JP2021119427A - タッチセンサおよびタッチパネル - Google Patents

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大悟 澤木
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靖 遠藤
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Hiroyuki Kobayashi
浩行 小林
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    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means

Abstract

【課題】表示領域の拡張に加え、センシング領域も拡張できるタッチセンサおよびタッチパネルを提供する。【解決手段】タッチセンサは、少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備えるセンサユニットを少なくとも2つ有する。センサユニットは、隣接して設けられ、隣接するセンサユニットは互いの基体の側面同士を突き合せ、かつ揺動可能に接続されており、互いの側面が対向し、かつ2つの基体の表面が同一平面に位置する第1の状態と、2つの基体の互いの裏面が対向する第2の状態とになる。【選択図】図1

Description

本発明は、折り畳み可能なタッチセンサおよびタッチセンサを有するタッチパネルに関し、特に、基体毎に、指、タッチペン等の接触を検出するセンサシートが設けられた構成の折り畳み可能なタッチセンサおよびタッチパネルに関する。
近年、タブレット型コンピュータおよびスマートフォン等の携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、画面に接触することにより電子機器への入力操作を行うタッチパネルの普及が進んでいる。
例えば、特許文献1に示されるように金属細線を用いたタッチパネルがある。特許文献1のタッチパネルは、基材と、複数のY電極パターンと、複数のX電極パターンと、複数のジャンパ絶縁層と、複数のジャンパ配線と、透明絶縁層とを備えた静電容量センサ(タッチセンサ、入力装置)である。
複数のY電極パターンは、それぞれ略菱形形状を有しており、その頂点同士が相互に対向するように、基材の表面上にX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配列されている。メッシュは、Y方向を中心として線対称に傾斜した2種類の金属細線を格子状に交差させて形成されている。複数のX電極パターンは、Y電極パターンと同じ略菱形形状を有している。
特開2014−115694号公報 特開2017−102945号公報
タッチパネルを備える電子機器、例えば、タブレット型コンピュータおよびスマートフォン等において、表示領域を大きくするには、電子機器の画面サイズを大きくする必要があり、電子機器が大型化してしまう。この電子機器の大型化を抑制するために、折り畳む形態の電子機器の開発が進んでいる。例えば、特許文献2には、機械的に接続され、折り畳むことが可能であり、個々にまたは一緒に使用され得る3つの別々のタッチスクリーンディスプレイを使用する電子デバイスが示されている。
しかしながら、特許文献2の電子デバイスは、表示領域を拡張できるが、それ以外の拡張、例えば、表示領域の側面をセンシング領域とすることができない。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、表示領域の拡張に加え、センシング領域も拡張できるタッチセンサおよびタッチパネルを提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備えるセンサユニットを少なくとも2つ有し、センサユニットは、隣接して設けられ、隣接するセンサユニットは互いの基体の側面同士を突き合せ、かつ揺動可能に接続されており、互いの側面が対向し、かつ2つの基体の表面が同一平面に位置する第1の状態と、2つの基体の互いの裏面が対向する第2の状態とになる、タッチセンサを提供するものである。
また、本発明は、少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備えるセンサユニットを有する、タッチセンサを提供するものである。
隣接するセンサユニットにおいて、基体同士が接続される側面に、センサシートが設けられていることが好ましい。
基体は、接続される側面に、第1の状態においてセンサシートの設けられている側と反対側に、側面同士の突合せ方向と直交する辺部に沿って切欠きが設けられていることが好ましい。
センサシートが設けられる基体の表面と、接続される側面とは、それぞれセンサシートに接着層により接着されており、基体の表面と、接続される側面とは接着層の接着力が異なることが好ましい。
センサシートは、基体との間に保護層が設けられており、保護層は、弾性率が10MPa以上9.8GPa以下であることが好ましい。弾性率の上限値に関しては、更に5.0GPa以下であることがより好ましく、更に3.0GPa以下であることが更に好ましい。
基体の表面と側面とが交わる角部以外に、接着層が設けられていることが好ましい。
基体の表面と側面とが交わる角部に設けられた接着層は、基体の表面、および側面に設けられた接着層よりも厚みが薄いことが好ましい。
少なくとも2つの基体は、ヒンジ部材により揺動可能に接続されていることが好ましい。また、基体は、板状部材で構成されていることが好ましい。
本発明は、タッチセンサを有し、基体は、表示部を有する、タッチパネルを提供するものである。
また、本発明は、タッチセンサと、タッチセンサの基体の裏面に設けられた表示部とを有する、タッチパネルを提供するものである。
本発明によれば、表示領域の拡張に加え、センシング領域も拡張したタッチセンサおよびタッチパネルを提供することができる。
本発明の実施形態のタッチパネルの第1の状態を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの第2の状態を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの他の状態を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの接続部を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの接続部を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの一形態を示す模式的側面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの表示部の配置の他の例を示す模式的側面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの表示部の配置の他の例を示す模式的側面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第1の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第2の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第3の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第1の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第2の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第3の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサの構成の他の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサの構成の他の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサの構成の他の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第1の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第2の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第3の例の第1の状態を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第3の例の第2の状態を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第1の状態を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第2の状態を示す模式的斜視図である。 本発明の実施形態のタッチパネルの他の例に用いられるセンサシートの一例を示す模式図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の一例を示す模式的平面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の一例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の導電線の配置の一例を示す平面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の導電線のパターンの一例を示す平面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の他の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施形態のタッチセンサ部の導電線の一例を拡大して示す模式図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のタッチセンサおよびタッチパネルを詳細に説明する。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「平行」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。また、温度についても、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、「全面」等は、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
なお、透明とは、光透過率が、波長380〜780nmの可視光波長域において、40%以上のことであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のことである。
光透過率は、JIS(日本工業規格) K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
タッチパネルは、スマートフォン等の携帯情報通信端末、パーソナルコンピュータ、およびタブレットPC(パーソナルコンピュータ)等の電子機器に利用されるものである。タッチパネルは、後述するように、折り畳み可能な構成であり、例えば、タッチセンサ18(図1参照)と、表示部20(図6参照)とを有する。以下、タッチパネルについて具体的に説明する。
図1は本発明の実施形態のタッチパネルの第1の状態を示す模式的斜視図であり、図2は本発明の実施形態のタッチパネルの第2の状態を示す模式的斜視図であり、図3は本発明の実施形態のタッチパネルの他の状態を示す模式的斜視図である。
図1に示すタッチパネル10は、広げた状態を示しており、表示領域が最も広い状態である。タッチパネル10は、図2に示すように折り畳むことができ、さらには、図3に示すように折り畳む途中の状態にすることもできる。
タッチセンサ18は、指およびタッチペン等の接触を検出するものであり、例えば、表示部20に表示された画像等を操作ボタン等として利用するために用いられ、ユーザーインターフェースの一部を構成する。上述の接触の検出には、センサシート16が用いられる。
タッチセンサ18は、少なくとも2つのセンサユニット22を有し、センサユニット22は隣接して設けられており、かつ揺動可能に接続されている。
図示例では、センサユニット22が2つの場合を例にして説明するが、センサユニット22の数は、少なくとも2つあれば、特に限定されるものではなく、タッチセンサ18およびタッチパネル10の仕様に応じて適宜決定される。
1つのセンサユニット22は、少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備える。
タッチセンサ18において、一方のセンサユニット22は、第1の基体12と、センサシート16とを備える。他方のセンサユニット22は、第2の基体14と、センサシート16とを備える。
第1の基体12と第2の基体14とは、上述のように、少なくとも表面および複数の側面を備えるものであり、例えば、矩形の板状部材で構成される。第1の基体12と第2の基体14とは、例えば、形状および大きさが同じであり、すなわち、合同である。
センサシート16は、例えば、一方のセンサユニット22の第1の基体12の表面12aと、側面12bとに設けられている。また、センサシート16は、例えば、他方のセンサユニット22の第2の基体14の表面14aと側面14bとに設けられている。2つのセンサユニット22は同じ構成である。
隣接するセンサユニット22は互いの基体の側面同士を突き合せ、かつ揺動可能に接続されている。具体的には、隣接する2つのセンサユニット22では、第1の基体12と第2の基体14とは、互いの側面12b、14b同士を突き合せ、かつ揺動可能に接続されている。センサシート16は、隣接するセンサユニット22において、基体同士が接続される側面12bと側面14bに設けられている。
なお、第1の基体12と第2の基体14とは、揺動可能であれば、その接続方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ヒンジ部材(図示せず)により揺動可能に接続される。
第1の基体12と第2の基体14とを揺動可能にすることにより、図1に示すように第1の基体12と第2の基体14は、互いの側面12b、14bが対向し、かつ第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとが同一平面に位置する第1の状態にできる。すなわち、第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとを平らな状態にできる。第1の状態は第1の基体12と第2の基体14とを広げた状態である。
また、図2に示すように第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとは、互いの裏面が対向する第2の状態にできる。第2の状態は第1の基体12と第2の基体14とを折り畳んだ状態である。
センサユニット22の第1の基体12と、センサユニット22の第2の基体14とは、いずれもタッチセンサ18を構成するものであり、タッチセンサ18およびタッチパネル10の外観を構成するものである。また、第1の基体12と第2の基体14とは、それぞれセンサシート16を支持するものである。このため、第1の基体12と第2の基体14とは、センサシート16の下側に配置される表示部20に表示される画像等が視認できるようにするため、透明であることが好ましい。また、後述のように表示部20(図6参照)が第1の基体12と第2の基体14とに設けられる場合には、表示部20の収納部としても機能する。この場合、第1の基体12および第2の基体14は電気的絶縁性を有する。第1の基体12および第2の基体14は、タッチセンサ18およびタッチパネル10の仕様に応じたもので適宜構成され、例えば、反射防止層、および偏光層等の光学機能層を有する構成でもよい。
なお、第1の基体12と第2の基体14とは、大きさが同じであること、すなわち、タッチセンサ18に設けられるセンサユニット22は大きさが同じであることに限定されるものではなく、異なってもよく、例えば、第1の基体12と第2の基体14とのいずれか一方の幅が狭くてもよい。第1の基体12と第2の基体14との大きさは、用途およびデザイン等に応じて適宜決定されるものである。
センサシート16は、例えば、FPC(フレキシブルプリント基板)に設けられた引出し配線(図示せず)により、第1の基体12および第2の基体14に、それぞれ設けられた外部接続端子(図示せず)に電気的に接続される。外部接続端子は、センサシート16で接触された位置を検出するコントローラ(図示せず)とセンサシート16とを電気的に接続するものである。外部接続端子の配置位置は、特に限定されるものではなく、例えば、第1の基体12の内部もしくは裏面12d、または第2の基体14の内部もしくは裏面14dである。
ここで、図4は本発明の実施形態のタッチパネルが折り畳まれた状態の接続部を示す模式的断面図であり、図5は本発明の実施形態のタッチパネルが開いた状態の接続部を示す模式的断面図である。図4は図2に示す第2の状態に対応し、図5は図1に示す第1の状態に対応する。
第1の基体12および第2の基体14の2つの基体は、それぞれ接続された側面12b、14bに、図1および図5に示す第1の状態においてセンサシート16の設けられている側と反対側に、側面12b、14b同士の突合せ方向DWと直交する方向DLに伸びる辺部に沿って切欠き12c、14cが設けられている。具体的には、第1の基体12の側面12bには裏面12d側に、三角形状の切欠き12cが設けられ、第2の基体14の側面14bには裏面14d側に、三角形状の切欠き14cが設けられている。
なお、切欠き12cと切欠き14cの形状は、特に限定されるものではなく、上述の三角形以外に、四角形、または円弧であってもよい。
図4に示すように、センサシート16が、第1の基体12の表面12aおよび側面12b、ならびに第2の基体14の表面14aおよび側面14bに、例えば、接着層(図示せず)により接着されて設けられる。センサシート16は、切欠き12c、14cに接着されていない。
第1の基体12に切欠き12cを設け、第2の基体14に切欠き14cを設けることにより、第1の基体12と第2の基体14とを広げること、折り畳むことを容易にできる。
なお、切欠き12c、14cは必ずしも設ける必要はない。
タッチセンサ18では、センサユニット22の第1の基体12の表面12aと、センサユニット22の第2の基体14の表面14aとを平らな状態にできる。このため、第1の基体12と第2の基体14とを跨ぐタッチ操作に際しても円滑にタッチ操作でき、操作性を良好にできる。また、第1の基体12と第2の基体14とを跨ぐコンテンツを表示した際、歪みのない画像を表示することができる。
このように、タッチセンサ18では、センサシート16が設けられた第1の基体12と第2の基体14とを上述の図1および図5に示す第1の状態と、上述の図2および図4に示す第2の状態とにすることができる。すなわち、2つのセンサユニット22を折り畳んだり、広げたりすることができる。いずれの状態でも、センサシート16は、常に外側に配置された状態にある。このため、折り畳んだ状態でも、タッチセンサ18として利用することができる。しかも、タッチセンサ18として、側面も使用できることから、センシング領域を拡張できることから、操作性上の利点が大きい。なお、タッチセンサ18は、上述のように図3に示す状態にすることもできる。
タッチパネル10は、例えば、図6に示すように、タッチセンサ18の第1の基体12の裏面12dに表示部20が設けられ、第2の基体14の裏面14dに表示部20が設けられる。表示部20は、折り畳んだ状態で内側に位置する。この場合、第1の基体12と第2の基体14の境界での画像が表示されないことを抑制するため、例えば、第1の基体12と第2の基体14に画像を拡大する光学機能層を設けてもよい。
図6に示すタッチパネル10の構成では、表示部20は、基体毎に設けられており、表示部20自体が曲げられるものではない。
表示部20は、特に限定されるものではなく、画像等を表示する表示領域(図示せず)を備えるものであり、例えば、液晶表示パネル、または有機EL(Organic electro luminescence)表示パネルで構成される。表示部20は、上述のもの以外に、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、および電子ペーパー等を利用することができる。
また、図7に示すように、第1の基体12の裏面12dと第2の基体14の裏面14dに、1つの表示部20を設ける構成でもよい。この場合、表示部20も曲げられるため、フレキシブルなOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の曲げることができ、かつ画像等を表示できるディスプレイが用いられる。表示部20は1つの方が複数設ける場合に比して、表示部20の画像表示を制御する制御部を簡素化でき、しかも、複数画面を跨ぐ画像の表示制御も容易にできる。
なお、上述の図6および図7に示すように、第1の基体12の裏面12dと第2の基体14の裏面14dとに表示部20を設ける構成に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、第1の基体12の内部に表示部20を設け、第2の基体14の内部に表示部20を設ける構成でもよい。
タッチパネル10は、表示部20が設けられた状態で、上述のタッチセンサ18と同様に図1に示す第1の状態と、図2に示す第2の状態とにすることができる。第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとは、それぞれ画像等の表示画面として機能し、タッチパネル10は2つの画面を有する構成である。タッチパネル10は、広げた状態で2画面分の表示領域を利用できる。この場合、上述のように平らな状態にできることから、表示部20に画像等を表示して、2画面を跨ぐコンテンツを表示した際、歪みのない画像を表示することができ、また、2画面を跨ぐタッチ操作に際しても円滑にタッチ操作でき、操作性が良好である。
さらには、タッチパネル10は、表示部20に画像等を表示することにより、折り畳んだ状態でも、外側にコンテンツを表示することができ、かつ上述のタッチセンサ18と同様に側面をセンシング領域として利用することができる。
<センサシートの構成>
次に、タッチセンサのセンサシートの構成について説明する。
図9は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第1の例を示す模式的断面図であり、図10は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第2の例を示す模式的断面図であり、図11は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第3の例を示す模式的断面図である。図9〜図11は、いずれも第2の状態を示しており、図4に対応するものである。
センサシート16は、例えば、図9に示すように、タッチセンサ部30と、タッチセンサ部30上の第1粘着層32と、第1粘着層32上の第1保護層34と、タッチセンサ部30下の第2粘着層36と、第2粘着層36下の第2保護層38とを有する積層構造である。センサシート16は、第2保護層38を第1の基体12および第2の基体14に向けて配置されている。センサシート16は、第1の基体12と第2の基体14との間に、第2保護層38が設けられている。
センサシート16は、全光線透過率が、少なくとも40%であればよく、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
第1粘着層32および第2粘着層36は、いずれも光学的に透明で絶縁性を有するものであり、かつ安定した固定力を発揮することができれば、その構成は、特に限定されるものではない。第1粘着層32および第2粘着層36としては、例えば、光学的に透明な粘着剤(OCA、Optical Clear Adhesive)およびUV(Ultra Violet)硬化樹脂等の光学的に透明な樹脂(OCR、Optical Clear Resin)を用いることができ、例えば、3M株式会社製 8146−4(製品番号)を用いることができる。
また、第1保護層34と第2保護層38は、外部環境からタッチセンサ部30を保護する役割を果たすものであり、透明な部材で構成されている。例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、およびシクロオレフィンコポリマー(COC)のうち、少なくとも1つで構成されることが好ましい。第1保護層34と第2保護層38は、弾性率が10MPa以上9.8GPa以下であることが好ましい。弾性率の上限値に関しては、更に5.0GPa以下であることがより好ましく、更に3.0GPa以下であることが更に好ましい。
センサシート16は、第1の基体12の表面12aと、第2の基体14の表面14aとが第1接着層40により接着されており、第1の基体12の側面12bと、第2の基体14の側面14bとが第2接着層42により接着されている。第1接着層40と第2接着層42とは接着力が異なり、側面12bと側面14bの接着に用いられる第2接着層42の方が接着力が大きいことが好ましい。これにより、第1の基体12と第2の基体14との揺動に対する追従性が更に良好となる。加えて、第1の基体12と第2の基体14との折り畳み繰り返しても、センサシート16の剥離等が抑制され、折り畳みに対する繰り返し耐久性が良好となる。
なお、接着力は、剥離力で規定されるものであり、剥離力が大きい方が、接着力が大きい。
剥離力は、JIS Z0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法を用いて測定することができる。
センサシート16は、図9に示す構成に限定されるものではなく、図10に示すように、タッチセンサ部30の両面に保護層39を設ける構成でもよい。保護層39は、光学的に透明であり、かつ絶縁性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
センサシート16は、図11に示すように、タッチセンサ部30上の全面に保護層39を設け、タッチセンサ部30の下面には、第2接着層42との第2接着層42との間に保護層39を設ける構成でもよい。この場合、第1接着層40とタッチセンサ部30とが直接接触し、第2接着層42とタッチセンサ部30とが直接接触する構成でもよい。
保護層39は、例えば、エアーウレタン クリヤー(商品名)(イサム塗料株式会社製)またはGSIクレオス Mr.トップコートスプレー 光沢(商品名)(株式会社GSIクレオス製)を用いたスプレー塗装により形成することができる。
<センサシートの接着形態>
次に、センサシート16と、第1の基体12および第2の基体14との接着形態について説明する。
図12は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第1の例を示す模式的断面図であり、図13は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第2の例を示す模式的断面図であり、図14は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第3の例を示す模式的断面図である。なお、図12〜図14では、第1の基体12しか示していないが、第1の基体12と第2の基体14とは同じ構成であるため、第2の基体14についても同じである。このため、第1の基体12についてのみ説明し、第2の基体14についての説明は省略する。
上述のように、センサシート16は、第1の基体12の表面12aと、第2の基体14の表面14aとが第1接着層40により接着され、第1の基体12の側面12bと、第2の基体14の側面14bとが第2接着層42により接着される。図12に示すように、第1接着層40は側面12b迄設けられ、第2接着層42は表面12a迄設けられており、第1の基体12の表面12aと側面12bとが交わる角部17に接着層が設けられていない。すなわち、角部17を除き、すなわち、角部17以外に接着層が設けられている。
なお、接着形態は、上述の図12に示す構成に限定されるものではなく、角部17の接着層の厚みが薄い構成でもよい。
例えば、図13に示すように、第1接着層40が第2接着層42迄設けられ、かつ第1接着層40は角部17における厚みが薄い構成でもよい。また、例えば、図14に示すように、第2接着層42が第1接着層40迄設けられ、かつ第2接着層42は角部17における厚みが薄い構成でもよい。
<タッチセンサの構成>
次に、タッチセンサの構成について説明する。
図15〜図17は本発明の実施形態のタッチセンサの構成の他の例を示す模式的断面図である。
タッチセンサ18では、センサユニット22の第1の基体12および第2の基体14が上述の図1〜図3に示す矩形の板状部材に限定されるものではなく、図15に示すように、第1の基体12の側面12bの反対側の端面12eと、第2の基体14の側面14bの反対側の端面14eとが曲面で構成されていてもよい。第1の基体12の端面12eと第2の基体14の端面14eを曲面で構成することにより、図1〜図3に示す矩形の板状部材に比して、第1の基体12の端面12eおよび第2の基体14の端面14eを、それぞれセンシング部および表示領域として利用することができ、センシング部および表示領域を拡張できる。なお、第1の基体12の端面12eおよび第2の基体14の端面14eは、基体の側面に含まれる。
また、図16に示すように、第1の基体12の側面12bと、側面12bの反対側の端面12eとを曲面で構成してもよい。また、第2の基体14の側面14bと、側面14bの反対側の端面14eとを曲面で構成してもよい。第1の基体12の側面12bと第2の基体14の側面14bとを曲面で構成することにより、側面12bと側面14bとにセンサシート16が挟まれることが抑制され、センサシート16の故障の発生を抑制することができる。第1の基体12の端面12eと第2の基体14の端面14eとを曲面とすることにより、上述のようにセンシング部および表示領域を拡張できる。
なお、図17に示すように、対向する第1の基体12の側面12bと第2の基体14の側面14bとだけを曲面で構成してもよい。この場合、上述のようにセンサシート16の故障の発生を抑制することができる。
また、センサシート16は、図18に示すように、上述の図1〜図3に示すタッチセンサ18の構成において第1の基体12の端面12eおよび第2の基体14の端面14e迄設ける構成でもよい。これにより、上述の図1〜図3に示すタッチセンサ18においても、第1の基体12の端面12eおよび第2の基体14の端面14eをセンシング部として利用することができ、センシング領域を拡張できる。
さらには、図19に示すように、センサシート16を、上述の図1〜図3に示すタッチセンサ18の構成において第1の基体12の端面12eおよび裏面12d、ならびに第2の基体14の端面14eおよび裏面14d迄設ける構成でもよい。これにより、上述の図1〜図3に示すタッチセンサ18において、第1の基体12の端面12eおよび裏面12d、ならびに第2の基体14の端面14eおよび裏面14dをセンシング部として利用することができ、センシング領域をより一層拡張できる。図19に示す構成では、第1の基体12の裏面12d、および第2の基体14の裏面14dにセンサシート16が配置されるため、図8に示すように表示部20は第1の基体12の内部、第2の基体14の内部に設けられる構成であることが好ましい。
また、図19では、センサシート16が第1の基体12の裏面12dの全面、および第2の基体14の裏面14dの全面を覆う構成ではないが、第1の基体12の裏面12dの全面、および第2の基体14の裏面14dの全面をセンサシート16が覆う構成でもよい。この場合、表示部20として、表面側と裏面側に画像等を表示できるものを、第1の基体12と第2の基体14とに設けてタッチパネル10を構成することにより、折り畳んだ状態でコンテンツを表示することができ、開いた状態でも、タッチパネル10の両面にコンテンツを表示することができる。この構成でも、センシング領域および表示領域の拡張を実現できる。
なお、図18および図19のタッチセンサ18では、センサユニット22の第1の基体12の側面12b、およびセンサユニット22の第2の基体14の側面14bに、センサシート16が設けられていない構成でもよい。
図20は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第3の例の第1の状態を示す模式的断面図であり、図21は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの配置の第3の例の第2の状態を示す模式的断面図である。なお、図20および図21において、図1〜図3に示すタッチパネル10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図20および図21に示すタッチセンサ18は、図1および図2に示すタッチパネル10に比して、第1の基体12の側面12bおよび第2の基体14の側面14bにセンサシート16が設けられていない点、第1の基体12の切欠き12cおよび第2の基体14の切欠き14cが設けられていない点、第1の基体12の端面12eおよび第2の基体14の端面14eにセンサシート16が設けられている点が異なり、それ以外の構成は図1および図2に示すタッチパネル10と同じである。
図20および図21に示すタッチセンサ18は、センサユニット22の第1の基体12の端面12eと、センサユニット22の第2の基体14の端面14eとがセンシング部として利用可能である。
なお、センサユニット22の第1の基体12の側面12bと、センサユニット22の第2の基体14の側面14bとにセンサシート16が設けられていないため、第1の基体12と第2の基体14とを揺動させても、センサシート16が挟まれることがなく、センサシート16の故障の発生が抑制される。また、図20および図21に示すタッチセンサ18でも、第1の基体12および第2の基体14に切欠きを設けてもよい。
次に、タッチパネルの他の例について説明する。
図22は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第1の状態を示す模式的斜視図であり、図23は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第2の状態を示す模式的斜視図である。図24は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例に用いられるセンサシートの一例を示す模式図である。なお、図22〜図24において、図1〜図3に示すタッチパネル10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図22および図23に示すタッチパネル10は、図1および図2に示すタッチパネル10に比して、第1の基体12の裏面12d以外の全ての面がセンシング部として利用可能である点、および第2の基体14の裏面14d以外の全ての面がセンシング部として利用可能である点が異なり、それ以外の構成は図1および図2に示すタッチパネル10と同じである。
図22および図23に示すタッチパネル10は、センサユニット22の第1の基体12の側面12b、12f、12gおよび端面12eがセンシング部として利用可能であり、センサユニット22の第2の基体14の側面14b、14f、14gおよび端面14eがセンシング部として利用可能である。
センサシート16は、例えば、図24に示すように、切欠部19が設けられている。切欠部19により、第1の基体12の側面12b、12f、12gおよび端面12eを覆う領域が形成されている。
センサシート16の領域16aは第1の基体12の端面12eに対応する領域であり、領域16bは側面12fに対応する領域であり、領域16cは側面12gに対応する領域であり、領域16dは側面12bに対応する領域である。
また、センサシート16の領域16aは第2の基体14の端面14eに対応する領域であり、領域16bは側面14fに対応する領域であり、領域16cは側面14gに対応する領域であり、領域16dは側面14bに対応する領域である。
このように、センサユニット22は、基体の表面および全ての側面をセンシング領域とし、センシング領域の拡張を実現できる。なお、側面についは、4つある側面のうち、少なくとも1つの側面をセンシング領域とすればよく、センシング領域とする側面は特に限定されるものではない。
図22および図23に示すタッチパネル10でも、表示部20(図示せず)に画像等を表示することにより、折り畳んだ状態でも、開いた状態でもコンテンツを表示することができ、全ての側面をセンシング領域として利用することができる。
上述のいずれのタッチセンサ18およびタッチパネル10において、センサユニット22を少なくとも2つ有する構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、複数のタッチセンサ18を突合せ方向DW(図1および図22参照)に接続して、タッチパネル10としてもよい。
また、上述のいずれのタッチセンサ18およびタッチパネル10も、表面と少なくとも1つの側面がセンシング領域のセンサユニット22を用いる構成である。組み合わせるセンサユニット22において、センサシート16の配置を変えることにより、センシング領域を図1に示すタッチパネル10とは異なるものにできる。このように、センサユニット22を用いることにより、センサシート16の配置を変えたものを組み合わせることができ、タッチセンサ18およびタッチパネル10の設計自由度を高くすることができる。
<タッチセンサ部の構造>
次に、センサシート16のタッチセンサ部30についてより具体的に説明する。
タッチセンサ部30は、静電容量方式でも、抵抗膜方式でもよい。タッチセンサ部30で接触された位置を検出するコントローラ(図示せず)は、タッチセンサ部30に応じたものが適宜用いられる。タッチセンサ部30が静電容量式であれば、静電容量が変化した位置がコントローラ(図示せず)で検出され、接触された位置が特定される。タッチセンサ部30が抵抗膜式であれば、抵抗が変化した位置がコントローラ(図示せず)で検出され、接触された位置が特定される。
タッチセンサ部30について、静電容量方式のタッチセンサを例に説明するが、タッチセンサ部30の構成は、以下に説明するものに限定されるものではない。
タッチセンサ部30は、図25に示されるように、電気絶縁性を有する支持体50と、1つの支持体50の両面の各面にそれぞれ形成される検出電極と、検出電極の周辺に形成され、検出電極と電気的に接続された周辺配線とを有する。検出電極が導電層に相当する。
支持体50の表面50a(図26参照)上にそれぞれ第1の方向Yに沿って延び、かつ第1の方向Yに直交する第2の方向Xに並列配置された複数の第1の検出電極52が形成され、複数の第1の検出電極52に電気的に接続された複数の第1の周辺配線53が互いに近接して配列されている。同様に、支持体50の裏面50b(図26参照)上には、それぞれ第2の方向Xに沿って延び、かつ第1の方向Yに並列配置された複数の第2の検出電極54が形成され、複数の第2の検出電極54に電気的に接続された複数の第2の周辺配線55が互いに近接して配列されている。複数の第1の検出電極52と複数の第2の検出電極54とが検出電極である。複数の第1の検出電極52と複数の第2の検出電極54とは、支持体50により電気的に絶縁され、かつ離間して、一部を重ねて配置されている。支持体50は、少なくとも2つの導電層を電気的に絶縁する絶縁層として機能するものであり、絶縁層の一形態である。
タッチセンサ部30では、支持体50において、複数の第1の検出電極52と複数の第2の検出電極54とが平面視で重なって配置される領域が検知領域57である。検知領域57は指等の接触の検出が可能な領域である。なお、タッチセンサ部30の検知領域57の大きさおよび形状等は、センサシート16が設けられる場所により適宜決定されるものであり、上述の図25に示す検知領域57に限定されるものではない。
図26に示すように、第1の検出電極52は、例えば、支持体50の表面50aに形成された導電線60で構成される。第1の検出電極52を覆う第1粘着層32が設けられている。第1の検出電極52の導電線60は、例えば、図27に示すように菱形のメッシュパターンに配置される。
図26に示すように、第2の検出電極54は、例えば、支持体50の裏面50bに形成された導電線60で構成される。第2の検出電極54を覆う第2粘着層36が設けられている。第2の検出電極54の導電線60は、例えば、図27に示すように菱形のcに配置される。
支持体50の表面50aに第1の検出電極52を形成し、裏面50bに第2の検出電極54を形成することにより、支持体50が収縮しても第1の検出電極52と第2の検出電極54との位置関係のズレを小さくすることができる。
導電線60のメッシュパターンは、上述の菱形に限定されるものではない、メッシュパターンとしては、例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等の(正)n角形、円、楕円、星形等を組み合わせた幾何学図形であってもよい。
なお、メッシュパターンのメッシュとは、図28に示すように、交差する導電線60により構成される複数の正方形状の開口部62を含んでいる形状を意図する。
開口部62の一辺の長さPaは特に限定されるものではなく、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下であることが更に好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上が更に好ましい。開口部62の辺の長さが上述の範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電性フィルムを表示部の表示面上に取り付けた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、導電線60により形成されるメッシュパターンの開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。開口率とは、導電線60がある領域を除いた支持体上の領域が全体に占める割合に相当する。
タッチセンサ部30は、図26に示す構成に限定されるものではなく、図29に示すタッチセンサ部30aの構成でもよい。図29に示すタッチセンサ部30aは、図26に示すタッチセンサ部30に比して、支持体50に代えて、絶縁層58が用いられ、絶縁層58により第1の検出電極52と第2の検出電極54とが電気的に絶縁され、かつ離間して配置されている点が異なる。また、第2保護層38上に第2の検出電極54が形成されている。第1の検出電極52は絶縁層58の表面58aに形成されている点が異なる。第1の検出電極52を覆う第1粘着層32が設けられている。絶縁層58の裏面58bに第2粘着層36が設けられている。
図29に示すタッチセンサ部30aは、図26に示すタッチセンサ部30と同様の効果を得ることができる。
<タッチセンサ部の構成>
以下、タッチセンサ部30を構成する各部材について説明する。
〔支持体〕
支持体は、第1の検出電極52および第2の検出電極54を電気的に絶縁し、かつ離間して配置することができれば、その種類は限定されるものではなく、透明支持体であることが好ましく、特にプラスチックシートが好ましい。
支持体を構成する材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、アクリル(128℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(269℃)、ポリエチレン(PE)(135℃)、ポリプロピレン(PP)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)およびTAC(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。( )内の数値は融点である。支持体の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
支持体の厚みは特に限定されるものではないが、一般に、25〜500μmが好ましい。なお、タッチセンサ部が支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
支持体の好適態様の一つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも一つの処理が施された処理済支持体が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理済支持体表面にはOH基等の親水性基が導入され、導電線の密着性がより向上する。
〔導電線〕
導電線は、バインダ、および、バインダ中に分散した金属部を含有する。
上述のバインダは第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子を含有する。なお、本明細書において、ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)法によって測定したガラス転移温度を意味する。ガラス転移温度は、JIS K7121(2012)に規定される「プラスチックの転移温度測定方法」を用いて測定されるものである。
第1高分子および第2高分子としては、例えば、疎水性ポリマー(疎水性樹脂)等が挙げられ、より具体的には、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
また、ポリマーには、後述する架橋剤と反応する反応性基が含まれることが好ましい。
ポリマーとしては、以下の式A、B、C、および、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位を有することが好ましい。
中でも、第1高分子としては、よりガラス転移温度を低く制御しやすい観点から、式A、B、C、および、Dからなる群より選択される1種の単位からなる重合体が好ましく、
B、C、および、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位からなる重合体がより好ましく、式Dで表される単位からなる重合体が更に好ましい。
Figure 2021119427
1は、メチル基またはハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原子を表す。pは0〜2の整数を表し、0または1が好ましく、0がより好ましい。
2は、メチル基またはエチル基を表し、メチル基が好ましい。
3は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子が好ましい。Lは、2価の連結基を表し、下記一般式(2)で表される基が好ましい。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2
式中X1は、酸素原子またはNR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基等)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)である。X1として特に好ましいのは、酸素原子またはNH−である。
2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、または、アルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、−N(R31)SO2−等が途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、および、イソプロピル基等がある。X2の好ましい例として、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、および、−CH2CH2OCO(C64)−等が挙げられる。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
4は、炭素数1〜80のアルキル基、アルケニル基、または、アルキニル基を表し、第1高分子としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、第2高分子としては、炭素数5〜50のアルキル基が好ましく、炭素数5〜30のアルキル基がより好ましく、炭素数5〜20のアルキル基が更に好ましい。
5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、または、−CH2COOR6が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
6は、水素原子または炭素数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素数は1〜70が好ましく、1〜60がより好ましい。
第1高分子および2の他の好適形態としては、水分の浸入をより防止できる点より、以下の一般式(1)で表されるポリマー(共重合体)が挙げられる。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、すでに説明した上述の繰り返し単位を表す。
一般式(1)中、x、y、z、およびwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xとしては、3〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%である。
yとしては、30〜96モル%、好ましくは35〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
zとしては0.5〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜20モル%である。
wとしては、0.5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%である。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(2)および一般式(3)で表されるポリマーが好ましい。
Figure 2021119427
一般式(2)中、x、y、zおよびwは、上述の定義の通りである。
Figure 2021119427
上述の式中、a1、b1、c1、d1、およびe1は各モノマー単位のモル比率を表し、a1は3〜60(モル%)、b1は30〜95(モル%)、c1は0.5〜25(モル%)、d1は0.5〜40(モル%)、e1は1〜10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上述のxの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上述のyの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上述のzの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上述のwの好ましい範囲と同じである。
e1は1〜10モル%であり、好ましくは2〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーの重量平均分子量は、1000〜100万が好ましく、2000〜75万がより好ましく、3000〜50万が更に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、特許第3305459号および特許第3754745号公報等を参照して合成することができる。
なお、第1高分子および第2高分子のガラス転移温度としては特に限定されるものではないが、より優れた本発明の効果を有するタッチセンサ部が得られる点で、第1高分子のガラス転移温度としては、0℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、40℃を超えることが更に好ましい。上限としては特に限定されるものではないが、一般に120℃以下が好ましい。
また、第2高分子のガラス転移温度としては特に限定されるものではないが、40℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、25℃未満が更に好ましく、0℃以下が特に好ましく、0℃未満が最も好ましい。下限としては特に限定されるものではないが、一般に−50℃以上が好ましい。
第1高分子のガラス転移温度と、第2高分子のガラス転移温度の差(絶対値)としては特に限定されるものではないが、一般に20〜100℃が好ましい。第1高分子のガラス転移温度と、第2高分子のガラス転移温度の差(絶対値)が上述の範囲内だと、タッチセンサ部はより優れた本発明の効果を有する。
導電線における金属部は、導電線の導電特性を担保する部分であり、金属部は金属により構成される。金属部を構成する金属としては、導電特性がより優れる点で、金(金属金)、銀(金属銀)、銅(金属銅)、ニッケル(金属ニッケル)、および、パラジウム(金属パラジウム)からなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましい。
なお、図30には、金属部が粒子状になって導電線に分散した形態を記載しているが、金属部の形態としては上述の形態に限定されるものではなく、金属部が層状となって導電線に分散した形態であってもよい。
なお、図30はタッチセンサ部30の導電線60の拡大図である。図30に示す導電線60は、第1高分子、および第2高分子を含有するバインダ70と、バインダ70中に分散した複数の金属部72とを含む。金属部72は上述のように粒子状である。
導電線には上述の以外の材料が含有されていてもよい。上述の以外の材料としては、例えば、非金属の微粒子が挙げられる。非金属の微粒子としては、例えば、樹脂粒子、および、金属酸化物粒子等が挙げられ、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、および、酸化チタン粒子等が挙げられる。
非金属の微粒子の平均粒子径としては特に限定されるものではないが、球相当径で1〜1000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。上述の範囲内であれば、タッチセンサ部はより優れた透明性を有しやすく、かつ、より優れた導電性を有しやすい。
非金属の微粒子の球相当径は、透過型電子顕微鏡を用いて、任意の50個分の球相当径を算出し、それらを算術平均したものである。
導電線の形状は特に限定されるものではないが、タッチパネルに適用した際により優れたタッチ位置の検出性能が得られるように、線状(直線、曲線、および、これらの組み合わせ等)であるのが好ましい。この際、導電線の線幅は特に限定されるものではないが、導電線の導電特性および視認しづらさのバランスの点から、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が特に好ましく、4μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
導電線の厚みは特に限定されるものではないが、薄型化と導電特性のバランスの点で、200μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、0.3〜5μmであることが特に好ましく、0.5〜5μmであることが最も好ましい。
<タッチセンサ部の製造方法>
タッチセンサ部の製造方法について、導電線の金属部が銀(金属銀)を含有する場合を例にして説明する。より優れた生産性が得られる点で以下工程を有する方法が好ましい。
・工程A:
支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程。
・工程B:
ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電線を形成する工程。
以下では、各工程について詳述する。
<工程A>
工程Aは、支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程である。
なお、同時重層塗布する場合の各塗布液の積層順序としては特に限定されるものではない。支持体側から、ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液をこの順に積層してもよい。逆に、支持体側から、組成調整塗布液、および、ハロゲン化銀含有塗布液をこの順に積層してもよい。更に、組成調整塗布液、ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液をこの順に積層してもよい。
なお、「支持体上に塗布」とは、支持体表面上に直接塗布する場合、および、支持体上に別途層が配置され、その層上に塗布する場合も含める。
本工程では、ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀含有塗布液と、ハロゲン化銀を含まない組成調整塗布液とを同時重層塗布しているため、両者の塗布液より形成される2層の塗膜の界面にて成分の拡散が進行する。より具体的には、支持体上に配置されるハロゲン化銀含有塗布液から形成される塗膜(以後、塗膜Aともいう)中から、組成調整塗布液から形成される塗膜(以後、塗膜Bともいう)中に一部のハロゲン化銀、および、第1高分子の拡散が進行する。その結果、塗膜B中の塗膜A側の領域にはハロゲン化銀、および、第1高分子が含まれ、その含有量は、塗膜A中のハロゲン化銀、および、第1高分子の含有量よりも少ない。
塗膜B中の塗膜A側の領域(以下「領域W」ともいう。)には、塗膜Aから移動したハロゲン化銀が含有されるため、後述する工程Bを経た後、この領域Wは、導電線における上部領域を形成することとなる。このとき、導電線のうち、領域Wにおいては第1高分子の含有量および第2高分子の含有量の合計量に対する第2高分子の含有量の含有質量比が、中間領域よりも大きくなりやすい。
なお、ハロゲン化銀含有塗布液は、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有すればよく、第2高分子を更に含有してもよい。この場合、ハロゲン化銀含有塗布液中における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第2高分子の含有質量比は、組成調整塗布液中における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第2高分子の含有質量比よりも小さいことが好ましい。
また、組成調整塗布液は、少なくとも第2高分子を含有すればよく、ハロゲン化銀、および/または、第1高分子を更に含有してもよい。組成調整塗布液が更にハロゲン化銀を含有する場合、その含有量としては特に限定されるものではないが、ハロゲン化銀含有塗布液中におけるハロゲン化銀の含有量より、組成調整塗布液中におけるハロゲン化銀の含有量の方が少ないことが好ましい。そのようにすることで、より外光反射の少ないタッチセンサ部が得られやすい。
組成調整塗布液が更に第1高分子を含有する場合、組成調整塗布液中における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比は、ハロゲン化銀含有塗布液における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比よりも小さいことが好ましい。
ハロゲン化銀含有塗布液に含有されるハロゲン化銀としては特に限定されるものではなく、公知のハロゲン化銀が使用できる。ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、塩化銀、臭化銀、または、ヨウ化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、更に臭化銀または塩化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、または、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、または、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、または、沃塩臭化銀が用いられる。
なお、ここで、「臭化銀を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。この臭化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜300nmであることがより好ましく、1〜200nmであることが更に好ましい。
なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状等)、八面体状、および、14面体状等様々な形状であることができる。
また、ハロゲン化銀の安定化または高感化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物等のVIII族、VIIB族に属する金属化合物、パラジウム化合物の利用については、特開2009−188360号の段落0039〜段落0042の記載を参照することができる。更に化学増感については、特開2009−188360号の段落0043の技術記載を参照することができる。
ハロゲン化銀含有塗布液に含有され、組成調整塗布液に含有されることがある第1高分子、および、組成調整塗布液に含有され、ハロゲン化銀含有塗布液に含有されることがある第2高分子の形態としては既に説明したとおりであるため、説明は省略する。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液は、ハロゲン化銀、第1高分子、および、第2高分子以外の成分を含有していてもよく、それらの成分はハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液において共通であり、以下に説明するとおりである。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液は、更にゼラチンを含有してもよい。
ゼラチンの種類は特に限定されるものではなく、例えば、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、および、アミノ基またはカルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することもできる。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液は、更に溶媒を含有してもよい。使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、および、これらの混合溶媒を挙げることができる。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液には、必要に応じて、上述した材料以外の他の材料が含まれていてもよい。例えば、上述の第1高分子および第2高分子を架橋するために使用される架橋剤が含まれることが好ましい。架橋剤が含まれることによりポリマー間での架橋が進行し、後述する工程においてゼラチンが分解除去された際にも金属銀同士の連結が保たれ、結果として導電特性がより優れる。
ハロゲン化銀含有塗布液と組成調整塗布液とを同時重層塗布する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができ、例えば、ダイ塗布方式を用いることが好ましい。ダイ塗布方式にはスライド塗布方式、エクストルージョン塗布方式、カーテン塗布方式があるが、スライド塗布方式またはエクストルージョン塗布が好ましく、薄層塗布適性が高いエクストルージョン塗布が最も好ましい。
なお、上述の同時重層塗布する際には、上述したタッチパネル用導電性フィルムの第1実施態様の形態が得られやすい点から、所定の基板上に塗布した際に形成される膜(表面膜)の乾燥厚みが300nm以上となるような組成の第2高分子を含有する組成調整塗布液を使用することが好ましい。
また、同時重層塗布を実施した後、得られた塗膜に対して、必要に応じて、乾燥処理を施してもよい。乾燥処理を実施することにより、ハロゲン化銀含有塗布液より得られる塗膜および組成調整塗布液より得られる塗膜に含まれる溶媒を容易に除去することができる。
上述の処理により、ハロゲン化銀を含有する感光性層を支持体上に形成することができる。なお、本明細書では、上述の「ハロゲン化銀を含有する感光性層」を「ハロゲン化銀感光性層」、または、単に「感光性層」ということがある。
<工程B>
工程Bは、ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電線を形成する工程である。
本工程により、ハロゲン化銀が還元され、金属銀を含む導電線が形成される。なお、通常、露光処理はパターン状に実施され、露光部では金属銀を含む導電線が形成される。一方、非露光部では、後述する現像処理によってハロゲン化銀が溶出される。上述のゼラチンおよび上述の高分子を含む非導電線が形成される。非導電線には実質的に金属銀が含まれておらず、非導電線とは導電性を示さない領域を意図する。
以下では、本工程で実施される露光処理と現像処理とについて詳述する。
露光処理は、感光性層に露光を行う処理である。感光性層に対してパターン状の露光を施すことにより、露光領域における感光性層中のハロゲン化銀が潜像を形成する。この潜像が形成された領域は、後述する現像処理によって導電線を形成する。一方、露光がなされなかった未露光領域では、後述する現像処理の際にハロゲン化銀が溶解して感光性層から流出し、透明な膜(非導電線)が得られる。
露光の際に使用される光源は特に限定されるものではなく、可視光線、紫外線等の光、または、X線等の放射線等が挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。なお、パターンの形状は特に限定されるものではなく、形成したい導電線のパターンに合わせて適宜調整される。
現像処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、および、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理の際に使用される現像液の種類は特に限定されるものではないが、例えば、PQ(phenidone hydroquinone)現像液、MQ(Metol hydroquinone)現像液、および、MAA(メトール・アスコルビン酸)現像液等を用いることもできる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、および、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、7秒〜50秒がより好ましい。
現像、定着処理を施した感光性層は、水洗処理および安定化処理を施されるのが好ましい。
上述の工程Aおよび工程B以外のその他の工程を有していてもよい。
その他の工程としては、例えば、
工程Bの後に、導電線の金属銀同士を互いに融着させる工程F;
工程Aの後であって、工程Bの前に、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性置換基または金属吸着性構造を有する化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)と、を接触させる工程C1;
工程Bの後であって、工程Fの前に、導電線と特定化合物とを接触させる工程C2;
工程Bの後であって、工程Fの前に、更に、導電線を圧密化する工程D;
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電線中のゼラチンを除去する工程E;
等が挙げられる。また、その他の工程としては、後述する易接着層形成工程等も挙げられる。以下では、その他の工程について説明する。
(工程F)
工程Fは、工程Bの後に、導電線の(導電線に含有される)金属銀同士を互いに融着させる工程である。本工程により、金属銀同士が融着する結果、より優れた導電性を有する導電線を備えたタッチセンサ部が得られる。
加熱の方法としては特に限定されるものではないが、導電線を有する支持体を過熱蒸気に接触させる処理が挙げられる。
過熱蒸気としては特に限定されるものではなく、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10〜300秒の範囲で導電線に接触させることが好ましい。供給時間が10秒以上であると、導電率の向上が大きい。また、300秒以下だと、十分に導電率が向上するため、経済性の点からより好ましい。
また、過熱蒸気は、供給量が500〜600g/m3の範囲で導電線に接触させることが好ましく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100〜160℃に制御されることが好ましい。
加熱処理の他の方法としては、80〜150℃での加熱処理が挙げられる。
加熱時間は特に限定されるものではないが、上述の効果がより優れる点で、0.1〜5.0時間が好ましく、0.5〜1.0時間がより好ましい。
(工程C1)
工程C1は、工程Aの後であって、工程Bの前に実施され、ハロゲン化銀感光性層と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、後段の工程Bにおいて生じた金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、ハロゲン化銀感光性層に特定化合物を接触させるため、ハロゲン化銀感光性層のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、特に後段の工程によって得られる導電線において、界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすい。また、この場合であっても、導電線の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチセンサ部が得られる。
タッチセンサ部の製造方法は、工程C1または後述する工程C2を有することが好ましく、工程C1および工程C2を有していてもよい。
特定化合物とハロゲン化銀感光性層を接触させる方法としては特に限定されるものではないが、典型的には特定化合物が溶解、および/または、分散された溶液と、ハロゲン化銀感光性層とを接触させる方法が挙げられる。また、特定化合物を含有する気体と、ハロゲン化銀感光性層とを接触させる方法であってもよい。
特定化合物を含有する溶液とハロゲン化銀感光性層とを接触させる方法としては特に限定されるものではないが、溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法、および、ハロゲン化銀感光性層に溶液を塗布する方法等が挙げられ、溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法がより好ましい。溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法は、より簡便な装置で、より安定的に実施でき、また、浸漬後に洗浄すれば、余剰の溶液をより容易に除去できるため、好ましい。
また、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性部位を有する化合物を含有する気体、および/または、溶液とを接触させる方法は、ハロゲン化銀感光性層の表面において、金属銀が上述の化合物に吸着されやすいという特徴も有する。これにより、導電線の表面において金属銀が互いに融着するのがより阻害されやすい。
特定化合物は、金属吸着性置換基または金属吸着性構造(以下、これらをあわせて「金属吸着性部位」ともいう。)を有する化合物である。
金属吸着性置換基としては、特に限定されるものではないが、金属吸着性置換基としては、カルボキシル基またはその塩、酸アミド基、アミノ基、イミダゾール基、ピラゾール基、チオール基、チオエーテル基、および、ジスルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
金属吸着性構造としては特に限定されるものではないが、含窒素ヘテロ環が好ましく、5または6員環アゾール類が好ましく、5員環アゾール類がより好ましい。
含窒素ヘテロ環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ベンゾインダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環、キノリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノキサリン環、モルホリン環、および、ペンタアザインデン環等が挙げられる。
これらの環は、置換基を有してもよく、置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、および、臭素原子)、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、および、シアノエチル基の各基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メチルフェニル基、3,4−ジクロルフェニル基、および、ナフチル基の各基)、アルケニル基(例えば、アリル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、および、フェネチル基の各基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、および、p−トルエンスルホニル基の各基)、カルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、および、フェニルカルバモイル基の各基)、スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル基、メチルスルファモイル基、および、フェニルスルファモイル基の各基)、カルボンアミド基(例えば、アセトアミド基、および、ベンズアミド基の各基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、および、p−トルエンスルホンアミド基の各基)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、および、ベンゾイルオキシ基の各基)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基)、ウレイド基(例えば、無置換ウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド基、および、フェニルウレイド基の各基)、アシル基(例えば、アセチル基、および、ベンゾイル基の各基)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、および、フェノキシカルボニル基の各基)、および、ヒドロキシル基等が挙げられる。置換基は、一つの環に複数置換してもよい。
上述の化合物としては含窒素6員環を有する化合物(含窒素6員環化合物)が好ましく、含窒素6員環化合物としては、トリアジン環、ピリミジン環、ピリジン環、ピロリン環、ピペリジン環、ピリダジン環、または、ピラジン環を有する化合物が好ましく、トリアジン環またはピリミジン環を有する化合物がより好ましい。これらの含窒素6員環化合物は置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルコキシアルキル基、および、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
含窒素6員環化合物の具体例としては、トリアジン、メチルトリアジン、ジメチルトリアジン、ヒドロキシエチルトリアジン、ピリミジン、4−メチルピリミジン、ピリジン、および、ピロリンが挙げられる。
上述の化合物は、金属吸着性部位の1種を単独で有しても、2種以上を有してもよいが、上述の化合物は、2種以上の金属吸着性部位を有していることが好ましい。
(工程C2)
工程C2は、工程Bの後であって、工程Fの前に実施され、導電線と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、導電線の(導電線に含まれる)金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、導電線に特定化合物を接触させるため、導電線のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、導電線の界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすい。また、この場合であっても、導電線の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチセンサ部が得られる。
なお、本工程において、導電線と特定化合物とを接触させる方法、および、特定化合物の形態等については、既に説明した工程C1における各形態と同様であるため、説明を省略する。
(工程D)
工程Dは、工程Bの後であって上述の工程Fの前に、導電線を圧密化する工程である。本工程によって、導電線の導電性がより向上するとともに、導電線の支持体への密着性がより向上しやすい。
導電線を圧密化する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、導電線を有する支持体を、少なくとも一対のロール間を加圧下で通過させるカレンダ処理工程が好ましい。以下、カレンダーロールを用いた圧密化処理をカレンダ処理と記す。
カレンダ処理に用いられるロールとしては、プラスチックロールおよび金属ロールが挙げられる。シワ防止の点からプラスチックロールが好ましい。ロール間の圧力としては特に限定されるものではない。ロール間の圧力は、富士フイルム株式会社製プレスケール(高圧用)を用いて測定できる。
カレンダ処理に用いられるロールの表面粗さRaは、得られる導電線がより視認されにくい点で、0〜2.0μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましい。
圧密化処理の温度は特に限定されるものではないが、10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、導電線のパターンの画線密度、形状、および、バインダ種によって異なるが、10℃(温調なし)〜50℃がより好ましい。
(工程E)
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Eは、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電線(導電線に含有される)のゼラチンを除去する工程である。ゼラチンを除去することにより、結果として導電線の金属銀の含有量が相対的に高まるため、より優れた導電性を有する導電線が得られる。
工程Eはゼラチンの全部を除去する工程であってもよいし、ゼラチンの一部を除去する工程であってもよい。また、工程Eにおいては、導電線に加えて、支持体上の導電線以外の部分(例えば、非導電線)からゼラチンを除去してもよい。
ゼラチンを除去する方法としては特に限定されるものではないが、例えば、タンパク質分解酵素を用いて分解除去する方法、および、所定の酸化剤を用いて分解除去する方法が挙げられる。
なお、タンパク質分解酵素を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−209332号公報の段落0084〜0077に記載の方法を採用できる。
また、酸化剤を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−112512号公報の段落0064〜0066に記載の方法を採用できる。
(易接着層形成工程)
易接着層形成工程は、工程Aの前に、支持体上に易接着層(以下、「下塗り層」ともいう。)を形成し、易接着層(下塗り層)付き支持体を得る工程である。支持体上に下塗り層を形成する方法としては特に限定されるものではないが、支持体上に下塗り層形成用組成物を塗布する方法が挙げられる。下塗り層形成工程では、形成される下塗り層が、隣接する他の層(支持体、および、非導電線等)との間で、屈折率の差の絶対値がより小さくなるよう、調整されることが好ましい。下塗り層と隣接する他の層との間の屈折率の差を調整する方法としては特に限定されるものではないが、各層の形成に用いられる組成物中に含有される各成分の種類を調整する方法が挙げられる。
易接着層を形成する方法としては特に限定されるものではないが、易接着層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。易接着層形成用組成物は、溶媒を含有してもよい。溶媒の種類は特に限定されるものではなく、ハロゲン化銀含有塗布液等が含有することがある溶媒として既に説明したとおりである。
易接着層の厚みは特に限定されるものではないが、支持体と、ハロゲン化銀感光性層および導電線との密着性がより向上する点で、0.02〜0.3μmが好ましい。
易接着層としては特に限定されるものではなく、例えば、特開2008−208310号公報に記載の第1接着層の好適な適用例を、好適に用いることができる。
<タッチセンサ部の他の製造方法>
タッチセンサ部30、30aは、導電線60を支持体50に形成することができれば、その製造方法は、上述の方法に、特に限定されるものではなく、例えば、めっき法、蒸着法および印刷法等が適宜利用可能である。
なお、導電線60は、導電性を有し、導電層として機能すれば、その構成は特に限定されるものではない。導電線60は、金属または合金で形成されていることが好ましい。導電線60は、金属の場合、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン、金またはタングステンが好ましく、なかでも、導電線の導電性が優れる理由から、銀であることがより好ましい。これら以外に、導電線60には、カーボンナノチューブ(CNT)、およびカーボンナノバッド(CNB)等の炭素性の導電材料、ITO(Indium Tin Oxide)、およびSnO等の導電性酸化物を用いることができる。導電層に作用する引張応力を低減できるため、導電線60は金属以外の炭素性の導電材料および導電性酸化物を用いても十分な折り曲げ耐性を得ることができる。
導電線60の中には、導電線と支持体50との密着性の観点から、バインダが含まれていることが好ましい。
バインダとしては、導電線と支持体50との密着性がより優れる理由から、樹脂が好ましく、より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
めっき法よる導電線60の形成方法について説明する。例えば、導電線60は、無電解めっき下地層に無電解めっきすることにより下地層上に形成される金属めっき膜で構成することができる。この場合、少なくとも金属微粒子を含有する触媒インクを基材上にパターン状に形成した後に、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することで形成される。より具体的には、特開2014−159620号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を利用することができる。また、少なくとも金属触媒前駆体と相互作用しうる官能基を有する樹脂組成物を基材上にパターン状に形成した後、触媒または触媒前駆体を付与し、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することで形成される。より具体的には、特開2012−144761号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を応用することができる。
また、蒸着法よる導電線60の形成方法について説明する。まず、蒸着により、銅箔層を形成し、フォトリソグラフィー法により銅箔層から銅配線を形成することにより、導電線60を形成することができる。銅箔層は、蒸着銅箔以外にも、電解銅箔が利用可能である。より具体的には、特開2014−29614号公報に記載の銅配線を形成する工程を利用することができる。
また、印刷法よる導電線60の形成方法について説明する。まず、導電性粉末を含有する導電性ペーストを導電線60と同じパターンで基板に塗布し、その後、加熱処理を施すことにより導電線60を形成することができる。導電性ペーストを用いたパターン形成は、例えば、インクジェット法またはスクリーン印刷法でなされる。導電性ペーストとしては、より具体的には、特開2011−28985号公報に記載の導電性ペーストを利用することができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のタッチセンサおよびタッチパネルについて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 タッチパネル
12 第1の基体
12a、14a 表面
12b、12f、12g 側面
12c、14c 切欠き
12d、14d 裏面
12e、14e 端面
14 第2の基体
14b、14f、14g 側面
14c 切欠き
14d 裏面
16 センサシート
16a、16b、16c、16d 領域
17 角部
18 タッチセンサ
19 切欠部
20 表示部
22 センサユニット
30、30a タッチセンサ部
32 第1粘着層
34 第1保護層
36 第2粘着層
38 第2保護層
39 保護層
40 第1接着層
42 第2接着層
50 支持体
50a 表面
50b 裏面
52 第1の検出電極
53 第1の周辺配線
54 第2の検出電極
55 第2の周辺配線
57 検知領域
58 絶縁層
58a 表面
58b 裏面
60 導電線
60a 表面
62 開口部
70 バインダ
72 金属部
DL 方向
DW 突合せ方向
X 第2の方向
Y 第1の方向

Claims (12)

  1. 少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも前記基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備えるセンサユニットを少なくとも2つ有し、
    前記センサユニットは、隣接して設けられ、隣接する前記センサユニットは互いの前記基体の側面同士を突き合せ、かつ揺動可能に接続されており、
    互いの前記側面が対向し、かつ2つの前記基体の前記表面が同一平面に位置する第1の状態と、2つの前記基体の互いの裏面が対向する第2の状態とになる、タッチセンサ。
  2. 少なくとも表面および複数の側面を備える基体と、少なくとも前記基体の表面およびいずれかの側面に設けられた、接触を検出するセンサシートとを備えるセンサユニットを有する、タッチセンサ。
  3. 隣接する前記センサユニットにおいて、前記基体同士が接続される前記側面に、前記センサシートが設けられている、請求項1に記載のタッチセンサ。
  4. 前記基体は、接続される前記側面に、前記第1の状態において前記センサシートの設けられている側と反対側に、前記側面同士の突合せ方向と直交する辺部に沿って切欠きが設けられている、請求項1または3に記載のタッチセンサ。
  5. 前記センサシートが設けられる前記基体の前記表面と、接続される前記側面とは、それぞれ前記センサシートに接着層により接着されており、前記基体の前記表面と、接続される前記側面とは前記接着層の接着力が異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
  6. 前記センサシートは、前記基体との間に保護層が設けられており、
    前記保護層は、弾性率が10MPa以上9.8GPa以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
  7. 前記基体の前記表面と前記側面とが交わる角部以外に、接着層が設けられている、請求項5または6に記載のタッチセンサ。
  8. 前記基体の前記表面と前記側面とが交わる角部に設けられた接着層は、前記基体の前記表面、および前記側面に設けられた前記接着層よりも厚みが薄い、請求項5または6に記載のタッチセンサ。
  9. 少なくとも2つの前記基体は、ヒンジ部材により揺動可能に接続されている、請求項1、および3〜8のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
  10. 前記基体は、板状部材で構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
  11. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサを有し、
    前記基体は、表示部を有する、タッチパネル。
  12. 前記請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサと、
    前記タッチセンサの前記基体の前記裏面に設けられた表示部とを有する、タッチパネル。
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