JP2018183806A - レーザー加工における焦点出し方法 - Google Patents

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真 吉田
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Abstract

【課題】レーザー加工における焦点出しを容易に行うことを可能とする方法を提供する。
【解決手段】材料に対し、当該材料の幅方向の位置及び高さ方向の焦点位置を変えながらレーザーを照射し、前記レーザーの照射により材料に形成されるレーザー痕に基づいて、材料表面の焦点位置を決定し、決定された前記材料表面の焦点位置と同じ高さに前記レーザーの焦点が合うよう調整するレーザー加工における焦点出し方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザー加工における焦点出し方法に関する。
カッターやエンドミルなどのツールを利用して材料を切削加工する切削加工装置が知られている。切削加工装置は、ツール及び材料をXYZ方向に相対的に移動させつつ、材料に対して切削加工を行う。
切削加工装置で材料の加工を行う場合、Z軸方向(材料の高さ方向)の精度が重要となる。たとえば、テーブル上に載置された材料に対して加工を行う場合、材料表面がツールのXY移動面と平行であることが求められる。
そこで、切削加工装置は、実際の加工を行う前に加工の基準面を決定する作業(面出し)を行う。切削加工装置における面出しは、材料表面が平坦になるようにツールで切削し、基準面を決定する作業である。
特開2011−227584号公報
ここで、ツールの代わりにレーザーを用いて非接触で材料を加工するレーザー加工装置の場合、切削加工装置のように材料表面を切削して基準面を決定することが困難である。
そのため、従来のレーザー加工装置においては、材料表面の大凡の高さに焦点を合わせてレーザー照射を行っていた。しかし、この場合、材料表面よりも高い位置でレーザーが集光したり、逆に材料内部で集光したりするため、材料を所望の形状に加工することが困難である。
そこで、高精度のレーザー加工を行う場合には、材料表面にレーザーを集光させることが必須となる。そのためには、実際のレーザー加工を行う前に、レーザーの焦点を材料表面の高さに合わせるよう調整する作業(焦点出し)を行うことが必要となる。
本発明の目的は、レーザー加工における焦点出しを容易に行うことを可能とする方法を提供することにある。
上記目的を達成するための一の発明は、材料に対し、当該材料の幅方向の位置及び高さ方向の焦点位置を変えながらレーザーを照射し、前記レーザーの照射により材料に形成されるレーザー痕に基づいて、材料表面の焦点位置を決定し、決定された前記材料表面の焦点位置と同じ高さに前記レーザーの焦点が合うよう調整するレーザー加工における焦点出し方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、レーザー加工における焦点出しを容易に行うことが可能となる。
実施形態に係るレーザー加工システムの構成を示す模式図である。 図2Aは、例1に係るレーザーの照射を示す図であり、図2Bは、例1に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 図3Aは、例2に係るレーザーの照射を示す図であり、図3Bは、例2に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 図4Aは、例1の変形例に係るレーザーの照射を示す図であり、図4Bは、例1の変形例に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 図5Aは、例3に係るレーザーの照射を示す図であり、図5Bは、例3に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 例3に係るレーザーの照射の変形例を示す図である。 図7Aは、例4に係るレーザーの照射を示す図であり、図7B及び図7Cは、例4に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 図8Aは、例3及び例4の変形例に係るレーザーの照射を示す図であり、図8Bは、例3及び例4の変形例に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。 図9Aは、例5に係るレーザーの照射を示す図であり、図9Bは、例5に係るレーザー照射により形成されるレーザー痕を示す図である。
==レーザー加工システム==
図1は、レーザー加工システム100を模式的に示した図である。レーザー加工システム100は、レーザーを用いて非接触で材料を加工することにより、所望の加工物を作成する。加工システム100は、レーザー加工装置1及びコンピューター2を有する。但し、コンピューター2の果たす機能をレーザー加工装置1で実現することによって、レーザー加工システム100がレーザー加工装置1単体で構成されてもよい。
(レーザー加工装置)
レーザー加工装置1は、予め作成された加工データに基づいて材料Mにレーザーを照射することにより、材料Mの表面や内部を加工する。加工データは、たとえば、CAD/CAMシステム(図示なし)により作成される。
レーザー加工装置1は、照射部10、保持部20、及び駆動機構30を含む。
照射部10は、材料Mに対してレーザーを照射する。照射部10は、レーザーの発振器10a、及び発振器10aからのレーザーを所定の位置に集光させるためのレンズ群10b等を含む。レーザーが集光する位置は「焦点位置」に相当する。なお、レーザーの発振器10aは、レーザー加工装置1の外部に設けられていてもよい。また、照射部10は、レンズ群10bの焦点距離を調整することにより、焦点位置を可変とする調整機構(図示なし)を備えていてもよい。
材料Mは、レーザーを透過する材料(透明材)またはレーザーを透過しない材料(不透明材)を用いることができる。透明材は、たとえば、ガラス材料や光透過性の高い樹脂材料(たとえば、アクリル樹脂)である。不透明材は、たとえば、義歯材料として使用するジルコニア材料や一般的な金属材料である。なお、透明材の光透過率は100%である必要はなく、材料内部の加工領域までレーザーが届き、加工可能な程度の値であればよい。
レーザーの種類は、材料Mを加工することができるものであれば、特に限定されるものではない。たとえば、金属材料を加工する場合には、一般的な熱加工用の赤外線レーザーを用いることができる。或いは、材料内部を直接加工する場合には、超短パルスレーザーを用いることができる。超短パルスレーザーは、一のパルス幅が数ピコ秒〜数フェムト秒のレーザーである。超短パルスレーザーを材料の加工領域に短時間照射することにより、アブレーション加工(非熱加工)を行うことができる。アブレーション加工は、レーザーの照射により材料を溶融またはガス化させる方法である。溶融またはガス化(プラズマ化)した材料は、瞬時に蒸発・飛散し除去されるため、レーザーが照射された位置には空洞が形成される。アブレーション加工は、上述の一般的な熱加工と比べ、熱による加工部分の損傷が少ない。
保持部20は材料Mを保持する。材料Mを保持する方法は、保持された材料Mをレーザー加工装置1の駆動軸に沿って移動させることができれば、特に限定されるものではない。図1における保持部20は、材料Mを載置するテーブルの構成で示しているが、たとえば、材料Mを挟み込んで保持するような構成であってもよい。
駆動機構30は、照射部10及び保持部20を相対的に移動させる。駆動機構30は駆動用のサーボモータ等を含む。本実施形態において、駆動機構30は、照射部10及び保持部20を3軸(X軸、Y軸、Z軸)の駆動軸に沿って相対的に移動させることにより、照射部10と保持部20(保持部20に保持される材料M)との位置関係を調整することができる。
なお、照射部10と保持部20とは相対的にXYZ軸方向に移動できればよい。たとえば、照射部10がZ軸方向のみ移動可能であり、保持部20がX軸方向及びY軸方向に移動可能という構成であってもよいし、保持部20は固定で照射部10がXYZ軸方向に移動可能という構成であってもよい。また、レーザー加工装置1の駆動軸は3軸に限られない。たとえば5軸(X軸、Y軸、Z軸、A回転軸(X軸回りの回転軸)、B回転軸(Y軸回りの回転軸))の駆動軸を有する構成であってもよい。
コンピューター2は、レーザー加工装置1が備える各種構成の動作を制御する。たとえば、コンピューター2は、材料Mの加工領域にレーザーを集光させるよう(加工領域と焦点位置が一致するよう)、駆動機構30を制御して照射部10と保持部20に保持される材料Mとの相対的な位置関係を調整する。その後、コンピューター2は、照射部10を制御し、加工データが示す加工領域に対してレーザーを照射させることで材料Mの加工を行う。
また、本実施形態に係るコンピューター2は、以下に詳述する焦点出しの処理に関する各種制御を行う。
==焦点出しの処理==
(概要)
焦点出しは、レーザーの焦点を材料表面の高さに合わせるよう調整する作業である。焦点出しを行うことで、材料表面にレーザーを集光させることができる。たとえば、図1のレーザー加工システム100における焦点出しは、保持部20に保持された材料Mの表面に照射部10から照射されるレーザーの焦点を合わせるよう調整する。
焦点出しは、たとえば、レーザー加工装置1による実際のレーザー加工(加工データに基づく加工物の作成)を行う前に実施する。作業者は、保持部20に材料Mを載置した後、実際のレーザー加工を開始する前にコンピューター2の表示画面で「焦点出し」の指示入力を行う。コンピューター2は、当該指示入力に基づいて焦点出しの処理を開始する。
本実施形態に係る焦点出しの処理(焦点出し方法)は、以下の3つのステップを少なくとも含む。
第1のステップは、材料Mに対し、材料Mの幅方向の位置及び高さ方向の焦点位置を変えながらレーザーを照射する。
「材料Mの幅方向」とは材料Mの縦方向または横方向(図1におけるX軸方向またはY軸方向)であり、「材料Mの高さ方向」とは材料Mの幅方向に直交する方向(図1におけるZ軸方向)である。「高さ方向の焦点位置」とは、Z軸方向においてレーザーが集光する位置である。幅方向の位置及び焦点位置の変更は、たとえば、コンピューター2が駆動機構30を制御し、照射部10と保持部20とを相対的に移動させることにより行う。また、焦点位置の変更は、レンズ群10bの焦点距離を固定したまま保持部20に対する照射部10のZ軸方向の距離を変更することにより行ってもよいし、照射部10が備える調整機構(図示なし)を操作しレンズ群10bの焦点距離自体を変更することにより行ってもよい。
レーザーは、間欠的(パルス)に照射するか、或いは連続的(リニア)に照射することができる。レーザー照射の方式(パルス方式またはリニア方式)や条件(詳細は後述)については、レーザー加工システム100毎に予め複数の方式や条件が設定されており、作業者が任意に選択することが可能である。或いは、材料の種類が入力された場合に、予め設定された方式や条件の中から当該材料に対する最適な方式や条件をコンピューター2が自動で決定することでもよい。
第2のステップは、レーザーの照射により材料に形成されるレーザー痕に基づいて、材料表面の焦点位置を決定する。
材料Mに対してレーザーを照射することにより、レーザーが照射された部分(材料表面または材料内部)にはレーザー痕が生じる。また、レーザー痕は、レーザーが照射される部分によってサイズや濃淡が異なる。従って、作業者はレーザー痕を確認したり、レーザー痕同士を比較することにより、材料表面に集光されたレーザー痕の位置(材料表面の焦点位置)を決定することができる。或いは、コンピューター2は、レーザー加工装置1に備えられたカメラ(図示なし)で撮影されたレーザー痕の撮影データを解析することにより、材料表面の焦点位置を決定することも可能である。
第3のステップは、決定された材料表面の焦点位置と同じ高さにレーザーの焦点が合うよう調整する。
コンピューター2は、たとえば照射部10及び保持部20を相対的に移動させ、レーザーの焦点が、決定された材料表面の焦点位置と同じ高さになるよう調整する。決定された材料表面の焦点位置の高さは、材料表面の高さと一致する。よって、レーザーの焦点が、決定された材料表面の焦点位置と同じ高さになるように調整することで、レーザーの焦点を材料表面の高さに合わせることができる。
以下、焦点出し処理に関する複数の具体例について詳述する。なお、以下の例では、レーザーとして超短パルスレーザーを用いるとする。また、以下の例では、照射部10がZ軸方向(材料Mの高さ方向)に移動し、材料Mを保持した保持部20がX軸方向(材料Mの幅方向)に移動するとする。
(例1:パルス方式+透明材)
例1として、透明材に対してパルス方式でレーザーを照射する例について述べる。例1において、レーザーは材料表面よりも高い焦点位置から焦点位置が徐々に低くなるように、幅方向の位置を変えながら間欠的に照射される。
まず、作業者は、コンピューター2の表示画面上でレーザー照射の方式及び条件を入力する。この例では、作業者は、「パルス方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)」、「焦点位置の高さの差分(Δh)」、「間隔(D)」、「レーザー照射の回数(n)」を入力する。
「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)」は、保持部20からレーザー照射を開始する焦点位置までの高さである。「焦点位置の高さの差分(Δh)」は、あるタイミングでレーザー照射する際の焦点位置と、次のタイミングでレーザー照射する際の焦点位置との高さ方向における距離である。「間隔(D)」は、あるタイミングでレーザー照射する際の焦点位置と、次のタイミングでレーザー照射する際の焦点位置の幅方向における距離である。これらの条件の単位は、たとえば「mm」である。また、「レーザー照射の回数(n)」は、パルス方式のレーザー照射を何回行うかを示す値である。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図2Aは例1におけるレーザーの照射を示す模式図である。図2Aは、レーザー照射の回数(n)として「5回」が入力された例を示す。図2Aにおける焦点位置f1〜f5は、各回において照射されたレーザーが集光する位置を示す。また、図2Aにおいて焦点位置f1〜f5間の差分(Δh)及び間隔(D)は、一定である。
コンピューター2は、照射部10を材料M上の任意の位置でZ軸方向に移動させ、高さ(h)に焦点を合わせた後、レーザーをパルス照射させる。次に、コンピューター2は、保持部20をX軸方向に間隔(D)だけ移動させ、且つ照射部10をZ軸方向に差分(Δh)だけ下げた後(焦点位置を差分(Δh)だけ下げた後)、レーザーをパルス照射させる。コンピューター2は、同様の処理を回数(n)として入力された値だけ繰り返し行う。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図2Bに示すようなレーザー痕が形成される。図2Bは、材料Mを上面側(Z軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面よりも高い場合(図2Aの焦点位置f1、f2の場合)、材料表面や材料内部で集光せず、また大気中における減衰の影響等をうけるため、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図2Bではレーザー痕を示していない)。
また、焦点位置が材料内部にある場合(図2Aの焦点位置f4、f5の場合)、焦点位置に相当する箇所はアブレーション加工により加工されるため材料内部にレーザー痕LM4(焦点位置f4に対応)、LM5(焦点位置f5に対応)が形成される。但し、材料内部においては、多光子吸収の影響により、照射部10から照射されるレーザー本来のスポット径よりも小さいスポット径で集光する。また、材料表面からの深さが深いほど多光子吸収の影響を受けやすいため、レーザー痕LM4よりもレーザー痕LM5の方がより小さいスポット径となる。更に、焦点位置が材料内部にある場合、集光する前のレーザーが材料表面に照射される。そのため、照射される径に応じて、材料表面には材料内部のレーザ痕に比べて薄いレーザー痕が形成される(図2Bではこのような材料表面のレーザー痕を斜線で示している)。
一方、材料表面では、大気中のブレイクダウンの影響により、照射部10から照射されるレーザー本来のスポット径よりも大きいスポット径で集光する。従って、材料表面のレーザー痕LM3は、材料内部のレーザー痕LM4及びLM5に比べて大きく形成される。
このように、レーザー照射により形成されるレーザー痕は、材料表面とそれ以外の部分で大きく異なるため、作業者は複数のレーザー痕を比較することで材料表面に集光されたレーザー痕LM3の位置(材料表面の焦点位置)を決定することができる。作業者は、決定したレーザー痕LM3が何回目に照射されたレーザーによるものかをコンピューター2に入力する(図3Bの例では3回目)。
コンピューター2は、入力された回数に基づいて、決定された材料表面の焦点位置の高さ(H)を求める。
具体的には、コンピューター2は、入力された回数に応じた差分(Δh)を求める。図2Aに示すように、3回目のレーザー照射における差分は(Δh)×2となる。コンピューター2は、レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)から差分(Δh)×2を除することで材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する((H)=(h)−2(Δh))。上述の通り、この高さ(H)は材料表面の高さと一致する。
コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
(例2:パルス方式+不透明材)
例2として、不透明材に対してパルス方式でレーザーを照射する例について述べる。
この場合、作業者は、例1と同様、「パルス方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)」、「焦点位置の高さの差分(Δh)」、「間隔(D)」、「レーザー照射の回数(n)」を入力する。また、コンピューター2は、例1と同様、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図3Aは例2におけるレーザーの照射を示す模式図である。図3Aは、レーザー照射の回数(n)として「5回」が入力された例を示す。図3Aにおける焦点位置f1〜f5は、各回において照射されたレーザーが集光する位置を示す。但し、不透明材に対してレーザー照射を行っているため、実際には材料内部に位置する焦点位置f4及びf5においてレーザーが集光することは無い(図3Aではその状態を破線で示している)。また、図3Aにおいて焦点位置f1〜f5間の焦点位置の高さの差分(Δh)及び間隔(D)は、一定である。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図3Bに示すようなレーザー痕が形成される。図3Bは、材料Mを上面側(Z軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面よりも高い場合(図3Aの焦点位置f1、f2の場合)、例1と同様、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図3Bではレーザー痕を示していない)。
また、材料表面では、例1と同様、照射部10から照射されるレーザー本来のスポット径よりも大きいスポット径で集光し、レーザー痕LM3が形成される。
ここで、焦点位置が材料内部にある場合(図3Aの焦点位置f4、f5の場合)、材料Mが不透明材であるため、レーザーが材料内部まで透過できない。従って、例1のように材料内部にレーザー痕が形成されることは無い。一方、この場合、集光する前のレーザーが材料表面に照射される。そのため、照射される径に応じて、材料表面にはレーザー痕LM4及びLM5が形成される(図3Bではこのような材料表面のレーザー痕を斜線で示している)。
このように、不透明材を加工する場合であっても、レーザー照射により形成されるレーザー痕は、材料表面とそれ以外の部分で大きく異なるため、作業者は複数のレーザー痕を比較することで材料表面に集光されたレーザー痕LM3の位置(材料表面の焦点位置)を決定することができる。作業者は、決定したレーザー痕LM3が何回目に照射されたレーザーによるものかをコンピューター2に入力する(図3Bの例では3回目)。
コンピューター2は、入力された回数に基づいて、例1と同様の処理を実行することにより、決定された材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する。そして、コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
(例1及び例2の変形例)
例1及び例2とは逆に、レーザーは、材料表面よりも低い焦点位置から焦点位置が徐々に高くなるように、幅方向の位置を変えながら間欠的に照射されることでもよい。以下、透明材料の場合(例1に対応する変形例)について述べるが、不透明材料の場合であっても同様の処理が可能である。
作業者は、例1と同様、「パルス方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)」、「焦点位置の高さの差分(Δh)」、「間隔(D)」、「レーザー照射の回数(n)」を入力する。また、コンピューター2は、例1と同様、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図4Aは本変形例におけるレーザーの照射を示す模式図である。図4Aは、レーザー照射の回数(n)として「5回」が入力された例を示す。図4Aにおける焦点位置f1〜f5は、各回において照射されたレーザーが集光する位置を示す。図4Aにおいて焦点位置f1〜f5間の焦点位置の高さの差分(Δh)及び間隔(D)は、一定である。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図4Bに示すようなレーザー痕が形成される。図4Bは、材料Mを上面側(Z軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面よりも高い場合(図4Aの焦点位置f4、f5の場合)、例1の図2Bと同様、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図4Bではレーザー痕を示していない)。
また、焦点位置が材料内部にある場合(図4Aの焦点位置f1、f2の場合)、例1の図2Bと同様、材料内部にレーザー痕LM1(焦点位置f1に対応)、LM2(焦点位置f2に対応)が形成され、材料表面には、照射される径に応じて、材料内部のレーザー痕に比べて薄いレーザー痕が形成される(図4Bではこのような材料表面のレーザー痕を斜線で示している)。
一方、材料表面では、材料内部のレーザー痕LM1及びLM2に比べて大きいレーザー痕LM3が形成される。
このように、レーザー痕LM1〜LM3は大きく異なるため、作業者は複数のレーザー痕を比較することで材料表面に集光されたレーザー痕LM3の位置(材料表面の焦点位置)を決定することができる。作業者は、決定したレーザー痕LM3が何回目に照射されたレーザーによるものかをコンピューター2に入力する(図4Bの例では3回目)。
コンピューター2は、入力された回数に応じた差分(Δh)を求める。図4Aに示すように、3回目のレーザー照射における差分は(Δh)×2となる。コンピューター2は、レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h)に差分(Δh)×2を加えることで材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する((H)=(h)+2(Δh))。
コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
(例3:リニア方式+透明材)
例3として、透明材に対してリニア方式でレーザーを照射する例について述べる。例3において、レーザーは、材料表面よりも高い焦点位置から焦点位置が徐々に低くなるように、幅方向の位置を変えながら連続的に照射される。
まず、作業者は、コンピューター2の表示画面上でレーザー照射の方式及び条件を入力する。この例では、作業者は、「リニア方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h1)」、「レーザー照射を終了する焦点位置の高さ(h2)」、「間隔(D)」を入力する。
「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h1)」は、保持部20からレーザー照射を開始する焦点位置までの高さである。「レーザー照射を終了する焦点位置の高さ(h2)」は、保持部20からレーザー照射を終了する焦点位置までの高さである。なお、高さ(h1)は材料表面の高さよりも高い値となるよう設定し、高さ(h2)は材料表面の高さよりも低い値となるよう設定することが望ましい。「間隔(D)」は、レーザー照射を開始する焦点位置と、レーザー照射を終了する焦点位置の幅方向における距離である。これらの条件の単位は、たとえば「mm」である。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図5Aは例3におけるレーザーの照射を示す模式図である。図5Aにおける焦点位置f1は、レーザー照射の開始時点でレーザーが集光する位置を示し、焦点位置f2は、レーザー照射の終了時点でレーザーが集光する位置を示す。
コンピューター2は、照射部10を材料M上の任意の位置でZ軸方向に移動させ、高さ(h1)に焦点を合わせた後、レーザーの照射を開始させる。そして、コンピューター2は、保持部20をX軸方向に移動させつつ、照射部10をZ軸方向に下げることで焦点位置を変える。コンピューター2は、保持部20が間隔(D)だけ移動した時点で焦点位置が高さ(h2)となるように照射部10の制御を行う。なお、この例では、少なくとも照射部10の焦点位置が高さ(h1)から高さ(h2)まで移動する間はレーザー照射が連続的に行われている。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図5Bに示すようなレーザー痕が形成される。図5Bは、材料Mを側面側(Y軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面よりも高い場合(たとえば、図5Aの焦点位置f1の場合)、材料表面や材料内部で集光せず、また大気中における減衰の影響等をうけるため、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図5Bではレーザー痕を示していない)。
一方、焦点位置が材料表面または材料内部にある場合(たとえば、図5Aの焦点位置f2の場合)、焦点位置に相当する箇所はアブレーション加工により加工されるため材料表面または材料内部にレーザー痕が形成される。また、この例においてはレーザー照射が連続的に行われているため、材料Mの内部には、レーザーの焦点位置を示すレーザー痕LMが線状に形成される。
このように、レーザー照射により形成されるレーザー痕は、材料表面から材料内部にかけて線状に形成される。従って、作業者はレーザー痕の材料表面側の端部E1を、材料表面の焦点位置として決定することができる。作業者は、材料表面の焦点位置(端部E1)からレーザー痕の材料内部側の端部E2までのX軸方向の距離(Df)を測定し、コンピューター2に入力する。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、決定された材料表面の焦点位置の高さ(H)を求める。
具体的には、まず、コンピューター2は、端部E1から端部E2までのZ軸方向の高さ(hf)を算出する。高さ(hf)は「(h1−h2)・Df/D」により求められる。コンピューター2は、算出した高さ(hf)に高さ(h2)を加えることで材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する((H)=(hf)+(h2))。上述の通り、この高さ(H)は材料表面の高さと一致する。
コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
なお、例3の場合、集光する前のレーザーが材料表面に連続的に照射されるため、距離(Df)に対応する材料表面には双曲線状のレーザー痕が形成される(後述の図7B参照)。従って、このレーザー痕に基づいて距離(Df)を測定してもよい(詳細は例4を参照)。
また、例3においては、焦点位置f1から焦点位置f2まで連続的にレーザー照射を行う例について述べたが、レーザー照射の例は、これに限られない。たとえば、図6に示すように、N字型にレーザーの照射を行ってもよい。この場合であっても、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h1)」、「レーザー照射を終了する焦点位置の高さ(h2)」、「間隔(D)」を入力することにより、上記と同様の方法によって材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出することが可能となる。
(例4:リニア方式+不透明材)
例4として、不透明材に対してリニア方式でレーザーを照射する例について述べる。
この場合、作業者は、例3と同様、「リニア方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h1)」、「レーザー照射を終了する焦点位置の高さ(h2)」、「間隔(D)」を入力する。また、コンピューター2は、例3と同様、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図7Aは例4におけるレーザーの照射を示す模式図である。図7Aにおける焦点位置f1は、レーザー照射の開始時点でレーザーが集光する位置を示し、焦点位置f2は、レーザー照射の終了時点でレーザーが集光する位置を示す。但し、不透明材に対してレーザー照射を行っているため、実際には焦点位置f2を含む材料内部においてレーザーが集光することは無い(図7Aではその状態を破線で示している)。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図7Bに示すようなレーザー痕が形成される。図7Bは、材料Mを上面側(Z軸方向側)から見た図である。また、図7Cは、材料Mを側面側(Y軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面よりも高い場合(たとえば、図7Aの焦点位置f1の場合)、材料表面や材料内部で集光せず、また大気中における減衰の影響等をうけるため、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図7Bではレーザー痕を示していない)。
焦点位置が材料表面にある場合(たとえば、図7Aの焦点位置Fの場合)、焦点位置Fに相当する箇所はアブレーション加工により加工されるため、材料表面にレーザー痕LMが形成される。
焦点位置が材料内部にある場合、材料Mが不透明材であるため、レーザーが材料内部まで透過できない。従って、例3のように材料内部にレーザー痕が形成されることは無い。一方、この場合、集光する前のレーザーが材料表面に連続的に照射されるため、材料表面には双曲線状のレーザー痕LM´が形成される(図7Bではこのような材料表面のレーザー痕を斜線で示している)。
このように、不透明材を加工する場合であっても、レーザー照射により形成されるレーザー痕は、材料表面の焦点位置ではスポットとして形成される一方、それ以外の部分では双曲線状に形成される。従って、作業者はレーザー痕を確認することで、材料表面の焦点位置を決定することができる。作業者は、レーザー痕LMに相当する材料表面の焦点位置からレーザー痕LM´の端部までのX軸方向の距離(Df)を測定し、コンピューター2に入力する。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、例3と同様の処理を実行することにより、決定された材料表面の焦点位置Fの高さ(H)を算出する。そして、コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
(例3及び例4の変形例)
例3及び例4とは逆に、レーザーは、材料表面よりも低い焦点位置から焦点位置が徐々に高くなるように、幅方向の位置を変えながら連続的に照射されることでもよい。以下、透明材料の場合(例3に対応する変形例)について述べるが、不透明材料の場合であっても同様の処理が可能である。
作業者は、例3と同様、「リニア方式」、「レーザー照射を開始する焦点位置の高さ(h1)」、「レーザー照射を終了する焦点位置の高さ(h2)」、「間隔(D)」を入力する。また、コンピューター2は、例3と同様、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。
図8Aは本変形例におけるレーザーの照射を示す模式図である。図8Aにおける焦点位置f1は、レーザー照射の開始時点でレーザーが集光する位置を示し、焦点位置f2は、レーザー照射の終了時点でレーザーが集光する位置を示す。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図8Bに示すようなレーザー痕が形成される。図8Bは、材料Mを側面側(Y軸方向側)から見た図である。
焦点位置が材料表面または材料内部にある場合(たとえば、図8Aの焦点位置f1の場合)、焦点位置に相当する箇所はアブレーション加工により加工されるため材料表面または材料内部にレーザー痕が形成される。この例においては、レーザー照射が連続的に行われているため、材料Mの内部には、レーザーの焦点位置を示すレーザー痕LMが線状に形成される。
一方、焦点位置が材料表面よりも高い場合(たとえば、図8Aの焦点位置f2の場合)、材料表面や材料内部で集光せず、また大気中における減衰の影響等をうけるため、材料表面にはレーザー痕がほとんど確認できない(図8Bではレーザー痕を示していない)。
このように、レーザー照射により形成されるレーザー痕は、材料内部から材料表面にかけて線状に形成される。従って、作業者はレーザー痕の材料表面側の端部E2を、材料表面の焦点位置として決定することができる。作業者は、材料表面の焦点位置(端部E2)からレーザー痕の材料内部側の端部E1までのX軸方向の距離(Df)を測定し、コンピューター2に入力する。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、決定された材料表面の焦点位置の高さ(H)を求める。
具体的には、まず、コンピューター2は、端部E2から端部E1までのZ軸方向の高さ(hf)を算出する。高さ(hf)は「(h2−h1)・Df/D」により求められる。コンピューター2は、算出した高さ(hf)に高さ(h1)を加えることで材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する((H)=(hf)+(h1))。
コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
(例5:リニア方式+透明材において、レーザー痕を複数形成)
例5として、透明材に対してリニア方式でレーザーを照射する例について述べる。例5は、レーザーを透過する材料に対して行うことが可能な方法であり、レーザーは、材料内部において所定の高さにある第1の焦点位置から、高さ方向にある第2の焦点位置まで引き上げるよう連続的に照射され、且つ第1の焦点位置と幅方向の位置が異なる第3の焦点位置から、第2の焦点位置と高さ方向の位置が異なる第4の焦点位置まで引き上げるよう連続的に照射される。
まず、作業者は、コンピューター2の表示画面上でレーザー照射の方式及び条件を入力する。この例では、作業者は、「リニア方式」、「所定の高さ(ph)」、「基準の高さ(hh)」、「高さの差分(Δh)」、「回数(n)」を入力する。
「所定の高さ(ph)」は、保持部20からレーザー照射を行う材料内部までの高さである。「基準の高さ(hh)」は、所定の高さ(ph)にある第1の焦点位置から高さ方向にある第2の焦点位置までの高さである。この例では、焦点位置F1から焦点位置F2までの高さに相当する。「高さの差分(Δh)」は、基準の高さ(hh)と、所定の高さ(ph)にある第3の焦点位置から高さ方向にある第4の焦点位置までの高さとの差分である。これらの条件の単位は、たとえば「mm」である。また、「回数(n)」は、高さ方向へのレーザー照射を何回行うかを示す値である。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、レーザー加工装置1を制御し、レーザーの照射を行わせる。この例において、レーザーは照射開始後、連続的に照射されているものとする。
図9Aは例5におけるレーザーの照射を示す模式図である。ここでは、回数(n)として「5回」が入力されたとして説明する。
まず、コンピューター2は、照射部10をZ軸方向に移動させ、所定の高さ(ph)に焦点を合わせた後、レーザーの照射を開始させる。コンピューター2は、保持部20をX軸方向に移動させることで材料内部の所定の高さ(ph)にレーザー照射を行わせる。レーザー照射が行われた部分は、アブレーション加工により線状のレーザー痕が形成される。
レーザーがX軸方向の焦点位置F1まで到達した後、コンピューター2は、入力された基準の高さ(hh)に応じて照射部10をZ軸方向に移動させ、焦点位置F1から高さ方向の焦点位置F2まで引き上げるようレーザー照射させる。この例では、焦点位置F1及び焦点位置F2は、X軸方向において同じ位置にある。従って、照射部10は、焦点位置F1から焦点位置F2まで垂直にレーザーを照射する。焦点位置F1は「第1の焦点位置」に相当し、焦点位置F2は「第2の焦点位置」に相当する。
次に、コンピューター2は、照射部10の焦点を焦点位置F2から焦点位置F1まで移動させた後、保持部20を所定距離だけX軸方向に移動させる。所定距離は予め入力された値を用いてもよいし、材料のX軸方向のサイズと回数(n)に基づいて、コンピューター2が算出した値を用いることでもよい。
照射部10から照射されるレーザーがX軸方向において焦点位置F1と異なる焦点位置F3に到達した後、コンピューター2は、入力された高さの差分(Δh)に応じて照射部10をZ軸方向に移動させ、焦点位置F3から高さ方向の焦点位置F4(焦点位置F2よりもΔhだけ低い位置)まで引き上げるようレーザー照射させる。焦点位置F3は「第3の焦点位置」に相当し、焦点位置F4は「第4の焦点位置」に相当する。
コンピューター2は、同様の処理を入力された回数に応じて繰り返し実行させる。すなわち、レーザーがX軸方向において焦点位置F1及びF3と異なる焦点位置F5に到達した後、コンピューター2は、入力された高さの差分(Δh)に応じて照射部10をZ軸方向に移動させ、焦点位置F5から高さ方向の焦点位置F6(焦点位置F4よりもΔhだけ低い位置)まで引き上げるようレーザー照射させる。レーザーがX軸方向において焦点位置F1、F3、F5と異なる焦点位置F7に到達した後、コンピューター2は、入力された高さの差分(Δh)に応じて照射部10をZ軸方向に移動させ、焦点位置F7から高さ方向の焦点位置F8(焦点位置F6よりもΔhだけ低い位置)まで引き上げるようレーザー照射させる。レーザーがX軸方向において焦点位置F1、F3、F5、F7と異なる焦点位置F9に到達した後、コンピューター2は、入力された高さの差分(Δh)に応じて照射部10をZ軸方向に移動させ、焦点位置F9から高さ方向の焦点位置F10(焦点位置F8よりもΔhだけ低い位置)まで引き上げるようレーザー照射させる。
入力された回数のレーザー照射が完了した場合、コンピューター2は、図9Aに示したように、照射部10をX軸方向に移動させ、所定の高さ(ph)にレーザーを照射させ続けてもよいし、レーザーの照射を停止させることでもよい。
上記レーザー照射を行った場合、材料Mには図9Bに示すようなレーザー痕が形成される。図9Bは、材料Mを側面側(Y軸方向側)から見た図である。
図9Bに示すように、材料内部には、Z軸方向に延びる線状のレーザー痕が複数形成される。
所定の高さ(ph)からの高さ方向の焦点位置が材料表面よりも高い場合(たとえば、図9Aの焦点位置F2、F4の場合)、レーザー照射は材料表面よりも高い位置まで行われるため、材料内部の所定の高さ(ph)から材料表面まで線状のレーザー痕が形成される。
同様に、所定の高さ(ph)からの高さ方向の焦点位置が材料表面にある場合(たとえば、図9Aの焦点位置F6の場合)であっても、材料内部の所定の高さ(ph)から材料表面まで線状のレーザー痕が形成される。
一方、所定の高さ(ph)からの高さ方向の焦点位置が材料内部にある場合(たとえば、図9Aの焦点位置F8、F10の場合)、レーザー照射は材料表面よりも低い位置までしか行われないため、線状のレーザー痕は、材料内部の焦点位置(焦点位置F8またはF10)で途切れる。
このように、材料表面(若しくはそれよりも高い位置)までのレーザー痕と材料内部に留まるレーザー痕とは大きく異なっている。従って、作業者は材料表面までのレーザー痕と材料内部に留まるレーザー痕とを判別することで、材料表面に集光された位置(材料表面の焦点位置)を決定することができる。作業者は、決定したレーザー痕が何回の引き上げにより形成されたものかをコンピューター2に入力する(図9Bの例では3回目)。
コンピューター2は、入力された値に基づいて、決定された材料表面の焦点位置(焦点位置F6)の高さ(H)を求める。
具体的には、コンピューター2は、入力された回数に応じた差分(Δh)を求める。図9Aに示すように、3回目のレーザー照射における差分は(Δh)×2となる。コンピューター2は、基準の高さ(hh)から差分(Δh)×2を除することで、所定の高さ(Ph)から焦点位置F6までの高さ「(hh)−2(Δh)」を算出する。
更に、コンピューター2は、算出した値「(hh)−2(Δh)」に所定の高さ(Ph)を加えることで材料表面の焦点位置の高さ(H)を算出する((H)=(ph)+(hh)−2(Δh))。
コンピューター2は、駆動機構30を制御し、材料表面の焦点位置の高さ(H)と同じ高さにレーザーの焦点が合うように照射部10と保持部20の位置関係を調整することで焦点出しを完了する。
==効果==
このように、本実施形態に係るレーザー加工システム100によれば、材料Mに対し、材料Mの幅方向の位置及び高さ方向の焦点位置を変えながらレーザーを照射し、レーザーの照射により材料に形成されるレーザー痕に基づいて、材料表面の焦点位置を決定し、決定された材料表面の焦点位置と同じ高さにレーザーの焦点が合うよう調整することができる。このように、レーザー照射により材料表面や材料内部に形成されるレーザー痕から材料表面の焦点位置を特定することにより、材料表面へレーザーの焦点を合わせることができる。すなわち、本実施形態に係る焦点出し方法によれば、レーザー加工における焦点出しを容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、上記例1〜例5に示したように様々な方法のレーザー照射により、材料に対してレーザー痕を生成することが可能となっている。このようなレーザー照射により形成されるレーザー痕を確認することにより、材料表面の焦点位置を容易に決定することができる。
特に、例3〜例5のように、レーザー照射をリニア方式に行うことにより、線状や双曲線状のレーザー痕を形成することができる。このようなレーザー痕は、スポットのレーザー痕と比較して判別しやすい。従って、材料表面の焦点位置をより把握し易くなる。
==その他==
実施形態で説明した焦点出し方法は、図1で示したレーザー加工システム100専用の方法ではない。上記焦点出し方法は、レーザー加工を行うことができるような様々なシステムや装置で利用することが可能である。
また、実施形態で説明したレーザー痕の有無やサイズ等は一例であって、レーザーの種類やレーザー照射の様々な条件(強度、照射時間等)により、上記例の通りレーザー照射を行ったとしても必ず同じレーザー痕になるとは限らない。たとえば、例1(図2A、図2B)において、焦点位置f1及び焦点位置f2にレーザーが照射された場合には材料表面にレーザー痕が確認できないとしたが、焦点位置f4やf5にレーザーが照射された場合のような薄いレーザー痕が形成される可能性もあり得る。
また、上記実施形態において、焦点出しの処理は実際のレーザー加工を行う前に実行するとして説明したが、レーザー加工の途中で行うことも可能である。レーザー加工の途中で焦点出しを行うことにより、加工精度をより高めることもできる。
上記実施形態の焦点出し方法を実施するプログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(non-transitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD−ROM(Read Only Memory)等がある。
上記実施形態は、発明の例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 レーザー加工装置
2 コンピューター
10 照射部
20 保持部
30 駆動機構
100 レーザー加工システム

Claims (6)

  1. 材料に対し、当該材料の幅方向の位置及び高さ方向の焦点位置を変えながらレーザーを照射し、
    前記レーザーの照射により前記材料に形成されるレーザー痕に基づいて、材料表面の焦点位置を決定し、
    決定された前記材料表面の焦点位置と同じ高さに前記レーザーの焦点が合うよう調整するレーザー加工における焦点出し方法。
  2. 前記レーザーは、前記材料表面よりも高い焦点位置から前記焦点位置が徐々に低くなるように、前記幅方向の位置を変えながら間欠的に照射されることを特徴とする請求項1記載の焦点出し方法。
  3. 前記レーザーは、前記材料表面よりも低い焦点位置から前記焦点位置が徐々に高くなるように、前記幅方向の位置を変えながら間欠的に照射されることを特徴とする請求項1記載の焦点出し方法。
  4. 前記レーザーは、前記材料表面よりも高い焦点位置から前記焦点位置が徐々に低くなるように、前記幅方向の位置を変えながら連続的に照射されることを特徴とする請求項1記載の焦点出し方法。
  5. 前記レーザーは、前記材料表面よりも低い焦点位置から前記焦点位置が徐々に高くなるように、前記幅方向の位置を変えながら連続的に照射されることを特徴とする請求項1記載の焦点出し方法。
  6. 前記材料は、前記レーザーを透過する材料であり、
    前記レーザーは、材料内部において所定の高さにある第1の焦点位置から、前記高さ方向にある第2の焦点位置まで引き上げるよう連続的に照射され、且つ前記第1の焦点位置と幅方向の位置が異なる第3の焦点位置から、前記第2の焦点位置と前記高さ方向の位置が異なる第4の焦点位置まで引き上げるよう連続的に照射されることを特徴とする請求項1記載の焦点出し方法。
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