JP2021119575A - 発光装置を有する自動車の内装、および発光装置を有する自動車の外装 - Google Patents

発光装置を有する自動車の内装、および発光装置を有する自動車の外装 Download PDF

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Yohei Monma
洋平 門馬
公彦 菅野谷
Kimihiko Suganoya
公彦 菅野谷
早紀 江口
Saki Eguchi
早紀 江口
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Abstract

【課題】湾曲した発光面を備える発光装置を提供する。また、信頼性の高い発光装置を提供する。【解決手段】基板に可塑性を有する基板を用い、基板を平坦にした状態で発光素子を形成し、次いで、湾曲した表面を備える支持体の該表面に、上記発光素子が形成された基板を湾曲させて配置する。その後、その状態のまま発光素子を保護する保護層を形成することにより、湾曲した発光面を備える照明装置や表示装置などの発光装置を作製すればよい。【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置とその作製方法に関する。特に曲面を有する発光装置に関する。
有機EL(Electroluminescence)素子の研究開発が盛んに行われ
ている。有機EL素子(以下、EL素子、または発光素子ともいう。)の基本的な構成は
、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層を挟持したものである。この素子に電圧を
印加することにより、発光性の有機化合物から発光を得ることができる。
有機EL素子が適用された発光装置としては、例えば照明装置や、薄膜トランジスタを
組み合わせた画像表示装置などが挙げられる。
有機EL素子は膜状に形成することが可能であるため大面積の素子を容易に形成するこ
とができ、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。例えば、特許文献1には
、有機EL素子を用いた照明器具が開示されている。
また、有機EL素子が適用された画像表示装置は、液晶表示装置等で必要であったバッ
クライトが不要なため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消費電力な表示装置を実現
できる。
有機EL素子を形成する際に、絶縁表面を有する基板上に形成した下部電極上に、発光
性の有機化合物を含む層を形成する方法としては、例えば真空蒸着法や塗布法などがある
。また、下部電極や上部電極を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法の
ほか、塗布法、印刷法などがある。
また近年では、発光装置の形状の多様化が求められている。その一つに、曲面を有する
発光装置がある。発光装置に曲面を持たせることによりデザイン性や汎用性が高まり、設
置する場所や組み込む部材の形状の自由度が高まる。例えば建造物や自動車の内装または
外装の曲面に沿って照明装置や表示装置を組み込むことが可能となる。またリストバンド
などの着用可能な照明装置や表示装置、曲面を有する表示部を備えた携帯電話やタブレッ
ト端末などの携帯端末など、様々な用途に用いることができる。
特開2009−130132号公報
ここで、EL素子を構成する下部電極、発光性の有機化合物を含む層、及び上部電極を
順次積層して形成する際、基板面内で各々の厚さを均一にする必要がある。これらの厚さ
が基板面内で不均一であると、基板面内で発光輝度に分布が生じる場合がある。特に電極
間に挟持される発光性の有機化合物を含む層の厚さが薄い箇所では、電界集中により輝度
が高くなる、またはショートしてしまう恐れがあり、一方この厚さが厚い場合には発光に
要する電圧が高くなり、輝度が低下する、または非発光な領域が形成されてしまう。
しかしながら、曲面を有する基板にEL素子を形成する場合、EL素子を構成する下部
電極、発光性の有機化合物を含む層、及び上部電極の厚さを均一に形成することが困難で
あった。真空蒸着法やスパッタリング法を用いた場合では、蒸着源またはターゲットと被
形成面との距離や角度に依存して形成される膜の成膜速度が異なる。また、塗布法や印刷
法は装置の構成上、曲面を有する基板に適用することが極めて困難である。
本発明は、このような技術的背景のもとでなされたものである。したがって、本発明は
、湾曲した発光面を備える発光装置を提供することを課題の一とする。また、信頼性の高
い発光装置を提供することを課題の一とする。
本発明の一態様は、上記課題の少なくとも一を解決するものである。
上記課題を解決するために、本発明は、発光素子を形成する基板の材質に着眼した。基
板に可塑性を有する基板を用い、基板を平坦にした状態で発光素子を形成し、次いで、湾
曲した表面を備える支持体の該表面に、上記発光素子が形成された基板を湾曲させて配置
する。その後、その状態のまま発光素子を保護する保護層を形成すればよい。
なお、本明細書等における曲面とは、平面を伸縮することなく変形することにより得ら
れる曲面をいう。言い換えると、曲面上の任意の点において、平面と線で接することので
きる曲面を指す。ここで、本明細書等における曲面には、平面を伸縮することなく変形す
ることにより得られない曲面(いわゆる3次元曲面)を含まないものとする。
また、本明細書等における「湾曲した面」は、上記曲面と同義である。
このような方法により、湾曲した発光面を備える照明装置や表示装置などの発光装置を
作製することができる。
作製された発光装置は、保護層を形成した後に支持体から分離しても、可塑性の基板に
よりその形態を保持することができる。そのため、発光装置は支持体の湾曲面と同様に湾
曲した発光面を備える発光装置として使用することができる。
すなわち、本発明の一態様の発光装置は、湾曲した表面を備え、可塑性を有する基板と
、基板の表面上に形成された、一対の電極間に発光層を備える発光素子と、発光素子を覆
う封止層と、封止層上に接する保護層と、を備える。
このような構成の発光装置は、湾曲した発光面を備え、且つ発光素子を覆う封止層と、
封止層上に接する保護層により、外部からの水などの不純物の拡散が抑制され、信頼性の
高い発光装置となる。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、湾曲した表面を備え、可塑性を有する基板と
、基板の表面上に形成され、且つ、一対の電極間に発光層を備える発光素子及びトランジ
スタを備える、複数の画素と、発光素子を覆う封止層と、封止層上に接する保護層と、を
備える。
また、このように、トランジスタと発光素子とを組み合わせた複数の画素が設けられた
画像表示装置にも適用することができる。このような発光装置は、例えば建造物や車両な
どの湾曲した壁面や天井に貼り付けて使用することもできるし、デザイン性の高い携帯端
末などの電子機器を実現できる。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、基板が、
金属、または合金を含むことを特徴とする。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、基板が、
アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、マグネシウムから選ばれた少なくとも1種を
含むことを特徴とする。
このように、発光装置が設けられる基板に、熱伝導性の高い金属材料、または合金材料
を用いることにより、放熱性を高めることができる。したがって、長時間使用したとして
も発光装置の発熱を抑えることができるため、信頼性の高い発光装置とすることができる
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、発光素子
と基板の間に、平坦化層を備えることを特徴とする。
またこのように、発光素子よりも基板側に平坦化層を設けると、発光素子を構成する層
の厚さの均一性が高まるため好ましい。特に金属や合金材料を含む基板では、その表面の
起伏が大きい場合が多いため、平坦化層を設けることは特に有効である。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、平坦化層
が、熱伝導性の材料を含むことを特徴とする。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、平坦化層
が、金属、又は合金からなる粒子が分散された樹脂を含むことを特徴とする。
またこのように、より発光素子に近い平坦化層に、熱伝導性の材料を用いることにより
、発光素子からの発熱を抑えることができる。また特に、金属材料または合金材料を含む
熱伝導性の基板を用いた場合では、当該平坦化層を介して発光素子からの発熱を基板に伝
えることができるため、より発光装置の発熱を抑制することができる。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、保護層が
、ガラス層を含んで構成されることを特徴とする。
またこのように、発光素子を保護する保護層にガラス層を適用することにより、水や酸
素などの不純物の拡散を極めて抑制できるため好ましい。
また、本発明の他の一態様の発光装置は、上記いずれかの発光装置において、保護層が
、ガラス層と、接着層と、樹脂層が順に積層された積層体であることを特徴とする。
またこのように、保護層としてガラス層に樹脂層が積層された構成とすることにより、
ガラス層の割れやクラックの発生を抑制することができ、強度の高い発光装置とすること
ができる。またこのとき、ガラス層が発光素子と対向するように設けると、樹脂層からの
不純物の拡散を抑制することができるため特に好ましい。
また、本発明の一態様の発光装置の作製方法は、可塑性を有する基板を、一表面が平坦
になるように配置し、基板の一表面上に、第1の電極と、発光層と、第2の電極とを順に
積層して、発光素子を形成する工程と、発光素子が形成された基板を、湾曲した表面を備
える支持体上に、発光素子が形成された一表面とは反対の面が支持体と対向するように、
支持体の湾曲した表面に沿って湾曲させて配置する工程と、基板の一表面上に、硬化性の
材料を滴下する工程と、基板の発光素子が設けられていない領域上で、硬化性の材料と端
部の一部が接するように保護層を配置し、保護層と硬化性の材料が接する領域において、
保護層を固定する工程と、保護層を、保護層の基板と対向する表面が、発光素子が設けら
れた領域における硬化性の材料に接するように、基板の一表面に沿って湾曲させる工程と
、硬化性の材料を硬化し、封止層を形成する工程と、を有する。
このような方法により、湾曲した発光面を備える発光装置を作製することができる。ま
た発光素子を形成する際、被形成面が平坦な状態とすることにより、発光素子を構成する
層の厚さの均一性が高まり、基板面内での発光輝度を均一にすることができる。また、保
護層を形成する際、先にその端部のみを接着し、その後基板面に沿って湾曲させながら、
後の封止層となる熱硬化性材料と密着させることにより、保護層と封止層との間への気泡
などの混入が抑制され、信頼性の高い発光装置を作製することができる。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、可塑性を有する基板を、一表面が
平坦になるように配置し、基板の一表面上に、第1の電極と、発光層と、第2の電極とを
順に積層して、発光素子を形成する工程と、発光素子が形成された基板を、湾曲した表面
を備える支持体上に、発光素子が形成された一表面とは反対の面が支持体と対向するよう
に、支持体の湾曲した表面に沿って湾曲させて配置する工程と、基板の一表面上に、光硬
化性の材料を滴下する工程と、基板の発光素子が設けられていない領域上で、光硬化性の
材料と端部の一部が接するように保護層を配置し、保護層と光硬化性の材料が接する領域
に光を照射して、光硬化性の材料の一部を硬化させて、保護層と基板の一部を接着する封
止層の一部を形成する工程と、保護層を、保護層の基板と対向する表面が、発光素子が設
けられた領域における光硬化性の材料に接するように、基板の一表面に沿って湾曲させる
工程と、光硬化性の材料の硬化していない部分に光を照射し、封止層を形成する工程と、
を有する。
またこのような方法により、保護層の一部と基板とを固定させるための固定具を必要と
しないため、容易に湾曲した発光面を有する発光装置を作製できる。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、平坦面を備える支持基板の、平坦
面上に被剥離層を形成し、被剥離層上に、一対の電極間に発光層を備える発光素子と、ト
ランジスタと、を備える複数の画素を形成する工程と、支持基板から、画素が形成された
被剥離層を剥離し、可塑性を有する基板の一表面上に画素が形成された被剥離層を転写す
る工程と、画素を備える基板を、湾曲した表面を備える支持体上に、画素を備える一表面
とは反対の面が支持体と対向するように、支持体の湾曲した表面に沿って湾曲させて配置
する工程と、基板の一表面上に、硬化性の材料を滴下する工程と、基板の画素が設けられ
ていない領域上で、硬化性の材料と端部の一部が接するように保護層を配置し、保護層と
硬化性の材料が接する領域において、保護層を固定する工程と、保護層を、保護層の基板
と対向する表面が、画素が設けられた領域における硬化性の材料に接するように、基板の
一表面に沿って湾曲させる工程と、硬化性の材料を硬化し、封止層を形成する工程と、を
有する。
またこのような方法により、湾曲し、且つ複数の画素からなる表示部を備える画像表示
装置を形成することが可能となる。発光素子に加え、トランジスタを形成する際にも被形
成面を平坦な状態とすることができるため、容易に形成できるほか、トランジスタの電気
特性のばらつきが抑制され、信頼性の高い表示装置とすることができる。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、平坦面を備える支持基板の、平坦
面上に被剥離層を形成し、被剥離層上に、一対の電極間に発光層を備える発光素子と、ト
ランジスタと、を備える複数の画素を形成する工程と、支持基板から、画素が形成された
被剥離層を剥離し、可塑性を有する基板の一表面上に画素が形成された被剥離層を転写す
る工程と、画素を備える基板を、湾曲した表面を備える支持体上に、画素を備える一表面
とは反対の面が支持体と対向するように、支持体の湾曲した表面に沿って湾曲させて配置
する工程と、基板の一表面上に、光硬化性の材料を滴下する工程と、基板の画素が設けら
れていない領域上で、光硬化性の材料と端部の一部が接するように保護層を配置し、保護
層と光硬化性の材料が接する領域に光を照射して、光硬化性の材料の一部を硬化させて、
保護層と基板の一部を接着する封止層の一部を形成する工程と、保護層を、保護層の基板
と対向する表面が、画素が設けられた領域における光硬化性の材料に接するように、基板
の一表面に沿って湾曲させる工程と、光硬化性の材料の硬化していない部分に光を照射し
、封止層を形成する工程と、を有する。
またこのように、光硬化性の材料を用いて保護層の一部を固定させることが好ましい。
また、発光装置を作製した後に、支持体から外して使用してもよいし、支持体に保持さ
れた状態で使用してもよい。例えば照明装置や電子機器の筐体となる部材を支持体として
用い、支持体上に発光装置を作製した後、そのまま照明装置や電子機器に組み込んでもよ
い。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、上記いずれかの発光装置の作製方
法において、基板に、金属、または合金を含む基板を用いることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、上記いずれかの発光装置の作製方
法において、基板に、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、マグネシウムから選ば
れた少なくとも1種を含む基板を用いることを特徴とする。
またこのように、基板として熱伝導性の高い金属材料又は合金材料を用いると、放熱性
が高められた発光装置を作製できる。また、基板の素子が形成される表面上に平坦化膜、
または熱伝導性を備える材料を含む平坦化膜を用いても良い。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、上記いずれかの発光装置の作製方
法において、保護層に、ガラス層を含む構成を用いることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様の発光装置の作製方法は、上記いずれかの発光装置の作製方
法において、保護層に、ガラス層と、接着層と、樹脂層が順に積層された積層体を用いる
ことを特徴とする。
またこのような作製方法により、水や酸素などの不純物の拡散が抑制され、信頼性の高
い発光装置を作製できる。さらにガラスと樹脂の積層体を用いることにより機械的強度が
高められた発光装置を作製できる。
なお、本明細書において、EL層とは発光素子の一対の電極間に設けられ、少なくとも
発光性の有機化合物を含む層(発光層とも呼ぶ)、または発光層を含む積層体を示すもの
とする。
なお、本明細書中において、発光装置とは画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは
光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexi
ble printed circuit)もしくはTAB(Tape Automat
ed Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Packa
ge)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設け
られたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Gla
ss)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むも
のとする。
本発明によれば、湾曲した発光面を備える発光装置を提供できる。また、信頼性の高い
発光装置を提供できる。
本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の発光装置を説明する図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する図。 本発明の一態様の発光装置の適用例を説明する図。 実施例1に係る温度特性の測定結果。 実施例2に係る発光装置の写真像。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成におい
て、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い
、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されな
い。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置と、その作製方法について、図面を参照
して説明する。
[発光装置の作製方法例]
以下では、図1及び図2を用いて本発明の一態様の発光装置の作製方法を説明する。図
1(A)〜(D)、ならびに図2(A)〜(E)は、それぞれの段階における上面概略図
と、上面概略図中に示す切断線A−Bによって切断した断面概略図である。
まず、基板101を準備する。基板101には、可塑性を有する材料を用い、少なくと
も被形成面が平坦な基板を用いる。
また、基板101として、金属または合金材料を用いると、後に形成される発光素子か
らの発熱に対する放熱性が高まるため好ましい。基板101に用いる材料としては、アル
ミニウム、銅、鉄、ニッケル、チタン、マグネシウムなどの金属材料や、これを含む合金
材料を用いることができる。またステンレスやジュラルミンを用いても良い。
また、導電性の基板の表面を酸化する、または表面に絶縁膜を形成するなどし、絶縁処
理が施された基板を用いることが好ましい。例えば、電着法、またはスピンコート法やデ
ィップ法などの塗布法、蒸着法、またはスパッタリング法などの方法を用いて絶縁膜を形
成してもよいし、酸素雰囲気で放置、または加熱する、そのほか陽極酸化法、などの公知
の方法により、基板101の表面に酸化膜をしてもよい。
続いて、基板101の被形成面上に平坦化層113を形成する。平坦化層113は、基
板101の表面の凹凸形状を被覆し、平坦化する目的で形成する。平坦化層113として
は絶縁性の材料を用いることができ、例えばポリイミド、アクリル、エポキシ、ベンゾシ
クロブテン等の有機材料を用いることができる。
平坦化層113は、スピンコート法、ディップ法などの塗布法、インクジェット法やデ
ィスペンス法などの吐出法、スクリーン印刷などの印刷法などを用いて形成することがで
きる。
また、平坦化層113に、金属または合金材料からなる粒子が分散された有機樹脂を用
いることもできる。このように導電性材料が分散された平坦化層113を用いることによ
り、後に形成される発光素子からの発熱を効率的に基板101に伝導させることができる
ため、より放熱性を高めることができる。また、平坦性を向上させる、または絶縁性を向
上させるため、導電性粒子が分散された有機樹脂上にさらに有機樹脂を積層して用いても
良い。
なお、基板101の表面が絶縁処理され、且つその平坦性が高い場合には、平坦化層1
13を設けなくても良い。
続いて、平坦化層113上に、第1の電極層103、及び配線111を形成する。
第1の電極層103は、その一部が発光素子を構成する一方の電極となる。また配線1
11は、後に形成される発光素子を構成する第2の電極に電力を供給する配線である。こ
こで第1の電極層103及び配線111のそれぞれは、一部が外部から電力を供給するた
めの取り出し電極としても機能する。
第1の電極層103及び配線111は、同一の材料で形成しても良いし、異なる材料を
用いても良い。また少なくとも第1の電極層103上の発光素子が形成される領域には、
後に形成されるEL層105からの発光に対して反射性を有する材料を用いる。また、第
1の電極層103上の発光素子が形成される領域に、光反射性の高い材料を積層してもよ
い。
第1の電極層103及び配線111に用いる材料としては、例えばアルミニウム、金、
白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラ
ジウム等の金属、またはこれらを含む合金を用いることができる。またこれら金属材料を
含む金属または合金にランタンやネオジム、ゲルマニウムなどを添加してもよい。そのほ
か、アルミニウムとチタンの合金、アルミニウムとニッケルの合金、アルミニウムとネオ
ジムの合金などのアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)や、銀と銅の合金、銀と
マグネシウムの合金などの銀を含む合金を用いることもできる。銀と銅の合金は耐熱性が
高いため好ましい。さらに、アルミニウム合金膜に接する金属膜、または金属酸化物膜を
積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。該金属膜、金属酸
化物膜の材料としては、チタン、酸化チタンなどが挙げられる。また、上記透光性を有す
る材料からなる膜と金属材料からなる膜とを積層しても良い。例えば、銀と酸化インジウ
ム酸化スズの積層膜、銀とマグネシウムの合金と酸化インジウム酸化スズの積層膜などを
用いることができる。
第1の電極層103及び配線111は、スパッタリング法、真空蒸着法、スクリーン印
刷法などの印刷法、インクジェット法やディスペンス法などの吐出法、またはメッキ法な
どを用いて形成できる。とくに、スクリーン印刷法を用い、これらを同時に形成すること
が好ましい。
この段階における上面概略図及び断面概略図が図1(A)に相当する。
続いて、第1の電極層103及び配線111の端部の一部を覆い、且つ第1の電極層1
03及び配線111の一部を露出させる開口部を備える絶縁層115を形成する。
絶縁層115は、インクジェット法やディスペンス法などの吐出法、スクリーン印刷な
どの印刷法などを用いて形成することができる。また、フォトリソグラフィ法を用いても
良い。
絶縁層115は、後に形成される第2の電極層107の被覆性を良好なものとするため
、絶縁層115の上端部又は下端部に曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持
たせるのが好ましい。また、絶縁層115の材料としては、平坦化層113と同様の材料
の他、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型の感光性樹脂、あるいは光
の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型の感光性樹脂などの有機化合物や、酸
化シリコン、酸窒化シリコン等の無機化合物を用いることができる。
この段階における上面概略図及び断面概略図が図1(B)に相当する。
続いて、EL層105を第1の電極層103上に形成する。EL層105は、真空蒸着
法、またはインクジェット法やディスペンス法などの吐出法、スピンコート法などの塗布
法を用いて形成する。
EL層105は、少なくとも発光性の有機化合物を含む層(以下、発光層ともいう)を
含めば良く、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されていてもよい。複数の層
で構成されている構成としては、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送
層、並びに電子注入層が積層された構成を例に挙げることができる。なお、発光層を除く
これらの層はEL層105中に必ずしも全て設ける必要はない。また、これらの層は重複
して設けることもできる。具体的にはEL層105中に複数の発光層を重ねて設けてもよ
く、電子注入層に重ねて正孔注入層を設けてもよい。また、中間層として電荷発生層の他
、電子リレー層など他の構成を適宜加えることができる。また、例えば、異なる発光色を
呈する発光層を複数積層する構成としてもよい。例えば補色の関係にある2以上の発光層
を積層することにより白色発光を得ることができる。
この段階における上面概略図及び断面概略図が図1(C)に相当する。
続いて、EL層105を覆い、且つ配線111と電気的に接続する第2の電極層107
を形成する。
第2の電極層107は、EL層105からの発光に対して透光性を有する材料を用いる
透光性を有する材料としては、酸化インジウム、酸化インジウム酸化スズ、酸化インジ
ウム酸化亜鉛、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いることができる。また
は、グラフェンを用いても良い。また、上記導電層として、金、銀、白金、マグネシウム
、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、また
はチタンなどの金属材料や、これらを含む合金を用いることができる。または、これら金
属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いても良い。なお、金属材料(またはそ
の窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の
積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金と酸化イン
ジウム酸化スズの積層膜などを用いると、導電性を高めることができるためこのましい。
第2の電極層107は、蒸着法や、スパッタリング法などにより形成する。そのほか、
インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、またはメッキ法を用い
て形成することができる。
なお、透光性を有する上述の導電性酸化物をスパッタリング法によって形成する場合、
当該導電性酸化物を、アルゴン及び酸素を含む雰囲気下で成膜すると、透光性を向上させ
ることができる。
また導電性酸化物膜をEL層上に形成する場合、酸素濃度が低減されたアルゴンを含む
雰囲気下で成膜した第1の導電性酸化物膜と、アルゴン及び酸素を含む雰囲気下で成膜し
た第2の導電性酸化物膜の積層膜とすると、EL層への成膜ダメージを低減させることが
できるため好ましい。ここで特に第1の導電性酸化物膜を成膜する際に用いるアルゴンガ
スの純度が高いことが好ましく、例えば露点が−70℃以下、好ましくは−100℃以下
のアルゴンガスを用いることが好ましい。
このようにして、第1の電極層103、EL層105、及び第2の電極層107が積層
された発光素子120が形成される。ここで、基板101上に形成された構成をまとめて
、発光デバイス110と呼ぶこととする。
また、発光デバイス110を形成する各工程において、基板101を被形成面が平坦に
なるように配置して形成する。したがって、発光デバイス110を構成する各層の厚さ、
形状、位置などの制御性を高めることができる。特に、発光素子120を構成する第1の
電極層103、EL層105、及び第2の電極層107のそれぞれの厚さを均一にできる
ため、発光輝度の均一性が高められた発光装置を作製することができる。
また、第2の電極層107上に保護膜を形成しても良い。保護膜を形成することにより
、発光素子120への水や酸素などの不純物の拡散が抑制され、信頼性の高い発光装置と
することができる。保護膜としては透光性を有し、且つ水や酸素に対するバリア性を備え
る材料をもちいる。例えばシリコンなどの半導体やアルミニウムなどの金属の酸化物また
は窒化物を用いればよい。
この段階における上面概略図及び断面概略図が図1(D)に相当する。
続いて、図2(A)に示すように、支持体121上に発光デバイス110が形成された
基板101を配置する。なお明瞭化のため、以下の図面では、発光デバイス110を簡略
化して明示する。
支持体121は、湾曲した表面を備える。また、その断面が連続した曲線で構成されて
いることが好ましい。図2(A)としては、凸形状である円弧状の表面形状を有する支持
体121を示しているが、これ以外にも様々な形状をとり得る。例えばその断面形状が凹
形状である円弧状、または波状の形状などとすることができる。
支持体121の湾曲した表面に沿って、基板101を配置する。ここで、基板101は
可塑性を備えているため、支持体121の湾曲した表面に沿って湾曲させて配置した後に
は、その形状を留めておくことができる。
また、支持体121と基板101とを接着材料や固定具を用いて固定してもよい。なお
、後に発光装置100を支持体121から取り外して使用する場合には、弱粘性の接着材
料や、脱着可能な固定具で固定する。
ここで、用いる支持体121の曲率半径としては、基板101を湾曲させたときに発光
デバイス110を構成する各層にクラックや割れが生じない程度の大きさの曲率半径とす
ることができる。また、発光デバイス110を構成する各層を薄く形成するほど、曲率半
径の小さい支持体を用いることができる。
続いて、湾曲した基板101上に、封止材122を塗布する(図2(B))。封止材1
22は、少なくとも発光素子120を覆う領域、且つ後に保護層を形成する領域上に滴下
するなどして形成する。また、このとき、第1の電極層103及び配線111の、基板1
01の外周側に設けられた取り出し電極として機能する領域が露出するように、封止材1
22を塗布する。
封止材122としては、光硬化性の有機樹脂を用いる。また、封止材122には、光照
射により硬化した後に、少なくとも発光素子からの発光に対する透光性を有する材料を用
いる。
例えば、封止材122としてPVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド
、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレ
ンビニルアセテート)を用いることができる。
続いて、保護層125を封止材122の一部に接して設ける(図2(C))。
保護層125は、少なくとも発光素子120からの発光に対して透光性を有する材料を
用いる。例えば、シート状の有機樹脂や、可撓性を有する程度の厚さのガラス材料を用い
ることができる。
保護層125を複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成
とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い発光装置とすることがで
きる。
特に保護層125として、発光素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を
積層したシートを用いることが好ましい。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上20
0μm以下、好ましくは25μm以上100μm以下の厚さとする。このような厚さのガ
ラス層は、水や酸素に対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂
層の厚さとしては、10μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下
とする。このような有機樹脂層をガラス層よりも外側に設けることにより、ガラス層の割
れやクラックを抑制し、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と
有機樹脂の複合材料を保護層125に適用することにより、極めて信頼性が高く、且つ湾
曲した発光装置とすることができる。
まず、基板101上の少なくとも発光素子120が設けられている領域よりも外側の領
域において、保護層125を、その端部が封止材122と接するように設ける。このとき
、図2(C)に示すように、保護層125の端部以外は封止材122と接しないようにす
ることが好ましい。
続いて、保護層125と封止材122とが接触している領域に、光127を照射し、当
該領域の封止材122を硬化させ、基板101と保護層125を接着する。このとき、封
止材122が硬化した一部の領域が封止層123となる。
その後、保護層125と封止層123が接着した領域を支点として、保護層125を徐
々に湾曲させながら、保護層125を密着させる。このように、保護層125の端部を一
度接着した後に、接着箇所から外側に向かって徐々に貼り合わせを行うことにより、気泡
などが取り込まれることが抑制され、信頼性の高い発光装置とすることができる。
この貼り合わせは、例えばローラー状の押し付け部材を用いて、上記接着箇所を始点に
転がすようにして、保護層125と封止材122とを密着させることが好ましい。またこ
のとき、保護層125と基板101との距離が一定になるように制御することが好ましい
続いて、図2(D)に示すように、保護層125の上方から封止材122に対して光1
27を照射して、封止材122を硬化させ、封止層123を形成する。
このとき、保護層125が剥がれてしまわないように固定した状態で、封止材122へ
の光127の照射を行っても良い。
以上の工程により、支持体121上に、湾曲した発光面を備える発光装置100を形成
することができる。
なお、上記では封止材122に用いる材料として光硬化性の有機樹脂を用いたが、これ
に限られず、熱硬化性の有機樹脂や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂を
用いることもできる。
封止材122に熱硬化性の樹脂を用いる場合には、保護層125の一部を封止材122
と密着させた後、その密着箇所を局所的に加熱して硬化させればよい。その後、保護層1
25を湾曲させて封止材122に密着させた後、全体的に加熱して硬化させればよい。局
所的に加熱する方法としては、ランプの光を局所的に照射する、またはヒータなどの熱源
を近づけるなどすればよい。また全体を加熱する方法には、ランプやヒータに加え、ホッ
トプレートやオーブンなどを用いればよい。
また、封止材122に常温で硬化する樹脂を用いる場合には、まず、あらかじめ発光素
子120が設けられている領域よりも外側の領域に樹脂を塗布し、保護層125の一部と
密着させた状態で硬化させる。その後、発光素子120と重なる領域に再度樹脂を塗布し
、保護層125を湾曲させながら当該樹脂に密着させ、硬化させればよい。
また、上記では発光素子120が設けられている領域よりも外側の領域において、保護
層125と密着させた封止材122を硬化させて、保護層125と基板101とを接着す
る方法を説明したが、少なくとも保護層125を湾曲させる際に、当該領域において保護
層125の位置がずれないように固定されていればよく、この方法に限定されない。
例えば、基板101上に封止材122を塗布した後、発光素子120が設けられている
領域よりも外側の領域において保護層125を封止材122と密着させて配置し、保護層
125の端部を基板101に固定させた状態で保護層125を湾曲させ、封止材122と
密着させた後、封止材122の全体を硬化させればよい。保護層125の端部を基板10
1と固定する方法としては、押し付け部材を用いて保護層125の上方から押し付ける方
法や、支持体121または基板101と直接テープなどの固定具を用いて保護層125の
端部を固定する方法などがある。
このような方法を用いる場合には、封止材122に用いる硬化性材料の種類は限定され
ず、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、または常温で硬化する硬化樹脂など、適宜用いること
ができる。
なお、発光装置100は、図2(D)に示すように支持体121に支持された状態で用
いても良いし、図2(E)に示すように、支持体121から外して単体で用いても良い。
発光装置100を支持体121に支持された状態で使用する場合としては、例えば照明
装置や電子機器の筐体となる部材を支持体121として用い、支持体121上に発光装置
100を作製した後、そのまま照明装置や電子機器に組み込んでもよい。
このように、基板101に可塑性を有する材料を用いることにより、基板101上への
発光デバイス110の形成工程を、被形成面が平坦な状態で行うことができるため、輝度
の分布が改善された発光装置とすることができる。
さらに、基板101と保護層125とを貼り合わせる工程を、湾曲した状態で行えるた
め、貼り合わせ後に生じる保護層125に起因する応力を緩和することができる。ここで
例えば、平坦な状態で保護層125の貼り合わせを行った後に、発光装置100全体を湾
曲させた場合、保護層125自体、又は保護層125と固定されている封止層や発光デバ
イスに大きな応力が生じるため、これらにクラックや割れが生じてしまう。このように湾
曲した状態で保護層を接着することにより、このような応力を緩和できるため、信頼性の
高い発光装置とすることができる。
特に、封止層としてガラス層を含む材料を用いた場合には、平坦な状態で貼り合わせを
行った後に大きく湾曲させると、封止層自体が可撓性を有していたとしても、封止層が基
板と接着されているため当該ガラス層にかかる応力が大きくなり、割れが生じてしまう可
能性が高い。一方、上記方法を用いた場合では、封止層を湾曲させる時点では封止層と基
板とが接着されていないため、大きく湾曲させても割れる恐れがなく、その結果、曲率半
径の小さい発光面を備え、且つガラス層により不純物の拡散が抑制された信頼性の高い発
光装置を実現できる。
[変形例]
また、支持体121の形状を異ならせることにより、様々な形状の発光装置を容易に作
製することができる。例えば図3に示すように、波形状の発光装置100とすることがで
きる。
また、本実施の形態では、発光デバイス110の上面形状を四角形としたが、これに限
られず、さまざまな形状の発光デバイスとしてもよい。楕円を含む円形や、多角形をはじ
め異なる曲率の曲線で囲まれた図形や、曲線と直線で囲まれた図形など、様々な形状とす
ることができるため、高いデザイン性を実現できる。
また、基板101や保護層125としてシート状の材料を用いることができるため、R
oll To Roll方式に適しており、容易に大面積の発光装置を作製することがで
きる。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせて
実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で例示した発光装置の作製方法において、発光デバ
イスとして画像表示デバイスを適用する場合について、図面を参照して説明する。
なお以下では、実施の形態1で説明した内容と重複する部分については、説明を省略す
るか、簡略化して説明する。
可塑性を有する基板101上に形成される画像表示デバイスは、少なくとも一つの発光
素子を有する画素を複数備える。画像表示デバイスとしては、一つの画素が一つの発光素
子で構成された、パッシブマトリクス型の画像表示デバイスや、一つの画素に発光素子と
、少なくとも一つのトランジスタとで構成される、アクティブマトリクス型の画像表示デ
バイスがある。
以下では、本発明の一態様の発光装置の作製方法に適用可能な画像表示装置の一例とし
て、アクティブマトリクス型の画像表示デバイスを例に挙げてについて説明する。
[構成例]
図4(A)は、画像表示デバイス150の画素の一部分であり、図4(B)は、図4(
A)中の切断線C−Dで切断した断面における断面概略図である。
図4(A)に示す画像表示デバイス150は、複数のソース配線151が互いに平行且
つ互いに離間して配置しており、またソース配線151と交差する複数のゲート配線15
2が互いに平行且つ互いに離間して配置している。また、ソース配線151とゲート配線
152に囲まれた領域が画像表示デバイス150の一つの画素となり、これがマトリクス
状に配置されている。
また、各画素には、トランジスタ153及びトランジスタ154と、トランジスタ15
4上に形成された発光素子120と、を備える。
基板101は、実施の形態1と同様の基板を用いることができる。
図4(B)には、基板101と、基板101上に設けられた接着層161と、接着層1
61上に設けられた絶縁層163と、絶縁層163上に形成されたトランジスタ154と
、トランジスタ154と電気的に接続された発光素子120と、を含む断面概略図を示す
トランジスタ154は、ゲート電極層、ゲート絶縁層、半導体層、並びにソース電極層
及びドレイン電極層を備える。
画像表示デバイス150を構成するトランジスタの構造は特に限定されない。例えばス
タガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、
トップゲート型又はボトムゲート型のトランジスタのいずれのトランジスタ構造としても
よい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えばシリコンやゲルマニウムなど
の半導体材料を用いても良いし、インジウム、ガリウム、及び亜鉛のうち少なくともひと
つを含む酸化物半導体材料を用いても良い。また、トランジスタに用いる半導体の結晶性
についても特に限定されず、非結晶半導体、または結晶性を有する半導体(微結晶半導体
、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用い
ても良い。結晶性を有する半導体を用いるとトランジスタ特性の劣化が抑制されるため好
ましい。
発光素子120は、実施の形態1と同様の構成とすることができ、第1の電極層103
、EL層105、及び第2の電極層107が順に積層されて構成している。また、第1の
電極103は、トランジスタ154のソース電極層又はドレイン電極層に、絶縁層165
、及び絶縁層167に設けられた開口部を介して電気的に接続している。
また、発光素子120を覆う絶縁層166が形成されている。絶縁層166は、発光素
子に水や酸素などの不純物が拡散することを抑制するために設けられる。例えばシリコン
などの半導体の酸化物または窒化物、或いはアルミニウムなどの金属の酸化物または窒化
物といった、無機絶縁材料を用いることができる。
隣接する画素の発光素子120は、異なる発光色を呈するEL層105を備える。例え
ばそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の発光色を呈するEL層105を備える
発光素子120とすることにより、フルカラー表示可能な画像表示デバイス150とする
ことができる。また、上記3色に加え、黄色(Y)や白色(W)の発光色を呈するEL層
105を備える発光素子120を設けても良い。
また、上記絶縁層165及び絶縁層167に設けられた開口部、及び第1の電極層10
3を覆って絶縁層115が形成されている。絶縁層115の構成は、実施の形態1と同様
の構成とすることができる。
絶縁層165は、下部に設けられるトランジスタなどにより凹凸形状の影響を抑制する
ための平坦化層として機能する。絶縁層165を設けることにより、発光素子120のシ
ョートなどを抑制することができる。絶縁層165は、感光性の有機樹脂などを用いて形
成することができる。
また、トランジスタの半導体層に接する絶縁層168及び絶縁層169、トランジスタ
を覆う絶縁層167は、トランジスタを構成する半導体への不純物の拡散を抑制すること
が好ましい。これら絶縁層には、例えばシリコンなどの半導体の酸化物または窒化物、或
いはアルミニウムなどの金属の酸化物または窒化物を用いることができる。また、このよ
うな無機絶縁材料の積層膜、または無機絶縁材料と有機絶縁材料の積層膜を用いても良い
ここで、接着層161は、絶縁性の材料を用いることができる。また接着層161は、
実施の形態1で例示した平坦化層113と同様に、基板101の表面の凹凸形状を被覆す
る機能を有する。また、金属または合金材料からなる粒子が分散された有機樹脂を備える
構成とすると、発光素子120からの発熱を効率的に基板101に伝導させることができ
るため、より放熱性を高めることができる。
以上が、画像表示デバイス150の構成例についての説明である。
[作製方法例]
以下では、画像表示デバイス150の作製方法について、図面を参照して説明する。
まず、支持基板171上に剥離層173と、絶縁層163とを積層して形成する(図5
(A))。絶縁層163の形成は、剥離層173を形成した後、大気に曝すことなく連続
して形成すると、不純物の混入を抑制できるため好ましい。
支持基板171としては、平坦面を有する基板を用いる。例えばガラス、石英、サファ
イア、セラミックや金属などの基板を用いることができる。また、作製工程にかかる温度
に対する耐熱性を有する場合にはプラスチックなどの有機樹脂基板を用いても良い。ここ
でプラスチック基板を用いる場合には、剥離層173が不要な場合もある。
また、本実施の形態では、支持基板171に接して剥離層173を形成しているが、支
持基板171にガラス基板を用いる場合に、支持基板171と剥離層173の間に酸化シ
リコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の絶縁層を形成
することにより、ガラス基板からの汚染を防止でき、より好ましい。
剥離層173は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、
コバルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム
、シリコンから選択された元素、又は前記元素を含む合金材料、又は前記元素を含む化合
物材料からなり、単層又は積層された層である。シリコンを含む層の結晶構造は、非晶質
、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
また、剥離層173は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等によ
り形成できる。なお、塗布法はスピンコート法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
剥離層173が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタ
ングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若し
くは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタング
ステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タ
ングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当
する。
また、剥離層173として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の
積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成され
る絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物
を含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱
酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタング
ステンの酸化物を含む層を形成してもよい。またプラズマ処理や加熱処理は、酸素、窒素
、亜酸化窒素単体、あるいは前記ガスとその他のガスとの混合気体雰囲気下で行ってもよ
い。上記プラズマ処理や加熱処理により、剥離層173の表面状態を変えることにより、
剥離層173と後に形成される絶縁層163との密着性を制御することが可能である。
次に、絶縁層163を剥離層173上に形成する。絶縁層163は、窒化シリコン、酸
化窒化シリコン、及び窒化酸化シリコン等を単層または多層で形成するのが好ましい。
絶縁層163は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等を用いて形
成することが可能であり、例えば、プラズマCVD法によって成膜温度を250℃以上4
00℃以下として形成することで、緻密で非常に透水性の低い膜とすることができる。な
お、絶縁層163の厚さは10nm以上3000nm以下、さらには200nm以上15
00nm以下が好ましい。
続いて、絶縁層163上にトランジスタ153(図示しない)、トランジスタ154、
ソース配線151、ゲート配線152(図示しない)などを形成する。ここでは、ボトム
ゲート型のトランジスタを作製する。
まず、ゲート電極層となる導電膜を形成後、公知のフォトリソグラフィ法を用いて当該
導電膜の不要な部分を除去し、ゲート電極層を形成する。なお、ここで同時にゲート電極
層と同一の層で形成される配線等が形成される。
ゲート電極層の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アル
ミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料又はこれらの元素を含む合金材料を
用いて、単層で又は積層して形成することができる。
次に、ゲート電極層上にゲート絶縁層となる絶縁層169を形成する。絶縁層169は
、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン、窒化シリコン、酸
化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、または酸化アルミニウムを単層で又は積層して形成
することができる。例えば、成膜ガスとして、SiH、NOを用いてプラズマCVD
法により酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。
次に、半導体膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて島状の半導体層を形成する。
半導体膜の材料は、シリコン半導体や酸化物半導体を用いて形成することができる。シ
リコン半導体としては、単結晶シリコンや多結晶シリコン、または微結晶シリコンなどが
あり、酸化物半導体としては、例えばIn、Ga、Znのいずれか一を少なくとも含む酸
化物半導体を用いることができる。代表的にはIn−Ga−Zn−O系金属酸化物などが
挙げられる。ただし、半導体層としては、In−Ga−Zn−O系金属酸化物である酸化
物半導体を用いて、オフ電流の低い半導体層とすることで、後に形成される発光素子のオ
フ時のリーク電流が抑制でき、好ましい。
続いて、半導体層を覆う絶縁膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法を用いて半導体層
の一部を露出する開口部が形成された絶縁層168を形成する。
その後、導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてソース電極及びドレイン
電極を形成する。またこのとき同時に、ソース電極及びドレイン電極と同一の層で形成さ
れる配線等が形成される。
ソース電極及びドレイン電極に用いる導電膜としては、例えば、Al、Cr、Cu、T
a、Ti、Mo、Wから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を含む金属窒化
物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる
。また、Al、Cuなどの金属膜の下側又は上側の一方または双方にTi、Mo、Wなど
の高融点金属膜またはそれらの金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タ
ングステン膜)を積層させた構成としても良い。また、ソース電極及びドレイン電極層に
用いる導電膜としては、導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物とし
ては酸化インジウム(In等)、酸化スズ(SnO等)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化インジウム酸化スズ(In―SnO等)、酸化インジウム酸化亜鉛(In
―ZnO等)、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませたものを用い
ることができる。
以上の工程により、トランジスタ154が形成される。
次に、半導体層、ソース電極及びドレイン電極上に、絶縁層167を形成する。絶縁層
167としては、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム膜などの無機絶
縁膜を用いることができる。
次に、絶縁層167上に絶縁層165を形成する(図5(B)参照)。
絶縁層165としては、トランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化機能を有
する絶縁膜を選択するのが好適である。例えば、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブ
テン、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(l
ow−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数
積層させることで、絶縁層165を形成してもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて、絶縁層165、及び絶縁層167にソース電極
又はドレイン電極に達する開口部を形成する。開口方法は、ドライエッチング、ウェット
エッチングなど適宜選択すれば良い。または、絶縁層165として感光性の材料を用い、
フォトリソグラフィ法を用いて開口部を備える絶縁層165を形成した後、これをマスク
として絶縁層167の一部をエッチングして開口部を形成しても良い。または、絶縁層1
67を形成した後に開口部を形成し、その後開口部を備える絶縁層165を形成しても良
い。
次に、絶縁層165上に導電膜を形成し、フォトリソグラフィ法を用いて、トランジス
タ154のソース電極又はドレイン電極に電気的に接続する第1の電極層103を形成す
る。
続いて、第1の電極層103の端部、及び絶縁層165に形成された開口部を覆う絶縁
層115を形成する(図5(C)参照)。
続いて、第1の電極層103上にEL層105を形成する。ここでは、メタルマスクを
用いて選択的に、隣接する画素に異なる発光色を呈するEL層105を蒸着法により形成
する。
なお、EL層105として共通して白色の発光を呈するEL層を用い、隣接する画素の
発光素子120よりも上方に、それぞれ異なる光を透過するカラーフィルタを設けてフル
カラーを表示させる構成としてもよい。その場合には、カラーフィルタを絶縁層166上
に形成する、または保護層125の一表面にあらかじめ形成しておく。白色発光のEL層
を共通して用いることにより、画素間を塗り分けるためのメタルマスクが不要となるため
好ましい。
続いて、EL層105上に第2の電極層107を形成する。
なお、第1の電極層103、または第2の電極層107は、いずれか一方は発光素子1
20の陽極として機能し、他方は発光素子120の陰極として機能する。陽極として機能
する電極には、仕事関数の大きな物質が好ましく、陰極として機能する電極には仕事関数
の小さな物質が好ましい。
以上の工程により、発光素子120が形成される。
最後に、第2の電極層107を覆う絶縁層166を形成する(図5(D)参照)。
以上の工程により、支持基板171上に、トランジスタや配線、及び発光素子120を
形成することができる。
続いて、絶縁層163と剥離層173との間で剥離(分離)を行う(図6(A)参照)
。剥離方法には様々な方法を用いることができる。
例えば、剥離層173と絶縁層163がトランジスタの形成工程中の加熱により、剥離
層173と絶縁層163の界面に金属酸化膜が形成されている。剥離層173に達する溝
を形成し(図示しない)、該溝をきっかけとして金属酸化膜が脆弱化し、剥離層173と
絶縁層163との界面で剥離が生じる。
剥離方法としては、機械的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ロ
ーラーを回転させながら分離する処理等)を用いて行えばよい。また、溝に液体を滴下し
、剥離層173及び絶縁層163の界面に液体を浸透させて剥離層173から絶縁層16
3を剥離してもよい。また、溝にNF、BrF、ClF等のフッ化ガスを導入し、
剥離層173をフッ化ガスでエッチングし除去して、絶縁表面を有する支持基板171か
ら絶縁層163を剥離する方法を用いてもよい。
その他の剥離方法としては、剥離層173をタングステンで形成した場合は、アンモニ
ア水と過酸化水素水の混合溶液により剥離層をエッチングしながら剥離を行うことができ
る。
また剥離層173として、窒素、酸素や水素等を含む膜(例えば、水素を含む非晶質シ
リコン膜、水素含有合金膜、酸素含有合金膜など)を用い、支持基板171として透光性
を有する基板を用いた場合には、支持基板171から剥離層173にレーザー光を照射し
て、剥離層内に含有する窒素、酸素や水素を気化させて、支持基板171と剥離層173
との間で剥離する方法を用いることができる。
次に、絶縁層163と、基板101とを接着層161を用いて接着する(図6(B)参
照)。この工程を転写ともよぶ。
接着層161としては、紫外線硬化型接着剤など光硬化型の接着剤、反応硬化型接着剤
、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤など各種硬化型接着剤を用いることができる。こ
れらの接着剤の材質としてはエポキシ樹脂やアクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール
樹脂などを用いることができる。
以上の工程により、可塑性を有する基板101上に画像表示デバイス150を形成する
ことができる(図6(C)参照)。
このような画像表示デバイス150が形成された基板101を、実施の形態1で例示し
た発光装置の作製方法に適用することにより、湾曲した発光面を備える画像表示装置を作
製することができる。その場合、画像表示デバイス150を実施の形態1で例示した発光
デバイス110に置き換えればよい。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせて
実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光装置が適用された電子機器や照明装置の例に
ついて、図面を参照して説明する。
湾曲した発光面を備える発光装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装
置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタ
ルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携
帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機など
の大型ゲーム機などが挙げられる。
また、照明や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の
曲面に沿って組み込むことも可能である。
図7(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401
に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、ス
ピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、発光
装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図7(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、情
報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる
操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示
される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニ
ュー画面に切り替えることができる。
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機とすることができる。
図7(B)は、リストバンド型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100
は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置7104を備
える。
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信し
た映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信
することもできる。
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
図7(C)〜(E)は、照明装置の一例を示している。照明装置7200、7210、
7220はそれぞれ、操作スイッチ7203を備える台部7201と、台部7201に支
持される発光部を有する。
図7(C)に示す照明装置7200は、波状の発光面を有する発光部7202を備える
。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図7(D)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つの
発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に全
方位を照らすことができる。
図7(E)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。した
がって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定の
範囲を明るく照らす場合に適している。
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の発光装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い照明装置とすることができる。
なお、本発明の一態様の発光装置を具備していれば、上記で示した電子機器や照明装置
に特に限定されないことは言うまでもない。
本実施の形態は、本明細書中に記載する他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせて
実施することができる。
本実施例では、絶縁性の基板、及び導電性の基板上にそれぞれ発光素子を作製し、これ
ら発光素子を発光させた時の温度特性を測定した結果について、説明する。
[サンプルの作製]
まず、厚さ0.2mmのアルミニウム基板、及び厚さ0.7mmのガラス基板を準備し
た。
続いて、それぞれの基板上に平坦化層として、スピンコート法により厚さ約6μmのエ
ポキシ樹脂の層を形成した。
続いて、第1の電極及び配線として、遮蔽マスクを用いたスパッタリング法により、厚
さ約50nmのチタン膜と、厚さ約200nmのアルミニウム膜と、厚さ約100nmの
チタン膜を積層して形成した。
続いて、第1の電極の端部等を覆う絶縁層として、スクリーン印刷法により厚さ約20
μmのエポキシ樹脂の層を形成した。
その後、第1の電極と重なる位置に、白色発光を呈するEL層を真空蒸着法により形成
した。続いて、EL層上に第2の電極として、真空蒸着法により厚さ約30nmの銀とマ
グネシウムの合金膜を形成した。
このようにして、アルミニウム基板、及びガラス基板上に長さ約56mm、幅約42m
mの発光領域を備える発光素子を形成した。ここで、アルミニウム基板を用いたサンプル
をサンプル1、ガラス基板を用いたサンプルをサンプル2とする。本実施例では、サンプ
ル1及びサンプル2をそれぞれ2つ作製した。
[温度特性評価]
続いて、各サンプルを発光させたときの発光面における温度の時間依存性を評価した。
評価は、サンプルをステンレス製のテーブル上に接して配置し、サンプル上に厚さ0.
7mmのガラス板を接触させて配置し、当該ガラス板上に熱電対を貼り付けて温度を測定
した。温度の測定は、発光面の中央部と外周に近い領域の2点について行った。
図8(A)、(B)は共に、各サンプルの各測定点における発光開始からの時間に対す
る温度変動の測定結果である。図8(A)には発光面の中央部における測定結果を、図8
(B)には発光面の外周に近い領域における測定結果をそれぞれ示している。以下、測定
結果について説明する。
まず、いずれのサンプルにおいても、発光面の外周に近い領域よりも中央部の方が、発
熱温度が高い傾向がみられた。
アルミニウム基板を用いたサンプル1では、中央部に着目すると、発光開始から約50
秒の間に急峻に温度が上昇するものの、それ以降では温度上昇が緩やかになる傾向がみら
れた。発光開始から300秒後の発光面近傍の温度は、中央部で37℃程度、外周に近い
領域で34℃程度であった。
一方、ガラス基板を用いたサンプル2では、サンプル1よりも発光開始からの温度上昇
が急峻であると共に、それ以降でも温度上昇の割合がサンプル1よりも大きい傾向がみら
れた。発光開始から300秒後の発光面近傍の温度は、中央部で42℃程度、外周に近い
領域で37℃程度であった。
以上の結果から、基板として金属基板を用いることにより、高い放熱性を実現できるこ
とが確認できた。
本実施例は、本明細書中に記載する他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせて実施
することができる。
本実施例では、実施の形態1で例示した方法により作製した発光装置について説明する
まず、実施例1で説明したサンプル1と同様に、アルミニウム基板上に平坦化層、第1
の電極層、絶縁層、EL層、及び第2の電極層を形成し、長さ約56mm、幅約42mm
の発光領域を備える発光素子を形成した。
続いて、発光素子が形成されたアルミニウム基板を、曲率半径45mmの凸状の表面を
備える支持体に、弱粘性の接着剤を用いて湾曲させて固定した。
続いて、アルミニウム基板上に封止材として、光硬化性のエポキシ樹脂を滴下した。
続いて、保護層として、厚さ約50μmのガラス層と、厚さ約20μmの接着層と、厚
さ約38μmのPET(Polyethylene terephthalate)から
なる樹脂層が順に積層された積層体を用い、アルミニウム基板上の発光素子が設けられて
いない領域において、当該保護層の端部を上記光硬化性のエポキシ樹脂と密着させた。続
いて、波長365nmの紫外線を保護層の上方から当該密着箇所に選択的に照射してエポ
キシ樹脂を硬化させ、保護層とアルミニウム基板の一部を接着させた。
続いて、ローラー状の部材を用いて、これを保護層の上面に押し付けながら、上記密着
箇所を開始点として支持体の曲面に沿って押し付けながら転がし、保護層と光硬化性の樹
脂とを密着させた。
続いて、保護層の上方から光硬化性の樹脂の未硬化の領域に、上記紫外線を照射して硬
化させ、アルミニウム基板と保護層とを完全に接着させた。
このようにして、アルミニウム基板上に、湾曲した発光部を備える発光装置を作製した
図9には、作製した発光装置を発光させた際の写真像を示す。
また、本実施例で作製した発光装置は、常温常湿下において、380時間を越えた時点
においても、良好な発光が確認されている。なお、保護層を形成しないサンプルについて
は、作製後約82時間の時点で発光不良が見られた。
以上の結果から、本発明の一態様の作製方法により、クラックや割れなどの不具合が発
生することなく、湾曲した発光面を備える発光装置を作製できることが確認された。また
、このようにして作製した発光装置は、封止不良がなく、信頼性の高い発光装置であるこ
とが確認できた。
本実施例は、本明細書中に記載する他の実施の形態及び実施例と適宜組み合わせて実施
することができる。
100 発光装置
101 基板
103 第1の電極層
105 EL層
107 第2の電極層
110 発光デバイス
111 配線
113 平坦化層
115 絶縁層
120 発光素子
121 支持体
122 封止材
123 封止層
125 保護層
127 光
150 画像表示デバイス
151 ソース配線
152 ゲート配線
153 トランジスタ
154 トランジスタ
161 接着層
163 絶縁層
165 絶縁層
166 絶縁層
167 絶縁層
168 絶縁層
169 絶縁層
171 支持基板
173 剥離層
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 送受信装置
7200 照明装置
7201 台部
7202 発光部
7203 操作スイッチ
7210 照明装置
7212 発光部
7220 照明装置
7222 発光部
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク

Claims (6)

  1. 発光装置を備えた自動車の内装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有する、発光装置を有する自動車の内装。
  2. 発光装置を備えた自動車の内装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有し、
    前記発光デバイスの上面および側面は、前記封止層で覆われている、発光装置を有する自動車の内装。
  3. 発光装置を有する自動車の内装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有し、
    前記基板、前記発光デバイス、前記封止層及び前記保護層は、断面視において、前記自動車の内装の曲面に沿った形状を有する、発光装置を有する自動車の内装。
  4. 発光装置を備えた自動車の外装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有する、発光装置を有する自動車の外装。
  5. 発光装置を備えた自動車の外装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有し、
    前記発光デバイスの上面および側面は、前記封止層で覆われている、発光装置を有する自動車の外装。
  6. 発光装置を有する自動車の外装であって、
    前記発光装置は、
    基板と、
    前記基板の上方に設けられた発光デバイスと、
    前記発光デバイスの上方に設けられ、前記発光デバイスを封止する封止層と、
    前記封止層の上方に貼り合わされた保護層と、を有し、
    前記基板、前記発光デバイス、前記封止層及び前記保護層は、断面視において、前記自動車の内装の曲面に沿った形状を有する、発光装置を有する自動車の外装。
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