以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の各実施形態の説明において、他の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。各実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。なお、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
[タイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかるタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図1は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、図1は、タイヤの一例として、乗用車用スタッドレスタイヤを示している。なお、本実施の形態によるタイヤ1は、空気入りタイヤであることが好ましく、タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
図1において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
タイヤ1は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(図1参照)。
一対のビードコア11、11は、スチールから成る1本あるいは複数本のビードワイヤを多重に巻き廻して成る環状構造を有し、ビード部に埋設されて左右のビード部のコアを構成する。一対のビードフィラー12、12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を構成する。
カーカス層13は、1枚のカーカスプライから成る単層構造あるいは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13のカーカスプライは、スチールあるいは有機繊維材(例えば、アラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で80[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。
ベルト層14は、一対の交差ベルト141、142と、ベルトカバー143とを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。一対の交差ベルト141、142は、スチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で20[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有する。また、一対の交差ベルト141、142は、相互に異符号のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有し、ベルトコードの長手方向を相互に交差させて積層される(いわゆるクロスプライ構造)。ベルトカバー143は、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバー143は、例えば、1本あるいは複数本のベルトコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、ビード部のリム嵌合面を構成する。
[トレッドパターン]
図2は、図1に記載したタイヤのトレッド面を示す平面図である。図2は、典型的なブロックパターンを示している。図2において、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸周りの方向をいう。また、符号Tは、タイヤ接地端であり、寸法記号TWは、タイヤ接地幅である。
図2に示すように、タイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝2と、これらの周方向主溝2に区画された複数の陸部3と、これらの陸部3に配置された複数のラグ溝4とをトレッド面に備える。複数の陸部3のうち、タイヤ赤道面CLに近い陸部3は、センター陸部3Cである。センター陸部3Cのタイヤ幅方向外側の陸部3は、ショルダー陸部3Sである。
主溝とは、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、3.0mm以上の溝幅および5.0mm以上の溝深さを有する。また、ラグ溝とは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、1.0mm以上の溝幅および3.0mm以上の溝深さを有し、タイヤ接地時に開口して溝として機能する。
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を測定点として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を測定点として、溝幅が測定される。
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
また、タイヤ赤道面CLを境界とする1つの領域に配置された2本以上の周方向主溝(タイヤ赤道面CL上に配置された周方向主溝を含む。)のうち、タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝を最外周方向主溝として定義する。最外周方向主溝は、タイヤ赤道面CLを境界とする左右の領域にてそれぞれ定義される。タイヤ赤道面CLから最外周方向主溝までの距離(図中の寸法記号省略)は、タイヤ接地幅TWの20[%]以上35[%]以下の範囲にある。
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
タイヤ接地端Tは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を加えたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大幅位置として定義される。
また、最外周方向主溝2に区画されたタイヤ幅方向外側の陸部3をショルダー陸部として定義する。ショルダー陸部3は、タイヤ幅方向の最も外側の陸部であり、タイヤ接地端T上に位置する。
また、図2の構成では、上記のように、各陸部3が複数のラグ溝4をそれぞれ備えている。また、これらのラグ溝4が、陸部3を貫通するオープン構造を有すると共に、タイヤ周方向に所定間隔で配列されている。これにより、すべての陸部3がラグ溝4によりタイヤ周方向に分断されて、複数のブロック5から成るブロック列が形成されている。しかし、これに限らず、陸部3がタイヤ周方向に連続するリブであっても良い(図示省略)。
各ブロック5の長さWbは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのブロックと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
また、図2の構成では、周方向主溝2およびラグ溝4が格子状に配列されて、矩形状のブロック5が形成されている。しかし、ブロック5は、任意の形状を有し得る。例えば、周方向主溝2がタイヤ幅方向に振幅をもつジグザグ形状を有しても良いし、ラグ溝4が屈曲あるいは湾曲した形状を有しても良い(図示省略)。また、例えば、タイヤ1が、図2の周方向主溝2およびラグ溝4に代えて、タイヤ周方向に対して所定角度で傾斜しつつ延在する複数の傾斜主溝と、隣り合う傾斜主溝を連通させるラグ溝と、これらの傾斜主溝およびラグ溝に区画されて成る複数のブロックとを備えても良い(図示省略)。これらの構成では、ブロックが長尺かつ複雑な形状を有し得る。
また、図2には示していないが、各ブロック5は、後述するように、ラグ溝と、サイプと、そのサイプに形成された面取部とを有する。
[ブロックのサイプ、面取部およびラグ溝]
図3は、図2に記載したブロックの第1の例を示す拡大図である。図3は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。
図3に示すように、ブロック5は、複数のラグ溝6aおよび6bと、複数のサイプ7と、各サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bとを備える。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aの終端部からラグ溝6aを延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8bが延在している。ラグ溝6aおよび6bとサイプ7と面取部8aおよび8bとは一列に配置されている。このとき、面取部8、ラグ溝6aおよび6bのうちの長い一方である面取部8を延長した延長線Ea、延長線Eb上に、短い他方であるラグ溝6a、ラグ溝6bが設けられている。以降の各例においても、ラグ溝とサイプと面取部とが一列に配置されている場合には、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。
サイプ7は、トレッド踏面に形成された切り込みであり、0.4mm以上1.0mm以下の溝幅および4mm以上32mm以下の溝深さを有する。サイプ7は、タイヤ接地時に閉塞する。ラグ溝6aおよび6bは、タイヤ幅方向に延在する横溝であり、1.0mm以上の溝幅および3.0mm以上の溝深さを有し、タイヤ接地時に開口して溝として機能する。ここで、ブロック5すなわち陸部の踏面における、面取部8の延在方向に直交する方向の幅とラグ溝6aおよび6bの延在方向に直交する方向の幅とはほぼ一致しており、両者の差は0mm以上1mm以下である。以降の各例においても、面取部の延在方向に直交する方向の幅とラグ溝の延在方向に直交する方向の幅とはほぼ一致しており、両者の差は0mm以上1mm以下である。
サイプ7は、ブロック5すなわち陸部(図2参照)に、タイヤ幅方向に延在している。サイプ7が配置されている部分において、サイプ7は、タイヤ幅方向の長さに対して、100%未満の長さを有する。ブロック5が矩形である場合、サイプ7は、ブロック5のタイヤ幅方向の最小長さに対して、100%の長さを有する。ブロック5が矩形である場合、サイプ7は、ブロック5のタイヤ幅方向の最大長さからラグ溝6aおよび6bの長さを差し引いた長さに対して、100%の長さを有する。サイプ7は、サイプ7が設けられている部分において、ブロック5を分断する。
図3は、一対の周方向主溝2およびラグ溝によって区画されるブロック5に、2本のサイプ7が設けられている場合を示している。サイプ7の数は2本に限定されず、より多くのサイプ7が設けられていてもよい。以降の各例においても同様である。以降の各例では、1本のサイプおよびラグ溝に着目して説明する。
図3において、本例のサイプ7には、2つの面取部8aおよび8bが設けられている。面取部8aおよび8bは、隣接する面のエッジ部を平面(例えば、C面取り)または曲面(例えば、R面取り)で接続する部分である。すなわち、サイプ7の溝壁面とブロック5の接地面とが隣接しており、それら隣接する面のエッジ部を平面または曲面で接続する部分が面取部8aおよび8bである。
図3において、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)にはラグ溝6a、ラグ溝6bが設けられている。ラグ溝6aの一方の端部が周方向主溝2に開口し、他方の端部がサイプ7に接続している。ラグ溝6aの終端部から、ラグ溝6aを延長するように、サイプ7および面取部8aが延在している。また、ラグ溝6bの一方の端部が周方向主溝2に開口し、他方の端部がサイプ7に接続している。ラグ溝6bの終端部から、ラグ溝6bを延長するように、サイプ7および面取部8bが延在している。
サイプ7については、両方の端部が、陸部であるブロック5を貫通せずに陸部であるブロック5内において終端している。本例においては、サイプ7のタイヤ幅方向の一方の端部はラグ溝6aに接続し、他方の端部はラグ溝6bに接続している。ラグ溝6aのタイヤ幅方向の一方の端部はサイプ7に接続し、他方の端部は周方向主溝2に開口している。ラグ溝6bのタイヤ幅方向の一方の端部はサイプ7に接続し、他方の端部は周方向主溝2に開口している。
図3においては、1つのサイプ7に対し、2つの面取部8a、8bが設けられている。面取部8a、8bはサイプ7の全長に対する一部分に設けられている。サイプ7の全長に対する一部分である面取部8aはラグ溝6aに隣接する。サイプ7の全長に対する一部分である面取部8bはラグ溝6bに隣接している。面取部8aのタイヤ幅方向の長さはWm1、面取部8bのタイヤ幅方向の長さはWm2である。サイプ7は面取部が設けられていない部分を有する。サイプ7の面取部が設けられていない部分のタイヤ幅方向の長さはWs1である。
ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbと、面取部8aの長さWm1と面取部8bの長さWm2とを合計した長さWmと、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とを合計した長さWrとが
Wb>(Wm+Wr)
の関係になっている。すなわち、ブロック5は、ラグ溝6aおよび6bならびにサイプ7によって分断されていない。なお、以降の各例における、タイヤ幅方向のそれぞれの長さの関係は、上記と同様に、Wb>(Wm+Wr)である。
サイプ7の全長Wsは、長さWm1、長さWm2、および、長さWs1を合計した長さである。面取部8aの長さWm1と面取部8bの長さWm2とを合計した長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7の全長Wsのうち、面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
面取部8aの長さWm1と面取部8bの長さWm2とを合計した長さWmは、サイプ7の全長に対して20%以上の長さである。面取部8aと面取部8bとを合計した長さWmがサイプ7の全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
なお、周方向主溝2の延在方向に垂直な方向の幅は、例えば5mm以上12mm以下である。面取部8の延在方向に垂直な方向の幅は、例えば1.0mm以上3.0mm以下である。ラグ溝6a、6bの延在方向に垂直な方向の幅は、例えば2.0mm以上4.0mm以下である。
図4は、図3中のA−A部の断面図である。図4において、サイプ7の深さをDs、面取部8(面取部8a、8b)の深さ(最深部の深さ)をDmとし、周方向主溝の溝深さをDとする。また、ラグ溝の深さをDrとする。このとき、深さの関係はD>Dr≧Ds>Dmである。このような深さの関係であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、以降の各例における深さの関係は、上記と同様に、D>Dr≧Ds>Dmである。
周方向主溝の溝深さDに対する、ラグ溝の深さDrの比Dr/Dは、0.3以上0.8以下であることが好ましい。比Dr/Dがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、以降の各例における深さの比Dr/Dは、0.3以上0.8以下であることが好ましい。
ラグ溝の深さDrに対する、サイプ7の深さDsの比Ds/Drは、0.3以上0.8以下であることが好ましい。比Ds/Drがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、以降の各例における深さの比Ds/Drは、0.3以上0.8以下であることが好ましい。
サイプ7の深さDsに対する、面取部8(面取部8a、8b)の深さ(最深部の深さ)Dmの比Dm/Dsは、0.1以上0.7以下であることが好ましい。比Dm/Dsがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、以降の各例における深さの比Dm/Dsは、0.1以上0.7以下であることが好ましい。
なお、周方向主溝2の深さは、例えば4mm以上8mm以下である。サイプ7の深さは、例えば3mm以上6mm以下である。面取部8の深さ(最深部の深さ)は、例えば1mm以上2mm以下である。ラグ溝の深さは、例えば、3mm以上6mm以下である。
陸部3のブロック5の踏面におけるサイプ7の延在方向に直交する方向の面取部8の幅をMLとした場合に、面取部8の深さDmに対して、深さの関係はML>Dmである。また、最深部Mbへ向かうほど、面取部8の幅MLが狭くなる。このような深さの関係であれば、ブロック剛性を維持して、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、以降の各例における深さの関係は、上記と同様に、ML>Dmである。
[他の実施形態]
図2に記載したブロックについては、サイプ、面取部、ラグ溝に関して様々な配置例が考えられる。図5は、図2に記載したブロックの第2の例を示す拡大図である。図5は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。本例では、1つのサイプ7に対して1つの面取部8が設けられ、2つのラグ溝6a、ラグ溝6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aおよび6bの終端部から離れて、面取部8が設けられている。面取部8の端部の一方はラグ溝6aに接続し、他方はラグ溝6bに接続する。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6aとラグ溝6bとは、別々の周方向主溝2に接続する。サイプ7、面取部8、ラグ溝6a、ラグ溝6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7の全長のうち、タイヤ幅方向の長さWs1の部分およびタイヤ幅方向の長さWs2の部分には面取部8が設けられていない。ここで、サイプ7の全長をWsとする。サイプ7の全長Wsは、長さWs1および長さWs2と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプ7だけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、サイプ7の全長Wsに対して20%以上である。長さWmがサイプ7の全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
なお、サイプ7の深さをDs、面取部8の深さ(最深部の深さ)をDmとし、周方向主溝の溝深さをDとする。また、ラグ溝の深さをDrとする。このとき、深さの関係はD>Dr≧Ds>Dmである。このような深さの関係であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図6は、図2に記載したブロックの第3の例を示す拡大図である。図6は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。本例では、1つのサイプ7に対して1つの面取部8が設けられ、2つのラグ溝6a、ラグ溝6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aの終端部からラグ溝6aを延長するように、面取部8が延在している。サイプ7、面取部8、ラグ溝6a、ラグ溝6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8の端部の一方はラグ溝6aに接続し、他方はラグ溝6bに接続していない。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6aとラグ溝6bとは、別々の周方向主溝2に接続する。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1の部分には面取部8が設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプ7だけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図7は、図2に記載したブロックの第4の例を示す拡大図である。図7は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。本例では、1つのサイプ7に対して2つの面取部8a、8bが設けられ、2つのラグ溝6a、ラグ溝6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6a、6bの終端部から離れて、面取部8a、8bが設けられている。サイプ7、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6a、ラグ溝6bは一列に配置されている。面取部8a、8bは、ラグ溝6a、ラグ溝6bに接続していない。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6aとラグ溝6bとは、別々の周方向主溝2に接続する。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1の部分、タイヤ幅方向の長さWs2の部分およびタイヤ幅方向の長さWs3の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1、長さWs2および長さWs3と、面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2との合計の長さである。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1、面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2を合計した長さをWmとする。長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7の全長Wsのうち、面取部8aおよび8bのタイヤ幅方向の長さWm1およびWm2を除く部分はサイプ7だけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1と長さWm2とを合計した長さは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1と長さWm2とを合計した長さが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図8は、図2に記載したブロックの第5の例を示す拡大図である。図8は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。本例では、1つのサイプ7に対して3つの面取部8a、8b、8cが設けられ、2つのラグ溝6a、ラグ溝6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8a、8bおよび8cは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6a、6bの終端部からラグ溝6a、6bを延長するように、面取部8a、8cが延在している。ラグ溝6a、6bの終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7、面取部8a、面取部8b、面取部8c、ラグ溝6a、ラグ溝6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8a、8bは、別々のラグ溝6a、ラグ溝6bに接続する。面取部8cはラグ溝6a、ラグ溝6bに接続していない。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6aとラグ溝6bとは、別々の周方向主溝2に接続する。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部が設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1、長さWs2と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプ7だけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2、面取部8cの長さWm3は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1、Wm2およびWm3を合計した長さは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1、Wm2およびWm3を合計した長さが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図9は、図2に記載したブロックの第6の例を示す拡大図である。図9は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図9において、本例のサイプ7には、2つの面取部8a、8bが設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8aは、ラグ溝6に接続している。面取部8bは、ラグ溝6に接続していない。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1と、面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、Wm2との合計の長さである。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1、面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2を合計した長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8aおよび8bのタイヤ幅方向の長さWm1およびWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、サイプも設けられていない。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さをWr1、ラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さをWr2とする。長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2、面取部8cの長さWm3は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1およびWm2を合計した長さが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図10は、図2に記載したブロックの第7の例を示す拡大図である。図10は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図10において、本例のサイプ7には、1つの面取部8が設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8が設けられている。サイプ7、面取部8、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8は、ラグ溝6に接続していない。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部が設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1、長さWs2と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、サイプも設けられていない。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図11は、図2に記載したブロックの第8の例を示す拡大図である。図11は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図11において、本例のサイプ7には、1つの面取部8が設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8が延在している。サイプ7、面取部8、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8は、ラグ溝6に接続している。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1の部分には面取部8が設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、サイプも設けられていない。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図12は、図2に記載したブロックの第9の例を示す拡大図である。図12は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図12において、本例のサイプ7には、2つの面取部8a、8bが設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8a、面取部8bが設けられている。サイプ7、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8は、ラグ溝6に接続している。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2、長さWs3の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1、長さWs2、長さWs3と、面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2との合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2の合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、サイプも設けられていない。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWr、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2、面取部8cの長さWm3は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1およびWm2を合計した長さが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図13は、図2に記載したブロックの第10の例を示す拡大図である。図13は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図13において、本例のサイプ7には、3つの面取部8a、8b、8cが設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8a、8bおよび8cは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8b、8cが設けられている。サイプ7、面取部8a、面取部8b、面取部8c、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8aは、ラグ溝6に接続している。面取部8b、8cは、ラグ溝6に接続していない。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部が設けられていない。サイプ7の全長Wsは、長さWs1、長さWs2と、面取部8a、8b、8cのタイヤ幅方向の長さWm1、Wm2、Wm3との合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2、長さWm3の合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2、長さWm3を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、サイプも設けられていない。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2、面取部8cの長さWm3は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1、Wm2およびWm3を合計した長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1、Wm2およびWm3を合計した長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図14は、図2に記載したブロックの第11の例を示す拡大図である。図14は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図14において、本例のブロック5は、2つのサイプ7a、サイプ7bを備える。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8a、面取部8bが設けられている。サイプ7a、サイプ7b、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aには1つの面取部8a、サイプ7bには1つの面取部8bが設けられている。サイプ7aとサイプ7bとの間には、1つのラグ溝6が設けられている。面取部8a、8bは、互いに異なる周方向主溝2に接続している。面取部8a、8bは、ラグ溝6に接続していない。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部以外の部分(すなわちエッジ部以外の部分)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続していない。サイプ7aの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7aの端部の他方は周方向主溝2に接続している。サイプ7bの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7bの端部の他方は周方向主溝2に接続している。ラグ溝6の両端部は、陸部内で終端しており、周方向主溝2に接続していない。ラグ溝6は、陸部のタイヤ幅方向のエッジ部以外の部分に設けられている。サイプ7aの長さとサイプ7bの長さとの合計である全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7aおよび7bの全長Wsは、長さWs1、長さWs2と、面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、Wm2との合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2の合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1、長さWm2、長さWm3を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWr、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8aの長さWm1、面取部8bの長さWm2は、例えば、それぞれ、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWm1およびWm2を合計した長さが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図15は、図2に記載したブロックの第12の例を示す拡大図である。図15は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図15において、本例のブロック5は、3つのサイプ7a、サイプ7b、サイプ7cを備える。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7bに設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6a、6bの終端部からラグ溝6a、6bを延長するように、面取部8が延在している。サイプ7a、サイプ7b、サイプ7c、面取部8、ラグ溝6a、ラグ溝6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7bには1つの面取部8が設けられている。面取部8のタイヤ幅方向の端部には、ラグ溝6a、ラグ溝6bが設けられている。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部以外の部分(すなわちエッジ部以外の部分)に設けられている。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、周方向主溝2に接続していない。面取部8は、ラグ溝6a、ラグ溝6bに接続している。サイプ7aの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7aの端部の他方は周方向主溝2に接続している。サイプ7cの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7cの端部の他方は周方向主溝2に接続している。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、周方向主溝2に接続していない。サイプ7a、サイプ7bおよびサイプ7cの長さの合計である全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部8が設けられていない。サイプ7a、サイプ7bおよびサイプ7cの全長Wsは、長さWs1および長さWs2と、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmとの合計の長さである。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8のタイヤ幅方向の長さWmを除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さWr1との合計の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8の長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、サイプ7のタイヤ幅方向の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図16は、図2に記載したブロックの第13の例を示す拡大図である。図16は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図16において、本例のブロック5は、2つのサイプ7a、サイプ7bを備える。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7a、サイプ7b、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aには1つの面取部8aが設けられている。サイプ7bには1つの面取部8bが設けられている。面取部8aのタイヤ幅方向の端部には、ラグ溝6が設けられている。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部以外の部分(すなわちエッジ部以外の部分)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続していない。面取部8aは、ラグ溝6に接続している。面取部8bは、ラグ溝6に接続していない。サイプ7aの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7aの端部の他方は周方向主溝2に接続している。サイプ7bの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7bの端部の他方は周方向主溝2に接続している。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続していない。サイプ7aおよびサイプ7bの長さの合計である全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7aおよびサイプ7bの全長Wsは、長さWs1および長さWs2と、面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1および面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さである。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7aおよびサイプ7bのタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8aの長さWm1および面取部8bの長さWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよびサイプ7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図17は、図2に記載したブロックの第14の例を示す拡大図である。図17は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図17において、本例のブロック5は、3つのサイプ7a、サイプ7b、サイプ7cを備える。サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8bが延在している。ラグ溝6aの終端部から離れて、面取部8aが設けられている。サイプ7a、サイプ7b、サイプ7c、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aには1つの面取部8aが設けられている。サイプ7bには面取部が設けられていない。サイプ7cには1つの面取部8bが設けられている。面取部8aのタイヤ幅方向の端部は、周方向主溝2に接続している。面取部8aは、ラグ溝6aに接続していない。面取部8bは、ラグ溝6bに接続している。面取部8bは、周方向主溝2に接続していない。サイプ7aの端部の一方はラグ溝6aに接続し、サイプ7aの端部の他方は周方向主溝2に接続している。サイプ7bの端部の一方はラグ溝6aに接続し、サイプ7bの端部の他方はラグ溝6bに接続している。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、ブロック5のタイヤ幅方向の端部以外の部分(すなわちエッジ部以外の部分)に設けられている。ラグ溝6a、ラグ溝6bは、周方向主溝2に接続していない。サイプ7cの端部の一方はラグ溝6bに接続し、サイプ7cの端部の他方は周方向主溝2に接続している。ラグ溝6a、6bは、周方向主溝2に接続していない。サイプ7a、サイプ7bおよびサイプ7cの長さの合計である全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2、長さWs3の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7a、サイプ7bおよびサイプ7cの全長Wsは、長さWs1、長さWs2および長さWs3と、面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1および面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さである。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7aおよびサイプ7bのタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8aの長さWm1および面取部8bの長さWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さWr1との合計の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7a、7bおよび7cの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図18は、図2に記載したブロックの第15の例を示す拡大図である。図18は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図18において、本例のブロック5は、2つのサイプ7a、サイプ7bを備える。サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7a、サイプ7b、面取部8a、面取部8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aには1つの面取部8aが設けられている。サイプ7bには1つの面取部8bが設けられている。面取部8aは、周方向主溝2に接続していない。面取部8aは、ラグ溝6に接続している。面取部8bのタイヤ幅方向の端部は、周方向主溝2に接続している。面取部8bは、ラグ溝6に接続していない。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部以外の部分(すなわちエッジ部以外の部分)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続していない。サイプ7aの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7aの端部の他方は周方向主溝2に接続している。サイプ7bの端部の一方はラグ溝6に接続し、サイプ7bの端部の他方は周方向主溝2に接続している。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続していない。サイプ7aおよびサイプ7bの長さの合計である全長Wsのうち、タイヤ幅方向の長さWs1、長さWs2の部分には面取部8a、8bが設けられていない。サイプ7aおよびサイプ7bの全長Wsは、長さWs1および長さWs2と、面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1および面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さである。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、サイプ7aおよびサイプ7bのタイヤ幅方向の全長Wsのうち、面取部8aの長さWm1および面取部8bの長さWm2を除く部分は、サイプだけが設けられている部分である。
ここで、ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さをWrとする。長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図19は、図2に記載したブロックの第16の例を示す拡大図である。図19は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図19において、本例のサイプ7には、1つの面取部8が設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8が延在している。サイプ7、面取部8、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8は、ラグ溝6に接続している。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長に面取部8が設けられているため、面取部8の長さWmはサイプ7の全長に等しい。図19において、長さWmと長さWrとの関係は、Wr<Wmである。なお、図19において、サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、ラグ溝6、面取部8およびサイプ7のいずれも設けられていない。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8の長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図20は、図2に記載したブロックの第17の例を示す拡大図である。図20は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図20において、本例のサイプ7には、1つの面取部8が設けられ、1つのラグ溝6がブロック5に設けられている。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8が延在している。サイプ7、面取部8、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。面取部8は、ラグ溝6に接続している。ラグ溝6は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)に設けられている。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続する。サイプ7の端部の一方はラグ溝6に接続している。サイプ7の端部の他方は周方向主溝2やラグ溝に接続せず、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7の全長に面取部8が設けられているため、面取部8の長さWmはサイプ7の全長に等しい。図19において、長さWmと長さWrとの関係は、Wr>Wmである。なお、図19において、サイプ7の終端位置から、ラグ溝6が設けられていない側の主溝2までの長さWaの範囲には、ラグ溝6、面取部8およびサイプ7のいずれも設けられていない。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8の長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図21は、図2に記載したブロックの第18の例を示す拡大図である。図21は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図21において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aとサイプ7bとの間に、ラグ溝6が設けられている。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8a、面取部8bが設けられている。サイプ7aおよび7b、面取部8aおよび8b、ラグ溝6は一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aの一端は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)において周方向主溝2に接続している。サイプ7aの他端および面取部8aは、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7bの一端は、ブロック5のタイヤ幅方向の端部(すなわちエッジ部)において周方向主溝2に接続している。サイプ7bの他端および面取部8bは、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6の両端部は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aおよび面取部8aとラグ溝6の一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。サイプ7bおよび面取部8bとラグ溝6の他方の端部との間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図22は、図2に記載したブロックの第19の例を示す拡大図である。図22は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図22において、本例のサイプ7には面取部8が設けられている。サイプ7の端部に、ラグ溝6a、6bが設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aの終端部からラグ溝6aを延長するように、面取部8が延在している。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8が延在している。サイプ7、面取部8、ラグ溝6aおよび6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。ラグ溝6a、6bは、いずれもブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6a、6bは、いずれも周方向主溝2に接続されていない。周方向主溝2とラグ溝6aの一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。周方向主溝2とラグ溝6bの一方の端部との間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さWr2との合計の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8の長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aおよび6bの合計の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7の全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmがサイプ7の全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図23は、図2に記載したブロックの第20の例を示す拡大図である。図23は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図23において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられており、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの端部は、ラグ溝6の一端に接続されている。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。ラグ溝6の他端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続されていない。周方向主溝2とサイプ7aの一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6とサイプ7bの一方の端部との間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7aおよび7bの全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmがサイプ7aおよび7bの全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図24は、図2に記載したブロックの第21の例を示す拡大図である。図24は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図24において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aは周方向主溝2に接続されており、サイプ7bは周方向主溝2に接続されていない。サイプ7bの端部に、ラグ溝6bが設けられている。ラグ溝6bの他端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6aのタイヤ幅方向の両端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6a、6bは、いずれも周方向主溝2に接続されていない。サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8bが延在している。ラグ溝6aの終端部から離れて、面取部8aが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6a、ラグ溝6b、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aとラグ溝6aとの間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6aとラグ溝6bとの間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。サイプ7bと周方向主溝2との間の長さWa3の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さWr2との合計の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7aおよび7bの全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmがサイプ7aおよび7bの全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図25は、図2に記載したブロックの第22の例を示す拡大図である。図25は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図25において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aは周方向主溝2に接続されていない。サイプ7aの一端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aの他端には、ラグ溝6が設けられている。ラグ溝6の他端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は、周方向主溝2に接続されていない。サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。サイプ7aと周方向主溝2との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。サイプ7bとラグ溝6との間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、サイプ7aおよび7bの全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmがサイプ7aおよび7bの全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
[傾斜して配置]
図3および図5から図25までは、サイプ、面取部およびラグ溝がタイヤ幅方向に沿って一列に配置される例である。サイプ、面取部およびラグ溝は、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際においてタイヤ径方向に傾斜して配置されていてもよい。
図26は、図2に記載したブロックの第23の例を示す拡大図である。図26は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図26において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7aの他端には、ラグ溝6が設けられている。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6の一端はサイプ7aに接続されており、ラグ溝6の他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は周方向主溝2に接続されていない。サイプ7bおよび面取部8bとラグ溝6の一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。面取部8a、面取部8bおよびラグ溝6は、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際におけるタイヤ径方向への傾斜方向が同じ方向である。
ラグ溝6を延在方向に延長する延長線と、面取部8aが設けられているサイプ7aを延在方向に延長する延長線と、面取部8bが設けられているサイプ7bを延在方向に延長する延長線とは、一致しており、図26中の延長線Eである。したがって、図26においては、ラグ溝6を延在方向に延長する延長線E上に、面取部8a、面取部8bが設けられている。面取部8aを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6、面取部8bが設けられている。面取部8bを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6、面取部8aが設けられている。このとき、面取部8aおよび8b、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線E上に、短い他方である面取部8aおよび8bが設けられている。
図26において、タイヤ周方向に対する延長線Eの角度αおよび角度βは等しい。角度αおよび角度βは、ともに±20[deg]以下である。角度αおよび角度β±10[deg]以下であることがより好ましい。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図27は、図2に記載したブロックの第24の例を示す拡大図である。図27は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図27において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7aの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aとサイプ7bとの間にラグ溝6が設けられている。ラグ溝6の両端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は周方向主溝2に接続されていない。サイプ7aおよび面取部8aとラグ溝6の一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。サイプ7bおよび面取部8bとラグ溝6の他方の端部との間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8a、面取部8bが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。面取部8a、面取部8bおよびラグ溝6は、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際におけるタイヤ径方向への傾斜方向が同じ方向である。
ラグ溝6を延在方向に延長する延長線と、面取部8aが設けられているサイプ7aを延在方向に延長する延長線と、面取部8bが設けられているサイプ7bを延在方向に延長する延長線とは、一致しており、図27中の延長線Eである。したがって、図27においては、ラグ溝6を延在方向に延長する延長線E上に、面取部8a、面取部8bが設けられている。面取部8aを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6、面取部8bが設けられている。面取部8bを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6、面取部8aが設けられている。このとき、面取部8aおよび8b、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線E上に、短い他方である面取部8aおよび8bが設けられている。
図27において、タイヤ周方向に対する延長線Eの角度αおよび角度βは等しい。角度αおよび角度βは、ともに±20[deg]以下である。角度αおよび角度β±10[deg]以下であることがより好ましい。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図28は、図2に記載したブロックの第25の例を示す拡大図である。図28は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図28において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7aの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端はラグ溝6bに接続されている。サイプ7aとラグ溝6bとの間にラグ溝6aが設けられている。ラグ溝6aの両端は、ブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6bの一端はサイプ7bに接続され、ラグ溝6bの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6a、6bは周方向主溝2に接続されていない。サイプ7aおよび面取部8aとラグ溝6aの一方の端部との間の長さWa1の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6aとラグ溝6bとの間の長さWa2の範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8bが延在している。ラグ溝6aの終端部から離れて、面取部8aが設けられている。サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6a、ラグ溝6b、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されている。面取部8a、面取部8b、および、ラグ溝6a、ラグ溝6bは、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際におけるタイヤ径方向への傾斜方向が同じ方向である。
面取部8aが設けられているサイプ7aを延在方向に延長する延長線と、面取部8bが設けられているサイプ7bを延在方向に延長する延長線とは、一致しており、図27中の延長線Eである。したがって、図28においては、面取部8aを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6a、ラグ溝6b、面取部8bが設けられている。面取部8bを延在方向に延長する延長線E上に、ラグ溝6a、ラグ溝6b、面取部8aが設けられている。このとき、面取部8aおよび8b、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線E上に、短い他方である面取部8aおよび8bが設けられている。
図28において、タイヤ周方向に対する延長線Eの角度αおよび角度βは等しい。角度αおよび角度βは、ともに±20[deg]以下である。角度αおよび角度β±10[deg]以下であることがより好ましい。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1とラグ溝6bのタイヤ幅方向の長さWr2との合計の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6aの長さWr1、ラグ溝6bの長さWr2は、例えば、それぞれ、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図29は、図2に記載したブロックの第26の例を示す拡大図である。図29は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図29において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7aの他端はラグ溝6に接続されている。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aとサイプ7bとの間にラグ溝6が設けられている。ラグ溝6の一端はサイプ7aに接続され、ラグ溝6の他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は周方向主溝2に接続されていない。ラグ溝6aの一方の端部とサイプ7bおよび面取部8bとの間の長さWaの範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。面取部8a、ラグ溝6および面取部8bは、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際におけるタイヤ径方向への傾斜方向が同じ方向である。
面取部8aが設けられているサイプ7aを延在方向に延長する面取延長線と、ラグ溝6を延在方向に延長するラグ溝延長線とは一致しており、図29中の延長線Eaである。延長線Eaと、面取部8bが設けられているサイプ7bを延在方向に延長する面取延長線である延長線Ebとは、一致していない。したがって、延長線Eaのタイヤ周方向に対する角度αと、延長線Ebのタイヤ周方向に対する角度βとは異なっている。角度αと角度βとの差は±20degの範囲内であることが好ましく、±10degであることがより好ましい。角度αと角度βとの差がこの範囲であれば、サイプ7aおよび面取部8a、ラグ溝6、サイプ7bおよび面取部8bは一列に配置されているとみなすことができ、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。なお、本例においても、面取部8aおよび8b、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線E上に、短い他方である面取部8aおよび8bが設けられていると言える。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図30は、図2に記載したブロックの第27の例を示す拡大図である。図30は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図30において、本例のサイプ7aには面取部8aが設けられ、サイプ7bには面取部8bが設けられている。サイプ7aの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7aの他端はラグ溝6に接続されている。サイプ7bの一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7bの他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。サイプ7aとサイプ7bとの間にラグ溝6が設けられている。ラグ溝6の一端はサイプ7aに接続され、ラグ溝6の他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6は周方向主溝2に接続されていない。ラグ溝6aの一方の端部とサイプ7bおよび面取部8bとの間の長さWaの範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6、サイプ7aに設けられた面取部8a、サイプ7bに設けられた面取部8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部からラグ溝6を延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8bが設けられている。面取部8a、ラグ溝6および面取部8bは、タイヤ周方向における所定の方向に向かう際におけるタイヤ径方向への傾斜方向が同じ方向である。
面取部8aが設けられているサイプ7aを延在方向に延長する面取延長線と、ラグ溝6を延在方向に延長するラグ溝延長線とは一致しており、図30中の延長線Eaである。延長線Eaと、面取部8bが設けられているサイプ7bを延在方向に延長する面取延長線である延長線Ebとは、一致していない。つまり、面取部8bは、延長線Eaに対して、タイヤ周方向にオフセットして配置されている。そのオフセット量は、延長線Eaと延長線Ebとが平行である場合において、延長線Eaと延長線Ebとのタイヤ周方向の距離Gである。距離Gは、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbの±20[%]の範囲内にあることが好ましく、±10[%]の範囲内にあることがより好ましい。すなわち、面取部8bは、上記の範囲内にあれば、サイプ7aおよび面取部8aがラグ溝6の略延長線上にあるといえる。このとき、本例においても、面取部8aおよび8b、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線E上に、短い他方である面取部8aおよび8bが設けられていると言える。
面取部8aのタイヤ幅方向の長さWm1と面取部8bのタイヤ幅方向の長さWm2との合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7aおよび7bの全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8a、8bの長さWm1、wm2は、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWm1およびWm2を合計した長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図31は、図2に記載したブロックの第28の例を示す拡大図である。図31は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図31において、本例のサイプ7には面取部8が設けられている。サイプ7の一端は周方向主溝2に接続されており、サイプ7の他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6の一端は周方向主溝2に接続されており、ラグ溝6の他端はブロック5すなわち陸部内において終端している。ラグ溝6の一方の端部とサイプ7および面取部8との間の長さWaの範囲には、ラグ溝、面取部およびサイプのいずれも設けられていない。ラグ溝6、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6の終端部から離れて、面取部8が設けられている。
ラグ溝6は、湾曲形状を有する。ラグ溝6の溝幅中心線を延長した延長線Ecを想定する。延長線Ecの曲率は、ラグ溝6の湾曲形状の曲率と同じ曲率である。サイプ7および面取部8は、ラグ溝6の終端部から離れた位置に、が設けられている。サイプ7および面取部8は、延長線Ec上に設けられている。このとき、面取部8、ラグ溝6のうちの長い一方であるラグ溝6を延長した延長線Ec上に、短い他方である面取部8が設けられている。延長線Ec上にサイプ7および面取部8が設けられていれば、ラグ溝6、サイプ7および面取部8は一列に配置されているとみなすことができる。これらが一列に配置されていることにより、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
面取部8のタイヤ幅方向の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。比Wm/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
ラグ溝6のタイヤ幅方向の長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。比Wr/Wbがこの範囲であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
サイプ7の全長Wsは、例えば1mm以上20mm以下、面取部8の長さWmは、例えば、3mm以上36mm以下、ラグ溝6の長さWrは、例えば、1mm以上20mm以下である。
長さWmは、全長Wsに対して20%以上の長さである。長さWmが全長Wsの20%以上であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
[片側だけの面取部]
図32は、図2に記載したブロックの第29の例を示す拡大図である。図32は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図32において、本例のサイプ7には、図3の場合と同様に、2つの面取部8a、8bが設けられ、2つのラグ溝6a、6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8aおよび8bは、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aの終端部からラグ溝6aを延長するように、面取部8aが延在している。ラグ溝6bの終端部からラグ溝6bを延長するように、面取部8bが延在している。ラグ溝6a、サイプ7および面取部8a、面取部8b、ラグ溝6bは一列に配置されている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。
本例では、図3の場合とは異なり、サイプ7の溝壁面の一方にのみ、面取部8a、8bが設けられている。サイプ7の溝壁面の他方には面取部8a、8bが設けられていない。つまり、面取部8a、8bは、サイプ7の両側の溝壁面のうちの一方にのみ設けられている。本例においても、図3の場合と同様に、サイプ7に設けられた面取部8a、8bのタイヤ幅方向の長さWm1、Wm2の合計の長さWmの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。また、本例においても、図3の場合と同様に、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。面取部8のタイヤ幅方向の長さは、サイプ7のタイヤ幅方向の長さに対して20%以上である。
図33は、図32中のA−A部の断面図である。図33において、サイプ7の深さをDs、面取部8(面取部8a、8b)の深さ(最深部の深さ)をDmとし、周方向主溝の溝深さをDとする。また、ラグ溝の深さをDrとする。このとき、深さの関係はD>Dr≧Ds>Dmである。このような深さの関係であれば、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図34は、図2に記載したブロックの第30の例を示す拡大図である。図34は、センター陸部3Cにある単体のブロック5の平面図を示している。図34において、本例のサイプ7には、図4の場合と同様に、1つの面取部8が設けられ、2つのラグ溝6a、6bがブロック5に設けられている。ラグ溝6aおよび6b、サイプ7に設けられた面取部8は、タイヤ幅方向に延在する、長尺構造を有する。ラグ溝6aおよび6bの終端部から離れて、面取部8が設けられている。このとき、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられていると言える。
本例では、図4の場合とは異なり、サイプ7の溝壁面の一方にのみ、面取部8が設けられている。サイプ7の溝壁面の他方には面取部8が設けられていない。つまり、面取部8は、サイプ7の両側の溝壁面のうちの一方にのみ設けられている。本例においても、図4の場合と同様に、サイプ7に設けられた面取部8のタイヤ幅方向の長さWm1の、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wm/Wbは0.2以上0.8以下であることが好ましい。また、本例においても、図4の場合と同様に、ラグ溝6aのタイヤ幅方向の長さWr1と長さWr2とを合計した長さWrの、ブロック5すなわち陸部のタイヤ幅方向の長さWbに対する比Wr/Wbは、0.1以上0.5以下であることが好ましい。面取部8のタイヤ幅方向の長さは、サイプ7のタイヤ幅方向の長さに対して20%以上である。他の図6から図31に記載した各ブロック5についても、サイプ7の両側の溝壁面のうちの一方にのみ面取部8が設けられていてもよい。
図32、図33および図34を参照して説明したように、サイプ7の溝壁面の少なくとも一方に面取部8が設けられていることにより、図3、図4および図5を参照して説明した場合と同様に、ブロック剛性を維持して耐摩耗性能を向上できるとともに、ドライ制動性能およびウエット制動性能を向上させることができる。
図3、図5から図32、図34において、サイプは、湾曲または屈曲していてもよい(図示せず)。1つのサイプに複数の面取部が設けられている場合において、一部の面取部についてはサイプ7の溝壁面の一方にのみ設けられていてもよい(図示せず)。
また、上記は、図3から図34を参照してセンター陸部3Cの場合について説明したが、ショルダー陸部3Sの場合についても上記と同様である。
[実施例]
表1から表5は、本実施の形態にかかるタイヤの性能試験の結果を示す表である。
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、耐摩耗性能、ドライ制動性能およびウエット制動性能に関する評価が行われた。また、サイズが205/55R16の試験タイヤを、サイズが16×6.5Jのホイールに組み付けられ、空気圧を200kPaとしFFセダン乗用車(総排気量1600cc)の試験車両に取り付けた。
耐摩耗性能については、試験車両にて乾燥路面のテストコースを走行し、トレッド面が全摩耗するまで走行した距離、すなわち、周方向主溝2に設けられるウェアインジケータが露出するまで走行した距離を測定し、測定した走行距離を指数化することによって評価した。指数の値が大きいほど耐摩耗性能に優れる。ドライ制動性能については、速度100km/h、乾燥路面にて制動距離を測定した。測定値の逆数を用い、指数の値が大きいほどドライ制動性能に優れる。ウエット制動性能については、速度100km/h、水深1mmのウエット路面にて制動距離を測定した。測定値の逆数を用い、指数の値が大きいほどウエット制動性能に優れる。
実施例1から実施例35のタイヤは、いずれもタイヤ周方向に延びる周方向主溝と、周方向主溝によって区画された陸部と、陸部をタイヤ幅方向に貫通するサイプと、サイプに設けられた面取部とを備え、ラグ溝と、サイプと、面取部とが一列に配置され、面取部とラグ溝との少なくとも一方は長尺構造を有し、面取部およびラグ溝のうちの長い一方を延長した延長線上に、短い他方が設けられており、陸部のタイヤ幅方向の長さWbと、面取部のタイヤ幅方向の長さWmと、ラグ溝のタイヤ幅方向の長さWrとがWb>(Wm+Wr)の関係であるタイヤであり、長さWbに対する長さWmの比Wm/Wbが0.2以上0.8以下であるものとそうでないもの、長さWbに対する長さWrの比Wr/Wbが0.1以上0.5以下であるものとそうでないもの、角度の差が±20[deg]の範囲内であるものとそうでないもの、オフセット量が±20[%]であるものとそうでないもの、面取部の幅とラグ溝の幅との差が0[mm]以上1[mm]以下であるものとそうでないもの、サイプの深さDsが面取部の深さDm以上であるものとそうでないもの、比Dr/Dが0.3以上0.8以下であるものとそうでないもの、比Ds/Drが0.3以上0.8以下である場合、比Dm/Dsが0.1以上0.7以下であるものとそうでないもの、面取部の幅MLと面取部の深さDmとの関係がML>Dmであるものとそうでないものである。
表1において、従来例のタイヤは、トレッド部にサイプを有するが、サイプの面取部を有していないタイヤである。表1において、比較例1のタイヤは、トレッド部にサイプおよび面取部を有し、それらと一列に配置されたラグ溝を有していないタイヤであり、サイプの長さに対する面取部の長さが100%であるタイヤである。表1において、比較例2のタイヤは、トレッド部にサイプとラグ溝とが一列に配置されているが、サイプに面取部を有していないタイヤである。
表1から表5に示すように、比Wm/Wbが0.2以上0.8以下である場合、比Wr/Wbが0.1以上0.5以下である場合、角度の差が±20[deg]の範囲内である場合、オフセット量が±20[%]である場合、面取部の幅とラグ溝の幅との差が0[mm]以上1[mm]以下である場合、サイプの深さDsが面取部の深さDm以上である場合、比Dr/Dが0.3以上0.8以下である場合、比Ds/Drが0.3以上0.8以下である場合、比Dm/Dsが0.1以上0.7以下である場合、面取部の幅MLと面取部の深さDmとの関係がML>Dmである場合に、耐摩耗性能、ドライ制動性能およびウエット制動性能について良好な結果が得られた。