図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。以下に記載する実施の形態は、技術的に好適な種々の限定を含む。本発明の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム1の構成を例示するブロック図である。第1実施形態のゲームシステム1は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンター等の娯楽施設またはショッピングセンター等の商業施設である。遊技施設内でゲームをプレイする利用者(すなわちプレイヤ)Pは記録媒体30を所持する。記録媒体30は、利用者Pを識別するための識別情報Uを記憶する可搬型の媒体(例えばICカード)である。
図1に例示される通り、第1実施形態のゲームシステム1は、管理システム10と複数のゲーム装置20とを具備する。複数のゲーム装置20の各々は、利用者Pにゲームを提供するコンピュータシステムである。管理システム10は、複数のゲーム装置20の各々との間で通信網2を介して通信する。通信網2は、例えば遊技施設内に構築されたLAN(Local Area Network)である。なお、管理システム10または各ゲーム装置20と通信網2との間の通信は有線および無線の何れでもよい。また、通信網2は、例えばインターネットを含んでもよい。
管理システム10は、複数のゲーム装置20の各々が実行するゲームに利用される電子メダルを管理する。電子メダルは、ゲームのプレイのための対価として使用される電子遊技媒体(すなわち電子データ)であり、例えば物理メダル(トークンコイン),コイン(実貨幣)またはチケット等の有体の媒体である物理遊技媒体とは区別される。
第1実施形態のゲームシステム1においては、2種類の電子メダル(第1電子メダルおよび第2電子メダル)が使用される。第1電子メダルは、各利用者Pが通常に使用する電子メダルである。第2電子メダルは、多数の利用者Pによるゲームのプレイを促進するために使用される特別な電子メダルである。
図2は、管理システム10の構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、管理システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13と表示装置14と操作装置15と読取装置16と検出装置17と受付装置18とを具備する。なお、管理システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合でも実現される。
制御装置11は、例えば単数または複数のプロセッサで構成され、管理システム10の各要素を制御する。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置11が構成される。通信装置13は、制御装置11による制御のもとで複数のゲーム装置20の各々と通信網2を介して通信する。
表示装置14は、制御装置11による制御のもとで画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL(ElectroLuminescence)表示パネル等の表示パネルが表示装置14として利用される。例えば後述の準備処理Saにおいて利用者Pの操作を案内する操作画面が表示装置14に表示される。操作装置15は、利用者Pからの指示を受付ける入力機器である。利用者Pが操作する複数の操作子、または、利用者Pによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置15として利用される。
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置12として採用される。第1実施形態の記憶装置12は利用者データQを記憶する。利用者データQは、複数の利用者Pの各々について記憶装置12に記憶される。
図3は、利用者データQの模式図である。図3に例示される通り、各利用者Pの利用者データQは、当該利用者Pの識別情報Uおよび生体情報Brefと、当該利用者Pの電子メダルを管理するための管理データAとを含む。識別情報Uは、前述の通り、利用者P毎に事前に付与される符号列である。なお、記録媒体30に記録された識別情報Uに対応付けられた他の識別情報を利用者データQに登録してもよい。生体情報Brefは、利用者Pに固有の生体的な情報であり、当該利用者Pの生体認証に利用される。利用者データQに含まれる生体情報Brefは、正規の利用者Pにより事前に登録される。第1実施形態の生体情報Brefは、利用者Pの顔画像を表す顔画像データである。すなわち、生体情報Brefを利用した顔認証が実行される。
管理データAは、各利用者Pが保有する電子メダルの管理に利用される口座(以下「電子メダル口座」という)を表すデータである。具体的には、管理データAは、第1電子メダルに関する保有量X1および有効期限E1と、第2電子メダルに関する保有量X2および有効期限E2とを表す。
保有量X1は、利用者Pが保有する第1電子メダルの数量(すなわち残高)である。有効期限E1は、利用者Pが自身の第1電子メダルを有効に使用可能な期間の終点の日時である。すなわち、有効期限E1が経過した場合、利用者Pが自身の第1電子メダルを使用できない状態となる。保有量X2は、利用者Pが保有する第2電子メダルの数量(すなわち残高)である。有効期限E2は、利用者Pが自身の第2電子メダルを有効に使用可能な期間の終点の日時である。すなわち、有効期限E2が経過した場合、利用者Pが自身の第2電子メダルを使用できない状態となる。
図2の読取装置16は、利用者Pが所持する記録媒体30との通信により当該記録媒体30から識別情報Uを取得する。記録媒体30との間の近距離無線通信により識別情報Uを取得する非接触型の読取機器のほか、記録媒体30に接触する端子を介して識別情報Uを取得する接触型の読取機器が、読取装置16として利用される。
検出装置17は、利用者Pの生体情報Bを取得する。第1実施形態の検出装置17は、利用者Pの顔を撮像することで当該利用者Pの顔画像データを生体情報Bとして生成する撮像装置である。撮像装置は、例えば撮影レンズ等の光学系と、光学系からの入射光を電気信号に変換する撮像素子とを具備する。
受付装置18は、利用者Pから通貨を受付ける機構である。具体的には、例えば紙幣または硬貨等の通貨の投入を利用者Pから受付ける投入機構が受付装置18として好適に利用される。なお、電子決済に利用されるICカード等の記録媒体30と通信する読取機を受付装置18として利用してもよい。
遊技施設に来場した利用者Pは、所望のゲーム装置20におけるゲームのプレイの開始前に、管理システム10の操作装置15を操作する。図4は、操作装置15に対する利用者Pからの指示を契機として制御装置11が実行する処理(以下「準備処理Sa」という)の具体的な手順を例示するフローチャートである。電子メダル口座の作成済の利用者Pについて以下の準備処理Saが実行される。電子メダル口座が作成されていない利用者Pについては電子メダル口座を新規に作成するための所定の処理が実行されたうえで、図4の準備処理Saが実行される。
準備処理Saを開始すると、制御装置11は、読取装置16を制御することで利用者Pの記録媒体30から識別情報Uを取得する(Sa1)。また、制御装置11は、検出装置17を制御することで利用者Pの生体情報Bを取得する(Sa2)。制御装置11は、以上の手順で取得した識別情報Uおよび生体情報Bを利用して利用者Pの正当性を認証する認証処理Sa3を実行する。具体的には、記録媒体30から取得した識別情報Uを含む利用者データQを記憶装置12から検索し、当該利用者データQ内の生体情報Brefと検出装置17が検出した生体情報Bとが類似(または一致)するか否かに応じて利用者Pの正当性を判定する。すなわち、生体情報Brefと生体情報Bとが類似または一致する場合には利用者Pの正当性が肯定され(認証成功)、生体情報Brefと生体情報Bとが類似しない場合に利用者Pの正当性が否定される(認証失敗)。利用者Pが認証処理Sa3に成功した場合、認証成功を表すデータ(以下「認証済データ」という)が利用者データQに登録される。認証済データは、例えば1日毎等の定期的に初期化(例えば消去)される。認証済データの定期的な初期化により、過度に手間の掛かる認証を利用者Pに要求することなくセキュリティを適度に維持できる。
利用者Pが認証処理Sa3に成功すると、制御装置11は、有効期限E(E1,E2)が経過した電子メダルを無効化する無効処理を実行する(Sa4)。具体的には、制御装置11は、有効期限Eが経過した電子メダルについて無効を表すデータ(以下「無効データ」という)を管理データAに付加する。例えば、有効期限E1が経過している場合には第1電子メダルについて無効データが付加され、有効期限E2が経過している場合には第2電子メダルについて無効データが付加される。なお、有効期限Eが経過した電子メダルの保有量X(X1,X2)をゼロに初期化することで当該電子メダルを無効化してもよい。
第1電子メダルの有効期限E1が経過していない場合、制御装置11は、利用者Pが保有する第1電子メダルの有効期限E1を延長する(Sa5)。具体的には、制御装置11は、有効期限E1を現在時刻から所定の期間(例えば1ヶ月)後の日時に更新する。以上の例示の通り、第1実施形態においては、利用者Pが遊技施設に来場して認証処理Sa3に成功することを条件として、第1電子メダルの有効期限E1が延長される。他方、第2電子メダルの有効期限E2は延長されない。なお、認証処理Sa3は利用者P毎に1日に1回だけ実行される。したがって、有効期限E1の延長(Sa5)の回数も1日に1回に限定される。
利用者Pは、操作装置15に対する操作により第1電子メダルおよび第2電子メダルの何れかを選択したうえで受付装置18に通貨を投入する。利用者Pは、自身が選択した電子メダルの取得のために消費する通貨の数量(以下「投入量」という)Mを任意に選択できる。制御装置11は、電子メダルの選択と通貨の投入とを利用者Pから受付けたか否かを判定する(Sa6)。電子メダルの選択と通貨の投入とを受付けない場合(Sa6:NO)、制御装置11は準備処理Saを終了する。他方、電子メダルの選択と通貨の投入とを受付けた場合(Sa6:YES)、制御装置11は、利用者Pから受付けた通貨の投入量Mに応じて、利用者Pに付与される電子メダルの数量(以下「付与量」という)を設定する(Sa7−Sa11)。
利用者Pが第1電子メダルを選択した場合(Sa7:YES)、制御装置11は、通貨の投入量Mに対して所定の変換率α1を乗算することで第1電子メダルの付与量G1を算定する(G1=α1×M)。制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第1電子メダルの保有量X1に付与量G1を加算する(Sa8)。すなわち、利用者Pの電子メダル口座に付与量G1の第1電子メダルが預入される。また、制御装置11は、第1電子メダルの有効期限E1を設定する(Sa9)。具体的には、第1電子メダルが利用者Pに最初に付与される場合、制御装置11は、有効期限E1を所定の日時に設定する。例えば、現在時刻から所定の期間(例えば1ヶ月)後の日時に有効期限E1が設定される。他方、有効期限E1が設定済である場合、制御装置11は設定済の有効期限E1を維持する。
利用者Pが第2電子メダルを選択した場合(Sa7:NO)、制御装置11は、通貨の投入量Mに対して所定の変換率α2を乗算することで第2電子メダルの付与量G2を算定する(G2=α2×M)。制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第2電子メダルの保有量X2に付与量G2を加算する(Sa10)。すなわち、利用者Pの電子メダル口座に付与量G2の第2電子メダルが預入される。また、制御装置11は、第2電子メダルの有効期限E2を設定する(Sa11)。具体的には、第2電子メダルが利用者Pに最初に付与される場合、制御装置11は、有効期限E2を所定の日時に設定する。例えば当日の遊技施設の閉店時刻に有効期限E2が設定される。他方、有効期限E2が設定済である場合、制御装置11は設定済の有効期限E2を維持する。以上の説明から理解される通り、制御装置11は、第1電子メダルの有効期限E1と第2電子メダルの有効期限E2とを管理する期限管理部として機能する。また、制御装置11は、電子メダル口座を利用者P毎に管理する口座管理部として機能する。
通貨に対する第1電子メダルの変換率α1と通貨に対する第2電子メダルの変換率α2とは、所定の正数に設定される。変換率α2は変換率α1を上回る。したがって、所定量の通貨と引換えに利用者Pに付与される第2電子メダルの数量は、同数量の通貨と引換えに利用者Pに付与される第1電子メダルの数量を上回る。すなわち、利用者Pは、第1電子メダルの所定量を獲得するために必要な数量よりも少ない数量の通貨により、同数量の第2電子メダルを獲得できる。
以上の例示の通り、第1実施形態においては、第1電子メダルの有効期限E1は延長可能である一方、第2電子メダルの有効期限は延長不能である。すなわち、第2電子メダルの使用に関する条件は第1電子メダルの使用に関する条件と比較して厳しい。したがって、第1電子メダルと比較して少ない数量の通貨により第2電子メダルを付与する前述の運用により、第1電子メダルを使用する利用者Pと第2電子メダルを使用する利用者Pとの間の公平性を維持しながら、多数の利用者Pにゲームをプレイする誘因を付与できる。
図5は、複数のゲーム装置20の各々の構成を例示するブロック図である。図5に例示される通り、第1実施形態のゲーム装置20は、制御装置21と記憶装置22と通信装置23と表示装置24と操作装置25と読取装置26と払出装置27とを具備する。なお、図5では図示を省略したが、実際にはゲームの内容に応じた機構がゲーム装置20には搭載される。例えば、物理抽選を含む抽選ゲームのゲーム装置20には、物理抽選のための抽選機構(例えばルーレット)が設置される。また、複数の物理メダルを落下させるプッシャーゲームのゲーム装置20には、物理メダルを移動および落下させるためのプッシャー機構が設置される。また、各ゲーム装置20は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置の集合(すなわちシステム)でも実現される。
制御装置21は、例えば単数または複数のプロセッサで構成され、ゲーム装置20の各要素を制御する。具体的には、例えばCPU、GPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置21が構成される。通信装置23は、制御装置21による制御のもとで通信網2を介して管理システム10と通信する。
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として採用される。
表示装置24は、制御装置21による制御のもとで画像を表示する。例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネル等の表示パネルが表示装置24として利用される。例えばゲームの状況を表すゲーム画面が表示装置24に表示される。操作装置25は、利用者Pからの指示を受付ける入力機器である。利用者Pが操作する複数の操作子、または、利用者Pによる接触を検知するタッチパネルが、操作装置25として利用される。例えば利用者Pは、操作装置25を操作することで、ゲームをプレイするほか、電子メダル口座に対する電子メダルの転送(引出または預入)を指示することが可能である。
電子メダルの引出は、電子メダル口座から各ゲーム装置20に対する電子メダルの転送を意味する。電子メダル口座から各ゲーム装置20に引出された電子メダルはクレジットに変換される。クレジットは、ゲームに使用される価値(遊技価値)である。他方、電子メダルの預入は、各ゲーム装置20から電子メダル口座に対する電子メダルの転送を意味する。具体的には、クレジットから変換された電子メダルが各ゲーム装置20から電子メダル口座に預入される。
利用者Pは、電子メダルから変換されたクレジットを消費することでゲームをプレイする。ゲームの進行に応じてクレジットの数量は随時に増減する。例えばゲーム内の抽選で利用者Pが当選した場合、または対戦等の各種のイベントにおける目標を利用者Pが達成した場合に、クレジットは増加する。また、利用者Pが抽選に落選した場合、または、各種のイベントにおける目標を利用者Pが達成できない場合に、クレジットは減少する。
第1実施形態の記憶装置22は、第1クレジットと第2クレジットとを記憶する。第1クレジットは、第1電子メダルから変換されたクレジットである。第2クレジットは、第2電子メダルから変換されたクレジットである。利用者Pは、第1クレジットおよび第2クレジットの何れかを選択してゲームにおいて消費する。
図5の読取装置26は、前述の読取装置16と同様に、利用者Pが所持する記録媒体30との通信により当該記録媒体30から識別情報Uを取得する。例えば前述の非接触型または接触型の読取機器が、読取装置26として利用される。
払出装置27は、物理メダル(物理遊技媒体)の払出を実行する機構である。例えば、払出装置27は、物理メダルを計数する計数機構と、物理メダルを計数機構から排出口まで搬送する搬送機構とを具備する。第1実施形態の払出装置27は、操作装置25に対する利用者Pからの指示を契機として、第1クレジットの数量に応じた数量の物理メダルを排出する。例えば、第1クレジットの数量C1に対応する第1電子メダルと同数の物理メダルが払出装置27から排出される。すなわち、第1実施形態の払出装置27は、第1電子メダルに対応する物理メダルの払出を実行する機構である。複数のゲーム装置20のうち一部または全部において払出装置27を省略してもよい。
図6および図7は、各ゲーム装置20の制御装置21が実行する処理(以下「制御処理」という)Sbの具体的な手順を例示するフローチャートである。操作装置25に対する利用者Pからの指示を契機として制御処理Sbが開始される。なお、制御処理Sbに連動して管理システム10の制御装置11が実行する処理が図6および図7には併記されている。
制御処理Sbを開始すると、制御装置21は、読取装置26を制御することで利用者Pの記録媒体30から識別情報Uを取得する(Sb1)。制御装置21は、記録媒体30から取得した識別情報Uを含む認証要求を通信装置23から管理システム10に送信する(Sb2)。
通信装置13により認証要求を受信すると(Sc11)、管理システム10の制御装置11は、認証要求内の識別情報Uが示す利用者Pについて認証処理Sa3が成功しているか否かを判定する(Sc12)。具体的には、制御装置11は、記憶装置12に記憶された複数の利用者データQのうち識別情報Uを含む利用者データQに認証済データが登録されているか否かを判定する。制御装置11は、以上に説明した判定の結果(以下「照会結果」という)を通信装置13から要求元のゲーム装置20に送信する(Sc13)。
通信装置23により結果通知を受信すると(Sb3)、制御装置21は、照会結果が肯定であるか否かを判定する(Sb4)。照会結果が否定である場合(Sb4:NO)、制御装置21は、例えば認証処理Sa3の失敗を意味するエラー画像を表示装置24に表示したうえで制御処理Sbを終了する。なお、照会結果が否定である場合に(Sb4:NO)、電子メダル口座を利用せずに例えば物理メダルの投入により利用者Pがゲームをプレイすることを許容してもよい。
他方、照会結果が肯定である場合(Sb4:YES)、制御装置21は、電子メダルの引出が利用者Pから指示されたか否かを判定する(Sb5)。電子メダルの引出が指示された場合(Sb5:YES)、制御装置21は、引出対象となる電子メダルの種類(以下「引出対象」という)の選択と、当該電子メダルの数量(以下「引出量」という)Yの指定とを利用者Pから受付ける(Sb6)。なお、引出量Yを利用者Pからの指示とは無関係の固定値としてもよい。
制御装置21は、引出要求を通信装置23から管理システム10に送信する(Sb7)。引出要求は、利用者Pの識別情報Uと引出対象(第1電子メダル/第2電子メダル)と引出量Yとを包含する。
通信装置13により引出要求を受信すると(Sc21)、管理システム10の制御装置11は、識別情報Uが示す利用者Pの管理データAを参照することで、現在時刻が、引出対象の電子メダルの有効期限E(E1,E2)内であるか否かを判定する(Sc22)。具体的には、引出対象が第1電子メダルである場合、制御装置11は、現在時刻が有効期限E1内の日時であるか否かを判定する。他方、引出対象が第2電子メダルである場合、制御装置11は、現在時刻が有効期限E2内の日時であるか否かを判定する。制御装置11は、前述の無効データが付加された電子メダルについては有効期限Eが経過していると判定する。
現在時刻が有効期限E内である場合(Sc22:YES)、制御装置11は引出処理Sc23を実行する。引出処理Sc23は、引出対象の電子メダルの保有量X(X1,X2)から引出量Yを減算する処理である。具体的には、引出対象が第1電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第1電子メダルの保有量X1から引出量Yを減算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から引出量Yの第1電子メダルが引出される。他方、引出対象が第2電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第2電子メダルの保有量X2から引出量Yを減算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から引出量Yの第2電子メダルが引き出しされる。なお、引出量Yが保有量Xを上回る場合、引出量Yが保有量Xに更新されたうえで引出処理Sc23が実行される。他方、現在時刻が有効期限E内でない場合(Sc22:NO)、引出処理Sc23は実行されない。有効期限Eが経過した電子メダルについては、前述の通り、当該電子メダルを無効化する無効処理が実行される(図示略)。
以上の処理が完了すると、制御装置11は、通信装置13から要求元のゲーム装置20に引出通知を送信する(Sc24)。引出処理Sc23が実行された場合、引出対象と引出量Yとを含む引出通知が送信される。他方、引出処理Sc23が実行されない場合、引出不可を表す引出通知が送信される。
通信装置23により引出通知を受信すると(Sb8)、制御装置21は、引出通知を参照することで、引出処理Sc23が実行されたか否かを判定する(Sb9)。引出処理Sc23が実行された場合(Sb9:YES)、制御装置21は、引出通知内の引出量Yに応じた数量だけクレジットを増加させる。具体的には、引出対象が第1電子メダルである場合、制御装置21は、引出量Yに変換率β1を乗算した数量(β1×Y)を第1クレジットに加算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から第1電子メダルがゲーム装置20に転送され、当該第1電子メダルが第1クレジットに変換される。他方、引出対象が第2電子メダルである場合、制御装置21は、引出量Yに変換率β2を乗算した数値(β2×Y)を第2クレジットに加算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から第2電子メダルがゲーム装置20に転送され、当該第2電子メダルが第2クレジットに変換される。変換率β1および変換率β2(いわゆるクレジット/メダル)は、所定の正数(例えば1)に設定される。他方、引出処理Sc23が実行されない場合(Sb9:NO)、クレジットの加算(Sb10)は実行されない。以上の通り、利用者Pは、自身の電子メダル口座から所望のゲーム装置20に電子メダルを転送すること(すなわち電子メダルの引出)により当該電子メダルをゲーム装置20においてゲームに使用できる。なお、変換率β1と変換率β2とを相違させた構成、または、変換率β1および変換率β2がゲーム装置20毎に個別に設定される構成も想定される。
電子メダルの引出のための処理(Sb6−Sb10)を実行した場合、または、電子メダルの引出が指示されない場合(Sb5:NO)、制御装置21は、図7に例示される通り、電子メダルの預入が利用者Pから指示されたか否かを判定する(Sb11)。電子メダルの預入が指示された場合(Sb11:YES)、制御装置21は、電子メダルの種類(以下「預入対象」という)の選択を利用者Pから受付ける(Sb12)。
制御装置21は、預入要求を通信装置23から管理システム10に送信する(Sb13)。預入要求は、利用者Pの識別情報Uと預入対象(第1電子メダル/第2電子メダル)と預入量Zとを包含する。預入量Zは、預入対象に対応するクレジットの数量に応じた数量である。具体的には、預入対象が第1電子メダルである場合、制御装置21は、第1クレジットの数量C1に変換率γ1を乗算することで預入量Z1を算定する(Z1=γ1×C1)。他方、預入対象が第2電子メダルである場合、制御装置21は、第2クレジットの数量C2に変換率γ2を乗算することで預入量Z2を算定する(Z2=γ2×C2)。変換率γ1および変換率γ2は所定の正数(例えば1)に設定される。なお、変換率γ1を変換率β1の逆数1/β1に設定し、変換率γ2を変換率β2の逆数1/β2に設定してもよい。変換率γ1と変換率γ2とを相違させてもよい。
以上に説明した預入要求を通信装置13により受信すると(Sc31)、管理システム10の制御装置11は預入処理Sc32を実行する。預入処理Sc32は、預入対象の電子メダルの保有量X(X1,X2)に預入量Zを加算する処理である。具体的には、預入対象が第1電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第1電子メダルの保有量X1に預入量Z1を加算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座に預入量Z1の第1電子メダルが預入される。他方、預入対象が第2電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第2電子メダルの保有量X2に預入量Z2を加算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座に預入量Z2の第2電子メダルが預入される。預入処理Sc32を実行すると、制御装置11は、預入処理Sc32の完了を表す預入通知を通信装置13から要求元のゲーム装置20に送信する(Sc33)。
通信装置23により預入通知を受信すると(Sb14)、制御装置21は、預入対象に対応するクレジットの数量をゼロに更新する(Sb15)。すなわち、預入対象が第1電子メダルである場合、制御装置21は、第1クレジットの数量C1をゼロに更新する。他方、預入対象が第2電子メダルである場合、制御装置21は、第2クレジットの数量C2をゼロに更新する。なお、以上の説明においては第1クレジットまたは第2クレジットの全数量を電子メダルとして電子メダル口座に預入したが、第1クレジットの一部(例えば利用者Pが指示した数量)に相当する第1電子メダルを電子メダル口座に預入する構成、または、第2クレジットの一部(例えば利用者Pが指示した数量)に相当する第2電子メダルを電子メダル口座に預入する構成も想定される。
以上に説明した通り、電子メダル口座からの電子メダルの引出と、電子メダル口座に対する電子メダルの預入とが、各ゲーム装置20において実行される。したがって、例えば複数のゲーム装置20のうち第1ゲーム装置20と第2ゲーム装置20とに着目すると、第1ゲーム装置20から電子メダル口座に対する電子メダルの預入と、当該電子メダル口座から第2ゲーム装置20に対する電子メダルの引出とが実行される。すなわち、第1ゲーム装置20から電子メダル口座(管理システム10)を介して第2ゲーム装置20に電子メダルが転送される。
電子メダルの預入のための処理(Sb11−Sb15)を実行した場合、または、電子メダルの預入が指示されない場合(Sb11:NO)、制御装置21は、第1電子メダルの払出が利用者Pから指示されたか否かを判定する(Sb16)。第1電子メダルの払出が指示された場合(Sb16:YES)、制御装置21は払出処理Sb17を実行する。払出処理Sb17は、第1クレジットの数量C1に対応する数量の物理メダルを払出装置27により排出する処理である。第2電子メダルについては物理メダルとしての払出は許容されない。具体的には、第2電子メダルの払出の指示を制御装置21は受付けず、かつ、第2電子メダルについて払出処理Sb17は実行されない。他方、第1電子メダルの払出が指示されない場合(Sb16:NO)、制御装置21は払出処理Sb17を実行しない。
第2電子メダルについて物理メダルとしての払出が許容される構成では、第2電子メダルを物理メダルとして払出したうえで当該物理メダルをゲームに使用することで、第2電子メダルの有効期限E2の制限を容易に回避できる。すなわち、第2電子メダルの有効期限E2を延長不能とした趣旨が減殺される。第1実施形態においては、第2電子メダルについて物理メダルとしての払出が許容されないから、第2電子メダルの有効期限E2を制限する運用の趣旨を有効に維持できる。
以上の処理を実行すると、制御装置21は、クレジットの消費と引換えにゲームを進行させる(Sb18)。具体的には、制御装置21は、所定量のクレジットの消費によりゲームを開始し、操作装置25に対する利用者Pからの指示に応じてクレジットを随時に消費しながら当該ゲームを進行させる。また、制御装置21は、ゲーム内の各種のイベントの結果に応じて所定量のクレジットを利用者Pに報酬として付与する。以上の説明から理解される通り、第1実施形態の制御装置21は、第1電子メダルおよび第2電子メダルがプレイのための対価として使用されるゲームを制御するゲーム制御部として機能する。
制御装置21は、利用者Pからゲームの終了の指示を受付けたか否かを判定する(Sb19)。終了指示を受付けない場合(Sb19:NO)、制御装置21は処理を図6のステップSb5に移行する。すなわち、制御装置21は、電子メダルの引出のための処理(Sb5−Sb10)と、電子メダルの預入のための処理(Sb11−Sb15)と、物理メダルの払出のための処理(Sb16−Sb17)とを、利用者Pからの指示に応じて選択的に実行する。利用者Pから終了指示を受付けた場合(Sb19:YES)、制御装置21は制御処理Sbを終了する。
制御装置21によるゲームの制御(Sb18)について以下に詳述する。第1実施形態の制御装置21は、第1動作モードと第2動作モードとを含む複数の動作モードの何れかによりゲームを進行させる。第1動作モードは、第1クレジットの消費により利用者Pがゲームをプレイする動作モードであり、第2動作モードは、第2クレジットの消費により利用者Pがゲームをプレイする動作モードである。第1動作モードで実行されるゲームは、第1電子メダルの使用によりプレイされるゲームとも換言される。同様に、第2動作モードで実行されるゲームは、第2電子メダルの使用によりプレイされるゲームとも換言される。制御装置21は、操作装置25に対する利用者Pからの指示に応じて複数の動作モードの何れかを選択する。なお、第1動作モードと第2動作モードにおいて抽選ゲームの内容は共通する。
利用者Pは、ゲームをプレイすることで所定のアイテム(以下「収集アイテム」という)を獲得できる。具体的には、制御装置21は、例えば抽選での当選または目標の達成等の各種の条件が成立した場合に、利用者Pに収集アイテムを付与する。収集アイテムは、特別イベントを開始するための条件となるオブジェクト(いわゆるステップ)である。すなわち、制御装置21は、利用者Pが獲得した収集アイテムが所定個に到達した場合に、当該利用者Pが参加する特別イベントを開始する。特別イベントは、例えば成功時に大量の報酬(いわゆるジャックポット)が利用者Pに付与されるゲームイベントである。
収集アイテムには第1収集アイテムと第2収集アイテムとがある。第1収集アイテムは、第1動作モードにおいて利用者Pが獲得可能な収集アイテムである。第2収集アイテムは、第2動作モードにおいて利用者Pが獲得可能な収集アイテムである。制御装置21は、第1収集アイテムの個数N1と第2収集アイテムの個数N2とを相互に独立に計数する。すなわち、第1収集アイテムの個数N1は、第1動作モードのゲームにおいて利用者Pが獲得した第1収集アイテムの個数であり、第2動作モードにおける第2収集アイテムの個数N2とは無関係に計数される。同様に、第2収集アイテムの個数N2は、第2動作モードのゲームにおいて利用者Pが獲得した第2収集アイテムの個数であり、第1動作モードにおける第1収集アイテムの個数N1とは無関係に計数される。動作モードの切替の前後で個数N1および個数N2は保持される。
制御装置21は、第1動作モードにおいて第1収集アイテムの個数N1が所定個に到達した場合に、当該所定個の第1収集アイテムの使用と引換えに特別イベントを開始する。同様に、制御装置21は、第2動作モードにおいて第2収集アイテムの個数N2が所定個に到達した場合に、当該所定個の第2収集アイテムの使用と引換えに特別イベントを開始する。以上の説明から理解される通り、利用者Pは、第1電子メダルが使用される第1動作モードにおいては第2収集アイテムを獲得および使用できず、第2電子メダルが使用される第2動作モードにおいては第1収集アイテムを獲得および使用できない。なお、第1動作モードにおける特別イベントの内容と第2動作モードにおける特別イベントの内容との異同は不問である。
第1電子メダルの使用によりプレイされるゲームで利用者Pに付与される収集アイテムの個数と、第2電子メダルの使用によりプレイされるゲームで利用者Pに付与される収集アイテムの個数とを区別せずに計数する構成では、第1電子メダルと第2電子メダルとで価値を相違させた運用の趣旨が減殺される。第1実施形態においては、第1収集アイテムの個数N1と第2収集アイテムの個数N2とが相互に個別に計数される。以上の構成によれば、第1電子メダルおよび第2電子メダルの一方の使用によりプレイされるゲームで獲得した収集アイテムを、他方の使用によりプレイされるゲームに使用することが禁止される。したがって、第1電子メダルと第2電子メダルとで価値を相違させた運用の趣旨を有効に維持できる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を説明する。以下に例示する各態様において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用することで各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態においては、第2電子メダルに関する変換率α2が第1電子メダルに関する変換率α1を上回る構成により、第2電子メダルを使用してゲームをプレイする誘因を多数の利用者Pに付与した。第2実施形態においては、第2電子メダルが使用される場合に、第1電子メダルが使用される場合と比較して利用者Pに有利にゲームを進行させることで、第2電子メダルを使用してゲームをプレイする誘因を多数の利用者Pに付与する。第2実施形態においては、第1実施形態と同様に変換率α2が変換率α1を上回る構成を採用してもよいし、変換率α1と変換率α2とが相等しい構成を採用してもよい。
第2実施形態のゲーム装置20が提供するゲームは、例えば物理抽選または電子抽選等の抽選の結果に応じて利用者Pの当選/落選が確率的に決定される抽選ゲームである。例えば複数の絵柄の組合せにより当選/落選が決定されるスロットゲーム、または競走馬等の複数の要素の順位を予想するレースゲーム等が抽選ゲームの好例である。なお、抽選に加えて抽選以外の要因(例えば利用者Pによる操作)がゲームの結果に反映されるゲームも抽選ゲームには包含される。
第2実施形態の制御装置21は、第1実施形態と同様に、第1電子メダル(第1クレジット)の使用によりプレイ可能な第1動作モードと、第2電子メダル(第2クレジット)の使用によりプレイ可能な第2動作モードとを含む複数の動作モードの何れかを選択する。第1動作モードと第2動作モードにおいて抽選ゲームの内容は共通する。
制御装置21は、第2電子メダルの使用によりプレイされる抽選ゲームでの当選確率L2が、第1電子メダルの使用によりプレイされる抽選ゲームでの当選確率L1を上回るように(L2>L1)、抽選ゲームにおける当選確率を設定する。すなわち、第2動作モードにおける当選確率L2は、第1動作モードにおける当選確率L1を上回る。したがって、第2動作モードにおいては利用者Pが当選し易い。すなわち、第2実施形態によれば、第2電子メダルを使用して抽選ゲームをプレイする誘因を多数の利用者Pに付与できる。
[第3実施形態]
第1実施形態においては、第1電子メダルおよび第2電子メダルの双方について電子メダル口座に対する預入が可能である。以上の構成では、第1ゲーム装置20と第2ゲーム装置20との相互間において第1電子メダルおよび第2電子メダルの双方が転送される。
第1実施形態とは対照的に、第3実施形態においては、第1電子メダルは電子メダル口座に預入可能である一方、第2電子メダルは電子メダル口座に対して預入不能である。具体的には、制御装置21は、第1電子メダルの預入の指示のみを利用者Pから受付け(Sb11)、第2電子メダルの預入の指示は受付けない。なお、第2電子メダルの預入の指示を利用者Pから受付けた場合に、制御装置21が、例えば当該指示が無効であることを表示装置24に表示させ、当該指示に応じた預入のための処理(Sb13−Sb15)を実行しない構成も想定される。なお、第1電子メダルの預入のための処理(Sb13−Sb15)は第1実施形態と同様である。以上の通り、第3実施形態においては第2電子メダルの預入が許容されないから、利用者Pは、第2電子メダルの引出により発生した第2クレジットを、引出先のゲーム装置20においてのみ使用する。
第1電子メダルについては電子メダル口座に対する預入が可能である。したがって、複数のゲーム装置20の間における第1電子メダルの転送により、多様なゲーム装置20において第1電子メダルを使用することが可能である。第1電子メダルの取得には第2電子メダルと比較して多数の通貨が必要であるから、第1電子メダルが多様なゲーム装置20において使用されるのは特段の問題とならない。
第2電子メダルについても複数のゲーム装置20の間における転送が許容される構成(例えば第1実施形態)においては、利用者Pは、例えば第2電子メダルが報酬として付与される低難易度のゲームにより第2電子メダルを増加させ、増加後の第2電子メダルを他のゲーム装置20に転送してゲームをプレイすることが可能である。したがって、転送先のゲーム装置20において利用者Pが過度に長時間にわたりゲームをプレイできる可能性がある。第2電子メダルは第1電子メダルと比較して安価に取得可能であるから、第2電子メダルが多様なゲーム装置20において長時間にわたり使用されると遊技施設の収益が低下するという問題がある。
以上の事情を考慮して、第3実施形態においては、前述の通り、第2電子メダルが電子メダル口座に対して預入不能である構成を採用する。すなわち、第2電子メダルの使用は当該第2電子メダルの引出先のゲーム装置20に限定され、複数のゲーム装置20の間で第2電子メダルを転送することは禁止される。以上の構成によれば、第2電子メダルが多様なゲーム装置20において長時間にわたり使用される可能性が低減される。したがって、遊技施設の収益を確保し易いという利点がある。
[変形例]
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
(1)第1電子メダルおよび第2電子メダルの一方を他方に変換してもよい。例えば、電子メダル口座からゲーム装置20に引出された第1電子メダルを、制御装置21が第2電子メダルに変換する構成、または、電子メダル口座からゲーム装置20に引出された第2電子メダルを、制御装置21が第1電子メダルに変換する構成が想定される。
なお、例えば第3実施形態のように第2電子メダルの預入が禁止される構成では、利用者Pは、ゲーム装置20に引出された第2電子メダルの全数量を使い切るか、当該第2電子メダルが残存した状態でゲームを終了する(すなわち第2電子メダルの残量を放棄する)必要がある。以上の事情を考慮すると、電子メダル口座からゲーム装置20に引出された第2電子メダルを、制御装置21が第1電子メダルに変換する構成が好適である。変換後の第1電子メダルは、図7に例示した処理(Sb13−Sb15)により電子メダル口座に預入される。以上の構成によれば、ゲーム装置20に残留した第2電子メダルを第1電子メダルに変換したうえで電子メダル口座に預入可能である。したがって、遊技施設に再来する誘因を利用者Pに付与できるという利点がある。また、ゲーム装置20に引出された第2電子メダルの全数量を、利用者Pが使い切る必要がないという利点もある。
以上の構成において、第2電子メダルは、例えば所定の変換率ρで第1電子メダルに変換される。すなわち、第2電子メダルは、当該第2電子メダルの数量に変換率ρを乗算した数量の第1電子メダルに変換される。変換率ρは所定の正数である。
ここで、通貨が変換率α1で第1電子メダルに変換され、変換率α2で第2電子メダルに変換されることを考慮すると、変換率ρを、変換率α2の逆数1/α2と変換率α1との乗算値α1/α2に設定する構成が想定される。以上の構成によれば、通貨に対する価値を低下させずに第2電子メダルが第1電子メダルに変換される。しかし、以上のように価値を低下させない変換を許容すると、第2電子メダルの預入を禁止した第3実施形態の趣旨が減殺される結果となる。したがって、第2電子メダルから第1電子メダルへの変換率ρは、変換率α2の逆数1/α2と変換率α1との乗算値α1/α2を下回る数値に設定されることが望ましい。例えば、変換率ρは、乗算値α1/α2の1/10程度の数値に設定される。すなわち、利用者Pは、価値の低下を甘受したうえで第2電子メダルを第1電子メダルに変換し、当該第1電子メダルを電子メダル口座に預入する。
なお、第1電子メダルと第2電子メダルとは通貨に対する価値が相違するから、基本的には、第1電子メダルと第2電子メダルとの間の変換は許容されない構成が好適である。具体的には、第1電子メダルは第2電子メダルに変換不能である構成が好適である。また、第2電子メダルを第1電子メダルに変換不能である構成も想定される。例えば、第1電子メダルと第2電子メダルとの間における相互的な変換は禁止される。
なお、以上の説明においては、第1電子メダルおよび第2電子メダルの一方から他方への変換をゲーム装置20の制御装置21が実行する構成を例示したが、管理システム10の制御装置11が、電子メダル口座に保持された第1電子メダルを第2電子メダルに変換する構成、または、電子メダル口座に保持された第2電子メダルを第1電子メダルに変換する構成も想定される。
(2)第3実施形態においては、第2電子メダルが電子メダル口座に預入不能である構成を例示したが、第2電子メダルの使用を特定のゲーム装置20に制限するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、電子メダル口座に対する第2電子メダルの預入を許可する一方、特定のゲーム装置20が送信した預入要求により電子メダル口座に預入された第2電子メダルについては、同機種のゲーム装置20に対する引出のみを許容してもよい。すなわち、特定のゲーム装置20から電子メダル口座に預入された第2電子メダルについて、他機種のゲーム装置20からの引出は禁止される。
例えば、制御装置11は、預入要求の送信元であるゲーム装置20の機種を識別するための情報(以下「機種情報」という)を、預入対象となる第2電子メダルの保有量X2に対応させて管理データAに登録する。第2電子メダルの引出要求をゲーム装置20から受信すると、制御装置11は、第2電子メダルに対応する機種情報と送信元のゲーム装置20の機種情報とを比較する。制御装置11は、機種情報が一致する場合、引出要求の送信元のゲーム装置20に第2電子メダルを転送し、機種情報が相違する場合には第2電子メダルの転送を実行しない。第2電子メダルの保有量X2および有効期限E2をゲーム装置20の機種毎に個別に管理してもよい。以上のように特定のゲーム装置20において第2電子メダルが専用される構成によれば、利用者Pは、第2電子メダルを電子メダル口座に預入することで、当該ゲーム装置20を利用したゲームを中断できる。
(3)第2電子メダルが付与される利用者Pを、特定の条件を充足する利用者Pに限定してもよい。例えば、ゲームをプレイした経験が少ない利用者Pに対してプレイの誘因を付与するという観点からは、以下の例示の通り、当該ゲームをプレイした経験が少ない利用者Pに限定して第2電子メダルを付与してもよい。
各利用者Pの利用者データQは、当該利用者Pによる各ゲームのプレイの履歴を含む。履歴は、例えば過去に各ゲームをプレイした回数(以下「プレイ回数」という)を含む。
図8は、本態様における準備処理Saの一部を例示するフローチャートである。利用者Pが第2電子メダルを選択すると(Sa7:NO)、制御装置11は、利用者データQに含まれるプレイ回数が所定の閾値を下回るか否かを判定する(Sa20)。プレイ回数が閾値を下回る場合(Sa20:YES)には、利用者Pがゲームをプレイした経験が少ないと評価できる。したがって、制御装置11は、第1実施形態と同様に、付与量G2の第2電子メダルを付与する(Sa10,Sa11)。他方、プレイ回数が閾値を上回る場合(Sa20:NO)、利用者Pに対する第2電子メダルの付与(Sa10,Sa11)は実行されない。例えば、図8に例示される通り、制御装置11は、第2電子メダルの付与に代えて、利用者Pから受付けた通貨に対応する数量(付与量G1)の第1電子メダルを当該利用者Pに付与する(Sa8,Sa9)。
以上の構成によれば、ゲームの経験が少ない利用者Pに第2電子メダルを付与することで、当該ゲームをプレイする利用者Pの範囲を効果的に拡大できる。なお、第2電子メダルを付与する利用者Pの条件は、プレイ回数が閾値を下回ることに限定されない。例えば、電子メダル口座における第1電子メダルの保有量X1が所定の閾値を下回る利用者Pは、ゲームの経験が少ない利用者Pであると推定される。したがって、保有量X1が閾値を下回る場合に、利用者Pに対する第2電子メダルの付与を許容してもよい。
(4)前述の各形態においては、払出装置27をゲーム装置20に設置したが、払出装置27を管理システム10に設置してもよい。また、管理システム10およびゲーム装置20とは別個の装置として払出装置27を設置してもよい。
(5)前述の各形態においては、受付装置18が受付けた通貨に対応する電子メダルを利用者Pに付与する機能(以下「付与機能」という)を管理システム10に搭載したが、受付装置18と付与機能とを各ゲーム装置20に搭載してもよい。第2電子メダルの預入が禁止される第3実施形態においては、管理システム10において利用者Pに第2電子メダルを付与する必要性は低い。したがって、受付装置18と付与機能とをゲーム装置20に搭載し、利用者Pに対する第2電子メダルの付与をゲーム装置20のみで実行してもよい。すなわち、第2電子メダルの電子メダル口座を各ゲーム装置20が管理してもよい。なお、受付装置18と付与機能とをゲーム装置20に搭載した構成によれば、管理システム10を介した第2電子メダルの引出を省略できるという利点がある。以上の例示から理解される通り、受付装置18と付与機能とは、ゲームシステム1を構成する何れかの要素(例えば管理システム10またはゲーム装置20)に搭載される。
(6)前述の各形態においては、利用者Pの顔画像データを生体情報Bとして利用する顔認証を例示したが、生体情報Bの種類は以上の例示に限定されない。例えば、利用者Pの虹彩パターンを生体情報Bとして利用する虹彩認証、利用者Pの指紋パターンを生体情報Bとして利用する指紋認証、利用者Pの静脈パターンを生体情報Bとして利用する静脈認証、または、利用者Pの声紋パターンを生体情報Bとして利用する音声認証等の任意の生体認証が、前述の各形態における認証処理Sa3として実行される。検出装置17は、以上に例示した各生体情報B(例えば顔画像データ,虹彩パターン,指紋パターン,静脈パターンまたは声紋パターン)を取得する要素として包括的に表現される。
(7)物理メダルの払出を実行する構成を例示したが、払出装置27がチケットまたは貨幣の払出を実行してもよい。以上の例示から理解される通り、払出装置27による払出の対象は、物理遊技媒体として包括的に表現される。
(8)前述の各形態においては、通貨と引換えに第2電子メダルを利用者Pに付与したが(Sa10)、第2電子メダルを利用者Pに付与する条件は以上の例示に限定されない。例えば、利用者Pが通貨と引換えに第1電子メダルを取得した場合に、第2電子メダルを当該利用者Pに付与してもよい。すなわち、第1電子メダルの取得を条件として無料で第2電子メダルが利用者Pに付与される。例えば第1電子メダルの付与量G1に所定の係数を乗算した数量の第2電子メダルが利用者Pに付与される。
(9)前述の各形態においては、第1収集アイテムの個数N1と第2収集アイテムの個数N2との双方を計数したが、個数N1および個数N2の一方のみを計数してもよい。例えば、第1動作モードにおいて、制御装置21は第1収集アイテムの個数N1を計数し、第2収集アイテムの個数N2は計数しない。第1動作モードから第2動作モードに変更されると、制御装置21は、第1収集アイテムの個数N1をゼロに初期化したうえで、第2収集アイテムの個数N2を計数する。また、第2動作モードから第1動作モードに変更されると、制御装置21は、第2収集アイテムの個数N2をゼロに初期化したうえで、第1収集アイテムの個数N1を計数する。
(10)前述の各形態においては、第1電子メダルに対応する第1クレジットと第2電子メダルに対応する第2クレジットとがゲーム装置20において併存する構成を例示したが、第1クレジットおよび第2クレジットの一方のみがゲーム装置20において計数される構成も想定される。例えば、第1クレジットに残量がある状態で第2電子メダルの引出が利用者Pから指示された場合に、当該第1クレジットの数量C1に応じた第1電子メダル(預入量Z1)が自動的に電子メダル口座に預入されてもよい。同様に、第2クレジットに残量がある状態で第1電子メダルの引出が利用者Pから指示された場合に、当該第2クレジットの数量C2に応じた第2電子メダル(預入量Z2)が自動的に電子メダル口座に預入されてもよい。
(11)前述の各形態においては、認証処理Sa3の成功毎に第1電子メダルの有効期限E1を延長したが、有効期限E1の延長の条件は以上の例示に限定されない。例えば、管理システム10の読取装置16が利用者Pの記録媒体30から識別情報Uを取得した場合(すなわち利用者Pの来場が確認できた場合)に有効期限E1を延長してもよい。また、電子メダルの保有量X1に付与量G1が加算された場合(Sa8)に有効期限E1を延長してもよい。電子メダル口座から第1電子メダルを引出した場合に有効期限E1を延長してもよい。
(12)前述の各形態においては、第2電子メダルについて有効期限E2を設定したが、利用者データQにおける有効期限E2の登録は省略される。例えば、第2電子メダルについて決定された所定の有効期限(例えば遊技施設の閉店時刻)が到来した場合に、各利用者Pの第2電子メダルの数量をゼロに更新する構成によれば、第2電子メダルの有効期限E2を利用者データQ毎に設定する構成は必須ではない。
(13)前述の各形態においては、遊技施設内の管理システム10が各利用者Pの電子メダル口座を管理したが、管理システム10とは別体の装置(以下「口座管理システム」という)が利用者P毎の電子メダル口座を管理してもよい。口座管理システムは、例えば遊技施設外のサーバ装置により実現され、例えば各利用者Pの管理データAを記憶および更新する。以上の例示から理解される通り、ゲームシステム1の機能と装置との関係(何れの装置に各機能が搭載されるか)は任意である。
(14)前述の各形態に係る管理システム10の機能は、前述の通り、制御装置11を構成する1以上のプロセッサとプログラムとの協働により実現される。同様に、前述の各形態に係るゲーム装置20の機能は、制御装置21を構成する1以上のプロセッサとプログラムとの協働により実現される。以上の各形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記憶装置が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本発明の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
[付記1]
本発明のひとつの態様(付記1)に係るゲームシステム(1)は、第1電子遊技媒体および第2電子遊技媒体がプレイのための対価として使用されるゲームを制御するゲーム制御部(21)と、前記第1電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E1)と前記第2電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E2)とを管理する期限管理部(11)とを具備し、前記第1電子遊技媒体の有効期限(E1)は延長可能であり、前記第2電子遊技媒体の有効期限(E2)は延長不能である。
以上の態様においては、第1電子遊技媒体の有効期限(E1)は延長可能であるのに対し、第2電子遊技媒体の有効期限(E2)は延長不能である。すなわち、第2電子遊技媒体の使用に関する条件は、第1電子遊技媒体の使用に関する条件と比較して厳しい。したがって、例えば、第2電子遊技媒体を第1電子遊技媒体と比較して緩い条件のもとで利用者(P)に提供することで、第1電子遊技媒体を使用する利用者(P)と第2電子遊技媒体を使用する利用者(P)との間の公平性を維持しながら、多数の利用者(P)にゲームをプレイする誘因を付与できる。
「電子遊技媒体」は、利用者(P)がゲームをプレイするために消費されるべき対価としての価値を有する電子的な媒体(すなわち電子データ)である。「電子遊技媒体の使用」とは、ゲームのプレイに関する何らかの行為のために利用者(P)が電子遊技媒体を使用することを意味する。例えば、プレイの開始のために電子遊技媒体を使用すること、ゲーム内の特定のイベントへの参加またはアイテムの獲得等の各種の動作のために電子遊技媒体を使用することが、「電子遊技媒体の使用」の典型例である。
電子遊技媒体の「有効期限」は、当該電子遊技媒体をゲームに有効に使用できる期限である。有効期限が経過した電子遊技媒体は、ゲームに使用できない状態(すなわち無効)となる。例えば、電子遊技媒体の無効化は、例えば、無効であることを意味するデータを電子遊技媒体に対応させる処理、または、電子遊技媒体を消去する処理により実現される。
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記第1電子遊技媒体および前記第2電子遊技媒体は、通貨と引替に利用者(P)に付与され、前記通貨に対する前記第2電子遊技媒体の変換率(α2)は、前記通貨に対する前記第1電子遊技媒体の変換率(α1)を上回る。以上の態様においては、第2電子遊技媒体が第1電子遊技媒体と比較して好条件で利用者(P)に提供される。したがって、第2電子遊技媒体を使用してゲームをプレイする誘因を多数の利用者(P)に付与できる。
「通貨に対する電子遊技媒体の変換率」は、通貨の所定量と引替に利用者(P)に付与される電子遊技媒体の数量を意味する。したがって、「通貨に対する第2電子遊技媒体の変換率(α2)は、通貨に対する第1電子遊技媒体の変換率(α1)を上回る」とは、通貨の所定量に対して利用者(P)に付与される第2電子遊技媒体の数量が、当該所定量に対して利用者(P)に付与される第1電子遊技媒体の数量よりも多いことを意味する。
[付記3]
付記1の具体例(付記3)において、前記ゲームは、当選/落選が確率的に決定される抽選ゲームであり、前記第2電子遊技媒体の使用によりプレイされる前記抽選ゲームでの当選確率(L2)は、前記第1電子遊技媒体の使用によりプレイされる前記抽選ゲームでの当選確率(L1)を上回る。以上の態様においては、第2電子遊技媒体を使用した抽選ゲームにおいて、第1電子遊技媒体を使用した抽選ゲームと比較して当選確率が高い。したがって、第2電子遊技媒体を使用してゲームをプレイする誘因を多数の利用者(P)に付与できる。なお、「抽選ゲーム」は、例えば球体等の抽選体を利用した物理抽選、および、演算装置による演算処理により実現される電子抽選の何れでもよい。
[付記4]
付記1から付記3の何れかの具体例(付記4)に係るゲームシステム(1)は、前記第1電子遊技媒体に対応する物理遊技媒体の払出を実行する払出装置(27)を具備し、前記第2電子遊技媒体については、前記物理遊技媒体としての払出が許容されない。第2電子遊技媒体について物理遊技媒体としての払出が許容される構成では、第2電子遊技媒体を物理遊技媒体として払出したうえで当該物理遊技媒体をゲームに使用することで、第2電子遊技媒体の有効期限(E2)の制限を容易に回避できる。すなわち、第2電子遊技媒体の有効期限(E2)について延長不能とした趣旨が減殺される。第2電子遊技媒体について物理遊技媒体としての払出が許容されない前述の態様によれば、第2電子遊技媒体の有効期限(E2)を制限する運用を有効に維持できる。
物理遊技媒体は、利用者(P)がゲームをプレイするために消費されるべき対価としての価値を有する有体の媒体である。例えば物理メダル(トークンコイン),実貨幣(現金)またはチケットが「物理遊技媒体」として例示される。
第2電子遊技媒体について「物理遊技媒体としての払出が許容されない」とは、第2電子遊技媒体を物理遊技媒体として払出す処理が、ゲーム装置(20)において禁止されるだけでなく、当該ゲームシステム(1)内の如何なる機器においても許容されないことを意味する。
[付記5]
付記1から付記4の何れかの具体例(付記5)において、前記ゲーム制御部(21)は、所定数のアイテムの獲得を条件として特別イベントを開始し、前記第1電子遊技媒体の使用によりプレイされる前記ゲームにおいて前記利用者(P)が獲得するアイテムの個数(N1)と、前記第2電子遊技媒体の使用によりプレイされる前記ゲームにおいて前記利用者(P)が獲得するアイテムの個数(N2)とは、相互に独立に計数される。以上の態様においては、第2電子遊技媒体の使用によりプレイされるゲームにおいて獲得したアイテムを、第1電子遊技媒体の使用によりプレイされるゲームに適用することを禁止できる。
[付記6]
付記1から付記5の何れかの具体例(付記6)に係るゲームシステム(1)は、電子遊技媒体の口座を利用者(P)毎に管理する口座管理部(11)を具備し、前記口座から引出された電子遊技媒体は、相異なるゲームを提供する複数のゲーム装置(20)の各々において使用可能であり、前記第1電子遊技媒体は、前記口座に対して預入可能であり、前記第2電子遊技媒体は、前記口座に対して預入不能である。以上の態様においては、ゲーム装置(20)において使用される第1電子遊技媒体を口座に預入することで他のゲーム装置(20)においても使用可能である。他方、第2電子遊技媒体については口座に対する預入が不能であるから、口座からゲーム装置(20)に引出された第2電子遊技媒体は、他のゲーム装置(20)において使用できない。すなわち、第2電子遊技媒体については複数のゲーム装置(20)における使用を制限できる。
[付記7]
付記1から付記6の何れかの具体例(付記7)において、前記第2電子遊技媒体は、特定の条件を充足する利用者(P)に限定的に付与される。以上の態様においては、特定の条件を充足する利用者(P)に対して限定的に第2電子遊技媒体が付与されるから、例えばゲームの経験が少ない利用者(P)に第2電子遊技媒体を付与することで、当該ゲームをプレイする利用者(P)の範囲を効果的に拡大できる。
[付記8]
付記1から付記7の何れかの具体例において、前記第1電子遊技媒体は、前記第2電子遊技媒体に変換不能である。
[付記9]
付記8の具体例(付記9)において、前記第2電子遊技媒体は、前記第1電子遊技媒体に変換不能である。
[付記10]
本発明のひとつの態様(付記10)に係るゲームシステム(1)の動作方法は、第1電子遊技媒体および第2電子遊技媒体がプレイのための対価として使用されるゲームを制御する一方、前記第1電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E1)と前記第2電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E2)とを管理し、前記第1電子遊技媒体の有効期限(E1)は延長可能であり、前記第2電子遊技媒体の有効期限(E2)は延長不能である。
[付記11]
本発明のひとつの態様(付記11)に係るプログラムは、第1電子遊技媒体および第2電子遊技媒体がプレイのための対価として使用されるゲームを制御するゲーム制御部(21)、および、前記第1電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E1)と前記第2電子遊技媒体を使用可能な有効期限(E2)とを管理する期限管理部(11)としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、前記第1電子遊技媒体の有効期限(E1)は延長可能であり、前記第2電子遊技媒体の有効期限(E2)は延長不能である。
現在時刻が有効期限E内である場合(Sc22:YES)、制御装置11は引出処理Sc23を実行する。引出処理Sc23は、引出対象の電子メダルの保有量X(X1,X2)から引出量Yを減算する処理である。具体的には、引出対象が第1電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第1電子メダルの保有量X1から引出量Yを減算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から引出量Yの第1電子メダルが引出される。他方、引出対象が第2電子メダルである場合、制御装置11は、利用者Pの管理データAが表す第2電子メダルの保有量X2から引出量Yを減算する。すなわち、利用者Pの電子メダル口座から引出量Yの第2電子メダルが引出される。なお、引出量Yが保有量Xを上回る場合、引出量Yが保有量Xに更新されたうえで引出処理Sc23が実行される。他方、現在時刻が有効期限E内でない場合(Sc22:NO)、引出処理Sc23は実行されない。有効期限Eが経過した電子メダルについては、前述の通り、当該電子メダルを無効化する無効処理が実行される(図示略)。