず、ダイヤモンドカッター等のクラック形成手段によりマザーガラス板(厚みが0.2mm以下であるガラスフィルム)に初期クラックを形成する。次に、マザーガラス板に設定される割断予定線に沿ってレーザー光を照射してマザーガラス板を加熱し、冷却手段から噴射される冷却水等の冷媒によって加熱された部分を冷却する。これにより、マザーガラス板に熱応力(熱衝撃)を発生させ、初期クラックを起点としてクラックを割断予定線(切断予定線)に沿って進展させることで、マザーガラス板を切断できる。
特開2011−116611号公報
特許文献1に係るレーザー割断では、COレーザーを用いることから、マザーガラス板の表層のみが加熱される。このため、マザーガラス板の内部に十分な熱応力を作用させることができず、割断されたガラス板の端面(割断面)の品位が悪くなるおそれがある。つまり、マザーガラス板が厚くなるに連れて、割断されたガラス板の端面にマイクロクラックなどの欠陥が形成される場合があり、端面及びその近傍の強度が低下するという問題が生じ得る。
本発明は、割断面から構成される端面及びその近傍の強度が高いガラス板を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、マザーガラス板に初期クラックを形成する初期クラック形成工程と、レーザー光の照射領域の加熱及び冷却領域の冷却により発生する熱応力を利用して、初期クラックを起点としてクラックを割断予定線に沿う方向及び前記マザーガラス板の厚み方向に進展させる割断工程とを備えるガラス板の製造方法において、割断工程では、レーザー光が照射領域でマザーガラス板の表層及び内部を加熱するとともに、照射領域における最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを575℃以上とすることを特徴とする。
このようにすれば、レーザー光によりマザーガラス板の表層のみならず内部まで高温に加熱された後、急冷されるため、レーザー光が入射する側のガラス板の表面の縁部と、ガラス板の割断された端面とに、圧縮応力層が形成される。この際、レーザー光の照射領域における最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを575℃以上に管理すれば、最大圧縮応力値の高い圧縮応力層を確実に形成できる。その結果、マザーガラス板を割断するだけで、ガラス板の端面及びその近傍の強度が向上する。
上記の構成において、レーザー光は、COレーザー光、Erレーザー光、Hoレーザー光又はHFレーザー光であることが好ましい。
このようなレーザー光を選択すれば、マザーガラス板の表層だけでなく内部を効率よく加熱できるため、レーザー光が入射する側のガラス板の表面の縁部と、ガラス板の割断された端面とに、圧縮応力層を形成しやすくなる。
上記の構成において、冷却領域を冷媒で冷却することが好ましい。
冷却領域は放冷(雰囲気による自然冷却)してもよいが、冷却領域を冷媒で積極的に冷却する方が、レーザー光の照射領域における最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTの値を大きくできる。つまり、冷媒により冷却領域を冷却すれば、ガラス板の表面の縁部及び端面に形成される圧縮応力層の最大圧縮応力値を大きくできる。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、第一表面と、第二表面と、第一表面及び第二表面を繋ぐ端面とを有するガラス板であって、端面が、割断面から構成され、第一表面の縁部及び端面に圧縮応力層を有することを特徴とする。
このようにすれば、端面が割断面から構成されるため、欠陥(クラック)の少ない平滑面となる。また、第一表面の縁部及び端面には圧縮応力層が形成されるため、ガラス板の端面及びその近傍の強度が向上する。
上記の構成において、圧縮応力層が、第一表面の縁部から端面にわたって連続していることが好ましい。
このようにすれば、第一表面の縁部と端面との境界部である角部においても圧縮応力層が形成される。このため、角部を起点とする破損を抑制できる。
上記の構成において、圧縮応力層の最大圧縮応力値が、0.1MPa以上であることが好ましい。
このようにすれば、第一表面の縁部及び端面の強度が十分に高められる。
上記の構成において、ガラス板は、無アルカリガラスから構成されることが好ましい。
つまり、本発明によれば、無アルカリガラスのような化学強化できないガラス板であっても、第一表面の縁部及び端面の強度を高めることができる。
上記の構成において、ガラス板の板厚は、0.05〜5mmであることが好ましい。
このような数値範囲の板厚を有するガラス板であれば、端面に圧縮応力層を形成しやすくなる。
上記の構成において、圧縮応力層の端面に沿う厚み方向寸法が、25〜50μmであることが好ましい。
このようにすれば、圧縮応力層の厚みが十分確保されるため、端面の強度を好適に維持できる。
上記の構成において、圧縮応力層の第一表面に沿う幅方向寸法が、1〜5mmであることが好ましい。
このようにすれば、圧縮応力層の幅が十分確保されるため、第一表面の縁部の強度を好適に維持できる。
本発明によれば、割断面から構成される端面及びその近傍の強度が高いガラス板を提供できる。
第一実施形態に係るガラス板を示す平面図である。 図1に示すガラス板のA−A断面図である。 第二実施形態に係る初期クラック形成工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る割断工程を示す斜視図である。 マザーガラス板の側面図である。 第三実施形態に係る割断工程を示す斜視図である。 第四実施形態に係る割断工程を示す斜視図である。 第五実施形態に係る割断工程を示す斜視図である。 第六実施形態に係る初期クラック形成工程を示す斜視図である。 第六実施形態に係る割断工程を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1及び図2に示すように、第一実施形態では、ガラス板Gを例示する。本実施形態に係るガラス板Gは、第一表面G1と、第二表面G2と、第一表面G1及び第二表面G2を繋ぐ端面G3とを有する。
ガラス板Gの形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では矩形状である。
ガラス板Gの板厚は、0.05〜5mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることがより好ましい。
ガラス板Gは、例えばケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラスなどで構成されていてもよいが、本実施形態では、無アルカリガラスから構成される。つまり、ガラス板Gは、化学強化されたガラスではない。ここで、無アルカリガラスとは、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)が実質的に含まれていないガラスのことであって、具体的には、アルカリ成分の重量比が3000ppm以下のガラスのことである。本発明におけるアルカリ成分の重量比は、好ましくは1000ppm以下であり、より好ましくは500ppm以下であり、最も好ましくは300ppm以下である。
ガラス板Gの四辺に対応する各端面G3は、割断された面(以下、割断面)から構成される。各端面G3は、第一表面G1及び第二表面G2に略直交する平坦な平面であり、クラックレスである。ここで、クラックレスとは、接触式の表面粗さ測定器(例えば、東京精密社製のサーフコム1400D)で端面G3の表面粗さRaを測定した場合に、検出下限未満となり、表面粗さRaが測定不能となる表面性状を意味する。
第一表面G1の縁部G1a及び端面G3は、圧縮応力層Cを有する。
図1に示すように、ガラス板Gを平面視した場合に、圧縮応力層Cは、第一表面G1の縁部G1aの全周囲に沿って額縁状に形成されている。換言すれば、圧縮応力層Cは、縁部G1aを除く第一表面G1の中央部G1bには形成されていない。このような圧縮応力層Cにより、ガラス板Gの端面G3及びその近傍の強度が向上する。ここで、第一表面G1は、後述するレーザー光Lの入射面である。
図2に示すように、ガラス板Gを断面視した場合に、圧縮応力層Cは、第一表面G1の縁部G1aの表層部において、第一表面G1に沿って端面G3まで延びている。その結果、圧縮応力層Cは、第一表面G1の縁部G1aから端面G3にわたって連続している。つまり、第一表面G1の縁部G1aと端面G3との境界部である角部G4にも圧縮応力層Cが形成されている。これにより、角部G4を起点とする破損を抑制できる。例えば、第一表面G1が露出する状態でカバーガラスとして用いれば、角部G4を起点とする破損を効果的に抑制できる。なお、本実施形態では、圧縮応力層Cは、第一表面G1側のみに形成されており、第二表面G2側には形成されていない。
圧縮応力層Cの最大圧縮応力値(第一表面G1の圧縮応力層の圧縮応力値及び端面G3の圧縮応力層の圧縮応力値のうちの最大値)は、0.1MPa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることがより好ましく、0.5MPa以上であることがさらに好ましく、0.7MPa以上であることが最も好ましい。なお、圧縮応力層Cの最大圧縮応力値の上限値は、例えば、5MPa、4MPa、3MPa、2MPa又は1MPaである。ここで、最大圧縮応力値は、ガラス板Gを切断する等して断面試料を作製し、その断面試料の内部応力分布をフォトニックラティス社製のWPA−microを用いて観測することにより測定する。
圧縮応力層Cの端面G3に沿う厚み方向寸法(最大値)Hは、25〜50μmであることが好ましく、40〜50μmであることがより好ましい。圧縮応力層Cの第一表面G1に沿う幅方向寸法(最大値)Wは、1〜5mmであることが好ましく、1〜3mmであることがより好ましい。
(第二実施形態)
図3〜図5に示すように、第二実施形態では、ガラス板Gの製造方法を例示する。
本実施形態に係るガラス板Gの製造方法は、マザーガラス板MGを切断して一枚以上のガラス板を形成する切断工程を備える。マザーガラス板MGは、例えばオーバーフローダウンドロー法といったダウンドロー法や、フロート法により帯状に連続成形されたガラスリボンを幅方向に切断した後で耳部を除去することにより矩形状に構成される。
切断工程は、マザーガラス板MGに初期クラックを形成する初期クラック形成工程と、マザーガラス板MGに熱応力を作用させて初期クラックを進展させる割断工程とを備える。
初期クラック形成工程では、定盤1に載置されたマザーガラス板MGの第一表面MG1の一部にクラック形成部材2によって初期クラックを形成する。図3に示すように、マザーガラス板MGには直線状の割断予定線CLが設定されている。割断予定線CLには、その一端部に割断開始点CLaが設定され、その他端部に割断終了点CLbが設定されている。割断開始点CLa及び割断終了点CLbは、マザーガラス板MGの角部MGa(矩形状のマザーガラス板MGにおける一辺MGaの中途部)に設定される。クラック形成部材2は、焼結ダイヤモンドカッター等の尖端状のスクライバーにより構成されるが、これに限らず、ダイヤモンドペン、超硬合金カッター、サンドペーパー等により構成されてもよい。
図3に示すように、初期クラック形成工程において、クラック形成部材2は、マザーガラス板MGの上方から下降してマザーガラス板MGの第一表面MG1の縁部に接触する。本実施形態では、クラック形成部材2は、マザーガラス板MGの第一表面MG1の縁部のうちの角部MGa(縁部と端面との境界部)に接触する。これにより、割断予定線CLの割断開始点CLaに初期クラックが形成される。
図4に示すように、割断工程では、レーザー照射装置3によってレーザー光Lを第一表面MG1の初期クラックに照射するとともに、割断予定線CLに沿って走査する。詳細には、レーザー照射装置3は、三次元的に移動可能に構成されており、定盤1に載置されたマザーガラス板MGの上方を所定の方向に移動することで、レーザー光Lを割断予定線CLに沿って割断開始点CLaから割断終了点CLbまで走査する。これにより、レーザー光Lの照射領域SPが加熱されるとともに、その加熱される照射領域SPが割断予定線CLに沿って移動する。一方、本実施形態では、マザーガラス板MGの第一表面MG1を放冷(雰囲気による自然冷却)する。すなわち、マザーガラス板MGの照射領域SPを除く部分が、放熱により冷却される冷却領域とされる。このような照射領域SPの加熱及び冷却領域の冷却によって発生する熱応力により、初期クラックを起点とするクラックCRが割断予定線CLに沿って進展する。また、クラックCRは、マザーガラス板MGの厚み方向の全体にわたって進展し、第一表面MG1の反対側に位置する第二表面MG2まで進展する。
レーザー照射装置3から照射されるレーザー光Lは、COレーザー、Erレーザー(Er:YAGレーザー)、Hoレーザー(Ho:YAGレーザー)又はHFレーザーであることが好ましい。レーザー光Lは、パルスレーザー光であってもよく、連続レーザー光であってもよい。レーザー光としてCOレーザー光を使用する場合、その波長は、5.25〜5.75μmとされることが好ましい。
図4及び図5に示すように、レーザー照射装置3は、マザーガラス板MGの第一表面MG1に対して円形の照射領域(レーザースポット)SPが形成されるようにレーザー光Lを照射する。レーザー光Lの照射径(スポット径)は、1〜8mmが好ましく、より好ましくは、2〜6mmである。
従来のようにCOレーザー光を使用する場合、マザーガラス板MG(第一表面MG1)の表層SL(例えば第一表面MG1から深さ10μm程度までの範囲)を加熱するに留まる。このため、クラックを厚み方向に進展させる熱応力を発生させるために十分な熱量を付与できない場合がある。
これに対し、本製造方法に含まれる割断工程では、高出力で安定して照射可能なCOレーザー光L等を用いることで、円形の照射領域SPであっても、マザーガラス板MGの第一表面MG1側の表層SLだけでなく内部ILまで加熱できる。このため、クラックCRを厚み方向に進展させる熱応力を発生させるために十分な熱量を付与できる。ここで、マザーガラス板MGの表層SLとは、マザーガラス板MGの第一表面MG1から10μmの深さまでの層をいい、マザーガラス板MGの内部ILとは、第一表面MG1から10μmを超える深さを有する領域をいう(図5を参照)。
したがって、割断工程では、COレーザー光L等を用いることで、マザーガラス板MGが表層SLだけでなく内部ILまで高温に加熱された後、放冷により急冷される。このような加熱急冷により、マザーガラス板MGを割断して得られるガラス板Gには圧縮応力層Cが形成される(図1及び図2を参照)。この圧縮応力層Cは、第一実施形態で説明したように、レーザー光Lが入射したガラス板Gの第一表面G1の縁部G1aと、ガラス板Gの割断された端面G3とに形成される。
割断工程は、上述のように、レーザー光Lが照射領域SPでマザーガラス板MGの表層SL及び内部ILを加熱することに加え、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTが575℃以上になる条件で実施される。このようにすれば、ガラス板Gに形成される圧縮応力層Cの最大圧縮応力値(例えば、0.1MPa以上)を高めることができる。その結果、マザーガラス板MGを割断するだけで、ガラス板Gの端面(割断面)G3及びその近傍の強度を向上できる。なお、矩形状のガラス板Gの四辺の各端面G3に圧縮応力層Cを形成する場合には、ガラス板Gの四辺に対応するそれぞれの位置で、マザーガラス板MGを上述の割断方法により割断する。
照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTは、600℃以上であることが好ましい。
本実施形態では、マザーガラス板MGを放冷により冷却するため、第一表面MP1のほぼ全体が冷却領域とされる。このため、レーザー光Lの照射領域SPと、照射領域SPから後方に10mmだけ離れた離間位置とにおいて、第一表面MG1の温度(上面温度)をそれぞれ測定することにより、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを算出する。ここで、後方とは、レーザー光Lの走査方向(進行方向)を基準とする。より特定的には、後方とは、照射領域SPよりも割断開始点CLa側を意味する。第一表面MP1の温度は、例えば、ガラス温度測定用サーモグラフィ(Optris社製 PI450G7)を用いて測定できる。なお、第一表面MG1が放冷により冷却される場合、照射領域SPから所定距離以上離れていれば、第一表面MP1の温度は何れの位置で測定してもほぼ同じである。したがって、照射領域SPからの離間距離は、照射領域SPから後方に10mmに限定されるものではなく、レーザー光Lによる加熱の影響が無視できる任意の距離に設定できる。
割断工程は、下記の数式1で算出されるマザーガラス板MGの熱応力σが100MPa以上となる条件で実施されることが好ましい。
Figure 2021123513
但し、Eはマザーガラス板のヤング率(MPa)、αはマザーガラス板の熱膨張係数(/℃)、νはマザーガラス板のポアソン比、ΔTはレーザー光の照射領域におけるマザーガラス板の温度(℃)と冷却領域におけるマザーガラス板の温度(℃)との差である。
熱応力σが100MPa以上となる条件で割断工程を実施すれば、マザーガラス板MGに十分な熱応力が作用するため、ガラス板Gに形成される圧縮応力層Cの最大圧縮応力値をより確実に高めることができる。割断工程は、熱応力σが105MPa以上となる条件で実施されることがより好ましい。
ここで、熱応力σの値は、数式1から明らかなように、ΔTを大きくすれば大きくなる。ΔTの値は、照射領域SPにおける最高温度を上げること、及び/又は、冷却領域における最低温度を下げることによって大きくできる。照射領域SPにおける最高温度を上げる方法としては、例えば、レーザー光Lの走査速度を低下させたり、レーザー光Lの出力(W)を増加させたりすることが挙げられる。一方、冷却領域における最低温度を下げる方法としては、例えば、冷却領域を冷媒等によって積極的に冷却することが挙げられる(後述する第三実施形態などを参照)。なお、冷媒等の供給によって冷却領域を積極的に冷却する構成は必須ではなく、本実施形態のように、冷媒等の供給を行わずに冷却領域を放冷してもマザーガラス板MGの割断は可能である。
(第三実施形態)
図6に示すように、第三実施形態では、ガラス板Gの製造方法を例示する。本実施形態では、割断工程において、レーザー光Lの照射領域SP近傍の冷却領域CPを冷却装置4から噴射される冷媒R(例えば空気)によって冷却する点が第二実施形態と異なる。
冷却装置4は、レーザー照射装置3に追従して移動するように構成される。冷却装置4は、そのノズルから冷媒Rをレーザー光Lの照射領域SP及びその周囲の冷却領域CPに向かって噴射する。冷媒Rとしては、空気以外にHe,Ar等の不活性ガスや酸化しないNガスが好適に使用される。本実施形態では、レーザー光Lによる照射領域SPの加熱及び冷媒Rによる冷却領域CPの冷却によって、クラックCRを進展させるための熱応力を一層顕著に発生させることができる。COレーザーを使用する場合、COレーザー光は水分を吸収するため、水分によってCOレーザーの出力が減衰する。したがって、水は冷媒Rとして使用しない方がよい。但し、レーザー光Lの出力の減衰を有効利用する場合はこの限りではない。
なお、レーザー照射装置3と冷却装置4は、一体に構成されていてもよい。例えば、冷却装置4のノズルの噴射口を環状にし、その環状の噴射口の内側にレーザー照射装置3を配置してもよい。
ここで、切断条件によっては割断予定線CLからクラックCRが僅かに逸れて進展する場合がある。この場合に、レーザー光Lの照射領域SPの周囲を冷却すれば、この逸れを低減できる。冷却は、レーザー光Lの照射領域SPの後方、前方及び側方から行うことができるが、逸れをさらに低減する観点では、図6のように後方から行うことが好ましい。なお、前方、後方及び側方とは、レーザー光Lの走査方向(進行方向)を基準とする。例えば、前方から冷却を行うとは、照射領域SP(レーザー照射装置3)よりも割断終了点CLb側に配置された冷却装置4を用いて冷却を行うことを意味する。また、後方から冷却を行うとは、照射領域SP(レーザー照射装置3)よりも割断開始点CLa側に配置された冷却装置4を用いて冷却を行うことを意味する。
冷却装置4のノズルから冷媒Rが噴射される冷却領域CPは、レーザー光Lの照射領域SPと重複しなくてもよい。すなわち、冷媒Rは、レーザースポットSPから離れた位置に噴射されてもよい。クラックCRの逸れをさらに低減する観点では、冷却領域CPと照射領域SPとの距離は、短いほど好ましく、冷却領域CPは、照射領域SPと一部又は全部が重複していることがより好ましい。ここで、ノズルによる冷媒Rが噴射される冷却領域CPは、ノズルから噴射された冷媒Rがマザーガラス板MGに直接到達して冷却する範囲を意味し、マザーガラス板MGと接触して流れ方向が変わった冷媒Rが間接的に照射領域SPに到達して冷却する場合を除く。
割断予定線CLに対するクラックCRの逸れをさらに低減する観点では、レーザー光Lの走査速度が低い方が好ましい。例えばマザーガラス板MGの材質が無アルカリガラスである場合、厚みが0.4mm以上であれば、レーザー光Lの走査速度は3〜15mm/secとすることが好ましく、厚みが0.4mm未満であれば、走査速度は3〜100mm/secとすることが好ましい。なお、好ましいレーザー光Lの走査速度は、マザーガラス板MGの材質によって変化し、熱膨張係数が増加するのに従って増加する傾向にある。また、好ましいレーザー光Lの走査速度は、マザーガラス板MGの厚みが減少するのに従って増加する傾向にある。ノズルから噴射される冷媒Rの流量は、例えば10〜50l/minとすることができる。
冷却領域CPが照射領域SPと重複しない場合には、レーザー光Lのレーザースポットである照射領域SPと、冷媒Rの噴射スポットである冷却領域CPとにおいて、マザーガラス板MGの第一表面MG1の温度(上面温度)をそれぞれ測定することにより、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域CPにおける最低温度との差ΔTを算出する。
冷却領域CPが照射領域SPと重複する場合には、照射領域SPにおける最高温度は、照射領域SP内でマザーガラス板MGの第一表面MG1の最高温度を測定する。一方、冷却領域CPにおける最低温度は、冷却領域CPのうち、照射領域SPとの重複する部分を除く位置(例えば、照射領域SPから後方に10mmだけ離れた離間位置)でマザーガラス板MGの第一表面MG1の最低温度を測定する。これにより、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域CPにおける最低温度との差ΔTを算出する。
冷却領域CPにおける最低温度は、5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。
(第四実施形態)
図7に示すように、第四実施形態では、ガラス板Gの製造方法を例示する。本実施形態では、冷却装置4の構成が第三実施形態と異なる。本実施形態に係る冷却装置4は、定盤1に備えられている。冷却装置4は、定盤1の内部又は下面に配置される冷媒管5を有する。冷媒管5は、定盤1を広範囲に冷却するように、蛇行状に配されている。本実施形態では、割断工程において、気体又は液体からなる冷媒を冷媒管5に流通させることで、定盤1を冷却する。これにより、定盤1に接するマザーガラス板MGの第二表面(裏面)MG2が冷却される。本実施形態では、マザーガラス板MGにおいて、定盤1に接触する第二表面MG2のほぼ全面を冷却できるため、厚み方向のクラックCRの進展を促進できる。
この際、マザーガラス板MGの第二表面MG2の冷却により第一表面MG1のほぼ全面も同様に冷却される。このため、第一表面MG1のほぼ全面が冷却領域とされる。したがって、レーザー光Lの照射領域SPと、照射領域SPから後方に例えば10mmだけ離れた離間位置とにおいて、マザーガラス板MGの第一表面MG1の温度(上面温度)をそれぞれ測定することにより、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを算出する。
(第五実施形態)
図8に示すように、第五実施形態では、ガラス板Gの製造方法を例示する。本実施形態では、冷却装置4の構成が第四実施形態と異なる。本実施形態に係る冷却装置4は、定盤1の一部を冷却するように構成される。冷却装置4は、マザーガラス板MGに設定される割断予定線CLの割断終了点CLb及びその周辺領域CAを冷却するように、割断終了点CLbの近傍の定盤1の一部に備えられている。ここで、割断終了点CLb付近では、切断エリアのガラスを加熱するエリアが少なくなり、レーザー光Lによる加熱が不十分になる。このため、クラックCRを進展するだけの熱応力をかけることが難しいため切れ残りが発生しやすい。本実施形態によれば、割断終了点CLbでクラックCRの進展を促進でき、切れ残りの発生を防止できる。
なお、本実施形態では、照射領域SPが周辺領域CAに到達する前は、マザーガラス板MGは放冷により冷却されるため、第二実施形態と同様の方法により、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを算出できる。一方、照射領域SPが周辺領域CAに到達した後は、マザーガラス板MGは冷却装置4により冷却されるため、第四実施形態と同様に方法により、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域(周辺領域CA)における最低温度との差ΔTを算出できる。
(第六実施形態)
図9及び図10に示すように、第六実施形態では、ガラス板Gの製造方法を例示する。本実施形態では、初期クラック形成工程において、マザーガラス板MGの角部MGaではなく、マザーガラス板MGの第一表面MG1の中央部に初期クラックが形成される。ここで、中央部とは、マザーガラス板MGの角部MGa(矩形状に形成されるマザーガラス板MGの四辺)を含む縁部によって囲まれている領域をいい、マザーガラス板MGの縁部は中央部には含まれない。
図9に示すように、マザーガラス板MGの中央部に、円形の割断予定線CLが設定されている。この場合、初期クラック形成工程では、割断予定線CL上の任意の点を割断開始点CLaとしてクラック形成部材2を接触させ、初期クラックを形成する。
図10に示すように、割断工程では、初期クラックが形成された割断開始点CLaにCOレーザー光Lを照射するとともに、割断予定線CLに沿ってCOレーザー光Lを走査し、割断終了点CLbまで到達させることで、矩形のマザーガラス板MGから円形のガラス板を切り出すことができる。
なお、COレーザー光Lなどの場合、円形の照射領域SPが形成されるように照射することで、割断予定線CLが直線状や曲線状に構成されていたとしても、マザーガラス板MGを好適に切断できる。これにより、より多様な形状のガラス板をマザーガラス板MGから切り出すことができる。したがって、矩形などの他の形状の割断予定線CLを設定し、矩形のマザーガラス板MGから矩形などの他の形状のガラス板を切り出すこともできる。
本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、マザーガラス板の第一表面に初期クラックを形成するとともに、マザーガラス板の第一表面にレーザー光を照射することにより、マザーガラス板を割断する例を示したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、マザーガラス板の第二表面に初期クラックを形成するとともに、マザーガラス板の第一表面にレーザー光を照射することにより、マザーガラス板を割断するようにしてもよい。つまり、初期クラックを形成する面とレーザー光を照射する面(レーザー光の入射面)とは、互いに異なっていてもよい。
上記の実施形態では、レーザー光を円形のレーザースポットとしてマザーガラス板に照射する例を示したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。レーザースポットは、例えば、楕円形や長円形、長方形、直線形であってもよい。レーザー光の走査性を高め、曲線等の様々な形状のガラス板を製造する観点では、円形のレーザースポットとすることが好ましいが、円形以外であってもその形状の長径が10mm以下であれば割断予定線に対して長径を絶えず接線方向になるようにレーザー光の角度調整機構をつけることによって自由な形状に切断することが可能になる。
上記の実施形態では、マザーガラス板として平板形状(第一表面及び第二表面がが平坦面)のものを例示したが、本発明はこの構成に限定されず、マザーガラス板が湾曲形状(少なくとも第一表面が湾曲面)のものであっても好適に切断(割断)することが可能である。
以下、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本発明者等は、レーザー照射装置を使用して、ガラス板の切断試験を行った。この試験は、照射領域における最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTが異なる条件で、マザーガラス板に連続的にCOレーザー光を照射し、直線状に構成される割断予定線に沿って、マザーガラス板を小片のガラス板(実施例1〜2)に割断した。
実施例1〜2に係るガラス板は、板厚0.5mmの無アルカリガラス(日本電気硝子株式会社の製品名OA―10G)により構成される。実施例1〜2では、レーザー光の照射領域に冷却エアを吹き付けることにより割断を行った。つまり、冷却領域は、照射領域と重複する部分を有する。実施例1では、冷却エアの温度を20℃とし、実施例2では、冷却エアの温度を0℃とした。
実施例1〜2の試験結果を以下の表1に示す。この試験では、割断時にマザーガラス板に作用する熱応力を上述の数式1から算出するとともに、割断されたガラス板に形成される圧縮応力層の最大圧縮応力値を測定した。なお、照射領域における最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTは、照射領域におけるマザーガラス板の上面の最高温度を測定するとともに、冷却領域のうち、照射領域との重複する部分を除く位置(照射領域から離れた離間位置)でマザーガラス板の上面の最低温度を測定することにより算出した。マザーガラス板の上面の温度は、Optris社製のPI450G7を用いて測定した。レーザー光の照射条件は、(1)レーザー光の種類:COレーザー光、(2)レーザー光の出力:56W、(3)レーザー光の走査速度:20mm/s、(4)レーザー光の照射径:6mmとした。ガラス板の第一表面の縁部及び割断された端面に形成される圧縮応力層の最大圧縮値は、フォトニックラティス社製のWPA−microを用いて測定した。
Figure 2021123513
上記の表1に示すように、照射領域SPにおける最高温度と冷却領域における最低温度との差ΔTを575℃以上とすることで、割断時にマザーガラス板に作用する熱応力σが100MPa以上と大きくなる。また、このような大きな熱応力σがマザーガラス板に作用することから、得られたガラス板の第一表面の縁部及び割断された端面に形成される圧縮応力層の最大圧縮値が、0.1MPa以上になる。また、実施例1よりもΔTが大きい実施例2において、熱応力σ及び圧縮応力層の最大圧縮値がともに大きくなることが確認できる。
なお、比較のため、レーザー光の種類をCOレーザー光からCOレーザー光に変更してガラス板の切断試験を行った。この場合、厚み方向の一部が割断できず、マザーガラス板に曲げ応力を付与して折り割る必要があり、端面の一部にマイクロクラックが形成された。また、切断面を観察しても、圧縮応力層を確認できなかった。
G ガラス板
G1 第一表面
G2 第二表面
G3 端面(割断面)
C 圧縮応力層
1 定盤
CL 割断予定線
CR クラック
IL マザーガラス板の内部
L レーザー光
MG マザーガラス板
MG1 第一表面
MG2 第二表面
SL マザーガラス板(第一表面)の表層
SP 照射領域(レーザースポット)
CP 冷却領域

Claims (10)

  1. マザーガラス板に初期クラックを形成する初期クラック形成工程と、レーザー光の照射領域の加熱及び冷却領域の冷却により発生する熱応力を利用して、前記初期クラックを起点としてクラックを割断予定線に沿う方向及び前記マザーガラス板の厚み方向に進展させる割断工程とを備えるガラス板の製造方法において、
    前記割断工程では、前記レーザー光が前記照射領域で前記マザーガラス板の表層及び内部を加熱するとともに、前記照射領域における最高温度と前記冷却領域における最低温度との差ΔTを575℃以上とすることを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記レーザー光は、COレーザー光、Erレーザー光、Hoレーザー光又はHFレーザー光である請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記冷却領域を冷媒で冷却する請求項1又は2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 第一表面と、第二表面と、前記第一表面及び前記第二表面を繋ぐ端面とを有するガラス板であって、
    前記端面が、割断面から構成され、
    前記第一表面の縁部及び前記端面に圧縮応力層を有することを特徴とするガラス板。
  5. 前記圧縮応力層が、前記第一表面の縁部から前記端面にわたって連続している請求項4に記載のガラス板。
  6. 前記圧縮応力層の最大圧縮応力値が、0.1MPa以上である請求項4又は5に記載のガラス板。
  7. 無アルカリガラスから構成される請求項4〜6のいずれか1項に記載のガラス板。
  8. 板厚が0.05〜5mmである請求項4〜7のいずれか1項に記載のガラス板。
  9. 前記圧縮応力層の前記端面に沿う厚み方向寸法が、25〜50μmである請求項4〜8のいずれか1項に記載のガラス板。
  10. 前記圧縮応力層の前記第一表面に沿う幅方向寸法が、1〜5mmである請求項4〜9のいずれか1項に記載のガラス板。
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