JP2021123312A - リム及び空気入りタイヤの組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速耐久性を低下させることなくロードノイズを低減する効果を長期にわたって発揮する、リム及び空気入りタイヤの組立体を提供する。【解決手段】リム及び空気入りタイヤの組立体であって、空気入りタイヤ2がリム3に装着されており、リム及び空気入りタイヤにより区画されるタイヤ内腔4内に制音体5を配し、制音体がポリアミド発泡体である、組立体。また、タイヤ内腔内にポリアミド発泡体からなる制音体を配したタイヤ、ポリアミド発泡体からなるタイヤ制音体。【選択図】図1

Description

本発明は、走行中のロードノイズを低減することができる空気入りタイヤ及びリムの組立体に関する。
路面を走行中に路面からの刺激によって車室内に発生するタイヤ騒音をロードノイズという。その主原因は、空気入りタイヤをリムに装着することにより形成されるタイヤ内腔で生じる空気の共鳴振動(空洞共鳴)であり、およそ50〜400Hzの固有の周波数スペクトルを有する。
近年、ロードノイズの主原因である空洞共鳴を抑制するために、タイヤ内腔内に制音体を配置して、タイヤ内腔内で生じた共鳴音エネルギーを緩和・吸収することが提案されている。
例えば、特開2002−144809号公報には、制音体として、ゴムや合成樹脂を発泡させた発泡性多孔質材、又は動物繊維、植物繊維若しくは合成繊維等を絡み合わせた繊維多孔質材を用いることが記載されている。また、特開2002−67608号公報には、制音体としてポリウレタンスポンジのようなスポンジ材の帯状シート体を用いることが記載されている。
また、特開2005−1428号公報には、制音体としてロックウールやグラスウールのような無機繊維多孔質材を用いることが記載されている。
一方、タイヤ内面に、走行中のタイヤの空気圧等の内部状態を検出するセンサーや、RFタグのような無線タグを取り付け、これにより、例えば、走行中のタイヤの状態を判定したり、RFタグの記憶部から取得されるさまざまなタイヤ情報を保守サービス等に活用することが知られている。例えば、特開2007−176403号公報は、無線タグをタイヤ内面に固着されているスポンジ材に取り付ける構成を開示している。これは、通信装置としての無線タグをスポンジ材に取り付けることにより、無線タグを走行中の衝撃や振動などから保護するものである。しかしながら、走行中の衝撃や振動等により、無線タグがスポンジ材からタイヤ内腔に脱落するおそれが依然として残るため、無線タグの位置の安定性や固定性を向上させることが望まれていた。また、スポンジ材は走行時の衝撃、振動、タイヤ内腔の気流等により変形し易いため、スポンジ材の分離や破損が生じ易いおそれがある。
国際公開WO2019/021730A1は、タイヤ内面にスポンジ材からなる第1制音体と第2制音体とを固着させて、両制音体の間に通信装置を保持させ、第2制音体を第1制音体よりも硬くするということを記載している。使用されているスポンジ材の材料は、エーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジを用いることが好ましいとされている。しかしながら、ポリウレタン系又はポリエチレン系等の軟質スポンジ材によるセンサーや通信装置類の固定性及び位置精度には限界があり、更なる位置の安定性・固定性、位置精度の向上が望まれている。
一方、特開2011−105879号公報には、オートクレーブ中でポリアミド系樹脂粒子に炭酸ガスを吹き込み、得られた粒子を加熱することによって、予備発泡粒子を得て、その後、この予備発泡粒子を成形機の金型内に充填し、熱風により加熱することによって、ポリアミド系樹脂発泡品を得る技術が開示されている。
しかし、ポリアミド系樹脂発泡品を制音体として用いることは、上記引例のほか、他の従来技術文献にも一切記載はない。
特開2002−144809号公報 特開2002−67608号公報 特開2005−1428号公報 特開2007−176403号公報 国際公開WO2019/021730A1 特開2011−105879号公報
しかし、上記のような従来のスポンジ材(発泡体)を制音体としてタイヤ内腔内に装着した組立体では、ロードノイズ低減効果を長期に亘って発揮することが難しく、またタイヤの高速耐久性を低下させるという課題があった。例えば、制音体の熱劣化による変形及び破壊が、ロードノイズ低減効果の困難性に大きく関与していることがわかっている。
上述のスポンジ材として提案されたポリウレタンスポンジのような発泡性多孔質材及び繊維多孔質材は、いずれも耐熱性に限界のある有機物である。例えば、ポリウレタンは常用できる耐熱温度は90〜130℃といわれているが、タイヤ内腔の内部温度は、走行に伴う発熱により、高速走行時には160〜180℃にまで上昇する。そのため、従来の発泡性多孔質材や繊維多孔質材からなる制音体を用いると、熱劣化により形状の変化、体積の変化、空隙率の変化などを引き起こして、空洞共鳴の抑制効果が損なわれるとともに、材料の変質により強度低下を起こして制音体が破壊され、タイヤに損傷を与え得る。
また制音体としてロックウールやグラスウールのような無機繊維多孔質材を用いる場合、無機繊維多孔質材はタイヤとの密着性が悪く、走行中の振動やタイヤの変形により、制音体としての長期信頼性を損なう可能性がある。
そこで本発明者は、制音体としてポリアミド発泡体を用いると、高速走行による熱劣化を防止し、変質による強度低下及び変形を抑えることができ、それにより、タイヤの高速耐久性を低下させることなくロードノイズ低減効果を長期に亘って発揮できることを見出し、本発明を完成した。本発明は、タイヤの高速耐久性を低下させることなくロードノイズ低減効果を長期に亘って発揮し得る空気入りタイヤとリムとの組立体を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]リム及び空気入りタイヤの組立体であって、前記空気入りタイヤが前記リムに装着されており、前記リム及び前記空気入りタイヤにより区画されるタイヤ内腔内に制音体を配し、前記制音体がポリアミド発泡体である、上記組立体。
[2]前記制音体の少なくとも一部が、空気入りタイヤ又はリムに固定される、[1]に記載の組立体。
[3]前記制音体の底面が前記リムのウェル部に固定される、[1]又は[2]に記載の組立体。
[4]前記ポリアミド発泡体の密度が50〜500kg/mである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の組立体。
[5]前記ポリアミド発泡体の独立気泡率Sが50%以上である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の組立体。
[6]前記ポリアミド系樹脂の示差走査熱量測定(DSC)により測定される融点が、150℃以上270℃以下である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の組立体。
[7]前記ポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂を50質量%超含む、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の組立体。
[8]前記ポリアミド発泡体の連通空隙率が20〜50%である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の組立体。
[9]タイヤ内腔内にポリアミド発泡体からなる制音体を配した、タイヤ。
[10]ポリアミド発泡体からなるタイヤ制音体。
図1は、本発明の1つの実施態様である空気入りタイヤ及びリムの組立体(以下、単に「組立体」ということがある。)の子午断面図である。 図2は、本発明の別の実施態様である組立体の子午断面図である。 図3は、本発明の1つの実施態様である組立体のタイヤ赤道面に沿った周方向略断面図である。 図4は、本発明の別の実施態様である組立体のタイヤ赤道面に沿った周方向略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」、「本実施形態」等とも言う。)について、必要により図面を参照しながら、より詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1及び図2の実施形態は、それぞれ制音体をタイヤ内腔の異なる位置に配置した組立体の子午断面図である。図3の実施形態は、制音体を周方向に一周巻きさせた組立体のタイヤ赤道面に沿った周方向略断面図を示している。図4は、制音体を複数の分割片として周方向に分割して配置した組立体のタイヤ赤道面に沿った周方向略断面図を示している。
図1及び図2において、組立体1は、空気入りタイヤ2(単に「タイヤ2」ということがある。)とリム3とから構成されており、タイヤ2をリム3に装着することにより、該タイヤ2とリム3とが囲むタイヤ内腔4が形成される。
(リム)
リム3は、タイヤ2のビード部2cが装着されるリム本体3aと、このリム本体3aを支持し、かつ車軸に固定されるディスク3bとを備えている。本実施形態のリム3は、金属製の2ピースホイールリムであるが、これに限定されるものではなく、1ピースリム等としてもよい。
また、リム本体3aは、タイヤ2のビード部材8がタイヤ径方向Bの外側に取り付けられるリムシート部3a1と、このリムシート部3a1のタイヤ幅方向Aの外側に突出するリムフランジ部3a2とを備えている。
(タイヤ)
タイヤ2は、トレッド部2aと、このトレッド部2aのタイヤ幅方向Aの両端部からタイヤ径方向Bの内側に延びる一対のサイドウォール部2bと、各サイドウォール部2bのタイヤ径方向Bの内側の端部に設けられた一対のビード部2cと、を備えている。
本実施形態のタイヤ2は、チューブレスタイプの乗用車用ラジアルタイヤである。
また前記タイヤ2は、ビード部2cを前記リム本体3aのリムフランジ部3a2に密着させてリム組みされる、例えば乗用車用ラジアルタイヤでは、前記リム本体3aとで気密なタイヤ内腔4を形成する。
(ビード部材)
ビード部材8は、ビード部2cに埋設されている。ビード部材8は、ビードコア8aと、このビードコア8aに対してタイヤ径方向Bの外側に位置するゴム製のビードフィラ8bと、を備えている。ビードコア8aは、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤはスチールコードにより形成されている。スチールコードは、例えば、スチールのモノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。なお、ビードワイヤとして、有機繊維やカーボン繊維等を用いてもよい。
(カーカス)
カーカス9は、一対のビード部2c間、より具体的には一対のビード部材8のビードコア8a間に跨っており、トロイダル状に延在している。また、カーカスは、少なくともラジアル構造を有している。
(ベルト)
ベルト6は、カーカス9のクラウン部に対してタイヤ径方向Bの外側に配置されている1層以上のベルト層を備えている。
(トレッドゴムおよびサイドゴム)
トレッドゴム10は、トレッド部2aのタイヤ径方向Bの外側の面(以下、「トレッド外面」と記載する。)を構成しており、トレッド外面には、タイヤ周方向Cに延在する周方向溝10aや、タイヤ幅方向Aに延在する、図示しない幅方向溝等、を含むトレッドパターンが形成されている。
サイドゴム11は、サイドウォール部2bのタイヤ幅方向Aの外側の面を構成しており、上述のトレッドゴム10と一体で形成されている。
(インナーライナ)
インナーライナ7は、カーカス9の内面に積層されており、空気透過性の低いブチル系ゴムにより形成されている。なお、ブチル系ゴムとは、ブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムを意味する。
前記組立体1には、前記タイヤ内腔4内に、タイヤ周方向に制音体5が配置される。この制音体5は、ポリアミド発泡体により構成されている。ポリアミド発泡体からなる制音体については後述する。
制音体5は、少なくともその一部が、空気入りタイヤ又はリムに固定される。
制音体5は、少なくともその一部が、タイヤ内腔4のリム側内腔面4S2(図1)及び/又はタイヤ側内腔面4S1(図2)に固定される。高速走行時に作用する大きな遠心力や横力を考慮すると、制音体5は固定されることが望ましい。
(ポリアミド発泡体)
本実施形態のポリアミド発泡体の密度は、ポリアミド発泡体の強度を適度にし、気泡膜を破膜しにくくすることにより外観性を向上させる観点から、20kg/m以上であることが好ましく、50kg/m以上であることが更に好ましく、60kg/m以上であることが更に好ましく、70kg/m以上であることが更に好ましい。また、ポリアミド発泡体の軽量性を高める観点から、ポリアミド発泡体の密度は、800kg/m以下であることが好ましく、500kg/m以下であることが更に好ましい。
本実施形態のポリアミド発泡体の独立気泡率Sは、発泡成形体の強度を向上させると共に、連続気泡部分において生じ得る樹脂中への水の取り込みを生じにくくして、ポリアミド発泡体の密度を低下しにくくする観点から、30%以上であることが望ましく、50%以上であることが更に望ましい。独立気泡率Sの上限は100%とする。
なお、独立気泡率S(%)は、下記式(1)により算出される。
Figure 2021123312

式中、Vxは、ポリアミド発泡体の真の体積(cm)であり、Vaは、ポリアミド発泡体の見かけの体積(cm)であり、Wは、発泡成形体の重量(g)であり、ρは、ポリアミド発泡体の基材樹脂の密度(g/cm)である。
[連通空隙率]
本実施形態のポリアミド発泡体(樹脂発泡成形体)は、融着した上記ポリアミド発泡粒子(樹脂発泡粒子)間に連続した空隙部を有し、その連通空隙率は10%以上80%以下であることが好ましい。
以下の式(2)より、ビーズ発泡層の連通空隙率を求めた。
Figure 2021123312

但し、Bは、ポリアミド発泡体(樹脂発泡成形体)の見掛け体積(cm)であり、Cは、ポリアミド発泡体(樹脂発泡成形体)の真の体積(cm)であり、見掛け体積Bは成形体の外形寸法から算出される体積、真の体積Cは成形体の連通空隙部を除いた実体積をそれぞれ意味する。真の体積Cは、ピクノメーターを使用して測定することにより得られる。
上記連通空隙率は、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
この10%以上の連通空隙率の範囲であると、ポリアミド発泡体(樹脂発泡体成型体)において、従来技術のように成形体の厚みを増加させることなく、200〜5000Hzの範囲での吸音特性を得ることができ、なおかつ剛性が保持できるという観点から好ましく、さらに連通空隙率が好適には20〜60%、より好適には20〜50%であるとより良好な吸音特性と剛性を両立できる。連通空隙率は80%以下であると、独立気泡率Sを高く保つ観点から好ましい。
以下、本実施形態のポリアミド発泡体に含まれるポリアミド系樹脂について詳述する。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリアミド共重合体、これらの混合物が挙げられる。
ポリアミドとしては、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により得られる、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン1212等、ラクタムの開環重合により得られるナイロン6、ナイロン12等が挙げられる。ポリアミド共重合体としては、例えば、ナイロン6/66、ナイロン66/6、ナイロン66/610、ナイロン66/612、ナイロン66/6T(Tは、テレフタル酸成分を表す)、ナイロン66/6I(Iは、イソフタル酸成分を表す)、ナイロン6T/6I等が挙げられる。中でも、脂肪族ポリアミドが好ましく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン66/6等がより好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの混合物としては、例えば、ナイロン66とナイロン6との混合物、ナイロン66とナイロン612との混合物、ナイロン66とナイロン610との混合物、ナイロン66とナイロン6Iとの混合物、ナイロン66とナイロン6Tとの混合物等が挙げられる。中でも、発泡成形体の結晶化度を高めて、耐熱性及び融着率を十分にする観点から、混合物の場合のポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミドを50質量%超含むものであることが好ましく、60質量%以上含むものであることがより好ましい。
また、ポリアミド系樹脂の融点は、発泡成形体の耐熱性を十分にする観点から、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることが更に好ましく、また、発泡成形体の成形プロセスにおいて予備発泡粒子同士の融着率を向上させる観点から、270℃以下であることが好ましく、250℃以下であることが更に好ましい。
なお、ポリアミド系樹脂の融点は、JIS K7121に準じて、示差走査熱量測定(DSC)により測定した値を指す。測定で現れた吸熱を示すピークを樹脂の融解を示すピークとし、最も高温側に現れた吸熱を示すピークにおける温度を、融点とする。
測定装置としては、市販の示差走査熱量計を用いてよく、例えば、パーキンエルマー社製のDSC7等が挙げられる。
測定条件としては、通常の条件を用いてよく、例えば、不活性ガス雰囲気下、温度条件として、樹脂をその融点超の温度で保持し、その後、20℃/分で室温程度まで急冷し、次いで、融点超の温度まで20℃/分で昇温させるという条件等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂が末端に有する高反応性の官能基(アミノ基及びカルボキシル基)を、ポリアミド系樹脂の合成において末端封止剤を添加することによって、低反応性の官能基に変える(ポリアミド系樹脂の末端を封鎖する)ことができる。
この場合、末端封止剤を添加する時期としては、原料仕込み時、重合開始時、重合中後期、又は重合終了時が挙げられる。
末端封止剤としては、ポリアミド系樹脂のアミノ基又はカルボキシル基との間で反応し得る単官能性の化合物である限り、特に制限されることなく、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリアミド系樹脂のアミン価及び酸価としては、いずれも、0当量/1×10g以上としてよく、また、ポリアミド系樹脂の溶融滞留時にゲル化や劣化を生じにくくする観点、及び樹脂の使用環境下において着色や加水分解等の問題を生じにくくする観点から、200当量/1×10g以下であることが好ましく、100当量/1×10g以下であることが更に好ましい。
本実施形態のポリアミド発泡体に含まれるポリアミド系樹脂以外のその他の成分としては、安定剤、衝撃改良材、難燃剤、滑剤、顔料、染料、耐候性改良剤、帯電防止剤、耐衝撃改質剤、結晶核剤、ガラスビーズ、無機充填材、架橋剤、タルク等の核剤や他の熱可塑性樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。本実施形態のポリアミド発泡体におけるその他の成分の含有量は、ポリアミド系樹脂100質量部に対して、15質量部以下としてよく、6質量部以下であることが好ましい。3質量部以下であることがさらに好ましい。
特に、安定剤としては、特に限定されることなく、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ホスファイト化合物、チオエーテル系化合物等の有機系酸化防止剤や熱安定剤;ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系、イミダゾール系等の光安定剤や紫外線吸収剤;金属不活性化剤等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱安定剤としては、120℃以上の高温環境下で長期熱老化を効果的に防止する観点から、銅化合物が好ましく、この銅化合物とハロゲン化アルカリ金属化合物との組み合わせも好ましい。ここで、ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、難燃剤としては、特に限定されないが、ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物との組み合わせが好ましい。
ここで、ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、臭素化スチレン無水マレイン酸共重合体、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモビフェニル、臭素化ポリカーボネート、パークロロシクロペンタデカン、臭素化架橋芳香族重合体が好ましく、また、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムが好ましい。
難燃剤としては、熱安定性の観点から、ジブロモポリスチレンと三酸化アンチモンとの組み合わせが好ましい。
また、難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤も用いられてよく、具体的には、メラミンシアヌレート、赤リン、ホスフィン酸金属塩、含窒素リン酸系化合物等が挙げられ、特に、ホスフィン酸金属塩と、含窒素リン酸系化合物(例えば、メラミンやメラミンの縮合物(メラム、メロン等)とポリリン酸との、反応生成物又は混合物も含む)との組み合わせが好ましい。
なお、本実施形態のポリアミド発泡体に含まれるポリアミド系樹脂のアミノ基又はカルボキシル基と反応する置換基(以下、反応性の置換基ともいう。)を有する化合物や重合体等を用いて、樹脂の分子内においてかかる置換基を介した架橋構造を形成させることによって、樹脂の架橋度を高めてもよい。
反応性の置換基としては、例えば、グリシジル基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボジイミド基等の官能基等が挙げられ、特に、反応の速さの観点から、グリシジル基、カルボジイミド基が好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、化合物や重合体等は、1分子中に複数種の官能基を有していてもよい。
なお、反応性の置換基の樹脂への導入量は、架橋により樹脂にゲル化等が生じない程度とするのがよい。
ポリアミド系樹脂の形状としては、特に限定されることなく、例えば、ビーズ状、ペレット状、球体、不定形の粉砕物等が挙げられ、その大きさは、発泡後の予備発泡粒子の大きさを適度なものとし、予備発泡粒子の取り扱いやすさを高め、成形時の充填をより密にする観点から、0.2〜3mmであることが好ましい。
本実施形態のポリアミド発泡体は、前述のポリアミド系樹脂を含む本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子からなる。
なお、前述のポリアミド系樹脂から本実施形態のポリアミド発泡体を製造する方法、及び本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子から本実施形態のポリアミド発泡体を製造する方法については後述する。
本実施形態のポリアミド発泡体の加熱による寸法変化率は、1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。
なお、寸法変化率は、JIS K6767の寸法安定性評価・B法に準拠して、測定した値を指す。
(ポリアミド発泡体の製造方法)
初めに、本実施形態のポリアミド発泡体を製造する際に用いられる、本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子の製造方法について記載する。なお、本願明細書において、予備発泡粒子とは、最終段階の発泡を行っていない発泡性の粒子(ビーズ等)を指す。
本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子は、前述のポリアミド系樹脂に発泡剤を含有(含浸)させて、発泡を生じさせることによって得ることができる。
ポリアミド系樹脂に発泡剤を含有(含浸)させる方法としては、特に限定されることなく、一般的に用いられている方法としてよい。
かかる方法としては、水等の懸濁系で水性媒体を用いて行う方法(懸濁含浸)や、重炭酸ナトリウム等の熱分解型発泡剤を用いる方法(発泡剤分解)、ガスを臨界圧力以上の雰囲気とし液相状態にして、基材樹脂に接触させる方法(液相含浸)、ガスを臨界圧力未満の雰囲気とし気相状態にして、基材樹脂に接触させる方法(気相含浸)等が挙げられる。
上記方法のうち、特に、気相含浸が好ましい。
気相含浸では、高温条件下で実施される懸濁含浸の場合と比較して、ガスの樹脂への溶解度がより高く、発泡剤の含有量を高くしやすい。そのため、気相含浸では、高発泡倍率を達成しやすく、樹脂内の気泡サイズも均一になりやすい。
また、発泡剤分解法も、懸濁含浸と同様に高温条件下で実施される点で不都合がある。また、この方法では、加えた熱分解型発泡剤全てがガスになるわけではないため、ガス発生量が相対的に少なくなりやすい。一方、気相含浸では、発泡剤含有量を高くしやすいという利点がある。
更に、気相含浸では、液相含浸の場合と比較して、耐圧装置や冷却装置等の設備がよりコンパクトになりやすく、設備費を低減しやすい。
気相含浸の条件としては、特には限定されることなく、例えば、ガスの樹脂への溶解をより効率的に進める観点から、雰囲気圧力としては、0.5〜6.0MPaであることが好ましく、雰囲気温度としては、5〜30℃であることが好ましい。
ここで、本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子を製造する際に使用される発泡剤としては、特に限定されることなく、空気やガスとし得る化合物等が挙げられる。
ガスとし得る化合物の例としては、二酸化炭素、窒素、酸素、水素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の無機化合物;トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)ジクロロフルオロエタン(R141b)クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボン;HFO−1234y、HFO−1234ze(E)等のハイドロフルオロオレフィン;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられる。
これらの空気やガスとし得る化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
発泡剤としては、環境への影響が少なく、可燃性や支燃性がないものが好ましく、取り扱い時の安全性の観点から、可燃性のない無機化合物が更に好ましく、樹脂への溶解性、取り扱いの容易性の観点から、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)特に好ましい。
発泡剤を含有(含浸)させたポリアミド系樹脂に発泡を生じさせる方法としては、特に限定されないが、例えば、予備発泡粒子を高圧雰囲気下から低圧雰囲気下に一気に持ち込むことによって、予備発泡粒子中に溶解している発泡剤としてのガスを膨張させて、発泡を生じさせる方法や、圧力蒸気等を用いて加熱することによって、予備発泡粒子中のガスを膨張させて、発泡を生じさせる方法等を用いることができ、特に、生成物である成形体内部の気泡の大きさ(セルサイズ)を均一にするという利点、及び発泡倍率を制御して低発泡倍率の成形体の作製を容易にするという利点が得られるため、後者の加熱・発泡を行う方法を用いることが好ましい。
ここで、予備発泡粒子を所望の発泡倍率になるまで発泡させる際、一段階の発泡を行ってもよく、二次発泡、三次発泡等からなる多段階の発泡を行ってもよい。なお、多段階の発泡を行った場合、高発泡倍率の予備発泡粒子を調製しやすく、成形に用いられる予備発泡粒子は、単位体積当たりに使用される樹脂量を低減する観点から、三次発泡まで行った予備発泡粒子であることが好ましい。
特に、多段階の発泡の場合、各段階での発泡前に予備発泡粒子に対してガスによる加圧処理を行うことが好ましい。加圧処理に用いるガスとしては、ポリアミド系樹脂に対して不活性である限り、特には限定されないが、ガスの安全性が高く、ガスの地球温暖化係数の小さい、無機ガスやハイドロフルオロオレフィンが好ましい。無機ガスとしては、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、また、ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO−1234y、HFO−1234ze(E)等が挙げられ、特に、取り扱い容易性及び経済性の観点から、空気や炭酸ガスが好ましい。加圧処理の手法としては、特には限定されないが、予備発泡粒子を加圧タンク内に充填し、該タンク内にガスを供給する手法等が挙げられる。
そして、本実施形態のポリアミド発泡体は、前述の本実施形態のポリアミド系樹脂予備発泡粒子を成形することによって得ることができる。
ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を成形する方法としては、特に限定されないが、例えば、予備発泡粒子を成形用金型のキャビティ内に充填し、加熱することによって、発泡を生じさせると同時に予備発泡粒子同士を熱融着させた後、冷却により生成物を固化し、成形することができる。ここで、予備発泡粒子の充填方法は、特には限定されないが、例えば、金型を多少開けた状態で予備発泡粒子を充填するクラッキング法、金型を閉じたままの状態で加圧圧縮した予備発泡粒子を充填する圧縮法、金型に加圧圧縮した予備発泡粒子を充填した後に上記クラッキング法を行う圧縮クラッキング法等が挙げられる。
本発明では、予備発泡粒子の気泡に一定のガス圧力を付与して、粒子内部の気泡の大きさ(セルサイズ)を均一にする観点から、予備発泡粒子を成形用金型のキャビティ内に充填する前に、予備発泡粒子に対してガスによる加圧処理を行うことが好ましい。加圧処理に用いるガスとしては、特には限定されないが、難燃性、耐熱性、寸法安定性の観点から、無機ガスを用いるのが好ましい。無機ガス及び加圧処理の方法については、前述のポリアミド系樹脂に発泡を生じさせる方法において発泡前の予備発泡粒子に対して施されるガスによる加圧処理の場合と同様である。
ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を成形する際に用いられる熱媒体は、汎用の熱媒体としてよく、発泡成形体の酸化劣化を抑制する観点から、飽和水蒸気や過熱水蒸気であることが好ましく、発泡成形体に対して均一な加熱を可能にする観点から、飽和水蒸気が更に好ましい。
より詳細には、本実施形態のポリアミド発泡体の製造方法は、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を金型のキャビティ内に充填し、キャビティ内にポリアミド系樹脂予備発泡粒子の熱融着温度以下の水蒸気を5〜30秒間供給して、上記ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を予備的に加熱する前工程と、キャビティ内にポリアミド系樹脂予備発泡粒子の熱融着温度以上の水蒸気を20〜120秒間供給して、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発泡体を得る、後工程とを有する。
このように、本実施形態のポリアミド発泡体は、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を二段階で加熱することによって得られる。
この方法によれば、一段階目に、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子の熱融着温度以下の水蒸気で予備発泡粒子を予備的に加熱することによって、予備発泡粒子の集合体全体における温度分布をより均一にすることができる。そして、この一段階目の予備的な加熱により、二段階目に、熱融着温度以上の水蒸気で予備発泡粒子を加熱した際に、予備発泡粒子における発泡がより均一なものとなり、予備発泡粒子をポリアミド発泡体に成形しやすくなる。
また、この方法によれば、得られるポリアミド系樹脂発泡成形体において、樹脂の結晶子サイズがより大きくなり、また、結晶化度がより高くなり、ひいては、耐熱性に優れたポリアミド発泡体を得ることができる。
ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を加熱する際の温度としては、前述の通り、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子の熱融着温度(Tf)近傍であることが望ましい。
なお、熱融着温度とは、予備発泡粒子を飽和水蒸気内において加熱し、予備発泡粒子同士が融着する温度を指す。熱融着温度の測定方法は、実施例に記載の通りである。
一段階目の加熱温度は、Tf(℃)より低い温度であることが望ましく、Tf−20℃以上であることが好ましく、Tf−15℃以上であることが更に好ましく、また、Tf−2℃以下であることが好ましく、Tf−5℃以下であることが更に好ましい。
一段階目の加熱時間は、2秒以上であることが望ましく、3秒以上であることが更に望ましく、20秒以下であることが望ましく、15秒以下であることが更に望ましい。
二段階目の加熱温度は、Tf(℃)より高い温度であり、Tf+15℃以下であることが好ましく、Tf+10℃以下であることが更に好ましく、Tf+5℃以下であることが特に好ましい。
二段階目の加熱時間は、10秒以上であることが望ましく、15秒以上であることが更に望ましく、60秒以下であることが望ましく、45秒以下であることが更に望ましい。
一段階目及び二段階目の加熱温度及び加熱時間を、上記範囲とすれば、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子同士を十分に熱融着させることができ、また、樹脂の結晶化がより促進されたポリアミド発泡体を得ることができる。
(制音体)
制音体5の配置箇所については上述したとおり、前記組立体1のタイヤ内腔4内に、タイヤ周方向に制音体5が配される。この制音体5は、本実施態様のポリアミド発泡体により構成されている。
制音体5は、少なくともその一部が、空気入りタイヤ又はリムに固定される。
制音体5は、少なくともその一部が、タイヤ内腔4のリム側内腔面(図1)及び/又はタイヤ側内腔面(図2)に固定される。高速走行時に作用する大きな遠心力や横力を考慮すると、制音体5は固定されることが望ましい。
上述したポリアミド発泡体は、空気を十分に保持しているため、ウレタン発泡体(スポンジ)と同様、優れた防振性や吸音性を発揮する。従って、タイヤ内腔4内で生じた共鳴音エネルギーを効果的に緩和吸収でき、空洞共鳴を抑制しロードノイズを低減しうる。
しかも、熱的に安定なポリアミドで形成されているため、その連続耐熱温度は、ポリアミドの種類にもよるが217℃に及ぶものがあり、高速走行時の高温まで、熱による変質や変形を招くことがなく、かかるポリアミド発泡体からかる制音体5はその強度や形状を高温において長期間維持することができる。したがって、高速走行時の走行に伴う発熱により、高温に温度が上昇した場合にも、形状変化や体積変化(空隙率の変化)を防止することができ、空洞共鳴の抑制効果、即ちロードノイズの低減効果を長期に亘って発揮できる。また、変質による強度低下によって制音体自体が破壊するのを防止できるなどの効果により、その破片によるタイヤ損傷を抑えることができ、タイヤの高速耐久性を向上できる。
従来技術として知られるポリウレタン発泡体は、常用耐熱温度が90〜130℃であり、高速走行時には走行に伴う発熱により、高温となるため、熱劣化により形状の変化、体積の変化、空隙率の変化などを引き起こすだけでなく、長期運転時に加水分解により劣化が進むことになる。これに対して、ポリアミド発泡体は、連続耐熱温度がポリウレタン発泡体よりも高く、ポリアミド系樹脂の融点も、上述のように150℃以上、180℃以上が好ましいとしているため、熱劣化による変質を受けにくく、また耐加水分解性にも優れるため、タイヤ内部に水が浸入した場合においても、長期にわたって空洞共鳴の抑制効果を維持し、制音体の性能を維持することができる。
また、従来技術として知られるポリウレタン発泡体は剛性の低い軟質材料であるため、それから構成されるスポンジ材及び/又は制音体を用いて、タイヤの内部状態(空気圧など)を検出するセンサーやRFタグなどの通信装置を保護・固定しても、装置の固定性や位置精度に限界があった。また、スポンジ材がタイヤ内腔内で変形・分離・破損するおそれもあった。
これに対して、本発明に係るポリアミド発泡体は剛性が高いため、それから構成される制音体は、軟質ポリウレタン発泡体からなる制音体と異なり、位置精度を落とすことなく、センサーやRFタグなどの通信装置を保護、固定することができる。
通信装置等を保護、固定する際の位置安定性を高く保つという観点から、本発明に係るポリアミド発泡体からなる制音体の曲げ弾性率は、5MPa以上500MPaであることが好ましく、20MPa以上300MPa以下であることがより好ましく、25MPa以上200MPa以下であることがさらに好ましい。
制音体5の体積V2は、タイヤ内腔4の全体積V1の0.4〜20%の範囲に設定することが好ましい。比V2/V1が0.4%以上であることにより、空洞共鳴の抑制効果が十分となる。
また、比V2/V1が20%以下であることにより、重量やコストの面で有利である。
このような観点から、制音体5は、その体積V2が前記範囲を満たしていれば、その厚さT1、幅W1、及び長さL1は特に限定されず、矩形状、台形状、三角形状、弾頭形状、半円形状などの様々な形状とすることができるが、形状安定性の見地から、W1>T1とした断面横長矩形状のものが好ましく使用できる。又重量バランスの観点から、図3に示すように、制音体5は周方向に一周巻きされるのが好ましいが、図4に示すように、制音体5を複数の分割片5Aとして周方向に配置することもできる。
なお前記「制音体5の体積V2」とは、制音体5の見かけの全体積であって、ポリアミド発泡体の空孔部も含めた制音体5の外形から定まる体積をいう。また前記「タイヤ内腔4の全体積V1」は、組立体1の正規状態において、下記式(3)で近似的に求めるものとする。
Figure 2021123312

式中、Aは前記正規状態のタイヤ内腔4をCTスキャニングして得られるタイヤ内腔4の横断面積であり、Diは図1に示す正規状態でのタイヤ内腔4の最大外径であり、Drはリム径であり、πは円周率である。
また前記「正規状態」とは、組立体に正規内圧を充填しかつ無負荷とした状態を指す。
また「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧である。JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表”TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES” に記載の最大値、ETRTOであれば”INFLATION PRESSURE”とするが、タイヤが乗用車用の場合には、現実の使用頻度などを考慮し200kPaとする。
次に、前記制音体5は、少なくともその一部が、前記内腔面4Sのうちのタイヤ側内腔面4S1、及び/又はリム側内腔面4S2に固定される。固定する理由は、高速走行時、制音体5に大きな遠心力や横力が作用するからであり、固定されていないと、制音体5が動いて内腔面4Sと接触するなど制音体5自体の破壊を招く。
前記制音体5を固定することで、空洞共鳴の抑制効果を長期に亘って発揮でき、かつ高速耐久性を高めることができる。図3の実施態様では、前記制音体5が、断面横長矩形の長尺帯状をなし、その底面5Sが前記リム3のウェル部3a3に、接着剤によって固定される場合を例示している。
本発明においては、制音体5をポリアミド発泡体とすることにより、たとえば、制音体にグラスウールや、ロックウールのような無機繊維多孔質材を用いた場合と比較すると、本発明の実施態様では、制音体5をタイヤ内腔、例えばタイヤ側内腔面4S1、及び/又はリム側内腔面4S2に固定する際に、接着面積を大きくすることができ、そのため制音体の内腔面タイヤ側及び/又はリム側への密着性が高くなり、制音体を十分に固定することができる。これにより、高速走行しても、制音体5が脱落することがなく、長期安定性も確保することができ、好適である。
制音体5は、その幅W1が前記ウェル部3a3の底幅W2より大であり、この底幅W2を超えた制音体5の両側部分5eは、リム3と非接着とすることができる。これによって、リム組み性を確保することができる。なお接着方法としては、制音体5の全長に亘って接着剤をベタ状に、或いはスポット状に分散させて塗布し接着するのが好ましい。
接着剤としては、合成ゴムを有機溶剤に溶解した溶液型、及び水に分散させたラテックス型などの合成ゴム系の液状の接着剤であって、ポリアミド樹脂との親和性に富むものが好適に採用できる。特に合成ゴムとしてクロロプレンゴムを用いたクロロプレン系溶液型接着剤は、優れた接着力を有し、かつ柔軟で曲げや衝撃等にも強いためより好ましく用いうる。このときクロロプレンゴムの含有量は、合成ゴム系の接着剤の全体を100重量部としたとき、25〜35重量部が好ましく、25重量部未満では接着強度が損なわれる傾向となり、35重量部を超えると、高粘度となって塗布しにくくなる。
次に、前記制音体5は、本例の如く一本の帯状体で形成する以外に、図4に略示するように、周方向に分割された複数の分割片5Aによって形成することができる。このとき、各分割片5Aは、周方向に等間隔を隔てて固定されることができる。なお分割片5Aの数は、特に制限されないが、接着の作業性の観点から、10個以下、さらには6個以下とするのが好ましいが、ユニフォミティーの観点からは3個以上とするのがよい。
また前記制音体5は、図2に示すように、タイヤ側内腔面4S1に接着することもできる。このとき剛性が大きいトレッド部2a(トレッド領域J)に接着するのが、制音体5によるタイヤ走行性能への影響を抑える点で好ましい。なお前記「トレッド部2a(トレッド領域J)」とは、ベルト6の両外端を通る半径方向線の間の領域P1〜P2を意味する。
なお制音体5のタイヤ2又はリム3への固定は、前記接着剤を使用する他、例えばネジや取付金具などを用いて機械的に固定するのでもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
以下、本発明を具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述する実施例及び比較例のポリアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子、ポリアミド系樹脂発泡成形体(以下、ポリアミド系樹脂発泡体ともいう。)の物性の測定方法(A)〜(E)を以下に示す。
(A)密度
得られたポリアミド系樹脂発泡成形体について、重量W(kg)を測定し、その後、水没法により、発泡成形体の見かけの体積Va(m)を測定した。そして、その重量Wを見かけの体積Vaで除した値W/Va(kg/m)を、発泡成形体の密度とした。
(B)独立気泡率
前述の(B)において見かけの体積Vaを測定した発泡成形体について、その真の体積(Vx)を空気比較式比重計(ベックマン(株)社製)を用いて測定した。そして、前述の式(1)に従って、独立気泡率S(%)を算出した。
(C)融点
ポリアミド系樹脂の融点の測定を、JIS K7121に準じて、示差走査熱量計(商品名:DSC7、パーキンエルマー社製)を用いて、行った。試料8mgを精秤し、これを測定に用いた。測定条件は、窒素雰囲気下、温度条件:300℃で5分間保持、その後、降温速度:20℃/分で50℃まで降温、次いで、昇温速度:20℃/分で50℃から300℃まで昇温、とした。
そして、現れた吸熱を示すピークを樹脂の融解を示すピークとし、最も高温側に現れた吸熱を示すピークにおける温度(℃)を、樹脂の融点とした。
(D)熱融着温度
得られたポリアミド系樹脂予備発泡粒子を、気泡内部の圧力が大気圧であり、炭化水素等の発泡剤を含んでいない状態にした。この予備発泡粒子10gを金属メッシュの容器に予備発泡粒子同士が接触するように入れ、次いで、所定温度の飽和蒸気で30秒間加熱した。そして、加熱後に予備発泡粒子同士が全体で80%以上融着していた温度のうちの最低の温度(℃)を、予備発泡粒子の熱融着温度とした。
(E)連通空隙率
見掛け体積Bを測定した発泡成形体について、その真の体積Cをピクノメーターを使用して測定した。そして、前述の式(2)により、連通空隙率(%)を求めた。
後述する実施例及び比較例のポリアミド系樹脂発泡成形体の評価方法(1)〜(5)について以下に説明する。
(1)耐熱性評価
後述する実施例及び比較例のポリアミド系樹脂発泡成形体の耐熱性について、加熱による寸法変化率、及び加熱後の外観変化を評価した。
(1−1)寸法変化率
発泡成形体を成形後、60℃の乾燥機を用いて24時間乾燥させて、成形体に含まれる水分を除去した。この発泡成形体について、JIS K6767の寸法安定性評価・B法に準拠して、試験片の作製及び加熱試験を行い、その寸法変化率(%)を評価した。なお、温度条件は、ポリアミド系樹脂発泡成形体の基材樹脂がポリアミド6の場合には180℃、ポリアミド666の場合には160℃とした。
評価基準としては、寸法変化率が小さいほど、発泡成形体は耐熱性に優れていると判定した。
(1−2)外観変化
前述の(1−1)における加熱試験後の試験片の外観の変化を目視にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:試験片に割れ、収縮、膨張がない。
△:試験片に割れ、収縮、膨張がわずかに確認されたが、使用上問題のない程度である。
×:試験片に使用上問題がある程度の割れ、収縮、膨張が確認される。
(2)曲げ弾性率
発泡成形体を成形後、23℃50%RHの条件で1日以上静置し、平衡吸水状態にさせた後、この発泡成形体について、JIS K7221に準拠して、その曲げ弾性率(MPa)を測定した。
(3)融着率
縦:300mm、横:300mm、厚み:20mmの板状の発泡成形体の表面にカッターナイフを用いて縦に2等分するように5mmの深さの切り込み線を入れ、この線に沿って発泡成形体を分割した。この分割面に現れた予備発泡粒子に関して、予備発泡粒子が粒子内で破断している(予備発泡粒子が分割面により破壊されている)ものの数(a)と、予備発泡粒子同士の界面に沿って破断している(予備発泡粒子同士の界面が分割面になっている)ものの数(b)とを測定し、下記式(4)に従って融着率(%)を算出した。
Figure 2021123312
(4)外観
発泡成形体を成形後、成形直後の発泡成形体の表面の外観を目視にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:平滑であり、予備発泡粒子同士の間隙がなく、ヒケ反り等がない。
△:ヒケ反り等がわずかに見られる、又は予備発泡粒子同士の間隙がわずかに見られるが、使用上問題のない程度である。
×:ヒケ反り等が見られ、若しくは予備発泡粒子同士の間隙が大きく見られ、実用に耐えない、又は成形が不可能である。
(実施例1)
(ナイロン6発泡体の製造)
ポリアミド系樹脂としてのナイロン6(商品名:UBEナイロン 1022B、宇部興産(株)製、下記表中「PA6」と表記する)100質量部、核剤としてのタルク0.8質量部を、押出機にて加熱条件下で溶融混練し、その後ストランド状に押出し、冷水槽で水冷し、カッティングを行い、ペレット形状の基材樹脂を作製した。
これに、特開2011−105879号公報の実施例に記載の方法に準じて、基材樹脂に発泡剤としての炭酸ガスを含有させた。そして、炭酸ガスを含めた基材樹脂を加熱することによって、発泡を生じさせて、密度:300kg/mの予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.5MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.5MPaに24時間保持することによって、予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理した予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に135℃の飽和水蒸気を10秒間供給し(一段階目の加熱)、その後、キャビティ内に144℃の飽和水蒸気を30秒間供給して(二段階目の加熱)、予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、予備発泡粒子を成形した。
金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた成形体を冷却し、その後、型開きを行い、発泡成形体を取り出した。
得られた発泡成形体は、厚さ100mm×長さ300mm×幅300mmのポリアミド発泡体の成形体であった。
得られたポリアミド発泡体の独立気泡率S(%)を、上記式(1)により算出したところ、81%であった。得られたポリアミド発泡体の連通空隙率は10%であった。
上記ポリアミド発泡体を制音体として使用した。
(制音体の特性評価)
タイヤ(195/60R15)のトレッド裏面、またはリム(15×6JJ)のウェル部底面に、長尺帯状の制音体を一周にわたって接着した組み立て体を試作し、ロードノイズ性、及びタイヤ高速耐久性を試験した。
接着は、クロロプレン系溶液型接着剤(ノーテープ工業株式会社製の型番9383)を使用し、制音体の底面に一様に薄く塗った後、タイヤ又はリムに押し付けて接着するとともに、接着後1日おいてから各試験を行った。
ポリアミド発泡体の制振材に、ナイロン用プライマー(ノーテープ工業株式会社製の型番Ny−83)を塗布した後、クロロプレン系溶液型接着剤(ノーテープ工業株式会社製の型番9383)と硬化剤(ノーテープ工業株式会社製の型番UFE)を100:3の割合で混合したものを制音体の底面に一様に薄く塗った後、タイヤ又はリムに押し付けて接着するとともに、接着後1日おいてから各試験を行った。
<ロードノイズ低減性(吸音特性)>
タイヤを車両(2000cc、FF国産車)の全輪に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト粗面路)を時速60km/hで走行したときの、運転席窓側耳位置における車内音(挟帯域240Hz付近の気柱共鳴音)を、ドライバーの官能評価により、実施例1を100とする指数で評価した。数値が大きい程、ロードノイズ低減性に優れることを示す。
<高速耐久性>(長期信頼性)
タイヤをリム(16×5.5J)、内圧(600kPa)、荷重(12.6kN)の条件にて、ドラム上で速度100km/hで、20000kmの距離を走行させた。そして完走後、タイヤを解体して損傷の有無を確認した。
物性及び特性の評価結果を表1に示す
(実施例2:ナイロン6/66発泡体の製造)
ポリアミド6/66樹脂(2430A、(株)DSM製、20℃における表面張力46mN/m、下記表中「PA6/66」と表記する)、タルク0.8%を、押出し機を用いて溶融し、異形押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmの円筒状のペレットを得た。このペレットの融点は193℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。 次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、200℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は、平均粒子径は2.2mmであり、独立気泡の平均径は0.18mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
ポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は9.5%、表面付着水率は9.0%、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.18mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:100mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発予備泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。
独立気泡率は60%,連通空隙率は32%であった。
上記ポリアミド発泡体を制音体として使用した。
制音体の特性評価、ロードノイズ低減性(吸音特性)及び高速耐久性を実施例1と同様に実施した。
物性及び特性の評価結果を表1に示す
(実施例3:ナイロン6/66発泡体の製造)
実施例2と同じ
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を15秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発予備泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。
独立気泡率は50%,連通空隙率は40%であった。
(実施例4:ナイロン6/66発泡体の製造)
実施例2と同じ
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に125℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発予備泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。
独立気泡率は30%,連通空隙率は60%であった。
(実施例5ナイロン6/66発泡体の製造)
実施例2と同じ
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を5秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発予備泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。
独立気泡率は40%,連通空隙率は50%であった。
(比較例1:ポリウレタン発泡体製制音体)
発泡体として、軟質ウレタンスポンジ(イノアック製カームフレックスF−2、下記表中「PU」と表示する。)を使用した以外は、実施例1と同様にしてポリウレタン発泡体からなる制音体を作成し、特性評価を実施した。
制音体の性情、物性及び特性の評価結果を表1に示す
(比較例2:ガラスウール製制音体)
無機繊維多孔質材であるグラスウール(下記表中「GW]と表示する。)を制音体の材料として使用した以外は、実施例1と同様にして制音体を作成し、制音体の特性及び特性の評価を実施した。
制音体の性状、物性及び特性の評価結果を表1に示す
Figure 2021123312
1 組立体
2 タイヤ
2a トレッド部
2b サイドウォール部
2c ビード部
3 リム
3a リム本体
3a1 リムシート部
3a2 リムフランジ部
3a3 ウェル部
3b ディスク
4 タイヤ内腔
4S1 タイヤ側内腔面
4S2 リム側内腔面
5 制音体
5A 制音体の複数の分割片
5e 制音体の両側部分
5S 制音体の底面
6 ベルト
7 インターライナー
8 ビード部材
8a ビードコア
8b ビードフィラ
9 カーカス
10 トレッドゴム
10a 周方向溝
A タイヤ幅方法
B タイヤ径方向
CL 中央線
L1 制音体の長さ
P1 ベルトの両外端を通る半径方向線
P2 ベルトの両外端を通る半径方向線
T1 制音体の厚さ
W1 制音体の幅
W2 ウェル部の底幅

Claims (10)

  1. リム及び空気入りタイヤの組立体であって、前記空気入りタイヤが前記リムに装着されており、前記リム及び前記空気入りタイヤにより区画されるタイヤ内腔内に制音体を配し、前記制音体がポリアミド発泡体である、上記組立体。
  2. 前記制音体の少なくとも一部が、空気入りタイヤ又はリムに固定される、請求項1に記載の組立体。
  3. 前記制音体の底面が前記リムのウェル部に固定される、請求項1または2に記載の組立体。
  4. 前記ポリアミド発泡体の密度が50〜500kg/mである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組立体。
  5. 前記ポリアミド発泡体の独立気泡率Sが50%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組立体。
  6. 前記ポリアミド系樹脂の示差走査熱量測定(DSC)により測定される融点が、150℃以上270℃以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組立体。
  7. 前記ポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂を50質量%超含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組立体。
  8. 前記ポリアミド発泡体の連通空隙率が20〜50%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組立体。
  9. タイヤ内腔内にポリアミド発泡体からなる制音体を配した、タイヤ。
  10. ポリアミド発泡体からなるタイヤ制音体。
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