JP2021115809A - ポリスチレン系樹脂積層体、ポリスチレン系樹脂積層体の製造方法および成形容器 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層体、ポリスチレン系樹脂積層体の製造方法および成形容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の両方を強固に密着できることに加え、印刷層を有し、多色カラー画像を付与した積層体を提供する。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2と、ポリスチレン系樹脂層とをこの順に含み、前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂積層体に関する。
従来より、ポリスチレン系樹脂は熱成形性に優れ、また、安価であることから食品用容器として広く使用されている。しかし、ポリスチレン系樹脂は耐熱性、耐油性が劣り、また、ポリオレフィン系樹脂に対して接着性が劣ることから、必要に応じて、他樹脂と貼り合わせを行ない、使用されており、この場合、ポリスチレン系樹脂からなるシートまたはフィルムと、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムを積層する目的で、接着剤を介してポリスチレン系樹脂からなるシートまたはフィルムとポリプロピレン系樹脂からなるフィルムとを貼り合わせているが、このような接着剤により貼り合せる方法では、接着剤塗布工程とラミネート工程といった作業工程が増えるばかりでなく、接着剤の使用により、環境保護、ならびに安全衛生面から好ましくない。
また、容器に多色カラー画像を付与し、印象を高めるために、ポリスチレン系樹脂からなるシートまたはフィルムと、印刷を施したポリプロピレン系樹脂からなるフィルムとを上記のような方法で貼り合せているが、この理由としてポリプロピレン系樹脂からなるフィルム用の印刷インキの樹脂として、通常、硝化綿、ポリアミド樹脂、塩素化ポリプロピレン、ポリウレタン樹脂の単独または混合物が用いられており、これら樹脂を用いた印刷インキは、ポリスチレン系樹脂とは接着しにくいため、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムに、これらの印刷インキを印刷し、さらにポリスチレン系樹脂に接着可能な粘着剤などを塗布して積層しなければならず、作業工程が増え、環境上、安全衛生上も好ましくない。
特許文献1には、ビカット軟化点が110℃以上の耐熱性ポリスチレン系樹脂からなる耐熱発泡シートと、ポリプロピレン系樹脂フィルムとを、接着性インク層を介して熱融着して積層した耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートであって、前記接着性インク層は少なくとも2層からなり、前記ポリプロピレン系樹脂フィルム側に塩素化ポリプロピレン系樹脂を基材とする接着性インク層が設けられており、前記耐熱発泡シート側にアクリル系樹脂を基材とする接着性インク層が設けられている耐熱ポリスチレン系樹脂発泡積層シートが記載され、耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートとポリプロピレン系樹脂フィルムとを強固に接着することで、ヒブクレの発生を低減するものが提案されている。
しかし、特許文献1は、接着剤や粘着剤を使用することなくポリスチレン系樹脂からなる耐熱発泡シートと、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムとを積層でき、作業工程や環境上好ましいものであるが、接着性インク層の2層しかなく、印刷が施されることについて、記載も示唆もされていないため、多色カラー画像を付与するという観点では、検討がされていない。また、上記した通り別の樹脂からなる印刷層が増えると、印刷層との接着性についての検討もしなければならないが、特許文献1には、印刷層についての記載も示唆もされず、検討もされていない。
したがって、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の両方を強固に密着できることに加え、印刷層を有し、多色カラー画像を付与した積層体が望まれていた。
特開2006−272799号公報
そこで、本発明は、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の両方を強固に密着できることに加え、印刷層を有し、多色カラー画像を付与した積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリプロピレン樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2と、ポリスチレン系樹脂層とをこの順に含むポリスチレン系樹脂積層体とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリプロピレン系樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2と、ポリスチレン系樹脂層とをこの順に含み、
前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、
前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、
前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層体、
(2)ポリプロピレン系樹脂層を準備する工程と、
該ポリプロピレン樹脂層の一方に、印刷層と、接着層1と、接着層2とをこの順にPP印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
前記PP印刷層上にポリスチレン系樹脂層を作成するラミネート工程と、を含み、
前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、
前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、
前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層体の製造方法、
(3)(1)に記載のポリスチレン系樹脂積層体を成形することによりなる成形容器、
に関するものである。
本発明によれば、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の両方を強固に密着できることに加え、印刷層を有し、多色カラー画像を付与した積層体を提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。なお、本発明において、(メタ)アクリル系樹脂は、アクリル系樹脂およびメタクリル系樹脂を意味する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層体(以下、単に「PS積層体」ともいう。)は、ポリプロピレン系樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2と、ポリスチレン系樹脂層とをこの順に含み、前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることが好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂層は、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムまたはシートであることが好ましい。これらは、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、なかでも成形性に優れる無延伸であるものが好ましい。また、その表面にコロナ放電処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などの表面処理を施していてもよい。
前記印刷層は、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ポリブテン、プロピレン−ブテン−エチレン共重合体や、スチレン−ブタジエン−イソプレンなどの共重合体の水添加物などが挙げられ、塩素化、酸変性していてもよい。これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。また、前記印刷インキには、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂のほかに、他の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、セラック類、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、酢酸セルロース、セルロースアセチルプロピオネート、セルロースアセチルブチレート、塩化ゴム、環化ゴム、ハロゲン化ビニル系樹脂(例えば、塩化ビニル系樹脂、フッ素含有ビニル系樹脂など)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、アクリルスチレン共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド系樹脂、ニトロセルロース樹脂、ロジン系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、およびエチレン−ビニルアルコール樹脂などが挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂は、前記他の樹脂を含めて、印刷インキ中に、固形分で1〜70質量%であることが好ましく、2〜65質量%であることがより好ましく、3〜60質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、十分な密着が得られず、70質量%より多いと、固形分が多すぎて、粘度が高くなり、塗布が困難である。
前記印刷インキには、樹脂のほかに色材、溶媒、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防臭剤、湿潤剤、皮張り防止剤、金属キレート剤などを含有することもできる。
前記色材としては、顔料または染料あるいはその混合物を含有することができる。顔料としては、例えば、酸化チタン、弁柄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、硫化亜鉛、マイカ、タルク、パール、アルミニウム、カーボンブラックなどの無機顔料、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、ジオキサジン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系などの有機顔料、その他各種蛍光顔料、金属粉顔料、体質顔料などが挙げられる。これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。染料としては、溶剤に溶解または分散するものが好ましく、これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐久性の観点から、顔料を用いることが好ましい。色材を含有するため、カラーバリエーションや多色カラー画像を付与するという面で非常に有用である。
前記溶媒は、印刷層形成時における適度な流動性の付与や、粘度調整のために、各種有機溶剤であることが好ましく、前記ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を該溶媒中に溶解または分散させるものであることが好ましい。
有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらの中から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒は、印刷インキ中に、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜70質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、十分な印刷適性が得られず、90質量%より多いと、固形分が少なくなり、ポリプロピレン系樹脂層への密着性が低下してしまう。
前記印刷インキは、市販品としてLG−FKシリーズ(ウレタン系樹脂)、NOPL−Tシリーズ(オレフィン系)(以上、いずれも東京インキ(株)製)などが挙げられる。
前記接着層1は、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキ(以下、「接着インキ1」ともいう。)を塗布した層であることが好ましい。前記ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、またはこれらがブレンドされたもの、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体の塩素化物、あるいはこれらの酸無水物変性物などが好ましく、なかでも塩素化ポリプロピレン、酸変性ポリオレフィン、酸変性塩素化ポリオレフィン、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体(塩素化EVA)がより好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂は、接着インキ1中に、固形分で1〜70質量%であることが好ましく、2〜65質量%であることがより好ましく、3〜60質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、印刷層との十分な密着が得られず、70質量%より多いと、固形分が多すぎて、粘度が高くなり、塗布が困難である。
前記ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、1万〜25万であることが好ましく、5万〜23万であることがより好ましく、8万〜20万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が、1万未満になると、印刷層との十分な密着が得られず、一方25万を超えると、粘度が高くなり、塗布が困難である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価できる。
前記塩素化ポリオレフィン系樹脂の塩素含有率は、特に限定はないが、10〜40質量%が好ましい。塩素含有率が10質量%より少ないと、トルエンやキシレンなどの有機溶剤に対する溶解性が劣り、均一な溶液が得られず、低温でゲル化したり、固形分が沈降したりするおそれがある。40質量%を超えると、印刷層や接着層2に対する密着性が低下するおそれがある。
前記接着インキ1には、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂のほかに他の樹脂、溶媒、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防臭剤、湿潤剤、皮張り防止剤、金属キレート剤などを含有することもできる。
前記溶媒は、前記ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を該溶媒中に溶解または分散させるものを使用することが好ましい。例えば、主にトルエン、メチルシクロヘキサンなどの非極性溶剤が挙げられる。メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコールなどアルコール系溶剤なども使用することができる。前記溶媒は、接着インキ1中に、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜70質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、十分な印刷適性が得られず、90質量%より多いと、固形分が少なくなり、印刷層や接着層2への密着性が低下してしまう。
前記接着層2は、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキ(以下、「接着インキ2」ともいう。)を塗布した層であることが好ましい。なかでもアクリル系樹脂がより好ましい。
前記(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移点(以下、単に「Tg」ともいう。)は、30℃以上90℃以下がより好ましく、35℃以上80℃以下がより好ましく、40℃以上70℃以下がさらに好ましい。Tgが30℃より低いと、べたつきが発生しやすくなったり、接着層1やポリスチレン系樹脂層への密着性が低下してしまう。90℃以上であると、ポリスチレン系樹脂層のラミネート接着を高温で行なわなければならないため、基材のポリプロピレン系樹脂層やポリスチレン系樹脂層にダメージを与え、外観不良となるおそれがある。
前記(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量は、2万〜20万が好ましく、3万〜11万がより好ましい。重量平均分子量が、2万未満になると、ラミネートの際にポリスチレン系樹脂層との凝集力が低下傾向を示し、成形加工時にブリスターが発生しやすくなるため好ましくなく、一方、重量平均分子量が、20万を超えると樹脂粘度が高くなってしまう。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価できる。
前記接着インキ2には、(メタ)アクリル系樹脂のほかに他の樹脂、溶媒、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、pH調整剤、電荷付与剤、殺菌剤、防臭剤、湿潤剤、皮張り防止剤、金属キレート剤などを含有することもできる。
前記溶媒は、前記(メタ)アクリル系樹脂を該溶媒中に溶解または分散させるものを使用することが好ましい。例えば、主にメチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、イソプロピルアルコールなどアルコール系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテルなどの溶剤が挙げられる。前記溶媒は、接着インキ2中に、1〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜70質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、十分な印刷適性が得られず、90質量%より多いと、固形分が少なくなり、接着層1やポリスチレン系樹脂層への密着性が低下してしまう。
本発明の印刷インキ、接着インキ1、接着インキ2は、それぞれの樹脂と、色材と、必要に応じて他の樹脂や各種添加剤を、溶媒の存在下で、均一に混合、分散する公知の方法で製造できる。印刷インキ中の顔料を分散させる際は、凝集している顔料を0.01〜1μm程度の平均粒径になるまで微粒子化して、分散体を得ることによって製造できる。
前記混合、分散には、各種撹拌機または分散機が使用でき、ディスパー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、ロールミル、ペブルミル、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサーなどが挙げられる。ビーズミルを使用する際の製造方式は特に制限されないが、パス方式でも循環式でもよく、パス方式は複数回分散体を通す複数パス方式でもよい。
分散体における有機顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
それぞれのインキ中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
それぞれのインキの粘度は、10〜1,000mPa・s/25℃の範囲内であることが好ましい。10mPa・sより小さいと、粘度が低すぎて、顔料が沈降しやすい傾向になり、1,000mPa・sより大きいと、流動性が悪く、インキ製造時に支障が出たり、容器への充填が困難となる。この場合、ブルックフィールド型粘度計やコーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。
それぞれのインキ中の固形分としては、2〜80質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
それぞれのインキは、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
前記希釈溶剤は、それぞれのインキの粘度や濃度を調整できるものが使用できる。市販品としては、印刷インキには、PU515溶剤(ウレタン系)、SL9170溶剤(ノントルエン系)、PP575溶剤(オレフィン系)が好ましく、接着インキ1には、PP575溶剤(オレフィン系)が好ましく、接着インキ2には、SL9170溶剤(ノントルエン系)やAC372溶剤(ノントルエン系)(以上、いずれも東京インキ(株)製)などが挙げられる。
前記それぞれのインキが印刷に供される際の粘度は、ザーンカップNo.3((株)離合社製)にて、25℃において13〜25秒の範囲内であることが好ましい。13秒より小さいと、泳ぎやすく、25秒より大きいと印刷時の転移性が悪くなる。
印刷時に、必要に応じて、それぞれのインキに、硬化剤を添加することもできる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート(スタビオPDI)などの脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのトリメチロールプロパン三量体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体などの変性体などのポリイソシアネート系硬化剤が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。
前記ポリスチレン系樹脂層は、ポリスチレンシート(PSシート)、汎用ポリスチレン(GPPS)シート、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)シート、発泡スチレンペーパー(PSP)、耐熱PSPシートなどが好ましい。なかでも、ラミネートに適用できるものであることが好ましい。ポリスチレン系樹脂層の厚さは、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であれば、特に制限はないが、5μm〜5mmが好ましく、10〜2mmがより好ましい。また、未処理のものも選択できるが、接着層との密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。容器やトレイに成形するためには、100μm〜5mmであることが好ましく、特に剛直な容器や深絞り成形してなる容器やトレイに成形加工するためには、200μm以上であることがより好ましく、300μm以上であることがさらに好ましい。
本発明のポリスチレン系樹脂積層体は、ポリプロピレン系樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2とを順に積層(PP印刷層)し、さらにPP印刷層の接着層2上に、ラミネートでポリスチレン系樹脂層を積層することが好ましい。接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることで、ポリスチレン系樹脂層と強固に接着する。具体例としては、HIPSシート、PSPや耐熱PSPを前記順次積層したPP印刷層と積層する際に、PP印刷層のポリプロピレン樹脂層側を加熱ロールで加熱し、この加熱ロールとHIPSシート、PSPや耐熱PSP側に配置したニップロールとでHIPSシート、PSPや耐熱PSPとPP印刷層とを加圧して両者を熱接着する。
また、前記PP印刷層は、それ自体で安定であり、PP印刷層を積層体として、通常に巻き取っても、ブロッキングが起こらず、保管をすることができる。したがって、このPP印刷積層体を巻き戻しながら、PP印刷層上に前記ラミネート加工ができるため、汎用性が非常に高い。
本発明のポリスチレン系樹脂積層体の製造方法は、ポリプロピレン系樹脂層を準備する工程と、該ポリプロピレン樹脂層の一方に、印刷層と、接着層1と、接着層2とをこの順にPP印刷層を作成するグラビア印刷工程と、前記PP印刷層上にポリスチレン系樹脂層を作成するラミネート工程と、を含み、前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した印刷層が全面ベタ印刷層である場合、接着層1が存在しなくても、接着層2と密着することも可能であるが、全面ベタ印刷層ではない(抜き部がある)場合、接着層1が存在しないと、密着性、電子レンジ適性が劣る。すなわち、接着層1および接着層2の両方がこの順で存在することで、印刷画像の制限なく、多色カラー画像を付与でき、印象を高めることができる。
前記ポリプロピレン系樹脂層を準備する工程は、ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムまたはシートを準備すればよく、無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれでもよいが、ラミネート加工に対する耐性を有する無延伸であるものが好ましく、食品用に用いられるものがより好ましいが、機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものを準備することが好ましい。また、印刷層の形成面には密着性を向上させるため、フィルム表面にコロナ放電処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などの表面処理を施すか、あらかじめ施されたものを選択して準備することが好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂層の一方に、印刷層と、接着層1と、接着層2とをこの順にPP印刷層を作成するグラビア印刷工程は、品質および生産性の高さからグラビア印刷工程による印刷工程が好ましく、特に多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷工程であることがより好ましい。
前記グラビア印刷工程により、ポリプロピレン系樹脂層の全面に印刷層、接着層1、接着層2を形成することもできるが、容易に、かつ部分的に印刷層を形成することもでき、多色カラー画像の付与も実現できる。
前記PP印刷層上にポリスチレン系樹脂層を作成するラミネート工程は、従来公知の方法による工程であることが好ましい。具体例としては、HIPSシート、PSPや耐熱PSPを前記順次積層したPP印刷層と積層する際に、PP印刷層のポリプロピレン樹脂層側を加熱ロールで加熱し、この加熱ロールとHIPSシート、PSPや耐熱PSP側に配置したニップロールとでHIPSシート、PSPや耐熱PSPとPP印刷層とを加圧して両者を熱接着する。
前記作成した積層体は、包装用、食品用、食品保存用、農業用、土木用、漁業用、自動車内外装用、船舶用、日用品用、建材内外装用、住設機器用、医療・医療機器用、医薬用、家電品用、家具類用、文具類・事務用品用、販売促進用、商業用、電機電子産業用などに使用できる。
本発明の成形容器は、ポリスチレン系樹脂積層体を成形することによりなることが好ましい。形態としては、カップ、トレイ、ボトル、コンテナ、ボックス、ケース、番重、カバー、蓋材、キャップ、ラベル、インモールドカップなど包装用途に用いられる周知の形態のいずれでもよい。
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
[接着インキ1の作製]
接着インキ1a(製造例1)
塩素化ポリプロピレン系樹脂ワニス(スーパークロン803L、塩素化率26%、固形分30%、日本製紙(株)製)35部、トルエン30部、メチルエチルケトン30部、ブロッキング防止剤(添加剤M、東京インキ(株)製)5部を仕込み、ディスパーにて撹拌して、均一に分散し、接着インキ1a(略称:接着インキ1a)を作製した。同様に、表1の配合に従い、接着インキ1b〜1dを作製した。
なお、使用した樹脂は、次のものであった。
酸変性ポリオレフィン系(PP他)共重合樹脂(アウローレン100S、固形分100%、日本製紙(株)製)
酸変性塩素化ポリオレフィン系樹脂ワニス(スーパークロン822、塩素化率24.5%、固形分20%、日本製紙(株)製)
塩素化EVA樹脂ワニス(スーパークロンBX、塩素化率26%、固形分18%、日本製紙(株)製)
[接着インキ2の作製]
接着インキ2a(製造例5)
アクリル系樹脂(ダイヤナールBR−106、固形分100%、Tg47℃、重量平均分子量60,000、三菱ケミカル(株)製)20部、酢酸n−プロピル25部、酢酸エチル25部、イソプロピルアルコール30部を仕込み、ディスパーにて撹拌して、均一に分散し、接着インキ2a(略称:接着インキ2a)を作製した。同様に、表2の配合に従い、接着インキ2bを作製した。
なお、使用した樹脂は、次のものであった。
繊維系樹脂(CAB381−0.5、固形分100%、Tg130℃、重量平均分子量30,000、イーストマンケミカル社製)
Figure 2021115809
Figure 2021115809
次の各印刷インキ、および製造例1〜4で作製した各接着インキ1、製造例5〜6で作製した各接着インキ2を用いたPP印刷積層体を作製し、多色カラー画像の付与による印象を評価した。表3に結果を示した。
黄インキ1(Y1):LG−FK230黄(ウレタン系、東京インキ(株)製)
紅インキ1(R1):LG−FK110紅(ウレタン系、東京インキ(株)製)
藍インキ1(C1):LG−FK390R藍(ウレタン系、東京インキ(株)製)
墨インキ1(B1):LG−FK920R墨(ウレタン系、東京インキ(株)製)
黄インキ2(Y2):NOPL−T230黄(ポリプロピレン系、東京インキ(株)製)
紅インキ2(R2):NOPL−T110紅(ポリプロピレン系、東京インキ(株)製)
藍インキ2(C2):NOPL−T390藍(ポリプロピレン系、東京インキ(株)製)
墨インキ2(B2):NOPL−T910墨(ポリプロピレン系、東京インキ(株)製)
<実施例1、6>
6色機グラビア印刷機を用いて、各印刷インキY1、R1、C1およびB1、製造例1で作製した接着インキ1aおよび製造例5で作製した接着インキ2aを、それぞれ希釈溶剤PU515、PP575、SL9170(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにB1インキ、第2ユニットのインキパンにC1インキ、第3ユニットのインキパンにR1インキ、第4ユニットのインキパンにY1インキ、第5ユニットのインキパンに接着インキ1a、第6ユニットのインキパンに接着インキ2aをそれぞれ投入した。厚み25μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(CPPフィルム、KT、サン・トックス(株)製)に印刷して、CPPフィルム/印刷層/接着層1/接着層2のPP印刷積層体PR1を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。
<実施例2〜5>
実施例1と同様にして、表3に示す各インキを使用して、PP印刷積層体PR2〜5を8,000m得た。
<比較例2〜5>
接着インキ1のみを使用し、実施例1と同様にしてPP印刷積層体PR8〜11を8,000m得た。
<比較例6>
接着インキ2のみを使用し、実施例1と同様にしてPP印刷積層体PR12を8,000m得た。
<比較例8>
接着インキ1と接着インキ2の印刷順を反対にして使用し、実施例1と同様にしてPP印刷積層体PR14を8,000m得た。
<実施例7>
実施例1で使用した各印刷インキY1、R1、C1およびB1をY2、R2、C2およびB2に変更し、希釈溶剤PU515、PP575、SL9170(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、実施例1と同様にして、PP印刷積層体PR6を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。なお、実施例7は、印刷時の多色カラー画像に抜き部(印刷画像に制限)を設けた場合の例である。
<比較例7>
接着インキ2のみを使用し、実施例7と同様にしてPP印刷積層体PR13を8,000m得た。なお、比較例7は、印刷時の多色カラー画像に抜き部(印刷画像に制限)を設けた場合の例である。
<比較例1、参考例1>
接着インキを使用しないで、実施例1と同様にしてPP印刷積層体PR7およびPR16を8,000m得た。
<比較例10>
各印刷インキY1、R1、C1およびB1を使用しないで、実施例1と同様にしてPP印刷積層体PR15を8,000m得た。
<多色カラー画像の付与による印象>
PP印刷積層体のCPPフィルム面を目視にて観察し、印刷による4色カラー画像を評価した。印刷による4色カラー画像が確認できるものが、多色カラー画像の付与による印象が良好と判断した。◎:印刷画像の制限がなく、4色カラー画像がはっきり確認できる、〇:印刷画像に制限(抜き部)が設けられているが、4色カラー画像がはっきり確認できる、×:印刷画像の制限の有無に係らず、4色カラー画像が確認できない、の3段階で評価した。
Figure 2021115809
[ラミネート積層体の作製]
PP印刷積層体PR1の接着層2面と、厚さ2mmの耐熱性ポリスチレンシート(略称:耐熱PSP、東洋ポリスチレン(株)製)を合わせ、該PP印刷積層体PR1のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、ラミネータを用いて、温度160℃、速度10m/minの条件で熱圧着でラミネートを行い、その後ポリエステルフィルムを取り去り、PR1/耐熱PSPの積層体LAM1を得た。(「/」は、熱ラミネートを表わす。)
同様に、表3の構成に従い、積層体LAM2〜LAM5、LAM7〜LAM15およびLAM17を得た。
また、PP印刷積層体PR1の接着層2面上に、押出ラミネート機で、ライン速度100m/分にて、耐衝撃性ポリスチレン樹脂E640N(略称:HIPS、東洋ポリスチレン(株)製)を溶融押出し、200μmで積層して、PR1//HIPSの積層体LAM6を得た。(「//」は、押出ラミネートを表わす。)
同様に、表3の構成に従い、LAM16を得た。
また、参考例として、PP印刷積層体PR16(接着層なし)上に、タケラックA−969V/タケネートA−5(略称:DL、三井化学(株)製)をドライラミネート機で、ライン速度150m/分にて、塗布量2.6g/mとなるように塗工して、厚み30μmのポリスチレンシート(略称:PS、三井化学東セロ(株)製)を貼り合わせた後、40℃で24時間エージングを行って、PR16/DL/PSの積層体を得、さらに、PS面と、厚さ2mmの耐熱性ポリスチレンシート(略称:耐熱PSP、東洋ポリスチレン(株)製)を合わせ、該PP印刷積層体PR16のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、ラミネータを用いて、温度160℃、速度10m/minの条件で熱圧着でラミネートを行い、その後ポリエステルフィルムを取り去り、PR16/DL/PS/耐熱PSPの積層体LAM18を得た。
積層体LAM1〜LAM18について、積層体のラミネート強度および電子レンジ適性を評価し、同表3に示した。
<ラミネート強度>
積層体を15mm巾の短冊状にして、試験片とし、この試験片を万能型引張試験機(RTE−1210、(株)オリエンテック製)にて、90°剥離、引張速度300mm/分にて、引っ張り、剥離時の最大荷重をラミネート強度として測定した。ラミネート強度が大きいほど、ラミネート性が良好と判断した。ラミネート強度が、○:200g以上、△:100g以上、200g未満、×:100g未満、の3段階で評価した。
<電子レンジ適性>
積層体を真空成形機(小型真空成形機フォーミングシリーズ300X型、成光産業(株)製)により、CPPフィルム側が容器内面となる口径50mm、深さ50mmの角形容器に成形後、サラダ油を20ml入れ、電子レンジ(NE−1802、パナソニック(株)製)で、1800W、45秒加熱したときの、CPPフィルムの浮き具合を目視にて観察し、評価した。CPPフィルムの浮き具合の少ないものが、電子レンジ適性が良好と判断した。CPPフィルムの浮き具合が、○:浮きがまったくない、×:浮きがある、の2段階で評価した。
表3によると、実施例1〜6の積層体は、多色カラー画像の付与による印象、耐ブロッキング性に優れており、CPPフィルムとPS樹脂層との密着性が良好で、ラミネート強度が良好であることが明確である。特に、耐熱PSPの場合、電子レンジ加熱でもポリプロピレンフィルムの浮きがまったく発生しないことが明確である。実施例7の積層体は、印刷画像に制限を加えた(抜き部がある)印刷層であるが、接着層を2層有することで、多色カラー画像の付与による印象、耐ブロッキング性に優れており、CPPフィルムとPS樹脂層との密着性が良好で、ラミネート強度が良好であり、電子レンジ加熱でもポリプロピレンフィルムの浮きがまったく発生しないことが明確である。
比較例1〜9の積層体は、多色カラー画像の付与による印象は良好である。しかし、ラミネート強度が劣り、特に、耐熱PSPの場合、電子レンジ加熱でポリプロピレンフィルムの浮きが発生することが明確である。比較例7の印刷画像に制限を加えた(抜き部がある)印刷層である場合、1層の接着層だけでは、ラミネート強度が劣り、電子レンジ加熱でポリプロピレンフィルムの浮きが発生することが明確である。
引用文献1に類似の比較例10は、印刷層がないため、多色カラー画像が付与されず、印象が劣る。
参考例1は、従来一般的なドライラミ工程が必要となる構成の積層体の例である。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂層と、印刷層と、接着層1と、接着層2と、ポリスチレン系樹脂層とをこの順に含み、
    前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、
    前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、
    前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層体。
  2. ポリプロピレン系樹脂層を準備する工程と、
    該ポリプロピレン樹脂層の一方に、印刷層と、接着層1と、接着層2とをこの順にPP印刷層を作成するグラビア印刷工程と、
    前記PP印刷層上にポリスチレン系樹脂層を作成するラミネート工程と、を含み、
    前記印刷層が、ポリウレタン系樹脂および/またはポリオレフィン系樹脂を含む印刷インキを塗布した層であり、
    前記接着層1が、ポリオレフィン系樹脂および/または塩素化ポリオレフィン系樹脂を含む接着インキを塗布した層であり、
    前記接着層2が、(メタ)アクリル系樹脂を含む接着インキを塗布した層であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層体の製造方法。
  3. 請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層体を成形することによりなる成形容器。
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