JP2021113244A - ガスバリア性成形体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】80%RHの高湿度条件下でも優れたガスバリア性を発現可能なガスバリア性積層体及びその製造方法を提供する。【解決手段】ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤、金属塩及び多価カチオン樹脂を含む成形体であって、前記ナノセルロースを固形分として1m2当たり1.0g含有し且つ前記層状無機化合物を1m2当たり0.3g含有する場合の23℃80%RHにおける酸素透過度が12.5(cc/m2・day・atm)未満であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ナノセルロースを含有するガスバリア性成形体及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、高湿度環境下においても優れたガスバリア性を発現可能なガスバリア性成形体及びその製造方法に関する。
ナノセルロースは、高度バイオマス原料として、機能性添加剤、フィルム複合材料等として種々の用途に使用することが提案されている。特に、セルロースナノファイバーから成る膜やセルロースナノファイバーを含有する積層体等の材料は、セルロース繊維間の水素結合や架橋的な強い相互作用から、ガスの溶解、拡散を抑制できるため酸素バリア性等のガスバリア性に優れていることが知られており、セルロースナノファイバーを利用したバリア材料が提案されている。
セルロース繊維の微細化のため、機械的処理と共に、カルボキシル基やリン酸基等の親水性の官能基を、セルロースの水酸基に導入する化学的処理を行うことが行われており、これにより微細化処理に要するエネルギーを低減可能であると共に、バリア性や水系溶媒への分散性が向上する。
しかしながら、親水化処理に付されたセルロースナノファイバーは、コーティング剤として使用した場合に、得られる塗膜が高湿度雰囲気においてガスバリア性や膜強度が低下するおそれがある。
このような問題を解決するために、例えば、下記特許文献1には、基材上に、カルボキシ基を有するセルロースナノファイバーを含む層(A)と、多価金属化合物を含む層(B)とを有し、前記層(A)と前記層(B)とが接しており、前記層(A)中の前記セルロースナノファイバーが、前記多価金属化合物に由来する多価金属イオンによりイオン架橋しており、前記多価金属イオンによるイオン架橋前の前記セルロースナノファイバーが酸型であり、前記層(A)中の前記セルロースナノファイバーの含有量が、前記層(A)の総質量に対し、50質量%以上であり、前記層(A)がポリカルボン酸系重合体を含み、前記ポリカルボン酸系重合体の含有量が、前記層(A)中の前記セルロースナノファイバーの含有量100質量%に対し、10〜50質量%であり、前記層(B)がイソシアネート化合物をさらに含むことを特徴とするガスバリア性積層体が記載されている。
特許第6331262号
上記特許文献1においては、カルボキシル基を有するセルロースナノファイバーを多価金属イオンによりイオン架橋することによって、高湿度条件下でも良好なガスバリア性積層体を提供するものであるが、特許文献1で使用するTEMPO触媒を用いて酸化したカルボキシル基を有するセルロースナノファイバーを用いることから、架橋効率の高い酸性条件下では、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーが凝集してゲル化し、塗工性やハンドリング性が低下するおそれがある。また特許文献1においては、多価金属イオンによるセルロースナノファイバー同士の架橋は、レトルト処理による水と熱エネルギーによって進行することから、このような水熱条件下での処理を経ないとその効果を充分得ることが困難である。
従って本発明の目的は、上述したような問題を生じることなく、80%RHの高湿度条件下でも優れたガスバリア性を発現可能なガスバリア性積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤、金属塩及び多価カチオン樹脂を含む成形体であって、前記セルロースを固形分として1m当たり1.0g含有し且つ前記層状無機化合物を1m当たり0.3g含有する場合の23℃80%RHにおける酸素透過度が12.5(cc/m・day・atm)未満であることを特徴とするガスバリア性成形体が提供される。
本発明のガスバリア性成形体においては、
1.前記ナノセルロースがセルロースナノクリスタルであること、
2.前記セルロースナノクリスタルが、アニオン性官能基を0.01〜4.0mmol/gの量で含有すること、
3.前記アニオン性官能基が、硫酸分解由来の硫酸基及び/又はスルホ基を少なくとも含有すること、
4.前記ナノセルロース100質量部に対して、前記層状無機化合物が1〜50質量部の量で含有されていること、
5.前記層状無機化合物が、マイカであること、
6.前記水酸基含有高分子が、ポリビニルアルコールであること、
7.前記反応性架橋剤が、クエン酸であること、
8.前記金属塩が、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸リチウム、炭酸銀の少なくとも1種から成る炭酸塩であること、
が好適である。
本発明によればまた、金属塩及び多価カチオン性樹脂を含有する組成物Aから成るA層と、セルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤及びpH調整剤を含有する組成物Bから成る層Bを、積層することによりA層及びB層を混合し、該混合層を加熱乾燥して成ることを特徴とするガスバリア性成形体の製造方法が提供される。
本発明のガスバリア性成形体の製造方法においては、
1.前記組成物BのpHが、6〜10であること、
2.前記組成物Aから成るA層を形成し、該層A層の上に前記組成物Bを施しB層を形成することにより、A層とB層が混合されること、
3.前記pH調整剤がアンモニアであること、
4.前記組成物Aが、前記多価カチオン樹脂100質量部に対して前記金属塩を10〜1000質量部の量で含有し、前記組成物Bが、前記セルロース100質量部に対して、前記層状無機化合物を1〜50質量部、前記水酸基含有高分子を1〜50質量部、前記反応性架橋剤を1〜50質量部の量で含有すること、
が好適である。
本発明のガスバリア性成形体においては、ナノセルロースの水酸基と反応性架橋剤により緻密な架橋膜が形成されていると共に、この架橋膜が、金属塩によるイオン架橋によって強化され、しかも層状無機化合物が凝集することなく均一に分散されていることから、透過ガスの迂回効果と相俟って、ナノセルロース及び架橋剤だけで発現されるガスバリア性よりも、80%RHという高湿度条件下においても優れたガスバリア性を発現することが可能になる。
また、ナノセルロース間に多価カチオン樹脂が自然拡散して介在した混合状態になっており、ナノセルロースの自己組織化構造が多価カチオン樹脂によって更に強化された構造となっている。
更にナノセルロースとして、セルロースナノクリスタル、特にアニオン性官能基を含有するセルロースナノクリスタルを使用することにより、アニオン性官能基が有する電荷(アニオン)により緻密な自己組織化構造が形成されることから、更に優れたガスバリア性を発現できる。
また本発明のガスバリア性成形体の製造方法においては、上述した高湿度条件下でも優れたバリア性を発現可能なガスバリア性成形体を、金属塩の凝集などを生じることなく、効率よく製造することができる。
更に、カルボキシル基含有セルロースナノファイバーを用いた場合のようにナノセルロースが凝集してゲル化することがないため、塗工性やハンドリング性に優れており、生産性にも優れている。
本発明のガスバリア性成形体の一例について、組成物A及びBの塗工面の表面から基材との界面付近までをエッジングしながらTOF−SIMS分析を行った結果を示す図である。
(ガスバリア性成形体)
本発明のガスバリア性成形体は、ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤、金属塩及び多価カチオン樹脂を含む成形体であって、前記セルロースを固形分として1m当たり1.0g含有し且つ前記層状無機化合物を1m当たり0.3g含有する場合の23℃80%RHにおける酸素透過度が12.5(cc/m・day・atm)未満と、高湿度条件下でのガスバリア性が顕著に向上されている。
前述したとおり、本発明のガスバリア性成形体においては、ナノセルロースと反応性架橋剤による架橋構造に加えて、金属塩によるイオン架橋が形成されており、更にナノセルロース間に多価カチオン樹脂が自然拡散して介在した混合状態となり、ナノセルロースの自己組織化構造が多価カチオン樹脂によって更に強化された構造となっている。また、水酸基含有高分子が、ナノセルロースと共に緻密な架橋構造を形成し得ることから、得られる架橋膜のガスバリア性が顕著に向上し、高湿度条件下においても優れたガスバリア性を維持できる。
更に、層状無機化合物は、膨潤性及び劈開性を有することから、ナノセルロースが、層状無機化合物の層間を広げるように入り込んで複合化し、層状無機化合物により得られる透過ガスの迂回効果という湿度依存性のないガスバリア性を確保でき、上記ナノセルロースの架橋構造と相俟って、高湿度条件下においても優れたガスバリア性を発現することが可能になる。
本発明のガスバリア性成形体は、後述するように、金属塩及び多価カチオン性樹脂を含有する組成物Aと、セルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤及びpH調整剤を含有する組成物Bが、組成物Bが有するナノセルロースの自己組織化構造が維持された状態で多価カチオン樹脂を含有する組成物Aが混合され、その状態で架橋構造が形成されることにより初めて、ガスバリア性及び基材への密着性を発現可能な混合状態を有する成形体として成形される。
本発明の成形体における混合状態を定量的に表現することは困難であるが、かかる混合物の内部は、最外部の表層付近から基材との界面付近まで、ナノセルロース、多価カチオン樹脂、水酸基含有高分子、層状無機化合物が存在しており、その存在比は、添付図面図1に示すような状態であると考えられる。すなわち、後述する実施例において得られた本発明のガスバリア性成形体についてTOF−SIMS分析を行った結果である図1に示すように、多価カチオン樹脂は、表層付近ではその存在比が非常に低く、界面に近づくにしたがって存在比が高くなる。またナノセルロースは、表層から混合層の中間にかけて徐々に存在比が高くなり、中間付近で最もその存在比が高くなるが、界面に近づくにしたがって、急激に存在比が低下する。さらに水酸基含有高分子は、表層付近において存在比が多いが、界面に近づくにしたがって存在比は低下する。さらにまた層状無機化合物は、表層付近及び界面においてその存在比が低く、混合層の界面よりのあたりで存在比が高くなっている。
[ナノセルロース]
本発明に用いるナノセルロースとしては、セルロース原料を、TEMPO触媒を用いて酸化処理を行った後、機械解繊処理を行うことにより製造された粒径が小さく且つ粒径分布が狭いセルロースナノファイバー、或いはセルロース原料を、強酸で加水分解して成るセルロースナノクリスタル等従来公知のナノセルロースを例示できる。
中でも、セルロースナノクリスタルが好適であり、特にアニオン性官能基を0.01〜4.0mmol/gの量で含有するセルロースナノクリスタルが好適である。すなわち、アニオン性官能基を有するセルロースナノクリスタルでは、アニオン性官能基が電荷(アニオン)により自己組織化構造を効率よく形成し、優れたガスバリア性を発現できる。
また後述するように、ナノセルロースを架橋するための反応性架橋剤として、多価カルボン酸のように酸性を呈する反応性架橋剤を用いた場合でも、硫酸基等のアニオン性官能基を有するナノセルロースは安定して分散することから、架橋剤によってナノセルロース間に効率よく架橋構造を形成することが可能になる。その結果、本発明のガスバリア性樹脂組成物から成る架橋膜は、ナノセルロースが有する自己組織化構造と相俟って、ナノセルロースのみから成る塗膜に比して優れたガスバリア性を有している。
アニオン性官能基を有するナノセルロースとしては、これに限定されないが、下記(1)〜(3)ナノセルロースを例示できる。
尚、ナノセルロースは、繊維長が500nm以下の下記(1)〜(3)の少なくとも1種のナノセルロースを含有していればよく、ナノセルロース1g(固形分)中に、少なくとも硫酸基及び/又はスルホ基のアニオン性官能基を0.01mmol以上含有すると共に、結晶化度が60%以上である限り、従来公知の他のセルロースナノファイバーを含有していてもよい。
(1)セルロース原料を硫酸処理することにより得られた硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタル。
(2)上記(1)の硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタルを、水溶性カルボジイミド、硫酸、三酸化硫黄−ピリジン錯体、リン酸−尿素、TEMPO触媒、酸化剤の何れかを用いて親水化処理することにより得られた、硫酸基及び/又はスルホ基を含有するナノセルロース、或いは硫酸基及び/又はスルホ基と、リン酸基又はカルボキシル基を含有するナノセルロース。
または、ネバードライ処理、又はネバードライ処理と上記親水化処理とを組み合わせることにより得られた、硫酸基及び/又はスルホ基を含有するナノセルロース、或いは硫酸基及び/又はスルホ基と、リン酸基又はカルボキシル基を含有するナノセルロース。
(3)セルロース原料をリン酸基含有化合物、又は硫酸基及び/又はスルホ基含有化合物で処理した後、解繊処理することにより得られるリン酸基含有ナノセルロース、又は硫酸基及び/又はスルホ基含有ナノセルロース。
(1)セルロースナノクリスタル
セルロースナノクリスタルは、セルロース繊維を硫酸や塩酸で酸加水分解処理することにより得られる、ロッド状のセルロース結晶繊維であるが、本発明においては、自己組織化構造の形成に寄与可能な硫酸基及び/又はスルホ基を有する、硫酸処理によるセルロースナノクリスタルを使用する。
硫酸処理によるセルロースナノクリスタルは、一般に硫酸基及び/又はスルホ基を0.01〜0.2mmol/gの量で含有する。またセルロースナノクリスタルは、平均繊維径が50nm以下、特に2〜50nm、の範囲にあり、平均繊維長が100〜500nmの範囲にあり、アスペクト比が5〜50の範囲にあり、結晶化度が60%以上、特に70%以上であるものを好適に用いることができる。
(2)セルロースナノクリスタルを親水化処理して成るナノセルロース
上述したとおり、セルロースナノクリスタル自体が硫酸基及び/又はスルホ基を有するので、そのまま使用することができるが、セルロースナノクリスタルの硫酸基及び/又はスルホ基の含有量は少量であることから、水溶性カルボジイミド、硫酸、三酸化硫黄−ピリジン錯体の何れかを用いた処理により、セルロースナノクリスタルの硫酸基及び/又はスルホ基量が調整されると共に、更にナノセルロースが更に微細繊維化される。またリン酸−尿素、TEMPO触媒又は酸化剤の何れかを用いた処理により、硫酸基及び/又はスルホ基と共に、リン酸基やカルボキシル基のアニオン性官能基が導入される。または、ネバードライ処理、又はネバードライ処理及び上記親水化処理を組み合わせることにより、硫酸基及び/又はスルホ基と共に、リン酸基やカルボキシル基のアニオン性官能基が導入される。
尚、親水化処理は、硫酸基、スルホ基、リン酸基の合計含有量が上記範囲となる限り、いずれか一つの処理を行えばよいが、同一の処理を複数回、或いは他の処理と組み合わせて複数回行ってもよい。
<ネバードライ処理による親水化処理>
セルロースナノクリスタルは、スプレードライ、加熱、減圧などによる乾燥処理を行ってパウダー等の固形化を経るが、乾燥処理による固形化の際にセルロースナノクリスタルに含有するアニオン性官能基の一部が脱離して親水性が低下する。すなわち、アニオン性官能基を含有するセルロースナノクリスタルについてパウダー等の固形化を経ないネバードライ処理は親水化処理として挙げられる。アニオン性官能基は、硫酸基及び/又はスルホ基等が挙げられる。
<カルボジイミドを用いた親水化処理>
カルボジイミドを用いた処理においては、ジメチルホルムアミド等の溶媒中でセルロースナノクリスタルとカルボジイミドを撹拌し、これに硫酸を添加した後、0〜80℃の温度で5〜300分反応させて硫酸エステルとする。カルボジイミド及び硫酸は、セルロースナノクリスタル1g(固形分)に対して5〜30mmolの量で使用することが好ましい。
次いで水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物を添加して、セルロースナノクリスタルに導入された硫酸基及び/又はスルホ基をH型からNa型に変換することが、収率を向上する上で好ましい。その後、透析膜等を用いた濾過処理に付して不純物等を除去することにより、硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタルが調製される。この処理による硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタルは、硫酸基及び/又はスルホ基を0.3〜1.3mmol/gの量で含有する。
カルボジイミドとしては、分子内にカルボジイミド基(−N=C=N−)を有する水溶性化合物である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等を例示できる。また有機溶媒に溶解するジシクロヘキシルカルボジイミド等を使用することもできる。
<硫酸を用いた親水化処理>
本発明で使用するセルロースナノクリスタルは、セルロース繊維を硫酸で加水分解処理して成るものであるが、このセルロースナノクリスタルを更に硫酸を用いて親水化処理する。硫酸は、セルロースナノクリスタル1g(固形分)に対して40〜65質量%の量で使用することが好ましい。40〜60℃の温度で5〜300分反応させ、その後、透析膜等を用いた濾過処理に付して不純物等を除去することにより、硫酸基及び/又はスルホ基変性セルロースナノクリスタルが調製される。
<三酸化硫黄−ピリジン錯体を用いた親水化処理>
三酸化硫黄−ピリジン錯体を用いた処理においては、ジメチルスルホキシド中でセルロースナノクリスタルと三酸化硫黄−ピリジン錯体を、0〜60℃の温度で5〜240分反応させることにより、セルロースグルコースユニットの6位の水酸基に硫酸基及び/又はスルホ基が導入され、硫酸基及び/又はスルホ基含有ナノセルロースが調製される。この処理による硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタルは、硫酸基及び/又はスルホ基を0.3〜1.3mmol/gの量で含有する。
三酸化硫黄−ピリジン錯体は、セルロースナノクリスタル1g(固形分)に対して0.5〜4gの質量で配合することが好ましい。
上記反応終了後、水酸化ナトリウム等のアルカリ性化合物を添加して、セルロースナノクリスタルに導入された硫酸基及び/又はスルホ基をH型からNa型に変換することが、収率を向上する上で好ましい。その後、ジメチルホルムアミド又はイソプロピルアルコールを添加して、遠心分離等によって洗浄した後、透析膜等を用いた濾過処理で不純物を除去することにより、硫酸基及び/又はスルホ基変性セルロースナノクリスタルが調製される。
<リン酸−尿素を用いた親水化処理>
リン酸−尿素を用いた親水化処理は、リン酸−尿素を用いてリン酸基を導入する従来公知の処理と同様に行うことができる。具体的には、尿素含有化合物の存在下で、セルロースナノクリスタルとリン酸基含有化合物を、135〜180℃の温度で5〜120分反応させることによって、セルロースグルコールユニットの水酸基にリン酸基を導入し、硫酸基及び/又はスルホ基と、リン酸基を含有するセルロースナノクリスタルが調製される。この処理による硫酸基及び/又はスルホ基と、リン酸基を含有するセルロースナノクリスタルは、硫酸基及び/又はスルホ基と、リン酸基を合計で0.01〜4.0mmolの量で含有する。
リン酸基含有化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩等を例示できる。中でもリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸等を好適に使用できる。リン酸基含有化合物は、セルロースナノクリスタル10g(固形分)に対して10〜100mmolの量で添加することが好ましい。
また尿素含有化合物としては、尿素、チオ尿素、ビュウレット、フェニル尿素、ベンジル尿素、ジメチル尿素などを例示できる。中でも尿素を好適に使用できる。尿素含有化合物は、セルロースナノクリスタル10g(固形分)に対して150〜200mmolの量で使用することが好ましい。
<TEMPO触媒を用いた親水化処理>
硫酸基及び/又はスルホ基を有するセルロースナノクリスタルをTEMPO触媒(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)を用いた親水化処理は、TEMPO触媒を用いた従来公知の酸化方法と同様に行うことができる。具体的には、硫酸基及び/又はスルホ基を有するセルロースナノクリスタルを、TEMPO触媒(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)を介した水系、常温、常圧の条件下で、セルロースグルコースユニットの6位の水酸基をカルボキシル基に酸化する親水化反応を生じさせる。この処理による硫酸基及び/又はスルホ基含有セルロースナノクリスタルは、硫酸基及び/又はスルホ基と、カルボキシル基を合計で0.01〜4.0mmolの量で含有する。
TEMPO触媒としては、上記2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの他、4−アセトアミド−TEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、4−フォスフォノキシ−TEMPO等のTEMPOの誘導体を用いることもできる。
TEMPO触媒の使用量は、セルロースナノクリスタル1g(固形分)に対して0.01〜100mmol、好ましくは0.01〜5mmolの量である。
また親水化酸化処理時には、単独又はTEMPO触媒と共に、酸化剤、臭化物又はヨウ化物等の共酸化剤を併用することが好適であり、これらは従来公知の処方によって添加することができる。
(3)リン酸基含有化合物で処理したリン酸基含有ナノセルロース
本発明においては、セルロース系原料をリン酸基含有化合物で処理し、セルロースグルコースユニットの6位の水酸基にリン酸基を導入した後、解繊処理することにより得られるリン酸基含有ナノセルロースを用いることもできる。この処理により、リン酸基含有ナノセルロースは、リン酸基を0.01〜4.0mmol/gの量で含有する。
リン酸基含有化合物を用いた処理としては、上記リン酸−尿素を用いた処理と同様に行うことができる。またかかる処理の後に行う解繊処理は、従来公知の方法によって行うことができ、具体的には、超高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、グラインダー、高速ブレンダ―、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、離解機、叩解機、二軸押出機等を使用して微細化することができる。解繊処理は、乾式又は湿式の何れで行うこともできるが、次いで行う架橋処理は、スラリー状態で行うことが好ましいことから、水等を分散媒として超高圧ホモジナイザー等により微細化することが好適である。
セルロース系原料としては、従来よりセルロースナノファイバーの原料として使用されていたセルロース系原料を使用することができ、これに限定されないが、クラフトパルプ、木材パルプ、非木材パルプ、コットン、バクテリアセルロース等の他、製紙等の栽ち落ちであってもよい。好適には、クラフトパルプを使用することが望ましい。また木材パルプは漂白されたもの又は無漂白のものの何れであってもよい。
[反応性架橋剤]
本発明のガスバリア性成形体を構成する反応性架橋剤としては、ナノセルロース間に架橋構造を形成可能である限り制限なく使用できるが、本発明に用いるナノセルロースは、酸性条件下でも凝集することなく安定して分散可能なものであるので、特に、反応効率の良い多価カルボン酸又はその無水物を用いることが望ましい。
多価カルボン酸としては、クエン酸、シュウ酸、マロン酸等のアルキルジカルボン酸、テレフタル酸、マレイン酸等の芳香族ジカルボン酸、或いはこれらの無水物等を例示することができ、特に無水クエン酸を好適に使用することができる。
反応性架橋剤は、その種類によって含有量は異なるが、無水クエン酸を使用した場合で、ナノセルロース100質量部(固形分)に対して1〜50質量部の範囲で含有されていることが好ましい。
[水酸基含有高分子]
本発明のガスバリア性成形体を構成する水酸基含有高分子としては、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルアルコール共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボキシルメチルセルロース、澱粉等を例示できるが、ポリビニルアルコールを好適に使用することができる。ポリビニルアルコールは、完全ケン化型で100〜10000の重合度を有することが好適である。
水酸基含有高分子の含有量は、ナノセルロース(固形分)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のガスバリア性成形体を構成する層状無機化合物としては、天然又は合成したもの、親水性又は疎水性を示し、溶媒により膨潤して劈開性を示す従来公知のものを使用でき、これに限定されないが、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリロナイト、ヘクトライト、マイカ、テトラシリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を例示することができ、合成マイカ(親水性膨潤性)を好適に使用することができる。
層状無機化合物の含有量は、ナノセルロース(固形分)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。
[金属塩]
本発明のガスバリア性成形体を構成する金属塩は、ナノセルロースの水酸基とイオン架橋が可能である限り特に制限されず、アンモニウム塩、水酸化物塩等が使用できるが、炭酸塩であることが好適である。炭酸塩としては、アルカリ土類金属(マグネシウムMg,カルシウムCa、ストロンチウムSr,バリウムBa等)、周期表8族金属(鉄Fe,ルテニウムRu等)、周期表11族金属(銅Cu等)、周期表12族金属(亜鉛Zn等)、周期表13族金属(アルミニウムAl等)等の1〜3価の金属の炭酸塩が例示できるが、特に2〜3価であることが好ましく、好適にはカルシウム、マグネシウム、亜鉛等の2価の金属の炭酸塩を使用できる。また、上記金属イオンは1種又は2種以上組み合わせて使用できる。本発明においては特に、炭酸カルシウムを好適に使用できる。
金属塩の含有量は、その種類や、反応性架橋剤の含有量によっても異なり、一概に規定できないが、多価カチオン樹脂100質量部に対して10〜1000質量部であることが好ましい。
[多価カチオン樹脂]
本発明のガスバリア性成形体を構成する多価カチオン樹脂としては、水溶性あるいは水性分散性の多価カチオン性官能基を含有する樹脂である。このような多価カチオン樹脂としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、ポリアミンエピクロロヒドリン等の水溶性アミンポリマー、ポリアクリルアミド、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム塩)、ジシアンジアミドホルマリン、ポリ(メタ)アクリレート、カチオン化澱粉、カチオン化ガム、キチン、キトサン、ゼラチン等を挙げることができるが、中でも水溶性アミンポリマー、特にポリエチレンイミンを好適に使用することができる。
[その他]
本発明のガスバリア性成形体においては、前述した反応性架橋剤と共に酸触媒を含有することが好ましい。このような酸触媒としては、硫酸、酢酸、塩酸等を例示できるが、特に硫酸を好適に用いることができる。酸触媒は、ナノセルロース100質量部(固形分)に対して0.5〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
(ガスバリア性成形体の製造方法)
本発明のガスバリア性成形体は、金属塩及び多価カチオン性樹脂を含有する組成物Aから成るA層と、ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤及びpH調整剤を含有する組成物Bから成る層Bを、積層することによりA層及びB層を混合し、該混合層を加熱乾燥することにより製造することができる。前述したとおり、上記組成物Bが有するナノセルロースの自己組織化構造が維持された状態でA層と組成物Bから成るB層が混合され、その状態で架橋構造が形成されることによって形成される。
具体的には、多価カチオン樹脂及び金属塩含有溶液を塗工・乾燥してA層を形成し、次いでこのA層上に、組成物B含有分散液を塗工・乾燥することにより、A層とB層を混合してもよいし、或いは組成物B含有分散液を塗工・乾燥してB層を形成し、このB層上に、多価カチオン樹脂及び金属塩含有溶液を塗工・乾燥することにより、B層とA層を混合することもできる。好適には、基材との密着性に優れたA層を先に形成し、A層の上に組成物Bを施してB層を形成して、両者を混合することが基材との密着性を向上する観点等から望ましい。
[組成物A含有溶液]
多価カチオン樹脂及び金属塩を含有する組成物Aを含有する溶液(以下、「組成物A含有溶液」ということがある)は、多価カチオン樹脂を固形分基準で0.01〜50質量%、特に0.1〜5質量%の量で含有する溶液であることが好ましい。上記範囲よりも多価カチオン樹脂の量が少ない場合には、上記範囲にある場合に比して、ガスバリア性及び界面剥離強度の向上を図ることができず、一方上記範囲よりも多価カチオン樹脂の量が多くてもガスバリア性及び界面剥離強度の更なる向上は得られず経済性に劣ると共に、塗工性や製膜性にも劣るおそれがある。
また組成物A含有溶液は、金属塩を多価カチオン樹脂100質量部に対して10〜1000質量部、特に200〜500質量部の量で含有する溶液であることが好ましい。上記範囲よりも金属塩の量が少ない場合には、上記範囲にある場合に比して、イオン架橋を充分に導入できずガスバリア性の向上を図ることができず、一方上記範囲よりも金属塩の量が多くてもガスバリア性の更なる向上は得られず経済性に劣ると共に、塗工性や製膜性にも劣るおそれがある。
また組成物A含有溶液に用いる溶媒としては、水、メタノール,エタノール,イソプロパノール等のアルコール、2−ブタノン,アセトン等のケトン、トルエン等の芳香族系溶剤、及びこれらと水との混合溶媒であってもよい。
組成物A含有溶液は、ナノセルロース含有分散液から形成される層中のナノセルロース量(固形分)を基準に、組成物A含有溶液の多価カチオン樹脂及び金属塩の濃度によって塗工量が決定される。すなわち、ナノセルロース(固形分)を1m当たり1.0gの量で含有する場合に、多価カチオン樹脂が1m当たり0.01〜2.0gの量、金属塩が0.001〜20gの量で含有されるように、塗工することが好ましい。上記範囲よりも多価カチオン樹脂の量が少ない場合には、上記範囲にある場合に比して、ポリエステル樹脂などの疎水性の基材に対する界面剥離強度の向上を図ることができず、その一方、上記範囲よりも多価カチオン樹脂の量が多い場合には、上記範囲にある場合に比して、成形体のガスバリア性の向上が得られないおそれがある。また上記範囲より金属塩の量が少ない場合には、上記範囲にある場合に比して成形体のガスバリア性の向上が得られないおそれがあり、その一方、上記範囲よりも金属塩の量が多い場合には、上記範囲にある場合に比してガスバリア性の向上が得られないと共に、かえって上記界面剥離強度を低下させるおそれがある。
塗布方法としては、これに限定されないが、例えばスプレー塗装、浸漬、或いはバーコーター、ロールコーター、グラビアコーター等により塗布することが可能である。また塗膜の乾燥方法としては、温度5〜200℃で0.1秒〜24時間の条件で乾燥することが好ましい。また乾燥処理は、オーブン乾燥、赤外線加熱、高周波加熱等により行うことができるが、自然乾燥であってもよい。
[組成物B含有分散液]
ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤及びpH調整剤を含有する組成物Bを含有する分散液(以下、「組成物B含有分散液」ということがある)は、ナノセルロースが固形分基準で0.01〜10質量%、特に0.5〜5.0質量%の量で含有されていることが好ましく、上記範囲よりも少ない場合には、上記範囲にある場合に比してガスバリア性が劣るようになり、その一方上記範囲より多いと上記範囲にある場合に比して塗工性や製膜性に劣るようになる。
また層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤については、ナノセルロース(固形分)の含有量を基準に分散液に配合され、ナノセルロース100質量部に対して、層状無機化合物を1〜50質量部、特に20〜40質量部、水酸基含有高分子を1〜50質量部、特に20〜40質量部、反応性架橋剤を1〜50質量部、特に5〜20質量部の量で含有することが好適であり、これにより、ナノセルロースと反応性架橋剤による緻密な架橋構造と共に水酸基含有高分子による架橋構造が形成され、更に均一分散された層状無機化合物による透過ガスの迂回効果が得られることから、高湿度条件下においても優れたガスバリア性を発現することが可能になる。
またこの組成物B含有分散液は、pHが6〜10、特に6.5〜9.0に調整されていることにより、層状無機化合物が凝集することなく、均一に分散され、前述した迂回効果によるガスバリア性の向上に寄与できる。すなわち、本発明においては、反応性架橋剤として架橋効率に優れた多価カルボン酸を使用することが好ましいことから、分散液は酸性域になる。その一方、層状無機化合物は酸性域で凝集しやすいことから、pH調整剤により分散液のpHを上記範囲に調整する。
pH調整剤としては、例えば硝酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の従来公知の塩基を挙げることができるが、特に乾燥処理によって揮発するアンモニアを好適に使用できる。
反応性架橋剤は酸触媒と共に使用することが好ましい。このような酸触媒としては、硫酸、酢酸、塩酸等を例示できるが、特に硫酸を好適に用いることができる。酸触媒は、ナノセルロール100質量部(固形分)に対して0.5〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
分散液における分散媒は、水だけでもよいが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、2−ブタノン、アセトン等のケトン、トルエン等の芳香族系溶剤と水との混合溶媒であってもよい。
上記組成物A含有溶液又は組成物B含有分散液には、必要に応じて、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、耐水化剤、金属塩、コロイダルシリカ、アルミナゾル、微粒子、酸化チタン等、公知の添加剤を配合することができる。
組成物B含有分散液は、ナノセルロース(固形分)が1m当たり0.1〜3.0gとなるように塗工することが好ましい。
組成物B含有分散液の塗布方法及び乾燥方法は、組成物A含有溶液の塗布方法及び乾燥方法と同様に行うことができるが、温度5〜200℃で0.1秒〜24時間の条件で乾燥することが好ましく、特に温度150〜180℃で30〜60分の条件で乾燥することにより、緻密な架橋構造を形成できるので好ましい。
(積層体)
本発明のガスバリア性成形体は、熱可塑性樹脂から成る層上にバリア層として形成して積層体として使用することも可能であり、多価カチオン樹脂の存在により疎水性の樹脂から成る層との界面剥離強度が向上されていることから、バリア層と熱可塑性樹脂から成る層の界面剥離強度が2.3(N/15mm)以上であり、バリア層と基材との層間剥離の発生が有効に防止されている。
積層体は、熱可塑性樹脂から成る層(基材)上に上述した組成物A含有溶液を塗布・乾燥してA層を形成し、次いでこのA層上に組成物B含有分散液を塗布・乾燥することにより、組成物A及び組成物Bが混合された混合物の成形体から成るバリア層が熱可塑性樹脂から成る層(基材)上に形成されることにより製造できる
基材としては、熱可塑性樹脂を用い、押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いはプレス成形等の手段で製造された、フィルム、シート、コーティング、或いはボトル状、カップ状、トレイ状、パウチ状等の成形体を例示できる。
基材の厚みは、積層体の形状や用途等によって一概に規定できないが、フィルムの場合で5〜50μmの範囲にあることが好適である。
熱可塑性樹脂としては、低−、中−或いは高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のオレフィン系共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系共重合体;ポリビニルアルコール等のビニル系重合体;ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等のアクリル系共重合体;ポリカーボネート、セルロース系樹脂;アセチルセルロース、セルロースアセチルプロピーネート、セルロースアセテートブチレート、セロファン等の再生セルロース等を例示できるが、ポリエチレンテレフタレートを好適に用いることができる。
熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤の1種或いは2種類以上を配合することができる。
本発明の成形体を含む積層体においては、上記基材及び成形体から成るバリア層以外に、必要により他の層を形成することもできる。
本発明の成形体から成るバリア層は、オレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等の従来公知の耐湿性樹脂から成る層をエポキシ樹脂とポリアミン樹脂の硬化反応物から成る耐湿性接着層や、従来公知のポリウレタン系接着剤等から成る接着層を介して、更に形成することもできる。
以下に本発明の実施例を説明する。なお、以下の実施例は本発明の一例であり、本発明はこれらの実施例には限定されない。各項目の測定方法は、次の通りである。
<アニオン性官能基量>
セルロースナノクリスタルを含む分散液を秤量し、イオン交換水を加えて0.05〜0.3質量%のナノセルロースナノクリスタルを含有する分散液100mlを調製した。陽イオン交換樹脂を0.1g加えて攪拌処理した。その後ろ過を行い陽イオン交換樹脂とセルロースナノクリスタルを含む分散液を分離した。陽イオン交換後の分散液に対して電位差自動滴定装置(京都電子社製)を用いて0.05M水酸化ナトリウム溶液を滴下し、セルロースナノクリスタルを含有する分散液が示す電気伝導度の変化を計測した。得られた伝導度曲線からアニオン性官能基の中和の為に消費された水酸化ナトリウム滴定量を求め、下記式を用いてアニオン性官能基量(mmol/g)を算出した。
アニオン性官能基量(mmol/g)=アニオン性官能基の中和の為に消費した水酸化ナトリウム滴定量(ml)×前記水酸化ナトリウム濃度(mmol/ml)÷セルロースナノクリスタルの固形質量(g)
<酸素透過度>
酸素透過量測定装置(OX−TRAN2/22、モコン)を用いて、23℃、湿度80%RHの条件でガスバリア性成形体の酸素透過度(cc/m・day・atm)を測定した。
<TOF−SIMS>
ガスバリア性成形体を1cm角に切り出し、塗工面側を上部にして試料台に固定した。TOF−SIMS分析装置(アルバック・ファイ製、TRIFT V)において塗工面の表面から基材内部までエッジングしながら分析を行った。Arガスクラスターイオン(Arn+)をエッジングイオンとして一次イオン(Bi32+)を照射した。一次イオン加速電圧は30KV、測定極性を負イオンにし、帯電補正用中和銃を使用した。図1に結果を示す。
<実施例1>
<組成物Aの溶液の調製>
ポリエチレンイミン(PEI,株式会社日本触媒製)を0.5質量%及び炭酸カルシウムを1.8質量%になるようにイオン交換水に加えて分散処理を行うことで組成物Aの溶液を調製した。
<組成物Bの分散液の調製>
パルプを64質量%の硫酸で分解処理することによって調製した硫酸基及び/又はスルホ基を含有するセルロースナノクリスタルを含む分散液にイオン交換水を加えて分散処理を行い、次いで無水クエン酸、硫酸、合成マイカ(親水性膨潤性雲母)、ポリビニルアルコール(完全ケン化型)、アンモニアをナノセルロース100質量部(固形分)に対して10質量部、2質量部、30質量部、30質量部及び15質量部を添加して攪拌を行い、前記セルロースナノクリスタルの固形量が1質量%でpHが6.8の組成物Bの分散液を調製した。前記セルロースナノクリスタルのアニオン性官能基量は0.2mmol/gであった。
<ガスバリア性成形体の調製>
コロナ処理された2軸延伸PETフィルム(ルミラーP60,12μm,東レ株式会社製)基材にバーコーターを用いて前記組成物Aの溶液をPEIの塗工量が固形量として0.6g/mになるように塗工し、熱風乾燥器(MSO−TP,ADVANTEC社製)により50℃で10分乾燥して固形化した。次いで、前記組成物Bの分散液を固形化した前記組成物A上にバーコーターを用いて塗工し、その後150℃で30分間乾燥を行うことで、組成物Aから成る層と組成物Bから成る層を積層することによりA層及びB層を混合し、該混合層を加熱乾燥して成る事を特徴とするガスバリア性成形体を調製した。セルロースナノクリスタルの塗工量は固形量として1.0g/mであった。
<実施例2>
アンモニアをナノセルロース100質量部(固形分)に対して20質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、組成物Aの溶液及びpHが8.8の組成物Bの分散液を調製した。次いで、実施例1と同様の操作を行い、ガスバリア性成形体を調製した。
<比較例1>
炭酸カルシウムを加えない以外は実施例1と同様の操作を行い、組成物Aの溶液を調製した。また、アンモニアを加えない以外は実施例1と同様の操作を行い、組成物Bの分散液を調製した。次いで、実施例1と同様の操作を行い、ガスバリア性成形体を調製した。
<比較例2>
実施例1と同様の操作を行い、組成物Aの溶液を調製した。また、アンモニアをナノセルロース100質量部(固形分)に対して10質量部を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、pHが4.1の組成物Bの分散液を調製した。次いで、実施例1と同様の操作を行い、ガスバリア性成形体を調製した。
Figure 2021113244
本発明のガスバリア性成形体は、高湿度条件下においても優れたガスバリア性を有することから、高湿度条件下で使用されるガスバリア材としてとして好適に使用できる。また本発明のガスバリア性成形体はガスバリア性フィルムとして、或いは熱可塑性樹脂等から成る疎水性の基材との界面剥離強度も向上されていることから、ガスバリア性積層体としても好適に使用される。

Claims (14)

  1. ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤、金属塩及び多価カチオン樹脂を含む成形体であって、前記ナノセルロースを固形分として1m当たり1.0g含有し且つ前記層状無機化合物を1m当たり0.3g含有する場合の23℃80%RHにおける酸素透過度が12.5(cc/m・day・atm)未満であることを特徴とするガスバリア性成形体。
  2. 前記ナノセルロースがセルロースナノクリスタルである請求項1記載のガスバリア性成形体。
  3. 前記セルロースナノクリスタルが、アニオン性官能基を0.01〜4.0mmol/gの量で含有する請求項2記載のガスバリア性成形体。
  4. 前記アニオン性官能基が、硫酸分解由来の硫酸基及び/又はスルホ基を少なくとも含有する請求項3記載のガスバリア性成形体。
  5. 前記ナノセルロース100質量部に対して、前記層状無機化合物が1〜50質量部の量で含有されている請求項1〜4の何れかに記載のガスバリア性成形体。
  6. 前記層状無機化合物が、マイカである請求項1〜5の何れかに記載のガスバリア性成形体。
  7. 前記水酸基含有高分子が、ポリビニルアルコールである請求項1〜6の何れかに記載のガスバリア性成形体。
  8. 前記反応性架橋剤が、クエン酸である請求項1〜7の何れかに記載のガスバリア性成形体。
  9. 前記金属塩が、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸鉄、炭酸銅、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸リチウム、炭酸銀の少なくとも1種から成る炭酸塩である請求項1〜8の何れかに記載のガスバリア性成形体。
  10. 金属塩及び多価カチオン性樹脂を含有する組成物Aから成るA層と、ナノセルロース、層状無機化合物、水酸基含有高分子、反応性架橋剤及びpH調整剤を含有する組成物Bから成る層Bを、積層することによりA層及びB層を混合し、該混合層を加熱乾燥して成ることを特徴とするガスバリア性成形体の製造方法。
  11. 前記組成物BのpHが、6〜10である請求項10記載のガスバリア性成形体の製造方法。
  12. 前記組成物Aから成るA層を形成し、該A層の上に前記組成物Bを施しB層を形成することにより、A層とB層が混合される請求項10又は11記載のガスバリア性成形体の製造方法。
  13. 前記pH調整剤がアンモニアである請求項10〜12の何れかに記載のガスバリア性成形体の製造方法。
  14. 前記組成物Aが、前記多価カチオン樹脂100質量部に対して前記金属塩を10〜1000質量部の量で含有し、前記組成物Bが、前記ナノセルロース100質量部に対して、前記層状無機化合物を1〜50質量部、前記水酸基含有高分子を1〜50質量部、前記反応性架橋剤を1〜50質量部の量で含有する請求項10〜13の何れかに記載のガスバリア性成形体の製造方法。
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