JP2021115876A - タイヤユニット - Google Patents

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【課題】制動時における車両のスピンの発生を防止することを可能にしたタイヤユニットを提供する。【解決手段】車両の前輪に装着する一対のフロントタイヤFTと後輪に装着する一対のリアタイヤRTとからなるタイヤユニットにおいて、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTのそれぞれのショルダー陸部13にタイヤ周方向に対して傾斜して延在する複数本の副溝12を形成し、フロントタイヤFTにおける副溝12の傾斜方向とリアタイヤRTにおける副溝12の傾斜方向とを逆方向に設定する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の前輪に装着するフロントタイヤと後輪に装着するリアタイヤとからなるタイヤユニットに関し、更に詳しくは、制動時における車両のスピンの発生を防止することを可能にしたタイヤユニットに関する。
一般的に、車両に装着されるタイヤは複数本であるため、個々のタイヤとしての性能だけでなく、複数本のタイヤの組み合わせからなるタイヤユニットとして優れた性能を発揮することも求められる。例えば、車両の重心位置等の要因によって、スリップが生じやすい路面(例えば、湿潤路面、積雪路面、氷結路面)における制動時に車両がスピン(旋回)を発生することがある。このようなスピンを抑制するために、例えば特許文献1は、左右前輪に特定のタイヤ(空気入りタイヤ対)を装着することを提案している。
一方で、近年、自動運転技術が発展していく中で、自動ブレーキ技術が搭載された車両の需要が高まりつつあるが、このような車両(特に乗用車や小型トラック等の場合)では、自動ブレーキによる制動時に上述のスピンが顕著になる傾向がある。そのため、このような車両のスピンをタイヤユニットとして防止するための対策が求められている。
特開平8‐132823号公報
本発明の目的は、制動時における車両のスピンの発生を防止することを可能にしたタイヤユニットを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のタイヤユニットは、車両の前輪に装着する一対のフロントタイヤと後輪に装着する一対のリアタイヤとからなるタイヤユニットにおいて、前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤのそれぞれのトレッド部の外表面に、タイヤ周方向に沿って延在する複数本の主溝と、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側主溝によって前記最外側主溝のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部と、前記ショルダー陸部においてタイヤ周方向に対して傾斜して延在する複数本の副溝とを有し、前記フロントタイヤにおける前記副溝の傾斜方向と前記リアタイヤにおける前記副溝の傾斜方向とが逆方向であることを特徴とする。
本発明の発明者は、自動ブレーキによる制動時における車両のスピン(旋回)について鋭意研究した結果、運転手一人のみが乗車して使用されることが多い車種(例えば乗用車や小型トラック等)では、運転者の乗車位置等の関係から車両重心が車両前方に偏在して、車両重心からフロントタイヤの接地部までの距離と車両重心からリアタイヤの接地部までの距離とに差が生じて、制動時に前後輪に働く車両進行方向に沿った路面反力に基づいて発生する重心回りのモーメントに前後輪間で差が生じることが、前述のスピンの原因の一つであることを知見した。また、ショルダー陸部に形成される副溝の傾斜方向が前述のスピンに寄与し、タイヤユニットを構成するフロントタイヤとリアタイヤとの間で、副溝の傾斜方向を適切に設定することで、制動時における車両のスピンの発生を抑制できることを知見した。本発明は、この知見に基づき、前後輪の特性に応じて、タイヤユニットを構成するフロントタイヤとリアタイヤとの間で副溝の傾斜方向を逆向きにし、制動時における車両のスピンの発生を抑制している。
本発明においては、フロントタイヤにおいて副溝がタイヤ周方向に対して成す角度αが30°〜70°であり、且つ、リアタイヤにおいて副溝がタイヤ周方向に対して成す角度αが−30°〜−70°であることが好ましい。このように各タイヤにおける副溝の角度αを設定することで、制動時における車両のスピンの発生を抑制するには有利になる。
本発明においては、フロントタイヤおよびリアタイヤをトレッド部の外表面側から見たときに、フロントタイヤにおける副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して左下がりであり、且つ、リアタイヤにおける副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して右下がりである仕様にすることもできる。或いは、フロントタイヤおよびリアタイヤをトレッド部の外表面側から見たときに、フロントタイヤにおける副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して右下がりであり、且つ、リアタイヤにおける副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して左下がりである仕様にすることもできる。前者の仕様では、左側通行の国で使用される車両において上述のスピンを効果的に抑制することができる。また、後者の仕様では、右側通行の国で使用される車両において上述のスピンを効果的に抑制することができる。
本発明においては、フロントタイヤおよびリアタイヤをトレッド部の外表面側から見たときに、トレッド部に埋設された複数層のベルト層のうち最外周側に配置された最外ベルト層におけるベルトコードの傾斜方向が、フロントタイヤおよびリアタイヤのそれぞれにおいて副溝の傾斜方向と同じであることが好ましい。最外ベルト層におけるベルトコードの傾斜方向も前述のスピンに寄与するため、タイヤユニットを構成するフロントタイヤおよびリアタイヤのそれぞれにおいて、ベルトコードの傾斜角度を副溝の傾斜方向に応じて適切に設定することで、上述のスピンを効果的に抑制するには有利になる。
本発明においては、フロントタイヤおよびリアタイヤのそれぞれにおいて、タイヤ幅方向の一方側のショルダー陸部に設けられた副溝の傾斜角度とタイヤ幅方向の他方側のショルダー陸部に設けられた副溝の傾斜角度との角度差が15°以下であることが好ましい。このように内側ショルダー陸部と外側ショルダー陸部とで副溝の傾斜角度の差を小さくすることで、上述のスピンを効果的に抑制するには有利になる。
上述の本発明のタイヤユニットは、車両重心が車両前方に偏在している車両に装着されることが好ましい。このような車両では、車両重心が車両前方に偏在していることに起因して上述のスピンが発生しやすいので、本発明のタイヤユニットを装着することで、このスピンを効果的に抑制することができる。
本発明のタイヤユニットを構成するタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましいが、非空気式タイヤであってもよい。空気入りタイヤの場合は、その内部に空気、窒素等の不活性ガスまたはその他の気体を充填することができる。
本発明のタイヤユニットに用いられる空気入りタイヤの一例を示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド部の一例を示す正面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド部の別の例を示す正面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤユニットを模式的に示す説明図である。 本発明の別の実施形態からなるタイヤユニットを模式的に示す説明図である。 副溝とベルトコードの関係を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のタイヤユニットに使用することができる空気入りタイヤの一例であり、このタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
図1の例において、左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。尚、以降の説明では、ベルト層7を構成する補強コードをベルトコード7C、複数層のベルト層7のうち最外周側に配置されたものを最外ベルト層7oと呼ぶ場合がある。ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
図2は、図1の空気入りタイヤのトレッド部1の外表面(トレッドパターン)を示す。図2の例では、トレッド部1に、タイヤ赤道CL上に配置されてタイヤ周方向に沿って延在する1本の主溝(センター主溝10)と、その両側に配置されてタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝(外側主溝11)が形成される。外側主溝11のうち、タイヤ幅方向最外側に配置されるものを特に最外側主溝11′と呼ぶ場合がある。
これら主溝で区画された陸部には、タイヤ周方向に対して傾斜して延在する複数本の副溝12を設けることができる。図2の例では、外側主溝11(最外側主溝11′)のタイヤ幅方向外側に区画された陸部(ショルダー陸部13)にタイヤ周方向に間隔をおいて複数本の副溝12が設けられている。尚、図2の例では、各副溝12は外側主溝11(最外側主溝11′)に連通している。
副溝12は、少なくともショルダー陸部13に設けられていればよいが、図3に示すように、外側主溝11(最外側主溝11′)のタイヤ幅方向内側に区画された陸部(センター陸部14)に設けることもできる。尚、図3の例では、外側主溝11(最外側主溝11′)の内側に2本の主溝(タイヤ赤道CLの両側でタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝)が設けられており、外側主溝11(最外側主溝11′)の内側には3列のセンター陸部14が設けられているが、それらすべてのセンター陸部14に複数本の副溝12がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられている。特に図3の例では、ショルダー陸部13の副溝12とセンター陸部14の副溝12とが同一直線状に配置されて、実質的に1本の溝のように連続的に延在している。
上述のように、本発明は複数のタイヤで構成されるタイヤユニットに関するものであるので、個々のタイヤの基本構造(断面構造)は上述の図1の例に限定されない。また、トレッド部1の外表面(トレッドパターン)の詳細な形状についても、上記のように、ショルダー陸部に副溝が設けられていれば図2,3の例に限定されない。
本発明のタイヤユニットは、図4に示すように、車両の前輪に装着される一対のフロントタイヤFTと、後輪に装着される一対のリアタイヤRTとで構成される。尚、図中の符号「D」は車両におけるハンドルの位置(運転者の乗車位置)を表す。これら一対のフロントタイヤFTと一対のリアタイヤRTのそれぞれとして例えば上述の空気入りタイヤを用いることができる。本発明のタイヤユニットでは、上述のように、一対のフロントタイヤFTと一対のリアタイヤRTのそれぞれが上述の副溝12を有しており、フロントタイヤFTにおける副溝12の傾斜方向とリアタイヤRTにおける副溝12の傾斜方向とが逆方向に設定されている。
このように、フロントタイヤFTとリアタイヤRTとの間で、副溝12の傾斜方向を異ならせることで、制動時における車両のスピン(旋回)を抑制することができる。即ち、本発明の発明者は、自動ブレーキによる制動時における車両のスピン(旋回)について鋭意研究した結果、運転手一人のみが乗車して使用されることが多い車種(例えば乗用車や小型トラック等)では、運転者の乗車位置等の関係から車両重心が車両前方に偏在して、車両重心からフロントタイヤの接地部までの距離と車両重心からリアタイヤの接地部までの距離とに差が生じて、制動時に前後輪に働く車両進行方向に沿った路面反力に基づいて発生する重心回りのモーメントに前後輪間で差が生じることが、前述のスピンの原因の一つであることを知見した。また、ショルダー陸部に形成される副溝の傾斜方向が前述のスピンに寄与し、タイヤユニットを構成するフロントタイヤとリアタイヤとの間で、副溝の傾斜方向を適切に設定することで、制動時における車両のスピンの発生を抑制できることを知見した。上述の構造は、この知見に基づいて設定されたものであり、前後輪の特性に応じて、タイヤユニットを構成するフロントタイヤFTとリアタイヤRTとの間で副溝の傾斜方向を逆向きにしているため、制動時における車両のスピンの発生を抑制することができる。
このとき、フロントタイヤFTとリアタイヤRTとの間で副溝12の傾斜方向が同じであると、上述の知見に基づく前後輪の特性に応じた設定ができないため、制動時における車両のスピンを抑制する効果が得られない。また、個々のタイヤにおいて、タイヤ幅方向の一方側のショルダー陸部13に形成された副溝12の傾斜方向と、タイヤ幅方向の他方側のショルダー陸部13に形成された副溝12の傾斜方向が逆転しても、所望の効果は得られない。
個々のタイヤにおいて副溝12がタイヤ周方向に対して成す角度αは特に限定されないが、フロントタイヤにおける角度αは、好ましくは30°〜70°、より好ましくは30°〜45°であり、リアタイヤRTにおける角度αは、好ましくは−30°〜−70°、より好ましくは−30°〜−45°である。角度αとは、図示のように、副溝12の中心線と外側主溝11の中心線との交点において、副溝12の中心線がタイヤ周方向に対して成す角度である。尚、副溝12が外側主溝11に連通しない場合は、副溝12の中心線の延長線と外側主溝11の中心線との交点において、副溝12の中心線の延長線がタイヤ周方向に対して成す角度を角度αとする。このように各タイヤにおける副溝12の角度αを設定することで、制動時における車両のスピンの発生を抑制するには有利になる。角度αが30°未満であると、副溝12の延在方向が実質的にタイヤ周方向と略平行になるため、副溝12を傾斜させることによる効果が十分に得られなくなる。角度αが70°を超えると、副溝12の延在方向が実質的にタイヤ幅方向と略平行になるため、副溝12を傾斜させることによる効果が十分に得られなくなる。
副溝12は、上述のようにタイヤ周方向に対して傾斜していればよいので、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTのそれぞれにおいて、タイヤ幅方向の一方側のショルダー陸部13に設けられた副溝12の角度α(図中のα1)とタイヤ幅方向の他方側のショルダー陸部13に設けられた副溝12の角度α(図中のα2)とは同一であっても異なっていてもよい。タイヤ幅方向の一方側と他方側とで副溝12の角度α(α1,α2)が異なる場合、これらの角度差Δα(=|α1−α2|)は好ましくは15°以下、より好ましくは5°以下であるとよい。このように角度差Δαを十分に小さくすることで、傾斜した副溝12による効果を良好に発揮し、上述のスピンを効果的に抑制することができる。角度差Δαが15°を超えると、タイヤ幅方向の一方側または他方側の副溝12の傾斜角度が過大または過小になり、副溝12の延在方向が実質的にタイヤ幅方向またはタイヤ周方向と略平行になり、副溝12を傾斜させることによる効果が十分に得られなくなる虞がある。
上述のようにフロントタイヤFTにおける副溝12の傾斜方向とリアタイヤRTにおける副溝12の傾斜方向とを逆方向に設定する際には、タイヤ(車両)の使用状況に応じた設定をすることが好ましい。例えば、一般的な道路は排水等を考慮して道路の幅方向中心が最も高くなり幅方向の両端が低くなるように設計されるため、日本、イギリス、オーストラリアのような左側通行の国(地域)では、上述の制動時の車両のスピンは反時計回りになる傾向がある。そこで、図4に示すように、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTをトレッド部1の外表面側から見たときに、フロントタイヤFTにおける副溝12の傾斜方向がタイヤ周方向(車両の進行方向)に対して左下がりであり、且つ、リアタイヤRTにおける副溝12の傾斜方向(車両の進行方向)がタイヤ周方向に対して右下がりである仕様にするとよい。このような仕様にすることで、上述の反時計回りのスピンにタイヤ対して、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTのそれぞれの副溝12が効果的に機能するので、制動時における車両のスピンを抑制することができる。
逆に、北米、中国のような右側通行の国(地域)では、上述の制動時の車両のスピンは時計回りになる傾向がある。そこで、図5に示すように、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTをトレッド部1の外表面側から見たときに、フロントタイヤFTにおける副溝12の傾斜方向がタイヤ周方向(車両の進行方向)に対して右下がりであり、且つ、リアタイヤRTにおける副溝12の傾斜方向(車両の進行方向)がタイヤ周方向に対して左下がりである仕様にするとよい。このような仕様にすることで、上述の時計回りのスピンにタイヤ対して、フロントタイヤFTおよびリアタイヤRTのそれぞれの副溝12が効果的に機能するので、制動時における車両のスピンを抑制することができる。
本発明は、フロントタイヤFTの副溝12とリアタイヤRTの副溝12の傾斜方向の関係を設定するものであるので、個々のタイヤの内部構造は特に限定されない。但し、最外ベルト層7oを構成するベルトコード7Cの傾斜方向は前述のスピンに寄与するため、このベルトコードの傾斜方向を副溝12の傾斜方向と組み合わせて設定すると、制動時における車両のスピンを効果的に抑制することができる。即ち、図6に示すように、タイヤをトレッド部の外表面側から見たときに、トレッド部1に埋設された複数層のベルト層7のうち最外周側に配置された最外ベルト層7oにおけるベルトコード7Cの傾斜方向が副溝12の傾斜方向と同じであることが好ましい。具体的には、図6(a)では、副溝12の傾斜方向がタイヤ周方向に対して左下がりであるのに対して、最外ベルト層7oのベルトコード7Cの傾斜方向はタイヤ周方向に対して左下がりである。図6(b)では、副溝12の傾斜方向がタイヤ周方向に対して右下がりであるのに対して、最外ベルト層7oのベルトコード7Cの傾斜方向はタイヤ周方向に対して右下がりである。
図6の仕様の場合も、フロントタイヤFTとリアタイヤRTとで副溝12の傾斜方向を異ならせるので、図6(a)の構造のタイヤをフロントタイヤFTに使用した場合は、図6(b)の構造のタイヤをリアタイヤRTに使用する。また、図6(b)の構造のタイヤをフロントタイヤFTに使用した場合は、図6(a)の構造のタイヤをリアタイヤRTに使用する。この組み合わせにより、それぞれの場合で効果的に制動時の車両のスピンを抑制することができる。上述の使用状況(左側通行/右側通行)を考慮した設定の場合も同様に図6の構造を適用することができ、それぞれの状況(反時計回りまたは時計回りのスピン)に対して優れた効果を発揮することができる。
本発明のタイヤユニットは、様々な車両に対して適用することができるが、特に、運転手一人のみが乗車して使用されることが多い車種(例えば乗用車や小型トラック等)に好適に採用することができる。このような車両では、車両重心が車両前方に偏在していることに起因して上述のスピンが発生しやすいので、本発明のタイヤユニットを装着することで、このスピンを効果的に抑制することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
タイヤサイズが145/80R12 80N Y69であり、図1に例示する基本構造を有するタイヤを用いて、表1に示す組み合わせでタイヤユニット(比較例1〜10、実施例1〜8)を作製した。
表1,2では、車両の進行方向右側の前輪に装着されるタイヤをフロントタイヤ(右)、車両の進行方向左側の前輪に装着されるタイヤをフロントタイヤ(左)、車両の進行方向右側の後輪に装着されるタイヤをリアタイヤ(右)、車両の進行方向左側の後輪に装着されるタイヤをリアタイヤ(左)として示した。各タイヤの「トレッドパターン」の欄には、使用したタイヤのトレッドパターンの図番を表示した。図示のものと左右反転したパターンを使用した場合は図番の後に「(逆)」と表示した。尚、比較例1は、溝を有さないスリックタイヤである。
表1,2の「副溝の傾斜方向」の欄には、副溝の傾斜方向が、タイヤ周方向(車両の進行方向)に対して左下がりであるか、タイヤ周方向(車両の進行方向)に対して右下がりであるかを示した。副溝のタイヤ周方向に対する角度αは、左右のショルダー陸部のそれぞれについて記載した。具体的には、車両の進行方向に対して右側のショルダー陸部の副溝の角度αを「角度α(右)」の欄に示し、車両の進行方向に対して左側のショルダー陸部の副溝の角度αを「角度α(左)」の欄に示した。また、これらの差を「角度差Δα」の欄に示した。更に、「ベルトコードの傾斜方向」の欄には、最外ベルト層を構成するベルトコードの傾斜方向が、タイヤ周方向(車両の進行方向)に対して左下がりであるか、タイヤ周方向(車両の進行方向)に対して右下がりであるかを示した。
これらタイヤユニットについて、下記の評価方法により、制動時スピン抑制性能を評価し、その結果を表1,2に併せて示した。
制動時スピン抑制性能
タイヤユニットを構成するタイヤをそれぞれリムサイズ12×4.00のホイールに組み付けて、空気圧をフロントタイヤ280kPa、リアタイヤ350kPaとし、試験車両(軽トラック)に装着し、舗装路(ドライ路面)からなるテストコースにて速度60km/hで直進した状態からABS制動を行い(制動開始地点から停止するまでABS制動を維持し)、停止前後の偏向量(直進方向の仮想線から停止地点までの横方向(直進方向に直交する方向)の距離)を、GPS測定装置を用いて測定した。ブレーキ操作を行う制動試験を実施し、制動時の偏向距離を測定した。尚、表1(比較例1〜5および実施例1〜4)については、左側通行の道路を想定したコースで試験を行い、表2(比較例6〜10および実施例5〜8)については、右側通行の道路を想定したコースで試験を行った。評価結果は、測定された偏向距離に基づいて、以下の4段階で示した。
◎:偏向距離が0.4m未満である。
〇:偏向距離が0.4m以上0.8m未満である。
△:偏向距離が0.8m以上1.0m未満である。
×:偏向距離が1.0m以上である。
Figure 2021115876
Figure 2021115876
表1〜2から明らかなように、本発明の設定を満たすタイヤユニットを採用した場合には、制動時の車両のスピンを効果的に抑制することができた。一方、すべてのタイヤの副溝が同じ傾斜方向である比較例2,3,7,8は、制動時の車両のスピンを抑制することができず、スリックタイヤの場合よりも制動時スピン抑制性能が悪化した。比較例4,5,9,10はいずれも、フロントタイヤどうしで副溝の傾斜方向が異なり、且つ、リアタイヤどうしで副溝の傾斜方向が異なっており、本発明の設定を満たさないため、制動時の車両のスピンを抑制することができず、スリックタイヤの場合よりも制動時スピン抑制性能が悪化した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 センター主溝
11 外側主溝
11′ 最外側主溝
12 副溝
13 ショルダー陸部
14 センター陸部
FT フロントタイヤ
RT リアタイヤ
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. 車両の前輪に装着する一対のフロントタイヤと後輪に装着する一対のリアタイヤとからなるタイヤユニットにおいて、
    前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤのそれぞれのトレッド部の外表面に、タイヤ周方向に沿って延在する複数本の主溝と、前記主溝のうちタイヤ幅方向最外側に位置する最外側主溝によって前記最外側主溝のタイヤ幅方向外側に区画されたショルダー陸部と、前記ショルダー陸部においてタイヤ周方向に対して傾斜して延在する複数本の副溝とを有し、
    前記フロントタイヤにおける前記副溝の傾斜方向と前記リアタイヤにおける前記副溝の傾斜方向とが逆方向であることを特徴とするタイヤユニット。
  2. 前記フロントタイヤにおいて前記副溝がタイヤ周方向に対して成す角度αが30°〜70°であり、且つ、前記リアタイヤにおいて前記副溝がタイヤ周方向に対して成す角度αが−30°〜−70°であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤユニット。
  3. 前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤを前記トレッド部の外表面側から見たときに、前記フロントタイヤにおける前記副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して左下がりであり、且つ、前記リアタイヤにおける前記副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して右下がりであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤユニット。
  4. 前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤを前記トレッド部の外表面側から見たときに、前記フロントタイヤにおける前記副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して右下がりであり、且つ、前記リアタイヤにおける前記副溝の傾斜方向がタイヤ周方向に対して左下がりであることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤユニット。
  5. 前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤを前記トレッド部の外表面側から見たときに、前記トレッド部に埋設された複数層のベルト層のうち最外周側に配置された最外ベルト層におけるベルトコードの傾斜方向が、前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤのそれぞれにおいて前記副溝の傾斜方向と同じであることを特徴とする請求項3または4に記載のタイヤユニット。
  6. 前記フロントタイヤおよび前記リアタイヤのそれぞれにおいて、タイヤ幅方向の一方側の前記ショルダー陸部に設けられた前記副溝の傾斜角度とタイヤ幅方向の他方側の前記ショルダー陸部に設けられた前記副溝の傾斜角度との角度差が15°以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤユニット。
  7. 車両重心が車両前方に偏在している車両に装着されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤユニット。
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