JP2021120590A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】背面室のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体及びプランジャの自励振動を抑制することができる電磁弁を提供する。【解決手段】本発明は、ハウジング2、弁座3、及びプランジャ6により区画され、弁体4が収容される弁体室21と、ハウジング2内でプランジャ6を介して弁体室21に軸方向に対向する位置においてハウジング2とプランジャ6により区画された背面室22と、を備える電磁弁であって、プランジャ6及びハウジング2の少なくとも一方には、弁体室21と背面室22との間でフルードを流通可能な孔状又は溝状の流路が1つ又は複数形成され、プランジャ6、ハウジング2、及び流路61を含む部分を軸方向に直交する平面で切断した断面において、流路61がない状態のプランジャ6の断面積に対する流路61の断面積の合計の割合は、10%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁弁に関する。
一般に、電磁弁の内部(ハウジング内)は、プランジャにより、弁座側の弁体室と弁座とは反対側の背面室とに区画されている。電磁弁の構成は、例えば特開平11−30341号公報及び特開平11−321611号公報に記載されている。ここで、電磁弁を備える装置の異音の原因の1つとして、電磁弁の出入口間で高い差圧が発生している状態で、電磁弁が開弁する際に生じ得る弁体及びプランジャの自励振動が挙げられる。この自励振動は、背面室に存在するフルードが適切にダンパ効果を発揮することで抑制される。
電磁弁の出入口間の差圧が高い状態で、電磁弁が開弁した際、弁体室の液圧が急速に高くなる。弁体室の液圧が高くなった際に、背面室に気泡がなければ、背面室のフルードにより適切なダンパ効果が発揮され、自励振動は抑制される。しかし、背面室のフルードに気泡が発生していると、その分ダンパ効果が減少し、自励振動が発生しやすい状態となる。
特開平11−30341号公報 特開平11−321611号公報
そこで、本発明の目的は、背面室のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体及びプランジャの自励振動を抑制することができる電磁弁を提供することである。
本発明の第1態様に係る電磁弁は、ハウジングと、前記ハウジングに固定され、第1連通孔を有する弁座と、前記ハウジング内に配置され、前記弁座に対して移動することで前記第1連通孔を閉鎖し又は開口させる弁体と、供給された電流に応じて電磁力を発生させるソレノイド部と、前記ハウジング内に配置され、前記電磁力により前記弁体を軸方向一方側に移動させるプランジャと、前記ハウジング内に配置され、前記プランジャを軸方向他方側に付勢する付勢部材と、前記ハウジング、前記弁座、及び前記プランジャにより区画され、前記弁体が収容される弁体室と、前記ハウジング内で前記プランジャを介して前記弁体室に軸方向に対向する位置において、前記ハウジングと前記プランジャにより区画された背面室と、前記ハウジングに形成され、前記弁体室に開口する第2連通孔と、を備える電磁弁であって、前記プランジャ及び前記ハウジングの少なくとも一方には、前記弁体室と前記背面室との間でフルードを流通可能な孔状又は溝状の流路が1つ又は複数形成され、前記プランジャ、前記ハウジング、及び前記流路を含む部分を軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記流路がない状態の前記プランジャの断面積に対する前記流路の断面積の合計の割合は、10%以上である。
本発明の第2態様に係る電磁弁は、ハウジングと、前記ハウジングに固定され、第1連通孔を有する弁座と、前記ハウジング内に配置され、前記弁座に対して移動することで前記第1連通孔を閉鎖し又は開口させる弁体と、供給された電流に応じて電磁力を発生させるソレノイド部と、前記ハウジング内に配置され、前記電磁力により前記弁体を軸方向一方側に移動させるプランジャと、前記ハウジング内に配置され、前記プランジャを軸方向他方側に付勢する付勢部材と、前記ハウジング、前記弁座、及び前記プランジャにより区画され、前記弁体が収容される弁体室と、前記ハウジング内で前記プランジャを介して前記弁体室に軸方向に対向する位置において、前記ハウジングと前記プランジャにより区画された背面室と、前記ハウジングに形成され、前記弁体室に開口する第2連通孔と、を備え、ブレーキ液をリザーバに排出する減圧流路に設けられる電磁弁であって、前記弁体室に接続されたダンパを備える。
第1連通孔側の液圧と第2連通孔側の液圧との差圧が高い状態で、電磁弁が開弁した際、弁体室の液圧が急速に高くなる。自励振動は、弁体室の液圧が背面室の液圧に対して高くなり且つダンパ効果が低下している際に発生しやすい。ここで、本発明の第1態様によれば、電磁弁の開弁により弁体室に流入したフルードの一部が、流路を介して背面室にも流入しやすくなる。つまり、開弁時に背面室の液圧も弁体室の液圧とともに高まりやすくなることで、開弁時における弁体室の液圧と背面室の液圧との差圧を小さくすることができる。したがって、本発明の第1態様によれば、背面室のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体及びプランジャの自励振動を抑制することができる。
本発明の第2態様によれば、第1連通孔側の液圧と第2連通孔側の液圧との差圧が高い状態で、電磁弁が開弁した際、弁体室に接続されたダンパが機能し、弁体室の液圧の急上昇が抑制される。弁体室の液圧上昇が遅れることで、開弁時における弁体室の液圧と背面室の液圧との差圧を小さくすることができる。つまり、本発明の第2態様によれば、背面室のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体及びプランジャの自励振動を抑制することができる。なお、ダンパによりブレーキ液のリザーバへの到達が遅れたとしても、ブレーキ液は電磁弁を通過しており、減圧性能に影響はない。
第1実施形態の電磁弁の構成図である。 図1のII−II線断面図(軸直交断面図)である。 第1実施形態の電磁弁を車両用制動装置に適用した場合の構成図である。 第1実施形態のプランジャの例を説明するための説明図である。 第1実施形態の実験結果を示す図である。 第1実施形態の変形態様に係る電磁弁の軸直交断面(図2相当図)である。 第2実施形態の電磁弁が適用された車両用制動装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。説明に用いる各図は概念図である。第1実施形態及び第2実施形態の構成は、非通電時に閉弁するノーマルクローズ型の電磁弁を例として説明される。また、説明において、プランジャ6の軸方向を単に「軸方向」と称する。
<第1実施形態>
第1実施形態の電磁弁1は、図1に示すように、ハウジング2と、弁座3と、第1連通孔31と、弁体4と、ソレノイド部5と、プランジャ6と、付勢部材7と、弁体室21と、背面室22と、第2連通孔23と、を備えている。
ハウジング2は、電磁弁1の構成部品を収容する金属部材である。ハウジング2は、複数の筒状部材により構成されてもよい。第1実施形態のハウジング2は、軸方向一端側を構成する第1筒状部2a、軸方向他端側を構成する第2筒状部2b、及び軸方向他端部に固定される後述する固定コア52により構成されている。ハウジング2の形状は、有底筒状といえる。
弁座3は、ハウジング2に固定され、第1連通孔31を有している。より詳細に、弁座3は、ハウジング2の軸方向一端部(第1筒状部2a)の開口を塞ぐように、ハウジング2の軸方向一端部に固定された金属製の弁座部材である。弁座3の中央には、軸方向に延びる第1連通孔31が形成されている。第1連通孔31は、電磁弁1の内外を連通させる。
弁体4は、ハウジング2内に配置され、弁座3に対して移動することで第1連通孔31を閉鎖し又は開口させる金属部材である。弁体4は、半球状に形成され、プランジャ6の先端部にロッド41を介して固定されている。弁体4が弁座3に着座(第1連通孔31を囲むように当接)することで、第1連通孔31は閉鎖される。この状態で、電磁弁1は閉弁する。また、弁体4が弁座3から離座(第1連通孔31の囲みを解くように離間)することで、第1連通孔31は開口される。この状態で、電磁弁1は開弁する。なお、図面において、弁体4及びロッド41のハッチングは省略されている。
ソレノイド部5は、供給された電流に応じて電磁力を発生させる部材である。ソレノイド部5は、コイル51と、固定コア52と、を備えている。コイル51は、ハウジング2の軸方向他端部(第2筒状部2b)の外周面にボビンを介して固定されている。固定コア52は、磁性体で構成された有底円筒状の部材である。固定コア52は、第2筒状部2bの開口を塞ぐように第2筒状部2bに固定されている。固定コア52は、ハウジング2の軸方向他端部(底部)を構成している。コイル51に電流が供給されると、電磁力が発生し、コイル51、固定コア52、及びプランジャ6により磁力回路が形成される。
プランジャ6は、ハウジング2内に配置され、電磁力により弁体4を軸方向一方側に移動させる可動コア部材である。プランジャ6は、磁性体で構成され、ハウジング2の内周面形状に応じた形状(ここでは円柱状)に形成されている。プランジャ6は、ハウジング2内を軸方向に移動可能とするために、ハウジング2の内周面に対して微小なクリアランスを介して配置されている。クリアランスは、プランジャ6の軸ずれ(がたつき)を抑制するために極力微小に設定されている。したがって、設計において、クリアランスを介したフルードの流通は想定されていない。プランジャ6の詳細構成は後述する。
付勢部材7は、ハウジング2内に配置され、プランジャ6を軸方向他方側に付勢するばねである。付勢部材7は、固定コア52とプランジャ6との間に配置されている。付勢部材7は、プランジャ6及び弁体4を弁座3に向けて押圧している。少なくともコイル51に電流が供給されていない状態で、付勢部材7は、弁体4を弁座3に着座させる。ソレノイド部5が発生させる電磁力が付勢部材7の付勢力を上回ることで、プランジャ6が軸方向一方側に移動し、弁体4が弁座3から離座する。
ハウジング2内には、プランジャ6を挟んで、軸方向他方側に弁体室21が形成され、軸方向一方側に背面室22が形成されている。詳細に、弁体室21は、ハウジング2、弁座3、及びプランジャ6により区画され、弁体4が収容される部屋(空間)である。背面室22は、ハウジング2内でプランジャ6を介して弁体室21に軸方向に対向する位置において、ハウジング2とプランジャ6により区画された部屋(空間)である。背面室22には、付勢部材7が配置されている。フルードで満たされた背面室22は、プランジャ6の振動に対してダンパ機能を発揮する。
第2連通孔23は、ハウジング2に形成され、弁体室21に開口する流路である。第2連通孔23はハウジング2に複数形成されてもよく、複数の第2連通孔23はハウジング2外で1つの流路に集約されてもよい。第1連通孔31側の液圧が第2連通孔23側の液圧(弁体室21の液圧)よりも高い状態で、電磁弁1が開弁すると、第1連通孔31から弁体室21にフルードが流入し、弁体室21から第2連通孔23を介して電磁弁1の外部にフルードが流出する。
ここで、自励振動の発生のメカニズムについて簡単に説明する。弁体室21と背面室22とを連通させる本実施形態よりも細い流路を有する従来の電磁弁の構成において、高い差圧状態(第1連通孔31の液圧>弁体室21の液圧)で電磁弁1が開弁されると、プランジャ6のリフト速度が過渡的に速くなる。これにより、弁体室21に脈動が発生し、背面室22の液圧上昇(応答)が弁体室21の液圧上昇に対して遅れる。この結果、プランジャ6の軸方向両端(弁体室21と背面室22との間)に差圧が発生する。この差圧によりプランジャ6に起振力が働き、背面室22のダンパ効果が低下している場合、自励振動が発生しやすくなる。
(流路)
図1及び図2に示すように、プランジャ6には、弁体室21と背面室22との間でフルードを流通可能な孔状の流路61が複数形成されている。流路61は、通常のフルード状態(想定使用温度)でフルードが流通できる流路断面積を有している。流路61は、プランジャ6を軸方向に貫通する貫通孔であって、軸方向に一定の径で延びている。電磁弁1を軸方向に直交する平面で切断した断面(以下「軸直交断面」ともいう)における流路61の形状は、円形状である。プランジャ6には、2つの流路61が形成されている。2つの流路61は、互いに同一径であり、周方向に等間隔に形成されている。
図2に示すように、プランジャ6、ハウジング2、及び流路61を含む部分を軸方向に直交する平面で切断した断面(軸直交断面)において、流路61がない状態のプランジャ6の断面積に対する流路61の断面積の合計の割合(以下「流路割合」という)は、10%以上である。換言すると、プランジャ6の受圧面積に対する、流路61の開口面積(流路断面積)の合計は、10%以上となる。流路61がない状態(流路61が形成される前)のプランジャ6の軸直交断面は、円形状である。第1実施形態の流路割合は、10%である。
簡略的に説明すると、図3に示すように、1つの流路61(直径ΦA)の断面積Aに流路数zを乗算した値を、プランジャ6(直径ΦB)の断面積Bで除算した値が0.1以上となる。関係式は、(A×z)/B≧0.1である。第1実施形態では、(A×2)/B=0.1が成立する。
なお、プランジャ6の軸方向の両端部は、面取り処理等によりテーパ状になっていてもよい。プランジャ6の形状によっては、切断する平面の位置により、流路61の軸直交断面の形状が変わる場合がある。例えば、図4に示すように、軸方向中央の断面では円形状であり、軸方向端部の断面では溝状(C字状)になることがある。したがって、流路割合の演算は、流路61の形状が一定に保たれている部分(例えば軸方向両端部を除く部分)の軸直交断面に対して行われる。
また、軸方向両端部で流路61の断面が円形状から溝状になる場合、当該溝状の断面の位置では、流路61は背面室22又は弁体室21に接触しており、ハウジング2の内周面とプランジャ6との間に流路61が形成されているといえる。つまり、フルード流通の観点で、プランジャ6の軸方向端部の流路61には、ハウジング2とプランジャ6との間の隙間が含まれる(図4参照)。ハウジング2の軸方向他端部とプランジャ6の軸方向他端部の形状が同様の形状であったとしても、軸方向他端部における当該隙間は、電磁弁1が閉弁されているとき大きくなる。つまり、電磁弁1が閉弁から開弁になる際には、プランジャ6の軸方向他端部の流路61は隙間を含めて大きく保たれている。したがって、流路61が存在する位置での流路割合は、軸方向のどの部分においても10%以上となる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によれば、電磁弁1の開弁により弁体室21に流入したフルードの一部が、流路を介して背面室22にも流入しやすくなる。つまり、開弁時に背面室22の液圧も弁体室21とともに高まりやすくなることで、開弁時における弁体室21の液圧と背面室22の液圧との差圧を小さくすることができる。したがって、第1実施形態によれば、背面室22のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体4及びプランジャ6の自励振動を抑制することができる。
(実験)
第1実施形態の電磁弁1の構成において、流路61の数と流路割合とを変更した複数のケースについて自励振動の実験を行った。具体的に、実験において、流路61の数は2つ、4つ、及び6つであり、それぞれのケースについて流路割合(すなわち流路径)が変更された。各ケースにおいて、複数の流路61は、互いに同一径であり、周方向に等間隔に形成されている。
図3に示すように、車両用制動装置9の減圧流路91に適用された電磁弁1により実験が行われた。減圧流路91は、高圧側部材としてのホイールシリンダ92と、低圧側部材としてのリザーバ93とを接続する流路である。電磁弁1は、減圧流路91に設けられている。つまり、第1連通孔31がホイールシリンダ92に接続され、第2連通孔23がリザーバ93に接続されている。フルードは、ブレーキ液である。
電磁弁1が閉弁された状態で、ホイールシリンダ92の液圧(以下「ホイール圧」という)を加圧装置94により所定圧まで加圧する。所定圧は、緊急ブレーキ以外のブレーキ操作に対して設定される目標ホイール圧の範囲である通常使用範囲(例えば0〜3MPa)内の値(本実験では通常使用範囲の最大値である3MPa)に設定されている。また、電磁弁1の背面室22には、所定量の気泡が存在するように、各ケースで同様の気泡注入処理が施されている。本実験の気泡注入処理は、高温で気泡含有率の飽和したフルードを、気泡含有率の低い低温にすることで気泡を析出する処理である。
本実験では、ホイール圧が所定圧でリザーバ93が大気圧である状態、すなわちホイール圧(第1連通孔31の液圧)とリザーバ93の液圧(第2連通孔23の液圧)とに所定差圧が発生している状態で、電磁弁1に所定電流を印加し、電磁弁1を閉弁状態から開弁状態に移行させる。これにより、車両用制動装置9において、制動状態から制動力を減少させる際(ホイール圧を減圧する際)に電磁弁1に発生し得る自励振動について実験することができる。
図5に示すように、実験結果によれば、所定差圧状態で電磁弁1を開弁させたとき、弁体室21の液圧P1と背面室22の液圧P2(P1>P2)との差圧(以下「弁内差圧」という)を0.02MPa以下に抑えられると、自励振動が発生しないことが分かった。流路61が2つの場合、流路割合が10%になると、弁内差圧を0.02MPaに抑えることができる。つまり、流路61が2つで且つ流路割合が10%以上である場合、自励振動の発生が抑制される。
流路61が4つである場合、流路割合が10%において、弁内差圧は0.02MPaより大きいが0.04MPaより小さくなる。これにより、自励振動は発生し得るが、その強度(自励振動における振幅)を低下させることができる。つまり、プランジャ6の自励振動により発生する音の音量を小さくすることができる。流路61が4つで且つ流路割合が10%以上である場合、自励振動の強度が抑制される。流路61が4つの場合、流路割合が約12%となると、弁内差圧が0.02MPa付近となる。
流路61が6つである場合、流路割合が10%において、弁内差圧は0.02MPaより大きいが0.04MPaより小さくなる。これにより、上記同様、自励振動は発生し得るが、その強度を低下させることができる。流路61が6つで且つ流路割合が10%以上である場合、自励振動の強度が抑制される。流路61が6つの場合、流路割合が約15%となると、弁内差圧が0.02MPa付近となる。
この実験結果によれば、流路割合が10%以上であることで、自励振動の発生又は強度を抑制可能であることが分かる。また、同じ流路割合で、流路61の数が増えると、その分1つの流路61の流路断面積が小さくなる。流路61が細くなるほど、フルードが流通しにくくなり、弁内差圧が生じやすくなる。この観点及び実験結果から、流路割合が10%以上であり且つ6つ以下の流路61が形成されていることが好ましい。さらに、流路割合が15%以上であり且つ6つ以下の流路61が形成されていることが好ましい。この構成によれば、自励振動の発生自体を効果的に抑制することができる。
(第1実施形態の変形態様)
本発明の第1態様は、上記実施形態及び実験構成に限られない。例えば、図6に示すように、流路61は、ハウジング2の内周面に溝状に設けられてもよい。この構成であっても、流路割合が10%以上であることで、上記同様の原理により、自励振動の発生又は強度を抑制することができる。つまり、第1実施形態において、プランジャ6及びハウジング2の少なくとも一方には、弁体室21と背面室22との間でフルードを流通可能な孔状又は溝状の流路が1つ又は複数形成されている。
また、流路61がハウジング2に設けられることで、磁性体であるプランジャ6の体積が維持され、コイル51に印加する電流値の調整が不要となる。また、この場合、制御における電流値を増大させる必要もない。また、流路61は、プランジャ6及びハウジング2の両方に設けられてもよい。このように、流路61は、プランジャ6及びハウジング2の少なくとも一方に設けられればよい。また、流路61は、7つ以上形成されてもよい。なお、流路61は少数(例えば2つ)であることは、製造容易の観点においても有利である。また、複数の流路61が周方向に等間隔に形成されることで、フルードをバランス良く流通させることができる。
また、電磁弁1は、非通電時に開弁するノーマルオープン型の電磁弁であってもよい。この場合、電磁弁1が通電により閉弁され且つ出入口間に高い差圧が発生している状態で、調圧のために電磁弁1が開弁されると、ノーマルクローズ型の電磁弁1と同様、弁内差圧が発生する。この際、流路割合が10%以上であることで、上記同様の原理により、自励振動の発生又は強度を抑制することができる。この効果は、例えば、プランジャ6の形状が軸方向で変わる場合、又は複数のプランジャ6が軸方向に並んで配置されている場合でも同様に発揮される。電磁弁1の型にかかわらず、弁体室21と背面室22との間の連通路(フルードの流通路)において、流路割合が10%以上で維持されるように流路61が形成されればよい。
<第2実施形態>
第2実施形態の電磁弁10は、ハウジング2と、弁座3と、第1連通孔31と、弁体4と、ソレノイド部5と、流路61がないプランジャ6と、付勢部材7と、弁体室21と、背面室22と、第2連通孔23と、を備えている(図1参照)。この構成の説明については、第1実施形態の説明及び図面を参照できるため省略する。
図7に示すように、第2実施形態の電磁弁10は、ブレーキ液をリザーバ93に排出する減圧流路91に設けられている。つまり、電磁弁10は、車両用制動装置9の減圧流路91に適用されている。電磁弁10は、上記構成に加えて、弁体室21に接続されたダンパ8を備えている。ダンパ8は、減圧流路91において弁体室21とリザーバ93との間に配置されている。なお、車両用制動装置9は、ホイールシリンダ92及び加圧装置94を備えている。
ダンパ8は、液圧の急変を吸収して液圧の脈動を抑制する装置である。ダンパ8は、例えば、図示略のシリンダ、ピストン、及びピストンをシリンダ開口側に付勢するばねを備えた液圧ダンパであってもよい。弁体室21に流入したブレーキ液は、ピストンをシリンダ底面側に移動させながら、シリンダ開口からシリンダ内に流入する。このように、ダンパ8により、弁体室21の液圧の急上昇が緩和され、弁体室21の液圧の上昇タイミングと背面室22の液圧の上昇タイミングとのずれが小さくなる。これにより、開弁時の弁内差圧の増大が抑制され、自励振動の発生を抑制することができる。
第2実施形態によれば、第1連通孔31側の液圧と第2連通孔23側の液圧との差圧が高い状態で、電磁弁10が開弁した際、弁体室21に接続されたダンパ8が機能し、弁体室21の液圧の急上昇が抑制される。弁体室21の液圧上昇が遅れることで、開弁時における弁体室21の液圧と背面室22の液圧との差圧を小さくすることができる。つまり、第2実施形態によれば、背面室22のフルードに気泡が発生している状態においても、弁体4及びプランジャ6の自励振動を抑制することができる。なお、ダンパ8によりブレーキ液のリザーバ93への到達が遅れたとしても、ブレーキ液は電磁弁1を通過しており、減圧性能に影響はない。
本発明の第2態様は上記構成に限られない。例えば、第1実施形態同様、電磁弁10は、ノーマルオープン型の電磁弁であってもよい。また、ダンパ8は、減圧流路91に設けられた容積ダンパであってもよい。容積ダンパは、減圧流路91の容積を増大させるものであり、例えば減圧流路91から分岐した部屋である。これによっても、開弁時の弁体室21の液圧の急上昇を緩和することができる。
(その他)
また、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成とを組み合わせてもよい。例えば、図1の電磁弁1は、弁体室21に接続されるダンパ8を備えてもよい。ダンパ8は、図3において、第2連通孔23とリザーバ93との間に接続されてもよい。また、第2実施形態の電磁弁10は、流路割合が10%以上となるような流路61を備えてもよい。これらによれば、より確実に自励振動を抑制することができる。また、第1実施形態の電磁弁1は、車両用制動装置9に限らず、他の装置に適用可能である。
1、10…電磁弁、2…ハウジング、21…弁体室、22…背面室、23…第2連通孔、3…弁座、31…第1連通孔、4…弁体、5…ソレノイド部、6…プランジャ、61…流路、7…付勢部材、8…ダンパ、91…減圧流路、93…リザーバ。

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに固定され、第1連通孔を有する弁座と、
    前記ハウジング内に配置され、前記弁座に対して移動することで前記第1連通孔を閉鎖し又は開口させる弁体と、
    供給された電流に応じて電磁力を発生させるソレノイド部と、
    前記ハウジング内に配置され、前記電磁力により前記弁体を軸方向一方側に移動させるプランジャと、
    前記ハウジング内に配置され、前記プランジャを軸方向他方側に付勢する付勢部材と、
    前記ハウジング、前記弁座、及び前記プランジャにより区画され、前記弁体が収容される弁体室と、
    前記ハウジング内で前記プランジャを介して前記弁体室に軸方向に対向する位置において、前記ハウジングと前記プランジャにより区画された背面室と、
    前記ハウジングに形成され、前記弁体室に開口する第2連通孔と、
    を備える電磁弁であって、
    前記プランジャ及び前記ハウジングの少なくとも一方には、前記弁体室と前記背面室との間でフルードを流通可能な孔状又は溝状の流路が1つ又は複数形成され、
    前記プランジャ、前記ハウジング、及び前記流路を含む部分を軸方向に直交する平面で切断した断面において、前記流路がない状態の前記プランジャの断面積に対する前記流路の断面積の合計の割合は、10%以上である電磁弁。
  2. 前記プランジャ及び前記ハウジングの少なくとも一方には、6つ以下の前記流路が形成されている請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記流路がない状態の前記プランジャの断面積に対する前記流路の断面積の合計の割合は、15%以上である請求項1又は2に記載の電磁弁。
  4. ハウジングと、
    前記ハウジングに固定され、第1連通孔を有する弁座と、
    前記ハウジング内に配置され、前記弁座に対して移動することで前記第1連通孔を閉鎖し又は開口させる弁体と、
    供給された電流に応じて電磁力を発生させるソレノイド部と、
    前記ハウジング内に配置され、前記電磁力により前記弁体を軸方向一方側に移動させるプランジャと、
    前記ハウジング内に配置され、前記プランジャを軸方向他方側に付勢する付勢部材と、
    前記ハウジング、前記弁座、及び前記プランジャにより区画され、前記弁体が収容される弁体室と、
    前記ハウジング内で前記プランジャを介して前記弁体室に軸方向に対向する位置において、前記ハウジングと前記プランジャにより区画された背面室と、
    前記ハウジングに形成され、前記弁体室に開口する第2連通孔と、
    を備え、ブレーキ液をリザーバに排出する減圧流路に設けられる電磁弁であって、
    前記弁体室に接続されたダンパを備える電磁弁。
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