JP2021119295A - 水洗式大便器 - Google Patents
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Abstract
Description
便鉢と、
前記便鉢の上端縁部に形成されたリムと、
前記便鉢の内面上端部に形成され、前記便鉢の全周に亘って前記リムの上端面内周縁部に連なる上部鉛直内壁面と、
前記上部鉛直内壁面に開口し、洗浄水を吐出して前記上部鉛直内壁面に接する旋回流を生成する吐水口とを備えていることを特徴とする。
本発明において、リムの上端面に対して直角に連なる上部鉛直内壁面の向きは、厳密な鉛直方向に限らず、鉛直方向に対して上端側が便鉢の内側へ僅かに傾いた向き(つまり、リムの上端面と鋭角をなす向き)と、鉛直方向に対して上端側が便鉢の外側へ僅かに傾いた向き(つまり、リムの上端面と鈍角をなす向き)も含む。
前記吐水口が、前記上部鉛直内壁面の上下方向中間位置に開口していてもよい。
この構成によれば、上部鉛直内壁面に沿って一周した旋回流は、吐水口より低い位置を流れるのであるが、この一周した旋回流に対し、吐水口から吐出された洗浄水が上から覆い被さるので、洗浄水が上方へ飛散することを防止できる。
前記便鉢の内面には、前記上部鉛直内壁面の下端縁に沿って上方へ面するように棚面が形成されており、
前記吐水口の開口領域の最下端が、前記棚面より上方に設定されていてもよい。
この構成によれば、棚面上を旋回する洗浄水に対し、吐水口から吐出された洗浄水が上から覆い被さるので、棚面上の洗浄水が上方へ飛散することを防止できる。
前記上部鉛直内壁面の平面視形状は、前端部と後端部の曲率半径が左右両側縁部の曲率半径よりも小さい形状をなしており、
前記吐水口が、前記上部鉛直内壁面の前端部又は後端部に開口していてもよい。
この構成によれば、吐水口から斜めに吐出された洗浄水が、吐出の直後に曲率半径の大きい側縁部に対して接線状に接触するので、水勢の低下が抑えられ、洗浄力の高い旋回流が生成される。
前記便鉢のうち前後方向における中央よりも後方の位置には、排水路に連なる溜水部が配されており、
前記吐水口が、前記溜水部の溜水面よりも後方に配され、
前記吐水口から吐出した洗浄水の一部が、下向きの誘導流を生成してもよい。
この構成によれば、吐水口から吐出された洗浄水の一部が、溜水部に向かう下向きの誘導流となるので、汚物を効果的に排水路へ誘導することができる。
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図4を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後方向に関しては、図1における下側及び図2,3における右側を前側と定義する。また、左右方向に関しては、図1,4にあらわれる向きを、そのまま左側及び右側と定義する。本実施例1の水洗式大便器は、便鉢10と、溜水部17と、排水路19と、給水部24とを備えて構成されている。
便鉢10は、上方へ開放された略擂り鉢状をなす。便鉢10には、その上端縁部に沿うようにリム11が形成されている。リム11の上端面11Sは、全周に亘って略水平であり、且つ全周に亘って一定高さで連続している。便鉢10の内面は、汚物(図示省略)を受け止めるための鉢面12となっている。鉢面12のうち上端部領域は、全周に亘って連続する上部鉛直内壁面13となっている。図2〜4に示すように、上部鉛直内壁面13は、リム11の上端面11Sに対し、曲率半径の小さい弧状凸面14を介して直角をなすように連なっている。上端面11Sと上部鉛直内壁面13は、弧状凸面14面に対し滑らかに(接線状)に連なっている。
便鉢10の下端部は、溜水部17となっている。溜水部17は、便鉢10の左右方向(幅方向)における中央に配置されている。また、溜水部17は、便鉢10の前後方向における中央よりも後方に偏った位置に配置されている。溜水部17の上端部内面は、全周に亘り、ほぼ鉛直な立壁18で構成されている。この立壁18の上端部は、棚面15の内周縁部に滑らかに連続している。
給水部24は、便鉢10に洗浄水を供給するためのものであり、便鉢10の上面部後方に隣接して形成されている。給水部24の前端における左右方向中央部は、リム11の後端部に連なっていて、給水部24の上面とリム11の上端面11Sが面一状に連続している。図2,3に示すように、給水部24は、上面が開放されて洗浄タンク等の給水口(図示省略)に連通するように形成された後部給水空間25と、後部給水空間25の前方に位置し、連通孔27を介して後部給水空間25に連通する前部給水空間26とを備えて構成されている。
便鉢10の上端部(リム11)には、給水部24内に供給された洗浄水を、便鉢10内に吐出するための吐水口28が形成されている。吐水口28は、上部鉛直内壁面13と前部給水空間26とを仕切る隔壁部29を貫通した形態である。つまり、吐水口28は、上部鉛直内壁面13の後端部に位置し、前方に向かって開口している。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、吐水口を便鉢(リム)の後端部に配置したが、吐水口は、便鉢の後端よりも前方の位置に配置してもよい。
(2)上記実施例では、吐水口の数を1つだけとしたが、吐水口は、異なる位置に複数配置してもよい。この場合、2つ目からの吐水口は、旋回流を生成する吐水口でなくてもよい。例えば、下方にのみ吐水する吐水口でもよい。
(3)上記実施例では、吐水口の開口領域の最下端を棚面より上方に設定したが、吐水口の開口領域の最下端が棚面と同じ高さであってもよい。
(4)上記実施例では、吐水口の全体が、便鉢の左右方向中央より左方の領域に開口しているが、吐水口の全体が便鉢の左右方向中央より右方の領域に開口してもよく、吐水口が便鉢の左右方向中央線を跨ぐように開口してもよい。
(5)上記実施例では、吐水口の全体が、溜水部の溜水面の後端より後方の領域に開口しているが、吐水口の全体が溜水部の溜水面の前端より前方の領域に開口してもよく、吐水口の開口領域の一部が、前後方向において溜水面と重なるような位置関係であってもよい。
(6)上記実施例では、吐水口を前方から見た開口形状が左右非対称であるが、吐水口を前方から見た開口形状は左右対称であってもよい。
11…リム
11S…リムの上端面
13…上部鉛直内壁面
15…棚面
17…溜水部
19…排水路
23…溜水面
28…吐水口
34…旋回流
35…誘導流
Claims (5)
- 便鉢と、
前記便鉢の上端縁部に形成されたリムと、
前記便鉢の内面上端部に形成され、前記便鉢の全周に亘って前記リムの上端面内周縁部に連なる上部鉛直内壁面と、
前記上部鉛直内壁面に開口し、洗浄水を吐出して前記上部鉛直内壁面に接する旋回流を生成する吐水口とを備えていることを特徴とする水洗式大便器。 - 前記吐水口が、前記上部鉛直内壁面の上下方向中間位置に開口していることを特徴とする請求項1記載の水洗式大便器。
- 前記便鉢の内面には、前記上部鉛直内壁面の下端縁に沿って上方に面するように棚面が形成されており、
前記吐水口の開口領域の最下端が、前記棚面より上方に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水洗式大便器。 - 前記上部鉛直内壁面の平面視形状は、前端部と後端部の曲率半径が左右両側縁部の曲率半径よりも小さい形状をなしており、
前記吐水口が前記上部鉛直内壁面の前端部又は後端部に開口していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の水洗式大便器。 - 前記便鉢のうち前後方向における中央よりも後方の位置には、排水路に連なる溜水部が配されており、
前記吐水口が、前記溜水部の溜水面よりも後方に配され、
前記吐水口から吐出した洗浄水の一部が、下向きの誘導流を生成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の水洗式大便器。
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