JP2024040305A - ビーム加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの加工に関する性能の向上を実現可能なビーム加工装置を提供する。【解決手段】ビーム加工装置は、ワークに加工ビームを照射するビーム加工装置であって、加工ビームの照射位置を第1方向に移動させつつワークの第1面に加工ビームを照射してワークの第1部分を除去加工し、加工ビームの照射位置を第1方向に移動させつつ第1部分の除去加工によりワークに形成された第2面に加工ビームを照射してワークの第2部分を除去加工する。第1部分の除去加工における加工ビームの移動範囲よりも、第2部分の除去加工における加工ビームの移動範囲が小さくなる。【選択図】図11

Description

本発明は、例えば、加工ビームを用いてワークを加工するビーム加工装置の技術分野に関する。
特許文献1には、加工ビームの一具体例であるレーザ光をワークに照射してワークを加工する加工装置が記載されている。このようなワークの加工に関する技術分野では、ワークの加工に関する性能の向上が望まれている。
米国特許出願公開第2005/0045090号明細書
発明の一の態様によれば、ワークに加工ビームを照射するビーム加工装置において、前記加工ビームを照射する照射光学系と、前記加工ビームの光路に配置され且つ前記ワーク上での前記加工ビームの照射位置を変更するビーム照射位置変更部材とを備えるビーム照射装置と、前記ビーム照射装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記加工ビームの照射位置を第1方向に移動させつつ前記ワークの第1面に前記加工ビームを照射して前記ワークの第1部分を除去加工し、前記加工ビームの照射位置を前記第1方向に移動させつつ前記第1部分の除去加工により前記ワークに形成された第2面に前記加工ビームを照射して前記ワークの第2部分を除去加工するように、前記ビーム照射装置を制御し、前記制御装置は、前記第1部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲よりも前記第2部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲が小さくなるように前記ビーム照射装置を制御するビーム加工装置が提供される。
図1は、本実施形態の加工システムの構造を示す断面図である。 図2(a)から図2(c)のそれぞれは、ワークに対して行われる除去加工の様子を示す断面図である。 図3は、加工装置の構造を示す断面図である。 図4は、加工装置が備える光学系の構造を示す斜視図である。 図5(a)は、加工されたワークの一例を示す平面図であり、図5(b)は、加工されたワークの一例を示す断面図である。 図6(a)は、加工対象領域とワークとの位置関係の一例を示す平面図であり、図6(b)は、加工対象領域とワークとの位置関係の一例を示す断面図である。 図7(a)は、加工対象部分の第1面に設定された加工ショット領域を示す平面図であり、図7(b)は、加工対象部分の第1面に設定された加工ショット領域を示す断面図である。 図8は、加工対象部分の表面上での照射領域の移動軌跡を示す平面図である。 図9(a)は、1回のスキャン動作が行われた加工対象部分を示す平面図であり、図9(b)は、複数回のスキャン動作が行われた加工対象部分を示す平面図である。 図10は、単一の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図11は、複数の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図12は、第1の単位加工対象部分を除去する際の加工ショット領域内での加工光の移動範囲を示す平面図である。 図13は、第1の単位加工対象部分が除去されたワークを示す断面図である。 図14は、第2の単位加工対象部分を除去するために設定された加工ショット領域を示す断面図である。 図15は、第2の単位加工対象部分を構成する単一の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図16は、第2の単位加工対象部分を構成する複数の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図17は、第2の単位加工対象部分を除去する際の加工ショット領域内での加工光の移動範囲を示す平面図である。 図18は、第2の単位加工対象部分が除去されたワークを示す断面図である。 図19は、第3の単位加工対象部分を除去するために設定された加工ショット領域を示す断面図である。 図20は、第3の単位加工対象部分を構成する単一の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図21は、第3の単位加工対象部分を構成する複数の層状部分が除去されたワークを示す断面図である 図22は、第3の単位加工対象部分を除去する際の加工ショット領域内での加工光の移動範囲を示す平面図である。 図23は、第3の単位加工対象部分が除去されたワークを示す断面図である。
以下、図面を参照してビーム加工装置の実施形態について説明する。以下では、ビーム加工装置の実施形態が適用された加工システムSYSについて説明する。尚、加工システムSYSは、ビーム加工装置と称されてもよい。
また、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から定義されるXYZ直交座標系を用いて、加工システムSYSを構成する各種構成要素の位置関係について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、X軸方向及びY軸方向のそれぞれが水平方向(つまり、水平面内の所定方向)であり、Z軸方向が鉛直方向(つまり、水平面に直交する方向であり、実質的には上下方向或いは重力方向)であるものとする。また、X軸、Y軸及びZ軸周りの回転方向(言い換えれば、傾斜方向)を、それぞれ、θX方向、θY方向及びθZ方向と称する。ここで、Z軸方向を重力方向としてもよい。また、XY平面を水平方向としてもよい。
(1)加工システムSYSの構造
初めに、図1を参照しながら、加工システムSYSの構造について説明する。図1は、加工システムSYSの構造を示す断面図である。尚、図面の簡略化のために、図1は、加工システムSYSの一部の構成要素については、その断面を示していない。
図1に示すように、加工システムSYSは、加工装置1と、計測装置2と、ステージ装置3と、筐体4と、駆動系5と、駆動系6と、制御装置7とを備える。
加工装置1は、制御装置7の制御下で、ワークWを加工可能である。ワークWは、加工装置1によって加工される物体である。ワークWは、例えば、金属であってもよいし、合金(例えば、ジュラルミン等)であってもよいし、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)等の複合材料であってもよいし、それ以外の任意の材料から構成される物体であってもよい。
加工装置1は、ワークWを加工するために、ワークWに対して、加工ビームの一具体例である加工光ELを照射する。このため、加工装置1は、ビーム照射装置と称されてもよい。加工光ELは、ワークWに照射されることでワークWを加工可能である限りは、どのような種類の光であってもよい。本実施形態では、加工光ELがレーザ光である例を用いて説明を進めるが、加工光ELは、レーザ光とは異なる種類の光であってもよい。更に、加工光ELの波長は、ワークWに照射されることでワークWを加工可能である限りは、どのような波長であってもよい。例えば、加工光ELは、可視光であってもよいし、不可視光(例えば、赤外光及び紫外光の少なくとも一方等)であってもよい。
本実施形態では、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射して、ワークWの一部を除去する除去加工(典型的には、切削加工又は研削加工)を行う。但し、後述するように、加工装置1は、除去加工とは異なる加工(例えば、付加加工又はマーキング加工)を行ってもよい。除去加工は、平面切削加工、平面研削加工、円筒切削加工、円筒研削加工、穴あけ切削加工、穴あけ研削加工、平面研磨加工、切断加工、及び、任意の文字若しくは任意のパターンを形成する(言い換えれば、刻む)彫刻加工(言い換えれば、刻印加工)の少なくとも一つを含んでいてもよい。
ここで、図2(a)から図2(c)のそれぞれを参照しながら、加工光ELを用いた除去加工の一例について説明する。図2(a)から図2(c)のそれぞれは、ワークWに対して行われる除去加工の様子を示す断面図である。図2(a)に示すように、加工装置1は、加工装置1からの加工光ELが照射される領域としてワークWの表面に設定される目標照射領域EAに対して加工光ELを照射する。目標照射領域EAに加工光ELが照射されると、ワークWのうち目標照射領域EAと重なる部分及び目標照射領域EAと近接する部分の少なくとも一方を含むエネルギ伝達部分に、加工光ELのエネルギが伝達される。加工光ELのエネルギに起因した熱が伝達されると、加工光ELのエネルギに起因した熱によって、ワークWのエネルギ伝達部分を構成する材料が溶融する。溶融した材料は、液滴となって飛散する。或いは、溶融した材料は、加工光ELのエネルギに起因した熱によって蒸発する。その結果、ワークWのエネルギ伝達部分が除去される。つまり、図2(b)に示すように、ワークWの表面に凹部(言い換えれば、溝部)が形成される。この場合、加工装置1は、いわゆる熱加工の原理を利用して、ワークWを加工しているといえる。更に、後述するように、加工装置1が備えるガルバノミラー122は、加工光ELがワークWの表面を走査するように、ワークWの表面上で目標照射領域EAを移動させる。その結果、図2(c)に示すように、加工光ELの走査軌跡(つまり、目標照射領域EAの移動軌跡)に沿って、ワークWの表面が少なくとも部分的に除去される。つまり、加工光ELの走査軌跡(つまり、目標照射領域EAの移動軌跡)に沿って、ワークWの表面が実質的に削り取られる。このため、加工装置1は、除去加工したい領域に対応する所望の走査軌跡に沿って加工光ELにワークWの表面上を走査させることで、ワークWのうち除去加工したい部分を適切に除去することができる。
一方で、加工光ELの特性によっては、加工装置1は、非熱加工(例えば、アブレーション加工)の原理を利用して、ワークWを加工してもよい。つまり、加工装置1は、ワークWに対して非熱加工(例えば、アブレーション加工)を行ってもよい。例えば、発光時間がピコ秒以下(或いは、場合によっては、ナノ秒又はフェムト秒以下)のパルス光が加工光ELとして用いられると、ワークWのエネルギ伝達部分を構成する材料は、瞬時に蒸発及び飛散する。尚、発光時間がピコ秒以下(或いは、場合によっては、ナノ秒又はフェムト秒以下)のパルス光が加工光ELとして用いられる場合、ワークWのエネルギ伝達部分を構成する材料は、溶融状態を経ずに昇華することもある。このため、加工光ELのエネルギに起因した熱によるワークWへの影響を極力抑制しながら、ワークWの表面に凹部(言い換えれば、溝部)が形成可能となる。
このような除去加工を行うために、加工装置1は、加工装置1の構造を示す断面図である図3に示すように、光源11と、光学系12とを備えている。
光源11は、加工光ELを生成可能である。加工光ELがレーザ光である場合には、光源11は、例えば、レーザダイオードであってもよい。更に、光源11は、パルス発振可能な光源であってもよい。この場合、光源11は、パルス光(例えば、発光時間がピコ秒以下のパルス光)を加工光ELとして生成可能である。光源11は、生成した加工光ELを、光学系12に向けて射出する。尚、光源11は直線偏光状態の加工光ELを射出してもよい。
光学系12は、光源11から射出された加工光ELが入射する光学系である。光学系12は、光源11からの加工光ELをワークWに向けて射出する(つまり、導く)ための光学系である。加工光ELをワークWに向けて射出するために、光学系12は、フォーカスレンズ121と、ガルバノミラー122と、fθレンズ123とを備える。
フォーカスレンズ121は、光学系12から射出される加工光ELの収斂度又は発散度を制御する。これにより、加工光ELのフォーカス位置(例えば、いわゆるベストフォーカス位置)が制御される。尚、光学系12は、フォーカスレンズ121に加えて又は代えて、加工光ELの任意の状態を制御可能な光学素子を備えていてもよい。加工光ELの任意の状態は、加工光ELのフォーカス位置、加工光ELのビーム径、加工光ELの収斂度又は発散度、及び、加工光ELの強度分布の少なくとも一つに加えて又は代えて、加工光ELのパルス長、加工光ELのパルス数、加工光ELの強度、加工光ELの進行方向及び加工光ELの偏光状態の少なくとも一つを含んでいてもよい。
ガルバノミラー122は、フォーカスレンズ121からの加工光ELの光路に配置される。ガルバノミラー122は、fθレンズ123から射出される加工光ELがワークWを走査する(つまり、加工光ELが照射される目標照射領域EAがワークWの表面を移動する)ように、加工光ELを偏向する。つまり、ガルバノミラー122は、ワークW上での加工光ELの照射位置(つまり、目標照射領域EAの位置)を変更可能な光学素子として機能する。このため、ガルバノミラー122は、ビーム照射位置変更部材と称されてもよい。ガルバノミラー122は、例えば、光学系12の一部の構造を示す斜視図である図4に示すように、X走査ミラー122Xと、Y走査ミラー122Yとを備える。X走査ミラー122Xは、加工光ELをY走査ミラー122Yに向けて反射する。X走査ミラー122Xは、θY方向(つまり、Y軸周りの回転方向)を軸として揺動又は回転可能である。X走査ミラー122Xの揺動又は回転により、加工光ELは、ワークWの表面をX軸方向に沿って走査する。X走査ミラー122Xの揺動又は回転により、目標照射領域EAは、ワークWの表面上をX軸方向に沿って移動する。X走査ミラー122Xの揺動又は回転により、X軸方向における目標照射領域EAの位置が変更される。Y走査ミラー122Yは、加工光ELをfθレンズ123に向けて反射する。Y走査ミラー122Yは、θX方向(つまり、X軸周りの回転方向)を軸として揺動又は回転可能である。Y走査ミラー122Yの揺動又は回転により、加工光ELは、ワークWの表面をY軸方向に沿って走査する。Y走査ミラー122Yの揺動又は回転により、目標照射領域EAは、ワークWの表面上をY軸方向に沿って移動する。Y走査ミラー122Yの揺動又は回転により、Y軸方向における目標照射領域EAの位置が変更される。
fθレンズ123は、ガルバノミラー122からの加工光ELをワークWに照射するための光学素子である。このため、fθレンズ123は、照射光学系と称されてもよい。特に、fθレンズ123は、ガルバノミラー122からの加工光ELをワークW上に集光するための光学素子である。
再び図1において、計測装置2は、制御装置7の制御下で、ワークWを計測可能である。例えば、計測装置2は、ワークWの状態を計測可能な装置であってもよい。ワークWの状態は、ワークWの位置を含んでいてもよい。ワークWの位置は、ワークWの表面の位置を含んでいてもよい。ワークWの表面の位置は、ワークWの表面を細分化した各面部分のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一つにおける位置を含んでいてもよい。ワークWの状態は、ワークWの形状(例えば、3次元形状)を含んでいてもよい。ワークWの形状は、ワークWの表面の形状を含んでいてもよい。ワークWの表面の形状は、上述したワークWの表面の位置に加えて又は代えて、ワークWの表面を細分化した各面部分の向き(例えば、各面部分の法線の向き)を含んでいてもよい。計測装置2の計測結果に関する計測情報は、計測装置2から制御装置7に出力される。
計測装置2は、所定の計測方法を用いて、ワークWを計測してもよい。計測方法の一例として、光切断法、白色干渉法、パターン投影法、タイム・オブ・フライト法、モアレトポグラフィ法(具体的には、格子照射法又は格子投影法)、ホログラフィック干渉法、オートコリメーション法、ステレオ法、非点収差法、臨界角法、ナイフエッジ法、干渉計測法、及び、共焦点法の少なくとも一つがあげられる。いずれの場合においても、計測装置2は、計測光(例えば、スリット光又は白色光)MLを射出する光源と、計測光MLが照射されたワークWからの光(例えば、計測光MLの反射光及び散乱光の少なくとも一方)を受光する受光器とを備えていてもよい。
ステージ装置3は、加工装置1及び計測装置2の下方(つまり、-Z側)に配置される。ステージ装置3は、定盤31と、ステージ32とを備える。定盤31は、筐体4の底面上(或いは、筐体4が載置される床面等の支持面上)に配置される。定盤31上には、ステージ32が配置される。更に、定盤31上には、加工装置1及び計測装置2を支持する支持フレーム8が配置されていてもよい。つまり、加工装置1及び計測装置2(更には、ステージ32)は、同じ定盤31によって支持されていてもよい。
ステージ32上には、ワークWが載置される。この際、ステージ32は、載置されたワークWを保持しなくてもよい。或いは、ステージ32は、載置されたワークWを保持してもよい。例えば、ステージ32は、ワークWを真空吸着及び/又は静電吸着することで、ワークWを保持してもよい。
ステージ32は、制御装置7の制御下で、ワークWが載置されたまま定盤31上を移動可能である。ステージ32は、定盤31、加工装置1及び計測装置2の少なくとも一つに対して移動可能である。ステージ32は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに沿って移動可能である。この場合、ステージ32は、XY平面に平行なステージ走り面に沿って移動可能である。ステージ32は更に、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って移動可能であってもよい。ステージ32を移動させるために、ステージ装置3は、ステージ駆動系33を備えている。ステージ駆動系33は、例えば、任意のモータ(例えば、リニアモータ等)を用いて、ステージ32を移動させる。更に、ステージ装置3は、ステージ32の位置を計測するため位置計測器34を備えている。位置計測器34は、例えば、エンコーダ及びレーザ干渉計のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
ステージ32が移動すると、ステージ32(更には、ステージ32に載置されたワークW)と加工装置1(特に、fθレンズ123)と計測装置2との位置関係が変わる。つまり、ステージ32が移動すると、加工装置1及び計測装置2に対するステージ32及びワークWの位置が変わる。従って、ステージ32を移動させることは、ステージ32及びワークWと加工装置1(特に、fθレンズ123)と計測装置2との位置関係を変更することと等価である。このため、ステージ装置3(特に、ステージ32を移動させるステージ駆動系33)は、位置変更装置と称されてもよい。
ステージ32は、加工装置1がワークWを加工する加工期間の少なくとも一部において加工ショット領域PSA内にワークWの少なくとも一部が位置するように、移動してもよい。尚、本実施形態における「加工ショット領域PSA」は、加工装置1とワークWとの位置関係を固定した状態で(つまり、変更することなく)加工装置1による加工が行われる領域を示す。典型的には、加工ショット領域PSAは、図4に示すように、加工装置1とワークWとの位置関係を固定した状態でガルバノミラー122によって偏向される加工光ELの走査範囲と一致する又は当該走査範囲よりも狭い領域になるように設定される。加工ショット領域PSAは、加工装置1とワークWとの位置関係を固定した状態で目標照射領域EAを設定可能な範囲と一致する又は当該範囲よりも狭い領域になるように設定される。このため、加工ショット領域PSAは、加工装置1を基準に定まる領域になる。加工ショット領域PSA内にワークWの少なくとも一部が位置する(つまり、ワークW上に加工ショット領域PSAが位置する)場合には、加工装置1は、加工ショット領域PSA内に位置するワークWの少なくとも一部に加工光ELを照射することができる。その結果、ワークWの少なくとも一部は、ステージ32上に載置された状態で、加工装置1からの加工光ELによって加工される。尚、ワークWの全体が加工ショット領域PSA内に位置することができない程度にワークWが大きい場合には、ワークWのうちの一の部分が加工ショット領域PSAに含まれる状態で一の部分が加工され、その後、ワークWのうちの一の部分とは異なる他の部分が加工ショット領域PSAに含まれるようにステージ32が移動し(更には、必要に応じて、後述する駆動系5によって加工装置1が移動し)、その後、ワークWの他の部分が加工される。以降、ワークWの加工が完了するまで同様の動作が繰り返される。
ステージ32は、計測装置2がワークWを計測する計測期間の少なくとも一部において計測ショット領域MSA内にワークWの少なくとも一部が位置するように、移動してもよい。計測ショット領域MSAは、計測装置2とワークWとの位置関係を固定した状態で計測装置2からの計測光MLが照射されたワークWからの光を受光する受光器の受光面に対応する範囲になるように設定されてもよい。このため、計測ショット領域MSAは、計測装置2を基準に定まる領域になる。
ステージ32は、ステージ32上にワークWが載置された状態で、加工ショット領域PSAと計測ショット領域MSAとの間で移動してもよい。ステージ32は、ステージ32上にワークWが載置された状態で、ワークWが加工ショット領域PSAと計測ショット領域MSAとの間で移動するように移動してもよい。つまり、ワークWは、加工装置1がワークWを加工する加工期間及び計測装置2がワークWを計測する計測期間に加えて、ワークWが加工ショット領域PSAと計測ショット領域MSAとの間を移動する移動期間中もまた、ステージ32に載置されたままであってもよい。
筐体4は、筐体4の外部の空間に対して隔てられた内部の収容空間SPに、加工装置1、計測装置2及びステージ装置3を収容する。つまり、本実施形態では、加工装置1、計測装置2及びステージ装置3は、同じ筐体4に配置されている。加工装置1、計測装置2及びステージ装置3は、同じ収容空間SPに配置されている。ステージ装置3のステージ32にワークWが載置されている場合には、筐体4は、その内部の収容空間SPにワークWを収容する。つまり、加工装置1、計測装置2及びワークWは、同じ収容空間SPに配置されている。但し、加工装置1、計測装置2及びステージ装置3の少なくとも一部が収容空間SPに配置されていなくてもよい。
駆動系5は、制御装置7の制御下で、加工装置1を移動させる。駆動系5は、定盤31、ステージ32及びステージ32に載置されたワークWの少なくとも一つに対して加工装置1を移動させる。駆動系5は、計測装置2に対して加工装置1を移動させてもよい。駆動系5は、加工装置1を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って移動させる。駆動系5は、例えば、モータ等を含む。更に、加工システムSYSは、駆動系5が移動させる加工装置1の位置を計測可能な位置計測器51を備えている。位置計測器51は、例えば、エンコーダ及びレーザ干渉計のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
駆動系5が加工装置1を移動させると、ワークW上において、目標照射領域EA及び加工ショット領域PSAが移動する。従って、駆動系5は、加工装置1を移動させることで、ワークWと目標照射領域EA及び加工ショット領域PSAとの位置関係を変更可能である。更に、駆動系5が加工装置1を移動させると、ステージ32及びワークWと加工装置1(特に、fθレンズ123)との位置関係が変わる。このため、駆動系5は、ステージ駆動系33と同様に、位置変更装置と称されてもよい。
駆動系6は、制御装置7の制御下で、計測装置2を移動させる。駆動系6は、定盤31、ステージ32及びステージ32に載置されたワークWの少なくとも一つに対して計測装置2を移動させる。駆動系6は、加工装置1に対して計測装置2を移動させてもよい。駆動系6は、計測装置2を、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、θX方向、θY方向及びθZ方向の少なくとも一つに沿って移動させる。駆動系6は、例えば、モータ等を含む。更に、加工システムSYSは、駆動系6が移動させる計測装置2の位置を計測可能な位置計測器61を備えている。位置計測器61は、例えば、エンコーダ及びレーザ干渉計のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
駆動系6が計測装置2を移動させると、ワークW上において、計測ショット領域MSAが移動する。従って、駆動系6は、計測装置2を移動させることで、ワークWと計測ショット領域MSAとの位置関係を変更可能である。
制御装置7は、加工システムSYSの動作を制御する。具体的には、制御装置7は、加工装置1がワークWを適切に加工するように、加工システムSYSの動作(例えば、加工装置1、計測装置2、ステージ装置3、駆動系5及び駆動系6の少なくとも一つの動作)を制御する。
制御装置7は、例えば、演算装置と記憶装置とを含んでいてもよい。演算装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit))の少なくとも一方を含んでいてもよい。制御装置7は、演算装置がコンピュータプログラムを実行することで、加工システムSYSの動作を制御する装置として機能する。このコンピュータプログラムは、制御装置7が行うべき後述する動作を制御装置7(例えば、演算装置)に行わせる(つまり、実行させる)ためのコンピュータプログラムである。つまり、このコンピュータプログラムは、加工システムSYSに後述する動作を行わせるように制御装置7を機能させるためのコンピュータプログラムである。演算装置が実行するコンピュータプログラムは、制御装置7が備える記憶装置(つまり、記録媒体)に記録されていてもよいし、制御装置7に内蔵された又は制御装置7に外付け可能な任意の記憶媒体(例えば、ハードディスクや半導体メモリ)に記録されていてもよい。或いは、演算装置は、実行するべきコンピュータプログラムを、ネットワークインタフェースを介して、制御装置7の外部の装置からダウンロードしてもよい。
制御装置7は、加工システムSYSの内部に設けられていなくてもよく、例えば、加工システムSYS外にサーバ等として設けられていてもよい。この場合、制御装置7と加工システムSYSとは、有線及び/又は無線のネットワーク(或いは、データバス及び/又は通信回線)で接続されていてもよい。この場合、制御装置7と加工システムSYSとはネットワークを介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されていてもよい。また、制御装置7は、ネットワークを介して加工システムSYSにコマンドや制御パラメータ等の情報を送信可能であってもよい。加工システムSYSは、制御装置7からのコマンドや制御パラメータ等の情報を、上記ネットワークを介して受信する受信装置を備えていてもよい。或いは、制御装置7が行う処理のうちの一部を行う第1制御装置が加工システムSYSの内部に設けられている一方で、制御装置7が行う処理のうちの他の一部を行う第2制御装置が加工システムSYSの外部に設けられていてもよい。
尚、演算装置が実行するコンピュータプログラムを記録する記録媒体としては、光ディスク、磁気媒体、光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ、及び、その他プログラムを格納可能な任意の媒体の少なくとも一つが用いられてもよい。記録媒体には、コンピュータプログラムを記録可能な機器が含まれていてもよい。更に、コンピュータプログラムに含まれる各処理や機能は、制御装置7(つまり、コンピュータ)がコンピュータプログラムを実行することで制御装置7内に実現される論理的な処理ブロックによって実現されてもよいし、制御装置7が備える所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウェアによって実現されてもよいし、論理的な処理ブロックとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウェアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
(2)加工システムSYSが行う加工動作
続いて、加工システムSYSが行う加工動作(つまり、ワークWを加工する加工動作)について説明する。特に、以下では、説明の便宜上、加工されたワークWの一例を示す平面図である図5(a)及び加工されたワークWの一例を示す断面図である図5(b)に示すように、ワークWの表面から窪んだ凹部PHを、平板形状のワークWに形成するための加工動作について説明する。特に、図5(a)及び図5(b)に示す例では、四角穴形状の凹部PHを、平板形状のワークWに形成するための加工動作について説明する。但し、加工システムSYSは、凹部PHを形成するための加工動作とは異なる加工動作を行ってもよい。加工システムSYSは、凹部PHとは異なる形状又は構造を形成するための加工動作を行ってもよい。
ワークWを加工するために、まずは、ワークWがステージ32に搭載される。その後、計測装置2がワークWを計測する。この際、計測装置2の計測ショット領域MSAは、相対的に広い領域(例えば、後述するファイン計測における計測ショット領域MSAよりも広い領域)に設定されてもよい。このため、以下では、説明の便宜上、ワークWがステージ32に搭載された後に計測装置2が行う計測を、広域計測と称する。
その後、制御装置7は、計測装置2によるワークWの広域計測の結果を示す広域計測情報に基づいて、ワークWの3次元モデルデータを生成する。以降、説明の便宜上、広域計測情報に基づく3次元モデルデータを、“広域3Dモデルデータ”と称する。尚、広域3Dモデルデータが生成済みであるワークWがステージ32に新たに載置された場合には、計測装置2は、広域計測を行わなくてもよい。この場合には、既に生成済みの広域3Dデータ(例えば、3D-CADを用いて生成されたデータ)を用いて、以降の動作が行われてもよい。
更には、制御装置7は、広域計測情報に基づいて、ステージ32が移動する際に用いられる座標系(以降、“ステージ座標系”)内でのワークWの位置を特定する。具体的には、計測装置2は、広域計測を行う際に、ステージ32の表面(或いは、定盤31等のその他の部材)に予め形成された基準マークを計測する。基準マークの計測結果に関する情報は、基準マークの位置に関する情報を含む。このため、制御装置7は、基準マークの計測結果を含む広域計測情報に基づいて、基準マークとワークWとの位置関係を特定することができる。更に、基準マークがステージ32に形成されている(つまり、基準マークとステージ32との位置関係が固定されている)がゆえに、制御装置7は、位置計測器34によって計測されるステージ32の位置(つまり、ステージ座標系内での位置)に関する情報と、基準マークとステージ32との位置関係に関する情報とに基づいて、ステージ座標系内での基準マークの位置を特定することができる。その結果、制御装置7は、ステージ座標系内での基準マークの位置に関する情報と、広域計測によって計測された基準マークとワークWとの位置関係に関する情報とに基づいて、ステージ座標系内でのワークWの位置を特定することができる。尚、計測装置2は、ステージ32の基準マークを計測する代わりに、ステージ32の特徴点を計測してもよい。
その後、制御装置7は、ワークWのうち加工装置1が実際に加工するべき加工対象領域TAを設定する。例えば、制御装置7は、広域3Dモデルデータに基づくワークWの3次元モデルを確認した加工システムSYSのユーザの指示(例えば、3次元モデル上で加工対象領域TAを設定する指示)に基づいて、加工対象領域TAを設定してもよい。或いは、例えば、制御装置7は、ワークWのうち所定条件を満たす部分を特定すると共に、特定した部分を含む加工対象領域TAを設定してもよい。尚、以下の説明では、加工対象領域TAとワークWとの位置関係の一例を示す平面図である図6(a)及び加工対象領域TAとワークWとの位置関係の一例を示す断面図である図6(b)に示すように、ワークWの中央部に加工対象領域TAが設定される例を用いて説明を進める。
その後、計測装置2は、ワークWのうち加工対象領域TAに含まれる部分である加工対象部分W_targetを計測する。尚、図6(a)及び図6(b)に示す例では、加工対象部分W_targetは、ワークWのうち凹部PHを形成するために除去されるべき部分と一致する。このとき、上述した広域計測における計測分解能と比較して、加工対象部分W_targetを計測する際の計測分解能は高くてもよい。このため、本実施形態では、説明の便宜上、加工対象部分W_targetの計測を、“ファイン計測”と称する。但し、ファイン計測が行われなくてもよい。
ワークWのファイン計測が行われた後、制御装置7は、ファイン計測の結果を示すファイン計測情報に基づいて、加工対象部分W_targetの3次元モデルデータを生成する。以降、説明の便宜上、ファイン計測情報に基づく3次元モデルデータを、“ファイン3Dモデルデータ”と称する。尚、ファイン3Dモデルデータが生成済みであるワークWがステージ32に新たに載置された場合には、計測装置2は、ファイン計測を行わなくてもよい。この場合には、既に生成済みのファイン3Dデータ(例えば、3D-CAD用いて生成されたデータ)を用いて、以降の動作が行われてもよい。或いは、上述した広域計測情報に基づいて、加工対象部分W_targetの3次元モデルデータが生成されてもよい。
その後、制御装置7は、ファイン3Dモデルデータ(或いは、ファイン計測が行われない場合には、広域3Dモデルデータ)に基づいて、ワークWを除去加工して凹部PHを形成するように、加工装置1、ステージ駆動系33及び駆動系5を制御する。以下、図7から図23を参照しながら、凹部PHを形成するために行われるワークWの除去加工について具体的に説明する。
まず、図7(a)及び図7(b)に示すように、制御装置7は、ファイン3Dモデルデータによってその位置及び形状が特定される加工対象部分W_targetの表面WSのうちの第1面WS#1に加工ショット領域PSAが設定されるように、ステージ駆動系33及び/又は駆動系5を制御してステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。第1面WS#1は、平面視において加工ショット領域PSAと同じ大きさを有する又は加工ショット領域PSAよりも小さい。第1面WS#1は、典型的には、加工対象部分W_targetの表面WSの外縁に接する。第1面WS#1は、加工対象部分W_targetの表面WSの一部である。つまり、以下の説明では、加工対象部分W_targetの表面WSが加工ショット領域PSAよりも大きい例について説明する。言い換えれば、以下の説明では、加工対象部分W_targetが、加工ショット領域PSAの大きさに応じた複数の単位加工対象部分W_unitに分割され、複数の単位加工対象部分W_unitが順に除去される例について説明する。このため、第1面WS#1に加工ショット領域PSAが設定された状態で、まずは、加工対象部分W_targetから第1の単位加工対象部分W_unit#1が除去される。
その後、制御装置7は、加工ショット領域PSAが設定された第1面WS#1を加工光ELで走査するように加工装置1を制御する。具体的には、制御装置7は、加工対象部分W_targetの表面WS上での目標照射領域EAの移動軌跡を示す平面図である図8に示すように、加工光ELを目標照射領域EAに照射しつつ、第1面WS#1上において目標照射領域EAがY軸方向に沿って(例えば、-Y側から+Y側に向かって)移動するようにガルバノミラー122を制御するスキャン動作と、加工光ELを目標照射領域EAに照射することなく、第1面WS#1上において目標照射領域EAがX軸方向に沿って所定のステップ移動量だけ移動するようにガルバノミラー122を制御するステップ動作とを交互に繰り返す。この際、加工光ELのフォーカス位置(つまり、集光位置)は、第1面WS#1又は第1面WS#1の近傍に設定されていてもよい。スキャン動作が行われている期間中は加工光ELが照射されるがゆえに、1回のスキャン動作が行われた加工対象部分W_targetを示す平面図である図9(a)に示すように、スキャン動作により、加工対象部分W_targetから、Y軸方向に沿って延び且つZ軸方向に沿って所定の厚みを有する単位除去部分URPが除去される。更に、スキャン動作が繰り返されるがゆえに、複数回のスキャン動作が行われた加工対象部分W_targetを示す平面図である図9(b)に示すように、加工対象部分W_targetから、X軸方向に沿って並ぶ複数の単位除去部分URPが順に除去される。その結果、図10に示すように、加工光ELによる加工ショット領域PSAの1回の走査で除去される複数の単位除去部分URPの集合体に相当する層状部分(つまり、層状構造物)SLが、加工対象部分W_targetから除去される。具体的には、図10に示すように、表面が第1面WS#1となっていた層状部分SL#1_1が除去される。
層状部分SL#1_1が除去された結果、加工対象部分W_targetには、加工装置1に対向するように新たに外部に露出した露出面WS#1_1が形成される。ここで、加工装置1及びステージ32が移動していないため、加工ショット領域PSAは、露出面WS#1_1に設定されている。この場合、図11に示すように、加工装置1は、第1面WS#1を加工光ELで走査することで層状部分SL#1_1を除去する場合と同様に、露出面WS#1_1の少なくとも一部を加工光ELで走査することで、層状部分SL#1_1の-Z側に隣接していた層状部分SL#1_2を新たに除去する。つまり、加工装置1は、露出面WS#1_1の少なくとも一部を含む層状部分SL#1_2の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#1_2を新たに除去する。
具体的には、制御装置7は、まず、第1面WS#1又は第1面WS#1の近傍に設定されていた加工光ELのフォーカス位置が、露出面WS#1_1又は露出面WS#1_1の近傍に設定されるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。つまり、制御装置7は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELのフォーカス位置よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELのフォーカス位置を、加工対象部分W_targetの表面WSから遠ざけるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。その後、加工装置1は、加工光ELを目標照射領域EAに照射しつつ、露出面WS#1_1上において目標照射領域EAをY軸方向に沿って移動させるスキャン動作と、加工光ELを目標照射領域EAに照射することなく、露出面WS#1_1上において目標照射領域EAをX軸方向に沿って所定のステップ移動量だけ移動させるステップ動作とを交互に繰り返すことで、層状部分SL#1_2を除去する。
但し、図11に示すように、加工装置1は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELの移動範囲(つまり、走査範囲)よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELの移動範囲が小さくなるように、露出面WS#1_1に加工光ELを照射する。つまり、加工装置1は、層状部分SL#1_1を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲が小さくなるように、露出面WS#1_1に加工光ELを照射する。
特に、加工装置1は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELのスキャン方向(或いは、任意の所望方向、以下同じ)における移動範囲よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELのスキャン方向における移動範囲が小さくなるように、露出面WS#1_1に加工光ELを照射する。つまり、加工装置1は、層状部分SL#1_1を除去するときの目標照射領域EAのスキャン方向における移動範囲よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの目標照射領域EAのスキャン方向における移動範囲が小さくなるように、露出面WS#1_1に加工光ELを照射する。尚、スキャン方向は、スキャン動作による加工光ELの走査方向(つまり、目標照射領域EAの移動方向)を意味する。図11に示す例では、スキャン方向は、Y軸方向である。このため、加工装置1は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELのY軸方向における移動範囲よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELのY軸方向における移動範囲が小さくなるように、露出面WS#1_1に加工光ELを照射する。その結果、除去される層状部分SL#1_2の大きさは、除去される層状部分SL#1_1の大きさよりも小さくなる。つまり、除去される層状部分SL#1_1の大きさは、除去される層状部分SL#1_2の大きさよりも大きくなる。具体的には、スキャン方向(図11に示す例では、Y軸方向)における層状部分SL#1_1の大きさは、スキャン方向における層状部分SL#1_2の大きさよりも大きくなる。
一例として、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側(つまり、スキャン動作による加工光ELの走査方向における後方側)の端部の位置は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置と同じになってもよい。一方で、Y軸方向において、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y側(つまり、スキャン動作による加工光ELの走査方向における前方側)の端部の位置は、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y軸側の端部の位置よりも-Y側に位置していてもよい。その結果、層状部分SL#1_1を除去するときの加工光ELのスキャン方向における移動範囲よりも、層状部分SL#1_2を除去するときの加工光ELのスキャン方向における移動範囲が小さくなる。この場合、図11に示すように、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、層状部分SL#1_2の-Y側の端部ES#1_2の位置は、層状部分SL#1_1の-Y側の端部ES#1_1の位置と同じになる。一方で、Y軸方向において、層状部分SL#1_2の+Y側の端部EE#1_2の位置は、層状部分SL#1_1の+Y側の端部EE#1_1の位置よりも-Y側に位置している。つまり、スキャン方向(図11に示す例では、Y軸方向)における層状部分SL#1_1の大きさは、スキャン方向における層状部分SL#1_2の大きさよりも大きくなる。尚、本実施形態における「第1の端部の位置と第2の端部の位置とが同じである」状態は、「第1の端部の位置と第2の端部の位置とが文字通り完全に同じである」状態のみならず、「第1の端部の位置と第2の端部の位置とが完全に同じではないものの、実質的に両者が同じであるとみなしてもよい程度に両者のずれが小さい」状態をも含む。
以降、同様の動作(つまり、層状部分SLを除去する動作)が、凹部PHの深さと同じ深さの溝が形成されるまで繰り返される。つまり、加工装置1は、層状部分SL#1_k(尚、kは1以上の整数)を除去する都度、層状部分SL#1_kが除去されことで新たに形成された露出面WS#1_k又は露出面WS#1_kの近傍に加工光ELのフォーカス位置を設定し、露出面WS#1_kの少なくとも一部を対象にスキャン動作とステップ動作とを交互に繰り返す。その結果、層状部分SL#1_kの-Z側に隣接する層状部分SL#1_k+1が除去される。つまり、加工装置1は、露出面WS#1_kの少なくとも一部を含む層状部分SL#1_k+1の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#1_k+1を新たに除去する。
この際、上述したように、加工装置1は、層状部分SL#1_kを除去するときの加工光ELの移動範囲よりも、層状部分SL#1_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲が小さくなるように、第1の単位加工対象部分W_unit#1に加工光ELを照射する。つまり、第1の単位加工対象部分W_unit#1を除去する際の加工ショット領域PSA内での加工光ELの移動範囲を示す図12に示すように、加工装置1は、層状部分SL#1_kを除去するたびに、スキャン方向における加工光ELの移動範囲が小さくなるように、第1の単位加工対象部分W_unit#1に加工光ELを照射する。例えば、加工装置1は、層状部分SL#1_kを除去するたびに、スキャン方向における加工光ELの移動範囲の+Y側の端部が-Y側に移動するように、露出面WS#1_kに加工光ELを照射する。尚、加工光ELが照射された領域で除去加工が行われるがゆえに、図12は、加工ショット領域PSA内で除去加工が行われる範囲を示しているとも言える。つまり、加工装置1は、層状部分SL#1_kを除去するたびに加工光ELによって除去加工が行われる領域が小さくなるように、第1の単位加工対象部分W_unit#1に加工光ELを照射するとも言える。
その結果、図13に示すように、複数の層状部分SL(図13に示す例では、層状部分SL#1_1から層状部分SL#1_6)から構成される第1の単位加工対象部分W_unit#1が、加工対象部分W_targetから除去される。つまり、加工対象部分W_targetのうちの、第1表面WS#1の少なくとも一部の下方に位置していた第1の単位加工対象部分W_unit#1が除去される。
その後、加工装置1は、図14に示すように、加工対象部分W_targetのうち第1の単位加工対象部分W_unit#1に隣接する第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去する。第2の単位加工対象部分W_unit#2は、典型的には、スキャン方向に沿って第1の単位加工対象部分W_unit#1に隣接する。
第2の単位加工対象部分W_unit#2は、第1の単位加工対象部分W_unit#1を構成する複数の層状部分SLに夫々隣接する複数の層状部分SLから構成される。典型的には、第2の単位加工対象部分W_unit#1は、第1の単位加工対象部分W_unit#1を構成する複数の層状部分SLに夫々スキャン方向に沿って隣接する複数の層状部分SLから構成される。図14に示す例では、第2の単位加工対象部分W_unit#2は、スキャン方向において層状部分SL#1_1に隣接する層状部分SL#2_1と、スキャン方向において層状部分SL#1_2に隣接する層状部分SL#2_2と、スキャン方向において層状部分SL#1_3に隣接する層状部分SL#2_3と、スキャン方向において層状部分SL#1_4に隣接する層状部分SL#2_4と、スキャン方向において層状部分SL#1_5に隣接する層状部分SL#2_5と、スキャン方向において層状部分SL#1_6に隣接する層状部分SL#2_6とから構成される。このため、加工装置1は、第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去するために、層状部分SL#2_1からSL#2_6を順に除去する。
図14に示す例では、第2の単位加工対象部分W_unit#2が除去されたとしても、加工対象部分W_targetの全体の除去は完了しない。この場合には、第2の単位加工対象部分W_unit#2を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、同一になってもよい。一方で、後に第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去する際に説明するように、仮に第2の単位加工対象部分W_unit#2が除去されることで加工対象部分W_targetの全体の除去が完了する場合には、第2の単位加工対象部分W_unit#2を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、互いに異なっていてもよい。
第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去するために、制御装置7は、第2の単位加工対象部分W_unit#2に加工光ELが照射されるように、ステージ駆動系33及び/又は駆動系5を制御してステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。この場合、制御装置7は、図14に示すように、典型的には、加工対象部分W_targetの表面WSのうちの第2面WS#2が加工ショット領域PSAに含まれるように、ステージ駆動系33及び/又は駆動系5を制御してステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。第2面WS#2は、加工対象部分W_targetの表面WSの一部であって且つ第1面WS#1に隣接する。第2面WS#2は、典型的には、スキャン方向に沿って第1面WS#1に隣接する。更に、制御装置7は、図14に示すように、スキャン方向において、加工ショット領域PSAの-Y側(つまり、第1の単位加工対象部分W_unit#1側)の端部E_PSAの位置が、第2の単位加工対象部分W_unit#2の-Y側の端部E#2の位置と同じになるように又は端部E#2の位置よりも-Y側に位置するように、ステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。尚、図14に示す例では、第2の単位加工対象部分W_unit#2の-Y側の端部E#2の位置は、層状部分SL#2_6の-Y側の端部の位置と同じである。
その後、制御装置7は、第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去するように加工装置1を制御する。具体的には、制御装置7は、層状部分#2_1から#2_6を順に除去することで第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去するように、加工装置1を制御する。
具体的には、制御装置7は、まず、加工光ELのフォーカス位置が、第2面WS#2(つまり、第2の単位加工対象部分W_unit#2の表面であり、層状部分SL#2_1の表面)又は第2面WS#2の近傍に設定されるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。その後、加工装置1は、加工光ELを目標照射領域EAに照射しつつ、第2面WS#2上において目標照射領域EAをY軸方向に沿って移動させるスキャン動作と、加工光ELを目標照射領域EAに照射することなく、第2面WS#2上において目標照射領域EAをX軸方向に沿って所定のステップ移動量だけ移動させるステップ動作とを交互に繰り返す。その結果、図15に示すように、層状部分SL#2_1が除去される。
層状部分SL#2_1が除去された結果、加工対象部分W_targetには、加工装置1に対向するように新たに外部に露出した露出面WS#2_1が形成される。この場合も、図16に示すように、加工装置1は、第1の単位加工対象部分W_unit#1を除去する場合と同様に、露出面WS#2_1の少なくとも一部を加工光ELで走査することで、層状部分SL#2_1の-Z側に隣接していた層状部分SL#2_2を新たに除去する。つまり、加工装置1は、露出面WS#2_1の少なくとも一部を含む層状部分SL#2_2の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#2_2を新たに除去する。具体的には、制御装置7は、まず、第2面WS#2又は第2面WS#2の近傍に設定されていた加工光ELのフォーカス位置が、露出面WS#2_1又は露出面WS#2_1の近傍に設定されるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。つまり、制御装置7は、層状部分SL#2_1を除去するときの加工光ELのフォーカス位置よりも、層状部分SL#2_2を除去するときの加工光ELのフォーカス位置を、加工対象部分W_targetの表面WSから遠ざけるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。その後、加工装置1は、露出面WS#2_1の少なくとも一部を対象にスキャン動作とステップ動作とを交互に繰り返すことで、層状部分SL#2_2を除去する。
ここで、上述したように、第2の単位加工対象部分W_unit#2が除去されたとしても加工対象部分W_targetの全体の除去は完了しないがゆえに、第2の単位加工対象部分W_unit#2を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、同一になる。このため、加工装置1は、層状部分SL#2_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の大きさ(特に、スキャン方向における大きさ、以下同じ)と、層状部分SL#2_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の大きさとが同じになるように、第2の単位加工対象部分W_unit#2に加工光ELを照射する。加工装置1は、層状部分SL#2_1を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲の大きさと、層状部分SL#2_2を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲の大きさとが同じになるように、第2の単位加工対象部分W_unit#2に加工光ELを照射する。
但し、スキャン方向において、層状部分SL#2_2に隣接する層状部分SL#1_2の+Y側の端部EE#1_2の位置は、層状部分SL#2_1に隣接する層状部分SL#1_1の+Y側の端部EE#1_1の位置よりも-Y側に位置することは上述したとおりである。その結果、図16に示すように、スキャン方向において、層状部分SL#2_2の-Y側の端部ES#2_2の位置は、層状部分SL#2_1の-Y側の端部ES#2_1の位置よりも-Y側に位置することになる。この場合、層状部分SL#2_1の大きさと層状部分SL#2_2の大きさとが同じであるため、スキャン方向において、層状部分SL#2_2の+Y側の端部EE#2_2の位置は、層状部分SL#2_1の+Y側の端部EE#2_1の位置よりも-Y側に位置することになる。このような層状部分SL#2_2を除去するために、加工装置1は、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、(i)層状部分SL#2_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置が、層状部分SL#2_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置よりも-Y側に位置し、且つ、(ii)層状部分SL#2_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y側の端部の位置が、層状部分SL#2_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y軸側の端部の位置よりも-Y側に位置するように、第2の単位加工対象部分W_unit#2に加工光ELを照射する。
以降、同様の動作(つまり、層状部分SLを除去する動作)が、凹部PHの深さと同じ深さの溝が形成されるまで繰り返される。つまり、加工装置1は、層状部分SL#2_kを除去する都度、層状部分SL#2_kが除去されことで新たに形成された露出面WS#2_k又は露出面WS#2_kの近傍に加工光ELのフォーカス位置を設定し、露出面WS#2_kの少なくとも一部を対象にスキャン動作とステップ動作とを交互に繰り返す。その結果、層状部分SL#2_kの-Z側に隣接する層状部分SL#2_k+1が除去される。つまり、加工装置1は、露出面WS#2_kの少なくとも一部を含む層状部分SL#2_k+1の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#2_k+1を新たに除去する。
この際、上述したように、加工装置1は、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、層状部分SL#2_kを除去するときの加工光ELの移動範囲の大きさと、層状部分SL#2_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲の大きさとが同じになるように、第2の単位加工対象部分W_unit#2に加工光ELを照射する。更に、加工装置1は、Y軸方向において、(i)層状部分SL#2_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置が、層状部分SL#2_kを除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置よりも-Y側に位置し、且つ、(ii)層状部分SL#2_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y側の端部の位置が、層状部分SL#2_kを除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y軸側の端部の位置よりも-Y側に位置するように、露出面WS#2_kの少なくとも一部に加工光ELを照射する。つまり、第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去する際の加工ショット領域PSA内での加工光ELの移動範囲を示す図17に示すように、加工装置1は、スキャン方向における加工光ELの移動範囲の大きさが一定に維持される一方で、層状部分SL#2_kを除去するたびに加工光ELの移動範囲が移動する(典型的には、スキャン方向に沿って移動する)ように、加工光ELを照射する。
その結果、図18に示すように、複数の層状部分SL(図18に示す例では、層状部分SL#2_1から層状部分SL#2_6)から構成される第2の単位加工対象部分W_unit#2が、加工対象部分W_targetから除去される。
その後、加工装置1は、図19に示すように、加工対象部分W_targetのうち第2の単位加工対象部分W_unit#2に隣接する第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去する。第3の単位加工対象部分W_unit#3は、典型的には、スキャン方向に沿って第2の単位加工対象部分W_unit#2に隣接する。
第3の単位加工対象部分W_unit#3は、第2の単位加工対象部分W_unit#2を構成する複数の層状部分SLに夫々隣接する複数の層状部分SLから構成される。典型的には、第3の単位加工対象部分W_unit#3は、第2の単位加工対象部分W_unit#2を構成する複数の層状部分SLに夫々スキャン方向に沿って隣接する複数の層状部分SLから構成される。図19に示す例では、第3の単位加工対象部分W_unit#3は、スキャン方向において層状部分SL#2_1に隣接する層状部分SL#3_1と、スキャン方向において層状部分SL#2_2に隣接する層状部分SL#3_2と、スキャン方向において層状部分SL#2_3に隣接する層状部分SL#3_3と、スキャン方向において層状部分SL#2_4に隣接する層状部分SL#3_4と、スキャン方向において層状部分SL#2_5に隣接する層状部分SL#3_5と、スキャン方向において層状部分SL#2_6に隣接する層状部分SL#3_6とから構成される。このため、加工装置1は、第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去するために、層状部分SL#3_1からSL#3_6を順に除去する。
図19に示す例では、第3の単位加工対象部分W_unit#3が除去されると、加工対象部分W_targetの全体の除去が完了する。この場合には、第3の単位加工対象部分W_unit#3を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、互いに異なっていてもよい。他方で、仮に第3の単位加工対象部分W_unit#3が除去されたとしても加工対象部分W_targetの全体の除去は完了しない(例えば、スキャン方向において第3の単位加工対象部分W_unit#3に隣接する他の単位加工対象部分W_unitを除去する必要がある)場合には、第3の単位加工対象部分W_unit#3を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、同一になってもよい。つまり、本実施形態では、スキャン方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitが順に除去される場合には、(i)最初に除去される単位加工対象部分W_unitは、上述した第1の単位加工対象部分W_unit#1と同様の除去態様で除去され、(ii)最後に除去される単位加工対象部分W_unitは、第3の単位加工対象部分W_unit#3と同様の除去態様で除去され、(iii)それ以外の単位加工対象部分W_unitは、上述した第2の単位加工対象部分W_unit#2と同様の除去態様で除去される。つまり、(i)最初に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLが除去されるたびにスキャン方向における層状部分SLの大きさが小さくなるように、加工光ELが制御され、(ii)最後に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLが除去されるたびにスキャン方向における層状部分SLの大きさが大きくなるように、加工光ELが制御され、(iii)それ以外の単位加工対象部分W_unitを除去するために、スキャン方向における層状部分SLの大きさが一定に維持される一方で、層状部分SLが除去されるたびに層状部分SLが除去される領域がスキャン方向に沿って移動するように加工光ELが制御される。
第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去するために、制御装置7は、第3の単位加工対象部分W_unit#3に加工光ELが照射されるように、ステージ駆動系33及び/又は駆動系5を制御してステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。この場合、制御装置7は、図19に示すように、典型的には、加工対象部分W_targetの表面WSのうちの第3面WS#3が加工ショット領域PSAに含まれるように、ステージ駆動系33及び/又は駆動系5を制御してステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。第3面WS#3は、加工対象部分W_targetの表面WSの一部であって且つ第2面WS#2に隣接する。第3面WS#3は、典型的には、スキャン方向に沿って第2面WS#2に隣接する。更に、制御装置7は、図19に示すように、スキャン方向において、加工ショット領域PSAの-Y側(つまり、第2の単位加工対象部分W_unit#2側)の端部E_PSAの位置が、第3の単位加工対象部分W_unit#3の-Y側の端部E#3の位置と同じになるように又は端部E#3の位置よりも-Y側に位置するように、ステージ32及び/又は加工装置1を移動させる。尚、図19に示す例では、第3の単位加工対象部分W_unit#3の-Yの端部E#3の位置は、層状部分SL#3_6の-Y側の端部の位置と同じである。
その後、制御装置7は、第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去するように加工装置1を制御する。具体的には、制御装置7は、層状部分#3_1から#3_6を順に除去することで第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去するように、加工装置1を制御する。
具体的には、制御装置7は、まず、加工光ELのフォーカス位置が、第3面WS#3(つまり、第3の単位加工対象部分W_unit#3の表面であり、層状部分SL#3_1の表面)又は第3面WS#3の近傍に設定されるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。その後、加工装置1は、加工光ELを目標照射領域EAに照射しつつ、第3面WS#3上において目標照射領域EAをY軸方向に沿って移動させるスキャン動作と、加工光ELを目標照射領域EAに照射することなく、第3面WS#3上において目標照射領域EAをX軸方向に沿って所定のステップ移動量だけ移動させるステップ動作とを交互に繰り返す。その結果、図20に示すように、層状部分SL#3_1が除去される。
層状部分SL#3_1が除去された結果、加工対象部分W_targetには、加工装置1に対向するように新たに外部に露出した露出面WS#3_1が形成される。この場合も、図21に示すように、加工装置1は、第1の単位加工対象部分W_unit#1及び第2の単位加工対象部分W_unit#2を除去する場合と同様に、露出面WS#3_1の少なくとも一部を加工光ELで走査することで、層状部分SL#3_1の-Z側に隣接していた層状部分SL#3_2を新たに除去する。つまり、加工装置1は、露出面WS#3_1の少なくとも一部を含む層状部分SL#3_2の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#3_2を新たに除去する。具体的には、制御装置7は、まず、第3面WS#3又は第3面WS#3の近傍に設定されていた加工光ELのフォーカス位置が、露出面WS#3_1又は露出面WS#3_1の近傍に設定されるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。つまり、制御装置7は、層状部分SL#3_1を除去するときの加工光ELのフォーカス位置よりも、層状部分SL#3_2を除去するときの加工光ELのフォーカス位置を、加工対象部分W_targetの表面WSから遠ざけるように、光学系12(特に、フォーカスレンズ121)を制御する。その後、加工装置1は、露出面WS#3_1の少なくとも一部を対象にスキャン動作とステップ動作とを交互に繰り返すことで、層状部分SL#3_2を除去する。
ここで、上述したように、第3の単位加工対象部分W_unit#2が除去されることで加工対象部分W_targetの全体の除去が完了するがゆえに、第3の単位加工対象部分W_unit#3を構成する複数の層状部分SLの大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)は、異なるものとなる。具体的には、層状部分SL#3_2に隣接する層状部分SL#2_2の+Y側の端部EE#2_2の位置は、層状部分SL#3_1に隣接する層状部分SL#2_1の+Y側の端部EE#2_1の位置よりも-Y側に位置することは上述したとおりである。その結果、図21に示すように、スキャン方向において、層状部分SL#3_2の-Y側の端部ES#3_2の位置は、層状部分SL#3_1の-Y側の端部ES#3_1の位置よりも-Y側に位置することになる。一方で、四角穴形状の凹部PHを形成するがゆえに、スキャン方向において、層状部分SL#3_2の+Y側の端部EE#3_2の位置は、層状部分SL#3_1の+Y側の端部EE#3_1の位置と同じになる。その結果、スキャン方向において、層状部分SL#3-2の大きさは、層状部分SL#3-1の大きさよりも大きくなる。
このような層状部分SL#3_2を除去するために、加工装置1は、層状部分SL#3_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の大きさ(特に、スキャン方向における大きさ)よりも、層状部分SL#3_2を除去するときの加工光ELの移動範囲が大きくなるように、露出面WS#3_1に加工光ELを照射する。加工装置1は、層状部分SL#3_1を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲よりも、層状部分SL#3_2を除去するときの目標照射領域EAの移動範囲が大きくなるように、露出面WS#3_1に加工光ELを照射する。具体的には、加工装置1は、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、(i)層状部分SL#3_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置が、層状部分SL#3_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置よりも-Y側に位置し、且つ、(ii)層状部分SL#3_2を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y側の端部の位置が、層状部分SL#3_1を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y軸側の端部の位置と同じになるように、露出面WS#3_1に加工光ELを照射する。
以降、同様の動作(つまり、層状部分SLを除去する動作)が、凹部PHの深さと同じ深さの溝が形成されるまで繰り返される。つまり、加工装置1は、層状部分SL#3_kを除去する都度、層状部分SL#3_kが除去されことで新たに形成された露出面WS#3_k又は露出面WS#3_kの近傍に加工光ELのフォーカス位置を設定し、露出面WS#3_kの少なくとも一部を対象にスキャン動作とステップ動作とを交互に繰り返す。その結果、層状部分SL#3_kの-Z側に隣接する層状部分SL#3_k+1が除去される。つまり、加工装置1は、露出面WS#3_kの少なくとも一部を含む層状部分SL#3_k+1の表面を加工光ELで走査することで、層状部分SL#3_k+1を新たに除去する。
この際、上述したように、加工装置1は、層状部分SL#3_kを除去するときの加工光ELの移動範囲よりも、層状部分SL#3_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲が大きくなるように、露出面WS#3_kに加工光ELを照射する。更に、加工装置1は、Y軸方向(つまり、スキャン方向)において、(i)層状部分SL#3_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置が、層状部分SL#3_kを除去するときの加工光ELの移動範囲の-Y側の端部の位置よりも-Y側に位置し、且つ、(ii)層状部分SL#3_k+1を除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y側の端部の位置が、層状部分SL#3_kを除去するときの加工光ELの移動範囲の+Y軸側の端部の位置と同じになるように、露出面WS#3_kに加工光ELを照射する。つまり、第3の単位加工対象部分W_unit#3を除去する際の加工ショット領域PSA内での加工光ELの移動範囲を示す図22に示すように、加工装置1は、層状部分SL#3_kを除去するたびに、スキャン方向における加工光ELの移動範囲が大きくなるように、第3の単位加工対象部分W_unit#3に加工光ELを照射する。
その結果、図23に示すように、複数の層状部分SL(図23に示す例では、層状部分SL#3_1から層状部分SL#3_6)から構成される第3の単位加工対象部分W_unit#3が、加工対象部分W_targetから除去される。その結果、加工対象部分W_targetの除去が完了し、凹部PHが形成される。
(3)加工システムSYSの技術的効果
以上説明した加工システムSYSによれば、ワークWを適切に加工することができる。特に、加工システムSYSは、加工対象部分W_targetを構成する複数の単位加工対象部分W_unitの境界を適切に加工することができる。以下、その理由について説明する。
まず、加工システムSYSは、ワークWに凹部PHを形成するために、一の単位加工対象部分W_unitを一度にまとめて(つまり、複数の層状部分SLに分割することなくまとめて)加工してもよいと想定される。しかしながら、本実施形態では、加工装置1から加工光ELが垂直方向(つまり、Z軸方向)に沿って射出されるがゆえに、加工光ELの照射によって垂直面を形成するようにワークWを加工することは、加工システムSYSにとって容易ではない。このため、一の単位加工対象部分W_unitが一度にまとめて除去された後に残った壁面(具体的には、次に除去すべき他の単位加工対象部分W_unitの側面)は、垂直面に対して傾斜する可能性がある。更に、一の単位加工対象部分W_unitに続けて他の単位加工対象部分W_unitが除去される場合も同様に、垂直面に対して傾斜する壁面が残る可能性がある。場合によっては、このような壁面によって規定される壁部が一の単位加工対象部分W_unitと他の単位加工対象部分W_unitとの間に残ってしまう可能性がある。
しかるに、本実施形態では、まず、加工システムSYSは、各単位加工対象部分W_unitを除去するために、各加工対象部分W_unitを構成する相対的に薄い複数の層状部分SLを除去する。このため、各単位加工対象部分W_unitを除去された後に残った壁面は、複数の層状部分SLを順に除去することでそれぞれ形成される複数の微小な壁面の集合体となる。このため、微小な壁面自体が垂直面に対して傾斜していたとしても、複数の微小な壁面の集合体である壁面全体としての傾斜は、十分に小さくなる。更には、順に除去される複数の層状部分SL(例えば、複数の層状部分SLの端部)がスキャン方向に沿ってずれているがゆえに、複数の単位加工対象部分W_unitの境界面が垂直面に対して実質的に傾斜した階段状の形状を有するように、複数の単位加工対象部分W_unitの境界が意図的に加工される。このため、加工システムSYSは、このような意図的に形成された階段状の形状を有する境界面を、壁部が残らないように適切に加工することができる。なぜならば、加工システムSYSが意図的に階段状の形状を有するように形成した境界面の形状及び大きさが加工システムSYSにとって既知であるがゆえに、加工システムSYSは、当該既知の形状及び大きさを有する境界面を、壁部が残らないように適切に加工することができるからである。その結果、加工システムSYSは、複数の単位加工対象部分W_unitの境界を適切に加工することができる。具体的には、加工システムSYSは、複数の単位加工対象部分W_unitの間に除去しきれなかった構造物(例えば、壁状の構造物)が残留しないように、ワークWを加工することができる。
(4)変形例
上述した説明では、スキャン方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去するための加工動作について説明されている。一方で、加工システムSYSは、スキャン方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去することに加えて又は代えて、ステップ動作による目標照射領域EAの移動方向(上述した例では、X軸方向)であるステップ方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去してもよい。この場合、加工システムSYSは、スキャン方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去する場合と同様の態様で、ステップ方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去してもよい。具体的には、ステップ方向に沿って並ぶ複数の単位加工対象部分W_unitを順に除去する際には、加工システムSYSは、(i)最初に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLを除去するたびにステップ方向における加工光ELの移動範囲が小さくなるように、加工光ELを制御し、(ii)最後に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLを除去するたびにステップ方向における加工光ELの移動範囲が大きくなるように、加工光ELを制御し、且つ、(iii)それ以外の単位加工対象部分W_unitを除去するために、ステップ方向における加工光ELの移動範囲の大きさが一定に維持される一方で、層状部分SLを除去するたびに加工光ELの移動範囲がステップ方向に沿って移動するように、加工光ELを制御してもよい。加工システムSYSは、(i)最初に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLを除去するたびにステップ方向における層状部分SLの大きさが小さくなるように、加工光ELを制御し、(ii)最後に除去される単位加工対象部分W_unitを除去するために、層状部分SLを除去するたびにステップ方向における層状部分SLの大きさが大きくなるように、加工光ELを制御し、且つ、(iii)それ以外の単位加工対象部分W_unitを除去するために、ステップ方向における層状部分SLの大きさが一定に維持される一方で、層状部分SLを除去するたびに層状部分SLが除去される領域がステップ方向に沿って移動するように、加工光ELを制御してもよい。
上述した説明では、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射して、ワークWの一部を除去する除去加工を行っている。しかしながら、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射して、除去加工とは異なる加工を行ってもよい。例えば、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射して、ワークWに付加加工を行ってもよい。例えば、加工装置1は、ワークWの表面の少なくとも一部の特性を加工光ELの照射によって変えて、ワークWの表面に所望のパターンを形成するマーキング加工を行ってもよい。
上述した説明では、ステージ装置3は、ステージ駆動系33を備えている。しかしながら、ステージ装置3は、ステージ駆動系33を備えていなくてもよい。つまり、ステージ32が移動しなくてもよい。ステージ32が移動しない場合には、ステージ装置3は、位置計測器34を備えていなくてもよい。上述した説明では、加工システムSYSは、駆動系5及び6を備えている。しかしながら、加工システムSYSは、駆動系5及び6の少なくとも一方を備えていなくてもよい。つまり、加工装置1及び計測装置2の少なくとも一方が移動しなくてもよい。この場合、加工システムSYSは、位置計測器51及び61の少なくとも一方を備えていなくてもよい。
上述した説明では、加工システムSYSは、計測装置2を備えている。しかしながら、加工システムSYSは、計測装置2を備えていなくてもよい。この場合、加工システムSYSは、計測装置2に関連する構成要素である駆動系6及び位置計測器61を備えていなくてもよい。
上述した説明では、加工装置1は、ワークWに加工光ELを照射することで、ワークWを加工している。しかしながら、加工装置1は、光とは異なる任意のエネルギビーム(このエネルギビームを、“加工ビーム”と称してもよい)をワークWに照射して、ワークWを加工してもよい。この場合、加工装置1は、光源11に加えて又は代えて、任意のエネルギビームを照射可能なビーム照射装置を備えていてもよい。任意のエネルギビームの一例として、電子ビーム及びイオンビーム等の荷電粒子ビームがあげられる。任意のエネルギビームの他の一例として、電磁波があげられる。
上述の各実施形態の構成要件の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要件の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要件のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態で引用した全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うビーム加工装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
SYS 加工システム
1 加工装置
122 ガルバノミラー
123 fθレンズ
7 制御装置
W ワーク
EL 加工光

Claims (14)

  1. ワークに加工ビームを照射するビーム加工装置において、
    前記加工ビームを照射する照射光学系と、前記加工ビームの光路に配置され且つ前記ワーク上での前記加工ビームの照射位置を変更するビーム照射位置変更部材とを備えるビーム照射装置と、
    前記ビーム照射装置を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、前記加工ビームの照射位置を第1方向に移動させつつ前記ワークの第1面に前記加工ビームを照射して前記ワークの第1部分を除去加工し、前記加工ビームの照射位置を前記第1方向に移動させつつ前記第1部分の除去加工により前記ワークに形成された第2面に前記加工ビームを照射して前記ワークの第2部分を除去加工するように、前記ビーム照射装置を制御し、
    前記制御装置は、前記第1部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲よりも前記第2部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲が小さくなるように前記ビーム照射装置を制御する
    ビーム加工装置。
  2. 前記ビーム照射位置変更部材は、前記第1方向において前記照射位置を変更し、
    前記第1方向における前記第1部分の大きさは、前記第1方向における前記第2部分の大きさよりも大きい
    請求項1に記載のビーム加工装置。
  3. 前記照射光学系と前記ワークとの位置関係を変更する位置変更装置を更に備え、
    前記制御装置は、前記第1及び第2部分を除去加工した後に、前記照射光学系と前記ワークとの位置関係を変更して、前記ワーク上の前記第1方向において前記第1部分に隣接する第3部分に前記加工ビームが照射できるように、前記位置変更装置を制御する
    請求項1又は2に記載のビーム加工装置。
  4. 前記制御装置は、前記照射光学系と前記ワークとの位置関係を変更した後に、前記加工ビームの照射位置を前記第1方向に移動させつつ前記ワークの第1面に加工ビームを照射して前記第3部分を除去加工し、前記加工ビームの照射位置を前記第1方向に移動させつつ前記第3部分の除去加工により形成された前記ワークの第3面に前記加工ビームを照射して、前記ワーク上の前記第1方向において前記第2部分に隣接する第4部分を除去加工するように、前記ビーム照射装置を制御する
    請求項3に記載のビーム加工装置。
  5. 前記制御装置は、前記第4部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲が前記第3部分の除去加工における前記加工ビームの移動範囲以上となるように、前記ビーム照射装置を制御する
    請求項4に記載のビーム加工装置。
  6. 前記ビーム照射位置変更部材は、前記第1方向に沿って前記照射位置を変更し、
    前記第1方向における前記第3部分の大きさは、前記第1方向における前記第4部分の大きさ以下である
    請求項4又は5に記載のビーム加工装置。
  7. 前記ビーム照射位置変更部材は、前記第1方向に沿って前記照射位置を変更し、
    前記第1方向において、前記第4部分の前記第2部分側の端部の位置は、前記第3部分の前記第1部分側の端部の位置よりも、前記第2部分側に位置する
    請求項4から6のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  8. 前記第1方向において、前記第4部分の前記第2部分と反対側の端部の位置は、前記第3部分の前記第1部分と反対側の端部の位置と同じ又は当該位置よりも前記第2部分側に位置する
    請求項4から7のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  9. 前記第1方向において、前記第1部分の、前記第3部分と反対側の端部の位置は、前記第2部分の前記第4部分と反対側の端部の位置と同じである
    請求項4から8のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  10. 前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分及び前記第4部分の除去加工を含む加工処理により前記ワークに凹部が形成される
    請求項4から9のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  11. 前記ビーム照射位置変更部材は、前記第1部分を除去した後であって且つ前記加工ビームの照射位置を前記第1方向と交差する第2方向に移動した後に、前記加工ビームの照射位置を前記第1方向に移動させつつ前記ワークの第1面に加工ビームを照射して前記第1部分に隣接する第5部分の除去加工を行う
    請求項4から10のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  12. 前記第5部分を除去加工した後に、前記第2部分の除去加工が行われる
    請求項4から11のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  13. 前記制御装置は、前記第3部分を除去加工するときの前記加工ビームの集光位置よりも、前記第4部分を除去加工するときの前記加工ビームの集光位置を、前記加工ビームの進行方向に沿って前記第1面から遠ざける
    請求項4から12のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
  14. 前記制御装置は、前記第1部分を除去加工するときの前記加工ビームの集光位置よりも、前記第2部分を除去加工するときの前記加工ビームの集光位置を、前記加工ビームの進行方向に沿って前記第1面から遠ざける
    請求項1から13のいずれか一項に記載のビーム加工装置。
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