JP2021122855A - 加工方法、加工システム、加工プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことが可能な技術を提供することにある。【解決手段】光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工方法であって、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射することにより、各照射部位に沿ってクラックを誘導させる加工方法。【選択図】図3

Description

本発明は加工方法、加工システム、及び加工プログラムに関する。
金属や樹脂等の材料を切削加工して目的物を得るための加工装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
目的物を得るためには、材料の不要部分を取り除く必要がある。そこで、従来の切削加工においては、CAMシステムで設定された加工部位に沿って切削工具を移動しながら不要部分を取り除くことが行われている。
特開平10−244439号公報
ところで、レーザー光を用いて切削加工と同様の加工を行う試みがある。レーザー光を用いる加工方法としては、短パルスレーザーを用いた非熱加工がある。材料に対して非熱加工を行うことにより、材料の不要部分を取り除くことができる。
一方、材料の厚みや形状、或いは不要部分とそれ以外の部分の境界の形状によっては、十分な加工を行うことができない場合がある。その結果、材料の不要部分を取り除くことができなかったり、意図しないクラックが発生することがある。
本発明の目的は、レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことが可能な技術を提供することにある。
上記目的を達成するための一の発明は、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工方法であって、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射する加工方法である。
また、上記目的を達成するための一の発明は、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工システムであって、前記レーザー光を照射する照射部と、前記材料を保持する保持部と、前記照射部及び前記保持部を相対的に移動させる駆動機構と、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射するよう前記照射部及び前記駆動機構を制御する制御部と、を有する加工システムである。
また、上記目的を達成するための一の発明は、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工システムで実行されるプログラムであって、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射させる加工プログラムである。
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことができる。
第1実施形態に係る照射部位を示した図である。 第1実施形態に係る照射部位を示した図である。 第1実施形態に係る加工システムの構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る加工システムの動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第1実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第1実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第1実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第2実施形態に係る照射部位を示した図である。 第2実施形態に係る照射部位を示した図である。 第2実施形態に係る加工システムの動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第3実施形態に係る照射部位を示した図である。 第3実施形態に係る照射部位を示した図である。 第3実施形態に係る照射部位を示した図である。 第3実施形態に係る加工システムの動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第3実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第3実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第3実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第4実施形態に係る照射部位を示した図である。 第4実施形態に係る照射部位を示した図である。 第4実施形態に係る照射部位を示した図である。 第4実施形態に係る加工システムの動作を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る加工方法を説明するための図である。 第4実施形態に係る加工方法を説明するための図である。
==概要==
以下の実施形態に係る加工方法は、光透過性の材料に対してレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除く。
実施形態で使用する材料は、レーザー光を透過する材料(以下、「光透過性の材料」)である。光透過性の材料は、たとえば、アクリル樹脂等の樹脂材、ガラス、或いはガラスセラミック等の歯科材料である。材料の光透過率は100%である必要はなく、照射部位までレーザー光が届き、加工可能な程度の値であればよい。材料の形状は、直方体や立方体、或いは三角柱状、円柱状、球体であってもよい。
不要部分は、材料において目的物となる部分以外の部分である。材料にレーザー光を照射することによりクラックを発生させ(後述)、材料から不要部分を取り除くことで、目的物を得ることができる。目的物は、たとえば、ガラス細工や、歯科医療に用いる補綴物である。
レーザー光は、短パルスレーザーによる光を用いることができる。特に、材料内部の照射部位に対して直接、レーザー光を照射するためには、超短パルスレーザーによる光を用いることが好ましい。超短パルスレーザーは、一のパルス幅が数ピコ秒〜数フェムト秒のレーザー光を照射するレーザーである。超短パルスレーザーによるレーザー光を材料内部の照射部位に短時間照射することにより、アブレーション加工(非熱加工)を行うことができる。アブレーション加工は、レーザー光により溶融した箇所が瞬時に蒸発、飛散し除去されるため、一般的なレーザー加工(熱加工)と比べ、熱による照射部位の損傷が少ない。アブレーション加工は、たとえば、歯科医療に用いる補綴物等、サイズが小さい物の加工に対して特に有効である。なお、アブレーション加工が可能なレーザー光であれば、超短パルスレーザーに限られない。
[第1実施形態]
図1A〜図4Dを参照して、第1実施形態に係る加工方法を説明する。本実施形態に係る加工方法は、材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、材料の上方からレーザー光を照射することにより、不要部分を取り除くためのクラックを発生させる方法である。具体的には、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射する方法である。
==照射部位==
照射部位は、材料表面または材料内部において、レーザー光が照射される部分である。それぞれの照射部位は、線状に設定される。また、照射部位は、材料の所定範囲において、材料の高さ方向(後述のZ軸方向)に沿って複数設定される。
図1A及び図1Bを参照して、複数の照射部位の例について説明する。図1Aは材料M1の斜視図であり、図1Bは材料M1をX軸方向から見た図である。図1A及び図1Bに示すXYZ軸は直交する三軸である。X軸方向及びY軸方向は、材料M1の幅方向であり、Z軸方向は、材料M1の高さ方向である。
図1A及び図1Bに示した材料M1は、中実の直方体であり、上面Mt、下面Mb、4つの側面Ms1〜Ms4を有する。上面Mt及び下面Mbは対向している。側面Ms1と側面Ms3、側面Ms2と側面Ms4も、それぞれ対向している。上面Mtは材料M1の上端に相当し、下面Mbは材料M1の下端に相当する。
図1A及び図1Bにおいては、Y軸方向に延びる線状の5つの照射部位(照射部位L〜照射部位L)が材料M1の下側に設定されている。
材料の下側とは、材料の下端を基準とした所定範囲である。所定範囲は、材料の下端を0とし、材料の高さ(上端から下端までの距離)をαとした場合、最大で0〜α/2の範囲とすることができる。たとえば、材料M1の高さが1.0mmである場合、所定の範囲は、最大で0mm〜0.5mmとなる。また、所定範囲において、照射部位の数は5つに限られない。従って、たとえば所定範囲を0.01mm〜0.3mmとし、その範囲で10の照射部位を設定してもよい。
複数の照射部位は、材料の幅方向における位置が同じであり、且つ材料の高さ方向における位置が異なるように設定されていることが好ましい。図1A及び図1Bの例において、照射部位L〜照射部位Lは、X軸方向の位置が同じである一方、Z軸方向の位置は異なっている。なお、照射部位の位置は座標値で示すことができる。
複数の照射部位のうち、一の照射部位が材料の下端に設定されていることが好ましい。図1A及び図1Bの例において、照射部位Lは、材料M1の下面Mb上に設定されている。
複数の照射部位は、それぞれ材料の側面から対向する側面までを結ぶ線分として設定されていることが好ましい。図1A及び図1Bにおいて、照射部位L〜照射部位Lは、それぞれ材料M1の側面Ms2から対向する側面Ms4までを結ぶ線分として設定されている。
更に、複数の照射部位は、それぞれレーザー光が照射される方向と直交するよう設定されていてもよい。図1A及び図1Bの例において、Z軸方向から上面Mtに対して垂直にレーザー光が照射される場合、照射部位L〜照射部位Lは、それぞれZ軸方向と直交する。
また、図1A及び図1Bの例において、材料M1の上面Mt(または下面Mb)から一の照射部位(一の照射部位を細分化したそれぞれの部位)までの距離は均一となっている。また、各照射部位のZ軸方向の間隔は均等となっている。
なお、照射部位の形状は、直線に限らず、曲線や折れ線であってもよい。また、照射部位同士の間隔(図1A及び図1Bの例であれば、Z軸方向の間隔)は異なっていてもよい。また、複数の照射部位は、それぞれレーザー光が照射される方向に対して傾斜するよう設定されていてもよい。傾斜とは、線状の照射部位が、レーザー光が照射される方向に対して一定の角度(但し90度を除く)を有するように設定されている状態をいう。
また、図1A及び図1Bでは、材料の下側の所定範囲にのみ照射部位が設定される例を示している。一方、材料の厚みや形状、取り除きたい不要部分の形状等に応じて、材料の上側まで照射部位を設定してもよい。
レーザー光が照射された照射部位には、レーザー光のスポット径及び集光時のエネルギーに応じた空洞または改質部分が形成される。その結果、材料内部にクラックが発生する。
ここで、本実施形態における照射部位は、所定の長さに細分化されている。図1A及び図1Bに示すように、本実施形態において、各照射部位はそれぞれ長さAで細分化されている。たとえば、照射部位Lは、部位L1−1〜部位L1−5の5つ(各部位の長さA)に分割されている(図1B参照)。
所定の長さは、材料の種類等に応じて予め設定されている。所定の長さは、レーザー光を照射した際に材料内部に生じるクラックの長さとほぼ等しいか、またはクラックの長さよりも短く設定することが好ましい。クラックの長さは、材料の種類や、レーザー光の出力値、レーザー光の移動速度等に基づいて予測することができる。
細分化された部位に沿ってレーザー光を照射することにより、材料内部にはクラックが発生する。そして、細分化された部位毎に所定の順番でレーザー光を照射することにより、クラックを少しずつ進展させることができる。クラックが伸展することにより、材料を割断することができる。
==加工データ==
加工データは、材料を加工する際に加工システム100(後述)で使用するデータである。加工データは、材料の三次元データに基づいて、CAD/CAMシステム200(後述)で作成される。
本実施形態に係る加工データは、少なくとも照射部位データ、加工経路データ、及び順番データを含む。
(照射部位データ)
照射部位データは、材料に対してレーザー光を照射する位置やレーザー光を照射する方向に関するデータである。照射部位データは、照射部位の数だけ作成される。ここで、本実施形態において、照射部位データは、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に設定されている。たとえば図1A及び図1Bの例において、照射部位データとしては、照射部位Lを細分化した部位L1−1〜部位L1−5、照射部位Lを細分化した部位L2−1〜部位L2−5、照射部位Lを細分化した部位L3−1〜部位L3−5、照射部位Lを細分化した部位L4−1〜部位L4−5、及び照射部位Lを細分化した部位L5−1〜部位L5−5それぞれに対応するデータ(すなわち25の照射部位データ)が設定されている。
照射部位データは、一次元に配列された複数の点データからなる。点データは、材料のサイズ等を加味して所定の間隔で設定される。各点データは、三次元(XYZ)の座標値、及びベクトル情報を有する。
座標値は、レーザー光の焦点位置を決定する際に用いられる。すなわち、座標値は、材料表面または材料内部においてレーザー光が照射される位置に対応する。なお、レーザー光の焦点位置は、材料の屈折率に応じて変動する。そのため、材料の屈折率を考慮して予め補正した値を座標値とする。ベクトル情報は、レーザー光の照射方向を決定する際に用いられる。
たとえば、図1A及び図1Bの場合、部位L1−1〜部位L5−5に対応する照射部位データは、それぞれの位置を示す三次元の座標値、及びベクトル情報が設定されている。
なお、本実施形態において、材料を加工する際に使用されるベクトル情報は、全ての照射部位データにおいて共通である。すなわち、照射部位データに基づいて照射されるレーザー光は、複数の点データが示す座標値それぞれに対して同じ方向から照射される。また、材料内部にレーザー光を入射させる場合、材料表面における反射や屈折の影響が生じる。そこで、ベクトル情報を設定する場合、材料表面に対して垂直にレーザー光が入射するように設定することが好ましい。
また、照射部位データに含まれる複数の点データのうち、隣り合う点データの間隔がレーザー光のスポット径よりも小さくなるよう設定することができる。この場合、隣り合う点データに対応する空洞または改質部分が連結するため、クラックが進展し易くなることがある。
(加工経路データ)
加工経路データは、各照射部位において、レーザー光の照射を行う経路を設定するデータである。本実施形態における加工経路データは、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に経路が設定されている。
たとえば、図1A及び図1Bの例において、照射部位Lの加工経路データには、Y軸方向に沿って所定の長さAで細分化した部位L1−1〜部位L1−5毎に、レーザー光を照射するという経路が設定されている。同様に、照射部位L〜照射部位Lの加工経路データには、Y軸方向に沿って所定の長さAで細分化した部位毎に、レーザー光を照射するという経路が設定されている。
(順番データ)
順番データは、複数の照射部位のうち、どの照射部位からレーザー光を照射するかを示すデータである。また、本実施形態における順番データは、細分化した部位のうち、どの部位からレーザー光を照射するかを示すデータを含む。
レーザー光の照射方向において重なる照射部位がある場合、先にレーザー光を照射した部位によるレーザー光の遮蔽の問題が生じる。具体的には、レーザー光が入射する材料表面から近い順にレーザー光を照射した場合、先にレーザー光を照射した部位が存在することにより、それよりも下側にある照射部位にレーザー光が到達できない恐れがある。そこで、順番データは、レーザー光が入射する材料表面から離れている順(材料表面から遠い順)にレーザー光が照射されるように設定する。材料表面と照射部位との距離は、レーザー光を入射させる方向に沿って決定される。なお、一の照射部位データが複数の点データからなる場合、順番データは、どの点データが示す座標値からレーザー光を照射するかを示すデータを含んでいてもよい。
ここで、図1A及び図1Bの例では、Z軸方向に沿って上方から下方に向けてレーザー光の照射方向が設定されているとする(すなわち、上面Mtからレーザー光が入射するよう設定されているとする)。この場合、照射部位L〜照射部位Lはレーザー光の照射方向において重なる。従って、順番データは、Z軸方向に沿って、レーザー光が入射する材料M1の上面Mtから最も離れている照射部位Lを最初とし、材料M1の上面Mtに最も近い照射部位Lを最後として設定される。つまり、図1A及び図1Bの例であれば、Z軸方向に沿って下側の照射部位から順番にレーザー光が照射されることとなる。
各照射部位においては、材料の端面からレーザー光を照射しクラックを発生させた方が、クラックを伸長させやすい。そこで、たとえば、照射部位Lについては、Y軸に沿って、材料M1の端面Ms4に最も近い部位L1−1を最初とし、材料M1の端面Ms4と対向する端面Ms2に最も近い部位L1−5が最後となるよう、順番データが設定される。他の照射部位についても同様である。
図1A及び図1Bにおける照射部位の順番データとしては、たとえば、部位L1−1を1番目とし、部位L1−2(2番目)、部位L1−3(3番目)、部位L1−4(4番目)、部位1−5(5番目)、部位L2−1(6番目)、部位L2−2(7番目)、・・・・・・、部位L3−1(11番目)、・・・・、部位L4−1(16番目)、・・・・部位L5−1(21番目)、・・・・・、部位L5−5(25番目)の順番を設定することができる。この順番は「所定の順番」の一例である。
なお、順番データは、レーザー光の照射方向において重なる照射部位がないように設定できればよく、上記例に限られない。たとえば、Z軸方向に沿って、部位L1−1、部位L2−1、部位L3−1、部位L4−1、部位L5−1の順番でレーザー光を照射した後、部位L1−2、部位L2−2、・・・のように、細分化した部位毎に高さ方向に順番にレーザー光を照射するよう、順番が設定されていてもよい。
また、加工データは、レーザー光の出力に関する情報(各点に照射するレーザー光のスポット径、照射時間、強度等)を含んでいてもよい。
CAD/CAMシステム200は、作成した加工データを加工システム100に出力する。なお、出力されるデータの形式は、加工システム100で使用できるものであれば特に限定されない。
==加工システム==
本実施形態に係る加工方法は、図2に示すような加工システム100により実施される。加工システム100は、CAD/CAMシステム200で作成された加工プログラムを実行することにより材料M1の加工を行う。図2は、加工システム100を模式的に示した図である。加工システム100は、加工装置1及びコンピューター2を有する。但し、コンピューター2の果たす機能を加工装置1で実現することによって、加工システム100が加工装置1単体で構成されてもよい。
本実施形態に係る加工装置1は、5軸(X軸、Y軸、Z軸、A回転軸(X軸回りの回転軸)、B回転軸(Y軸回りの回転軸))の駆動軸を有する。加工装置1は、加工データに基づき、照射部位に対してレーザー光を照射することにより材料M1を加工する。加工装置
1は、照射部10、保持部20、及び駆動機構30を含む。
照射部10は、材料M1に対してレーザー光を照射する。照射部10は、レーザー光の発振器、及び発振器からのレーザー光を材料まで導くためのレンズ群やガルバノミラー等の光学系を含む。保持部20は材料M1を保持する。材料を保持する方法は、特に限定されるものではない。たとえば、従来の切削加工を行う場合と同様、ディスク状の材料をクランプで挟み込んで保持する方法や、ブロック状の材料に金属製のピンを接着し、そのピンを保持部20に差し込んで保持する方法が可能である。駆動機構30は駆動用のモータ等を含む。駆動機構30は、照射部10及び保持部20を相対的に移動させる。但し、本実施形態における加工方法によれば、材料を固定した状態で一の方向からレーザー光を照射することにより不要部分を取り除くことができる。すなわち、照射部10や保持部20をA回転軸やB回転軸周りに回転させる必要はない。
なお、レーザーの照射パターンを調整する調整部を設けてもよい。調整部は、たとえば、ガルバノミラー、フレネルレンズ、回折光学素子(DOE)、空間光位相変調器(LCOS−SLM)等の部材である。調整部は、照射部10内において、たとえば発振器とレンズ群との間に配置される。
調整部として空間光位相変調器を用いることにより、一の照射部位や一の細分化された部位に対して一括でレーザー光を照射することができる。空間光位相変調器は、液晶の配向を調整することにより、発信器からのレーザー光を任意の形状に成形することができる。たとえば、空間光位相変調器は、点状のレーザー光の焦点を線状に成形することで、線分状のレーザー光(一次元形状のレーザー光)を照射することを可能とする。すなわち、空間光位相変調器を用いることにより、一の照射部位や一の細分化された部位に対して一回の照射でアブレーション加工を実施できる。空間光位相変調器を利用することにより一次元領域の照射部位を一括して加工できるため、加工時間を短縮することができる。
コンピューター2は、照射部10及び駆動機構30の動作を制御する。具体的に、コンピューター2は、材料表面または材料内部において、加工データに対応する照射部位にレーザー光を照射できるよう、駆動機構30を制御して照射部10と保持部20との相対的な位置関係を調整する。なお、レーザー光が材料に入射すると、レーザー光の焦点位置は、材料の屈折率に応じて変動する。コンピューター2が、材料の屈折率の寄与を考慮し、照射部10と保持部20の相対的な位置関係を補正してもよい。この場合、加工データの作成時において、材料の屈折率を考慮しなくともよい。また、コンピューター2は、照射部10を制御し、レーザー光の焦点位置、照射されるレーザー光のスポット径、強度等の調整を行ったり、材料M1に対して所定時間だけレーザー光の照射を行う。スポット径、強度、照射時間等は、照射されるレーザー光の出力(エネルギー)に影響を与えるものである。これらの値は、上述の通り加工データに予め組み込まれていてもよいし、加工装置1側で設定することでもよい。また、これらの値を決定する際には、加工対象となる材料の種類や特性を加味してもよい。コンピューター2は、「制御部」の一例である。
==加工システムによる加工==
次に図3〜図4Dを参照して、本実施形態に係る加工方法について説明する。加工方法は、加工システム100によって実行される。また、加工方法は、専用の加工プログラムとして、加工システム100に予めインストールされている。図3は、加工システム100の動作を示すフローチャートである。図4A〜図4Dは、本実施形態に係る加工方法により加工される材料M1または部分W1を模式的に示した図である。また、材料M1の加工データとして、図1A及び図1Bに示した線状の照射部位L〜照射部位Lを細分化した部位に対応するデータがCAD/CAMシステム200により予め作成されているとする。
材料M1を選択し、加工装置1の保持部20にセットする。
コンピューター2は、材料M1の加工データに基づいて、加工装置1に材料M1の加工を実行させる。コンピューター2は、加工データに含まれる照射部位データ及び加工経路データに基づき、照射部位に沿ってレーザー光を照射させて加工を行う。この際、コンピューター2は、順番データに基づいて、照射部位を所定の長さで細分化した部位毎にレーザー光を照射する(照射部位を細分化した部位毎にレーザー光を照射。ステップ10)。
コンピューター2は、照射部位データに含まれる点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う。具体的には、コンピューター2は、照射部10及び保持部20の相対的な位置を調整したり、照射部10に含まれるレンズ群による出射光の向きやガルバノミラー自体の角度を調整する。なお、材料M1の屈折率を考慮して焦点位置の調整を行ってもよい。点データの座標値とレーザー光の焦点位置とを一致させた後、コンピューター2は、照射部10を制御し、加工経路データ、及び当該点データに含まれるベクトル情報に基づいて、Z軸方向に沿って材料M1の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。なお、この例において、レーザー光は材料M1の上面Mtに対して垂直に入射するものとする。
レーザー光を照射していない細分化した部位がある場合(ステップ11でNの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、次の細分化した部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次の細分化した部位へ。ステップ12)。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、Z軸方向に沿って材料M1の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。
図4Aは、照射部位Lを細分化した部位L1−1にレーザー光を照射した状態を示す。図4Aにおいて、レーザー光を照射する前の部位を破線で示し、レーザー光を照射済みの部位を実線で示している。レーザー光を照射済みの部位は、レーザー光のスポット径及び集光時のエネルギーに応じた空洞または改質部分が形成される。その結果、材料内部にクラックが発生する。部位L1−1へレーザー光を照射した場合、その位置にクラックC1−1が発生する。なお、部位L1−1が含まれる照射部位Lは、複数の照射部位の中で、レーザー光が入射する材料M1の上面Mtから最も離れている。
部位L1−1へのレーザー光の照射が完了すると、照射部10は、照射部位L1−2、照射部位L1−3、照射部位L1−4、照射部位L1−5の順でレーザー光を照射する。その結果、クラックC1−2〜クラックC1−5が発生する。図4Bは、照射部位L1−1〜照射部位L1−5にレーザー光を照射した状態を示す。細分化した部位毎にレーザー光を照射し、少しずつクラックを発生させることにより、材料M1のY軸方向にクラックを確実に進展させることができる。
その後、照射部10は、照射部位L〜照射部位Lについても細分化された部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射する。図4Cは、全ての照射部位L〜照射部位Lに対し、細分化された部位毎にレーザー光を照射した状態を示す。この例においてはクラックC1−1〜クラックC5−5が発生する。
全ての細分化した部位に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ11でYの場合)、各照射部位に沿ってクラックが伸展しているため、不要部分を取り除くことができる。その結果、部分W1が得られる(図4D参照)。図4Dは、YZ平面に沿って材料が割断された例を示している。
==まとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係る加工方法は、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工方法であって、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射する。
このように、照射部位を所定の長さで細分化した部位毎にレーザー光を照射することで、材料の内部に小さなクラックを発生させることができる。また、これらの部位に対して所定の順番でレーザー光の照射を行うことにより、照射部位に沿ってクラックを誘導し、確実に伸展させることができる。従って、自然に、或いは材料に対して少しの外力を加えるだけで材料が割断され、不要部分を取り除くことができる。また、照射部位を細分化することにより、レーザー光を照射した際に意図しないクラックが発生し難くなる。すなわち、本実施形態に係る加工方法によれば、レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことができる。
また、所定の長さは、レーザー光を照射した際に材料内部に生じるクラックの長さとほぼ等しく、または当該クラックの長さよりも短くなるよう設定されていることが好ましい。このように所定の長さを設定することにより、クラックを確実に発生させることができる。
また、複数の照射部位は、少なくとも材料の下側に設定されており、材料の幅方向における位置が同じであり、且つ材料の高さ方向における位置が異なるように設定されていることが好ましい。このような照射部位によれば、材料の高さ方向において複数のクラックを発生させることができる。
更に、本実施形態に係る加工システム100は、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる。加工システム100は、レーザー光を照射する照射部10と、材料を保持する保持部20と、照射部10及び保持部20を相対的に移動させる駆動機構30と、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射するよう照射部10及び駆動機構30を制御するコンピューター2と、を有する。このような加工システムによれば、レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことができる。
また、本実施形態に係る加工プログラムは、光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工システムで実行される。加工プログラムは、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番でレーザー光を照射させるために用いることができる。このような加工プログラムによれば、レーザー光を用いて、意図しないクラックの発生を抑制しつつ、材料の不要部分を取り除くことができる。
[第2実施形態]
次に、図5A〜図7を参照して、第2実施形態に係る加工方法を説明する。第1実施形態と同様の構成や処理については説明を省略する。
第1実施形態では、材料のある方向(図1A及び図1BではY軸方向)に沿って設定された照射部位を所定の長さで細分化した部位にレーザー光を照射する例について述べた。一方、本実施形態に係る加工方法は、当該部位全てに沿ってレーザー光を照射した後、異なる方向に延びる照射部位に沿ってレーザー光を照射することで不要部分をより除去し易くすることができる。
すなわち、本実施形態に係る加工方法は、第1の方向に延びる第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位全てに沿ってレーザー光を照射した後、第1の方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当する第2の方向に延びる第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射する。
==照射部位==
図5A及び図5Bを参照して、複数の照射部位の例について説明する。図5Aは材料M1の斜視図であり、図5Bは材料M1をX軸方向から見た図である。図5A及び図5Bに示すXYZ軸は直交する三軸である。X軸方向及びY軸方向は、材料M1の幅方向であり、Z軸方向は、材料M1の高さ方向である。
図5A及び図5Bにおいては、図1A及び図1Bと同様、Y軸方向に延びる線状の照射部位L〜照射部位L(細分化された部位L1−1〜部位L5−5)が材料M1の下側に設定されている。
更に、本実施形態においては、Y軸方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当するZ軸方向に延びる照射部位L〜照射部位Lが設定されている。
照射部位L〜照射部位Lは、それぞれ材料M1の上面Mtから下面Mbまでを結ぶ線分として設定されている。Y軸方向における照射部位L〜照射部位Lそれぞれの間隔は、等しくなっている(この例では、それぞれの間隔は所定の長さAとなっている)。なお、照射部位L〜照射部位Lは、照射部位L〜照射部位Lと異なり細分化されていない。
この例において、Y軸方向は「第1の方向」に相当し、Z軸方向は「第2の方向」に相当し、照射部位L〜照射部位Lは「第1の照射部位」に相当し、照射部位L〜照射部位Lは「第2の照射部位」に相当する。
==加工データ==
(照射部位データ)
本実施形態における照射部位データは、第1実施形態と同様、照射部位Lを細分化した部位L1−1〜部位L1−5、照射部位Lを細分化した部位L2−1〜部位L2−5、照射部位Lを細分化した部位L3−1〜部位L3−5、照射部位Lを細分化した部位L4−1〜部位L4−5、及び照射部位Lを細分化した部位L5−1〜部位L5−5それぞれに対応するデータ(すなわち25の照射部位データ)が設定されている。更に、本実施形態に係る照射部位データは、照射部位L〜照射部位Lに対応するデータが設定されている。
(加工経路データ)
本実施形態における加工経路データは、照射部位L〜照射部位Lを所定の長さで細分化した部位毎の経路、及び照射部位L〜照射部位Lの経路が設定されている。
たとえば、第1実施形態と同様、照射部位Lの加工経路データには、Y軸方向に沿って所定の長さAで細分化した部位L1−1〜部位L1−5毎に、レーザー光を照射するという経路が設定されている。一方、照射部位L〜照射部位Lの加工経路データには、それぞれZ軸方向に沿って材料M1の下面Mb側から上面Mt側に向けてレーザー光を照射するという経路が設定されている。
(順番データ)
本実施形態においては、第1の方向に延びる第1の照射部位を細分化した部位全てに沿ってレーザー光を照射した後、第2の方に延びる第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射する。よって、順番データは、各照射部位に対するレーザー光の照射順がこのようになるよう設定されている。
たとえば、図5A及び図5Bにおける照射部位の順番データとしては、まず細分化された部位に対して照射の順番を設定し(第1実施形態参照)、その後、照射部位L(26番目)、照射部位L(27番目)、照射部位L(28番目)、照射部位L(29番目)の順番を設定することができる。
==加工システムによる加工==
次に図6及び図7を参照して、本実施形態に係る加工方法について説明する。加工方法は、加工システム100によって実行される。また、加工方法は、専用の加工プログラムとして、加工システム100に予めインストールされている。図6は、加工システム100の動作を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係る加工方法により加工される材料M1を模式的に示した図である。また、材料M1の加工データとして、図5A及び図5Bに示した線状の照射部位L〜照射部位Lを細分化した部位に対応するデータ、及び照射部位L〜照射部位Lに対応するデータがCAD/CAMシステム200により予め作成されているとする。
材料M1を選択し、加工装置1の保持部20にセットする。
第1実施形態と同様、コンピューター2は、順番データに基づいて、第1の方向に延びる第1の照射部位を所定の長さで細分化した部位毎にレーザー光を照射する(第1の照射部位を細分化した部位毎にレーザー光を照射。ステップ20)。
レーザー光を照射していない細分化した部位がある場合(ステップ21でNの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、次の細分化した部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次の細分化した部位へ。ステップ22)。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、Z軸方向に沿って材料M1の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。
全ての細分化した部位に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ21でYの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、第1の方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当する第2の方向に延びる第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射する(第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射。ステップ23)。たとえば、照射部位Lにレーザー光を照射した場合、その位置にクラックCが発生する。
レーザー光を照射していない第2の照射部位がある場合(ステップ24でNの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、次の照射部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次の照射部位へ。ステップ25)。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、Z軸方向に沿って材料M1の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。
この例では、コンピューター2は、順番データに基づいて、照射部位L〜照射部位Lそれぞれにレーザー光を照射する。図7は、全ての細分化した部位、及び照射部位L〜照射部位Lに対しレーザー光を照射した状態を示す。照射部位L〜照射部位Lに対応する位置には、クラックC〜クラックCが発生している。
全ての第2の照射部位に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ24でYの場合)、Y軸方向の各照射部位に沿ってクラックが伸展し、且つZ軸方向の照射部位に沿ってもクラックが形成されている。よって、不要部分を取り除くことができる。その結果、図4Dと同様の部分W1が得られる。
==まとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係る加工方法は、第1の方向に延びる第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位全てに沿ってレーザー光を照射した後、第1の方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当する第2の方向に延びる第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射する。このような加工方法によれば、異なる方向にクラックを発生させることができる。たとえば、図5A及び図5Bに示すような照射部位を設定した場合、材料の幅方向だけでなく、高さ方向にもクラックの発生を誘導させることができる。よって、不要部分をより取り除き易くなる。
[第3実施形態]
次に、図8A〜図10Cを参照して、第3実施形態に係る加工方法を説明する。第1実施形態または第2実施形態と同様の構成や処理については説明を省略する。
第1実施形態及び第2実施形態ではY軸方向(第2実施形態の場合、Y軸方向及びZ軸方向)に沿ってクラックを発生させる例について述べた。一方、図10Cに示すような凹曲面を有する部分W2を作成することが考えられる。このような場合、第1実施形態や第2実施形態の加工方法を用いたとしても、凹曲面の近傍で意図しないクラックが発生する可能性がある。本実施形態に係る加工方法は、このような加工を行う際に意図しないクラックの発生を抑制することができる。
すなわち、本実施形態に係る加工方法は、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位に沿ってレーザー光を照射する。
==照射部位==
図8A〜図8Cを参照して、複数の照射部位の例について説明する。図8Aは材料M2の斜視図であり、図8Bは材料M2を上面Mt側から見た図であり、図8Cは材料M2を側面Ms2側から見た図である。図8A〜図8Cに示すXYZ軸は直交する三軸である。X軸方向及びY軸方向は、材料M2の幅方向であり、Z軸方向は、材料M2の高さ方向である。
図8A〜図8Cに示した材料M2は、中実の直方体であり、上面Mt、下面Mb、4つの側面Ms1〜Ms4を有する。上面Mt及び下面Mbは対向している。側面Ms1と側面Ms3、側面Ms2と側面Ms4も、それぞれ対向している。上面Mtは材料M2の上端に相当し、下面Mbは材料M2の下端に相当する。
この例において、Y軸方向に延びる線状の照射部位L30〜照射部位L38が材料M2の下側に設定されている。照射部位L30、照射部位L33、及び照射部位L36は、X軸方向における位置が同じである一方、Z軸方向の位置が異なっている。同様に、照射部位L31、照射部位L34、及び照射部位L37は、X軸方向における位置が同じである一方、Z軸方向の位置が異なっており、照射部位L32、照射部位L35、及び照射部位L38は、X軸方向における位置が同じである一方、Z軸方向の位置が異なっている。また、照射部位L30、照射部位L31、及び照射部位L32は、材料M2の下端に設定されている。
また、照射部位L30〜照射部位L38は、それぞれ所定の長さに細分化されている。たとえば、照射部位L30は、部位L30−1〜部位L30−3の3つに分割されている。なお、各照射部位における所定の長さは、境界に相当する部位の形状により異なる場合がある。たとえば、図8Bに示すように、照射部位L31、照射部位L34、及び照射部位L37を細分化する長さは「A1」となっている一方、他の照射部位を細分化する長さは、長さA1よりも短い「A2」となっている。
また、本実施形態においては、Y軸方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当するZ軸方向に延びる照射部位L39〜照射部位L44が設定されている。
照射部位L39〜照射部位L44は、それぞれ材料M2の上面Mtから下面Mbまでを結ぶ線分として設定されている。また、Y軸方向において、端面Ms2から照射部位L39までの間隔、照射部位L39から照射部位L42までの間隔、及び照射部位L42から境界に相当する部位までの間隔は等しくなっている(この例では、それぞれの間隔は所定の長さA2となっている)。同様に、Y軸方向において、端面Ms2から照射部位L40までの間隔、照射部位L40から照射部位L43までの間隔、及び照射部位L43から境界に相当する部位までの間隔は等しくなっている(この例では、それぞれの間隔は所定の長さA1となっている)。また、Y軸方向において、端面Ms2から照射部位L41までの間隔、照射部位L41から照射部位L44までの間隔、及び照射部位L44から境界に相当する部位までの間隔は等しくなっている(この例では、それぞれの間隔は所定の長さA2となっている)。なお、照射部位L39〜照射部位L44は、照射部位L30〜照射部位L38と異なり細分化されていない。
この例において、Y軸方向は「第1の方向」に相当し、Z軸方向は「第2の方向」に相当し、照射部位L30〜照射部位L38は「第1の照射部位」に相当し、照射部位L39〜照射部位L44は「第2の照射部位」に相当する。
更に、本実施形態においては、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に照射部位L45が設定されている。照射部位L45へのレーザー光の照射は、たとえば、境界に相当する部位に沿って複数の照射部位を設定し、第1実施形態等と同様、各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に所定の順番で行うことができる。或いは、照射部位L45へのレーザー光の照射は、境界に相当する部位を複数の平面に分割し、空間光位相変調器を用いて各平面に対して一回ずつ行うこともできる。
照射部位L45に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成することができる。割れ留め面は、レーザー光の照射に伴う意図しないクラックが不要部分以外の部分に伸展することを抑制するための面である。この例において、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位は、凹曲面となっているが、たとえば、屈曲部分が90度より大きい面であれば凹曲面に限られない。
なお、図8A等では、材料の下側の所定範囲にのみ照射部位を細分化した部位が設定される例を示している。一方、材料の厚みや形状、取り除きたい不要部分の形状等に応じて、材料の上側まで照射部位を細分化した部位を設定してもよい。また、図8A等では、理解をし易くするために照射部位の数が少ない例(16個)を示しているが、より自然に割断を行うためには、照射部位の数は多い方が好ましい。或いは、より確実にクラックを発生させるためには、X軸方向に沿った照射部位同士の間隔(たとえば射部位L30と照射部位L31との間隔)がクラックの長さとほぼ等しくなるように照射部位を設定することができる。
==加工データ==
(照射部位データ)
本実施形態における照射部位データは、照射部位L30を細分化した部位L30−1〜部位L30−3、照射部位L31を細分化した部位L31−1〜部位L31−3、照射部位L32を細分化した部位L32−1〜部位L32−3、照射部位L33を細分化した部位L33−1〜部位L33−3、照射部位L34を細分化した部位L34−1〜部位L34−3、照射部位L35を細分化した部位L35−1〜部位L35−3、照射部位L36を細分化した部位L36−1〜部位L36−3、照射部位L37を細分化した部位L37−1〜部位L37−3、及び照射部位L38を細分化した部位L38−1〜部位L38−3それぞれに対応するデータ(すなわち25の照射部位データ)が設定されている。また、本実施形態に係る照射部位データは、照射部位L39〜照射部位L45に対応するデータが設定されている。
(加工経路データ)
本実施形態における加工経路データは、照射部位L30〜照射部位L38を所定の長さで細分化した部位毎の経路、及び照射部位L39〜照射部位L45の経路が設定されている。
たとえば、第1実施形態と同様、照射部位L30の加工経路データには、Y軸方向に沿って所定の長さA1で細分化した部位L30−1〜部位L30−3毎に、レーザー光を照射するという経路が設定されている。一方、照射部位L39〜照射部位L44の加工経路データには、それぞれZ軸方向に沿って材料M2の下面Mb側から上面Mt側に向けてレーザー光を照射するという経路が設定されている。
(順番データ)
本実施形態においては、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位に沿ってレーザー光を照射する。よって、順番データは、各照射部位に対するレーザー光の照射順がこのようになるよう設定されている。
たとえば、図8A〜図8Cにおける照射部位の順番データとしては、まず不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対応する照射部位L45を1番目とし、次に細分化された部位に対して照射の順番を設定する。なお、細分化された部位に対する照射の順番は、第1実施形態で述べたように、レーザー光が入射する材料表面から離れている順(材料表面から遠い順)にレーザー光が照射されるように設定する。たとえば、細分化された部位に対する照射の順番は、照射部位L30−1(2番目)、照射部位L30−2(3番目)、照射部位L30−3(4番目)、照射部位L31−1(5番目)、照射部位L31−2(6番目)、・・・・照射部位L32−3(10番目)、照射部位L33−1(11番目)、・・・・照射部位L35−3(19番目)、照射部位L36−1(20番目)、・・・・照射部位L38−3(28番目)の順番を設定することができる。更に、順番データとしては、照射部位L39(29番目)、照射部位L40(30番目)・・・・・照射部位L44(34番目)の順番を設定することができる。
==加工システムによる加工==
次に図9〜図10Dを参照して、本実施形態に係る加工方法について説明する。図9は、加工システム100の動作を示すフローチャートである。図10A〜図10Dは、本実施形態に係る加工方法により加工される材料M2または部分W2を模式的に示した図である。また、材料M2の加工データとして、図8A等に示した線状の照射部位L30〜照射部位L38を細分化した部位に対応するデータ、照射部位L39〜照射部位L44に対応するデータ、及び境界に相当する部位に設定された照射部位L45に対応するデータがCAD/CAMシステム200により予め作成されているとする。
材料M2を選択し、加工装置1の保持部20にセットする。
コンピューター2は、順番データに基づいて、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射する(境界に相当する部位に対してレーザー光を照射。ステップ30)。レーザー光が照射された部分には、割れ留め面Pが形成される。図10Aは、照射部位L45に対しレーザー光を照射した状態を示す。
次に、第1実施形態と同様、コンピューター2は、順番データに基づいて、第1の方向に延びる第1の照射部位を所定の長さで細分化した部位毎にレーザー光を照射する(第1の照射部位を細分化した部位毎にレーザー光を照射。ステップ31)。
レーザー光を照射していない細分化した部位がある場合(ステップ32でNの場合)、コンピューター2は、加工経路データ及び照射部位データに基づいて、次の細分化した部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次の細分化した部位へ。ステップ33)。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、Z軸方向に沿って材料M2の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。
図10Bは、照射部位L30〜照射部位L38をそれぞれ細分化した部位にレーザー光を照射した状態を示す。この例においては各照射部位に対応する位置に、クラックC30−1〜クラックC38−3が発生する。
全ての細分化した部位に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ32でYの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、第1の方向と直交する方向であって、レーザー光の照射方向に相当する第2の方向に延びる第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射する(第2の照射部位に沿ってレーザー光を照射。ステップ34)。たとえば、照射部位L39にレーザー光を照射した場合、その位置にクラックC39が発生する。
レーザー光を照射していない第2の照射部位がある場合(ステップ35でNの場合)、コンピューター2は、加工データに基づいて、次の照射部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次の照射部位へ。ステップ36)。そして、コンピューター2は、照射部10を制御し、Z軸方向に沿って材料M2の上方からレーザー光を所定時間だけ照射させる。
この例では、コンピューター2は、順番データに基づいて、照射部位L39〜照射部位L44それぞれにレーザー光を照射する。図10Cは、全ての細分化した部位、照射部位L39〜照射部位L44、及び照射部位L45にレーザー光を照射した状態を示す。照射部位L39〜照射部位L44に対応する位置には、クラックC39〜クラックC44が発生している。
全ての第2の照射部位に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ35でYの場合)、Y軸方向の各照射部位に沿ってクラックが伸展し、且つZ軸方向の照射部位に沿ってもクラックが形成されている。また、伸展したクラックは、割れ留め面Pよって、不要部分以外の部分まで進展することが抑制される。よって、不要部分を取り除くことができる。その結果、部分W2が得られる(図10D参照)。
==まとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係る加工方法は、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位に沿ってレーザー光を照射する。このような加工方法によれば、不要部分に対してクラックを発生させる前に、不要部分とそれ以外の境界に相当する部位に割れ留め面を形成することができる。よって、不要部分に対してレーザー光を照射した場合に発生するクラックが、それ以外の部分にまで進展することを抑制できる。このような加工方法は、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位が凹曲面である場合にも実施することができる。
[第4実施形態]
次に、図11A〜図13Bを参照して、第4実施形態に係る加工方法を説明する。第1実施形態、第2実施形態、または第3実施形態と同様の構成や処理については説明を省略する。
本実施形態では、図10Dに示すような凹曲面を有する部分W2を作成するための別の方法について説明する。
すなわち、本実施形態に係る加工方法は、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、不要部分に設定される照射部位を所定の長さに基づいて細分化することにより規定した複数のブロックについて、ブロック同士の境界に相当する部位に対してレーザー光を照射する。
==照射部位==
図11A〜図11Cを参照して、複数の照射部位の例について説明する。図11Aは材料M2の斜視図であり、図11Bは材料M2を上面Mt側から見た図であり、図11Cは材料M2を側面Ms2側から見た図である。図11A〜図11Cに示すXYZ軸は直交する三軸である。X軸方向及びY軸方向は、材料M2の幅方向であり、Z軸方向は、材料M2の高さ方向である。
この例においては、不要部分を所定の長さに基づいて区画し、複数のブロックを設定する。所定の長さは、レーザー光を照射した際に材料内部に生じるクラックの長さを適用することができる。図11A〜図11Cに示すように、この例では所定の長さAに基づいて区画した、12のブロック(ブロックB〜ブロックB12)が設定されている。なお、この例において、材料M2の高さは「A」である。また、ブロックは材料M2の端面Ms2側から設定したものである。よって、たとえば、ブロックB等の一辺は、所定の長さAよりも短くなっている。
ブロック同士の境界に相当する部位には照射部位が設定されている。ブロック同士の境界に相当する一の部位においては、異なる方向に延びる複数の照射部位が設定される。たとえば、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位には、Y軸方向に延びる複数の照射部位と、Z軸方向に延びる複数の照射部位が設定されている。
更に、本実施形態においては、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に照射部位L46が設定されている。
==加工データ==
(照射部位データ)
本実施形態における照射部位データは、ブロック同士の境界に相当する部位毎に複数の照射部位に対応するデータが設定されている。また、本実施形態に係る照射部位データは照射部位L46に対応するデータが設定されている。
(加工経路データ)
本実施形態における加工経路データは、照射部位毎の経路が設定されている。
たとえば、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位に設定されている照射部位の加工経路データには、Y軸方向及びZ軸方向に沿って延びる所定の長さAの照射部位毎に、レーザー光を照射するという経路が設定されている。
(順番データ)
本実施形態においては、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、不要部分を所定の長さで区画した複数のブロックについて、ブロック同士の境界に相当する部位に対して設定された照射部位に沿ってレーザー光を照射する。よって、順番データは、各照射部位に対するレーザー光の照射順がこのようになるよう設定されている。
たとえば、図11A〜図11Cにおける照射部位の順番データとしては、まず不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対応する照射部位L46を1番目とし、次にブロック同士の境界に相当する部位に対して照射の順番を設定する。たとえば、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位における照射部位を2番目とし、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位における照射部位を3番目とすることができる。なお、各境界に相当する部位における複数の照射部位に対してレーザー光を照射する順番は、第1実施形態等と同様、レーザー光が入射する材料表面から離れている順(材料表面から遠い順)にレーザー光が照射されるように設定されていればよい。
==加工システムによる加工==
次に図12〜図13Bを参照して、本実施形態に係る加工方法について説明する。図12は、加工システム100の動作を示すフローチャートである。図13A及び図13Bは、本実施形態に係る加工方法により加工される材料M2を模式的に示した図である。また、材料M2の加工データとして、ブロック同士の境界に相当する部位における照射部位、及び照射部位L46に対応するデータがCAD/CAMシステム200により予め作成されているとする。
材料M2を選択し、加工装置1の保持部20にセットする。
コンピューター2は、順番データに基づいて、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射する(境界に相当する部位に対してレーザー光を照射。ステップ40)。レーザー光が照射された部分には、割れ留め面Pが形成される(第3実施形態の図10A参照)。
次に、コンピューター2は、順番データに基づいて、ブロック同士の境界に相当する部位に対して設定された照射部位に沿ってレーザー光を照射する(ブロック同士の境界に相当する部位に対してレーザー光を照射。ステップ41)。
たとえば、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位に対して設定された照射部位、及びブロックBとブロックBの境界に相当する位置に対して設定された照射部位にレーザー光を照射した場合、それぞれの境界に相当する位置でクラックが発生し、不要部分の一部(ブロックB)を取り除くことができる(図13A参照)。
レーザー光を照射していない部位がある場合(ステップ42でNの場合)、コンピューター2は、加工経路データ及び照射部位データに基づいて、次のブロック同士の境界に相当する位置に対して設定された照射部位に対応する点データの座標値とレーザー光の焦点位置が合うよう調整を行う(次のブロック同士の境界に相当する位置へ。ステップ43)。
たとえば、コンピューター2は、ブロックBとブロックBの境界に相当する部位に対して設定された照射部位、及びブロックBとブロックBの境界に相当する位置に対して設定された照射部位にレーザー光を照射したとする。この場合、それぞれの境界に相当する位置でクラックが発生し、不要部分の一部(ブロックB)を取り除くことができる。図13Bは、ブロックB〜ブロックBを取り除いた状態を示している。
全ての境界に相当する位置に対してレーザー光の照射が完了した場合(ステップ42でYの場合)、各境界に相当する位置において、Y軸方向の各照射部位に沿ってクラックが伸展し、且つZ軸方向の照射部位に沿ってもクラックが形成されている。また、伸展したクラックは、割れ留め面Pよって、不要部分以外の部分まで進展することが抑制される。よって、不要部分を取り除くことができる。その結果、部分W2が得られる(図10D参照)。
==まとめ==
以上から明らかなように、本実施形態に係る加工方法は、不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対してレーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、不要部分を所定の長さに基づいて区画した複数のブロックについて、ブロック同士の境界に相当する部位に対して設定された照射部位に沿ってレーザー光を照射する。
このような加工方法によれば、区画したブロック毎に不要部分を取り除くことができる。よって、不要部分をより取り除き易くなる。更に、このような加工方法によれば、クラックを発生させる前に、不要部分とそれ以外の境界に相当する部位に割れ留め面を形成することができる。よって、不要部分に対してレーザー光を照射した場合に発生するクラックがそれ以外の部分にまで進展することを抑制できる。
[その他]
上記実施形態の加工プログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD−ROM(Read Only Memory)等がある。
1 加工装置
2 コンピューター
10 照射部
20 保持部
30 駆動機構
100 加工システム

Claims (9)

  1. 光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工方法であって、
    各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射する加工方法。
  2. 前記所定の長さは、前記レーザー光を照射した際に材料内部に生じるクラックの長さとほぼ等しく、または当該クラックの長さよりも短くなるよう設定されていることを特徴とする請求項1記載の加工方法。
  3. 前記複数の照射部位は、少なくとも前記材料の下側に設定されており、材料の幅方向における位置が同じであり、且つ材料の高さ方向における位置が異なるように設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の加工方法。
  4. 第1の方向に延びる第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位全てに沿って前記レーザー光を照射した後、前記第1の方向と直交する方向であって、前記レーザー光の照射方向に相当する第2の方向に延びる第2の照射部位に沿って前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の加工方法。
  5. 前記不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対して前記レーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、前記第1の照射部位を所定の長さに細分化した部位に沿って前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項4の記載の加工方法。
  6. 前記不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位に対して前記レーザー光を照射することにより、割れ留め面を形成した後、前記不要部分を所定の長さに基づいて区画した複数のブロックについて、ブロック同士の境界に相当する部位に対して設定された照射部位に沿って前記レーザー光を照射することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の加工方法。
  7. 前記不要部分とそれ以外の部分との境界に相当する部位は凹曲面であることを特徴とする請求項5または6記載の加工方法。
  8. 光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工システムであって、
    前記レーザー光を照射する照射部と、
    前記材料を保持する保持部と、
    前記照射部及び前記保持部を相対的に移動させる駆動機構と、
    各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射するよう前記照射部及び前記駆動機構を制御する制御部と、
    を有する加工システム。
  9. 光透過性の材料に設定された線状の複数の照射部位に沿って、当該材料の上方からレーザー光を照射することにより、当該材料の不要部分を取り除くためのクラックを発生させる加工システムで実行されるプログラムであって、
    各照射部位を所定の長さで細分化した部位毎に、所定の順番で前記レーザー光を照射させる加工プログラム。
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