JP2021117323A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非露光トナー画像を含むテスト画像により、交換部品を特定可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】 像担持体と、その表面を所定の電位に帯電させる帯電手段と、像担持体に光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー画像を形成する現像手段と、トナー画像が転写される中間転写体と、トナー画像を中間転写体に一次転写する一次転写手段と、中間転写体に一次転写されたトナー画像をシートに二次転写する二次転写手段と、シートに二次転写されたトナー画像をシートに定着させる定着手段と、交換部品を特定するためのテスト画像であって、テスト画像には、非露光トナー画像を含み、テスト画像の画像形成前に、中間転写体上に、非露光トナー画像パッチを形成し、形成した非露光トナー画像パッチの濃度を検出して、テスト画像における非露光トナー画像の画像形成条件を決める。【選択図】 図14

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、帯電部、露光部および現像部など様々な交換可能な部品を有している。ユーザやサービスマンは出力画像を目視してどの交換部品を交換すべきかを判断するが、この判断は難しい。交換部品の見極めに時間がかかれば、ユーザが画像を形成できない時間(いわゆるダウンタイム)が長くなってしまう。
特許文献1によれば、帯電電位の異なる2種の非露光トナー画像を含むテスト画像を形成することで、「スジ」が発生した際に、帯電手段と現像手段とのどちらを交換すべきかを特定可能なテストチャートを形成する技術が開示されている。そして、テストチャートを読み取り装置により読込むことで、何れの交換部品の交換が必要であるかを報知することが記載されている。ここで、交換部品とは、帯電部、露光部、現像部、中間転写体、感光体ドラムクリーナ、転写クリーナなどである。
特開2017−194573号公報
特許文献1では、帯電電位の異なる2種の非露光トナー画像を含むテスト画像を形成し、2種類非露光トナー画像を読み取り装置により読込んで「スジ」の程度を比較することで、「スジ」が発生した際に、帯電手段と現像手段とのどちらを交換すべきかを判断している。
ここで、通常の印刷に用いる露光を適用することにより形成されたトナー画像(以下、デジタルパターンと記載)に対して、非露光トナー画像(以下、アナログパターンと記載)は、露光を適用せずに形成されたトナー画像であり、デジタルパターンに対して、帯電電位と現像電位からなる画像形成条件を異なる画像形成条件とすることで形成される。なお、テスト画像におけるデジタルパターン及びアナログパターンの画像形成方法の詳細については、実施例の「チャート」の説明部にて詳細を記載する。
しかしながら、読み込み装置による「スジ」の検出は、テスト画像の濃度が適切な濃度範囲内でなければ難しい。また、非露光トナー画像(アナログパターン)は、狙いの濃度でテスト画像を形成することが難しい。
まず、読み込み装置による「スジ」の検出が適切な濃度範囲内でなければ難しい理由を説明する。
図16に、帯電不良に起因した「スジ」のテスト画像の濃度と「スジ」の検出値の関係を示す。本実施例では、「スジ」の検出値に「スジ」部での輝度変化率を示す。なお、本実施例での「スジ」の検出限界ラインは図16の点線であり、濃度0.4では10[%]である。
図16に示すように、テスト画像の濃度が小さ過ぎると、紙からのノイズが大きくなり、「スジ」の部分と「スジ」以外の部分での輝度差による検出が困難になる。一方、テスト画像の濃度が大きすぎると、濃度変化に対する読み取り装置の輝度値の変化が小さくなるために、「スジ」の部分と「スジ」以外の部分での輝度差が小さくなり検出が困難になる。
また、スジの検出に適した中間調(濃度0.4程度)では、非露光トナー画像(アナログパターン)は、スジ部以外でのノイズの大きさがデジタルパターンよりも大きくなるため、スジ検出がより困難である。この理由は、以下説明する。アナログパターンは、デジタルパターンとは異なり、均一にトナー画像を形成してそのトナー量で濃度を調整する。このため、最大濃度以外では、デジタルパターンよりも面積当たりのトナー載り量を小さくするため、ドラム電位と現像電位の差がデジタルパターンより小さくなる。ドラム電位と現像電位の差が小さいとトナーのドラムの位置が均一にならない。このため、アナログパターンでは、デジタルパターンよりも読み取り装置で読み取った際に、スジ部以外でのノイズが大きくなる。
次に、非露光トナー画像(アナログパターン)は、狙いの濃度でテスト画像を形成することが難しい理由を説明する。
テスト画像が露光を適用することにより形成されたトナー画像(デジタルパターン)の場合は、通常の印刷に用いる画像形成条件と同じであり、画像信号値により狙いの濃度範囲のテスト画像を形成することが容易である。なお、通常の印刷に用いる画像は、画像信号を補正するテーブルなどにより、狙いの階調性となるように補正されている。
しかし、テスト画像が露光を適用せずに形成された非露光トナー画像(アナログパターン)の場合は、露光を適用しないため、画像信号値による補正はできない。また、露光を適用していないため、非露光トナー画像(アナログパターン)の全域が均一にトナー画像で形成されることになる。
このため、図17に示すように、デジタルパターンに対して、アナログパターンでは、現像コントラスト電位に対する紙上濃度の関係であるγ特性が急激に変化する。また、図18に示すように、トナーの帯電量によりγ特性が大きく変わる。つまり、現像コントラスト電位により、非露光トナー画像(アナログパターン)を中間調(濃度0.4程度)とする濃度制御は困難である。
つまり、特許文献1では、非露光トナー画像を適切な濃度域の範囲で形成できなければ、読み取り装置による「スジ」の検出ができない。このため、「スジ」が発生した際に、「スジ」が非露光トナー画像(アナログパターン)で発生していないのか、「スジ」は非露光トナー画像(アナログパターン)で発生しているが検出できないのかを判断することができず、交換部品を判断することができない。
そこで、本発明は、非露光トナー画像(アナログパターン)を狙いの濃度に制御する「非露光トナー画像によるパッチ検制御」を実施した後に、非露光トナー画像を含むテスト画像を形成することで、非露光トナー画像を含むテスト画像により、交換部品を特定可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を所定の電位となるように帯電させる帯電手段と、前記像担持体に対して光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像が一次転写される中間転写体と、前記トナー画像を前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体に一次転写されたトナー画像をシートに二次転写する二次転写手段と、前記シートに二次転写されたトナー画像を当該シートに定着させる定着手段と、交換部品を特定するためのテスト画像であって、前記テスト画像には、非露光トナー画像を含み、前記テスト画像の画像形成前に、中間転写体上(またはドラム上)に、非露光トナー画像パッチを形成し、形成した非露光トナー画像パッチの濃度を検出して、前記テスト画像における非露光トナー画像の画像形成条件を決めることを特徴とする。
本発明によれば、非露光トナー画像(アナログパターン)を狙いの濃度となるように制御する「非露光トナー画像によるパッチ検制御」を実施した後に、非露光トナー画像を含むテスト画像を形成することで、非露光トナー画像を含むテスト画像により、交換部品を特定可能な画像形成装置が提供される。
画像形成装置を説明する図。 制御システムを説明する図。 チャートを説明する図。 スジ、帯電電位および現像電位の関係を説明する図。 スジの種類と交換部品との関係を説明する図。 現像コートの不良を説明する図。 スジ、帯電電位および現像電位の関係を説明する図。 露光不良と塑性変形を説明する図。 スジ、帯電電位および現像電位の関係を説明する図。 感光ドラムの清掃不良とスジとの関係を説明する図。 スジ、帯電電位および現像電位の関係を説明する図。 チャートの作成処理と交換部品の特定処理を示すフローチャート。 交換部品を示すメッセージの一例を説明する図。 交換部品の特定処理を示すフローチャート。 帯電器の帯電電圧と感光ドラムの帯電電位との関係を説明する図。 テスト画像の濃度と「スジ」の検出性能を示す図。 デジタルパターンと非露光(アナログ)パターンのγ特性を説明する図。 非露光(アナログ)パターンのトナー帯電量によるγ特性の違いを説明する図。 非露光トナー画像によるパッチ検制御のタイミングを説明する図。 パッチ検センサの構成を示す図。 パッチ検センサの検出値を濃度信号値に変換するテーブルを示す図。 非露光トナー画像によるパッチ検制御のトナーパッチ形成方法を説明する図。 非露光トナー画像の画像形成条件の決め方を説明する図。 帯電を印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御のトナーパッチ形成方法を説明する図。 帯電を印加しない非露光トナー画像の画像形成条件の決め方を説明する図。
[画像形成装置]
図1は画像形成装置1を説明する断面図である。画像形成装置1はイメージリーダー2とプリンタ3を有している。イメージリーダー2は原稿やテストチャートなどを読み取る読み取り手段である。光源23は原稿台ガラス22上に置かれた原稿21に光を照射する。光学系24は原稿21から反射光をCCDセンサ25に導き、結像させる。CCDはチャージカップルドデバイスの略称である。CCDセンサ25はレッド、グリーン、ブルーのラインセンサを有しており、レッド、グリーン、ブルーの色成分信号を生成する。画像処理部28はCCDセンサ25により得られた画像信号に画像処理(例:シェーディング補正など)を実行し、プリンタ3のプリンタ制御部29に出力する。
プリンタ3の画像形成部10は画像情報に応じたトナー画像をシートPに形成する電子写真方式の画像形成エンジンである。画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のトナー画像を形成する四つのステーションを有している。なお、本発明は単色画像を形成するモノクロプリンタにも適用可能である。図1が示すように、画像形成部10は左側から順にY、M、C、Bkの各色に対応した4つの感光ドラム11を備えている。各感光ドラム11の周囲にはローラ状の帯電器12、露光器13、現像器14、一次転写器17、ドラムクリーナ15などが配置される。以下では、四つの色を代表してBk色のトナー画像を形成する手順が説明される。他色のトナー画像を形成する手順も同様である。図1に示すように、電子写真感光体としてのる。
画像形成が開始されると、感光ドラム11は矢印方向に回転する。帯電器12は感光ドラム11の表面を均一に帯電させる。露光器13は、プリンタ制御部29が出力される画像情報に応じて感光ドラム11の表面を露光し、静電潜像を形成する。現像器14は静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー画像を形成する。一次転写器17は感光ドラム11に担持されているトナー画像を中間転写ベルト31に一次転写する。中間転写ベルトは三つのローラ34、36、37に吊架されている。ドラムクリーナ15は感光ドラム11に残ったトナーを除去する。これにより感光ドラム11は次の画像を形成可能な状態となる。本実施例のドラムクリーナ15は、弾性材料からなるクリーニングブレードを感光ドラム11の表面に当接する構成であるが、ファーブラシを感光ドラム11表面に接触させて回収する構成もある。
一方、レジストローラ対26は、給送カセット20又はマルチ給送トレイ30から給紙されたシートPを一旦止めて、シートPを搬送方向と平行となるように斜行補正する。さらに、レジストローラ対26は、中間転写ベルト31上のトナー画像と同期を取ってシートPを中間転写ベルト31と二次転写器27との間に送り込む。二次転写器27は中間転写ベルト31上のトナー画像をシートPに二次転写する。転写クリーナ35は中間転写ベルト31上に残ったトナーを除去する。これにより中間転写ベルト31は次の画像を形成可能な状態となる。定着器40はシートPに対してトナー画像を定着させる。感光ドラム11、帯電器12およびドラムクリーナ15はプロセスカートリッジ50として一体化されている。本実施例の転写クリーナ35は、弾性材料からなるクリーニングブレードを中間転写ベルト31表面に当接する構成であるが、ファーブラシを中間転写ベルト31表面に接触させて回収する構成もある。
[帯電方式]
ここで、帯電器12について詳しく説明する。一般に、帯電方式として、非接触帯電方式と接触式帯電方式の2種類がある。非接触帯電方式は、金属ワイヤなどに高圧電圧を印加することで発生するコロナ放電により帯電を実現する方式である。しかし、コロナ放電は、オゾンや酸化窒素(NOx)などの放電生成物を発生させ、感光ドラム11の劣化や画像ボケの原因となる。また、放電生成物が金属ワイヤに付着すると、放電の不均一が発生し、画像に帯電不良が発生しうる。このため、定期的に金属ワイヤが清掃部材などで清掃される必要がある。接触帯電方式は、帯電器12の帯電部材を感光ドラム11に接触させて帯電処理を行う方式である。一般に、接触帯電方式の方が非接触帯電方式よりも印加電圧が低く、オゾンや酸化窒素(NOx)などの放電生成物の発生が非常に少ない。しかし、ドラムクリーナ15をすり抜けてきたトナーやトナー外添剤が帯電部材に付着や融着すると、帯電不良が発生しうる。
[交換部品]
本実施例では、感光ドラム11、帯電器12およびドラムクリーナ15を一つのプロセスカートリッジ50に一体化されている。プロセスカートリッジ50を交換することで、感光ドラム11、帯電器12およびドラムクリーナ15を速やかに交換すること可能となる。接触帯電方式は非接触帯電方式よりも帯電器12を小型化することが可能である。本実施例では帯電器12がプロセスカートリッジ50に内蔵されるため、接触帯電方式が採用されている。本実施例では現像器14が画像形成装置1に対して容易に脱着可能である。本実施例では少なくとも一次転写器17と中間転写ベルト31が転写ユニットを形成している。転写ユニットも画像形成装置1に対して容易に脱着可能な構成である。従って、転写ユニットを交換することで、一次転写器17と中間転写ベルト31を速やかに交換することが可能である。このように、プロセスカートリッジ50、現像器14および転写ユニットを交換部品とすることで、ユーザおよびサービスマンによるメンテナンスの平易化とメンテナンス時間の短縮化が実現される。転写クリーナ35も画像形成装置1に対して容易に脱着可能であってもよい。
[現像剤]
本実施例で使用される現像剤は非磁性トナーと低磁化高抵抗キャリアで構成される二成分現像剤である。非磁性トナーは、スチレン系樹脂やポリエステル樹脂等の結着樹脂、カーボンブラックや染料、顔料等の着色剤、ワックス等の離型剤、荷電制御剤等を適当量用いることにより構成される。このような非磁性トナーは、粉砕法や重合法なとどの方法により製造される。磁性キャリアとしては、既知のものを使用可能である。例えば、樹脂中に磁性材料としてマグネタイトを分散し、導電化及び抵抗調整のためにカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリアも用いられる。また、フェライト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行ったものも用いられる。また、フェライト等のマグネタイト単体表面樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったものなども用いられる。
[制御システム]
図2は画像形成装置1の制御システムを示している。画像形成装置1はネットワーク123を介して、PC124やサーバ128などのネットワーク機器と接続されている。PCはパーソナルコンピュータの略称である。サーバ128は、たとえば、画像形成装置1のメンテナンスを担当するサービス会社のコンピュータやメールサーバなどである。プリンタ制御部29はイメージリーダー2やプリンタ3を制御するコントローラである。プリンタ制御部29は、画像処理などを担当するプリンタコントローラと、画像形成部10などを制御するエンジン制御とに分かれていてもよい。通信IF55はPC124などから印刷データを受信したり、画像形成装置1から各種のメッセージをPC124やサーバ128に送信したりする通信回路である。IFはインターフェースの略称である。
CPU60は画像形成装置1の各部を統括的に制御する制御回路や演算回路である。CPU60は記憶装置63に記憶されている制御プログラムを実行することで各種の機能を実現する。なお、CPU60の機能の一部またはすべてがASICやFPGAなどのハードウエアによって実現されてもよい。ASICは特定用途集積回路の略称である。FPGAはフィールドプログラマブルゲートアレイの略称である。表示装置61は様々な情報を表示するユニットである。入力装置62は様々な情報の入力を受け付けるユニットである。記憶装置63はROMやRAMなどのメモリや、ハードディクスドライブなどの大容量記憶装置を含む。CPU60はイメージリーダー2などから入力された画像データをYMCK形式の画像データに変換し、さらに階調補正などを実行して画像信号を生成し、露光器13に出力する。
CPU60は様々な機能を実現するが、ここでは本実施例に関与する代表的な機能について説明する。チャート生成部64は、交換部品を特定するためのテスト画像をシートP上に形成するよう、プリンタ3を制御する。テスト画像自体またはテスト画像が形成されたシートPはテストチャートまたは単にチャートと呼ばれる。帯電制御部65は帯電器12に印加される帯電電圧を帯電電源68に生成させる。現像制御部66は現像器14に印加される現像電圧を現像電源69に生成させる。診断部67はイメージリーダー2により読み取られたチャートの読取結果に基づいて交換部品を特定する。なお、ユーザやサービスマンがチャートを目視して交換部品を特定する場合、診断部67は省略されてもよい。
[チャート]
プロセスカートリッジ50や現像器14などが交換時期を迎えると、画像に縦スジが発生することがある。縦スジとは、シートPの搬送方向と平行に延在する直線状の画像である。
本実施例のチャートは、像担持体の帯電電位がそれぞれ異なる複数の画像形成条件で形成された複数の非露光トナー画像(アナログパターン)を含む。なお非露光トナー画像(アナログパターン)の画像形成条件は、本件の特徴である「非露光トナー画像によるパッチ検制御」により決定する。図19に示すように、「非露光トナー画像によるパッチ検制御」を実施した後に、「非露光トナー画像(アナログパターン)を含むチャート」を形成することが本発明の特徴である。「非露光トナー画像によるパッチ検制御」の詳細は後述する。
本実施例ではチャートのサイズとしてA3サイズ(幅方向長さ297mm、搬送方向長さ420mm)が採用されるが、これは一例に過ぎない。画像形成装置1に対して通紙可能な最大のサイズが選択されると、たとえば、帯電器12や現像器14において副走査方向の端部に生じたスジも検出可能となろう。このように、画像形成装置1で印刷可能な最大サイズのシートが採用されれば、交換備品を精度良く特定することが可能となろう。なお、チャートの枚数は1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
図3は例示的なチャート70を示している。チャート70には画像パターンが形成されない白地領域Wと、デジタルパターンDと、2種類のアナログパターンA1、A2が含まれている。なお、参照符号の末尾に付与されているYMCKは、各パターンを形成するために使用されるトナーの色を示している。各パターンを形成する際に使用されるトナーの色は単色であり、YMCKのいずれか一色である。これは、交換されるべき部品がどの色のステーションに存在するかを特定するためである。各パターンの搬送方向の長さは、たとえば、30mm程度である。これは、パターンの長さが30mm程度以上であれば、縦
スジの検出が可能だからである。なお、感光ドラム11の外径は30mmであり、その外周は約94.2mmである。
デジタルパターンDの主走査方向の長さは画像形成装置1で形成可能な全域の長さよりは若干短く、デジタルパターンDの主走査方向の両端には余白領域が設けられている。一方、アナログパターンA1、A2の主走査方向の長さはシートPの主走査方向の長さとじであり、余白は形成されない。
図3が示す4つのデジタルパターンDは露光器13により露光されて形成された露光像(トナー画像)である。アナログパターンA1は、露光器13による露光が実行されず、帯電器12による感光ドラム11の帯電電位が第一帯電電位に設定されて形成された非露光像(トナー画像)である。アナログパターンA2は、露光器13による露光が実行されず、帯電器12による感光ドラム11の帯電電位が第一帯電電位よりも十分に低く、帯電電位がほぼ0[V]となる第二帯電電位に設定されて形成された非露光像(トナー画像)である。なお、ここでの「高い」や「低い」という用語は絶対値での電位における高低を意味している。帯電器12が原因となるスジと現像器14が原因となるスジの出現の仕方は、アナログパターンA1とアナログパターンA2との間で異なる。つまり、アナログパターンA1に発生したスジとアナログパターンA2に発生したスジとを比較すれば、スジの原因が帯電器12にあるのか現像器14にあるのかが判別可能である。
ここで、図15を用いて帯電器12による帯電処理を行わずに画像形成する方法を説明する。図15は接触帯電方式における印加電圧Vinと感光ドラム11の帯電電位Vdとの関係を示している。帯電制御部65が帯電器12の帯電部材に印加される印加電圧Vinを放電開始電圧Vth以下に設定すると、感光ドラム11の帯電電位Vdがほぼ0[V]になる。このように実施例2では印加電圧Vinを放電開始電圧Vth(例:400[V])以下の電圧(例:0[V])に設定することで、感光ドラム11の帯電電位がほぼ0[V]に制御される。
アナログパターンA2への帯電器12の影響をさらに低減させるために感光ドラム11の表面の電荷が除去されてもよい。たとえば、ドラムクリーナ15により清掃された感光ドラム11の表面に対して前露光光源から除電のための光照射が実行されてもよい。
図4(A)はデジタルパターンDを形成する際に帯電器12によって帯電した感光ドラム11上における各主走査位置における電位を示している。図4(B)はシートPに形成されるデジタルパターンDの濃度dDと白地部Wの濃度d0を示している。濃度d0はシートPの下地(白地)の光学濃度である。
帯電制御部65は、感光ドラム11の表面における帯電電位がVd_Dになるように帯電電源68を制御し、帯電器12に感光ドラム11を帯電させる。露光器13は、チャート生成部64により生成された画像データにしたがって感光ドラム11の表面を露光する。その結果、感光ドラム11の表面のうち露光された部分の電位がVl_Dに変化する。現像制御部66は現像器14の現像スリーブの電位が現像バイアスである直流電位Vdc_Dとなるように現像電源69を制御する。Vdc_Dは、帯電電位Vd_Dと露光部の電位Vl_Dとの間に設定される。デジタルパターンDの両端に設けられた余白mは露光されない。そのため、余白mの電位はVd_Dに維持される。このように非露光部である余白mにはかぶりとり電圧Vbが形成される。かぶりとり電圧Vbにより、余白mにはトナーが付着しないようになる。デジタルパターンDの画像信号値は50%に設定される。これは光学濃度で0.4の画像に相当する(つまり、dD=0.4)。このような中間調のパターンはベタのパターンよりも縦スジの検出精度が高くなるからである。
図4(C)は第一のアナログパターンA1を形成する際に帯電器12によって帯電した感光ドラム11上における各主走査位置における電位を示している。図4(D)はシートPに形成されるアナログパターンA1の濃度dA1を示している。アナログパターンA1を形成すべく、チャート生成部64からの指示に従って帯電制御部65は帯電電源68を制御し、感光ドラム11の表面の電位が帯電電位Vd_A1に調整される。チャート生成部64からの指示に従って現像制御部66は現像電源69を制御し、現像器14の現像スリーブの電位を現像バイアスVdc_A1に調整する。現像バイアスVdc_A1は帯電電位Vd_A1よりも高い現像電位である。なお、チャート生成部64は露光器13にレーザ光の照射を行わせない。
これにより、感光ドラム11と現像スリーブとの間には電位差として現像電圧Vc_A1が形成される。つまり、アナログパターンA1に対応した静電潜像が形成され、現像器14から供給されたトナーにより感光ドラム11上にトナー画像が形成される。図4(C)が示すように、アナログパターンA1では、露光が適用されないため、主走査位置によらず一定の現像電圧Vc_A1が形成される。よって、アナログパターンA1の両端には余白が形成されない。また、露光が適用されないため中間調処理を行うことはできない。そこで、本実施例では、アナログパターンA1の各色の光学濃度が0.4になるように、現像制御部66が現像電源69を制御して現像電圧Vc_A1を調整する。図4(D)が示すように、シートPには光学濃度dA1(=0.4)のアナログパターンA1が形成される。
図4(E)は第二のアナログパターンA2を形成する際に帯電器12によって帯電した感光ドラム11上における各主走査位置における電位を示している。図4(F)はシートPに形成されるアナログパターンA2の濃度d1を示している。アナログパターンA2を形成すべく、チャート生成部64からの指示に従って帯電制御部65は帯電電源68を制御し、感光ドラム11の表面の電位が帯電電位Vd_A2(例:ほぼ0[V])に調整される。チャート生成部64からの指示に従って現像制御部66は現像電源69を制御し、現像器14の現像スリーブの電位が現像バイアスVdc_A2に調整される。現像バイアスVdc_A2は帯電電位Vd_A2よりも高い電位である。なお、チャート生成部64は露光器13にレーザ光の照射を行わせない。
これにより、感光ドラム11と現像スリーブとの間には現像電圧Vc_A2が形成される。つまり、アナログパターンA2に対応した静電潜像が形成され、現像器14から供給されたトナーにより感光ドラム11上にトナー画像が形成される。図4(E)が示すように、アナログパターンA2では、露光が適用されないため、主走査位置によらず一定の現像電圧Vc_A2が形成される。よって、アナログパターンA2の両端には余白が形成されない。また、露光が適用されないため中間調処理を行うことはできない。そこで、本実施例では、アナログパターンA2の各色の光学濃度が0.4になるように、現像制御部66が現像電源69を制御して現像電圧Vc_A2を調整する。図4(F)が示すように、シートPには光学濃度dA2(=0.4)のアナログパターンA2が形成される。
ここで、アナログパターンA2を形成するための第二の帯電電位Vd_A2(例:ほぼ0[V])は、アナログパターンA1を形成するための帯電電位Vd_A1よりも低く設定される(|Vd_A1|>|Vd_A2|)。この結果、アナログパターンA1と比較してアナログパターンA2では、画像不良に対する帯電器12の寄与率が低減する。なお、現像制御部66は、現像電源69を制御して現像電圧Vc_A1と同じとなるように現像電圧Vc_A2を調整する。これによりアナログパターンA2の各色の光学濃度が0.6になる。本実施例では、アナログパターンA1の現像電圧Vc_A1とアナログパターンA2の現像電圧Vc_A2を等しくなるように調整して、アナログパターンA1とアナログパターンA2の光学濃度が等しくなるように調整したが、アナログパターンA1の現像電圧Vc_A1とアナログパターンA2の現像電圧Vc_A2は異なってもよい。
なお、非接触帯電方式が用いられる場合、帯電電源68が金属ワイヤに流す電流の量を変えることで、感光ドラム11の帯電電位が調整される。これにより、非接触帯電方式でもアナログパターンA1とアナログパターンA2が形成される。
なお、デジタルパターンDと、2種類のアナログパターンA1、A2の光学濃度が一致する場合(dD=dA1=dA2)について説明したが、デジタルパターンDと、2種類のアナログパターンA1、A2の光学濃度を一致させる必要はない。ただし、濃度を一致させない場合には、濃度が異なるスジに対して、濃度の差を補正してスジの程度を比較する必要がある。
[パッチ検センサ81構成]
光学センサ81は、一次転写部の下流に設けられる(図1参照)。図20はセンサ81の構成を示す図である。センサ81は、LEDなどの発光部811、フォトダイオード等の受光部812、813および発光部811の発光光量を制御するIC814から構成される。
発光部811は、中間転写ベルト35の法線に対して45度の角度で設置されており、中間転写ベルト35に光を照射する。受光部812は、中間転写ベルト35の法線を中心に発光部811と対称の位置に設置されており、トナーパッチPch−Aからの正反射光を受光する。受光部813は、トナーパッチPch−Aからの乱反射光を受光する。なお、本実施例でのトナー濃度の検知は、ブラックのトナーは正反射光を用い、イエロー、マゼンタ、シアンは、乱反射光を用いる。 図20では、トナーパッチPがセンサ81の検知領域を通過する場合が示されている。なお、本実施形態での受光部812及び813の検出電圧の検出可能範囲は、0.0[V]〜5.0[V]とする。
[パッチ濃度検出方法]
次にパッチ濃度検出方法について説明する。
ブラックは、受光部812で検出したトナーパッチ(Pch−A)の正反射光の検出値(P−Pch−A)とトナーが形成されていない中間転写ベルト35からの正反射光の検出値(P−Base)により、数式(1)に従って計算することで、ブラックのパッチ信号値(Sig(K))を得る。
Sig(K)=P−Pch−A/P−Base×1023 …… (1)
イエロー、マゼンタ、シアンは、受光部813で検出したトナーパッチ(Pch−A)の乱反射光の検出値(S−Pch−A)により、数式(2)に従って計算することで、ブラックのパッチ信号値(Sig(Y、M、C))を得る。
Sig(Y、M、C)=S−Pch−A …… (2)
トナーパッチPch−Aのパッチ濃度信号値(SigDens)は、図21に示す濃度変換テーブル520により変換することで得る。なお、濃度変換テーブルは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックにより別々のテーブルを用いる。濃度変換テーブル520は予めROM52に記憶してあるテーブルであり、センサ81の出力特性に合わせて作成されている。なお、本実施例では濃度(0.0から2.0)をSigDens(0から1023)に線形に対応づけている。
[非露光トナー画像によるパッチ検制御]
本発明の特徴であるテスト画像の非露光トナー画像(アナログパターン)がスジ検出に適した中間調(濃度0.4程度)となるアナログパターンの画像形成条件を決めるための非露光トナー画像によるパッチ検制御について説明する。
<トナーパッチ(Pch−A)の形成方法及び構成>
図22を用いて、非露光トナー画像によるパッチ検制御に用いる非露光トナーパッチ(Pch−A)のパッチ形成方法とその構成を説明する。本実施例では、帯電電位Vd(−700[V])を一定として、現像電位Vdcを通常のデジタルパターンの画像形成時の現像電位Vdc(−600[V])から高圧設定を切り替えて現像電位Vdcを3水準(−750[V]、−800[V] 、−850[V])に変更することで、濃度の異なる3水準の非露光トナーパッチ(Pch−A1、Pch−A2、Pch−A3)を形成する。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを色毎にそれぞれ実施する。
なお、本実施例では、非露光トナーパッチ(Pch−A)を中間転写ベルト35へ形成する場合について説明したが、感光体ドラム11へ形成し、感光体ドラム11上でパッチ検センサを用いて検出する構成でもよい。
<非露光トナー画像の画像形成条件の決め方>
パッチ検センサ81を用いて、3水準の非露光トナーパッチから検出した非露光トナーパッチ濃度(Dens−Pch−A1、Dens−Pch−A2、Dens−Pch−A3)から、テスト画像の非露光トナー画像(アナログパターン)の画像形成条件を決める方法を説明する。本実施例では、非露光トナー画像(アナログパターン)として、帯電を印加する第一のアナログパターンA1と帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の画像形成条件の決め方をそれぞれ説明する。
まず、帯電を印加する第一のアナログパターンA1の画像形成条件の決め方を説明する。図23に示すように、非露光トナー画像(アナログパターン)の現像電圧(現像電位Vdc−帯電電位Vd)と検出した非露光トナーパッチ濃度の関係から、ターゲットとなるスジ検出に適した中間調(濃度0.4程度)に対応するTarget−SigDens=1023×0.4÷2.0≒205となる現像電圧(Vc_Result[V])を線形補間などにより求める。本実施例では、Vc_Result=−80[V]とする。
帯電を印加する第一のアナログパターンA1の帯電電位Vd_A1は、数式(3)に従って、デジタルパターンの帯電電位Vd_Dと一致させる。本実施例では帯電電位Vd_A1=−700[V]となる。
帯電電位Vd_A1=帯電電位Vd_D …… (3)
帯電を印加する第一のアナログパターンA1の現像バイアスVdc_A1は、数式(4)に従って、−700[V]+(−80)[V]=−780[V]となる。
現像バイアスVdc_A1=帯電電位Vd_A1+Vc_Result …… (4)
次に、帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の画像形成条件の決め方を説明する。
帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の帯電電位Vd_A2は、数式(5)に従って、0[V] に設定する。ただし、帯電の出力設定を0[V] としても完全に0[V]まで電位が下がりきらない。その理由は、前露光などで除電しても除電しきらない電荷がドラムに残留するためである。本実施例では、
帯電電位Vd_A2を0[V] とするが、残留電荷を考慮して、数十[V] 程度の固定値として計算してもよい。
帯電電位Vd_A2=0 …… (5)
帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の現像バイアスVdc_A2は、数式(6)に従って、0[V]+(−80)[V]=−80[V]となる。
現像バイアスVdc_A2=帯電電位Vd_A2+Vc_Result …… (6)
表1に示すように、以上説明した「非露光トナー画像によるパッチ検制御」により決定した画像形成条件を用いて前述した[チャート]を形成すことで、帯電を印加する第一のアナログパターンA1の濃度範囲を0.4±0.05程度にすることが可能となる。また、帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の濃度範囲を0.4±0.10にすることができる。ここで、帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の濃度範囲の方が帯電を印加する第一のアナログパターンA1の濃度範囲よりも大きくなってしまう原因は、帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の帯電電位Vd_A2を固定値として、推定して計算しているため、制御精度がその分低下する。
Figure 2021117323
[縦スジ]
図5を用いて、本実施例の画像形成装置1で発生する画像エラーの一つである縦スジについて説明する。図5は縦スジの種類、交換部品または対処方法、白地部の状態、スジが発生するパターンの色、デジタルパターン及びアナログパターンの各々においてスジ発生の有無、帯電処理が適用されずに形成されるアナログパターンA2において帯電不良に起因したスジが発生しないことを示している。なお、スジが存在しない正常部よりも濃度が薄くなるスジは白スジと呼ばれる。正常部に対して濃度が濃くなるスジは黒スジと呼ばれる。
<現像コート不良に起因したスジ>
図5が示す現像コート不良スジとは、現像コートが不十分で発生する縦スジである。図6(A)および図6(B)は現像コート不良に起因したスジが発生する要因を説明する図である。現像コートとは現像スリーブ142の表面に現像剤を均一の厚さで付着させることをいう。現像スリーブ142の内部には現像剤担持体として機能するマグネット141が設けられている。現像スリーブ142は回転自在に現像容器143に支持されている。最近接部145は現像スリーブ142と感光ドラム11との距離が最も近い部分である。現像スリーブ142の回転方向において最近接部145よりも上流側に規制ブレード146が設けられている。規制ブレード146は、現像スリーブ142に対する距離が一定となるように配置されており、最近接部145に供給される二成分現像剤の量を規制する。
図6(B)が示すように、ホコリや髪の毛などの異物148が現像スリーブ142と規制ブレード146との間に詰まることがある。この場合、異物148が現像剤の流れを妨げてします。図6(C)が示すように、現像スリーブ142上に現像剤が担持されない縦スジ151が発生する。縦スジ151には現像剤が存在しないため、感光ドラム11の表面のうち縦スジ151に対向する部分には現像剤が供給されない。よって感光ドラム11の表面には一直線の連続する縦スジ152が発生する。図5(A)が示すように、このような現像コート不良スジを解消するために交換すべきユニットは現像器14である。
さらに、図5を用いて、現像コートの不良で発生する白スジの特徴を説明する。まず、画像パターンが形成されない白地部Wにはスジが発生しない。そして、スジが発生する色は、現像コート不良が起こった現像器の色のみである。
図7(A)はデジタルパターンDを形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図7(B)はデジタルパターンDを形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図7(C)はアナログパターンA1を形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図7(D)はアナログパターンA1を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図7(E)はアナログパターンA2−Pを形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図7(F)はアナログパターンA2を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。これらが示すように、現像コート不良スジは現像スリーブ142上に現像剤が供給されないことに起因する。したがって、デジタルパターンD、アナログパターンA1およびアナログパターンA2のすべてで縦スジが発生する。さらに、アナログパターンA1に発生するスジの濃度とアナログパターンA2に発生するスジの濃度に差はない。
<露光不良に起因したスジ>
次に、図5に示した露光不良に起因した白スジについて説明する。図8(A)は露光不良に起因した白スジの発生メカニズムを説明する図である。露光器13から出力されるレーザ光が通過する光路には防塵ガラス132が設けられている。防塵ガラス132の一部に髪の毛やトナーなどの異物135が付着すると、感光ドラム11の表面に照射されるレーザ光が遮られてしまう。つまり、感光ドラム11の表面のうち異物135によってレーザ光が照射されなかった部分の静電潜像の電位が低下し、縦スジが発生する。この縦スジは、トナーの付着量が減少することで発生するため、白スジとなる。露光不良に起因した白スジを低減するための対処方法は、防塵ガラス132の清掃作業を行うか、露光器13を交換することである。
図5を用いて露光不良に起因した白スジの特徴を説明する。まず、画像パターンが形成されない白地部Wにはスジが発生しない。そして、デジタルパターンD−Pにおいてスジが発生する色は、露光不良の起こった露光器13が担当している色である。
図9(A)はデジタルパターンDを形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図9(B)はデジタルパターンDを形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図9(C)はアナログパターンA1を形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図9(D)はアナログパターンA1を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図9(E)はアナログパターンA2を形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図9(F)はアナログパターンA2を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。
図9(A)や図9(B)が示すように、白スジは露光不良(露光光量が少なくなること)が原因で発生する。このため、デジタルパターンDでは、感光ドラム11の主走査位置の一部において表面電位がVl_Dよりも高くなることで白スジが発生する。一方、図9(C)ないし図9(F)が示すように、アナログパターンA1、A2は露光が適用されずに形成されるため、スジが発生しない。
<帯電不良に起因したスジ>
本実施例の帯電器12は帯電部材を感光ドラム11に接触させて帯電を行う接触帯電方式を採用している。接触帯電方式では、感光ドラム11の表面のうち主走査方向のある位置でクリーニングが不十分となることで、シリコンなどの外添剤が帯電部材に付着しうる。図10(A)は感光ドラム11の表面電位(帯電電位)を示す図である。図10(B)は画像信号と光学濃度との関係を示す図である。図10(A)が示すように、感光ドラム11の表面のうち一部の主走査位置において帯電部材の抵抗が大きくなり、その位置の帯電電位が高くなる。抵抗が大きくなった主走査領域は高抵抗化部と呼ばれる。帯電電位が高くなると、図10(B)が示すように、感光ドラム11の各主走査位置を同じ画像信号を用いて露光しても、高抵抗化部の濃度は正常部の濃度よりも低くなり、白スジが発生する。
一方、感光ドラム11の表面のうち一部の主走査位置においてクリーニング不良が発生すると、トナーが帯電部材に付着することがある。帯電部材の表面のうちトナーが付着した部分の抵抗は小さくなる。帯電部材は耐久により徐々に高抵抗化するが、帯電部材の表層が剥れることでも帯電部材の抵抗が部分的に小さくなる。その結果、図10(A)が示すように、一部の主走査領域で部分的に帯電部材の抵抗が小さくなり、帯電電位が低くなる。この部分は低抵抗化部と呼ばれる。帯電電位が低くなると、図10(B)が示すように、感光ドラム11の各主走査位置を同じ画像信号を用いて露光しても、低抵抗化部の濃度は正常部の濃度よりも高くなり、黒スジが発生する。
図5を用いて帯電不良スジの特徴を説明する。まず、画像パターンが形成されない白地部Wにはスジが発生しない。そして、YMCKのうちスジの発生する色は、帯電不良の起こった帯電器12が担当している色である。
図11(A)はデジタルパターンDを形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図11(B)はデジタルパターンDを形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図11(C)はアナログパターンA1を形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図11(D)はアナログパターンA1を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。図11(E)はアナログパターンA2を形成したときの感光ドラム11の各主走査位置における電位を示している。図11(F)はアナログパターンA2を形成したときのシートPの各主走査位置における光学濃度を示している。
図11(A)や図11(B)が示すように、デジタルパターンDでは露光された感光ドラム11の一部の主走査位置における帯電電位がVl_Dとは異なる。帯電電位がVl_Dよりも低い位置では黒スジが発生し、帯電電位がVl_Dよりも高い位置では白スジが発生する。図11(C)や図11(D)が示すように、アナログパターンA1でも、主走査方向の一部で帯電電位がVd_A1とは異なるため、黒スジや白スジが発生する。帯電不良は帯電部材の抵抗差に起因して発生するため、帯電器12の帯電電位を低下させすることで帯電不良が低減する。図11(E)や図11(F)が示すように、アナログパターンA2は、帯電処理を適用されずに形成されるため、帯電不良に起因したスジが発生しなくなる。
<中間転写ベルトの塑性変形に起因したスジ>
次に、図5に示した中間転写ベルト31の塑性変形に起因したスジについて説明する。長期の使用による中間転写ベルト31の内面が削れて粉が発生しうる。転写ユニットを構成する部品の一部などがローラ36、37の表面に付着することがある。図8(B)が示すように、中間転写ベルト31の一部が凸形状に塑性変形する。この部分は凸形状部311と呼ばれる。このように中間転写ベルト31に凸形状部311が発生すると、凸形状部311の両側は感光ドラム11やシートPと接触しにくくなる。よって、両側部分はシートPに対してトナー画像を二次転写しにくくなり、白スジが発生する。凸形状部311はシートPに対して多くのトナーを二次転写するため、黒スジが発生する。よって、中間転写ベルト31の塑性変形によるスジを解消するために交換すべき部品は中間転写ユニットである。なお、白スジとは白色のスジではなく濃度が薄くなる(トナーが少なくなる)淡スジのことである。また、黒スジとは濃度が濃くなる(トナーが多くなる)濃スジのことである。
図5を用いて塑性変形に起因したスジの特徴を説明する。画像パターンが形成されない白地部Wにはスジが発生しない。YMCKのうちスジの発生する色は全ての色である。なぜなら、このタイプのスジは二次転写部分で発生するためである。また、露光の有無や帯電電位とは無関係であるため、デジタルパターンDだけでなく、アナログパターンA1、A2でもスジが発生する。
<感光ドラムのクリーニング不良に起因したスジ>
感光ドラム11のクリーニング不良に起因したスジは黒スジとなる。ドラムクリーナ15のうち、感光ドラム11との当接部材(ブレード)の一部が欠損することがある。この欠損部分は、一次転写後に感光ドラム11上に残ったトナーを掻き取ることができない。これが黒スジの原因となる。このタイプの黒スジは、クリーニング不良が発生したドラムクリーナ15が担当している色で発生する。たとえば、イエローステーションのドラムクリーナ15でクリーニング不良が発生すると、イエローのスジが発生する。また、クリーニング不良にともなう黒スジは白地部Wにほぼ一直線状のスジとして発生する。よって、感光ドラム11のクリーニング不良に伴うスジを低減するために交換すべき部品はプロセスカートリッジ50である。このようにドラムクリーナ15を含むアセンブリユニットが交換部品となる。
図5を用いてクリーニング不良に起因したスジの特徴を説明する。
クリーニング不良に起因してスジが発生するため、画像パターンが形成されない白地部Wにもスジが発生する。白地部に発生するスジの色は、ドラムクリーナ15に蓄積されたトナーの色と同じ色である。よってこのタイプのスジは単色のスジとなる。スジは画像を形成していない色でも発生するため、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの全ての色のパターンで発生する。たとえば、イエローを担当するドラムクリーナ15が欠損すると、シートPの副走査方向の全域にわたってイエローのスジが発生するため、すべての色のパターンにスジが発生する。また、露光の有無や帯電電位とは無関係であるため、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2のいずれでもスジが発生する。
<中間転写ベルトのクリーニング不良に起因したスジ>
図5を用いて中間転写ベルト31のクリーニング不良に起因して発生する黒スジについて説明する。転写クリーナ35のうち中間転写ベルト31との当接部材(ブレードなど)の一部が欠損すると、黒スジが発生する。これは二次転写後に中間転写ベルト31上に残存しているトナーを掻き取ることができないために発生する。このタイプのスジの色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが混ざった色(混色)となる。よって、中間転写ベルト31のクリーニング不良に起因して発生する黒スジを低減するために交換すべきユニットは転写クリーナ35である。
図5を用いて中間転写ベルト31のクリーニング不良に起因したスジの特徴を説明する。クリーニング不良が原因であるため、画像パターンが形成されない白地部にもスジが発生する。そして、白地部WTに発生するスジは転写クリーナ35に蓄積されたトナーによるものなので、スジの色はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの混色となる。また、露光の有無や帯電電位とは無関係であるため、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2のいずれでもスジが発生する。
[交換部品の特定処理]
図12を用いて交換部品を特定するためのチャート70の作成処理と交換部品の特定処理が説明される。CPU60は、入力装置62から交換部品の特定指示またはチャート70の作成指示が入力されると、以下の処理を実行する。
S101でCPU60(チャート生成部64)はプリンタ3を制御してシートPに白地部W、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2を形成することで、チャート70を作成する。チャート生成部64は、白地部を形成するために帯電器12に所定の帯電電位を設定し、現像器14に所定の現像電位を設定し、かつ、露光器13に発光を禁止する。これにより、シートP(チャート70)に白地部が形成される。さらに、チャート生成部64は、デジタルパターンDYを形成するために、イエローステーションの帯電器12に帯電電位Vd_Dを設定する。また、チャート生成部64は、イエローステーションの現像器14に現像電位Vdc_Dを設定する。さらに、チャート生成部64は、イエローステーションの露光器13にデジタルパターンDYを形成するための画像信号を出力する。
これにより、デジタルパターンDYが形成される。同様に、デジタルパターンDM、DC、DBkが形成される。次に、CPU60はアナログパターンA1Yを形成するために、各色のステーションの帯電器12に帯電電位Vd_A1を設定する。また、チャート生成部64は、各色のステーションの現像器14に現像電位Vdc_A1を設定する。これにより、アナログパターンA1Y、A1M、A1C、A1Bkが形成される。次に、CPU60はアナログパターンA2Yを形成するために、各色のステーションの帯電器12に帯電電位Vd_A2を設定する。また、チャート生成部64は、各色のステーションの現像器14に現像電位Vdc_A2を設定する。これにより、アナログパターンA2Y、A2M、A2C、A2Bkが形成される。以上によりチャート70が形成され、画像形成装置1の排出トレイに排出される。なお、チャート70をユーザまたはサービスマンが目視により交換部品を特定する場合は、以下の処理が省略される。
S102でCPU60(診断部67)はイメージリーダー2を制御し、チャート70を読み取る。診断部67はチャート70を原稿台ガラス22に載置して、読取開始ボタンを押すことを促すガイダンスを表示装置61に表示してもよい。チャート70の読取結果は記憶装置63に格納される。
S103でCPU60(診断部67)はチャート70の読取結果からスジを検出する。たとえば、診断部67は読取結果である画像データを解析し、スジを検出するための特徴量を取得してもよい。読取結果にはRGBの輝度値が含まれており、診断部67はR画像、G画像、B画像に読取結果を分割して、色ごとに個別に解析を実行する。つまり、診断部67は、R画像、G画像、B画像の各々の画像データについて縦スジを検出する。なお、診断部67はR画像、G画像、B画像をY画像、M画像、C画像、K画像に変換してから各色について縦スジを検出してもよい。診断部67は、画像データの縦方向(チャート70の搬送方向やイメージリーダー2のスキャン方向)に並んだ複数の画素の輝度値の平均値を演算する。これは、イメージリーダー2で重畳された電気的なノイズを低減するためである。
本実施例では、白地部Wの領域の幅(副走査方向の長さ)が10mmであることから、10mmに相当する複数の画素に平均化が適用される。一方、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2では、各色のパターンの幅(副走査方向の長さ)が30mmであることから、30mmに相当する複数の画素に平均化が適用される。診断部67は、画像データの横方向(縦方向に垂直な方向、主走査方向)に沿って輝度値(縦方向での平均値)の傾きを補正する傾き補正処理を行う。これによりイメージリーダー2や画像パターンの濃度ムラの影響が低減される。診断部67は、画像データにおいて一様な部分(正常部)に対して輝度値の差がある画素群(領域)を検出する。たとえば、診断部67は、画像パターンの全体での平均輝度値と各主走査位置の輝度値(傾き補正された輝度値)との差分(輝度差)を算出する。診断部67は、輝度差が予め定められた閾値(例:平均値の20%)を超える画素群を縦スジとして検出する。
診断部67は、正常部の輝度よりも輝度が低い(濃度が高い)スジを黒スジと判別し、逆に輝度が高い(濃度が低い)スジを白スジと判別してもよい。診断部67は、スジが検出された主走査位置および副走査位置、スジの色、輝度差などをスジの特徴量として記憶装置63に格納する。なお、スジの位置は白地部W、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2のどこでスジが発生しているかを示している。スジの色は、交換部品を特定するのに役立つ。アナログパターンA1におけるスジについての輝度差とアナログパターンA2におけるスジについての輝度差はスジが良化しているどうかを判定するのに役立つ。
S104でCPU60(診断部67)はチャート70の読取結果(スジの検出結果)に基づきスジの原因と交換部品(または対処方法)を特定する。たとえば、診断部67は記憶装置63に記憶したスジの特徴量に基づき白地部WやYMCKのパターンごとにスジの有無やスジの色(単色(YMCK)/混色など)を判別する。診断部67は、この判別結果と、原因および交換部品を特定するための特定条件とを比較することで、原因および交換部品を特定する。
S105でCPU60(診断部67)は交換部品や対処方法を示すメッセージを表示装置61に表示したり、通信IF55を介してPC124やサーバ128に送信したりする。
図13は交換部品や対処方法を示すメッセージの一例を示している。この例では、チャート70に縦スジ(副走査方向に延在するスジ)が発生していることや、原因を示すコード、交換部品の名称などの情報が含まれている。ユーザやサービスマンはメッセージを参照することで、スジの原因や交換部品を容易に理解することができる。なお、縦スジが検出されなければ、診断部67は画像形成装置1が正常であることを示すメッセージを表示装置61に表示する。このように、具体的な情報で縦スジの発生および交換部品がわかるため、ユーザおよびサービスマン等が交換部品を容易に理解できるようになる。
[交換部品の特定処理の詳細]
図14は交換部品や対処方法を特定する処理の詳細を示すフローチャートである。CPU60(診断部67)は、主走査位置ごと(例:1mmごと)に縦スジを検出する。このため、複数の主走査位置で縦スジが検出されることもあろう。また、複数の縦ジスの原因がそれぞれ異なることもある。したがって、CPU60(診断部67)はスジごとに原因と交換部品を特定する。なお、スジの発生原因を特定することで、交換部品が特定されてもよい。図14に示した各判定処理は、交換部品や原因を特定するための特定条件の集合体でもある。
S200でCPU60は記憶装置63から特徴量を読み出し、白地部Wにスジが無いかどうかを判定する。チャート70における白地部Wの座標は既知である。CPU60はスジの位置と白地部Wの座標とを比較することで、白地部Wにおけるスジの有無を判別する。白地部Wにスジが有れば、CPU60はS201に進む。
S201でCPU60はスジの色が混色かどうかを判定する。スジの色が混色であればCPU60はS202に進む。S202でCPU60は、スジの原因を中間転写ベルト31のクリーニング不良と判別し、転写クリーナ35を交換部品に特定する。一方で、スジの色がYMCKいずれかの単色であればCPU60はS203に進む。S203でCPU60はスジの原因を感光ドラム11のクリーニング不良と判別し、スジの色に対応したプロセスカートリッジ50を交換部品に特定する。S200で白地部Wにおいてスジが検出されなければ、CPU60はS204に進む。
S204でCPU60は記憶装置63から特徴量を読み出し、デジタルパターンDY〜DBkにスジが存在するかどうかを判定する。チャート70におけるデジタルパターンDY〜DBkの座標は既知である。CPU60はスジの位置とデジタルパターンDY〜DBkの座標とを比較することで、デジタルパターンDY〜DBkにおけるスジの有無を判別する。デジタルパターンDY〜DBkのいずれにもスジがなければ、CPU60はS205に進む。S205でCPU60は交換部品がない(正常)と特定する。一方で、CPU60はデジタルパターンDY〜DBkのいずれかにスジを検出すると、S206に進む。
S206でCPU60は記憶装置63から特徴量を読み出し、スジが特定色で発生しているかどうかを判定する。これはスジが全色(デジタルパターンDY〜DBkのすべて)で発生しているかどうかを判定することと同じである。スジが全色で発生していれば、CPU60はS207に進む。S207でCPU60はスジの原因を中間転写ベルト31の塑性変形と判別し、中間転写ベルト31を含む転写ユニットを交換部品に特定する。一方で、スジが特定色でのみ発生していれば、CPU60はS208に進む。
S208でCPU60はスジが発生しているデジタルパターンDの色と同じ色のアナログパターンA1にスジが発生しているかどうかを判定する。アナログパターンA1にスジがなければ、CPU60はS209に進む。S209でCPU60は、スジの原因を露光不良と判別し、スジの色に対応した露光器13を交換部品に特定する。なお、CPU60は、スジの色に対応した露光器13の清掃を対処方法として特定してもよい。スジが発生しているデジタルパターンDの色と同じ色のアナログパターンA1にスジが発生していれば、CPU60はS210に進む。
S210でCPU60は、記憶装置63から特徴量を読み出し、アナログパターンA2にスジが無いかどうかを判定する。アナログパターンA2にスジが存在すれば、CPU60はS211に進む。アナログパターンA2にスジが無ければ、CPU60はS212に進む。つまり、アナログパターンA2にスジが無ければ、CPU60は帯電不良をスジの原因として特定し、帯電器12を含むプロセスカートリッジ50を交換部品として特定する。また、交換部品は、スジの色に対応した交換部品である。たとえば、イエローのアナログパターンA1にスジがあるものの、イエローのアナログパターンA2にスジがなければ、イエローを担当しているプロセスカートリッジ50が交換部品として特定される。
このようにCPU60はチャート70を作成し、チャート70に発生したスジを分析することでスジの原因と交換部品を特定する。また、CPU60はスジの原因や交換部品を示すメッセージを表示装置61などに出力してもよい。これのより、ユーザやサービスマンがスジの原因や交換部品を容易に認識できるようになる。そのため、メンテナンスに必要な作業時間(ダウンタイム)が大幅に短縮されよう。また、スジに関与した部品が特定されるため、スジに関与していない部品まで交換されることはなくなるであろう。よって、メンテナンス時間に加えてメンテナンスコストも削減されよう。スジの原因や交換部品を示すメッセージはネットワークを介してサービスマンのサーバ128に送信されてもよい。サービスマンは事前に交換部品を把握できるため、交換部品を確実に携帯してメンテナンスを行うことができる。図14に示したスジの原因や交換部品等を特定する処理はユーザやサービスマンがチャート70を目視して実行してもよい。ここでは、カラープリンタが一例として採用されているが、モノクロプリンタに本実施例が適用されてもよい。
図3に示したチャート70は一例に過ぎない。チャート70における白地部W、デジタルパターンD、アナログパターンA1、A2の順序は他の順序であってもよい。要するに、アナログパターンが含まれていればよい。
縦スジ以外の画像エラーの例としては、シートPの搬送方向に直交した方向に回転部品の回転周期に応じて発生する横スジや回転部品に傷がついて発生する画像傷がある。チャート70の搬送方向の長さを、横スジや画像傷の原因となる回転部品の長さ以上とすること、横スジや画像傷なども検出可能となる。横スジや画像傷の特徴と、その特徴に対応する部品とを対応付けた特定条件が記憶装置63に格納されていてもよい。この場合、CPU60は検出された横スジや画像傷の特徴と特定条件とを比較することで交換部品を特定する。
[実施例2]
実施例1では、帯電を印加しない第二のアナログパターンの画像形成条件は、帯電を印加して非露光トナー画像を形成する「非露光トナー画像によるパッチ検制御」の結果を用いて演算することで求めた。
しかしながら、帯電を印加しない第二のアナログパターンにおける帯電電位は、完全に0[V]まで電位が下がりきらない。その理由は、前露光などで除電しても除電しきらない電荷がドラムに残留するためである。また、第二のアナログパターンにおける帯電電位は、ドラムに残留する電荷量やドラムの膜厚などで変化するドラム容量により変化するため常に一定の値とならない。
このため、実施例1の方法では、帯電を印加しない第二のアナログパターンの濃度を精度高くスジ検出に適した中間調(濃度0.4程度)に制御する事が出来ない場合がある。
そこで、実施例2では、「帯電を印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御」を実施して、帯電を印加しない第二のアナログパターンにおける帯電電位を直接決めることで、帯電を印加しない第二のアナログパターンの濃度を精度高くスジ検出に適した中間調(濃度0.4程度)に制御することが可能となる。なお、第二のアナログパターンにおける帯電電位の決め方を除き、実施例2は実施例1と同様である。よって、すでに説明した部分は省略される。
[帯電を印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御]
帯電を印加する非露光トナー画像の画像形成条件は、実施例1と同様であるので省略する。実施例2では、帯電を印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御」を実施して、帯電を印加しない第二のアナログパターンにおける帯電電位を直接決めることが特徴である。
<帯電印加しないトナーパッチ(Pch−Aoff)の形成方法及び構成>
図24を用いて、帯電印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御に用いる帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)のパッチ形成方法とその構成を説明する。
帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)は、帯電電位Vd≒0[V]と一定にして、現像電位Vdcを帯電印加しない非露光トナーパッチの直前の設定である現像電位Vdc(0[V])から高圧設定を切り替えて現像電位Vdcを3水準(−50[V]、−100[V] 、−150[V])に変更することで、濃度の異なる3水準の帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff1、Pch−Aoff2、Pch−Aoff3)を形成する。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを色毎にそれぞれ実施する。
ここで、非露光トナーパッチの直前の設定は、現像電位Vdcを0[V]とし、帯電電位Vdを−100[V]は、かぶりとり電圧Vb=100[V]の確保のためと、帯電電位Vdを小さくするために高圧を切り替える応答性の影響を最小限にするためである。
また、帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)の全ての長さ(Length−Pch−AoffALL)は感光体ドラム11の1周の長さよりも小さくする。この理由は、帯電を印加しないトナー画像を感光体ドラム11から中間転写ベルト35へ転写する際に、感光体ドラム11へ転写による電界が加わる。このため、感光体ドラム11の残留電荷量が変化する。よって、感光体ドラム11の1周以上にわたって帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)を形成すると、感光体ドラム11の1周後の帯電を印加しない帯電電位が変化してしまう。
よって本実施例では、帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)の搬送方向の長さを30mmとし、帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)の全ての長さ(Length−Pch−AoffALL)が90mmとなり、感光体ドラム11の1周の長さ94.2mmよりも小さくしている。
なお、本実施例では、帯電印加しない非露光トナーパッチ(Pch−Aoff)を中間転写ベルト35へ形成する場合について説明したが、感光体ドラム11へ形成し、感光体ドラム11上でパッチ検センサを用いて検出する構成でもよい。
<帯電印加しない非露光トナー画像の画像形成条件の決め方>
パッチ検センサ81を用いて、3水準の帯電印加しない非露光トナーパッチから検出した非露光トナーパッチ濃度(Dens−Pch−Aoff1、Dens−Pch−Aoff2、Dens−Pch−Aoff3)から、テスト画像の帯電印加しない非露光トナー画像(アナログパターン)の画像形成条件を決める方法を説明する。なお帯電を印加する第一のアナログパターンA1の画像形成条件の決め方は実施例1と同様であるので省略する。
図25に示すように帯電印加しない非露光トナー画像(アナログパターン)の現像電圧(現像電位Vdc−帯電電位Vd)と検出した帯電印加しない非露光トナーパッチ濃度の関係から、ターゲットとなるスジ検出に適した中間調(濃度0.4程度)に対応するAoffTarget−SigDens=205となる現像電圧(AoffVc_Result[V])を線形補間などにより求める。本実施例では、AoffVc_Result=−80[V]とする。
帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の帯電電位Vd_A2は、帯電印加しないトナーパッチの帯電電位Vdと同じ0[V] に設定する。帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の現像バイアスVdc_A2は、数式(7)に従って、−80[V]となる。
現像バイアスVdc_A2=AoffVc_Result …… (7)
表2に示すように、以上説明した「帯電を印加しない非露光トナー画像によるパッチ検制御」により決定した画像形成条件を用いて前述した[チャート]の帯電を印加しない第二のアナログパターンA2を形成すことで、帯電を印加しない第二のアナログパターンA2の濃度範囲を0.4±0.05にすることができる。
Figure 2021117323
1 画像形成装置
2 イメージリーダー
3 プリンタ
11 感光観光ドラム
12 帯電器
13 露光器
14 現像器

Claims (4)

  1. 像担持体と、前記像担持体の表面を所定の電位となるように帯電させる帯電手段と、前記像担持体に対して光を照射して静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像が一次転写される中間転写体と、前記トナー画像を前記中間転写体に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体に一次転写されたトナー画像をシートに二次転写する二次転写手段と、前記シートに二次転写されたトナー画像を当該シートに定着させる定着手段と、
    交換部品を特定するためのテスト画像であって、前記テスト画像には、非露光トナー画像を含み、前記テスト画像の画像形成前に、中間転写体上(またはドラム上)に、非露光トナー画像パッチを形成し、形成した非露光トナー画像パッチの濃度を検出して、前記テスト画像における非露光トナー画像の画像形成条件を決めることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記テスト画像に帯電を印加したに非露トナー画像を含み前記テスト画像の画像形成前に、帯電を印加しない非露トナー画像パッチの濃度を検出して、前記テスト画像における非露光トナー画像の画像形成条件を決めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記テスト画像に帯電を印加しない非露トナー画像を含み、
    前記テスト画像の画像形成前に、帯電を印加する非露光トナー画像パッチの濃度を検出して、
    前記テスト画像における記テスト画像に帯電を印加しない非露トナー画像の画像形成条件を決めることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記帯電を印加しない非露トナー画像パッチの合計の長さが像担持体の1周の長さよりも小さくなることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
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